JPH08302304A - 耐可塑剤用両面粘着テープ - Google Patents

耐可塑剤用両面粘着テープ

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JPH08302304A
JPH08302304A JP7115629A JP11562995A JPH08302304A JP H08302304 A JPH08302304 A JP H08302304A JP 7115629 A JP7115629 A JP 7115629A JP 11562995 A JP11562995 A JP 11562995A JP H08302304 A JPH08302304 A JP H08302304A
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JP
Japan
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sensitive adhesive
pressure
weight
parts
plasticizer
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Application number
JP7115629A
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English (en)
Inventor
Taihei Sugita
大平 杉田
Kenichi Azuma
賢一 東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塩化ビニル材料に対して、高い初期接着力と
長期の接着安定性とを有する耐可塑剤用両面粘着テープ
を提供する。 【構成】 アクリルシートの両面に粘着剤層を積層して
なる耐可塑剤用両面粘着テープであって、前記アクリル
シートが、引張弾性率1〜15kgf/cm2 であり、
前記粘着剤層が、表面自由エネルギーの極性成分2〜1
2dyn/cmである耐可塑剤用両面粘着テープ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐可塑剤用両面粘着テ
ープに関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル系粘着剤は、耐熱性、耐候性等
に優れた特性を活かして、様々な材料の接着に利用され
ている。アクリル系粘着剤が広範に利用される材料とし
ては、例えば、塩化ビニル製品が挙げられる。しかし、
なかでも軟質系塩化ビニル製品は、成形加工の過程で可
塑剤が大量に使用されるので、経時により、この可塑剤
は軟質系塩化ビニル製品に接着したアクリル系粘着剤に
移行し、その結果アクリル系粘着剤に接着性の低下をも
たらす問題があった。
【0003】特開平1−178575号公報には、アク
リル系粘着剤の組成を、分子量100万以上であるもの
を10重量%以上とし、分子量10万以下であるものを
15重量%以下とすることにより粘着剤が有する凝集力
を向上させ、経時劣化を少なくした塩化ビニル用両面粘
着テープが開示されている。しかし、この塩化ビニル用
両面粘着テープは、耐可塑剤性に優れているものの、初
期接着性の面で満足のいくものではなく、テープ特性の
バランスが良いものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、塩化ビニル材料に対して、高い初期接着力と長期の
接着安定性とを有する耐可塑剤用両面粘着テープを提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、アクリ
ルシートの両面に粘着剤層を積層してなる耐可塑剤用両
面粘着テープにおいて、前記アクリルシートが、引張弾
性率1〜15kgf/cm2 であり、前記粘着剤層が、
表面自由エネルギーの極性成分2〜12dyn/cmで
あるところに存する。
【0006】本発明の耐可塑剤用両面粘着テープは、ア
クリルシートの両面に粘着剤層を積層してなるものであ
る。上記アクリルシートが、可塑剤の上記粘着剤層への
移行を制御するので、上記耐可塑剤用両面粘着テープ
は、上記アクリルシートの両面に上記粘着剤層を積層し
てなるものに限定される。
【0007】被着体に対する粘着剤層の界面接着力は、
粘着剤層の表面物性により制御することができる。表面
物性を表す値のひとつに表面自由エネルギーがある。表
面自由エネルギーは、分散力成分と極性成分とからなる
ものであり、一般に、接触媒体として水及びよう化メチ
レンを使用して算出することができる。
【0008】粘着剤の表面エネルギーは、水の接触角、
及び、よう化メチレンの接触角を測定し、オーウェンの
式及びヤングの式を組み合わせた下記式(1)及び下記
式(2)から、分散力成分と極性成分とを算出して求め
ることができる。
【0009】
【数1】
【0010】式中、θは、接触角を表す。γL は、接触
媒体の表面張力を表す。γS d は、粘着剤の表面自由エ
ネルギー(以下、「γS 」という。)の分散力成分を表
す。γL d は、接触媒体の表面張力の分散成分を表す。
γS p は、γS の極性成分を表す。γL p は、接触媒体
の表面張力の極性成分を表す。
【0011】上記式(1)及び上記式(2)から求めら
れるγS P が、被着体の表面自由エネルギーの極性成分
に近い場合に、優れた接着力が得られる。
【0012】本発明の耐可塑剤用両面粘着テープが適用
される被着体としては、可塑剤を含有する樹脂材料であ
れば特に限定されず、好ましくは、軟質系塩化ビニル樹
脂が挙げられる。
【0013】本発明で使用される粘着剤層は、表面自由
エネルギーの極性成分が2〜12dyn/cmであるも
のである。表面自由エネルギーの極性成分が2dyn/
cm未満であると、極性が低くなり、上記軟質系塩化ビ
ニル樹脂に好適に接着することができず、12dyn/
cmを超えると、極性が高くなり、上記軟質系塩化ビニ
ル樹脂に対する接着力が低下するので、上記範囲に限定
される。
【0014】上記粘着剤層としては、炭素数1〜12の
アルキル基を有するアクリル酸エステルモノマー、及
び、前記炭素数1〜12のアルキル基を有するアクリル
酸エステルモノマーと共重合可能であって極性基を有す
るモノマーを主成分とするものが好ましい。
【0015】上記炭素数1〜12のアルキル基を有する
アクリル酸エステルモノマーとしては特に限定されない
が、好ましくは、炭素数4〜12のアルキル基を有する
アクリル酸エステルである。上記炭素数4〜12のアル
キル基を有するアクリル酸エステルとしては特に限定さ
れず、例えば、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メ
タ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル
酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、
(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸ラ
ウリル等が挙げられる。これらは単独で使用されてもよ
く、2種以上が併用されてもよい。
【0016】上記炭素数1〜12のアルキル基を有する
アクリル酸エステルモノマーと共重合可能であって極性
基を有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリ
ル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、これらの無
水物等のカルボキシル基含有モノマー;(メタ)アクリ
ロニトリル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロ
ラクタム、アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリル
アミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチル
アミノプロピルアクリルアミド等の窒素含有モノマー;
2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
プロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリ
レート、カプロラクタン変成(メタ)アクリレート、ポ
リオキシプロピレン(メタ)アクリレート等の水酸基含
有モノマーが挙げられる。
【0017】上記粘着剤層の表面エネルギーの極性成分
の値を大きくする場合には、上記炭素数1〜12のアル
キル基を有するアクリル酸エステルモノマーと共重合可
能であって極性基を有するモノマーの配合量を多くすれ
ばよく、上記粘着剤層の表面エネルギーの極性成分の値
を小さくする場合には、上記炭素数1〜12のアルキル
基を有するアクリル酸エステルモノマーと共重合可能で
あって極性基を有するモノマーの配合量を少なくすれば
よい。
【0018】本発明においては、イソシアネート系架橋
剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤等を使用し
て、上記粘着剤層を架橋してもよい。本発明において
は、上記粘着剤層に粘着付与樹脂を配合してもよい。上
記粘着付与樹脂としては特に限定されず、例えば、ロジ
ン系樹脂、変成ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペ
ンフェノール系樹脂、C5系石油樹脂、C9系石油樹
脂、クマロン樹脂、これらの水添物等が挙げられる。こ
れらは単独で使用されてもよく、2種以上が併用されて
もよい。更に、分子量を調整する目的で、n−ドデカン
チオールが添加されてもよい。
【0019】被着体に含有される可塑剤の上記粘着剤層
への移行は、上記粘着剤層が積層されるアクリルシート
が有する凝集力を制御することにより制御することがで
き、上記粘着剤層が積層されるアクリルシートが有する
凝集力は、引張弾性率により制御することができる。
【0020】本発明で使用されるアクリルシートは、引
張弾性率1〜15kgf/cm2 であるものである。引
張弾性率が、1kgf/cm2 未満であると、凝集力が
小さく、可塑剤の移行が過度に進行するので、被着体に
対する接着力が著しく低下し、15kgf/cm2 を超
えると、凝集力が大きく、可塑剤の移行が効率良く進行
せず、上記粘着剤層の経時劣化が著しくなるので、上記
範囲に限定される。
【0021】上記アクリルシートが有する凝集力は、分
子量、架橋度、組成等により制御することができる。上
記アクリルシートは、例えば、アクリレート系モノマー
とカルボキシル基含有モノマーとからなるモノマー組成
物を共重合させて得ることができる。この場合、上記カ
ルボキシル基含有モノマーは、凝集力成分となる。
【0022】上記アクリレート系モノマーとしては、炭
素数1〜12のアルキル基を有するアルコールの(メ
タ)アクリル酸エステル等が挙げられ、好ましくは、炭
素数4〜12のアルキル基を有するアルコールの(メ
タ)アクリル酸エステルである。上記炭素数4〜12の
アルキル基を有するアルコールの(メタ)アクリル酸エ
ステルとしては特に限定されず、例えば、(メタ)アク
リル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキ
シル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アク
リル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル等
が挙げられる。これらは単独で使用されてもよく、2種
以上が併用されてもよい。
【0023】上記カルボキシル基含有モノマーとしては
特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイ
ン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられる。上記モノ
マー組成物を共重合する方法としては特に限定されない
が、好ましくは、紫外線照射による共重合である。紫外
線照射による共重合を行う場合には、光重合開始剤を使
用することが好ましい。
【0024】上記光重合開始剤としては特に限定され
ず、例えば、メルク社製「ダロキュア−2959」等の
4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロ
キシ−2−プロピル)ケトン;メルク社製「ダロキュア
−1173」等のα−ヒドロキシ−α,α′−ジメチル
アセトフェノン;メトキシアセトフェノン、チバガイギ
ー社製「イルガキュア651」等の2,2−ジメトキシ
−2−フェニルアセトフェノン、チバガイギー社製「イ
ルガキュア184」等の2−ヒドロキシ−2−シクロヘ
キシルアセトフェノン等のアセトフェノン系;ベンジル
ジメチルケタール等のケタール系;ハロゲン化ケトン;
アシルホスフィノキシド;アシルホスフィナート等が挙
げられる。上記光重合開始剤の添加量としては、上記モ
ノマー組成物100重量部に対して、0.01〜5重量
部が好ましい。
【0025】上記アクリルシートを形成する共重合体
は、架橋されていてもよい。上記アクリルシートを形成
する共重合体の架橋は、不飽和二重結合を分子内に2個
以上含有するモノマーを、上記モノマー組成物に添加す
ることにより可能となる。
【0026】上記不飽和二重結合を分子内に2個以上含
有するモノマーとしては特に限定されず、例えば、ヘキ
サンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレ
ングリコール(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルジ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、(メタ)アクリル酸アリル、ポリエステルアクリ
レート、ウレタンアクリレート等が挙げられる。更に、
分子量を調整する目的で、n−ドデカンチオールが添加
されてもよい。
【0027】
【作用】粘着剤層を軟質系塩化ビニル樹脂に接着した場
合、粘着剤層が経時劣化する原因としては、軟質系塩化
ビニル樹脂に含有される可塑剤が粘着剤層に移行するこ
とが挙げられる。通常の粘着テープは単層構造であるの
で、可塑剤の移行は、粘着剤層の劣化を直接引き起こす
が、本発明の耐可塑剤用両面粘着テープは、アクリルシ
ートの両面に粘着剤層を積層してなるものであるので、
軟質系塩化ビニル樹脂に含有される可塑剤は、粘着剤層
中を移行した後アクリルシートへと拡散され、粘着剤層
の経時劣化が防止できる。
【0028】本発明で使用されるアクリルシートは、引
張弾性率が1〜15kgf/cm2であるものである
で、粘着剤層に移行した可塑剤が、アクリルシートに効
率良く拡散し、粘着剤層の経時劣化を有効に防ぐことが
でき、接着安定性に優れたものとなる。
【0029】本発明で使用される粘着剤層は、表面自由
エネルギーの極性成分が2〜12dyn/cmであるも
のであるので、被着体である軟質系塩化ビニル樹脂の表
面エネルギーの極性成分に近く、初期接着力に優れたも
のとなる。
【0030】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0031】アクリルシートの作製 参考例1 2−エチルヘキシルアクリレート980重量部、アクリ
ル酸20重量部、n−ドデカンチオール0.3重量部、
2−2−ジメチル−2−フェニルアセトフェノン(イル
ガキュア651、チバガイギー社製)3.0重量部を均
一に分散するまでセパラブルフラスコ中で攪拌した後、
窒素ガスをバブリングすることにより溶在酸素を除去し
た。そして、ブラックライトランプでこの組成物に紫外
線照射したところ、組成物の温度が上昇すると同時に粘
度が上昇した。組成物の温度が5℃上昇したところで光
照射を止めた。その結果得られた部分光重合増粘組成物
の転化率は、約3%、粘度は、2200cpsであっ
た。
【0032】更に、ヘキサンジオールジアクリレート
0.2重量部を配合した後、離型処理をした38μm厚
みのポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」と
いう。)フィルム上に、重合終了後の厚みが1.0±
0.1mmとなるように塗工し、更にその塗工面を同じ
PETフィルムを離型処理面が塗工面に接するようにカ
バーした。ケミカルランプを用いてカバーPETフィル
ム上の照射強度が2mw/cm2となるようにランプの
高さを調節し8分間照射した。
【0033】参考例2 2−エチルヘキシルアクリレート950重量部、アクリ
ル酸50重量部、n−ドデカンチオール0.3重量部、
2−2−ジメチル−2−フェニルアセトフェノン(イル
ガキュア651、チバガイギー社製)3.0重量部を均
一に分散するまでセパラブルフラスコ中で攪拌した後、
窒素ガスをバブリングすることにより溶在酸素を除去し
た。そして、ブラックライトランプでこの組成物に紫外
線照射したところ、組成物の温度が上昇すると同時に粘
度が上昇した。組成物の温度が5℃上昇したところで光
照射を止めた。その結果得られた部分光重合増粘組成物
の転化率は、約3%、粘度は、2200cpsであっ
た。
【0034】更に、ヘキサンジオールジアクリレート
0.2重量部を配合した後、離型処理をした38μm厚
みのPETフィルム上に、重合終了後の厚みが1.0±
0.1mmとなるように塗工し、更にその塗工面を同じ
PETフィルムを離型処理面が塗工面に接するようにカ
バーした。ケミカルランプを用いてカバーPETフィル
ム上の照射強度が2mw/cm2となるようにランプの
高さを調節し8分間照射した。
【0035】参考例3 2−エチルヘキシルアクリレート920重量部、アクリ
ル酸80重量部、n−ドデカンチオール0.3重量部、
2−2−ジメチル−2−フェニルアセトフェノン(イル
ガキュア651、チバガイギー社製)3.0重量部を均
一に分散するまでセパラブルフラスコ中で攪拌した後、
窒素ガスをバブリングすることにより溶在酸素を除去し
た。そして、ブラックライトランプでこの組成物に紫外
線照射したところ、組成物の温度が上昇すると同時に粘
度が上昇した。組成物の温度が5℃上昇したところで光
照射を止めた。その結果得られた部分光重合増粘組成物
の転化率は、約3%、粘度は、2200cpsであっ
た。
【0036】更に、ヘキサンジオールジアクリレート
0.2重量部を配合した後、離型処理をした38μm厚
みのPETフィルム上に、重合終了後の厚みが1.0±
0.1mmとなるように塗工し、更にその塗工面を同じ
PETフィルムを離型処理面が塗工面に接するようにカ
バーした。ケミカルランプを用いてカバーPETフィル
ム上の照射強度が2mw/cm2となるようにランプの
高さを調節し8分間照射した。
【0037】参考例4 2−エチルヘキシルアクリレート880重量部、アクリ
ル酸120重量部、n−ドデカンチオール0.3重量
部、2−2−ジメチル−2−フェニルアセトフェノン
(イルガキュア651、チバガイギー社製)3.0重量
部を均一に分散するまでセパラブルフラスコ中で攪拌し
た後、窒素ガスをバブリングすることにより溶在酸素を
除去した。そして、ブラックライトランプでこの組成物
に紫外線照射したところ、組成物の温度が上昇すると同
時に粘度が上昇した。組成物の温度が5℃上昇したとこ
ろで光照射を止めた。その結果得られた部分光重合増粘
組成物の転化率は、約3%、粘度は、2200cpsで
あった。
【0038】更に、ヘキサンジオールジアクリレート
0.2重量部を配合した後、離型処理をした38μm厚
みのPETフィルム上に、重合終了後の厚みが1.0±
0.1mmとなるように塗工し、更にその塗工面を同じ
PETフィルムを離型処理面が塗工面に接するようにカ
バーした。ケミカルランプを用いてカバーPETフィル
ム上の照射強度が2mw/cm2となるようにランプの
高さを調節し8分間照射した。
【0039】参考例5 2−エチルヘキシルアクリレート850重量部、アクリ
ル酸150重量部、n−ドデカンチオール0.3重量
部、2−2−ジメチル−2−フェニルアセトフェノン
(イルガキュア651、チバガイギー社製)3.0重量
部を均一に分散するまでセパラブルフラスコ中で攪拌し
た後、窒素ガスをバブリングすることにより溶在酸素を
除去した。そして、ブラックライトランプでこの組成物
に紫外線照射したところ、組成物の温度が上昇すると同
時に粘度が上昇した。組成物の温度が5℃上昇したとこ
ろで光照射を止めた。その結果得られた部分光重合増粘
組成物の転化率は、約3%、粘度は、2200cpsで
あった。
【0040】更に、ヘキサンジオールジアクリレート
0.2重量部を配合した後、離型処理をした38μm厚
みのPETフィルム上に、重合終了後の厚みが1.0±
0.1mmとなるように塗工し、更にその塗工面を同じ
PETフィルムを離型処理面が塗工面に接するようにカ
バーした。ケミカルランプを用いてカバーPETフィル
ム上の照射強度が2mw/cm2となるようにランプの
高さを調節し8分間照射した。
【0041】粘着剤層の作製 参考例A 冷却管、温度計、攪拌器を備えたセパラブルフラスコに
ブチルアクリレート780重量部、エチルアクリレート
200重量部、ビニルピロリドン20重量部、アクリル
酸10重量部、n−ドデカンチオール0.3重量部を酢
酸エチル900重量部とともに仕込み、窒素ガス雰囲気
下、還流するまで昇温し、20分保持した後、ベンジル
ペルオキサイド1.0重量部を酢酸エチル30重量部に
溶解した溶液を滴下し、4時間反応した。この後、更
に、ベンジルペルオキサイド1.0重量部を酢酸エチル
30重量部に溶解した溶液を滴下し、3時間反応させ
た。ついで、トルエン500重量部を攪拌混合して、粘
度8000cpsの溶剤型粘着剤を得た。
【0042】参考例B 冷却管、温度計、攪拌器を備えたセパラブルフラスコに
ブチルアクリレート750重量部、エチルアクリレート
200重量部、ビニルピロリドン50重量部、アクリル
酸10重量部、n−ドデカンチオール0.3重量部を酢
酸エチル900重量部とともに仕込み、窒素ガス雰囲気
下、還流するまで昇温し、20分保持した後、ベンジル
ペルオキサイド1.0重量部を酢酸エチル30重量部に
溶解した溶液を滴下し、4時間反応した。この後、更
に、ベンジルペルオキサイド1.0重量部を酢酸エチル
30重量部に溶解した溶液を滴下し、3時間反応させ
た。ついで、トルエン500重量部を攪拌混合して、粘
度8000cpsの溶剤型粘着剤を得た。
【0043】参考例C 冷却管、温度計、攪拌器を備えたセパラブルフラスコに
ブチルアクリレート790重量部、2−エチルヘキシル
アクリレート180重量部、アクリル酸30重量部、n
−ドデカンオール0.3重量部を酢酸エチル900重量
部とともに仕込み、窒素ガス雰囲気下、還流するまで昇
温し、20分保持した後、ベンジルペルオキサイド1.
0重量部を酢酸エチル30重量部に溶解した溶液を滴下
し、4時間反応した。この後、更に、ベンジルペルオキ
サイド1.0重量部を酢酸エチル30重量部に溶解した
溶液を滴下し、3時間反応させた。ついで、トルエン5
00重量部を攪拌混合して、粘度8000cpsの溶剤
型粘着剤を得た。
【0044】参考例D 冷却管、温度計、攪拌器を備えたセパラブルフラスコに
ブチルアクリレート700重量部、2−エチルヘキシル
アクリレート180重量部、アクリル酸120重量部、
n−ドデカンオール0.3重量部を酢酸エチル900重
量部とともに仕込み、窒素ガス雰囲気下、還流するまで
昇温し、20分保持した後、ベンジルペルオキサイド
1.0重量部を酢酸エチル30重量部に溶解した溶液を
滴下し、4時間反応した。この後、更に、ベンジルペル
オキサイド1.0重量部を酢酸エチル30重量部に溶解
した溶液を滴下し、3時間反応させた。ついで、トルエ
ン500重量部を攪拌混合して、粘度8000cpsの
溶剤型粘着剤を得た。
【0045】参考例E 冷却管、温度計、攪拌器を備えたセパラブルフラスコに
ブチルアクリレート700重量部、2−エチルヘキシル
アクリレート120重量部、アクリル酸180重量部、
n−ドデカンオール0.3重量部を酢酸エチル900重
量部とともに仕込み、窒素ガス雰囲気下、還流するまで
昇温し、20分保持した後、ベンジルペルオキサイド
1.0重量部を酢酸エチル30重量部に溶解した溶液を
滴下し、4時間反応した。この後、更に、ベンジルペル
オキサイド1.0重量部を酢酸エチル30重量部に溶解
した溶液を滴下し、3時間反応させた。ついで、トルエ
ン500重量部を攪拌混合して、粘度8000cpsの
溶剤型粘着剤を得た。表1は、参考例1〜4の組成を示
す。表2は、参考例A〜Eの組成を示す。
【0046】表面自由エネルギーの算出 表面自由エネルギーは、粘着剤層の水及びよう化メチレ
ンによる接触角を求めることにより上記式(1)、上記
式(2)を利用して算出した。その際、水の表面張力の
γL d 、γL p は、それぞれ21.5erg/cm2
51.0erg/cm2 、よう化メチレンの表面張力の
γL d 、γL p は、それぞれ48.5erg/cm2
2.3erg/cm2 を利用して算出した。
【0047】接触角の測定 参考例A〜Eの粘着剤層を38μmのPET上に塗布乾
燥量が約30gになるように塗布し、110℃の電気乾
燥炉中で3分間乾燥し、テープを作製した。このテープ
を粘着剤層が上になるようにスライドガラスに貼り付け
接触角測定用サンプルとした。測定には、改良型滴形法
に基づく接触角測定装置を用いてガラス板状の粘着剤層
表面の水及びよう化メチレンの接触角を測定した。
【0048】図1は、液滴の接触角、液滴の高さ、及
び、接触面の直径を表した図である。図中、θは、液滴
の接触角を表す。Hは、液滴の高さを表す。Rは、接触
面の直径を表す。
【0049】接触角は、まず、液滴を大きくしていくと
きの接触角(前進接触角)を読みとったときの液滴の高
さ及びガラス板との接触面の直径から、下記式(3)又
は下記式(4)を用いて前進接触角(以下、「θa 」と
いう。)を算出し、ついで、逆に液滴を小さくしていく
ときの接触角(後退接触角)を読みとったときの液滴の
高さ及びガラス板との接触面の直径から、下記式(5)
又は下記式(6)を用いて後退接触角(以下、「θr
という。)を算出した。
【0050】
【数2】
【0051】更に、下記式(7)から接触角θを算出し
た。
【0052】
【数3】
【0053】引張弾性率の測定 アクリルシートの凝集力を表す指標として、引張弾性率
を用いた。参考例1〜5のアクリルシートを15mm幅
×100mm長さにカットし、それぞれ厚みを測定し
た。これを引張速度500mm/minで引張り試験を
行い、伸び−応力の関係を観測した。図2は、引張り試
験を表した図である。図3は、伸び−応力曲線を表した
図である。この際、初期荷重0.1〜0.3kgfでの
間の伸び−応力曲線の傾きから引張弾性率を求めた。
【0054】実施例1 参考例2のアクリルシートの両面に参考例Bで得られた
粘着剤層をラミネート機を用いて積層し、粘着テープを
得た。 実施例2 参考例3のアクリルシートの両面に参考例Cで得られた
粘着剤層をラミネート機を用いて積層し、粘着テープを
得た。 実施例3 参考例4のアクリルシートの両面に参考例Dで得られた
粘着剤層をラミネート機を用いて積層し、粘着テープを
得た。 実施例4 参考例2のアクリルシートの両面に参考例Dで得られた
粘着剤層をラミネート機を用いて積層し、粘着テープを
得た。
【0055】比較例1 参考例1のアクリルシートの両面に参考例Bで得られた
粘着剤層をラミネート機を用いて積層し、粘着テープを
得た。 比較例2 参考例5のアクリルシートの両面に参考例Bで得られた
粘着剤層をラミネート機を用いて積層し、粘着テープを
得た。 比較例3 参考例2のアクリルシートの両面に参考例Aで得られた
粘着剤層をラミネート機を用いて積層し、粘着テープを
得た。 比較例4 参考例3のアクリルシートの両面に参考例Eで得られた
粘着剤層をラミネート機を用いて積層し、粘着テープを
得た。
【0056】JIS H 4000記載のアルミ合金1
100Pの25mm幅×100mm長さ×0.05mm
厚みのパッキングアルミ箔を上記のアクリルシートに裏
打ちし、1mm厚の軟質塩化ビニルシートに貼り付けた
後、2kgローラー2往復圧着し、23℃下で72時間
放置及び60℃で1ヵ月放置後、23℃において300
mm/minの引張速度で90°剥離試験を行い剥離強
度を調べた。図4は、剥離試験を表した図である。結果
を表3に示した。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】表3から明らかなように、表面自由エネル
ギーの極性成分が2〜12dyn/cmであり、引張弾
性率が1.0〜15.0kgf/cm2 である場合の
み、初期接着力が高く、経時の接着安定性が良い粘着テ
ープとなった。
【0061】
【発明の効果】本発明の耐可塑剤用両面粘着テープは上
述の構成よりなるので、可塑剤を含有する樹脂からなる
被着体に対して、高い初期接着力と長期の接着安定性と
を有し、特に軟質塩化ビニルに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の接触角の測定における液滴の接触角、
液滴の高さ、及び、接触面の直径を表す図。
【図2】実施例の引張り試験を表す図。
【図3】実施例の伸び−応力曲線を表す図。縦軸は応力
を表し、横軸は伸びを表す。
【図4】実施例の剥離試験を表す図。
【符号の説明】
1 被着体 2 液滴 3 アクリルシート 4 治具 5 傾き直線 6 破断点 7 軟質塩化ビニルシート 8 アクリルシート 9 パッキングアルミ箔

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリルシートの両面に粘着剤層を積層
    してなる耐可塑剤用両面粘着テープにおいて、前記アク
    リルシートが、引張弾性率1〜15kgf/cm2 であ
    り、前記粘着剤層が、表面自由エネルギーの極性成分2
    〜12dyn/cmであることを特徴とする耐可塑剤用
    両面粘着テープ。
JP7115629A 1995-05-15 1995-05-15 耐可塑剤用両面粘着テープ Pending JPH08302304A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2019155939A1 (ja) * 2018-02-09 2019-08-15 日東電工株式会社 粘着シート、光学部材、及び、表示装置
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