JPH08309199A - 酸型ゼオライト触媒、酸型ゼオライト触媒の製造方法および芳香族ハロゲン化物の異性化方法 - Google Patents
酸型ゼオライト触媒、酸型ゼオライト触媒の製造方法および芳香族ハロゲン化物の異性化方法Info
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- JPH08309199A JPH08309199A JP11995295A JP11995295A JPH08309199A JP H08309199 A JPH08309199 A JP H08309199A JP 11995295 A JP11995295 A JP 11995295A JP 11995295 A JP11995295 A JP 11995295A JP H08309199 A JPH08309199 A JP H08309199A
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- type zeolite
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C17/00—Preparation of halogenated hydrocarbons
- C07C17/35—Preparation of halogenated hydrocarbons by reactions not affecting the number of carbon or of halogen atoms in the reaction
- C07C17/358—Preparation of halogenated hydrocarbons by reactions not affecting the number of carbon or of halogen atoms in the reaction by isomerisation
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 リンおよびフッ素を含有することを特徴とす
る酸型ゼオライト触媒、ゼオライト触媒にリンを含む化
合物およびフッ素を含む化合物を含浸および/または混
練することを特徴とする酸型ゼオライト触媒の製造方法
および原料となる芳香族ハロゲン化物を、リンおよびフ
ッ素を含有するゼオライト触媒と接触させることを特徴
とする芳香族ハロゲン化物の異性化方法。 【効果】 本発明によれば、異性化の反応性が向上し、
副反応を抑制して異性化反応への選択性が向上した芳香
族ハロゲン化物の異性化法を提供する事ができる。
る酸型ゼオライト触媒、ゼオライト触媒にリンを含む化
合物およびフッ素を含む化合物を含浸および/または混
練することを特徴とする酸型ゼオライト触媒の製造方法
および原料となる芳香族ハロゲン化物を、リンおよびフ
ッ素を含有するゼオライト触媒と接触させることを特徴
とする芳香族ハロゲン化物の異性化方法。 【効果】 本発明によれば、異性化の反応性が向上し、
副反応を抑制して異性化反応への選択性が向上した芳香
族ハロゲン化物の異性化法を提供する事ができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は酸型ゼオライト触媒、酸
型ゼオライト触媒の製造方法および芳香族ハロゲン化物
の異性化法に関する。
型ゼオライト触媒の製造方法および芳香族ハロゲン化物
の異性化法に関する。
【0002】芳香族ハロゲン化物は有用な化合物であ
り、中でもジクロロトルエン(以下DCTと略称する)
は医薬、農薬の原料として有用な化合物である。
り、中でもジクロロトルエン(以下DCTと略称する)
は医薬、農薬の原料として有用な化合物である。
【0003】
【従来の技術】一般に、芳香族ハロゲン化物は芳香族化
合物のハロゲン化によって得られるが、この反応は配向
性の強い反応である。さらに、医薬、農薬などの原料と
して用いる場合、特定の異性体が必要となる。たとえば
トルエンのジクロロ化によって得られるDCTを例にと
ると、得られる異性体の種類および異性体の生成比率
は、2,4−DCT20〜35%、2,5−DCT25
〜55%、2,6−DCT5〜25%、2,3−DCT
8〜12%、3,4−DCT5〜12%である。この反
応によっては3,5−DCTを得ることができないので
3,5−DCTを目的とする場合DCTを異性化する必
要がある。
合物のハロゲン化によって得られるが、この反応は配向
性の強い反応である。さらに、医薬、農薬などの原料と
して用いる場合、特定の異性体が必要となる。たとえば
トルエンのジクロロ化によって得られるDCTを例にと
ると、得られる異性体の種類および異性体の生成比率
は、2,4−DCT20〜35%、2,5−DCT25
〜55%、2,6−DCT5〜25%、2,3−DCT
8〜12%、3,4−DCT5〜12%である。この反
応によっては3,5−DCTを得ることができないので
3,5−DCTを目的とする場合DCTを異性化する必
要がある。
【0004】DCT各異性体、さらには異性化によって
生成せしめられる3,5−DCTは、その単体として利
用するには分離する必要がある。
生成せしめられる3,5−DCTは、その単体として利
用するには分離する必要がある。
【0005】これら異性体を分離する方法としては、沸
点が互いに接近しているため蒸留法では分離できず、た
とえば特開昭60−423403号公報に示されるよう
に、吸着分離法あるいは吸着分離法と蒸留法の組み合わ
せによって達成できる。
点が互いに接近しているため蒸留法では分離できず、た
とえば特開昭60−423403号公報に示されるよう
に、吸着分離法あるいは吸着分離法と蒸留法の組み合わ
せによって達成できる。
【0006】目的とするDCT異性体を分離除去した残
りのDCT異性体は、異性化反応により再び目的とする
異性体濃度を増大せしめる事が経済的に極めて重要であ
る。その後、再び目的とするDCT異性体を分離除去
し、このサイクルを繰り返す。
りのDCT異性体は、異性化反応により再び目的とする
異性体濃度を増大せしめる事が経済的に極めて重要であ
る。その後、再び目的とするDCT異性体を分離除去
し、このサイクルを繰り返す。
【0007】このような異性化反応を行わせしめる方法
として、特開昭58−144330号公報にモルデナイ
ト型ゼオライトによる方法が開示されているが、副反応
によりDCT損失が大きく、工業的な方法としては十分
なものではなかった。
として、特開昭58−144330号公報にモルデナイ
ト型ゼオライトによる方法が開示されているが、副反応
によりDCT損失が大きく、工業的な方法としては十分
なものではなかった。
【0008】また、特開平1−258633号公報に
は、ゼオライトにリンまたはフッ素を含む触媒によるD
CTの異性化が開示されている。さらに、特開平4−1
87649号には、ゼオライトにアルミニウムの一部を
ホウ素または鉄で置換したゼオライトに、さらにリンま
たはフッ素を含有させた触媒によるDCTの異性化が開
示されている。
は、ゼオライトにリンまたはフッ素を含む触媒によるD
CTの異性化が開示されている。さらに、特開平4−1
87649号には、ゼオライトにアルミニウムの一部を
ホウ素または鉄で置換したゼオライトに、さらにリンま
たはフッ素を含有させた触媒によるDCTの異性化が開
示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】これら従来知られた異
性化方法では、副反応による芳香族ハロゲン化物の損失
が大きく経済的に不利なため、本発明者らは、かかる問
題を解消し効率良く芳香族ハロゲン化物を異性化し、濃
度の乏しい芳香族ハロゲン化物異性体の濃度を増大せし
める工業的に優れた方法を確立すべく鋭意検討した結
果、リンおよびフッ素を含有する酸型ゼオライト触媒を
使用することにより、芳香族ハロゲン化物の異性化が効
率的に行われ、損失が著しく改善する事を見出し本発明
に到達した。特に、2,6−DCT、3,5−DCT、
2,3−DCTを得る目的で異性化を行なう際に効果が
大きい。
性化方法では、副反応による芳香族ハロゲン化物の損失
が大きく経済的に不利なため、本発明者らは、かかる問
題を解消し効率良く芳香族ハロゲン化物を異性化し、濃
度の乏しい芳香族ハロゲン化物異性体の濃度を増大せし
める工業的に優れた方法を確立すべく鋭意検討した結
果、リンおよびフッ素を含有する酸型ゼオライト触媒を
使用することにより、芳香族ハロゲン化物の異性化が効
率的に行われ、損失が著しく改善する事を見出し本発明
に到達した。特に、2,6−DCT、3,5−DCT、
2,3−DCTを得る目的で異性化を行なう際に効果が
大きい。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、芳香族ハロゲ
ン化物を酸型ゼオライトと接触させて異性化するに際
し、リンおよびフッ素を含有する酸型ゼオライト触媒を
使用することを特徴とする芳香族ハロゲン化物の異性化
方法を提供するものである。
ン化物を酸型ゼオライトと接触させて異性化するに際
し、リンおよびフッ素を含有する酸型ゼオライト触媒を
使用することを特徴とする芳香族ハロゲン化物の異性化
方法を提供するものである。
【0011】すなわち、本発明はリンおよびフッ素を含
有することを特徴とする酸型ゼオライト触媒、ゼオライ
ト触媒にリンを含む化合物およびフッ素を含む化合物を
含浸および/または混練することを特徴とする酸型ゼオ
ライト触媒の製造方法および原料となる芳香族ハロゲン
化物を、リンおよびフッ素を含有するゼオライト触媒と
接触させることを特徴とする芳香族ハロゲン化物の異性
化方法である。
有することを特徴とする酸型ゼオライト触媒、ゼオライ
ト触媒にリンを含む化合物およびフッ素を含む化合物を
含浸および/または混練することを特徴とする酸型ゼオ
ライト触媒の製造方法および原料となる芳香族ハロゲン
化物を、リンおよびフッ素を含有するゼオライト触媒と
接触させることを特徴とする芳香族ハロゲン化物の異性
化方法である。
【0012】本発明に用いられる酸型ゼオライトとして
は、芳香族ハロゲン化物を異性化できるものであれば、
いずれのゼオライトも用いることができるが、その中で
好ましいのはモルデナイト型ゼオライト、ベータ型ゼオ
ライト、ペンタシル型ゼオライト等を例としてあげるこ
とができる。例えば芳香族ハロゲン化物がDCTの場
合、特に好ましいのはモルデナイト型ゼオライトであ
る。
は、芳香族ハロゲン化物を異性化できるものであれば、
いずれのゼオライトも用いることができるが、その中で
好ましいのはモルデナイト型ゼオライト、ベータ型ゼオ
ライト、ペンタシル型ゼオライト等を例としてあげるこ
とができる。例えば芳香族ハロゲン化物がDCTの場
合、特に好ましいのはモルデナイト型ゼオライトであ
る。
【0013】モルデナイト型ゼオライトの合成法は例え
ば特公昭47−46677号公報、特開昭58−910
32号公報などに開示されており、ベータ型ゼオライト
の合成法は例えばUSP3,308,069に開示され
ており、ペンタシル型ゼオライトの合成法は例えばUS
P3,702,886、USP4,511,547など
に開示されている。
ば特公昭47−46677号公報、特開昭58−910
32号公報などに開示されており、ベータ型ゼオライト
の合成法は例えばUSP3,308,069に開示され
ており、ペンタシル型ゼオライトの合成法は例えばUS
P3,702,886、USP4,511,547など
に開示されている。
【0014】本発明のゼオライト触媒は、リンおよびフ
ッ素を含有することが重要である。リンおよびフッ素を
含有するゼオライトはこれらを含む化合物を含浸および
/または混練することにより得られる。
ッ素を含有することが重要である。リンおよびフッ素を
含有するゼオライトはこれらを含む化合物を含浸および
/または混練することにより得られる。
【0015】リンおよびフッ素成分は、リン原子、フッ
素原子として、それぞれ全触媒量の0.05重量%から
5.0重量%含むことが好ましい。リン成分として使用
できるものは水溶性リン化合物が好ましく、例えばリン
酸、リン酸アンモニウム、リン酸水素アンモニウム等が
挙げられる。フッ素成分として使用できるものは水溶性
フッ素化合物が好ましく、例えばフッ化アンモニウムを
挙げることができる。また、リン成分およびフッ素成分
の両成分を含む化合物も使用でき、例えばヘキサフルオ
ロリン酸アンモニウムを挙げることができる。
素原子として、それぞれ全触媒量の0.05重量%から
5.0重量%含むことが好ましい。リン成分として使用
できるものは水溶性リン化合物が好ましく、例えばリン
酸、リン酸アンモニウム、リン酸水素アンモニウム等が
挙げられる。フッ素成分として使用できるものは水溶性
フッ素化合物が好ましく、例えばフッ化アンモニウムを
挙げることができる。また、リン成分およびフッ素成分
の両成分を含む化合物も使用でき、例えばヘキサフルオ
ロリン酸アンモニウムを挙げることができる。
【0016】本触媒にレニウム金属を導入することによ
り、コーキングによる触媒の失活を抑制する効果があ
る。レニウムは金属形態で、もしくは酸化物、硫化物、
セレン化物などの化合物の形態で存在し得るが、いずれ
の場合もレニウム成分をレニウム原子として計算して、
全触媒量の約0.01重量%から約2.0重量%含む時
に優れた結果が得られる。特に約0.05重量%から
1.0重量%が好ましい。レニウム成分として使用でき
るものは、過レニウム酸、過レニウム酸アンモニウム、
塩化レニウムなどを挙げることができる。
り、コーキングによる触媒の失活を抑制する効果があ
る。レニウムは金属形態で、もしくは酸化物、硫化物、
セレン化物などの化合物の形態で存在し得るが、いずれ
の場合もレニウム成分をレニウム原子として計算して、
全触媒量の約0.01重量%から約2.0重量%含む時
に優れた結果が得られる。特に約0.05重量%から
1.0重量%が好ましい。レニウム成分として使用でき
るものは、過レニウム酸、過レニウム酸アンモニウム、
塩化レニウムなどを挙げることができる。
【0017】本発明の触媒は通常成型体として使用され
る。成型法は特に制限されるものではなく、転動法、押
出し法、圧縮法などが用いられる。成型の際必要なら
ば、アルミナゾル、粘土等のバインダーを加えることも
可能である。また、レニウム等の金属を、含浸法、混練
法などにより触媒に導入することも可能である。このゼ
オライト成型体は通常300〜700℃で焼成すること
により活性化して触媒とする。
る。成型法は特に制限されるものではなく、転動法、押
出し法、圧縮法などが用いられる。成型の際必要なら
ば、アルミナゾル、粘土等のバインダーを加えることも
可能である。また、レニウム等の金属を、含浸法、混練
法などにより触媒に導入することも可能である。このゼ
オライト成型体は通常300〜700℃で焼成すること
により活性化して触媒とする。
【0018】本発明の酸型ゼオライト触媒は、各種の異
性化反応などに使用することができる。
性化反応などに使用することができる。
【0019】本発明において原料となる芳香族ハロゲン
化物は少なくとも1個のハロゲンで核置換されたハロゲ
ン化ベンゼンであり、例えばDCT、CT(クロロトル
エン)、DCB(ジクロロベンゼン)、TCB(トリク
ロロベンゼン)等が挙げられる。 本発明の異性化方法
においては、異性化に使用する酸型ゼオライトがリンお
よびフッ素の両方を含有することが必須である。これに
より、従来の異性化方法を大きく上回る効果をもたらす
ことができる。
化物は少なくとも1個のハロゲンで核置換されたハロゲ
ン化ベンゼンであり、例えばDCT、CT(クロロトル
エン)、DCB(ジクロロベンゼン)、TCB(トリク
ロロベンゼン)等が挙げられる。 本発明の異性化方法
においては、異性化に使用する酸型ゼオライトがリンお
よびフッ素の両方を含有することが必須である。これに
より、従来の異性化方法を大きく上回る効果をもたらす
ことができる。
【0020】例えばDCTに、リンおよびフッ素を含有
する酸型ゼオライト触媒に接触させて異性化反応を行う
ことにより、触媒活性が向上し、副反応によるDCT損
失が大きく改善される。
する酸型ゼオライト触媒に接触させて異性化反応を行う
ことにより、触媒活性が向上し、副反応によるDCT損
失が大きく改善される。
【0021】本発明の異性化反応において使用されるゼ
オライトは酸型体として用いられる。酸型のゼオライト
は、よく知られるようにゼオライト中の陽イオンを水素
イオンあるいは2価以上の多価カチオンにすることによ
って得られる。特に陽イオンを水素イオンとした酸型体
は活性が高く好ましい。
オライトは酸型体として用いられる。酸型のゼオライト
は、よく知られるようにゼオライト中の陽イオンを水素
イオンあるいは2価以上の多価カチオンにすることによ
って得られる。特に陽イオンを水素イオンとした酸型体
は活性が高く好ましい。
【0022】ゼオライト中の陽イオンを水素イオンにす
るには通常、ゼオライトを直接酸水溶液でイオン交換す
るか、金属陽イオンをアンモニウムイオンでイオン交換
し、ついで焼成する方法が行われる。また、ゼオライト
があらかじめ有機窒素含有カチオンを有する場合には焼
成により該有機窒素含有カチオンを分解させ水素イオン
に転化することにより酸型のゼオライトにすることがで
きる。もちろん必要に応じ、上述したイオン交換法によ
り、前記ゼオライト生成時に該ゼオライト中に存在する
ナトリウム等のアルカリ金属イオンをイオン交換するこ
とも可能である。 本発明の異性化方法は、上記のよう
にして調製されたリン成分およびフッ素成分の両成分を
含む酸型のゼオライトを触媒とし、芳香族ハロゲン化物
を接触的に異性化するものである。2,6−DCT、
3,5−DCT、2,3−DCTを得る目的で、異性化
を行なう際に、リン成分またはフッ素成分のどちらか一
方を含む触媒を使用する場合と比較して、優れた効果が
現れる。
るには通常、ゼオライトを直接酸水溶液でイオン交換す
るか、金属陽イオンをアンモニウムイオンでイオン交換
し、ついで焼成する方法が行われる。また、ゼオライト
があらかじめ有機窒素含有カチオンを有する場合には焼
成により該有機窒素含有カチオンを分解させ水素イオン
に転化することにより酸型のゼオライトにすることがで
きる。もちろん必要に応じ、上述したイオン交換法によ
り、前記ゼオライト生成時に該ゼオライト中に存在する
ナトリウム等のアルカリ金属イオンをイオン交換するこ
とも可能である。 本発明の異性化方法は、上記のよう
にして調製されたリン成分およびフッ素成分の両成分を
含む酸型のゼオライトを触媒とし、芳香族ハロゲン化物
を接触的に異性化するものである。2,6−DCT、
3,5−DCT、2,3−DCTを得る目的で、異性化
を行なう際に、リン成分またはフッ素成分のどちらか一
方を含む触媒を使用する場合と比較して、優れた効果が
現れる。
【0023】しかし、より好ましい実施形態は芳香族ハ
ロゲン化物を液相状態にし、水素ガスを少なくとも一部
液相芳香族ハロゲン化物に溶解させた状態で異性化させ
る方法である。液相状態で反応させると、触媒上に生成
した高沸点生成物が液相芳香族ハロゲン化物と共に系外
に流出するが、気相状態の場合には触媒上にそのまま残
留し、コークス成分となり触媒活性の被毒物質となりや
すい。
ロゲン化物を液相状態にし、水素ガスを少なくとも一部
液相芳香族ハロゲン化物に溶解させた状態で異性化させ
る方法である。液相状態で反応させると、触媒上に生成
した高沸点生成物が液相芳香族ハロゲン化物と共に系外
に流出するが、気相状態の場合には触媒上にそのまま残
留し、コークス成分となり触媒活性の被毒物質となりや
すい。
【0024】また、固定床、移動床、流動床のいずれの
方式も用いられるが、操作の容易さから固定床流通式反
応が特に好ましい。
方式も用いられるが、操作の容易さから固定床流通式反
応が特に好ましい。
【0025】反応温度は通常150〜500℃程度であ
るが、特に200〜450℃が好ましい。反応圧力は特
に限定されるものではないが、液相反応の場合、芳香族
ハロゲン化物を液相状態に保つべく反応圧力を設定しな
ければならないのはいうまでもない。
るが、特に200〜450℃が好ましい。反応圧力は特
に限定されるものではないが、液相反応の場合、芳香族
ハロゲン化物を液相状態に保つべく反応圧力を設定しな
ければならないのはいうまでもない。
【0026】重量空間速度(WHSV)は芳香族ハロゲ
ン化物基準で0.05〜10Hr-1、好ましくは0.1
〜5Hr-1である。
ン化物基準で0.05〜10Hr-1、好ましくは0.1
〜5Hr-1である。
【0027】かくして異性化によって得られた芳香族ハ
ロゲン化物各異性体は吸着分離法および/または蒸留法
により分離される。
ロゲン化物各異性体は吸着分離法および/または蒸留法
により分離される。
【0028】これら異性体は、医薬、農薬の原料として
利用される。
利用される。
【0029】
【実施例】以下に、本発明を実施例を持って説明する
が、本発明は、これらに規定されるものではない。
が、本発明は、これらに規定されるものではない。
【0030】実施例1 合成モルデナイト型ゼオライト(SiO2 /Al2 O3
比19.5モル/モル)粉末に、アルミナゾルをAl2
O3 換算で10重量%添加して混練後14〜24メッシ
ュに押出し成型し、約120℃で一晩乾燥後、540
℃、2時間空気中で焼成した。このモルデナイト成型体
を10重量%塩化アンモニウム水溶液を用いて固液比
2.0リットル/kg、約80℃で5回イオン交換し充
分水洗した。次いで、このアンモニウムイオン交換した
ゼオライトを約120℃で一晩乾燥し、乾燥基準で30
g採取した。これを1N−ヘキサフルオロリン酸アンモ
ニウム水溶液に固液比=3.0リットル/kgで浸し、
室温で3時間放置した。これを液切りした後に、レニウ
ムを金属として0.15g含む過レニウム酸水溶液に浸
し、室温で3時間放置した。その後、液を切り、約12
0℃で一晩乾燥し、次いで540℃で2時間焼成した。
この触媒を分析した結果、フッ素含量は1.4重量%、
リン含量は3.5重量%、Re含量は0.19重量%で
あった。
比19.5モル/モル)粉末に、アルミナゾルをAl2
O3 換算で10重量%添加して混練後14〜24メッシ
ュに押出し成型し、約120℃で一晩乾燥後、540
℃、2時間空気中で焼成した。このモルデナイト成型体
を10重量%塩化アンモニウム水溶液を用いて固液比
2.0リットル/kg、約80℃で5回イオン交換し充
分水洗した。次いで、このアンモニウムイオン交換した
ゼオライトを約120℃で一晩乾燥し、乾燥基準で30
g採取した。これを1N−ヘキサフルオロリン酸アンモ
ニウム水溶液に固液比=3.0リットル/kgで浸し、
室温で3時間放置した。これを液切りした後に、レニウ
ムを金属として0.15g含む過レニウム酸水溶液に浸
し、室温で3時間放置した。その後、液を切り、約12
0℃で一晩乾燥し、次いで540℃で2時間焼成した。
この触媒を分析した結果、フッ素含量は1.4重量%、
リン含量は3.5重量%、Re含量は0.19重量%で
あった。
【0031】この触媒を用いて固定床流通反応器を使用
し、DCT異性体混合物の異性化反応を行った結果を表
1に示す。異性化能が高いため、より低い反応温度で
3,5−DCT/回収ΣDCT=6.8%を達成し、か
つ反応選択性が向上して、目的とするDCT異性体の副
生物に対する生成比が増加しており、効率的に反応が行
われたことは明らかである。
し、DCT異性体混合物の異性化反応を行った結果を表
1に示す。異性化能が高いため、より低い反応温度で
3,5−DCT/回収ΣDCT=6.8%を達成し、か
つ反応選択性が向上して、目的とするDCT異性体の副
生物に対する生成比が増加しており、効率的に反応が行
われたことは明らかである。
【0032】比較例1 実施例1と同様にして触媒を調製した。ただしヘキサフ
ルオロリン酸アンモニウムによる処理は行わなかった。
この触媒を分析した結果Re含量は0.38重量%であ
った。
ルオロリン酸アンモニウムによる処理は行わなかった。
この触媒を分析した結果Re含量は0.38重量%であ
った。
【0033】この触媒を用いて固定床流通反応器を使用
し、DCT異性体混合物の異性化反応を行った結果を表
1に示す。
し、DCT異性体混合物の異性化反応を行った結果を表
1に示す。
【0034】比較例2 実施例1と同様にして触媒を調製した。ただしヘキサフ
ルオロリン酸アンモニウムではなしに、フッ化アンモニ
ウムによる処理を行った。この触媒を分析した結果、フ
ッ素含量は1.7重量%、Re含量は0.19重量%で
あった。
ルオロリン酸アンモニウムではなしに、フッ化アンモニ
ウムによる処理を行った。この触媒を分析した結果、フ
ッ素含量は1.7重量%、Re含量は0.19重量%で
あった。
【0035】この触媒を用いて固定床流通反応器を使用
し、DCT異性体混合物の異性化反応を行った結果を表
1に示す。
し、DCT異性体混合物の異性化反応を行った結果を表
1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、異性化の反応性が向上
し、副反応を抑制して異性化反応への選択性が向上し、
2,6−DCT、3,5−DCT、2,3−DCTへの
異性化に適した芳香族ハロゲン化物の異性化法を提供す
ることができる。
し、副反応を抑制して異性化反応への選択性が向上し、
2,6−DCT、3,5−DCT、2,3−DCTへの
異性化に適した芳香族ハロゲン化物の異性化法を提供す
ることができる。
Claims (16)
- 【請求項1】 リンおよびフッ素を含有することを特徴
とする酸型ゼオライト触媒。 - 【請求項2】 ゼオライト触媒がレニウムを含有するこ
とを特徴とする請求項1記載の酸型ゼオライト触媒。 - 【請求項3】 ゼオライトがモルデナイト型であること
を特徴とする請求項1または2記載の酸型ゼオライト触
媒。 - 【請求項4】 ゼオライト触媒にリンを含む化合物およ
びフッ素を含む化合物を含浸および/または混練するこ
とを特徴とする酸型ゼオライト触媒の製造方法。 - 【請求項5】 ゼオライト触媒にヘキサフルオロリン酸
アンモニウムを含浸させることを特徴とする請求項4記
載の酸型ゼオライト触媒の製造方法。 - 【請求項6】 原料となる芳香族ハロゲン化物を、リン
およびフッ素を含有するゼオライト触媒と接触させるこ
とを特徴とする芳香族ハロゲン化物の異性化方法。 - 【請求項7】 ゼオライト触媒がレニウムを含むことを
特徴とする請求項6記載の芳香族ハロゲン化物の異性化
方法。 - 【請求項8】 ゼオライトがモルデナイト型であること
を特徴とする請求項6または7記載の芳香族ハロゲン化
物の異性化方法。 - 【請求項9】 原料となる芳香族ハロゲン化物が次の一
般式(I) 【化1】 (ここでRは炭素数1〜4のアルキル基、Xはハロゲン
原子を表し、nは0から3までの整数、mは1から4ま
での整数であり、かつ2≦m+n≦5を満たす。)で表
されることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項記
載の芳香族ハロゲン化物の異性化方法。 - 【請求項10】 原料となる芳香族ハロゲン化物が異性
体混合物であることを特徴とする請求項6〜9のいずれ
か1項記載の芳香族ハロゲン化物の異性化方法。 - 【請求項11】 Rがメチル基、Xが塩素であることを
特徴とする請求項9または10記載の芳香族ハロゲン化
物の異性化方法。 - 【請求項12】 原料となる芳香族ハロゲン化物がジク
ロロトルエンであることを特徴とする請求項11記載の
芳香族ハロゲン化物の異性化方法。 - 【請求項13】 水素雰囲気下、液相で反応を行うこと
を特徴とする請求項6〜12のいずれか1項記載の芳香
族ハロゲン化物の異性化方法。 - 【請求項14】 2,6−ジクロロトルエン濃度の低い
原料を使用し2,6−ジクロロトルエン濃度を高めるこ
とを特徴とする請求項6〜13のいずれか1項記載の芳
香族ハロゲン化物の異性化方法。 - 【請求項15】 3,5−ジクロロトルエン濃度の低い
原料を使用し3,5−ジクロロトルエン濃度を高めるこ
とを特徴とする請求項6〜13のいずれか1項記載の芳
香族ハロゲン化物の異性化方法。 - 【請求項16】 2,3−ジクロロトルエン濃度の低い
原料を使用し2,3−ジクロロトルエン濃度を高めるこ
とを特徴とする請求項6〜13のいずれか1項記載の芳
香族ハロゲン化物の異性化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11995295A JPH08309199A (ja) | 1995-05-18 | 1995-05-18 | 酸型ゼオライト触媒、酸型ゼオライト触媒の製造方法および芳香族ハロゲン化物の異性化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11995295A JPH08309199A (ja) | 1995-05-18 | 1995-05-18 | 酸型ゼオライト触媒、酸型ゼオライト触媒の製造方法および芳香族ハロゲン化物の異性化方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08309199A true JPH08309199A (ja) | 1996-11-26 |
Family
ID=14774263
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11995295A Pending JPH08309199A (ja) | 1995-05-18 | 1995-05-18 | 酸型ゼオライト触媒、酸型ゼオライト触媒の製造方法および芳香族ハロゲン化物の異性化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08309199A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0940177A3 (en) * | 1997-07-10 | 1999-09-29 | Toray Industries, Inc. | Zeolite-based catalyst composition and a method for isomerizing halogenated aromatics |
CN105198696A (zh) * | 2015-09-30 | 2015-12-30 | 江苏大学 | 一种h型分子筛催化2,5-二氯甲苯制备2,6-二氯甲苯的方法 |
-
1995
- 1995-05-18 JP JP11995295A patent/JPH08309199A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0940177A3 (en) * | 1997-07-10 | 1999-09-29 | Toray Industries, Inc. | Zeolite-based catalyst composition and a method for isomerizing halogenated aromatics |
EP1447131A1 (en) * | 1997-07-10 | 2004-08-18 | Toray Industries, Inc. | Method for isomerizing halogenated aromatics |
CN105198696A (zh) * | 2015-09-30 | 2015-12-30 | 江苏大学 | 一种h型分子筛催化2,5-二氯甲苯制备2,6-二氯甲苯的方法 |
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