JP2000011112A - 携帯端末装置 - Google Patents
携帯端末装置Info
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Abstract
の持つ磁気特性の劣化がなく、信頼性が高く安価な携帯
端末装置を提供する。 【解決手段】 携帯端末装置(ICカード)11は、集
積回路からなる回路素子12と通信用のアンテナ素子1
3とが支持基材14の上に配置されている。携帯端末装
置11は、磁気素子15を内蔵しており、磁気素子15
はフィルム16により予めラミネートされている。磁気
素子15には外部から交番磁界が印加されると急峻な磁
化反転を示す軟磁性材料が含まれている。携帯端末装置
11に対して外部から所定の大きさの交番磁界が問いか
け信号として入力され、外部磁界強度が予め設定された
レベルに達すると、磁気素子15に含まれる軟磁性体
は、急峻な磁化反転を示して外部に磁気パルスをセキュ
リティ信号として放射する。
Description
有する携帯端末装置に関し、特に、外部から交番磁界が
印加されると急峻な磁化反転をして固有の信号を出力す
る磁気素子を有する携帯端末装置に関する。
て、マイクロコンピュータ、メモリ等の集積回路を内蔵
した、いわゆるICカードが様々な分野で利用されつつ
ある。その応用範囲は、交通、金融、医療、サービスな
ど多岐の分野にわたり、これらの分野において、例えば
クレジットカード、定期券、保険証、社員証などに利用
されている。
ータの送受を遠隔で可能にした非接触ICカードが開発
され、極めて利便性の高いものとして期待されている。
これらの非接触ICカードは、ICカードにさらにデー
タ通信用のアンテナを内蔵したものであり、リモートセ
ンシングが可能なものである。
ブの管理タグなどで利用されるデータキャリアや、人の
入出管理、家畜の管理、製造や販売における仕分けなど
に利用されるIDタグやトランスポンダが、カード形状
ではないが同様の機能を有するものとして利用されてい
る。
およびそのシステムが広く利用されるに伴って、不正使
用が大きな問題となり、如何にしてセキュリティを確保
するかが課題になっている。例えばICカードでは、従
来、信号を暗号化処理する、いわゆるソフト的な方法が
セキュリティ対策として施されていた。しかし、暗号化
処理のプログラムの内容が暴かれてICカードが不正使
用されるという問題があった。また、このような不正使
用が発生したときに、ICカードを含む上記のようなシ
ステムの運用者側でこのような不正使用に対抗する新し
いプログラムを開発しても、不正使用者はさらにその内
容を解読してしまう、というようにシステムの運用者側
と不正使用者側との間にプログラムの解読を巡る攻防が
繰り返されることになり、システムのセキュリティを確
保するためのコストが高くなるという問題があった。
て、本発明者らは特願平9−238607号などで、ハ
ード面からセキュリティ対策する方法を提案した。すな
わち、一般には入手不可能で、模倣することが困難な信
号を発する磁気素子をICカードなどの携帯端末装置に
組み込み、携帯端末装置を使用する際にその携帯端末装
置に交番磁界を印加することで問い合わせをし、携帯端
末装置に組み込まれた磁気素子が急峻な磁化反転により
発した固有の信号を検知することでセキュリティを確認
する方法である。
携帯端末装置に付加することが必要である。そのために
は、携帯端末装置の基体の外面に磁気素子を貼り付ける
ことも不可能ではないが、安全を考えると磁気素子が携
帯端末装置の内部に挿入された構造の方が好ましい。し
かし、軟磁性体は一般に、応力状態に非常に敏感で、特
性が変化しやすい性質がある。これは、その材料が本質
的に有する磁歪などが主な要因である。携帯端末装置が
比較的大きく、その内部空間にも余裕がある場合には、
できるだけ素子に応力をかけないような配置をして、ま
た加工時もそのように注意しながら慎重に組み立てるこ
とも可能である。
カードの作製はホットプレスに代表されるような簡易な
方法が採用されており、またカードの使用時には折曲げ
などの粗い使われ方も想定されることから、磁気素子に
応力が加わることは回避できない。例えば、本発明者ら
は、セキュリティ用の磁気素子として大バルクハウゼン
反転を示すアモルファスワイヤを、2枚のポリエチレン
テレフタレート樹脂のシートの間に挟んで、ポリエステ
ル系の接着剤を使って温間加圧下で成形加工したとこ
ろ、アモルファスワイヤの磁気特性が劣化し、大バルク
ハウゼン反転を発生しなくなるという問題が頻発するこ
とが分かった。
カード内部に挿入する加工を施すと、磁気素子が劣化し
て使用不能になることが多く、このような加工は非常に
困難なことであった。また、磁気素子をカード内部に挿
入した状態で、カードを折り曲げると、磁気素子の特性
が劣化する場合があり、使用にも制限があった。
レスによる磁気素子の持つ磁気特性の劣化がなく、信頼
性が高く安価な携帯端末装置を提供することにある。
えて、製造や使用の際に高い温度に晒されても磁気素子
の持つ磁気特性の劣化がない安定した性能を有する携帯
端末装置を提供することにある。
成するため、請求項1に係る発明は、データを蓄積し、
および/または、演算処理する集積回路手段と、外部端
末装置との間でデータを送受するためのデータ送受手段
とを備えてなる携帯端末装置において、外部から交番磁
界が印加されると急峻な磁化反転をして固有の信号をセ
キュリティ信号として出力する磁気素子を含み、該磁気
素子がフィルムにラミネートされて、その内部に保持さ
れていることを特徴とする。
に記載の携帯端末装置において、上記磁気素子全体が、
フィルムに包含された状態でラミネートされていること
を特徴とする。
1または2に記載の携帯端末装置において、上記フィル
ムの厚みが3μm以上150μm以下であることを特徴
とする。
項1から3のいずれか一に記載の携帯端末装置におい
て、上記磁気素子が二液硬化型溶剤タイプのアクリル酸
エステル系樹脂を主成分とする粘着剤が塗布されたフィ
ルムにラミネートされていることを特徴とする。
らなる集積回路を含み、あるいはさらにアンテナを内蔵
した小型の携帯端末装置であり、いわゆる接触型ICカ
ードや非接触ICカード、RFトランスポンダ、IDタ
グなどがこれに相当する。ICの性能やメモリ容量など
は、応用目的に応じて適宜選択される。金銭処理のよう
な高度で複雑なシステムの場合は、高度な演算処理能力
を有するCPUと比較的大容量のメモリを有する集積回
路が用いられる。一方、識別目的などではより簡単なC
PUと容量が少ないメモリを有する集積回路を用いるこ
とができる。
されると急峻な磁化反転を示す軟磁性材料を含んでい
る。このような軟磁性材料としては、例えば特公平3−
27958号公報や特開平4−218905号公報に開
示されているような、いわゆる大バルクハウゼン反転材
料を用いることができる。これらの材料は、Fe基やC
o基の非晶質あるいは結晶質の合金であり、細線、薄
帯、あるいは薄膜の形態を使用している。
で磁化が極めて安定になるような磁区構造を有してお
り、印加磁界強度がある臨界値に達すると材料の全体あ
るいは一部で一斉に磁化が反転する。磁区構造の安定の
度合いにより厳密に大バルクハウゼン反転というべきか
どうかの判定をすることができるが、本発明では、厳密
には大バルクハウゼン反転といい得なくとも、類似した
磁気特性を備え、急峻な磁化の反転を示す材料であれば
使用することができる。また、上記磁気素子として、特
公平3−55873号公報や特公平3−58072号公
報に開示された物品監視マーカに用いられる材料もま
た、使用することができる。これらの材料は、Co基あ
るいはNi基の非晶質合金、パーマロイやセンダスト、
bcc−Feやfcc−Coの微細な結晶からなる合金
などの低磁歪軟磁性金属からなり、保磁力が低いため非
常に小さな磁界で急激な磁化変化を示す。
装置に、外部から交番磁界を印加すると、磁気素子の含
む軟磁性材料が、予め設定された磁界強度で急峻な磁化
反転を示し周囲に磁界を放射する。軟磁性材料の磁化変
化は急激なために、放射される磁界はパルス的なもので
あり、この磁気パルスを信号として検知することによ
り、セキュリティ機能を得ている。
細線の場合、線径10μmから50μmのものが好適で
あり、さらには20μmから40μmがより好適な結果
を得ることができる。薄帯であれば、厚さ5μmから5
0μmが好適であり、さらに15μmから30μmのも
のがより好適な結果を得ることができる。さらに、薄膜
の場合は、厚さが0.1μmから10μmが好適であ
り、0.5μmから5μmであればより好適な結果を得
ることができる。磁気素子の長さについては10mm以
上で、携帯端末装置に使用される場合は、その長さ以下
のものであればいくらでもよい。
生する磁気パルス信号の発生の有無を調べてセキュリテ
ィ信号とする場合には、磁気素子の数は1つでもよい。
一方、例えば携帯端末装置の種類や状態などを識別した
い場合には、複数の種類の信号が要求される。このよう
な識別は、上記磁気素子の数を複数にすることで実現で
きる。
転を示す磁界強度は、例えば特公平3−27958号公
報に開示されたFe系非晶質金属細線では大バルクハウ
ゼン反転臨界磁界に相当し、特公平3−55873号公
報に開示されたパーマロイ薄帯ではほぼ保磁力に相当す
る。従って、大バルクハウゼン反転臨界磁界あるいは保
磁力の異なる軟磁性材料を含む磁気素子を複数個携帯端
末装置に内蔵すれば、外部から周期的な交番磁界を印加
したとき、外部磁界がそれぞれの大バルクハウゼン反転
臨界磁界あるいは保磁力に達する度に、それぞれの磁気
素子が磁気パルスを発生するので、内蔵した磁気素子の
個数や種類に応じた情報を送信することができる。
は、例えばポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂および塩化ビ
ニール樹脂等を用いることができる。磁気素子をラミネ
ートするフィルムの大きさは磁気素子単体全てを覆うの
に充分な大きさ以上であって携帯端末装置の大きさ以下
であればいくらでもよい。従って上記したように磁気素
子を複数個使用する場合、全ての磁気素子を一対のフィ
ルムで覆う大きさであっても、それぞれを個別に覆う大
きさであってもよい。フィルムの厚さは3μm以上15
0μm以下のものを用いることができるが、携帯端末、
例えばカードの厚さが予め決定されている場合はその寸
法も考慮に入れて選択されるべきであり、一般的には5
μmから30μmが望ましい。
着剤が塗布してあるフィルムを磁気素子を挟むように張
り合わせる方法や、予め磁気素子を挟んだ状態のフィル
ムに熱を加えて接着させる方法を用いることができる。
磁気素子をラミネートするフィルムに粘着処理しておけ
ば、細線や薄帯形状の連続した軟磁性体および磁気素子
をフィルムに内装する際に、軟磁性体および/または磁
気素子の位置が固定できるため、加工が非常に容易にな
る利点がある。このように粘着処理されたフィルムによ
ってラミネートされた磁気素子が、携帯端末装置の内部
に装填される。
ードの生産に熱プレス法が使用されることが多い。この
ような場合では、粘着剤を含むフィルムでラミネートさ
れた磁気素子が、ICカードの材料とともに熱プレス装
置に供給され、加熱圧縮される。しかし粘着剤によって
は、この際にフィルム内部で流動化して磁気素子の位置
をずらしたり、不要な応力を加えたりして、磁気素子の
性能を顕著に劣化させることがある。
素子が、その後の成形過程あるいは使用時などで加熱さ
れる可能性がある場合は、粘着剤として二液硬化型溶剤
タイプのアクリル酸エステル系樹脂を主成分として含む
ものを用いれば、極めて有効であることが見いだされ
た。
理する目的は、磁気素子を固定して保持することにある
ため、室温において適度な粘着力があり、また、磁気素
子に加えられた不要な応力を緩衝する適度な柔らかさが
必要であるが、例えばアクリル樹脂を主成分とすること
でこれらの性能は満たされる。さらに二液硬化型溶剤タ
イプのアクリル酸エステル系樹脂を主成分とする粘着剤
は、例えばエマルジョンタイプのアクリル樹脂を主成分
とする他の粘着剤に比べて、100〜150℃での耐熱
性があるため、カード加工時の熱プレスでもほとんど流
動しない。従って、磁気素子を内蔵したICカードを熱
プレス装置で成形することができ、また高温環境に晒さ
れるような用途にでも使用することができる。
発明の実施形態を説明する。
置の実施形態を図1に示す。該携帯端末装置はICカー
ドであり、該ICカード11は、集積回路からなる回路
素子12と通信用のアンテナ素子13とを備え、これら
回路素子12とアンテナ素子13とは支持基材14の上
に配置されている。該支持基材14とその下側に配置さ
れた図示しないいま一つの支持基材との間には、上記回
路素子12を機能させるのに必要な回路が収容されてい
る。上記アンテナ素子13は10ターンのスパイラルル
ープアンテナである。
内蔵しており、磁気素子15はフィルム16により予め
ラミネートされている。上記該磁気素子15には外部か
ら交番磁界が印加されると急峻な磁化反転を示す軟磁性
材料が含まれている。ICカード11に対して外部から
所定の大きさの交番磁界が問いかけ信号として入力され
ると、磁気素子15に含まれる軟磁性体は、外部磁界強
度が予め設定されたレベルに達すると急峻な磁化反転を
示して外部に磁気パルスを放射する。この磁気パルスが
セキュリティ信号として捉えられる。
3の上に配置されているが、その場所は携帯端末装置1
1のどこであってもよく、またフィルム16の大きさは
磁気素子15全体を覆える大きさであれば、どのような
大きさであってもよい。上記フィルム16としては、ポ
リエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポ
リエチレンナフタレート樹脂、塩化ビニール樹脂などを
使用することができる。上記フィルム16は、厚みが3
μmないし150μmのものを使用することができる。
置の第2実施形態を図2に示す。このICカード11A
は図1のICカード11において、磁気素子15に代え
て、3つの磁気素子15A,15B,15Cを用いたも
のである。これらの磁気素子15A,15B,15C
は、それぞれ異なる磁界強度レベルで磁気パルス信号を
放射するものであり、具体的にはそれぞれの磁気素子1
5A,15B,15Cは、磁化反転磁界が異なる軟磁性
体を含んでいる。このように、複数の磁気素子15A,
15B,15Cを使用することで、各携帯端末装置に識
別性を付与することが可能となる。図2では3つの磁気
素子15A,15B,15Cを利用した例を示したが、
その数は特に限定するものではなく、またその設置場所
も必ずしも図2のように同じ場所に配置しなくてもよ
い。
するフィルム16の大きさは複数の磁気素子15A〜1
5C全てをラミネートできる大きさのものであってもよ
く、磁気素子を個別にラミネートする大きさのものであ
ってもよい。
子長が短くなるにつれて応力などの影響によって磁気特
性が劣化しやすい傾向がある。本発明のラミネート技術
はそのような場合にも有効であるが、素子全体がフィル
ムで内包された状態でラミネートした場合に特に効果が
ある。すなわち、図3のように、フィルム16の断端と
磁気素子15の断端が同一位置にある配置では、磁気素
子の長さが極めて短い場合には、非常に小さな応力でも
敏感に影響されるため、効果が十分でないことがある。
特に、磁化反転の臨界磁界が大きな素子でこの傾向が強
い。
5全体がフィルム16に内包された状態でラミネートす
ると、応力の影響を回避する効果が十分に作用し、良好
な性能を維持することができる。フィルム断端と磁気素
子の断端の最短距離は、特に制限するものではないが、
0.5mm以上あれば効果があり、2mm以上が特に好
適である。
内包してラミネートすると、素子長が短くても良好な性
能が維持できるため、特に小型素子に適している。
し図4により説明した第1実施形態もしくは第2実施形
態の携帯端末装置11もしくは11Aにおいて、図5に
示すように、フィルム16に、二液硬化型溶剤タイプの
アクリル酸エステル系樹脂を主成分とする粘着剤17を
塗布し、磁気素子15を粘着剤17によって固定すると
ともに保持するようにしたものである。
タイプのアクリル酸エステル系樹脂を主成分とするもの
を使用することによって、100℃以上の高温でも磁気
素子15は安定して固定および保持されるので、性能が
劣化することがない。なお、図5は、片面粘着加工され
たフィルム2枚を、粘着面を向かい合わせて貼り合わせ
た構成を示しているが、本発明はこの構成に限定される
ものではなく、粘着剤17は1層でもよく、フィルム1
6の両面に塗布して3層以上となっていてもよい。ま
た、フィルム16も目的に応じて3層以上に多層化して
もよい。
具体的に説明する。本発明に係る携帯端末装置11,1
1Aはセキュリティ機能を司る磁気素子15や磁気素子
15A,15B,15Cを内蔵したものであり、カード
状、チップ状、あるいはその他の形態が可能であり、ま
たその作製方法もそれに伴って多数考えられるため、後
述の例に限定されるものではない。以下に示す実施例
は、あくまで本発明の理解を深めるために示したもので
あり、本発明の携帯端末装置の実施形態の1つである非
接触ICカードを想定している。すなわち、磁気素子が
フィルムにラミネートされた状態でプラスチック基体の
中に内蔵された実施例について以下に説明する。
アクリル樹脂からなる粘着剤(タック化成(株)社製)
が片面に塗布された縦85mm、横55mm、厚さ25
μm、粘着剤の厚み20μmのポリエチレンテレフタレ
ート(PET)フィルム2枚でラミネートし、固定され
た線径30μmφ、長さ15mmのCo39Fe39Si7
B15(原子%)非晶質金属細線を、さらにPETフィル
ムと同じ大きさの厚さ約450μmのPET樹脂2枚で
挟み、その状態で温度135℃、圧力20kg/cm2
の条件で約30分間ホットプレスを行い、カード状の試
料を得た。
ターンの励磁コイルおよび長さ150mm、巻数567
ターンの検出コイル中央に挿入した。励磁コイルには、
ヒューレットパッカード社製HP−3324Aシンセサ
イズド・ファンクション・スウィープ・ジェネレータか
ら交流電流を供給し、60Hz、4エルステッド(O
e)の三角波磁界を発生させた。検出コイルには、ヒュ
ーレットパッカード社製HP−54110デジタイジン
グ・オシロスコープを接続し、試料の磁化反転により検
出コイルに誘導される電圧波形を測定した。
の波形を示している。非晶質金属細線の磁化反転は極め
て急峻であるため、半値幅の小さな鋭いパルス波形が観
測され、この波形の有無によってカードの正当性の確認
などのセキュリティ機能を得ることができた。この磁気
パルス信号の同定は、波形の照合の他、周波数分布の解
析、特定の高調波成分の測定などによっても行うことが
できた。この試料に曲率30パーセントとなるように曲
げ応力を印加して、同じ測定を行った場合でも、上記電
圧パルス波形を観測することができ、応力印加に対して
の耐性は良好であった。
いて、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム
の厚みを、5μm、9μm、50μmとして厚み20μ
mの粘着剤を塗布したものにそれぞれ置き換えた試料を
作製した。これらの試料について、実施例1と同様の方
法で、磁気素子の磁化反転による電圧パルス波形を観測
したところ、カード製造時の加工によっても性能の劣化
は認められず、曲げ応力を印加しても耐性は良好であっ
た。
気素子をフィルムにラミネートしないカード状の試料を
作製し、カード内の磁気素子の磁化反転による電圧パル
ス波形を観測したところ、図7に示すように、図6に見
られたような電圧パルス波形を検出することができず、
セキュリティ機能を有するカードを得ることはできなか
った。
て、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの
厚みを2μmとして、粘着剤を塗布しないで磁気素子を
ラミネートした試料を作製した。この試料について、実
施例1と同様の方法で、磁気素子の磁化反転による電圧
パルス波形を観測したところ、カード製造時の加工によ
っても性能の劣化は認められなかったが、曲率30パー
セントとなるように曲げ応力を印加すると、上記電圧パ
ルス波形は一部消失することがあり、曲げ応力の印加に
よる耐性劣化が認められた。
いて、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム
の厚みを200μmとし、20μmの厚みに粘着剤を塗
布して磁気素子をラミネートした試料を作製した。この
試料について、実施例1と同様の方法で、磁気素子の磁
化反転による電圧パルス波形を観測したところ、カード
製造時の加工によって上記電圧パルス波形が一部消失す
ることがあった。また、曲率30パーセントとなるよう
に曲げ応力を印加すると、上記電圧パルス波形の発生す
る磁界強度にばらつきが認められ、曲げ応力の印加によ
る耐性劣化が認められた。
リル酸エステル系樹脂を主成分とする粘着剤(王子タッ
ク販売(株)社製)が片面に塗布された縦85mm、横
55mm、厚さ25μm、粘着剤の厚み20μmのポリ
エチレンテレフタレート(PET)フィルム2枚でラミ
ネートし、固定された線径30μmφ、長さ15mmの
Co39Fe39Si7B15(原子%)非晶質金属細線を、
さらにPETフィルムと同じ大きさの厚さ約450μm
のPET樹脂2枚で挟み、その状態で温度135℃、圧
力20kg/cm2の条件で約30分間ホットプレスを
行い、カード状の試料を得た。この試料を、実施例1と
同じ方法で、試料の磁化反転により検出コイルに誘導さ
れる電圧波形を測定した。
質金属細線を、カードに加工しないそのままの状態で測
定した際の、磁化反転の臨界磁界と測定されたパルス電
圧の強度を示している。
さらに熱プレスによってPETカード内部に装填した試
料の磁気特性を示している。臨界磁界の大きさに関わら
ず、プレス加工後にも性能の変化は小さかった。
イプの一液性アクリル樹脂を主成分とする粘着剤(タッ
ク化成(株)社製)を用いたほかは、実施例5と同様に
して、磁気素子を含んでなるカード状の試料を作製し
た。表3は、熱プレスによってPETカード内部に装填
した試料の磁気特性を示している。磁気素子の磁化反転
による電圧パルス波形は消失せずにすべて観測され、フ
ィルムでラミネートした効果が認められた。一方、パル
ス信号の電圧強度は、実施例5と比較すると、特に臨界
磁界の大きな細線の発するパルス信号の強度が低下し
た。加工後の試料における磁気素子の状態を観察したと
ころ、実施例5と比較すると、磁気素子の位置および形
状に変化があった。
交番磁界を印加すると、ある磁界強度で急峻な磁化反転
を示して周囲に磁気パルスを放射する磁気素子を、予め
フィルムにてラミネートしておくことで、磁気素子の持
つ磁気特性を劣化させることなく、この磁気パルスを得
ることができ、これをセキュリティ信号として検知する
ことにより、携帯端末装置の偽造や変造を検知すること
ができ、偽造や変造が困難で高い安全性を有する低コス
トの小型無線端末を得ることができる。
とで、多様なセキュリティ信号を発生させることがで
き、偽造や変造がより困難で信頼性の高い小型無線端末
を得ることができる。
上の高い温度になるような場合でも、磁気素子の性能が
劣化しないため、非常に幅広い用途に適用することがで
きる。
構成を示す説明図である。
構成を示す説明図である。
ルムの構成を示す説明図である。
ルムの別の構成を示す説明図である。
おける磁気素子とフィルムの構成を示す説明図である。
た電圧パルス波形の測定波形図である。
ある。
Claims (4)
- 【請求項1】 データを蓄積し、および/または、演算
処理する集積回路手段と、外部端末装置との間でデータ
を送受するためのデータ送受手段とを備えてなる携帯端
末装置において、 外部から交番磁界が印加されると急峻な磁化反転をして
固有の信号をセキュリティ信号として出力する磁気素子
を含み、該磁気素子がフィルムにラミネートされて、そ
の内部に保持されていることを特徴とする携帯端末装
置。 - 【請求項2】 上記磁気素子全体が、フィルムに包含さ
れた状態でラミネートされていることを特徴とする請求
項1に記載の携帯端末装置。 - 【請求項3】 上記フィルムの厚みが3μm以上150
μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記
載の携帯端末装置。 - 【請求項4】 上記磁気素子が二液硬化型溶剤タイプの
アクリル酸エステル系樹脂を主成分とする粘着剤が塗布
されたフィルムにラミネートされていることを特徴とす
る請求項1から3のいずれか一に記載の携帯端末装置。
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JP (1) | JP4099279B2 (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0676130A (ja) * | 1992-08-27 | 1994-03-18 | Dainippon Ink & Chem Inc | 情報記録媒体及びその真偽判定システム |
JPH09134817A (ja) * | 1995-11-08 | 1997-05-20 | Unitika Ltd | 磁気マーカ |
-
1998
- 1998-12-14 JP JP35417998A patent/JP4099279B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH0676130A (ja) * | 1992-08-27 | 1994-03-18 | Dainippon Ink & Chem Inc | 情報記録媒体及びその真偽判定システム |
JPH09134817A (ja) * | 1995-11-08 | 1997-05-20 | Unitika Ltd | 磁気マーカ |
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JP4099279B2 (ja) | 2008-06-11 |
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