JPH08309197A - 酸型ゼオライト触媒の製造方法および芳香族ハロゲン化物の異性化方法 - Google Patents

酸型ゼオライト触媒の製造方法および芳香族ハロゲン化物の異性化方法

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JPH08309197A
JPH08309197A JP7119951A JP11995195A JPH08309197A JP H08309197 A JPH08309197 A JP H08309197A JP 7119951 A JP7119951 A JP 7119951A JP 11995195 A JP11995195 A JP 11995195A JP H08309197 A JPH08309197 A JP H08309197A
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JP
Japan
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type zeolite
aromatic halide
acid
isomerization
dichlorotoluene
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JP7119951A
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English (en)
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Shu Maeda
周 前田
Masatoshi Watanabe
正敏 渡辺
Mamoru Ishikawa
守 石川
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 酸型ゼオライトに、ホウ酸トリアルキルエス
テルを含浸および/または混練することを特徴とする酸
型ゼオライトの製造方法、および芳香族ハロゲン化物を
原料として酸型ゼオライトと接触させて異性化するに際
し、ホウ酸トリアルキルエステルによる処理をほどこし
た酸型ゼオライト触媒を使用することをを特徴とする、
芳香族ハロゲン化物の異性化方法。 【効果】本発明によれば、異性化の反応性が向上し、副
反応を抑制して異性化反応への選択性が向上した芳香族
ハロゲン化物の異性化法を提供する事ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は酸型ゼオライト触媒の製
造方法および芳香族ハロゲン化物の異性化法に関する。
【0002】芳香族ハロゲン化物は有用な化合物であ
り、中でもジクロロトルエン(以下、DCTと略称す
る)は医薬、農薬の原料として有用な化合物である。
【0003】
【従来の技術】一般に、芳香族ハロゲン化物は芳香族化
合物のハロゲン化によって得られるが、この反応は配向
性の強い反応である。さらに、医薬、農薬などの原料と
して用いる場合、特定の異性体が必要となる。たとえば
トルエンのジクロロ化によって得られるDCTを例にと
ると、得られる異性体の種類および異性体の生成比率
は、2,4−DCT20〜35%、2,5−DCT25
〜55%、2,6−DCT5〜25%、2,3−DCT
8〜12%、3,4−DCT5〜12%である。この反
応によっては3,5−DCTを得ることができないので
3,5−DCTを目的とする場合DCTを異性化する必
要がある。
【0004】DCT各異性体、さらには異性化によって
生成せしめられる3,5−DCTは、その単体として利
用するには分離する必要がある。
【0005】これら異性体を分離する方法としては、沸
点が互いに接近しているため蒸留法では分離できず、た
とえば特開昭60−423403号公報に示されるよう
に、吸着分離法あるいは吸着分離法と蒸留法の組み合わ
せによって達成できる。
【0006】目的とするDCT異性体を分離除去した残
りのDCT異性体は、異性化反応により再び目的とする
異性体濃度を増大せしめる事が経済的に極めて重要であ
る。その後、再び目的とするDCT異性体を分離除去
し、このサイクルを繰り返す。
【0007】このような異性化反応を行わせしめる方法
として、特開昭58−144330号公報にモルデナイ
ト型ゼオライトによる方法が開示されているが、異性化
能が十分でなく、かつ副反応によりDCT損失が大きい
という問題点を抱えていた。これらの問題点を解決する
方法として、モルデナイト型ゼオライト中のアルミニウ
ムの一部をゼオライト合成時にホウ素または鉄で置換し
た酸型ゼオライトによる異性化方法が特開平4−187
649号公報に開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法においてもなお、副反応による芳香族ハロゲン化
物の損失が大きく経済的に不利なため、本発明者らは、
かかる問題を解消し効率良く芳香族ハロゲン化物を異性
化し、濃度の乏しい芳香族ハロゲン化物異性体の濃度を
増大せしめる工業的に優れた方法を確立すべく鋭意検討
した結果、ホウ酸トリアルキルエステルによる処理をほ
どこした酸型ゼオライト触媒を使用することにより、芳
香族ハロゲン化物の異性化が効率的に行われ、損失が著
しく改善する事を見い出し本発明に到達した。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、酸型ゼオライ
トに、ホウ酸トリアルキルエステルを含浸および/また
は混練することを特徴とする酸型ゼオライト触媒の製造
方法および原料となる芳香族ハロゲン化物を、ホウ酸ト
リアルキルエステルを含浸および/または混練した酸型
ゼオライト触媒と接触させることを特徴とする芳香族ハ
ロゲン化物の異性化方法を提供するものである。
【0010】本発明に用いられる酸型ゼオライトとして
は、芳香族ハロゲン化物を異性化できるものであれば、
いずれのゼオライトも用いることができるが、その中で
好ましいのはモルデナイト型ゼオライト、ベータ型ゼオ
ライト、ペンタシル型ゼオライト等を例としてあげるこ
とができる。例えば芳香族ハロゲン化物がDCTの場
合、特に好ましいのはモルデナイト型ゼオライトであ
る。 モルデナイト型ゼオライトの合成法は例えば特公
昭47−46677号公報、特開昭58−91032号
公報などに開示されており、ベータ型ゼオライトの合成
法は例えばUSP3,308,069に開示されてお
り、ペンタシル型ゼオライトの合成法は例えばUSP
3,702,886、USP4,511,547などに
開示されている。
【0011】本発明の触媒は、ホウ酸トリアルキルエス
テルによる処理が必須であるが、この処理は含浸法、混
練法などによりより行われる。処理に使うホウ酸トリア
ルキルエステルとして使用できるものとして、例えばホ
ウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリプロピ
ル、ホウ酸トリブチル等を挙げることができる。
【0012】本触媒にレニウム金属を導入することによ
り、コーキングによる触媒の失活を抑制する効果があ
る。レニウムは金属形態で、もしくは酸化物、硫化物、
セレン化物などの化合物の形態で存在し得るが、いずれ
の場合もレニウム成分をレニウム原子として計算して、
全触媒量の約0.01重量%から約2.0重量%含む時
に優れた結果が得られる。特に約0.05重量%から
1.0重量%が好ましい。レニウム成分として使用でき
るものは、過レニウム酸、過レニウム酸アンモニウム、
塩化レニウムなどを挙げることができる。
【0013】本発明に、かかる触媒を用いるにあたって
は通常成型体として使用される。成型法は特に制限され
るものではなく、転動法、押出し法、圧縮法などが用い
られる。成型の際必要ならば、アルミナゾル、粘土等の
バインダーを加えることも可能である。また、レニウム
等の金属を、含浸法、混練法などにより触媒に導入する
ことも可能である。このゼオライト成型体は通常300
〜700℃で焼成することにより活性化して触媒とす
る。
【0014】本発明の酸型ゼオライト触媒は、各種の異
性化反応などに使用することができる。
【0015】本発明において原料となる芳香族ハロゲン
化物は少なくとも1個のハロゲンで核置換されたハロゲ
ン化ベンゼンであり、例えばDCT、CT(クロロトル
エン)、DCB(ジクロロベンゼン)、TCB(トリク
ロロベンゼン)等が挙げられる。 本発明の異性化方法
においては、異性化に使用する酸型ゼオライトにホウ酸
トリアルキルエステルによる処理をほどこすことが必須
である。これにより、従来の異性化方法を大きく上回る
効果をもたらすことができる。
【0016】例えばDCTに、ホウ酸トリアルキルエス
テルによる処理をほどこした酸型ゼオライト触媒に接触
させて異性化反応を行うことにより、損失が大きく改善
される。
【0017】本発明の異性化反応において使用されるゼ
オライトは酸型体として用いられる。酸型のゼオライト
は、よく知られるようにゼオライト中の陽イオンを水素
イオンあるいは2価以上の多価カチオンにすることによ
って得られる。特に陽イオンを水素イオンとした酸型体
は活性が高く好ましい。
【0018】ゼオライト中の陽イオンを水素イオンにす
るには通常、ゼオライトを直接酸水溶液でイオン交換す
るか、金属陽イオンをアンモニウムイオンでイオン交換
し、ついで焼成する方法が行われる。また、ゼオライト
があらかじめ有機窒素含有カチオンを有する場合には焼
成により該有機窒素含有カチオンを分解させ水素イオン
に転化することにより酸型のゼオライトにすることがで
きる。もちろん必要に応じ、上述したイオン交換法によ
り、前記ゼオライト生成時に該ゼオライト中に存在する
ナトリウム等のアルカリ金属イオンをイオン交換するこ
とも可能である。 本発明の異性化方法は、上記のよう
にして調製された酸型ゼオライトを触媒とし、芳香族ハ
ロゲン化物を接触的に異性化するものである。
【0019】しかし、より好ましい実施形態は芳香族ハ
ロゲン化物を液相状態にし、水素ガスを少なくとも一部
液相芳香族ハロゲン化物に溶解させた状態で異性化させ
る方法である。液相状態で反応させると、触媒上に生成
した高沸点生成物が液相芳香族ハロゲン化物と共に系外
に流出するが、気相状態の場合には触媒上にそのまま残
留し、コークス成分となり触媒活性の被毒物質となりや
すい。
【0020】また、固定床、移動床、流動床のいずれの
方式も用いられるが、操作の容易さから固定床流通式反
応が特に好ましい。
【0021】反応温度は通常150〜500℃程度であ
るが、特に200〜450℃が好ましい。反応圧力は特
に限定されるものではないが、液相反応の場合、芳香族
ハロゲン化物を液相状態に保つべく反応圧力を設定しな
ければならないのはいうまでもない。
【0022】重量空間速度(WHSV)は芳香族ハロゲ
ン化物基準で0.05〜10Hr-1、好ましくは0.1
〜5Hr-1である。
【0023】かくして異性化によって得られた芳香族ハ
ロゲン化物各異性体は吸着分離法および/または蒸留法
により分離される。
【0024】これら異性体は、医薬、農薬の原料として
利用される。
【0025】
【実施例】以下に、本発明を実施例を持って説明する
が、本発明は、これらに規定されるものではない。
【0026】実施例1 合成モルデナイト型ゼオライト(SiO2 /Al2 3
比19.5モル/モル)粉末に、アルミナゾルをAl2
3 換算で10重量%添加して混練後14〜24メッシ
ュに押出し成型し、約120℃で一晩乾燥後、540
℃、2時間空気中で焼成した。このモルデナイト成型体
を10重量%塩化アンモニウム水溶液を用いて固液比
2.0リットル/kg、約80℃で5回イオン交換し充
分水洗した。次いで、このアンモニウムイオン交換した
ゼオライトを約120℃で一晩乾燥し、乾燥基準で30
g採取した。これをメタノール95gにホウ酸トリメチ
ルエステル5.0gを溶解させた溶液に固液比=3.0
リットル/kgで浸し、室温で3時間放置した。これを
液切りした後に、レニウムを金属として0.15g含む
過レニウム酸水溶液に浸し、室温で3時間放置した。そ
の後、液を切り、約120℃で一晩乾燥し、次いで54
0℃で2時間焼成した。
【0027】この触媒を用いて固定床流通反応器を使用
し、DCT異性体混合物の異性化反応を行った結果を表
1に示す。3,5−DCT/回収ΣDCT=6.5%を
達成した場合の、目的とするDCT異性体の副生物に対
する生成比が増加しており、効率的に反応が行われたこ
とは明らかである。
【0028】比較例1 実施例1と同様にして触媒を調製した。ただしホウ酸ト
リメチルエステルによる処理は行わなかった。
【0029】この触媒を用いて固定床流通反応器を使用
し、DCT異性体混合物の異性化反応を行った結果を表
1に示す。
【0030】比較例2 実施例1と同様にして触媒を調製した。ただしホウ酸ト
リメチルエステルによる処理のかわりにホウ酸による処
理を行った。ホウ酸による処理はホウ酸の5重量%水溶
液にて行った。
【0031】この触媒を用いて固定床流通反応器を使用
し、DCT異性体混合物の異性化反応を行った結果を表
1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、異性化の際に副反応を
抑制して損失が改善するだけでなく、異性化反応への選
択性が向上した芳香族ハロゲン化物の異性化法を提供す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 25/02 9546−4H C07C 25/02 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸型ゼオライトに、ホウ酸トリアルキル
    エステルを含浸および/または混練することを特徴とす
    る酸型ゼオライト触媒の製造方法。
  2. 【請求項2】 ホウ酸トリアルキルエステルのアルキル
    基の炭素鎖の長さが1〜4であることを特徴とする請求
    項1記載の酸型ゼオライト触媒の製造方法。
  3. 【請求項3】 ホウ酸トリアルキルエステルがホウ酸ト
    リメチルであることを特徴とする請求項1記載の酸型ゼ
    オライト触媒の製造方法。
  4. 【請求項4】 酸型ゼオライトがレニウムを含有するこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の酸型
    ゼオライト触媒の製造方法。
  5. 【請求項5】 ゼオライトがモルデナイト型ゼオライト
    であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記
    載の酸型ゼオライト触媒の製造方法。
  6. 【請求項6】 原料となる芳香族ハロゲン化物を、ホウ
    酸トリアルキルエステルを含浸および/または混練した
    酸型ゼオライト触媒と接触させることを特徴とする芳香
    族ハロゲン化物の異性化方法。
  7. 【請求項7】 酸型ゼオライトがレニウムを含有するこ
    とを特徴とする請求項6記載の芳香族ハロゲン化物の異
    性化方法。
  8. 【請求項8】 原料となる芳香族ハロゲン化物が次の一
    般式(I) 【化1】 (ここでRは炭素数1〜4のアルキル基、Xはハロゲン
    原子を表し、nは0から3までの整数、mは1から4ま
    での整数であり、かつ2≦m+n≦5を満たす。)で表
    されることを特徴とする請求項6または7記載の芳香族
    ハロゲン化物の異性化方法。
  9. 【請求項9】 原料となる芳香族ハロゲン化物が異性体
    混合物であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか
    1項記載の芳香族ハロゲン化物の異性化方法。
  10. 【請求項10】 Rがメチル基、Xが塩素であることを
    特徴とする請求項8または9記載の芳香族ハロゲン化物
    の異性化方法。
  11. 【請求項11】 原料となる芳香族ハロゲン化物がジク
    ロロトルエンであることを特徴とする請求項10記載の
    芳香族ハロゲン化物の異性化方法。
  12. 【請求項12】 水素雰囲気下、液相で反応を行うこと
    を特徴とする請求項6〜11のいずれか1項記載の芳香
    族ハロゲン化物の異性化方法。
  13. 【請求項13】 2,6−ジクロロトルエン濃度の低い
    原料を使用し2,6−ジクロロトルエン濃度を高めるこ
    とを特徴とする請求項6〜12のいずれか1項記載の芳
    香族ハロゲン化物の異性化方法。
  14. 【請求項14】 3,5−ジクロロトルエン濃度の低い
    原料を使用し3,5−ジクロロトルエン濃度を高めるこ
    とを特徴とする請求項6〜12のいずれか1項記載の芳
    香族ハロゲン化物の異性化方法。
  15. 【請求項15】 2,3−ジクロロトルエン濃度の低い
    原料を使用し2,3−ジクロロトルエン濃度を高めるこ
    とを特徴とする請求項6〜12のいずれか1項記載の芳
    香族ハロゲン化物の異性化方法。
JP7119951A 1995-05-18 1995-05-18 酸型ゼオライト触媒の製造方法および芳香族ハロゲン化物の異性化方法 Pending JPH08309197A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998024745A1 (fr) * 1996-12-05 1998-06-11 Toray Industries, Inc. Procede d'isomerisation de l'ethylbenzene halogene et procede de separation d'isomeres d'ethylbenzene halogene

Cited By (2)

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WO1998024745A1 (fr) * 1996-12-05 1998-06-11 Toray Industries, Inc. Procede d'isomerisation de l'ethylbenzene halogene et procede de separation d'isomeres d'ethylbenzene halogene
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