JPH0831114B2 - 医療事務システムの入力即時チェック方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［概要］ 医療機関の窓口における料金計算および請求書，領収
書，診療報酬請求明細書等の発行を支援する電子計算機
による医療事務システムの入力即時チェック方法に関
し、 入力される診療行為の数量値を入力時に即時チェック
できるようにして、オペレータの注意負担を軽減して入
力作業を効率化させるとともに、信頼性を向上させるこ
と目的とし、 診療行為の会計関連情報が登録される診療行為マスタ
ファイルと、特定の病名または他の診療行為により決ま
る診療行為の数量限界値が、関連チェック情報として登
録される関連チェック情報マスタファイルとを備え、診
療行為の入力から診療行為マスタファイルを検索し、入
力された診療行為に対応する情報を読み出して計算処理
を行ない、会計情報を出力する電子計算機による診療事
務システムであって、診療行為の数量の制限値を記憶す
る領域と、診療行為に前記関連チェック情報が有るかど
うかを示す関連チェック情報有無フラグとを診療行為マ
スタファイル内に設けて予め登録し、診療行為の数量の
入力時に、診療行為マスタファイルを検索して診療行為
に対応する情報を読み出し、その中の関連チェック情報
有無フラグをチェックし、入力された診療行為に関連チ
ェック情報がなければ診療行為マスタファイルに登録さ
れている数量限定値により入力された診療行為の数量を
チェックし、関連チェック情報があれば関連チェック情
報マスタファイルを検索して読み出し、登録されている
限界値により入力された診療行為の数量をチェックし、
入力された数量にエラーがあればその旨を表示するよう
に構成する。

［産業上の利用分野］ 本発明は、医療機関の窓口における料金計算および請
求書，領収書，診療報酬請求明細書等の発行を支援する
電子計算機による医療事務システムの入力即時チェック
方法に関する。

［従来の技術］ 従来、医療事務システムは、例えば、小規模なシステ
ムでは電子計算機を窓口に料金計算に利用し、患者に対
する投薬，検査，レントゲンなどの診療行為、病名等の
診療データが記入されたカルテから、必要なデータをキ
ーボードより入力して、予め登録してある会計情報から
料金等の計算を行ない、印刷装置から窓口請求領収書
や、月間の診療報酬請求明細書などを発行して、医事会
計の合理化を図っていた。

［発明が解決しようとする課題］ ところが、従来の医療事務システムでは、診療行為の
入力におけるミスのチェックが、チェックに要する処理
時間が長かったり、チェック条件が他の診療行為や病名
との関連で不定となるため、入力時におけるチェックが
行なわれておらず、後に入力済の診療データをバッチ処
理により、長時間（１〜10時間程度）かけて一括してチ
ェックする方法が一部あるにとどまっていた。

このため、オペレータへの入力時の注意負担が大きく
なることから、効率の悪い入力作業となっていた。ま
た、入力ミスを後から訂正することになるため、信頼性
の低下につながり問題となっていた。

本発明は、このような課題に鑑みて創案されたもの
で、入力される診療行為の数量値を入力時に即時チェッ
クできるようにして、オペレータの注意負担を軽減して
入力作業を効率化させるとともに、信頼性を向上させる
ことのできる医療事務システムの入力即時チェック方法
を提供することを目的としている。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するための本発明における手段は、診
療行為の会計関連情報が登録される診療行為マスタファ
イルと、特定の病名または他の診療行為により決まる診
療行為の数量限界値が、関連チェック情報として登録さ
れる関連チェック情報マスタファイルとを備え、診療行
為の入力から診療行為マスタファイルを検索し、入力さ
れた診療行為に対応する情報を読み出して計算処理を行
ない、会計情報を出力する電子計算機による診療事務シ
ステムであって、診療行為の数量の制限値を記憶する領
域と、診療行為に前記関連チェック情報が有るかどうか
を示す関連チェック情報有無フラグとを診療行為マスタ
ファイル内に設けて予め登録し、診療行為の数量の入力
時に、診療行為マスタファイルを検索して診療行為に対
応する情報を読み出し、その中の関連チェック情報有無
フラグをチェックし、入力された診療行為に関連チェッ
ク情報がなければ診療行為マスタファイルに登録されて
いる数量制限値により入力された診療行為の数量をチェ
ックし、関連チェック情報があれば関連チェック情報マ
スタファイルを検索して読み出し、登録されている限界
値により入力された診療行為の数量をチェックし、入力
された数量にエラーがあればその旨を表示するようにす
る医療事務システムの入力即時チェック方法による。

［作用］ 例えば、診療行為の入力におけるチェック条件を、 A1…薬剤等における数量の上限値と下限値、 A2…検査，レントゲン等における１ヵ月間の許容回数、 A3…診療行為と病名との関連、 とし、また、病名や他の診療行為の影響で変動するチェ
ック条件を、 B1…病名や他の診療行為により変動する薬剤の数量上限
値、 B2…病名や他の診療行為により変化する検査，レントゲ
ン等の１ヶ月間許容回数、とすれば、 本発明における医療事務システムでは、A1,A2のチェ
ック条件を診療行為マスタファイルに登録し、A3,B1,B2
のチェック条件を関連チェック情報マスタファイルに登
録する。さらに診療行為マスタファイルには、診療行為
ごとのデータファイルに、その診療行為のチェック条件
が病名や他の診療行為により変動するかどうかを示す関
連チェック情報有無フラグを登録する。

そして、診療行為の数量の入力に対して、診療行為マ
スタファイルを検索して読み出した、診療行為に対応す
るファイルデータの中で、まず最初に関連チェック情報
有無フラグをチェックし、病名や他の診療行為によりチ
ェック条件に変動がなければ、A1またはA2のチェック条
件によりチェックを行なう。変動のある診療行為であれ
ば関連チェック情報マスタファイルを検索して、診療行
為に対応するファイルデータを読み出し、A3およびB1ま
たはB2のチェック条件によりチェックを行なう。チェッ
クの結果、入力された数量がチェック条件に適合しなけ
れば、入力異常としてその旨を表示し、再入力を促す。

一方、入力された数量がチェック条件に適合していれ
ば、診療行為マスタファイルのファイルデータから会計
情報を計算して、次の診療行為の入力待ち、または窓口
請求領収書の発行などを行なう。

［実施例］ 以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明
する。

第１図は、本発明の一実施例の医療事務システムの構
成図、第２図は、その実施例における入力即時チェック
方法の処理フローチャートである。本実施例の医療事務
システムは、第１図に示すように、電子計算機を利用し
た小規模なシステムであり、中央処理装置（CPU）１の
処理により、ディスプレイ２への入力画面等の表示、キ
ーボード３からのデータ入力、入力データの外部記憶装
置４への記憶と読み出し、医事会計計算処理、プリンタ
５による窓口請求領収書，診療報酬請求明細書等の発
行、などが行なわれる。

外部記憶装置４には、第１図に示すように、患者情報
ファイルa,診療行為マスタファイルb,関連チェック情報
マスタファイルｃが構築される。患者情報ファイルａ
は、氏名などの診療行為以外の患者情報や病名、および
第３図の診療行為の入力画面の一例に示すように、入力
された投薬，検査，レントゲン等の診療行為およびその
数量のデータを、初診時からの経歴データとして記憶す
るファイルである。診療行為マスタファイルｂは、第４
図のデータ登録入力画面の一例に示すように、薬剤の単
価，検査の費用などの会計情報が登録され、診療行為ご
とにデータファイル化したものであり、第５図は１つの
診療行為のデータファイルのレイアウトの一例である。
関連チェック情報マスタファイルｃは、第６図のデータ
登録入力画面の一例を示すように、診療行為ごとに一般
の行為・病名に対する限界値と特定の行為・病名に対す
る限界値、および特定の行為・病名が登録されてデータ
ファイル化したものである。

本実施例の医療事務システムは、医療機関の窓口にお
ける会計業務に利用されるものでるが、業務利用前に、
診療行為マスタファイルｂと関連チェック情報マスタフ
ァイルｃへのデータ登録が行なわれる。

診療行為マスタファイルｂへの登録は、第４図のデー
タ登録用入力画面に示すように、診療行為の名称，単価
等の会計情報に関するデータが、診療行為ごとに入力さ
れて登録される。また、同図に示すように、本実施例で
は会計情報の他に診療行為における数量の制限値とし
て、薬剤であれば数量上限値と数量下限値が登録され、
検査，レントゲン等の診療行為であれば１ヵ月間の許容
回数が登録される。そして、さらにその診療行為の制限
値が、病名や他の診療行為により変動するものであるか
どうかを示す、関連チェック情報有無フラグが、変動す
る場合は“1",変動しない場合は“0"が入力されて登録
される。

関連チェック情報マスタファイルｃへの登録は、第６
図のデータ登録入力画面の一例に示すように、診療行為
ごとに一般の行為・病名に対する限界値と、特定の行為
または病名、および特定の行為・病名に対する限界値が
入力されて登録される。例えば第６図の例では、処理中
の患者に「サガミシン注60」の薬剤が算定されていた場
合、関連チェック情報として同図のように登録された登
録データが読み出され、そして、その患者の傷病名が
「腎盂炎」でなければ、一般の行為・病名に対する限界
値である“3A（アンプル）”で極量チェックが行なわ
れ、「腎盂炎」であれば、特定の行為・病名に対する限
界値である“4A"で極量チェックが行なわれる。そして
この場合は数量の下限、１ヵ月間の可能回数については
チェックが行なわれない（“0"はチェックしない）。

本実施例の医療事務システムは、上述したように診療
行為マスタファイルｂおよび関連チェック情報マスタフ
ァイルｃへのデータ登録がなされると、窓口にて利用さ
れ、初診時には、まず診療行為以外の患者情報が入力さ
れて患者情報ファイルａに登録される。さらに診断され
た病名および第３図に示すように診療行為がカルテから
入力されて、患者情報として患者情報ファイルａに登録
される。同時に、診療行為マスタファイルｂから会計情
報を読み出し、医事会計計算を行ない医療費支払いに伴
う窓口請求領収書を発行したり、１ヵ月に１回程度、集
計のための診療報酬請求明細書の発行などが行なわれ
る。

本実施例では、第３図に示すような診療行為およびそ
の数量の入力時に、中央処理装置１の処理により、第２
図の処理フローチャートに示すように、入力された数量
の入力即時チェックが行なわれる。その入力即時チェッ
クを同処理フローチャートに付した番号に従って説明す
ると、 （１）入力画面に従って診療行為および数量がキーボー
ド３から入力されると、 （２）まず、診療行為マスタファイルｂを検索して、入
力された診療行為のファイルデータを読み出す。

（３）そのファイルデータのなかの関連チェック情報有
無フラグをチェックし、“0"（その診療行為には関連チ
ェック情報無し）であれば（10）の処理に行く。

（４）関連チェック情報有無フラグが“1"（その診療行
為には関連チェック情報有り）であると、関連チェック
情報マスタファイルｃを検索して、入力された診療行為
の関連チェック情報のファイルデータを読み出す。

（５）そのファイルデータの中から登録されている特定
の行為または病名のデータを取り出し、患者情報ファイ
ルａの患者情報の中に、その特定の行為または病名が有
るかどうかをサーチする。

（６）無ければ（10）の処理に行く。

（７），（８）有れば関連チェック情報のファイルデー
タの中から、特定の行為・病名に対する限界値である、
入力診療行為が薬剤であれば極量，数量下限値を、検
査，レントゲン等であれば月間可能回数の値を取り出
し、その値が“0"（チェックしない）でなければ、入力
された数量との比較を行ない、エラーがなければ（13）
の処理に行く。

（９）比較の結果にエラーがあれば、第３図に示すよう
にエラーメッセージを表示して再入力を促し、（２）に
戻って再入力された数量のチェックを行なう。

（10），（11）関連チェック情報がなければ、診療行為
マスタファイルａから読み出したファイルデータの中か
ら、入力診療行為が薬剤であれば数量上限値，数量下限
値を、検査，レントゲン等であれば１ヵ月間回数限界の
値を取り出し、その値が“0"（チェックしない）でなけ
れば入力された数量との比較を行ない、エラーがなけれ
ば（13）の処理に行く。

（12）比較の結果にエラーがあれば、第３図に示すよう
にエラーメッセージを表示して再入力を促し、（２）に
戻って再入力された数量のチェックを行なう。

（13）入力画面に次の診療行為、およびその数量の入力
を促す表示を行ない、その入力された診療行為と数量に
対して、（１）に戻ってチェックを繰り返す。

このように本実施例では、診療行為の数量が入力され
た時点で、その数量の限界値が参照されてその数量の入
力ミスがチェックされるようになされている。

なお、上記実施例では、小規模な医療事務システムに
おける入力即時チェックを示したが、本発明はこれに限
定されるものではなく、多数の端末からなる大規模な病
院情報システムにおいても、同様に適用できることは明
らかである。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明によれば、入力される診
療行為の数量値を、入力時に即時チェックできるように
なるため、入力するオペレータの注意負担が軽減されて
入力作業を効率化することができ、また、入力ミスが減
少するため、信頼性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の医療事務システムの構成
図、 第２図は、実施例における入力即時チェックの処理フロ
ーチャート、 第３図は診療行為の入力画面の一例、 第４図は診療行為マスタファイルのデータ登録入力画面
の一例、 第５図は診療行為マスタファイルのファイルレイアウト
の一例、 第６図は関連チェック情報マスタファイルのデータ登録
入力画面の一例である。 １…中央処理装置（CPU）、２…ディスプレイ、３…キ
ーボード、４…外部記憶装置、５…プリンタ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−51573（ＪＰ，Ａ) 三菱電機技報，ＶｏＬ．63，Ｎｏ．９, 1989，Ｐ．19−25

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】診療行為の会計関連情報が登録される診療
   行為マスタファイル（ｂ）と、特定の病名または他の診
   療行為により決まる診療行為の数量限界値が、関連チェ
   ック情報として登録される関連チェック情報マスタファ
   イル（ｃ）とを備え、 診療行為の入力から診療行為マスタファイル（ｂ）を検
   索し、入力された診療行為に対応する情報を読み出して
   計算処理を行ない、会計情報を出力する電子計算機によ
   る診療事務システムであって、 診療行為の数量の制限値を記憶する領域と、診療行為に
   前記関連チェック情報が有るかどうかを示す関連チェッ
   ク情報有無フラグとを診療行為マスタファイル（ｂ）内
   に設けて予め登録し、 診療行為の数量の入力時に、診療行為マスタファイル
   （ｂ）を検索して診療行為に対応する情報を読み出し、
   その中の関連チェック情報有無フラグをチェックし、 入力された診療行為に関連チェック情報がなければ診療
   行為マスタファイル（ｂ）に登録されている数量制限値
   により入力された診療行為の数量をチェックし、関連チ
   ェック情報があれば関連チェック情報マスタファイル
   （ｃ）を検索して読み出し、登録されている限界値によ
   り入力された診療行為の数量をチェックし、 入力された数量にエラーがあればその旨を表示するよう
   にする医療事務システムの入力即時チェック方法。