JP3294747B2 - 物品監視用素子とその製造装置および製造方法 - Google Patents

物品監視用素子とその製造装置および製造方法

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JP3294747B2 JP30603195A JP30603195A JP3294747B2 JP 3294747 B2 JP3294747 B2 JP 3294747B2 JP 30603195 A JP30603195 A JP 30603195A JP 30603195 A JP30603195 A JP 30603195A JP 3294747 B2 JP3294747 B2 JP 3294747B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、商品等の物品を
磁気的に監視するシステムに使用される物品監視用素子
に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気式の物品監視システムは、物品のラ
ベル等に感磁性素子(switchable magnetic element )
を設け、この感磁性素子に交番磁界を与えた時に生じる
磁化反転に伴うパルス状の出力をコイル等によって検出
するようにしている。従ってこの場合、検査ゲートに交
番磁界発生器と、磁化反転に伴うパルス状の出力を検出
するための検出器を設けることにより、物品の通過が監
視される。感磁性素子としては、Fe-Co-Si-B系の非晶質
合金や、Fe-Ni 系合金等を用いたものが公知である。
【0003】例えば店舗において商品を監視するために
上記感磁性素子を使用する場合、商品に感磁性素子を付
しておき、商品の精算が済んだ段階で、この商品に付け
られている感磁性素子の磁化反転機能をキャンセルする
処理、すなわち検査ゲートを通っても検出信号を発生し
ないような処理を行う必要がある。
【0004】このような要望から、例えば米国特許第
3,665,449号に記載されている先行技術のよう
に、感磁性素子の近傍に硬質または半硬質のキャンセル
用磁性体を設けることが提案されている。この先行技術
は、図11に記載した物品監視用標識1のように、基材
2に埋設された感磁性素子3の近傍に板状あるいはワイ
ヤ状のキャンセル用磁性体4を配置している。そして必
要に応じてキャンセル用磁性体4を磁化し、感磁性素子
3にバイアス磁界を与えることによって、検査ゲートに
おいて交番磁界を与えても感磁性素子3が磁化反転を生
じないようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記先行技術のような
キャンセル機能を備えた標識1は、感磁性素子3の近傍
にキャンセル用磁性体4を配置するため、標識1が撓み
にくくなり、瓶や缶などの曲面に標識1を貼付けること
が困難である。また上記標識1は感磁性素子3とキャン
セル用磁性体4を並べて設けるため、ラベルやテープの
ような画一的な形態をとらざるをえず、種々の形態の物
品に適用しにくい。また、通常の商品ラベル(商標ラベ
ル等)とは別に標識1を設けなければならないため、標
識1のコストが高くつく。
【0006】従ってこの発明の目的は、可撓性に富み、
ラベルのような画一的な形態に制約されることがなく、
物品自体に埋設したり商標ラベル等に埋設することが可
能な物品監視用素子と、低コスト化が図れる製造装置お
よび製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を果たすため
に開発された本発明の物品監視用素子は、Si濃度が6
〜7wt%のFe−Si合金からなりその保磁力を越える
交番磁界が印加された時に急峻な磁化反転を生じるFe
−Si合金線と、磁気的に硬質または半硬質な磁性粉が
高分子材料中に混入されていて上記Fe−Si合金線の
外周を覆いかつ上記磁性粉が着磁された時に上記合金線
の磁化反転を阻止するバイアス磁界を上記合金線に与え
るキャンセル用磁性層とを具備している。上記Fe−S
i合金線は、飽和磁歪の絶対値が30×10-6以下のも
のが推奨される。
【0008】上記物品監視用素子は、Fe−Si合金線
の保磁力を越える交番磁界が印加された時に、大バルク
ハウゼン効果(大バルクハウゼンジャンプ)により、磁
歪をほとんど伴うことなく急峻な磁化反転を生じる。従
って検査ゲート等においてFe−Si合金線の保磁力を
越える交番磁界が印加されると、Fe−Si合金線に急
峻な磁化反転を生じる。この磁化反転に伴なう磁界変化
を検出コイル等の検出器によってとらえることにより、
パルス状の出力が検出される。そして上記パルス状出力
を所定の基準データ等と比較することにより、この素子
に着磁処理がなされているか否か、つまりFe−Si合
金線にバイアス磁界が与えられているか否かを判別する
ことができる。
【0009】必要に応じて上記キャンセル用磁性層に着
磁させることにより、Fe−Si合金線にバイアス磁界
を与えれば、Fe−Si合金線の磁化反転を阻止するこ
とができる。こうすれば上記合金線の磁化反転機能がキ
ャンセルされ、検査ゲート等において交番磁界が印加さ
れてもパルス状の出力は検出されなくなる。このFe−
Si合金線は磁化反転時に磁歪がほとんど生じないた
め、ラベル等に固定しても出力に影響がでない。これに
対し従来の万引き防止用ラベルなどに使用されている非
晶質強磁性線や Fe-Ni合金線は磁歪が大きいため、ラベ
ルに固定してしまうと出力が極端に低下したり、出力が
得られなくなってしまう。
【0010】本発明の物品監視用素子を製造するための
請求項3に対応する製造装置は、磁気的に硬質または半
硬質な磁性粉を未硬化の高分子材料中に混入した磁性層
材料を収容する容器と、Si濃度が6〜7wt%のFe−
Si合金からなるFe−Si合金線を連続的に送り出す
供給機構と、上記Fe−Si合金線を挿通可能な内径を
有しかつ上記容器に連通していて未硬化の上記磁性層材
料を上記合金線の外周側に吐出しながら上記合金線を連
続的に導出するノズルと、上記ノズルから出た上記合金
線の外周に付着している上記磁性層材料を冷却し硬化さ
せることによって上記磁性層材料からなるキャンセル用
磁性層を上記合金線に固着させる冷却手段と、上記キャ
ンセル用磁性層が固着した上記合金線を巻取る巻取機構
とを具備している。
【0011】また請求項5に対応する製造装置は、磁気
的に硬質または半硬質な磁性粉を高分子材料と一緒に溶
剤に溶かした磁性層材料を収容する容器と、上記Fe−
Si合金線を連続的に送り出す供給機構と、上記Fe−
Si合金線を挿通可能な内径を有しかつ上記容器に連通
していて上記磁性層材料を上記合金線の外周側に吐出し
ながら上記合金線を連続的に導出するノズルと、上記ノ
ズルから出た上記合金線の外周に付着している上記磁性
層材料を乾燥し硬化させることによって上記磁性層材料
からなるキャンセル用磁性層を上記合金線に固着させる
乾燥手段を具備している。
【0012】
【発明の実施の形態】以下にこの発明の一実施形態につ
いて図1から図10を参照して説明する。図1と図2に
示すラベル状の標識10の一例は、紙あるいは合成樹脂
等の非磁性材料からなる短冊状の基材11に、物品監視
用素子12が埋設されている。この素子12は必ずしも
基材11の幅方向中央に設ける必要はなく、片側に寄っ
た位置に配されていてもよい。基材11の材料は、紙あ
るいは合成樹脂以外に、ガラス、セラミックス等の非導
電材料を用いることができる。
【0013】上記標識10は、物品に貼付けることがで
きるように基材11の裏面側に粘着層13を設けるとよ
い。但し、タグ等の吊り札の場合には粘着層13を省略
できる。基材11の表面側に、透明あるいは不透明の保
護層14を設けてもよい。また図3に示す標識10のよ
うに、商品識別用バーコード15や価格表示16などの
光学的に読取り可能な商品情報17を印刷してもよい。
【0014】図1に示すように物品監視用素子12は、
素子12の中心部分に位置するFe−Si合金線20
と、この合金線20の外周全体を被覆するキャンセル用
磁性層21と、この磁性層21の外周全体を被覆する高
分子材料からなる固着層22を備えている。素子12の
外径は40〜500μm程度がよい。素子12の長さは
Fe−Si合金線20の直径の100〜1000倍程度
である。キャンセル用磁性層21は、高分子材料25
に、下記磁性粉26を混入したものである。
【0015】Fe−Si合金線20は、Si濃度が6〜
7wt%(より好ましくは、6.2〜6.7wt%)のFe
−Si合金からなる。合金線20のサイズは、線径が3
0〜150μm(例えば50μm前後)、長さが線径の
300〜1000倍(例えば40mm前後)のものが推
奨される。この合金線20は、非晶質合金線(アモルフ
ァスワイヤ)に比較して、約1.2〜2.0倍の飽和磁
束密度を有している。上記合金線20の断面形状は円で
あることが望ましいが、楕円や多角形あるいは矩形等の
丸以外の断面であってもよい。
【0016】Fe−Si合金線20は、その形状および
結晶構造による磁気的な効果によって、軸線方向に強い
磁気異方性を有し、この合金線20の保磁力(例えば
0.1〜1.0エルステッド)よりも大きな振幅の交番
磁界が印加された時に、大バルクハウゼン効果によっ
て、きわめて急峻な磁化反転を生じる。
【0017】この磁化反転を例えばソレノイドコイルに
よって検出すると、図4に示すようなパルス状の出力P
が得られる。すなわちFe−Si合金線20の正の保磁
力をHp、負の保磁力を−Hpとした場合、交番磁界が
これらの保磁力Hp、−Hpを越えた瞬間にFe−Si
合金線20に磁化反転が生じ、この磁化反転に対応した
パルス状の出力電圧Pが検出される。このパルスの幅は
10〜100μsecと非常に小さいため、出力電圧は
数KHz以上の高周波成分を多く含んでいる。上記磁化
反転は、与える交番磁界の周波数にほとんど依存せず、
周波数が低い場合でも同等のパルス状出力Pを得ること
ができる。
【0018】キャンセル用磁性層21は、高分子材料2
5に磁気的に硬質または半硬質な物質からなる多数の磁
性粉26を混入したものである。この磁性層21の高分
子材料25は、好ましくは固着層22の高分子材料と同
じ種類のものが使われる。磁性粉26の材料としては、
例えば保磁力が100〜5000エルステッド程度のγ
−Fe23 やCo−γ−Fe23 ,Fe34 ,B
aフェライト、Srフェライト等の各種フェライトをは
じめとする強磁性材料が適している。上記磁性粉26
は、0.2μm〜1.6μmの粒径となるように処理さ
れたものが適している。高分子材料25と磁性粉26の
体積の割合は、1:2から3:1程度の範囲がよい。
【0019】上記磁性粉26に着磁処理を行うと、Fe
−Si合金線20にバイアス磁界を与えることができ
る。図4の場合、2点鎖線Sで示すように、バイアス磁
界によって、Fe−Si合金線20に作用する交番磁界
が保磁力(−Hp)の上方にシフトするため磁化反転が
生じなくなり、パルス状の出力Pも発生しなくなる。
【0020】上記素子12を製造するには、キャンセル
用磁性層21の材料(未硬化の液状高分子材料に磁性粉
26を混入したもの)を収容した樹脂槽にFe−Si合
金線20を通し、合金線20の外周に上記材料を付着さ
せたのちこの材料を硬化させるといった工程を採用でき
る。
【0021】また、図5に示す製造装置30を用いて上
記素子12を連続的に製造することができる。この製造
装置30は、容器31と、Fe−Si合金線20を連続
的に送り出す供給機構32と、ノズル33と、冷却手段
34と、巻取機構35を具備している。
【0022】容器31は内側室31aと外側室31bと
を有し、内側室31aにキャンセル用磁性層21の材料
すなわち未硬化の高分子材料に磁性粉26を混入した磁
性層材料21aが収容されている。この内側室31aに
内側ノズル部33aが連通しており、内側ノズル部33
aから上記磁性層材料21aがFe−Si合金線20の
外周側に吐出されるようになっている。従って、内側ノ
ズル部33aはFe−Si合金線20を挿通可能な内径
を有しており、磁性層材料21aと一緒に合金線20を
連続的に導出するようにしている。
【0023】外側室31bには、固着層22の材料とし
て、例えば150℃〜500℃に加熱され液状となった
高分子材料22aが収容されている。外側室31bに外
側ノズル部33bが連通しており、高分子材料22aを
外側ノズル部33aからキャンセル用磁性層21の外周
側に吐出するようになっている。
【0024】供給機構32は、リール37等に巻かれた
Fe−Si合金線20を、上記ノズル33の中心に向っ
て連続的に送り出すようにしている。巻取機構35は図
示しないモータ等によって回転するリール38を有し、
ノズル33から出てくる素子12をリール38によって
巻取るようにしている。
【0025】冷却手段34は、ノズル33から出て合金
線20の外周に付着している磁性層材料21aと固着層
22の高分子材料22aを冷却する機能を有する。図示
例の冷却手段34は、上記材料21a,22aをノズル
33の外部の空気によって冷却するものである。但し、
低温の流体を合金線20の外周に付着している上記材料
21a,22aに及ぼすことにより、強制的に冷却する
ようにしてもよい。
【0026】上記製造装置30において、容器31の下
部に設けられたノズル33から材料21a,22aを落
下させるか、もしくは圧力を加えて材料21a,22a
をノズル33から押し出すと同時に、Fe−Si合金線
20をノズル33の下方に引き出す。そして材料21
a,22aがノズル33から出て固化することにより、
Fe−Si合金線20とキャンセル用磁性層21および
固着層22が互いに一体化する。この場合、材料21
a,22aがノズル33から吐出する速度と、Fe−S
i合金線20を引き出す速度を同調させれば、より均一
な磁性層21と固着層22を有する素子12を得ること
ができる。
【0027】なお、図6に示す物品監視用素子12のよ
うに、Fe−Si合金線20の外周に、固着層を兼ねた
キャンセル用磁性層21を被覆するようにしてもよい。
この素子12を製造するには、図7に示す製造装置30
のように、容器31に予め固着用の高分子材料と磁性粉
26とを混合した磁性層材料21aを収容しておき、ノ
ズル33から材料21aを吐出しながらFe−Si合金
線20を引き出すことにより、図6に示す素子12を得
ることができる。
【0028】上記素子12の断面形状は、ノズル33の
断面形状に応じて変化させることができる。また、リー
ル38に巻取られた素子12は、図示しない切断工程に
おいて、カッタによって前述の所望長さに切断される。
【0029】なお、図8に示す製造装置30によって物
品監視用素子12を製造することもできる。図8に示す
製造装置30は、容器31と、Fe−Si合金線20を
連続的に送り出す供給機構32と、ノズル33と、乾燥
手段34′と、巻取機構35を具備している。この場
合、容器31に予め固着用の高分子材料と磁性粉26を
溶剤に溶かした磁性層材料21a′を収容し、ノズル3
3から材料21a′を吐出しながらFe−Si合金線2
0を引き出す。材料21a′の固着は自然乾燥でもよい
が、乾燥手段34′によって強制的に溶剤を蒸発させて
もよい。それ以外の構成と作用は図5あるいは図7に示
す実施例と同様である。
【0030】図9は、標識10が付された物品(商品)
Mの通過を監視するための検査ゲート40を示してい
る。このゲート40は、客が通る検査領域41に交番磁
界を発生させる磁界印加手段としての発信機42と、検
査領域41における磁界の変化を出力信号として出力す
る受信手段としての受信機43を備えている。
【0031】発信機42は、発信コイル45と、この発
信コイル45にアンプ46を介して交流電流を供給する
交流発生器47を有している。発信コイル45は、交流
発生器47からアンプ46を介して供給される交流電流
に応じた交番磁界を発生し、検査領域41に印加する。
【0032】受信機43は、電磁誘導コイルとして機能
する検出コイル50と、この検出コイル50に接続され
た検出回路51を備えている。検出コイル50は、人が
通れる程度の間隔、例えば、1mの間隔をおいて発信コ
イル45と対向配置され、発信コイル45との間に検査
領域41を形成している。そして、受信手段を構成する
検出コイル50には、検査領域41における磁界に応じ
た電流が誘起され、この電流は出力信号として検出回路
51に出力される。
【0033】検出回路51は、検出コイル50に接続さ
れたフィルタ52、アンプ53、および比較器54を備
えている。フィルタ52は、検出コイル50が受信した
出力信号のうち、Fe−Si合金線20の急峻な磁化反
転に起因するパルス状の出力信号の高周波成分を取出す
ようにしている。上記パルス状出力は、交番磁界の正負
が変わる度に周期的に出るため、標識10の付された物
品Mを交番磁界に対して相対移動させなくてもほぼ一瞬
の間に検出が行われる。
【0034】比較器54は、検出されたパルス状出力
を、予め用意された基準データと比較することにより、
パルス状の出力が生じたか否か(Fe−Si合金線20
に磁化反転を生じたか否か)、すなわちキャンセル用磁
性層21が着磁されているか否かの判別を行う。物品M
がこのゲート40を通る際に、キャンセル用磁性層21
に着磁処理がなされていないと、受信機43と検出回路
51によってパルス状の出力が検出される。
【0035】比較器54には、駆動部55を介して報知
手段56が接続されている。駆動部55は比較器54の
照合結果に応じて報知手段56を作動させる。報知手段
56は、例えば警告灯や報知音などの表示手段によっ
て、ゲート40の管理者(店員等)に照合結果を知らせ
るようになっている。
【0036】次に上記構成の標識10の作用について説
明する。商店等において商品を監視するために標識10
を用いる場合、予め商品に標識10を取付けておく。ま
た、店の出口、例えば精算所(いわゆるレジ)の出口側
に検査ゲート40を設置する。精算所にはキャンセル用
磁性層21に着磁処理を行うための磁界発生器(図示せ
ず)を設けておく。この精算所において客が商品の代金
を支払うと、商品に付けられている標識10のキャンセ
ル用磁性層21に上記磁界発生器によって着磁処理を行
う。
【0037】このため、精算済みの商品が検査ゲート4
0を通る際には、Fe−Si合金線20が磁化反転を生
じないから、この商品が検査ゲート40から出ることが
許可される。これに対し、未精算の商品が検査ゲート4
0を通ろうとすると、商品に付けられている標識10の
Fe−Si合金線20が磁化反転を生じる。このためパ
ルス状の出力がコイル50によって検出され、検出回路
51が駆動部55を介して報知手段56を作動させる。
【0038】上記実施例のようにFe−Si合金線20
にキャンセル用磁性層21を一体化させたため、例えば
図10(A)(B)に示す物品Mのように、物品Mを製
造する過程で、商標ラベルを兼ねた標識10の下に素子
12を設けることができ、従来の磁気式物品監視用標識
に比べてコストを下げることが可能である。また、素子
12を紙に直接すき込んだり、従来のようにラベル状に
成形するなど、様々な形態で素子12を物品に付加する
ことができる。
【0039】上記Fe−Si合金線20はきわめて細く
柔軟であるから、平坦な表面を有する物品は勿論のこ
と、瓶、缶等の湾曲した表面をもつ物品にも容易に取付
けることができる。例えば図10(B)に示すように、
物品Mの湾曲した表面に沿って湾曲させた状態で設ける
こともできる。従来の非晶質強磁性線や Fe-Ni合金線は
磁歪が大きいため、湾曲した状態で設けると出力が低下
してしまう。また本発明の素子12は、監視すべき物品
自体(例えば紙や合成樹脂製のケース等)に埋設するこ
ともできる。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、Fe−Si合金線の磁
化反転機能をキャンセルするための磁性粉をこの合金線
の外周に被覆し、素子全体を線状にしたため、Fe−S
i合金線がきわめて細く柔軟であることとあいまって、
物品監視用素子の可撓性を損なうことがなく、平坦な表
面を有する物品は勿論のこと、瓶、缶等の湾曲した表面
をもつ物品にも容易に取付けることができる。この物品
監視用素子を有する標識の形態はラベルである必要はな
く、例えば物品と商標ラベルとの間に挟み込んだり、物
品やラベルに埋設することも容易であるなど、種々の形
態をとることができ、低コストで実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示す物品監視用素子を
備えた標識の一部の断面図。
【図2】 図1に示された標識の斜視図。
【図3】 物品監視用素子を備えた標識の変形例を示す
平面図。
【図4】 図1に示された標識の励起磁界と出力との関
係を示す図。
【図5】 物品監視用素子を製造する装置を示す概略
図。
【図6】 本発明の他の実施形態を示す物品監視用素子
を備えた標識の一部の断面図。
【図7】 図6に示された物品監視用素子を製造する装
置を示す概略図。
【図8】 図6に示された物品監視用素子を製造する装
置の変形例を示す概略図。
【図9】 物品監視用素子の検出を行う検査ゲートの構
成を示す斜視図。
【図10】 標識を備えた物品の斜視図。
【図11】 従来のキャンセル用磁性体を有する標識の
平面図。
【符号の説明】
10…標識 11…基材 12…物品監視用素子 20…Fe−Si合金線 21…キャンセル用磁性層 22…固着層 25…高分子材料 26…磁性粉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平6−37987(JP,U) 米国特許3665449(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G08B 13/24 C22C 38/00 303

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Si濃度が6〜7wt%のFe−Si合金か
    らなりその保磁力を越える交番磁界が印加された時に急
    峻な磁化反転を生じるFe−Si合金線と、 磁気的に硬質または半硬質な磁性粉が高分子材料中に混
    入されていて上記Fe−Si合金線の外周を覆いかつ上
    記磁性粉が着磁された時に上記合金線の磁化反転を阻止
    するバイアス磁界を上記合金線に与えるキャンセル用磁
    性層と、 を具備したことを特徴とする線状の物品監視用素子。
  2. 【請求項2】上記キャンセル用磁性層の更に外周が高分
    子材料からなる固着層によって覆われていることを特徴
    とする請求項1記載の物品監視用素子。
  3. 【請求項3】磁気的に硬質または半硬質な磁性粉を未硬
    化の高分子材料中に混入した磁性層材料を収容する容器
    と、 Si濃度が6〜7wt%のFe−Si合金からなりその保
    磁力を越える交番磁界が印加された時に急峻な磁化反転
    を生じるFe−Si合金線を連続的に送り出す供給機構
    と、 上記Fe−Si合金線を挿通可能な内径を有しかつ上記
    容器に連通していて未硬化の上記磁性層材料を上記合金
    線の外周側に吐出しながら上記合金線を連続的に導出す
    るノズルと、 上記ノズルから出た上記合金線の外周に付着している上
    記磁性層材料を冷却し硬化させることによって上記磁性
    層材料からなるキャンセル用磁性層を上記合金線に固着
    させる冷却手段と、 上記キャンセル用磁性層が固着した上記合金線を巻取る
    巻取機構と、 を具備したことを特徴とする物品監視用素子の製造装
    置。
  4. 【請求項4】上記ノズルは、上記磁性層材料を上記Fe
    −Si合金線の外周側に吐出する内側ノズル部と、上記
    磁性層材料の外周側に固着層用の高分子材料を吐出する
    外側ノズル部とを具備していることを特徴とする請求項
    3記載の物品監視用素子の製造装置。
  5. 【請求項5】磁気的に硬質または半硬質な磁性粉と高分
    子材料を溶剤に溶かした磁性層材料を収容する容器と、 Si濃度が6〜7wt%のFe−Si合金からなりその保
    磁力を越える交番磁界が印加された時に急峻な磁化反転
    を生じるFe−Si合金線を連続的に送り出す供給機構
    と、 上記Fe−Si合金線を挿通可能な内径を有しかつ上記
    容器に連通していて上記磁性層材料を上記合金線の外周
    側に吐出しながら上記合金線を連続的に導出するノズル
    と、 上記ノズルから出た上記合金線の外周に付着している上
    記磁性層材料を乾燥し硬化させることによって上記磁性
    層材料からなるキャンセル用磁性層を上記合金線に固着
    させる乾燥手段と、 上記キャンセル用磁性層が固着した上記合金線を巻取る
    巻取機構と、 を具備したことを特徴とする物品監視用素子の製造装
    置。
  6. 【請求項6】Si濃度が6〜7wt%のFe−Si合金か
    らなりその保磁力を越える交番磁界が印加された時に急
    峻な磁化反転を生じるFe−Si合金線を連続的にノズ
    ルから引き出すとともに、磁気的に硬質または半硬質な
    磁性粉を未硬化の高分子材料中に混入した磁性層材料を
    上記ノズルから上記合金線の外周側に吐出させることに
    よって上記合金線の外周に上記磁性層材料を塗布する工
    程と、 上記合金線に塗布された上記磁性層材料を冷却し硬化さ
    せることにより上記磁性層材料からなるキャンセル用磁
    性層を上記合金線に固着させる工程と、 上記キャンセル用磁性層が固着した上記Fe−Si合金
    線を巻取る工程と、 上記磁性層が固着したFe−Si合金線を所定長さに切
    断する工程と、 を具備したことを特徴とする物品監視用素子の製造方
    法。
  7. 【請求項7】Si濃度が6〜7wt%のFe−Si合金か
    らなりその保磁力を越える交番磁界が印加された時に急
    峻な磁化反転を生じるFe−Si合金線を連続的にノズ
    ルから引き出すとともに、磁気的に硬質または半硬質な
    磁性粉と高分子材料を溶剤に溶かした磁性層材料を上記
    ノズルから上記合金線の外周側に吐出させることによっ
    て上記合金線の外周に上記磁性層材料を塗布する工程
    と、 上記合金線に塗布された上記磁性層材料を乾燥し硬化さ
    せることにより上記磁性層材料からなるキャンセル用磁
    性層を上記合金線に固着させる工程と、 上記キャンセル用磁性層が固着した上記Fe−Si合金
    線を巻取る工程と、 上記磁性層が固着したFe−Si合金線を所定長さに切
    断する工程と、 を具備したことを特徴とする物品監視用素子の製造方
    法。
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