JP3322786B2 - 物品監視用素子とその製造方法 - Google Patents

物品監視用素子とその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、商品等の物品を
磁気的に監視するシステムに使用される物品監視用素子
とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気式の物品監視システムは、物品のラ
ベル等に高透磁率強磁性材料などからなる感磁性素子
(switchable magnetic element )を設け、この感磁性
素子に交番磁界を与えた時に生じる磁化反転に伴うパル
ス状の出力をコイル等によって検出するようにしてい
る。従ってこの場合、検査ゲートに交番磁界発生器と、
磁化反転に伴うパルス状の出力を検出するための検出器
を設けることにより、物品の通過が監視される。感磁性
素子としては、Fe-Co-Si-B系の非晶質合金や、Ni-Fe系
合金等を用いたものが公知である。
【0003】例えば店舗において商品を監視するために
上記感磁性素子を使用する場合、商品に感磁性素子を付
しておき、商品の精算が済んだ段階で、この商品に付け
られている感磁性素子の磁化反転機能をキャンセルする
処理、すなわち検査ゲートを通っても検出信号を発生し
ないような処理を行う必要がある。
【0004】このような要望から、例えば米国特許第
3,665,449号に記載されている先行技術のよう
に、感磁性素子の近傍に硬質または半硬質のキャンセル
用磁性体を設けることが提案されている。この先行技術
は、図13に記載した物品監視用標識1のように、基材
2に埋設された感磁性素子3の近傍に板状あるいはワイ
ヤ状のキャンセル用磁性体4を配置している。そして必
要に応じてキャンセル用磁性体4を磁化し、感磁性素子
3にバイアス磁界を与えることによって、検査ゲートに
おいて交番磁界を与えても感磁性素子3が磁化反転を生
じないようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記先行技術のような
キャンセル機能を備えた標識1は、感磁性素子3の近傍
に感磁性素子3とは別体のキャンセル用磁性体4を並べ
て配置するため、標識1が撓みにくくなり、瓶や缶など
の曲面に標識1を貼付けることが困難なことがある。ま
たこのような従来の標識1は、感磁性素子3とキャンセ
ル用磁性体4を埋設した部位が盛り上がるため凹凸が大
きく、外部から目立つため、検査ゲートを通る前に不正
に剥がされてしまう可能性がある。しかもこの標識1は
製造コストが高くつく。
【0006】従ってこの発明の目的は、細く可撓性に富
み、埋設箇所が目立たず、物品自体に埋設したり商品ラ
ベル等に埋設することが容易でしかも低コストで提供可
能な物品監視用素子と、この素子の製造方法を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を果たすため
に開発された本発明の物品監視用素子は、磁性材料から
なりその保磁力を越える交番磁界が印加された時に急峻
な磁化反転を生じる感磁性ワイヤと、磁気的に硬質また
は半硬質な磁性材料からなる磁性金属箔を上記感磁性ワ
イヤの外周に巻付けこの磁性金属箔に着磁した時に上記
感磁性ワイヤの磁化反転を阻止するバイアス磁界を上記
感磁性ワイヤに与えるキャンセル用外被とを具備してい
る。
【0008】上記物品監視用素子は、検査ゲート等にお
いて上記感磁性ワイヤの保磁力を越える交番磁界が印加
された時に、大バルクハウゼン効果(大バルクハウゼン
ジャンプ)により、急峻な磁化反転を生じる。従ってこ
の磁化反転に伴なう磁界変化を検出コイル等の検出器に
よってとらえることにより、パルス状の出力が検出され
る。そして上記パルス状出力を所定の基準データ等と比
較することにより、この素子に着磁処理がなされている
か否か、つまり感磁性ワイヤにバイアス磁界が与えられ
ているか否かを判別することができる。
【0009】必要に応じて上記キャンセル用外被に着磁
することにより、上記感磁性ワイヤにバイアス磁界を与
えれば、この感磁性ワイヤの磁化反転を阻止することが
できる。こうすれば感磁性ワイヤの磁化反転機能がキャ
ンセルされ、検査ゲート等において交番磁界が印加され
てもパルス状の出力は検出されなくなる。
【0010】請求項2に記載した物品監視用素子のよう
に、Si濃度が6〜7重量%のFe−Si合金からなる
感磁性ワイヤを用いた場合、このワイヤは磁化反転時に
磁歪をほとんど生じないため、このワイヤの外周にキャ
ンセル用外被を密着した状態で巻付けても磁化反転時の
出力に影響がでない。これに対し従来の万引き防止用ラ
ベルなどに使用されている非晶質強磁性線は磁化反転時
の磁歪が大きいため、外被などによって拘束してしまう
と出力が極端に低下してしまう。
【0011】請求項3に記載した物品監視用素子のよう
に、感磁性ワイヤが非晶質強磁性金属からなる場合に
は、感磁性ワイヤの外周面とキャンセル用外被の内周面
との間に感磁性ワイヤがある程度移動できるような隙間
を設けることにより、感磁性ワイヤの磁歪を拘束しない
ようにすれば、磁化反転時に必要な磁歪を生じさせるこ
とができる。
【0012】本発明の物品監視用素子は、感磁性ワイヤ
とキャンセル用外被が一体化し、あたかも1本の細い線
のようになっているから、商品ラベル等に埋設した場合
にラベル表面の凹凸が少ないため外観上目立つことがな
く、ラベルを薄く構成でき、ラベル表面に印刷等を行う
ことも可能である。また、ラベルの可撓性が損なわれな
いため、曲面のある商品にも本発明の物品監視用素子を
設けたラベル等を容易に貼付けることができる。
【0013】上記物品監視用素子は、請求項4に記載し
た製造方法のように、磁性材料からなりその保磁力を越
える交番磁界が印加された時に急峻な磁化反転を生じる
感磁性ワイヤをダイスに向って連続的に供給するととも
に上記感磁性ワイヤを上記ダイスの孔に通し、かつ、磁
気的に硬質または半硬質な磁性材料からなるテープ状の
磁性金属箔を上記感磁性ワイヤに沿わせて上記ダイスの
孔に連続的に通すことにより上記金属箔を上記感磁性ワ
イヤの外周に巻付けて筒状のキャンセル用外被を形成す
ることで、連続的にかつ低コストで製造できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下にこの発明の一実施形態につ
いて図1から図8を参照して説明する。図1および図2
に示されたラベル状の標識10の一例は、商品等の物品
に貼られるラベルのように、紙あるいは合成樹脂等の非
磁性材料からなる短冊状の基材11に、物品監視用素子
12を埋設したものである。この物品監視用素子12は
必ずしも基材11の幅方向中央に設ける必要はなく、基
材11の片側に寄った位置に配されていてもよい。基材
11の材料は紙あるいは合成樹脂以外に、ガラスやセラ
ミックス等の非導電材料を用いることができる。図1に
示す基材11は複数の層11a,11bからなり、各層
11a,11bの間に物品監視用素子12を挟み込んだ
状態で層11a,11bを接着等の固定手段により一体
化させている。
【0015】上記標識10は、物品に貼付けることがで
きるように基材11の裏面側に粘着層13が設けられて
いる。粘着層13の裏面に離型紙14が設けられてお
り、この標識10を物品に貼付ける際に離型紙14を剥
がすようにしている。ただし、標識10がタグ等の吊り
札のように物品に貼付ける必要がない形態の場合には、
粘着層13や離型紙14を省略できる。なお、基材11
の表面側に透明あるいは不透明の保護層を設けてもよ
い。
【0016】図3に拡大して示すように、物品監視用素
子12は、素子12の中心部分に位置する高透磁率強磁
性材料からなる感磁性ワイヤ20と、感磁性ワイヤ20
の外周全体に巻付けられた筒状のキャンセル用外被21
を備えた二層構造となっている。素子12の外径は40
〜500μm程度がよい。
【0017】感磁性ワイヤ20はSi濃度が6〜7wt%
(より好ましくは、6.2〜6.7wt%)のFe−Si
合金からなる。このワイヤ20のサイズは、線径がたと
えば30〜150μm(一例として50μm前後)、長
さが線径の300〜1000倍(例えば40mm前後)
のものが推奨される。この感磁性ワイヤ20の断面形状
は円であることが望ましいが、楕円や多角形あるいは矩
形等の丸以外の断面であってもよい。
【0018】上記感磁性ワイヤ20は、非晶質合金線
(アモルファスワイヤ)に比較して、約1.2〜2.0
倍の飽和磁束密度を有している。そして上記感磁性ワイ
ヤ20は、その形状および結晶構造による磁気的な効果
によって、軸線方向に強い磁気異方性を有し、ワイヤ2
0の保磁力(例えば0.1〜1.0エルステッド)より
も大きな振幅の交番磁界が印加された時に、大バルクハ
ウゼン効果によって、きわめて急峻な磁化反転を生じ
る。
【0019】この磁化反転を例えばソレノイドコイルに
よって検出すると、図4に示すようなパルス状の出力P
が得られる。すなわち、Fe−Si合金からなる感磁性
ワイヤ20の正の保磁力をHp、負の保磁力を−Hpと
した場合、交番磁界がこれらの保磁力Hp、−Hpを越
えた瞬間に感磁性ワイヤ20に磁化反転が生じ、この磁
化反転に対応したパルス状の出力電圧Pが検出される。
このパルスの幅は10〜100μsecと非常に小さい
ため出力電圧は数KHz以上の高周波成分を多く含んで
いる。上記磁化反転は、与える交番磁界の周波数にほと
んど依存せず、周波数が低い場合でも同等のパルス状出
力Pを得ることができる。
【0020】一方、キャンセル用外被21は、磁気的に
硬質または半硬質な磁性材料からなる磁性金属箔21a
を、上記ワイヤ20をかかえ込むように円筒状に成形し
てワイヤ20の外周に巻付けたものである。磁性金属箔
21aの材料は、例えば保磁力が10〜1000エルス
テッド程度の硬質あるいは半硬質の強磁性材料(例えば
Fe−Co−V,Fe−Co−Ni,Fe−Ni,Fe
−Cr−Co,Cu−Ni−Fe,Cu−Ni−Co,
Pt−Coなど)が適している。箔21aの厚さは2〜
60μm程度が適している。
【0021】テープ状に連続する磁性金属箔21aを製
造するには、例えば周知の箔圧延用ロール対で箔の材料
を挟み、薄く延ばすことによりテープ状の磁性金属箔2
1aを作ってもよいし、あるいは図5に示す単ロール式
の液体急冷法においてチルローラ25の外周面に溶融金
属をノズル26から供給し、チルローラ25上で急冷す
ることによって磁性金属箔21aを作ってもよい。こう
して製造されたテープ状の磁性金属箔21aは、図示し
ないスリッタ等によって所定幅(例えば感磁性ワイヤ2
0の径方向の断面の周長と同等の幅)にカットされる。
【0022】上記キャンセル用外被21に着磁処理を行
うと、感磁性ワイヤ20にバイアス磁界を与えることが
できる。図4に示す例では、2点鎖線Sで示すように、
バイアス磁界によって、感磁性ワイヤ20に作用する交
番磁界が保磁力(−Hp)の上方にシフトするため交番
磁界を与えても磁化反転が生じなくなり、パルス状の出
力Pも発生しなくなる。
【0023】上記感磁性ワイヤ20とキャンセル用外被
21とからなる物品監視用素子12は、図6に示すよう
なダイス30を有する製造装置31によって連続的に製
造することができる。製造装置31の一例は、ワイヤ供
給機構33と金属箔供給機構34と巻取機構35などを
備えている。ワイヤ供給機構33のリール33aに、未
切断の感磁性ワイヤ20が巻かれており、リール33a
を図示しないモータによって回転させることにより、感
磁性ワイヤ20をリール33aからダイス30に向って
連続的に供給するとともに、この感磁性ワイヤ20をダ
イス30の円形の孔30aに通すようにしている。
【0024】金属箔供給機構34のリール34aにはテ
ープ状に連続する磁性金属箔21aが巻かれており、図
示しないモータによってリール34aを回転させること
により、磁性金属箔21aをリール34aからダイス3
0に向って連続的に供給するとともに、磁性金属箔21
aを感磁性ワイヤ20に沿わせた状態でダイス30の孔
30aに連続的に通しながらワイヤ20と一緒にダイス
30から引き出すようにしている。
【0025】上記製造装置31は、図7に示すようにダ
イス30の孔30aに感磁性ワイヤ20と磁性金属箔2
1aが一緒に通ることにより、感磁性ワイヤ20の外周
を磁性金属箔21aがかかえ込むように円筒状に巻付
く。こうして磁性金属箔21aが筒状に成形されなが
ら、感磁性ワイヤ20が伸線されることによって、所望
の断面形状と断面サイズの感磁性ワイヤ20とキャンセ
ル用外被21を有する素子12が連続的に成形される。
こうして製造された二層構造の素子12は、カッタによ
って前述の所望長さに切断される。この製造装置31
は、ダイス30によってワイヤ20の伸線加工と同時に
キャンセル用外被21を被せる加工とキャンセル用外被
21の成形を行うことができるので、加工に要する時間
が短く、しかも加工コストが安くてすむ。
【0026】図8は、標識10が付された物品(商品)
Mの通過を監視するための検査ゲート40を示してい
る。このゲート40は、客が通る検査領域41に交番磁
界を発生させる磁界印加手段としての発信機42と、検
査領域41における磁界の変化を出力信号として出力す
る受信手段としての受信機43を備えている。
【0027】発信機42は、発信コイル45と、この発
信コイル45にアンプ46を介して交流電流を供給する
交流発生器47を有している。発信コイル45は、交流
発生器47からアンプ46を介して供給される交流電流
に応じた交番磁界を発生し、検査領域41に印加する。
【0028】受信機43は、電磁誘導コイルとして機能
する検出コイル50と、この検出コイル50に接続され
た検出回路51を備えている。検出コイル50は、人が
通れる程度の間隔、例えば、1mの間隔をおいて発信コ
イル45と対向配置され、発信コイル45との間に検査
領域41を形成している。そして、受信手段を構成する
検出コイル50には、検査領域41における磁界に応じ
た電圧が誘起され、この電流は出力信号として検出回路
51に出力される。
【0029】検出回路51は、検出コイル50に接続さ
れたフィルタ52、アンプ53、および比較器54を備
えている。フィルタ52は、検出コイル50が受信した
出力信号のうち、感磁性ワイヤ20の急峻な磁化反転に
起因するパルス状の出力信号の高周波成分を取出すよう
にしている。上記パルス状出力は、交番磁界の正負が変
わる度に周期的に出るため、標識10の付された物品M
を交番磁界に対して相対移動させなくてもほぼ一瞬の間
に検出が行われる。
【0030】比較器54は、検出されたパルス状出力
を、予め用意された基準データと比較することにより、
パルス状の出力が生じたか否か(感磁性ワイヤ20に磁
化反転を生じたか否か)、すなわちキャンセル用外被2
1が着磁されているか否かの判別を行う。物品Mがこの
ゲート40を通る際に、キャンセル用外被21に着磁処
理がなされていないと、受信機43と検出回路51によ
ってパルス状の出力が検出される。
【0031】比較器54には、駆動部55を介して報知
手段56が接続されている。駆動部55は比較器54の
照合結果に応じて報知手段56を作動させる。報知手段
56は、例えば警告灯や報知音などの表示手段によっ
て、ゲート40の管理者(店員等)に照合結果を知らせ
るようになっている。
【0032】次に上記構成の標識10の作用について説
明する。商店等において商品を監視するために標識10
を用いる場合、予め商品に標識10を取付けておく。ま
た、店の出口、例えば精算所(いわゆるレジ)の出口側
に検査ゲート40を設置する。精算所にはキャンセル用
外被21に着磁処理を行うための磁界発生器(図示せ
ず)を設けておく。この精算所において客が商品の代金
を支払うと、商品に付けられている標識10のキャンセ
ル用外被21に上記磁界発生器によって着磁処理を行
う。
【0033】このため、精算済みの商品が検査ゲート4
0を通る際には、感磁性ワイヤ20が磁化反転を生じな
いから、この商品が検査ゲート40から出ることが許可
される。これに対し、未精算の商品が検査ゲート40を
通ろうとすると、商品に付けられている標識10の感磁
性ワイヤ20が磁化反転を生じる。このためパルス状の
出力がコイル50によって検出され、検出回路51が駆
動部55を介して報知手段56を作動させる。
【0034】上記実施形態では感磁性ワイヤ20の全周
にキャンセル用外被21が設けられているため、感磁性
ワイヤ20のごく近傍に高い密度でキャンセル用外被2
1が存在することになる。このため上記実施形態の物品
監視用素子12は、図13に示す従来の標識1に比較し
て、キャンセル用外被21が薄くても十分に有効なキャ
ンセル用バイアス磁界を感磁性ワイヤ20に与えること
ができる。このため、標識10の厚さを従来の標識に比
較して薄くすることができる。また、素子12を紙にす
き込んで普通の商品ラベルのように見せかけることがで
きるなど、種々の形態で素子12を物品に付加すること
ができる。図9に示す標識10の例は、商品識別用バー
コード60や価格表示61などの光学的に読取り可能な
商品情報62を印刷したものである。
【0035】上記物品監視用素子12は細く柔軟である
から、平坦な表面を有する物品は勿論のこと、瓶、缶等
の湾曲した表面をもつ物品にも容易に設けることができ
る。例えば図10に示すように、物品Mの湾曲した表面
に沿って標識10を湾曲させた状態で設けることもでき
る。従来の非晶質強磁性線や、Ni−Fe合金線にキャ
ンセル用磁性体を配置したものは、硬く、可撓性がない
ため、湾曲した表面に設けることは難しく、強力に固定
すると磁歪が妨げられることにより、出力が低下してし
まう。また上記実施形態の物品監視用素子12は、図1
1に示すように書籍65の裏表紙やスリップ66などに
入れることもできる。
【0036】上記物品監視用素子12の感磁性ワイヤ2
0が非晶質強磁性金属やNi−Fe合金からなる場合、
磁化反転を生じるためには比較的大きな磁歪を生じる。
従ってその場合には、図12に示すように感磁性ワイヤ
20の外周面とキャンセル用外被21の内周面との間
に、感磁性ワイヤ20が径方向に移動することを許容す
る隙間70が形成されるように、例えば前記ダイス30
の孔径などを設定するとよい。このような隙間70を設
ければ、磁化反転時に感磁性ワイヤ20の磁歪が拘束さ
れないため、所望の磁化反転を生じさせることができ
る。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、感磁性ワイヤを有する
物品監視用素子の磁化反転機能をキャンセルするための
磁性金属箔を感磁性ワイヤに巻付けることにより、素子
全体を1本の細い線状に構成したため、感磁性ワイヤ自
体が細く柔軟であること、およびキャンセル用外被を薄
くできることとあいまって、素子の可撓性を損なうこと
がなく、平坦な表面を有する物品は勿論のこと、瓶、缶
等の湾曲した表面をもつ物品にも容易に取付けることが
できる。また、ラベル等の表面の凹凸が少なくなり、素
子の埋設箇所が目立たず、印刷も容易である。従来のキ
ャンセル手段では感磁性素子とキャンセル用磁性体が離
れていたためラベル状にする必要があったが、本発明で
はワイヤ状の物品監視用素子がキャンセル機能をもつた
め、監視すべき物品の任意の位置に埋設することも容易
に行えるし、物品とラベルとの間に挟み込むなど種々の
形態をとることができる。しかも低コストで実施でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示す物品監視用素子を
備えた標識の一部の断面図。
【図2】 図1に示された標識の斜視図。
【図3】 図1に示された標識に使われる物品監視用素
子の断面図。
【図4】 図3に示された物品監視用素子の励起磁界と
パルス出力との関係を示す図。
【図5】 図3に示された物品監視用素子に使われる磁
性金属箔を製造する装置を一部断面で示す側面図。
【図6】 図3に示された物品監視用素子の製造装置の
概略を示す側面図。
【図7】 図6に示された製造装置の一部を断面で示す
斜視図。
【図8】 物品監視用素子の検出を行う検査ゲートの構
成を示す斜視図。
【図9】 物品監視用素子を備えた標識の他の実施形態
を示す平面図。
【図10】 物品監視用素子を備えた物品の一例を示す
斜視図。
【図11】 物品監視用素子を備えた物品の他の例を示
す斜視図。
【図12】 物品監視用素子の変形例を示す断面図。
【図13】 従来の物品監視用標識の平面図。
【符号の説明】
10…標識 11…基材 12…物品監視用素子 20…感磁性ワイヤ 21…キャンセル用外被 21a…磁性金属箔 30…ダイス
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−105454(JP,A) 特開 平4−220800(JP,A) 実開 平6−37987(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G08B 13/24 C22C 45/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性材料からなりその保磁力を越える交番
    磁界が印加された時に急峻な磁化反転を生じる感磁性ワ
    イヤと、 磁気的に硬質または半硬質な磁性材料からなる磁性金属
    箔を上記感磁性ワイヤの外周に巻付けこの磁性金属箔に
    着磁した時に上記感磁性ワイヤの磁化反転を阻止するバ
    イアス磁界を上記感磁性ワイヤに与えるキャンセル用外
    被と、 を具備したことを特徴とする物品監視用素子。
  2. 【請求項2】上記感磁性ワイヤがSi濃度6〜7重量%
    のFe−Si合金からなり、この感磁性ワイヤの外周に
    上記キャンセル用外被を密着した状態で巻付けたことを
    特徴とする請求項1記載の物品監視用素子。
  3. 【請求項3】上記感磁性ワイヤが非晶質強磁性金属から
    なり、この感磁性ワイヤの外周面と上記キャンセル用外
    被の内周面との間に上記感磁性ワイヤが径方向に移動す
    ることを許容する隙間が設けられていることを特徴とす
    る請求項1記載の物品監視用素子。
  4. 【請求項4】磁性材料からなりその保磁力を越える交番
    磁界が印加された時に急峻な磁化反転を生じる感磁性ワ
    イヤをダイスに向って連続的に供給するとともに上記感
    磁性ワイヤを上記ダイスの孔に通し、かつ、磁気的に硬
    質または半硬質な磁性材料からなるテープ状の磁性金属
    箔を上記感磁性ワイヤに沿わせて上記ダイスの孔に連続
    的に通すことにより上記金属箔を上記感磁性ワイヤの外
    周に巻付けて筒状のキャンセル用外被を形成することを
    特徴とする物品監視用素子の製造方法。
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