JPH09134817A - 磁気マーカ - Google Patents
磁気マーカInfo
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- JPH09134817A JPH09134817A JP28964095A JP28964095A JPH09134817A JP H09134817 A JPH09134817 A JP H09134817A JP 28964095 A JP28964095 A JP 28964095A JP 28964095 A JP28964095 A JP 28964095A JP H09134817 A JPH09134817 A JP H09134817A
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- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F1/00—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
- H01F1/01—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
- H01F1/03—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
- H01F1/12—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
- H01F1/14—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials metals or alloys
- H01F1/143—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials metals or alloys in the form of wires
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 経時的にも、さまざまな使用状態において
も、安定した大バルクハウゼン特性を有する、小型かつ
高感度の磁気マーカを提供する。 【解決手段】 パルス発生用磁性細線1とその両端部に
密着配置した磁性薄帯2、3とを少なくとも2つのテー
プ基材4、5でラミネートしてなる大バルクハウゼン反
転を生じる磁気マーカにおいて、前記磁性細線1及び磁
性薄帯2、3をラミネートする少なくとも2つのテープ
基材4、5のそれぞれが、ラミネート側に粘着層6、7
を有することを特徴とする磁気マーカ。
も、安定した大バルクハウゼン特性を有する、小型かつ
高感度の磁気マーカを提供する。 【解決手段】 パルス発生用磁性細線1とその両端部に
密着配置した磁性薄帯2、3とを少なくとも2つのテー
プ基材4、5でラミネートしてなる大バルクハウゼン反
転を生じる磁気マーカにおいて、前記磁性細線1及び磁
性薄帯2、3をラミネートする少なくとも2つのテープ
基材4、5のそれぞれが、ラミネート側に粘着層6、7
を有することを特徴とする磁気マーカ。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物品の有無を検出
するために、その物品に取り付ける磁気マーカに関する
ものである。
するために、その物品に取り付ける磁気マーカに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】物品にマーカを取り付けることにより、
その物品の数量、種類の検出、もしくは物品の盗難防止
に利用できることが知られている。従来より、このよう
なマーカは、直接マーカが目に見えないように取り付け
られ、磁気やマイクロ波により検知される方法が一般的
に採用されている。例えば、高透磁率磁性薄帯あるいは
磁性細線に交流磁界を印加し、その結果生じる検査領域
での磁界の乱れあるいは出力パルスの高調波成分を検出
するものや、アルミ箔でコイルとコンデンサを形成し、
外部より電波を照射し、マーカにおける共振現象を検知
するものなどがある。
その物品の数量、種類の検出、もしくは物品の盗難防止
に利用できることが知られている。従来より、このよう
なマーカは、直接マーカが目に見えないように取り付け
られ、磁気やマイクロ波により検知される方法が一般的
に採用されている。例えば、高透磁率磁性薄帯あるいは
磁性細線に交流磁界を印加し、その結果生じる検査領域
での磁界の乱れあるいは出力パルスの高調波成分を検出
するものや、アルミ箔でコイルとコンデンサを形成し、
外部より電波を照射し、マーカにおける共振現象を検知
するものなどがある。
【0003】なかでも、大バルクハウゼン特性を有する
アモルファス磁性細線をマーカとして利用したものは、
高感度で軽量であり、しかも誤検知の少ないシステムを
構成することができるという点で優れたものとなってい
る(特開昭61−153799号公報)。また、アモル
ファス磁性細線の両端部に磁性細線の保磁力よりも小さ
な保磁力を有する磁性薄帯を配置した構成の磁気マーカ
は、高感度で誤検知も少なく、小型であるため様々な形
態を有する物品にも取り付けることが可能である(特開
平4−195384号公報)。
アモルファス磁性細線をマーカとして利用したものは、
高感度で軽量であり、しかも誤検知の少ないシステムを
構成することができるという点で優れたものとなってい
る(特開昭61−153799号公報)。また、アモル
ファス磁性細線の両端部に磁性細線の保磁力よりも小さ
な保磁力を有する磁性薄帯を配置した構成の磁気マーカ
は、高感度で誤検知も少なく、小型であるため様々な形
態を有する物品にも取り付けることが可能である(特開
平4−195384号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開平4−19538
4号公報に記載の磁気マーカは、大バルクハウゼン特性
を有する磁性細線と、その両端部に付帯させた、保磁力
Hcが前記磁性細線より小さな磁性薄帯とから構成され
ており、この2枚の磁性薄帯によりパルス発生用磁性細
線の反磁界が低減され、磁性細線単独では、もはや大バ
ルクハウゼン特性を示さないような短い長さにおいて
も、大バルクハウゼン特性が得られるというものであ
る。しかしながら、上記構成を有する磁気マーカの大バ
ルクハウゼン特性は、磁性細線と磁性薄帯との接触状態
によって容易に変化し得るものであり、経時的あるいは
実際の使用状態によっては大バルクハウゼン特性が消失
して、安定した特性が得られないという問題があった。
4号公報に記載の磁気マーカは、大バルクハウゼン特性
を有する磁性細線と、その両端部に付帯させた、保磁力
Hcが前記磁性細線より小さな磁性薄帯とから構成され
ており、この2枚の磁性薄帯によりパルス発生用磁性細
線の反磁界が低減され、磁性細線単独では、もはや大バ
ルクハウゼン特性を示さないような短い長さにおいて
も、大バルクハウゼン特性が得られるというものであ
る。しかしながら、上記構成を有する磁気マーカの大バ
ルクハウゼン特性は、磁性細線と磁性薄帯との接触状態
によって容易に変化し得るものであり、経時的あるいは
実際の使用状態によっては大バルクハウゼン特性が消失
して、安定した特性が得られないという問題があった。
【0005】例えば、磁性細線と磁性薄帯との間に異物
が混入したり、磁性薄帯あるいは磁性細線表面の平滑度
が低かったりして接触状態が不完全になると、大バルク
ハウゼン特性が不安定になる場合がある。また、様々な
曲率を有する物品に磁気マーカを貼着した場合には、磁
性細線と磁性薄帯との接触が不完全となり、同様に大バ
ルクハウゼン特性が不安定になることもある。このよう
な大バルクハウゼン特性の不安定化は、磁気マーカの出
力パルスあるいは高調波特性の著しい低下を引き起こ
し、検知システムにおける検知状況に支障を来すことに
なる。さらに、磁気マーカが不安定な磁気特性要素を有
しているということは、品質上及び実用上に不都合が生
じるのは言うまでもない。本発明は、経時的にも、さま
ざまな使用状態においても、安定した大バルクハウゼン
特性を有する、小型かつ高感度の磁気マーカを提供する
ことを目的とするものである。
が混入したり、磁性薄帯あるいは磁性細線表面の平滑度
が低かったりして接触状態が不完全になると、大バルク
ハウゼン特性が不安定になる場合がある。また、様々な
曲率を有する物品に磁気マーカを貼着した場合には、磁
性細線と磁性薄帯との接触が不完全となり、同様に大バ
ルクハウゼン特性が不安定になることもある。このよう
な大バルクハウゼン特性の不安定化は、磁気マーカの出
力パルスあるいは高調波特性の著しい低下を引き起こ
し、検知システムにおける検知状況に支障を来すことに
なる。さらに、磁気マーカが不安定な磁気特性要素を有
しているということは、品質上及び実用上に不都合が生
じるのは言うまでもない。本発明は、経時的にも、さま
ざまな使用状態においても、安定した大バルクハウゼン
特性を有する、小型かつ高感度の磁気マーカを提供する
ことを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な課題を解決するため鋭意検討の結果、パルス発生用磁
性細線とその両端部に密着配置した磁性薄帯とを少なく
とも2つのテープ基材でラミネートしてなる大バルクハ
ウゼン反転を生じる磁気マーカにおいて、少なくとも2
つのテープ基材のラミネート側に粘着層をそれぞれ設け
ることにより、経時的にも、さまざまな使用状態におい
ても、安定した大バルクハウゼン特性を有する、小型か
つ高感度の磁気マーカを提供することができるという事
実を見出し、本発明に到達した。
な課題を解決するため鋭意検討の結果、パルス発生用磁
性細線とその両端部に密着配置した磁性薄帯とを少なく
とも2つのテープ基材でラミネートしてなる大バルクハ
ウゼン反転を生じる磁気マーカにおいて、少なくとも2
つのテープ基材のラミネート側に粘着層をそれぞれ設け
ることにより、経時的にも、さまざまな使用状態におい
ても、安定した大バルクハウゼン特性を有する、小型か
つ高感度の磁気マーカを提供することができるという事
実を見出し、本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明は、パルス発生用磁性細
線とその両端部に密着配置した磁性薄帯とを少なくとも
2つのテープ基材でラミネートしてなる大バルクハウゼ
ン反転を生じる磁気マーカにおいて、前記磁性細線及び
磁性薄帯をラミネートする少なくとも2つのテープ基材
のそれぞれが、ラミネート側に粘着層を有することを特
徴とする磁気マーカを要旨とするものである。
線とその両端部に密着配置した磁性薄帯とを少なくとも
2つのテープ基材でラミネートしてなる大バルクハウゼ
ン反転を生じる磁気マーカにおいて、前記磁性細線及び
磁性薄帯をラミネートする少なくとも2つのテープ基材
のそれぞれが、ラミネート側に粘着層を有することを特
徴とする磁気マーカを要旨とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明
を具体的に説明する。図1は、本発明の磁気マーカの構
成を示す概略斜視図である。図1において、パルス発生
素子である磁性細線1とその両端部に密着配置させた磁
性薄帯2、3は、粘着層6、7及び8を有する2つのテ
ープ基材4、5によりラミネートされ、本発明の磁気マ
ーカを構成している。本発明に用いられる2つのテープ
基材4、5は、それぞれ少なくとも片面に粘着層6、7
を有しており、それぞれの粘着層6、7が、磁性細線1
と磁性薄帯2、3とをラミネートする側(A側、B側、
以下、ラミネート側という。)に存在するようにテープ
基材4、5を配置することが必要である。
を具体的に説明する。図1は、本発明の磁気マーカの構
成を示す概略斜視図である。図1において、パルス発生
素子である磁性細線1とその両端部に密着配置させた磁
性薄帯2、3は、粘着層6、7及び8を有する2つのテ
ープ基材4、5によりラミネートされ、本発明の磁気マ
ーカを構成している。本発明に用いられる2つのテープ
基材4、5は、それぞれ少なくとも片面に粘着層6、7
を有しており、それぞれの粘着層6、7が、磁性細線1
と磁性薄帯2、3とをラミネートする側(A側、B側、
以下、ラミネート側という。)に存在するようにテープ
基材4、5を配置することが必要である。
【0009】粘着層が磁性薄帯2、3側(A側)のテー
プ基材4にのみ存在する場合は、粘着層のない磁性細線
1と磁性薄帯2、3との接触部分に空気溜まりが生じ、
磁性細線1が磁性薄帯2、3の幅方向で移動したり、磁
気マーカのわずかな変形で磁性細線1と磁性薄帯2、3
との接触が不完全になったりする恐れがある。また、粘
着層が磁性細線1側(B側)のテープ基材5にのみ存在
する場合は、粘着層のない磁性薄帯面に空気溜まりが生
じ、環境温度あるいは時間経過に伴った空気溜まりの膨
張によって、磁気マーカのわずかな変形で磁性細線1と
磁性薄帯2、3との接触が不完全になったりする恐れが
ある。
プ基材4にのみ存在する場合は、粘着層のない磁性細線
1と磁性薄帯2、3との接触部分に空気溜まりが生じ、
磁性細線1が磁性薄帯2、3の幅方向で移動したり、磁
気マーカのわずかな変形で磁性細線1と磁性薄帯2、3
との接触が不完全になったりする恐れがある。また、粘
着層が磁性細線1側(B側)のテープ基材5にのみ存在
する場合は、粘着層のない磁性薄帯面に空気溜まりが生
じ、環境温度あるいは時間経過に伴った空気溜まりの膨
張によって、磁気マーカのわずかな変形で磁性細線1と
磁性薄帯2、3との接触が不完全になったりする恐れが
ある。
【0010】テープ基材4、5の材質や厚みは、マーカ
の使われる用途により様々であるが、通常、テープ基材
としては、粘着層の付いた厚みが30〜100μm程度
のフィルム粘着テープあるいは紙粘着テープが用いられ
る。フィルムの材質としてはポリエチレン、ポリエステ
ル、ポリプロピレン等が好ましい。また、被検出物品に
本発明の磁気マーカを張り付けるために、2つのテープ
基材のうちどちらか一方のテープ基材が、ラミネート側
と反対側(C側)にも粘着層を有することが好ましく、
磁性細線1と磁性薄帯2、3との接触状態を更に安定さ
せるためには、磁性細線1側のテープ基材5がC側に粘
着層8を有することがより好ましい。磁性薄帯2、3側
のテープ基材4のC側に粘着層を有すると、曲率を有す
る物品に磁気マーカを貼着した場合、磁性細線1の復元
力により、空気溜まりが拡大し易く、磁性細線1と磁性
薄帯2、3との接触状態が不完全になる場合がある。テ
ープ基材4、5に塗布される粘着剤としては、ゴム系、
アクリル系、シリコン系等の粘着剤を用いることが好ま
しい。
の使われる用途により様々であるが、通常、テープ基材
としては、粘着層の付いた厚みが30〜100μm程度
のフィルム粘着テープあるいは紙粘着テープが用いられ
る。フィルムの材質としてはポリエチレン、ポリエステ
ル、ポリプロピレン等が好ましい。また、被検出物品に
本発明の磁気マーカを張り付けるために、2つのテープ
基材のうちどちらか一方のテープ基材が、ラミネート側
と反対側(C側)にも粘着層を有することが好ましく、
磁性細線1と磁性薄帯2、3との接触状態を更に安定さ
せるためには、磁性細線1側のテープ基材5がC側に粘
着層8を有することがより好ましい。磁性薄帯2、3側
のテープ基材4のC側に粘着層を有すると、曲率を有す
る物品に磁気マーカを貼着した場合、磁性細線1の復元
力により、空気溜まりが拡大し易く、磁性細線1と磁性
薄帯2、3との接触状態が不完全になる場合がある。テ
ープ基材4、5に塗布される粘着剤としては、ゴム系、
アクリル系、シリコン系等の粘着剤を用いることが好ま
しい。
【0011】本発明に用いられる磁性細線1としては、
反磁界の影響が少ない線長において大バルクハウゼン特
性を有するような軟磁性金属細線が好ましく、軟磁性金
属細線としては、アモルファス金属ワイヤ、ウィーガン
ドワイヤ、Fe−Siワイヤ等を用いることが好まし
い。さらに、本発明の磁気マーカの検出信号(例えば、
パルス信号や高調波信号等)を向上させるために、前記
磁性細線に熱処理等の後処理を行ってもよい。また、磁
性細線1の保磁力としては、0.05〜1.0エルステ
ッドであることが好ましく、磁性細線1の線径として
は、60〜115μmφ、さらに好ましくは、80〜1
00μmφであることがより好ましい。線径が60μm
以下の場合では、磁性細線1の断面積が不足するため、
検出信号が低くなり、115μm以上では反磁界が大き
くなり、実用上好適な磁気マーカのサイズにおいて大バ
ルクハウゼン特性を示しにくくなる。
反磁界の影響が少ない線長において大バルクハウゼン特
性を有するような軟磁性金属細線が好ましく、軟磁性金
属細線としては、アモルファス金属ワイヤ、ウィーガン
ドワイヤ、Fe−Siワイヤ等を用いることが好まし
い。さらに、本発明の磁気マーカの検出信号(例えば、
パルス信号や高調波信号等)を向上させるために、前記
磁性細線に熱処理等の後処理を行ってもよい。また、磁
性細線1の保磁力としては、0.05〜1.0エルステ
ッドであることが好ましく、磁性細線1の線径として
は、60〜115μmφ、さらに好ましくは、80〜1
00μmφであることがより好ましい。線径が60μm
以下の場合では、磁性細線1の断面積が不足するため、
検出信号が低くなり、115μm以上では反磁界が大き
くなり、実用上好適な磁気マーカのサイズにおいて大バ
ルクハウゼン特性を示しにくくなる。
【0012】本発明に用いられる磁性薄帯2、3は、磁
性細線1の両端部に密着配置されることが必要である。
また、磁性薄帯2、3としては、磁性細線1よりも保磁
力の低い軟磁性金属薄帯を用いることが好ましい。磁性
薄帯2、3の保磁力としては、0.01〜0.8エルス
テッドであることが好ましく、軟磁性金属材料として
は、パーマロイ、珪素鋼、アモルファス金属材料を用い
ることが好ましい。
性細線1の両端部に密着配置されることが必要である。
また、磁性薄帯2、3としては、磁性細線1よりも保磁
力の低い軟磁性金属薄帯を用いることが好ましい。磁性
薄帯2、3の保磁力としては、0.01〜0.8エルス
テッドであることが好ましく、軟磁性金属材料として
は、パーマロイ、珪素鋼、アモルファス金属材料を用い
ることが好ましい。
【0013】また、磁性薄帯2、3の磁束変化は、磁性
細線1の反磁界の低減に大きな影響を及ぼすため、磁性
薄帯2、3の寸法としては、磁気マーカを形成する長さ
方向の長さが3mm以上、幅が3〜10mm、厚さが1
0〜50μmの範囲内にあることが好ましい。長さが3
mm以下では磁性薄帯2、3の反磁界が増加し、磁性細
線1の反磁界を低減するのに必要な磁束変化が生じにく
くなる。さらに、幅及び厚さがそれぞれ3mm以下、1
0μm以下では、磁性薄帯2、3の磁束変化に寄与する
断面積が不足してしまうため、大バルクハウゼン特性を
示しにくくなる。また、幅及び厚さがそれぞれ10mm
以上、50μm以上では、反磁界が増加し、断面積の増
加による効果が得られにくくなる。
細線1の反磁界の低減に大きな影響を及ぼすため、磁性
薄帯2、3の寸法としては、磁気マーカを形成する長さ
方向の長さが3mm以上、幅が3〜10mm、厚さが1
0〜50μmの範囲内にあることが好ましい。長さが3
mm以下では磁性薄帯2、3の反磁界が増加し、磁性細
線1の反磁界を低減するのに必要な磁束変化が生じにく
くなる。さらに、幅及び厚さがそれぞれ3mm以下、1
0μm以下では、磁性薄帯2、3の磁束変化に寄与する
断面積が不足してしまうため、大バルクハウゼン特性を
示しにくくなる。また、幅及び厚さがそれぞれ10mm
以上、50μm以上では、反磁界が増加し、断面積の増
加による効果が得られにくくなる。
【0014】磁性薄帯2、3の形状は、特に規定される
ものではなく、図1に示されるような矩形以外に、多角
形あるいは円形でもよい。磁性細線1と磁性薄帯2、3
との位置関係としては、磁気マーカを形成する長さ方向
及び幅方向で、磁性薄帯2、3の中心部より±25%以
内の位置に磁性細線1の端部が存在することが好まし
い。本発明の大バルクハウゼン特性を有する磁気マーカ
は、交流磁場にさらされた場合に、所定のしきい値H*
において急峻な磁束変化を示すため、出力電圧及び高次
の高調波に優れた検出信号を発生する。このような出力
電圧及び高次の高調波に優れた検出信号は、検知システ
ムの感度を向上するものであり、さらには磁気マーカと
他の金属材料とを識別するのに役立つものである。
ものではなく、図1に示されるような矩形以外に、多角
形あるいは円形でもよい。磁性細線1と磁性薄帯2、3
との位置関係としては、磁気マーカを形成する長さ方向
及び幅方向で、磁性薄帯2、3の中心部より±25%以
内の位置に磁性細線1の端部が存在することが好まし
い。本発明の大バルクハウゼン特性を有する磁気マーカ
は、交流磁場にさらされた場合に、所定のしきい値H*
において急峻な磁束変化を示すため、出力電圧及び高次
の高調波に優れた検出信号を発生する。このような出力
電圧及び高次の高調波に優れた検出信号は、検知システ
ムの感度を向上するものであり、さらには磁気マーカと
他の金属材料とを識別するのに役立つものである。
【0015】
【作用】本発明によると、磁性細線1と磁性薄帯2、3
とをラミネートするためのテープ基材4、5のそれぞれ
がラミネート側に粘着層6、7を有するため、接触不良
の原因である接触部の空気溜まりを抑制し、磁性細線1
と磁性薄帯2、3との安定した接触状態を実現すること
ができる。また、磁気マーカの生産時において、それぞ
れのテープ基材4、5が磁性細線1と磁性薄帯2、3と
を別々に把持することができるため、生産速度を上げる
ことができる。
とをラミネートするためのテープ基材4、5のそれぞれ
がラミネート側に粘着層6、7を有するため、接触不良
の原因である接触部の空気溜まりを抑制し、磁性細線1
と磁性薄帯2、3との安定した接触状態を実現すること
ができる。また、磁気マーカの生産時において、それぞ
れのテープ基材4、5が磁性細線1と磁性薄帯2、3と
を別々に把持することができるため、生産速度を上げる
ことができる。
【0016】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例によって具
体的に説明する。 実施例1 まず、図1に示すような構成の磁気マーカを作製した。
磁性細線1には、(Co50Fe50)78Si7B15(数字は原子%を
示す)の合金組成を有する線径94μmφ、長さ30m
mのアモルファス金属細線を用い、磁性薄帯2、3に
は、Fe78Si9B13(数字は原子%を示す)の合金組成を有
する長さ10mm、幅5mm、厚さ25μmのアモルフ
ァス薄帯を用いた。周波数50Hz、振幅10エルステ
ッドの正弦磁界における保磁力は、磁性細線1(長さ1
00mm)が0.30エルステッド、磁性薄帯2、3
(長さ100mm)が0.02エルステッドであった。
テープ基材4には、厚さ50μmの片面紙粘着テープ
を、テープ基材5には、厚さ25μmのPET両面粘着
テープを用い、ラミネート側の粘着層6、7としては、
それぞれ厚さ25μmのアクリル系粘着剤を、PET両
面粘着テープの物品貼着用粘着層8としては、厚さ32
μmのアクリル系粘着剤を用いた。
体的に説明する。 実施例1 まず、図1に示すような構成の磁気マーカを作製した。
磁性細線1には、(Co50Fe50)78Si7B15(数字は原子%を
示す)の合金組成を有する線径94μmφ、長さ30m
mのアモルファス金属細線を用い、磁性薄帯2、3に
は、Fe78Si9B13(数字は原子%を示す)の合金組成を有
する長さ10mm、幅5mm、厚さ25μmのアモルフ
ァス薄帯を用いた。周波数50Hz、振幅10エルステ
ッドの正弦磁界における保磁力は、磁性細線1(長さ1
00mm)が0.30エルステッド、磁性薄帯2、3
(長さ100mm)が0.02エルステッドであった。
テープ基材4には、厚さ50μmの片面紙粘着テープ
を、テープ基材5には、厚さ25μmのPET両面粘着
テープを用い、ラミネート側の粘着層6、7としては、
それぞれ厚さ25μmのアクリル系粘着剤を、PET両
面粘着テープの物品貼着用粘着層8としては、厚さ32
μmのアクリル系粘着剤を用いた。
【0017】この磁気マーカを用いて、ヒステリシス測
定を行った。ヒステリシス測定は、交流BHトレーサー
AC BH−100K(リケン電子社製)を用いて、
周波数60Hz正弦波磁界の励磁条件にて行った。図2
には、このヒステリシス測定で得られた、実施例1で作
製した磁気マーカのヒステリシス曲線を、図3には、長
さ30mmの磁性細線単独の構成を有し、磁性薄帯を密
着配置しない磁気マーカのヒステリシス曲線を示す。長
さが30mmの磁性細線単独では大バルクハウゼン特性
を示さないが、実施例1で作製した磁気マーカでは、図
2に見られるように明確な角型ループが得られ、大バル
クハウゼン特性を示すことが明らかである。また、作製
した磁気マーカ100サンプル全てにおいて、図2に見
られるような大バルクハウゼン効果特有の角型ループを
呈し、その角型ループは10日経過後においても変化す
ることはなかった。また、磁気マーカに50mmφの曲
率を付与して保持しても、100サンプル全てにおいて
ヒステリシス曲線の変形はなく、曲率を有した物品に貼
着した状態においても、安定した大バルクハウゼン特性
を示すことが明らかである。
定を行った。ヒステリシス測定は、交流BHトレーサー
AC BH−100K(リケン電子社製)を用いて、
周波数60Hz正弦波磁界の励磁条件にて行った。図2
には、このヒステリシス測定で得られた、実施例1で作
製した磁気マーカのヒステリシス曲線を、図3には、長
さ30mmの磁性細線単独の構成を有し、磁性薄帯を密
着配置しない磁気マーカのヒステリシス曲線を示す。長
さが30mmの磁性細線単独では大バルクハウゼン特性
を示さないが、実施例1で作製した磁気マーカでは、図
2に見られるように明確な角型ループが得られ、大バル
クハウゼン特性を示すことが明らかである。また、作製
した磁気マーカ100サンプル全てにおいて、図2に見
られるような大バルクハウゼン効果特有の角型ループを
呈し、その角型ループは10日経過後においても変化す
ることはなかった。また、磁気マーカに50mmφの曲
率を付与して保持しても、100サンプル全てにおいて
ヒステリシス曲線の変形はなく、曲率を有した物品に貼
着した状態においても、安定した大バルクハウゼン特性
を示すことが明らかである。
【0018】比較例1 テープ基材として、厚さ50μmの片面紙粘着テープと
厚さ25μmのPET片面粘着テープを用い、磁性薄帯
側の片面紙粘着テープだけがラミネート側に粘着層を有
するようにした点以外は実施例1と同様にして磁気マー
カを作製した。なお、ラミネート側の粘着層としては厚
さ25μmのアクリル系粘着剤を用い、PET片面粘着
テープの物品貼着用粘着層としては厚さ32μmのアク
リル系粘着剤を用いた。
厚さ25μmのPET片面粘着テープを用い、磁性薄帯
側の片面紙粘着テープだけがラミネート側に粘着層を有
するようにした点以外は実施例1と同様にして磁気マー
カを作製した。なお、ラミネート側の粘着層としては厚
さ25μmのアクリル系粘着剤を用い、PET片面粘着
テープの物品貼着用粘着層としては厚さ32μmのアク
リル系粘着剤を用いた。
【0019】磁気マーカ作製直後では、100サンプル
全てが図2に見られるような大バルクハウゼン効果特有
の角型ループを呈したが、10日経過後には、100サ
ンプル中32サンプルにおいて図4あるいは図5に見ら
れるような変形したヒステリシス曲線〔磁界Hの正側あ
るいは負側のみに大バルクハウゼン効果が発生するよう
な不安定なヒステリシス曲線(図4)あるいは、完全に
大バルクハウゼン効果が消失したヒステリシス曲線(図
5)等〕が観察された。また、作製した磁気マーカに5
0mmφの曲率を付与して保持しても、100サンプル
中45サンプルにおいて同様の変形したヒステリシス曲
線が観察され、安定した大バルクハウゼン特性を得るこ
とができなかった。
全てが図2に見られるような大バルクハウゼン効果特有
の角型ループを呈したが、10日経過後には、100サ
ンプル中32サンプルにおいて図4あるいは図5に見ら
れるような変形したヒステリシス曲線〔磁界Hの正側あ
るいは負側のみに大バルクハウゼン効果が発生するよう
な不安定なヒステリシス曲線(図4)あるいは、完全に
大バルクハウゼン効果が消失したヒステリシス曲線(図
5)等〕が観察された。また、作製した磁気マーカに5
0mmφの曲率を付与して保持しても、100サンプル
中45サンプルにおいて同様の変形したヒステリシス曲
線が観察され、安定した大バルクハウゼン特性を得るこ
とができなかった。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、経時的にも、さまざま
な使用状態においても、安定した大バルクハウゼン特性
を有する、小型かつ高感度の磁気マーカを得ることが可
能となる。
な使用状態においても、安定した大バルクハウゼン特性
を有する、小型かつ高感度の磁気マーカを得ることが可
能となる。
【図1】本発明の磁気マーカの構成を示す概略斜視図で
ある。
ある。
【図2】実施例1の磁気マーカにおけるヒステリシス曲
線を示す図である。
線を示す図である。
【図3】磁性細線単独の構成を有する磁気マーカにおけ
るヒステリシス曲線を示す図である。
るヒステリシス曲線を示す図である。
【図4】比較例1の磁気マーカにおける変形したヒステ
リシス曲線の一例を示す図である。
リシス曲線の一例を示す図である。
【図5】比較例1の磁気マーカにおける変形したヒステ
リシス曲線の別の例を示す図である。
リシス曲線の別の例を示す図である。
1 磁性細線 2,3 磁性薄帯 4,5 テープ基材 6,7 ラミネート側粘着層 8 物品貼着用粘着層
Claims (1)
- 【請求項1】 パルス発生用磁性細線とその両端部に密
着配置した磁性薄帯とを少なくとも2つのテープ基材で
ラミネートしてなる大バルクハウゼン反転を生じる磁気
マーカにおいて、前記磁性細線及び磁性薄帯をラミネー
トする少なくとも2つのテープ基材のそれぞれが、ラミ
ネート側に粘着層を有することを特徴とする磁気マー
カ。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28964095A JPH09134817A (ja) | 1995-11-08 | 1995-11-08 | 磁気マーカ |
CA002189827A CA2189827A1 (en) | 1995-11-08 | 1996-11-07 | Antitheft label |
BR9605499A BR9605499A (pt) | 1995-11-08 | 1996-11-08 | Etiqueta anti-roubo que gerou uma inversão de grande efeito barkhausen quando submetida a um campo magnético e mercadoria tendo uma etiqueta anti-roubo afixada na mesma que gera uma inversão de grande efeito barkhausen quando submetida a um campo magnético |
ARP960105095A AR004303A1 (es) | 1995-11-08 | 1996-11-08 | Etiqueta anti-robo |
EP96117936A EP0773523A1 (en) | 1995-11-08 | 1996-11-08 | Anti-theft label |
US08/745,919 US5921583A (en) | 1995-11-08 | 1996-11-08 | Antitheft label |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28964095A JPH09134817A (ja) | 1995-11-08 | 1995-11-08 | 磁気マーカ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09134817A true JPH09134817A (ja) | 1997-05-20 |
Family
ID=17745861
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28964095A Pending JPH09134817A (ja) | 1995-11-08 | 1995-11-08 | 磁気マーカ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09134817A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999026257A1 (fr) * | 1997-11-17 | 1999-05-27 | Unitika Ltd. | Marqueur magnetique |
JP2000011112A (ja) * | 1998-01-07 | 2000-01-14 | Unitika Ltd | 携帯端末装置 |
JP2019514130A (ja) * | 2016-04-13 | 2019-05-30 | ユニベルシダード コンプルテンセ デ マドリッド | 物体の長距離検出のためのタグ、システム、および方法 |
-
1995
- 1995-11-08 JP JP28964095A patent/JPH09134817A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999026257A1 (fr) * | 1997-11-17 | 1999-05-27 | Unitika Ltd. | Marqueur magnetique |
JP2000011112A (ja) * | 1998-01-07 | 2000-01-14 | Unitika Ltd | 携帯端末装置 |
JP2019514130A (ja) * | 2016-04-13 | 2019-05-30 | ユニベルシダード コンプルテンセ デ マドリッド | 物体の長距離検出のためのタグ、システム、および方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040420 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040427 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040622 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040720 |