JPH08305971A - 物品監視用ラベルとこのラベルの供給装置 - Google Patents

物品監視用ラベルとこのラベルの供給装置

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JPH08305971A
JPH08305971A JP10662095A JP10662095A JPH08305971A JP H08305971 A JPH08305971 A JP H08305971A JP 10662095 A JP10662095 A JP 10662095A JP 10662095 A JP10662095 A JP 10662095A JP H08305971 A JPH08305971 A JP H08305971A
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JP
Japan
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label
base material
wire
alloy
tape
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JP10662095A
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English (en)
Inventor
Itsuo Takeuchi
逸雄 竹内
Shuichi Hoshino
秀一 星野
Tatsuya Kurihara
達也 栗原
Tsukasa Azuma
司 東
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NHK Spring Co Ltd
Original Assignee
NHK Spring Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 非晶質金属線を用いたものに比較して線径と
長さが充分小さくても大きな出力信号が得られるような
物品監視用ラベルを提供することにある。 【構成】 テープ状の第1の基材11と第2の基材12
との間に、Fe−Si合金細線13が挟まれている。こ
の合金細線13は、Si濃度が6.2〜6.7wt%の合
金であり、線径を30〜90μm,長さを線径の300
〜500倍としており、その保磁力を越える交番磁界が
印加された際に急峻な磁化反転を生じる性質を有してい
る。基材11,12は、合金細線13と一緒に適宜長さ
に切断されて使用される。第1の基材11または第2の
基材12の表面に、光学的に読取り可能なバーコード等
の表示部16が印刷され、裏面側に接着剤層と離型紙が
設けられる。このラベル10は、離型紙から剥して物品
に貼付けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、店舗内の商品やオフ
ィスの重要書類等を盗難から防ぐための物品監視用ラベ
ルとこのラベルの供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より物品監視用ラベルとして、合成
樹脂などからなる基材中に非晶質金属線(アモルファス
線)を設けたものが提案されている。このような非晶質
金属線は、交番磁界を受けると急峻に磁化の向きが反転
するため、この磁化反転を検出用コイル等によって検出
すると、高周波成分を含んだ出力信号が得られる。従っ
て、出力信号中の高周波成分の有無を検出することによ
り、交番磁界内における非晶質金属線の有無を検出する
ことができる。
【0003】従って上記金属線を物品に設けるととも
に、店舗の出口等の所定の場所に交番磁界の発生領域と
検出用コイル等を設け、上記金属線の付された物品が交
番磁界を通過する際に警報を発生させることにより、物
品の不正な持ち出しを防ぐことが可能となる。
【0004】上記の非晶質金属線を物品の所望位置に取
付けるための手段として、例えば、特開平3−1215
98号公報(先行技術1)や特開平3−250299号
公報(先行技術2)に記載されている物品監視用ラベル
のように、テープ状の基材に非晶質金属線を設けたもの
が提案されている。あるいは実開平6−37987号公
報(先行技術3)に記載されているように、合成樹脂チ
ューブに非晶質金属線を通すようにしたものも提案され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記先行技術の
ような非晶質金属線を用いた物品監視用ラベルの場合、
実用的なレベルの検出信号を生じさせるには線径が10
0μm以上、長さが90mm程度以上の金属線が必要で
ある。しかも金属線自体が硬く、腰が強い(弾力復元力
が大きい)ため、缶や瓶などのような曲面にラベルを貼
りにくく、ラベルの端などから金属線が露出すると金属
線が指などに刺さることがある。
【0006】しかも上記金属線の外径が100μm以上
と比較的大きいため、切断しにくいだけでなくカッタの
寿命が著しく短くなる。また、金属線をラベルに埋設し
た場合に、金属線を設けた箇所が盛り上がることから、
金属線を設けたラベルにバーコードや商品価格等を鮮明
に印刷することが困難な場合がある。
【0007】また、非晶質金属線は磁化反転を生じる際
に磁歪を伴うため、この金属線を物品に完全に固定して
しまうと磁歪が阻害され、磁化反転を生じにくくなる。
従って物品に上記金属線を設ける際には、磁歪を妨げな
いようにするために、例えば前記先行技術3に示すよう
な対策が必要となり、製造コストの増加を招く。
【0008】従ってこの発明の目的は、物品識別用ラベ
ルに使われる金属線を従来の非晶質金属線に比べて格段
に細くかつ短くしても実用的に充分な磁化反転の出力を
得ることができ、前述の様々な問題点を解決することが
できるような物品監視用ラベルとこのラベルの供給装置
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を果たすため
に開発された本発明の物品監視用ラベルは、非磁性材料
からなるテープ状の第1の基材と、Si濃度が6.2wt
%〜6.7wt%のFe−Si合金で形成されその保磁力
を越える交番磁界が印加されたときに急峻な磁化反転を
生じる線径30μm〜90μm,長さが線径の300〜
500倍でかつ上記第1の基材の長手方向に沿い連続し
て設けられたFe−Si合金細線と、上記第1の基材と
の間で上記Fe−Si合金細線を挟み込んだ状態で上記
第1の基材に積層された非磁性材料からなるテープ状の
第2の基材とを具備し、上記第1の基材および第2の基
材を上記Fe−Si合金細線と一緒に所望のラベル長さ
に切断してなることを特徴とするものである。
【0010】上記第1の基材または第2の基材の表面に
は、必要に応じて、光学的に読取り可能なバーコード等
のコード表示部が印刷される。また、第1の基材または
第2の基材の裏面側に、必要に応じて、接着剤層を介し
て離型紙を設けるとよい。また、上記合金細線の近傍に
強磁性体を設け、必要に応じてこの強磁性体に着磁させ
てバイアス磁界を発生させるようにしてもよい。
【0011】上記ラベルを扱うための本発明のラベル供
給装置は、非磁性材料からなるテープ状の第1の基材と
第2の基材との間に上記Fe−Si合金細線を上記基材
の長手方向に連続して設けかつ上記基材の裏側に接着剤
層を介して離型紙を設けたラベルテープと、リール状に
巻取られた上記ラベルテープを収容する装置本体と、上
記ラベルテープを上記装置本体の内部において所望のラ
ベル長さに切断可能なカッタと、装置本体の内部におい
て上記ラベルテープの両側に位置しかつ上記カッタによ
ってラベルテープを切断する際に上記離型紙が一緒に切
断されないようにカッタの刃先を受けるガイドと、上記
カッタによって所定長さに切断されたラベルを上記離型
紙から剥す剥離機構と、上記離型紙から剥された上記ラ
ベルを上記装置本体から外部に導出するラベル取出し口
と、上記ラベルに物品に応じたバーコード等を印刷する
プリンタと、上記ラベルが剥された離型紙を上記装置本
体の内部において巻取る離型紙巻取りリールとを具備し
ている。
【0012】
【作用】上記のように構成された物品監視用ラベルは、
ラベルに設けられたFe−Si合金細線の保磁力よりも
大きな振幅の交番磁界を受けたときに、大バルクハウゼ
ン効果(大バルクハウゼンジャンプ)により、磁歪を伴
うことなく急峻な磁化反転を生じる。
【0013】この磁化反転に伴なう磁界変化を電磁誘導
コイル等の受信手段によってとらえることにより、パル
ス状の出力が検出される。磁化反転は、与える交番磁界
の周波数にはほとんど依存せず、交番磁界の周波数が低
くても同等のパルス状出力が得られる。この出力信号
は、印加された交番磁界に対応する低周波の出力信号を
含んでいるため、低域フィルタ等によってこの低周波の
出力信号を除去することにより、磁化反転に伴う高周波
のパルス状出力が検出される。
【0014】そして上記パルス状出力を所定の基準デー
タ等と比較することにより、物品監視用ラベルの有無を
判別することができる。すなわち、検出されたパルス状
出力を所定の基準データと比較し、両者が対応した場合
にこのラベルが存在したと判断して警報手段により警報
を発する。
【0015】請求項4に記載したように、Fe−Si合
金細線の近傍に強磁性体を設けた場合、必要に応じてこ
の強磁性体に着磁処理を行って上記合金細線の磁化反転
を妨げるバイアス磁界を生じさせれば、このラベルの物
品監視機能をキャンセルすることが可能となる。例えば
店舗等において会計所にて料金が支払われた商品の上記
強磁性体に上記着磁操作を行うことにより、物品監視機
能をキャンセルさせて警報を発しないようにすることも
可能である。
【0016】
【実施例】以下にこの発明の実施例について、図面を参
照して説明する。図1,2に示す物品監視用ラベル10
は、第1の基材11と、第2の基材12と、これら基材
11,12の間に挟まれたFe−Si合金細線13とを
備えて構成されている。Fe−Si合金細線13の詳細
については後述する。
【0017】基材11,12は、合成樹脂あるいは紙等
の非磁性材料からなるテープ状のものをカッタによって
適宜長さに切断したものであり、第1の基材11の裏面
に設けられた接着剤層15によって、基材11,12が
互いに固定されている。また第1の基材11の表面に、
バーコードや商品価格等の光学的に読取り可能な表示部
16が印字されている。第2の基材12の裏面に接着剤
層17が設けられており、この接着剤層17を介して、
監視すべき物品の所望位置にラベル10を貼付けること
ができるようになっている。
【0018】上記ラベル10は、図3に示すように連続
するテープ状のラベルテープ20を適宜長さに切断した
ものである。このラベルテープ20は、図4に示すよう
に上記基材11,12とFe−Si合金細線13および
接着剤層15,17を有しており、接着剤層17に離型
紙21を貼付けたものである。離型紙21は周知の離型
紙と同様に、接着剤層17から容易に剥離できるように
紙等の基材に非接着性の表面処理が施されている。この
離型紙21はラベルテープ20の全長にわたって連続し
て設けられている。
【0019】上記ラベルテープ20は、図5に示したラ
ベル製造装置30を用いて製造される。このラベル製造
装置30は、テープ状に連続する第1の基材11が巻取
られた第1のリール31と、テープ状に連続する第2の
基材12が巻取られた第2のリール32と、Fe−Si
合金細線13が巻取られたワイヤボビン33と、ピンチ
ローラ34と、製品巻取りリール35などを備えてい
る。第1の基材11には予め接着剤層15が設けられて
いる。第2の基材12には、予め接着剤層17と離型紙
21が設けられている。
【0020】上記製造装置30においては、各リール3
1,32から連続的に繰り出されるテープ状の基材1
1,12の間に、Fe−Si合金細線13が連続的に供
給される。そしてピンチローラ34によって押圧され、
基材11,12が接着剤層15によって互いに一体化す
ることにより、基材11,12の間にFe−Si合金細
線13が挟まれた状態で製品巻取りリール35に巻取ら
れる。なお、Fe−Si合金細線13は必ずしもラベル
テープ20の幅方向中央に設けられていなくてもよく、
片側に偏倚した位置に配されてもよい。
【0021】上記ラベルテープ20は、図6に示すラベ
ル供給装置(ハンドラベラー)40によって、ラベル1
0のみが所望の大きさに切断される。離型紙21は切断
されずにそのまま残される。このラベル供給装置40
は、手で握ることのできる形状のグリップ部41を有す
るハウジングを兼ねた装置本体42と、装置本体42に
設けたラベルリール43と、装置本体42に内蔵された
プリンタ44と、切断機構45と、剥離機構を構成する
剥離ローラ46および剥離ガイド47と、離型紙巻取り
リール48と、ラベル10を1枚ずつ繰出す際に操作す
るレバー49等を備えている。
【0022】ラベル10は、剥離ガイド47の手前で剥
離ローラ46によって離型紙21から分離し、ラベル取
出し口50から外部に引き出すことができるようになっ
ている。プリンタ44は、バーコードや数字、文字等の
表示部16を印刷する機能を有する。
【0023】図7に示すように切断機構45は、装置本
体42に内蔵されたカッタ55および左右一対のガイド
56,57と受け台58を備えており、ガイド56,5
7の間にラベルテープ20を通すことによりラベルテー
プ20の幅方向の位置決めをなす。そして切断時には、
図8に示すように、カッタ55の刃先をガイド56,5
7で受けることにより、刃先が離型紙21に達しないよ
うにしている。このため、ラベル10が切断され剥され
たのちに離型紙21のみをリール48に巻取らせること
ができる。
【0024】なお、図9に示すラベルテープ60のよう
に、長手方向に連続する離型紙21に、短冊状に切抜か
れたラベル10を間をあけて設けておくようにしてもよ
い。このラベルテープ60は、ラベル10の周りの余分
な縁部(かす)を切り除いたものであり、図10に示す
製造装置65によって製造される。
【0025】図10に示す製造装置65は、図5に示し
た製造装置30に加えて、ラベル切抜き機構66と、切
りかす67を巻取るリール68を備えている。この製造
装置65においては、前記実施例の製造装置30と同様
にテープ状の基材11,12の間にFe−Si合金細線
13を挟んで基材11,12を接着剤層15によって互
いに接着させたのち、ラベル切抜き機構66によってラ
ベル10の輪郭を切抜く。離型紙21は切抜かずにその
まま残し、ラベル10の周囲の切りかす67をかす取り
リール68によって巻取るようにしている。従ってこの
場合、製品巻取りリール35に巻取られるラベルテープ
60は、図9に示すように長手方向に連続する離型紙2
1に短冊状のラベル10が間をあけて配置されたものと
なる。
【0026】図11に示すように、上記ラベルテープ6
0を使用するための供給装置(ハンドラベラー)70
は、切断機構が不要である。このラベル供給装置70の
場合、レバー49を操作することにより、ラベルテープ
60が順次送り出されるとともに、ラベル10が剥離ロ
ーラ46と剥離ガイド47によって離型紙21から剥さ
れ、ラベル取出し口50から1枚1枚取出される。この
ため、予め所定形状に切断されたラベル10をそのまま
物品に貼付けることができる。
【0027】上記ラベル10に使われているFe−Si
合金細線13は、Si濃度が6.2wt%〜6.7wt%の
Fe−Si単結晶合金からなり、その保磁力を越える交
番磁界が印加された際に急峻な磁化反転を生じる性質を
有している。このFe−Si合金細線13のサイズは、
線径が30〜90μm(例えば50μm),長さが線径
の300〜500倍(例えば25mm前後)である。
【0028】この合金細線13は、基材11,12の長
手方向に沿って配置されている。合金細線13の断面形
状は円であることが望ましいが、楕円や多角形等の異形
断面を有していてもよい。この合金細線13は、非晶質
合金線に比較して、約1.2〜2.0倍の飽和磁束密度
を有している。
【0029】上記合金細線13は、その形状および結晶
構造による磁気的な効果によって、軸線方向に強い磁気
異方性を有している。上記合金細線13は、その保磁力
(例えば0.1〜1.0エルステッド)よりも大きな振
幅の交番磁界を受けると、大バルクハウゼン効果によっ
て、きわめて急峻な磁化反転を生じる。
【0030】上記磁化反転を例えばソレノイドコイルに
よって検出すると、パルス状の出力が得られる。つまり
合金細線13の正の保磁力をHp、負の保磁力を−Hp
とした場合、交番磁界がこれらの保磁力Hp、−Hpを
越えた時点で合金細線13に磁化反転が生じ、この磁化
反転に対応したパルス状の出力電圧が検出される。この
パルスの幅は10〜100μsecと非常に小さいた
め、出力電圧は数KHz以上の高周波成分を多く含んで
いる。また、磁化反転は、与える交番磁界の周波数にほ
とんど依存せず、周波数が低い場合でも同等のパルス状
出力を得ることができる。
【0031】合金細線13に交番磁界を印加したときに
生じる上記パルス状出力電圧は、合金細線13の線径に
対する長さとSi濃度(wt%)に応じて変化する。図1
2は本実施例の合金細線13と、従来の非晶質合金線に
関して、長さ/線径比と出力電圧との関係を測定した結
果を示している。この測定は、200巻/5mmの検出コ
イル内に配置された線径55μmの合金線に、励磁磁界
が±1.5エルステッド、励磁周波数が50Hzの交番
磁界を印加した状態で行なった。
【0032】図12から判るように、本実施例のFe−
Si合金細線13は、長さが線径の300倍以上であれ
ば、従来の非晶質合金線よりも大きくかつ充分な出力電
圧を得ることができる。なお、例えば、線径が30〜9
0μmの合金線においては、線径に対して長さが500
倍を越えるとサイズが大きくなり過ぎて実用的でなくな
るため、線の長さは線径に対して300〜500倍の範
囲に設定されていることが望ましい。
【0033】また、図13は、上記と同一の測定条件に
て、本実施例のFe−Si合金細線13に関するSi濃
度と出力電圧との関係を測定した結果を示している。こ
の図から判るように、Si濃度を約6.2〜6.7wt%
の範囲内に設定することにより、充分な出力電圧を得る
ことができる。
【0034】図14は、この発明に係る物品監視用ラベ
ル10を利用した盗難防止システムの実施例を示してい
る。この盗難防止システムにおいて、上記ラベル10を
検出する検出装置80は、監視すべき物品81が通過す
る検査領域82に交番磁界を発生させる磁界印加手段と
して機能する発信機84と、検査領域82における磁界
の変化を検出する受信機85とを備えている。
【0035】発信機84は、発信コイル87と、この発
信コイル87にアンプ88を介して交流電流を供給する
交流発生器90を有している。そして、発信コイル87
は、交流発生器90からアンプ88を介して供給される
交流電流に応じた交番磁界を発生し、検査領域82に印
加する。
【0036】受信機85は、電磁誘導コイルとして機能
する検出コイル92と、この検出コイル92に接続され
た検出回路94を備えている。検出コイル92は、人が
通れる程度の間隔、例えば、1mの間隔をおいて発信コ
イル87と対向配置され、発信コイル87との間に検査
領域82を形成している。そして、受信手段を構成する
検出コイル92には、検査領域82における磁界に応じ
た電流が誘起され、この電流は出力信号として検出回路
94に出力される。
【0037】検出回路94は、検出コイル92に順次接
続された低域フィルタ96、アンプ97、および比較器
98を備えている。低域フィルタ96は検出手段を構成
するもので、検出コイル92が受信した出力信号のう
ち、発信機84が発生する交番磁界に応じた低周波の出
力成分をカットし、Fe−Si合金細線13の磁化反転
に起因するパルス状出力を伴う高周波成分の出力信号の
みを取出すようにしている。
【0038】なお、パルス状出力は高周波成分を含むこ
とから、低域フィルタ96で減衰することなく取出され
る。また、パルス状出力は、交番磁界の正負が変わる度
に周期的に出力されるため、物品監視用ラベル10の付
された物品81を交番磁界に対して相対移動させなくて
もほぼ一瞬の間に検出が行われる。
【0039】比較手段として機能する比較器98は、検
出されたパルス状出力を、予め用意された基準データと
比較することにより、物品監視用ラベル10の照合を行
う。比較器98には、駆動部100を介して警報装置1
01が接続されている。駆動部100は、比較器98の
照合結果に応じて警報装置101を作動させる。この警
報装置101は、例えば警告灯や報知音などの表示手段
によって第三者に照合結果を知らせる。
【0040】このような構成の検出装置80は、例え
ば、建物の出口等に設置され、検査領域82を通過する
物品81を監視することにより、盗難を防止する。つま
り、通常、発信機84は、ラベル10の合金細線13の
保磁力よりも大きな交番磁界を検査領域82に発生さ
せ、受信機85は、検査領域82における磁界変化を常
に監視している。
【0041】従って上記ラベル10の付された物品81
を所持した者が検査領域82を通過すると、受信機85
によりパルス状の出力が検出され、比較器98によって
基準データと比較される。照合の結果、検出されたパル
ス状出力と基準データとが対応した場合、検出回路94
は、物品81に物品監視用ラベル10が付けられている
と判断し、駆動部100を介して警報装置101を作動
させる。従って、検査領域82を管理する者は、警報装
置101からの警報により、物品81が不正に持ち出さ
れようとしたことを認識でき、盗難を防止することがで
きる。
【0042】以上のように構成された物品監視用ラベル
10に使用されているFe−Si合金細線13の飽和磁
束密度は、従来の非晶質合金線に比較して1.2〜2.
0倍と大きく、非晶質合金線と断面積が同一であれば、
磁化反転に起因して検出されるパルス状出力も大きくな
る。従って、合金細線13の長さを線径の約300〜5
00倍程度に設定することにより、充分な検出出力を得
ることができ、その結果、ラベル10の小形化を図るこ
とができる。また、検出信号が大きいことからS/N比
も向上し、一層正確な検出が可能となる。
【0043】言い換えると、合金細線13の検出信号の
大きさを非晶質合金線と同等に設定する場合には、非晶
質合金線に比較して線径を細くすることができ、更に、
長さも短くすることができる。更に、検出信号が増大す
ることから、ラベル10の有無を検出する検出装置80
のコイル92の巻数を低減した場合でも正確な検出が可
能となり、その結果、検出装置80の小形化および低コ
スト化を図ることができる。
【0044】また、Fe−Si合金細線13は、磁化反
転の際にほとんど磁歪を伴わないため、物品に完全に固
定されても、つまり、移動不能に固定されても、上述し
た所望の検出信号を得ることができる。従って、非晶質
合金線のように、磁歪による変位分を吸収するための特
別な対策を講じる必要がなく、製造コストの低減を図る
ことができる。
【0045】なお、図15に示すラベルテープ105の
ように、前記実施例と同様のFe−Si合金細線13の
近傍に、短冊状の強磁性体110を合金細線13の長手
方向複数箇所に設けるようにしてもよい。あるいは図1
6に示すように、ワイヤ状の強磁性体110をFe−S
i合金細線13と平行に設けてもよい。それ以外の構成
と作用効果は前記実施例で述べたラベル10と同様であ
るから、前記実施例と共通の箇所に共通の符号を付して
説明は省略する。
【0046】上記のような強磁性体110が設けられた
物品監視用ラベル10においては、必要に応じて強磁性
体110に着磁処理を行うことにより、合金細線13の
磁化反転を妨げる強さのバイアス磁界を生じさせ、合金
細線13の物品監視機能をキャンセルすることができ
る。例えば店舗等において会計所にて正当な料金が支払
われた商品に対して、この商品に付されているラベル1
0の強磁性体110に上記バイアス磁界を与える着磁操
作を行うことにより、支払い済みの商品が店舗の出口で
警報を発しないようにすることができる。
【0047】前記実施例のFe−Si合金細線13はき
わめて細く柔軟であることから、平坦な面を有する物品
に限らず、図17に示すような瓶、缶等の湾曲した表面
をもつ物品115にも容易に取付けることができる。
【0048】なお、この発明は上述した実施例に限定さ
れることなく、この発明の範囲内で種々変更可能であ
る。例えば、この発明に係る物品監視用ラベルは、物品
の通過を非接触状態で検出可能であることから、上述し
た商品、重要書類、書籍等の物品の盗難防止に限らず、
貨物の物流管理等にも適用することができる。
【0049】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
従来の非晶質合金線を用いた物品監視用ラベルに比較し
て、線径や長さが半分以下の細線を用いていながらもS
/N比が高い大きなパルス状出力を得ることができ、正
確な識別が可能な物品監視用ラベルを提供することがで
きる。そして線径が小さいため、この合金細線が埋設さ
れているラベルの表面にバーコードや価格等を明瞭に印
刷することを問題なく行える。
【0050】本発明のラベルに用いる合金細線は線径が
小さくかつ柔軟であるため、ラベルを扱う際に合金細線
が指に刺さるといった不具合を生じることがなく、缶や
瓶のような曲面をもつ物品にも問題なく貼付けることが
できる。カッタによる切断も容易であり、従来の非晶質
合金線を使用したラベルを切断する場合に比べてカッタ
の寿命を著しく延ばすことができる。また、磁化反転の
際に磁歪を伴うことがなく、合金細線を固定しても差支
えないから、合金細線を取付ける手段が容易で安価に実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す物品監視用ラベルの平
面図。
【図2】図1中のII−II線に沿う断面図。
【図3】図1に示されたラベルに使われる離型紙付きラ
ベルテープの平面図。
【図4】図3中のIV−IV線に沿う断面図。
【図5】図3に示されたラベルテープを製造する装置の
概略を示す側面図。
【図6】図3に示されたラベルテープを使用するラベル
供給装置の側面図。
【図7】図6に示されたラベル供給装置の切断機構の断
面図。
【図8】図7に示された切断機構の作動態様を示す断面
図。
【図9】本発明の他の実施例を示す離型紙付きラベルテ
ープの平面図。
【図10】図9に示されたラベルテープを製造する装置
の概略を示す側面図。
【図11】図9に示されたラベルテープを使用するラベ
ル供給装置の側面図。
【図12】本発明に使用されるFe−Si合金細線の長
さ/線径比と出力電圧との関係を従来の非晶質合金線と
比較して示す図。
【図13】本発明に使用されるFe−Si合金細線のS
i濃度と出力信号電圧との関係を示す図。
【図14】本発明の物品監視用ラベルを用いた盗難防止
システムの構成を示す斜視図。
【図15】本発明の物品監視用ラベルに使われる離型紙
付きラベルテープの変形例を示す平面図。
【図16】ラベルテープの他の変形例を示す平面図。
【図17】物品監視用ラベルを設けた物品の斜視図。
【符号の説明】
10…物品監視用ラベル 11…第1の基材 12…第2の基材 13…Fe−Si合金細線 15…接着剤層 16…表示部(バーコード) 17…接着剤層 20…ラベルテープ 21…離型紙 40…ラベル供給装置 60…ラベルテープ 70…ラベル供給装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東 司 神奈川県横浜市金沢区福浦3丁目10番地 日本発条株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性材料からなるテープ状の第1の基材
    と、 Si濃度が6.2wt%〜6.7wt%のFe−Si合金で
    形成されその保磁力を越える交番磁界が印加されたとき
    に急峻な磁化反転を生じる線径30μm〜90μm,長
    さが線径の300〜500倍でかつ上記第1の基材の長
    手方向に沿い連続して設けられたFe−Si合金細線
    と、 上記第1の基材との間で上記Fe−Si合金細線を挟み
    込んだ状態で上記第1の基材に積層された非磁性材料か
    らなるテープ状の第2の基材とを具備し、 上記第1の基材および第2の基材を上記Fe−Si合金
    細線と一緒に所望のラベル長さに切断してなることを特
    徴とする物品監視用ラベル。
  2. 【請求項2】上記第1の基材または第2の基材の表面
    に、光学的に読取り可能な表示部が設けられていること
    を特徴とする請求項1記載の物品監視用ラベル。
  3. 【請求項3】上記第1の基材または第2の基材面の裏面
    側に接着剤層が設けられているとともに、この接着剤層
    に剥離可能な離型紙が設けられていることを特徴とする
    請求項1記載の物品監視用ラベル。
  4. 【請求項4】上記Fe−Si合金細線の近傍に強磁性体
    が設けられていることを特徴とする請求項1記載の物品
    監視用ラベル。
  5. 【請求項5】非磁性材料からなるテープ状の第1の基材
    と第2の基材との間に、Si濃度が6.2wt%〜6.7
    wt%のFe−Si合金で形成されその保磁力を越える交
    番磁界が印加されたときに急峻な磁化反転を生じる線径
    30μm〜90μm,長さが線径の300〜500倍の
    Fe−Si合金細線を上記基材の長手方向に連続して設
    け、かつ上記基材の裏側に接着剤層を介して離型紙を設
    けたラベルテープと、 リール状に巻取られた上記ラベルテープを収容する装置
    本体と、 上記ラベルテープを上記装置本体の内部において所望の
    ラベル長さに切断可能なカッタと、 上記装置本体の内部において上記ラベルテープの両側に
    位置しかつ上記カッタによってラベルテープを切断する
    際に上記離型紙が一緒に切断されないように上記カッタ
    の刃先を受けるガイドと、 上記カッタによって所定長さに切断されたラベルを上記
    離型紙から剥す剥離機構と、 上記離型紙から剥された上記ラベルを上記装置本体から
    外部に導出するラベル取出し口と、 上記ラベルにバーコードあるいは文字,数字等を印刷す
    るプリンタと、 上記ラベルが剥された離型紙を上記装置本体の内部にお
    いて巻取る離型紙巻取りリールと、 を具備したことを特徴とする物品監視用ラベルの供給装
    置。
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