JPH08311177A - 熱可塑性ポリエステル樹脂 - Google Patents
熱可塑性ポリエステル樹脂Info
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- JPH08311177A JPH08311177A JP14251595A JP14251595A JPH08311177A JP H08311177 A JPH08311177 A JP H08311177A JP 14251595 A JP14251595 A JP 14251595A JP 14251595 A JP14251595 A JP 14251595A JP H08311177 A JPH08311177 A JP H08311177A
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Abstract
ない高重合度のポリプロピレンテレフタレート樹脂を提
供する。 【構成】 プロピレンテレフタレート単位を主たる構成
単位とする熱可塑性ポリエステル樹脂であって、極限粘
度が 0.9以上、b値が10以下、オリゴマー含有量が1重
量%以下である熱可塑性ポリエステル樹脂。 【効果】 繊維とする場合、製糸工程で白粉として紡糸
口金面やその付近に付着し、糸切れを引き起こしたり、
フイルムとする場合、熱処理工程でフイルム表面に白粉
として析出したりすることがない。したがって、このP
PT樹脂を用いれば、衣料用や産業資材用として有用な
繊維や高品質のフイルムが安定して得られる。
Description
オリゴマー含有量の少ない高重合度のポリプロピレンテ
レフタレート(PPT)樹脂に関するものである。
た弾性回復率とを有することから、衣料や産業資材の繊
維等として用いるべく着目されてきた。しかしながら、
PPT樹脂は、熱分解しやすく、また、重縮合時にオリ
ゴマーが副生しやすいため、高重合度のものが得にく
く、得られるポリマーの色調が悪いという問題があっ
た。さらに、オリゴマー含有量の多いPPT樹脂を用い
ると、繊維とする場合、製糸工程で白粉として紡糸口金
面やその付近に付着し、糸切れを引き起こしたり、フイ
ルムとする場合、熱処理工程でフイルム表面に白粉とし
て析出したりするという問題があった。
として活性の高いチタン化合物を高濃度で用いる方法
(米国特許第 3,671,379号)が提案されているが、高重
合度のポリマーは得られるものの、着色が著しく実用に
供し得るものではなかった。さらに、高純度の1、3−
プロパンジオールを原料とし、重縮合触媒としてスズ化
合物を用い、これに特定の顔料を加える方法(特開平5
−262862号)も提案されているが、この方法では、高重
合度のポリマーを得ることができ、ある程度色調を改善
することができるものの、オリゴマーの副生を抑制する
ことが困難で、オリゴマー含有量の多いポリマーしか得
られないという問題があった。
点を解消し、色調が良好で、かつ、オリゴマー含有量の
少ない高重合度のPPT樹脂を提供しようとするもので
ある。
解決するもので、その要旨は、プロピレンテレフタレー
ト単位を主たる構成単位とする熱可塑性ポリエステル樹
脂であって、極限粘度が 0.9以上、b値が10以下、オリ
ゴマー含有量が1重量%以下であることを特徴とする熱
可塑性ポリエステル樹脂にある。なお、本発明におい
て、オリゴマーとは、クロロホルムに可溶な低重合度の
PPTをいう。
ジオール(PD)成分とテレフタル酸(TPA)成分と
からなるものであるが、その特性を損なわない範囲で、
エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、ε−カプロラクトン、イソフタル
酸、無水フタル酸、フタル酸、コハク酸、アジピン酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸等が共重合されていて
もよい。
ール化合物のような酸化防止剤等の各種安定剤、顔料、
難燃剤、制電剤等を必要に応じて任意に含有させること
ができる。
上、b値が10以下であることが必要である。極限粘度が
0.9未満のものでは、強度特性の良好な繊維やフイルム
等の成形物を安定して製造することが困難であり、b値
が10を超えるものでは、色調が悪く、商品価値の低いも
のとなる。なお、b値は黄味〜青味の色調を示し、0を
中心として+側に大きい程黄味を帯び、−側に大きいほ
ど青味を帯びていることを示す。(極端に小さくならな
い限りb値が小さい方がよい。)
含有量が1重量%以下であることが必要である。PPT
樹脂は、再溶融することにより、その条件によって多少
の差はあるものの、 0.5重量%程度のオリゴマーを生成
する。そのため、もともとのPPT樹脂中のオリゴマー
含有量が1重量%を超えるものでは、再溶融時に生成す
るオリゴマーとあいまって、紡糸時に糸切れが多発した
り、フイルム表面に白粉が析出したりして問題となる。
PAとをエステル化反応させ、得られたエステル化反応
物に重縮合触媒を添加して減圧下で溶融重縮合反応を行
ってプレポリマーとし、これを減圧下で固相重縮合して
所定の極限粘度のポリマーとすることによって製造する
ことができる。
テル化反応させ、エステル化反応率92〜98%のエステル
化反応物を得る。次に、得られたエステル化反応物に重
縮合触媒(テトラブチルチタネート又はスルホサリチル
酸が好ましい)を加え、減圧下、 235〜250 ℃の温度で
1〜2時間重縮合反応を行うことにより、極限粘度が0.
7〜0.8 で、b値が10以下のPPTプレポリマーを得
る。得られたプレポリマーを、50hPa 以下の減圧下、 1
90〜210 ℃の温度で固相重縮合を行い、極限粘度を 0.9
以上にすることにより、b値が10以下で、オリゴマー含
有量が1重量%以下のPPT樹脂を得ることができる。
する。なお、特性値等の測定、評価法は、次の通りであ
る。 (a) エステル化反応率 試料1t中に含まれる末端カルボキシ基の当量数を酸価
(AV)、試料1t中に含まれる全エステル結合と末端
カルボキシ基の当量数をけん化価(SN)とし、次の式
でエステル化反応率を求めた。 エステル化反応率(%)=〔(SN−AV)/SN〕×
100 (b) 極限粘度〔η〕 フェノールと四塩化エタンとの等重量混合物を溶媒とし
て、温度20℃で測定した。 (c) 融点(Tm)とガラス転移点(Tg) 示差走査熱量計(パーキンエルマー社製DSC-7型)を用
いて、昇温速度20℃/分で測定した。 (d) b値(ポリマーの色調) 色差計(日本電色工業社製 ND-Σ80型)を用いて測定し
た。 (e) オリゴマー含有量 ポリマーの場合は20〜35メッシュの大きさに粉砕したも
の、繊維の場合は油剤を洗い落としたものを試料とし、
ソックスレー抽出器により、クロロホルムで50時間抽出
し、クロロホルム可溶成分量をオリゴマー含有量として
求めた。 (試料に対する重量%で示した。) (f) 製糸性(紡糸糸切れ回数) PPT樹脂を、孔径 0.3mmの吐出孔を36個有する紡糸口
金を用い、紡糸温度 270℃、紡糸速度1400m/分、吐出
量12g/分の条件で10日間連続して紡糸し、1日当たり
の糸切れ回数を求めた。
(PD/TPAのモル比=2.0)を仕込み、3039hPaGの制
圧下、 240℃で4時間エステル化反応を行い、エステル
化反応率は95.6%のエステル化反応物を得た。得られた
エステル化反応物 40kg を重縮合反応缶に移送し、TP
A1モルに対しテトラブチルチタネート2×10-4モルを
加え、0.3hPaの減圧下、 245℃で2時間重縮合反応を行
い、極限粘度0.70のPPTプレポリマーを得た。得られ
たプレポリマーを 130℃で1時間予備乾燥した後、 1.3
hPa の減圧下、200℃で3時間固相重縮合することによ
り、極限粘度1.02のPPT樹脂を得た。得られたPPT
樹脂は、Tg45℃、Tm 224℃、b値 5.1であり、オリ
ゴマー含有量は 0.3重量%であった。上記のPPT樹脂
を、紡糸したところ、紡糸糸切れ回数は、0.2 回/日で
あり、紡糸口金面及びその周辺への白粉の付着もなく、
操業調子は良好であった。また、得られた繊維中のオリ
ゴマー含有量は 0.5重量%であった。
ことにより、オリゴマー含有量の異なるPPT樹脂を得
た。オリゴマー含有量が1重量%以下のPPT樹脂を用
いた場合、紡糸糸切れ回数は、1回/日未満であり、操
業調子は良好であったが、オリゴマー含有量が1重量%
を超えるPPT樹脂を用いた場合は、紡糸糸切れ回数が
多く、操業調子は不良であった。
重縮合を行わずに極限粘度0.96のPPT樹脂を得た。こ
のPPT樹脂のオリゴマー含有量は 2.3重量%であり、
このPPT樹脂を用いて紡糸したところ、紡糸糸切れ回
数が多く、操業調子は不良であった。
表1に示す。
オリゴマー含有量の少ない高重合度のPPT樹脂が提供
される。本発明のPPT樹脂は、オリゴマー含有量の少
ない高重合度のものであり、繊維とする場合、製糸工程
で白粉として紡糸口金面やその付近に付着し、糸切れを
引き起こしたり、フイルムとする場合、熱処理工程でフ
イルム表面に白粉として析出したりすることがない。し
たがって、本発明のPPT樹脂を用いれば、衣料用や産
業資材用として有用な繊維や高品質のフイルムを安定し
て得ることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 プロピレンテレフタレート単位を主たる
構成単位とする熱可塑性ポリエステル樹脂であって、極
限粘度が 0.9以上、b値が10以下、オリゴマー含有量が
1重量%以下であることを特徴とする熱可塑性ポリエス
テル樹脂。
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