JPH08308372A - コンバイン用結束機の結束搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 結束機から送られる結束排稈を搬送体で円滑
に継送するとともに、中割り作業時の結束排稈の排出を
も良好に行うことを目的とする。 【構成】 コンバインに搭載される脱穀機２の後部に排
稈を受板４で受けて結束する結束機１を装着するととも
に、該結束機１の後部に結束排稈を未刈地側から既刈地
側に向けて搬送放出する搬送体３を、前部を中心に搬送
作業姿勢と格納姿勢とに切換回動可能に取付けるととも
に、結束機１の受板４と上記搬送作業姿勢にある搬送体
３間に結束排稈を継送案内する案内板５を設け、該案内
板５を搬送体３の格納姿勢においてその搬送面上を覆う
ように切換可能に設け、上記搬送体３をスプリング３１
により搬送作業姿勢に付勢し、案内板５の前部を横軸５
０で枢支するとともに、後部にストッパ５２を形成する
ことにより、搬送体を上記ストッパ５２に係止させて格
納姿勢に維持させるように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、コンバインに装着され
る結束機の結束搬送装置に係り、詳しくは、結束機から
送られる結束排稈を搬送体で円滑に継送するとともに、
中割り作業時の排出を良好に行うことができるコンバイ
ン用結束機の結束搬送装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、コンバインに搭載された脱穀機の
後部に装着した結束機によって、脱穀済の排稈を結束し
て地上に放出する結束機は、該結束機の後部に搬送作業
姿勢と格納姿勢に切換回動可能に軸支された搬送体を平
面視で斜設するように取付け、搬送作業姿勢において結
束した排稈を未刈地側から既刈地側へ搬送放出するもの
が知られている。ところが、上記従来構成による結束の
搬送体は、結束機で結束された排稈が、斜設された搬送
体に直接的に引き継がれるため、穂先側が垂れ下がり円
滑な継送ができない欠点があるとともに、上記搬送体を
格納姿勢の非搬送状態に切換えて、結束排稈を機体巾内
に放出落下させて行なう中割り刈取作業を行ないたい場
合に、結束機から放擲される結束排稈が搬送体の上面部
分に引っかかり易く、結束排稈の放出姿勢の乱れや詰り
等を生ずる等の問題があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
実状に鑑み、従来の問題点を解消すべく創案されたもの
であって、その意図するところは、結束機の受板と搬送
体との間に案内板を設けたことにより、搬送体の搬送作
業姿勢時には結束排稈を案内板を介して搬送体に円滑に
継送するとともに、搬送体の格納姿勢時には案内板で搬
送体の搬送面を覆うようにして、結束排稈の排出を円滑
にし、中割り作業を良好に行うことができるコンバイン
用結束機の結束搬送装置を提供することを課題とするも
のである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明が採用した第１の技術手段は、コンバインに
搭載される脱穀機の後部に排稈を結束する結束機を装着
し、該結束機の後部に結束した排稈を未刈地側から既刈
地側に向けて搬送放出する搬送体を取付けた結束機にお
いて、前記搬送体を前部を中心に搬送作業姿勢と格納姿
勢とに切換回動可能に取付けるとともに、結束機の受板
と上記搬送作業姿勢にある搬送体間に結束排稈を継送案
内する案内板を設け、該案内板を搬送体の格納姿勢にお
いてその搬送面上を覆うように切換可能に設けたことを
特徴とするものであり、第２の技術手段は、搬送体をス
プリングにより搬送作業姿勢に付勢し、案内板の前部を
横軸で枢支するとともに、後部にストッパを形成し、搬
送体を上記ストッパに係止させて格納姿勢に維持させる
ように構成したことを特徴とするものである。

【０００５】

【作用】したがって、本発明によれば、搬送体の搬送作
業姿勢において結束機で結束された排稈は、受板から案
内板によって継送案内されて搬送体に円滑に継送されて
未刈地側から既刈地側に向けて搬送排出される。また搬
送体を格納姿勢にする際には、上記案内板を退避させて
格納姿勢にある搬送体の搬送面を覆うことにより、結束
された排稈を該搬送体に妨げられることなく円滑に排出
することができ、中割り作業を良好に行なうことができ
る。

【０００６】

【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。１はコンバイン等の機体に搭載される脱穀部２の
後部に装着した結束機であって、該結束機１は排稈搬送
体２０で送り込まれる脱穀済の排稈を結束部１０で結束
するとともに、結束された排稈を平面視で斜設した搬送
体３によって、未刈地側（機体の左側）から既刈地側
（機体の右側）に向けて排出するようにしている。上記
結束機１は前記排稈搬送体２０の終端部から掻込体１
１，１１によって排稈を結束部１０に掻き込む過程にお
いて、側方に株元側に設置された振動型の株揃板１２で
株揃いをさせた後、周知機構によって構成される結束部
１０で定量束に結束し、結束した排稈をスイーパ１３に
より搬送体３の始端部に引継がせることができるように
構成している。そして結束排出通路の下方には受板４と
後述する案内板５とを設けて結束排稈を良好に案内する
ようにしている。

【０００７】一方、搬送体３は図１〜図４に示すよう
に、その始端側の取付ブラケット３ａを結束機体１ａか
ら延設された伝動ケース１ｂに支軸３０によって回動可
能に枢支し、図１，図２に実線で示す搬送作業姿勢Ｓと
点線で示す格納姿勢Ｋとに切換回動できるようにしてい
る。図３，図４に示す３１は搬送体３を上記作業姿勢Ｓ
側に突出回動付勢するスプリングであり、その定量回動
位置を機体１ａ側に止着したワイヤ３２でスプリング３
１を張ることにより規制している。

【０００８】また、搬送体３に張架された突起付の搬送
帯３５は、その駆動軸（図示せず）が前記伝動ケース１
ｂから噛合クラッチ機構（図示せず）を介して、格納姿
勢Ｋにおいては非伝動状態となるように切換伝動可能に
構成している。７は作業姿勢Ｓにおいて、上記搬送帯３
５との間で結束した排稈を弾圧挾持可能に沿設された挾
持レールであって、その基部を機体１ａから延設させた
支持片１ｃに横軸１ｄを介して枢支させるとともに、張
りバネ７１を嵌挿したレール支軸７０を上下動可能に挿
通させた状態で、該レール支軸７０に多段に開設した取
付孔７２内に支持ピン７３を嵌めて、図３に示す作業姿
勢に弾性支持している。

【０００９】次に、前記案内板５の構成について図２〜
図４を参照して説明する。この案内板５は結束部１０の
下方に稈身を受けるように敷設固定された巾広の受板４
の後端部に取付軸５０及びスプリング５１を介して上下
回動可能に取付けられており、その平面視形状を受板４
の後端部と前記搬送体３の作業姿勢Ｓとで形成される空
間部位を閉塞状に覆うように形成している。そしてこの
状態において、該案内板５の適所を取付ブラケット３ａ
上に載せかけてスプリング５１で下方に付勢することに
より位置決め固定するようにしている。また、案内板５
の後端部は下方に曲成するとともに、その先端部にスト
ッパ５２を突設しており、搬送体３を格納姿勢Ｋに変姿
させたとき、該ストッパ５２が上記搬送体３の側面に係
合して搬送体３の格納姿勢を的確に維持規制することが
できるような機能を兼ねている。

【００１０】このように構成された結束搬送装置による
結束作業は、図１〜図３に示す作業姿勢Ｓにおいて、結
束部１０で結束された結束排稈がスイーパ１３によって
結束搬送路Ｈ内を後方に向けて移動するとき、該結束排
稈は受板４かか後方下りとなって搬送体３の搬送面に連
接する案内板５に案内されて滑動しながら、搬送帯３５
と挾持レール７間で的確に挾持されて、未刈地側から既
刈地側に受けて良好に搬送され放出することができ、円
滑なコンバイン作業を遂行することができる。

【００１１】また、コンバインの中割り刈取作業を行な
いたい場合等において、搬送体３を格納姿勢Ｋにすると
きは、挾持レール７を支持ピン７３を下段の取付孔７２
に挿通することにより、上動させた非搬送姿勢に切換え
るとともに、案内板５を図４の点線に示すようにスプリ
ング５１に抗して持ち上げた状態で、搬送体３を支軸３
０を支点に格納回動させた後、上記案内板５を離すと、
該案内板５は搬送体３の搬送面の上方を覆うとともに、
ストッパ５２が搬送体３のスプリング３１に抗して格納
姿勢に維持するので、この状態においてスイーパ１３で
放出される結束排稈は搬送体３に妨げられることなく的
確に機体巾内後方に放出される。

【００１２】

【発明の効果】以上の説明によって明らかなように、本
発明によれば、搬送体の搬送作業姿勢において、結束機
の受板と搬送体との間に案内板を設けるとともに、該案
内板を搬送体の格納姿勢において搬送面上を覆うように
したので、上記両姿勢における結束排稈の排出を円滑に
行なうことができるとともに、コンバインによる中割り
作業を行う場合にも結束排稈を機体巾内の後方に放出す
ることにより良好に行なうことができる。また、格納姿
勢にある搬送体を案内板そのもので格納姿勢に維持させ
る固定部材に兼ねたので、構成を簡潔にすることができ
るとともに搬送体の格納姿勢維持を単簡且つ良好に行な
うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】結束機の平面図。

【図２】案内板の要部を示す平面図。

【図３】搬送体の搬送作業姿勢を示す側面図。

【図４】搬送体の格納姿勢を示す側面図。

【符号の説明】

１ 結束機 ２ 脱穀機 ３ 搬送体 ４ 受板 ５ 案内板 １３ スイーパー ３０ 支軸 ３１ スプリング ５０ 取付軸 ５１ スプリング ５２ ストッパ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンバインに搭載される脱穀機の後部に
   排稈を結束する結束機を装着し、該結束機の後部に結束
   した排稈を未刈地側から既刈地側に向けて搬送放出する
   搬送体を取付けた結束機において、前記搬送体を前部を
   中心に搬送作業姿勢と格納姿勢とに切換回動可能に取付
   けるとともに、結束機の受板と上記搬送作業姿勢にある
   搬送体間に結束排稈を継送案内する案内板を設け、該案
   内板を搬送体の格納姿勢においてその搬送面上を覆うよ
   うに切換可能に設けたことを特徴とするコンバイン用結
   束機の結束搬送装置。
2. 【請求項２】 搬送体をスプリングにより搬送作業姿勢
   に付勢し、案内板の前部を横軸で枢支するとともに、後
   部にストッパを形成し、搬送体を上記ストッパに係止さ
   せて格納姿勢に維持させるように構成したことを特徴と
   する請求項１記載のコンバイン用結束機の結束搬送装
   置。