JP2806743B2 - 単パルス型磁気マーカ - Google Patents

単パルス型磁気マーカ

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JP2806743B2
JP2806743B2 JP5160060A JP16006093A JP2806743B2 JP 2806743 B2 JP2806743 B2 JP 2806743B2 JP 5160060 A JP5160060 A JP 5160060A JP 16006093 A JP16006093 A JP 16006093A JP 2806743 B2 JP2806743 B2 JP 2806743B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大バルクハウゼン効果
を有する磁性細線を利用し、被検出物の存在の有無を識
別する単パルス型磁気マーカに関するものであり、特に
物品の盗難防止用ラベルに用いられる単パルス型磁気マ
ーカに関するものである。
【0002】
【従来の技術】小売店や図書館などにおいて、商品や書
籍の盗難は深刻な問題になっており、これらの物品が無
断で持ち出されることを防止する各種の監視システムが
開発されている。これらの監視システムは、物品が監視
区域を通って運び出されるとき、これらの物品にあらか
じめ付けられたマーカの検出によって、物品の通過を非
接触で検出するものである。
【0003】監視システムの中で広く用いられている磁
界式監視システムは、磁気マーカとしてソフト磁性材料
を用い、これが交流磁界中を通過する際に発生する磁界
変化を検出して盗難防止に利用するものである。一般
に、この磁界式監視システムに用いられるソフト磁性材
料としては、交流磁界に対して非常に急速に磁化反転す
る高透磁率材料あるいは大バルクハウゼン効果を有する
非晶質磁性材料が用いられている。特開昭61−153
799号公報には、大バルクハウゼン効果を有する非晶
質磁性材料を単パルス型磁気マーカとして物品に取り付
け、交流磁界中で磁性細線あるいは磁性薄帯が磁化反転
する際に発生する鋭いパルスを検出する単パルス型磁気
マーカが開示されているが、この磁気マーカは、高感度
で、かつ軽量で、しかも誤検知の少ないシステムを構成
することができるという点で優れたものとなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したごとく、大バ
ルクハウゼン効果を利用した単パルス型磁気マーカは有
用なものであるが、盗難防止用ラベルに用いられる単パ
ルス型磁気マーカには、通常1本の磁性細線が用いられ
ており、外部から印加される数百Hz以下の低周波数の交
流磁界中では、磁性細線が磁化反転する際に発生するパ
ルスの電圧が低いため、磁気マーカとしての感知距離が
狭く、パルスを検出するためのゲート間隔を広げること
ができないという問題があった。本発明は、低周波数の
交流磁界中でも高い単パルス電圧を発生させることがで
きる単パルス型磁気マーカを提供することを目的とする
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な課題を解決するために鋭意検討の結果、単パルス型磁
気マーカにおいて、複数本の磁性細線の配置を工夫する
ことにより、低周波数の交流磁界中でも高いパルス電圧
を発生させることができるという事実を見出し、本発明
に到達した。
【0006】すなわち、本発明は、大バルクハウゼン不
連続の発生磁界値がほぼ等しい複数本の磁性細線からな
る磁気マーカにおいて、マーカを構成する個々の磁性細
線が互いに磁気的な相互干渉を起こさない位置に磁性細
線を配置したことを特徴とする単パルス型磁気マーカを
要旨とするものである。
【0007】以下、図面を参照しつつ、本発明を詳細に
説明する。図1は、盗難防止用ラベルとして適用した本
発明の単パルス型磁気マーカの一例を示す一部破断斜視
図である。図1において、磁性細線1を2本平行に配置
した被検出部の上下を、ラベル2で覆い、さらに透明フ
ィルム3で全面をラミネートしている。
【0008】本発明の単パルス型磁気マーカにおいて
は、磁気マーカを構成する複数本の磁性細線1を互いに
磁気的に相互干渉を起こさない位置に配置することが必
要であり、特に、磁気的な相互干渉を起こさないため
に、磁気マーカの交流励磁磁界の周波数f[Hz]と磁気
マーカを構成する磁性細線1間の間隔d[mm]が、lnf>
-0.22d+5.35 の関係を満足するように個々の磁性細線1
を配置することが好ましい。なお、本発明においての磁
性細線1間の間隔とは、細線表面間の最短距離をいい、
磁性細線1間の間隔としては、細線表面が接触する0の
場合から30mmまでであることが好ましい。
【0009】複数本の磁性細線1を互いに磁気的に相互
干渉を起こさないような位置に配置することにより、外
部から印加される交流磁界により励磁された場合に、ほ
ぼ等しい大バルクハウゼン不連続の発生磁界(しきい
値)において、各磁性細線1が一斉に磁化反転を生じ、
そのために検出コイルに発生するパルスが鋭いパルス幅
を持った高い電圧を有する一つのパルスと見なせるもの
になる。一方、単パルス型磁気マーカを構成する複数本
の磁性細線1が、互いに磁気的に相互干渉を起こす場合
には、検出コイルに発生するパルスが波形の悪いものと
なり、パルス電圧も低いものとなる。
【0010】本発明の単パルス型磁気マーカには、磁気
ヒステリシスループにおける大バルクハウゼン不連続の
発生磁界値がほぼ等しい複数本の磁性細線を用いること
が必要であるが、大バルクハウゼン不連続の発生磁界値
が、互いに数%以内の差の磁性細線であれば、実質的に
大バルクハウゼン不連続の発生磁界値がほぼ等しいもの
として用いることが可能である。
【0011】本発明に用いられる大バルクハウゼン不連
続特性を有する磁性細線1としては、特に合金組成や結
晶質・非晶質などの原子構造には限定されないが、代表
例としては、特開昭61−153799号公報に記載さ
れているように、回転液中紡糸法で作製されたままの鉄
族基の非晶質金属細線があげられる。また、単結晶Fe-S
i 合金細線なども大バルクハウゼン不連続特性を有する
磁性細線1としてあげられる。さらには、特開昭63−
24003号公報に示されているように、回転液中紡糸
法で作製された非晶質金属細線を冷間伸線後、張力下で
熱処理することによっても、大バルクハウゼン不連続特
性を有する鉄族基の非晶質磁性細線を得ることができ
る。
【0012】本発明の単パルス型磁気マーカに用いられ
る磁性細線1として、例えば、回転液中紡糸法で作製さ
れた鉄族基の非晶質金属細線があげられるが、この非晶
質金属細線としては、Feを主成分とし、Si、B等の半金
属元素を加えた組成からなり、線径としては、80〜200
μm であることが、また、試料長としては、充分に大バ
ルクハウゼン不連続特性を起こすために、40mm以上であ
ることが好ましい。
【0013】本発明における磁気マーカには、被覆材と
してのラベル2と透明フィルム3とが用いられ、ラベル
2としては、磁気マーカの性質上、視覚的発見を考慮し
て、複数本配置された磁性細線1の上下を覆うことが好
ましい。そのラベル2としては、例えばポリエチレンテ
レフタレートフィルムやナイロンフィルムを用いること
ができ、その大きさとしては、磁性細線1を充分に覆う
ために、長さ40mm以上であることが好ましい。
【0014】さらに、被覆材としての透明フィルム3
は、湿度の高い環境下でも使用できるようにするために
用いられるものであって、その透明フィルム3として、
例えば融着性を有したポリエステルフィルムを用いて全
面をラミネートすることにより、鉄族基を主成分とする
非晶質金属細線の酸化による磁気劣化を防止することが
できる。
【0015】このように、本発明の単パルス型磁気マー
カは、上記の2本の磁性細線1が例えば線間隔2mmで平
行に配置され、この磁気マーカについて、周波数136Hz
以上、振幅0.1 エルステッド以上の交流磁界で励磁する
ことにより、検出コイルに、一本の磁性細線から構成さ
れる磁気マーカを用いた場合よりも高い電圧の単一パル
スを誘起することができる。例えば、図2は、振幅0.1
エルステッド以上、周波数136 Hz以上の交流励磁磁界に
対して、2本の磁性細線を線間隔2mmで平行に配置した
本発明の単パルス型磁気マーカの検出コイルに発生する
パルス出力の電圧波形図であり、図3は、1本の磁性細
線からなる従来の単パルス型磁気マーカの検出コイルに
発生するパルス出力の電圧波形図である。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例によって具
体的に説明する。 実施例1〜4、比較例1〜6 組成がFe77.5Si7.5B15(原子%)で、線径125 μm 、試
料長89mmである非晶質磁性細線(磁歪定数λs=30×10
-6)を1本もしくは平行に2本配置した単パルス型磁気
マーカについて、商用周波数50Hzと周波数200Hz の交流
磁界(振幅1エルステッド)で励磁し、直径15mm、長さ
35mmおよび巻き数590 の検出コイルを用いて、発生する
パルスを測定した。その結果を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】表1より、実施例1〜4の、非晶質磁性細
線2本を平行に配置した磁気マーカにおいては、細線間
の磁気的相互干渉がなく、磁気マーカ周囲の磁束変化検
出用コイルに検出されるパルスは、非常にパルス幅の狭
いもので、かつ著しい高調波成分を有するものであり、
発生するパルス電圧は、同一励磁周波数における非晶質
磁性細線1本を用いた場合の比較例1、5とそれぞれ比
較して、約60%高いものが得られた。これに対して、
比較例2〜4と6の磁気マーカは、細線間の磁気的相互
干渉が無視できず、検出コイルから検出されるパルスは
波形が分離したものか、波形が崩れたものであり、発生
パルス電圧も実施例1〜4に比較して低いものであっ
た。
【0019】実施例5〜6、比較例7〜12 実施例1と同様の非晶質磁性細線を1本もしくは間隔0
mmで平行に2本配置した単パルス型磁気マーカについ
て、種々の周波数の交流磁界(振幅1エルステッド)で
励磁し、直径15mm、長さ35mmおよび巻き数590 の検出コ
イルを用いて、発生するパルスを測定した。その結果を
表2に示す。
【0020】
【表2】
【0021】表2より、実施例5、6の、非晶質磁性細
線2本を平行に配置した磁気マーカについては、細線間
の磁気的相互干渉がなく、磁気マーカ周囲の磁束変化検
出用コイルに検出されるパルスは、非常にパルス幅の狭
いもので、かつ著しい高調波成分を有するものであり、
発生するパルス電圧も同一励磁周波数における非晶質磁
性細線1本の場合の比較例11、12とそれぞれ比較し
て、約60%高いものが得られた。これに対し、比較例
7〜10の磁気マーカは、細線間の磁気的相互干渉が無
視できず、検出されるパルスは波形が分離したものか、
波形の崩れたものであり、発生パルス電圧も実施例5〜
6に比較して低いものであった。
【0022】実施例7〜9、比較例13〜18 実施例1と同様の非晶質磁性細線を1本もしくは間隔2
mmで平行に2本配置した単パルス型磁気マーカについ
て、種々の周波数の交流磁界(振幅1エルステッド)で
励磁し、直径15mm、長さ35mmおよび巻き数590 の検出コ
イルを用いて、発生するパルスを測定した。その結果を
表3に示す。
【0023】
【表3】
【0024】表3より、実施例7〜10の非晶質磁性細
線2本を平行に用いた磁気マーカについては、細線間の
磁気的相互干渉がなく、磁気マーカ周囲の磁束変化検出
用コイルに検出されるパルスは、非常にパルス幅の狭い
もので、かつ著しい高調波成分を有するものであり、発
生するパルス電圧も同一励磁周波数における非晶質磁性
細線1本の場合の比較例15〜18とそれぞれ比較し
て、約60%高いものが得られた。これに対し、比較例
13および14の磁気マーカは、細線間の磁気的相互干
渉が無視できず、検出されるパルスは波形が分離したも
のか、波形の崩れたものであり、発生パルス電圧も実施
例7〜10に比較して低いものであった。
【0025】
【発明の効果】本発明の単パルス型磁気マーカは、数百
Hz以下の低周波数の交流磁界中でもパルス電圧の高い鋭
いパルスを発生させることができる。また、本発明の単
パルス型磁気マーカは、従来の1本の磁性細線を用いた
単パルス型磁気マーカに比べて、発生するパルス電圧が
高く、磁気マーカの感知距離が広いため、パルスを検出
するためのゲート間隔が広い場合にも、十分有用な磁気
マーカとして被検出物の有無を精度良く検出できるの
で、信頼性の高いことが要求される盗難防止用ラベルに
適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】盗難防止用ラベルとして適用した本発明の単パ
ルス型磁気マーカの一例を示す一部破断斜視図である。
【図2】本発明の単パルス型磁気マーカの検出コイルに
発生するパルス出力の電圧波形図である。
【図3】従来の単パルス型磁気マーカの検出コイルに発
生するパルス出力の電圧波形図である。
【符号の説明】
1 磁性細線 2 ラベル 3 透明フィルム

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大バルクハウゼン不連続の発生磁界値が
    ほぼ等しい複数本の磁性細線からなる磁気マーカにおい
    て、マーカを構成する個々の磁性細線が互いに磁気的な
    相互干渉を起こさない位置に磁性細線を配置したことを
    特徴とする単パルス型磁気マーカ。
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