JPH108012A - アクリル系接着性組成物 - Google Patents

アクリル系接着性組成物

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JPH108012A
JPH108012A JP860997A JP860997A JPH108012A JP H108012 A JPH108012 A JP H108012A JP 860997 A JP860997 A JP 860997A JP 860997 A JP860997 A JP 860997A JP H108012 A JPH108012 A JP H108012A
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JP
Japan
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block
adhesive composition
copolymer
general formula
alkyl
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Withdrawn
Application number
JP860997A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Agari
博史 上里
Hiroshi Miyashita
拓 宮下
Masateru Fukuoka
正輝 福岡
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】タック、低温接着性を維持したまま、耐熱性、
凝集力、極性の高い被着体に対する接着性等に優れ、熱
溶融特性が良く塗工性に優れたアクリル系接着性組成物
を提供する。 【解決手段】組成が異なるブロックA及びブロックBか
らなり、重量平均分子量が1万〜200万であるブロッ
ク共重合体(I)からなるアクリル系接着性組成物であ
って、ブロック共重合体(I)は、一般式(A−B)a
−A、一般式(B−A)b−B、一般式(A−B)c、
一般式(A−B)m−X、及び一般式Ao−T−Bpで
表されるそれぞれのブロック共重合体の群から選ばれる
同種又は異種同士のブロック共重合体が、少なくとも1
個のAもしくはBを介して結合されているブロック共重
合体であり、前記ブロックA中に、カルボキシル基含有
ビニル系モノマーを1〜50重量%含有するものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘着テープ、感圧
接着剤、ホットメルト接着剤、シーリング剤、プライマ
ー等に使用されるアクリル系接着性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】接着性組成物は、粘着テープ、感圧接着
剤、ホットメルト接着剤等として広く使用されている。
このような接着性組成物は、その用途の広がりに伴って
要求される性能が高度化する傾向にある。接着性組成物
としては、従来、ゴム系のものが知られている。しか
し、ゴム系接着性組成物は、凝集力、耐候性等の点で充
分な性能を発揮することができず、高度化する要求性能
に応えることが困難である。そこで、ゴム系接着性組成
物に比べ、凝集力、耐候性、耐油性等に優れる(メタ)
アクリル酸エステル系ランダム共重合体からなるアクリ
ル系の接着性組成物であって、耐熱性、凝集力、接着性
等を向上させたものが開発され、各種用途に利用されて
いる。
【0003】このような(メタ)アクリル酸エステル系
ランダム共重合体からなる接着性組成物の耐熱性及び凝
集力を向上させる方法としては、重合体としたときのT
gが高いビニル系モノマー、アクリル酸エステルモノマ
ー等を共重合させ、接着性組成物のTgを高める方法
や、架橋度を高める方法がある。
【0004】しかしながら、接着性組成物のTgを高く
する方法は、タックや低温接着性の低下、粘度の上昇に
よる塗工性の低下を招来する。架橋度を高める方法を採
用すると接着性が低下し、また、溶融特性が悪くなりホ
ットメルト型接着剤としての使用が困難になる。
【0005】金属板等の極性の高い被着体に対する接着
性を向上させる方法としては、カルボキシル基等の極性
基を有するモノマーを共重合させる方法がある。しかし
ながら、このようなモノマーの含有量が多くなると、接
着性は向上するが、Tgが上昇するので、タックや低温
接着性の低下、粘度の上昇による塗工性の低下を招くこ
とになる。
【0006】特開平6−41501号公報には、このよ
うな(メタ)アクリル酸エステル系ランダム共重合体か
らなる接着性組成物をホットメルト型接着性組成物とし
て用いる方法が開示されている。これによれば、(メ
タ)アクリル酸エステル系ランダム共重合体を塊状状態
にし、加熱溶融してホットメルト化する。
【0007】しかしながら、このような(メタ)アクリ
ル酸エステル系ランダム共重合体は元来溶融特性が悪
く、ホットメルト型接着性組成物としての使用には適し
ておらず、例えば、粘着テープを作製する際の基材への
塗工性、接着剤として使用する際の被着体への塗工性等
に問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、タック、低温接着性を維持したまま、耐熱性、凝集
力、極性の高い被着体に対する接着性等に優れ、熱溶融
特性が良く塗工性に優れたアクリル系接着性組成物を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、組成が異なる
ブロックA及びブロックBからなり、重量平均分子量が
1万〜200万であるブロック共重合体(I)からなる
アクリル系接着性組成物であって、前記ブロック共重合
体(I)は、一般式(A−B)a−A、一般式(B−
A)b−B、一般式(A−B)c、一般式(A−B)m
−X、及び一般式Ao−T−Bpで表されるそれぞれの
ブロック共重合体の群から選ばれる同種又は異種同士の
ブロック共重合体が、少なくとも1個のAもしくはBを
介して結合されているブロック共重合体であり、請求項
1に記載のアクリル系接着性組成物は、前記ブロックA
中に、カルボキシル基含有ビニル系モノマーを1〜50
重量%含有するものである。
【0010】式中、Aはビニル系重合体又はビニル系共
重合体を表し、Bはアルキル基の炭素数が1〜12のア
ルキル(メタ)アクリレートからなる重合体、又は、ア
ルキル基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリ
レートからなる共重合体を表す。a、b、cは、同一又
は異なって、1〜10の整数を表す。
【0011】Xは複数個の共重合体(A−B)を結合す
ることのできる化合物、TはブロックAとブロックBと
を結合することのできる化合物を表し、mは3〜30の
整数を表す。o,pは同一又は異なって1以上の整数を
表し、o+p=3〜30の関係にある。
【0012】前記ブロック共重合体(I)の作用効果を
損なわない範囲でランダム共重合体あるいは単独共重合
体が含まれてもよい。上記ランダム共重合体あるいは単
独共重合体は、アルキル基の炭素数が1〜12のアルキ
ル(メタ)アクリレートからなる重合体又はアルキル基
の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレートか
らなる単独重合体、あるいはアルキル基の炭素数が1〜
12のアルキル(メタ)アクリレートからなる重合体又
はアルキル基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)ア
クリレートとビニル系モノマーの群から選ばれる2種以
上のモノマーを共重合したものが用いられるが、上記ブ
ロック共重合体(I)の組成に近いものが好ましい。以
下に、本発明を詳述する。
【0013】本発明のアクリル系接着性組成物は、組成
が異なるブロックA及びブロックBからなるブロック共
重合体(I)からなる。上記ブロック共重合体(I)
は、重量平均分子量が1万〜200万のものである。重
量平均分子量が1万未満であると、凝集力が不足し、2
00万を超えると、粘度が上昇して塗工性が悪化するの
で、上記範囲に限定される。好ましくは10万〜100
万である。
【0014】本発明においては、上記ブロック共重合体
(I)は、一般式(A−B)a−Aで表されるブロック
共重合体、一般式(B−A)b−Bで表されるブロック
共重合体、一般式(A−B)cで表されるブロック共重
合体、一般式(A−B)m−X、及び一般式Ao−T−
Bpで表されるブロック共重合体からなる群より選択さ
れる少なくとも1種のブロック共重合体である。
【0015】請求項1記載の発明において、ブロック共
重合体(I)は、上記ブロックA中にカルボキシル基含
有ビニル系モノマーを1〜50重量%含有するものであ
る。上記カルボキシル基含有ビニル系モノマーとしては
特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、
無水マレイン酸、イタコン酸等が挙げられる。
【0016】上記ビニル系重合体又はビニル系共重合体
を構成するビニル系モノマーとしては特に限定されず、
例えば、スチレン、メチルメタクリレート、エチルメタ
クリレート、α−メチルスチレン、o−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニ
ル等が挙げられる。これらのうち、凝集力向上の点で、
スチレン、メチルメタクリレートが好適に用いられる。
これらは、単独で又は2種以上を併用することができ
る。
【0017】上記ビニル系重合体又はビニル系共重合体
において、上記カルボキシル基含有ビニル系モノマーの
含有量は1〜50重量%である。上記カルボキシル基含
有ビニル系モノマーの含有量が1重量%未満であると、
耐熱性及び凝集力が不足し、上記カルボキシル基含有ビ
ニル系モノマーの含有量が50重量%を超えると、ガラ
ス転移温度が上昇し、タック及び低温接着性の低下、粘
度の上昇等の不具合が発生するので上記範囲に限定され
る。好ましくは、上記カルボキシル基含有ビニル系モノ
マーの含有量は5〜40重量%である。
【0018】上記ビニル系重合体又はビニル系共重合体
のTg(JIS K 7121に規定されている測定法
に従って測定)は、20℃以上が好ましい。20℃未満
であると凝集力が不足し、耐熱性が劣る。
【0019】上記ビニル系重合体又はビニル系共重合体
は、重量平均分子量500〜30万のものが好ましい。
500未満であるとブロックとしての機能が発現せず、
30万を超えると低極性被着体に対する接着性が低下す
る。
【0020】上記の一般式(A−B)a−A、一般式
(B−A)b−B、一般式(A−B)c、一般式(A−
B)m−X、及び一般式Ao−T−Bpで表されるそれ
ぞれのブロック共重合体は、上記ブロックBとしてアル
キル基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレ
ートからなる重合体又はアルキル基の炭素数が1〜12
のアルキル(メタ)アクリレートからなる共重合体を有
する。
【0021】上記アルキル基の炭素数が1〜12のアル
キル(メタ)アクリレートからなる重合体又は上記アル
キル基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレ
ートからなる共重合体を構成するアルキル基の炭素数が
1〜12のアルキル(メタ)アクリレートとしては特に
限定されず、例えば、エチル(メタ)アクリレート、n
−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)ア
クリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エ
チルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メ
タ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、i
−ノニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これら
を、単独で使用することによりアルキル基の炭素数が1
〜12のアルキル(メタ)アクリレートからなる重合体
とすることができ、2種以上を併用することによりアル
キル基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレ
ートからなる共重合体とすることができる。
【0022】上記アルキル基の炭素数が1〜12のアル
キル(メタ)アクリレートからなる重合体又は上記アル
キル基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレ
ートからなる共重合体のTg(JIS K 7121に
規定されている測定法に従って測定)は0℃以下が好ま
しい。0℃を超えるとタック力が不足し、また、低温接
着性が低下する。
【0023】上記アルキル基の炭素数が1〜12のアル
キル(メタ)アクリレートからなる重合体又は上記アル
キル基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレ
ートからなる共重合体は、重量平均分子量9500〜1
00万のものが好ましい。9500未満であると凝集力
が不足し、100万を超えると粘度が上昇し、塗工性が
悪化する。
【0024】上記一般式(A−B)a−A、一般式(B
−A)b−B、及び、一般式(A−B)cで表されるブ
ロック共重合体において、a、b、cは同一又は異なっ
て1〜10の整数である。10を超えると粘度が上昇
し、基材への塗工性が悪くなるので上記範囲に限定され
る。好ましくは1〜8である。
【0025】上記一般式(A−B)a−A、一般式(B
−A)b−B、一般式(A−B)c、一般式(A−B)
m−X、及び一般式Ao−T−Bpで表されるそれぞれ
のブロック共重合体のいずれにおいても、上記ブロック
Aの含有量は1〜40重量%が好ましい。1重量%未満
であると接着性組成物としての凝集力が不足し、40重
量%を超えるとタックが不充分となり、接着性が悪くな
る。より好ましくは10〜30重量%である。
【0026】本発明においては、上記一般式(A−B)
a−A、一般式(B−A)b−B、一般式(A−B)
c、一般式(A−B)m−X、及び一般式Ao−T−B
pで表されるそれぞれのブロック共重合体のいずれも、
上記ブロックA及びブロックBとは組成が互いに異なる
ものである。例えば、上記ブロックAが2種以上のモノ
マーよりなる共重合体であり、上記ブロックBが1種類
のモノマーよりなる重合体である場合、上記ブロックA
及び上記ブロックBが共に2種以上のモノマーよりなる
共重合体であって、構成モノマーが異なる場合などが挙
げられる。
【0027】ここで、複数個の共重合体(A−B)を結
合することのできる化合物Xとしては、例えば、共重合
体(A−B)をアニオン重合などのリビング重合で得た
場合、テトラクロロシランあるいはトリクロロメチルベ
ンゼン、テトラクロロメチルベンゼン、ペンタクロロメ
チルベンゼン、ヘキサクロロメチルベンゼンなど含ハロ
ゲン基が1分子中に3個以上含まれる多官能開始剤など
が挙げられる。該化合物Xは共重合体(A−B)の重合
停止剤として添加することで(A−B)m−Xブロック
共重合体が得られる。
【0028】又、ブロックAとブロックBとを結合する
ことのできる化合物Tとしては、例えば、1分子中にパ
ーオキサイド基を3個以上含む開始剤〔2,2−Bis
(4,4−di−t−butylperoxycycl
ohexyl)propane(日本油脂社製,商品名
「パーテトラA」)〕、あるいはO−allylOO−
t−butylmonoperoxycarbonat
e(日本油脂社製,商品名「ペロマーAC」)、あるい
はO−vinylOO−t−butylmonoper
oxycarbonateなどビニル基含有パーオキサ
イドをブロックAあるいはブロックBの構成モノマーと
共重合させた共重合体が挙げられる。
【0029】本発明においては、上記一般式(A−B)
a−A、一般式(B−A)b−B、一般式(A−B)
c、一般式(A−B)m−X、及び一般式Ao−T−B
pで表されるブロック共重合体の構造としては特に限定
されず、例えば、直鎖状構造であってもよく、星形構造
であってもよい。しかしながら、櫛形構造を得るために
マクロモノマーを用いることは好ましくない。
【0030】この理由は、マクロモノマーの製造過程に
由来するものであり、以下の3点が問題点として挙げら
れる。 (1)マクロモノマー自体に副反応生成物として2量体
が存在しているため、重合工程で発生するゲルを抑制す
るためにマクロモノマーの配合量を低減すると、必然的
に目的とする性能が得られない。 (2)高分子量の枝を有する櫛形構造の共重合体を得る
ためにマクロモノマーの分子量を数万以上にしようとす
ると、付加重合に必要な末端反応基の導入が困難とな
り、多量に副生成する未反応オリゴマーのために所望の
物性が得られなくなる。 (3)マクロモノマーは一般にアニオン重合で合成され
るので、使用できるモノマーの種類が限定され、特に極
性基を少量しか導入できないので、設計自由度が狭くな
るという欠点もある。
【0031】これらのブロック共重合体が星形構造であ
る場合においては、上記ブロックAが内側にあって上記
ブロックBが外側にある構造であってもよく、上記ブロ
ックBが内側にあって上記ブロックAが外側にある構造
であってもよい。
【0032】上記一般式(A−B)a−A、一般式(B
−A)b−B、一般式(A−B)c、一般式(A−B)
m−X、及び一般式Ao−T−Bpで表されるブロック
共重合体により構成されるブロック共重合体(I)の合
成方法としては特に限定されず、例えば、リビング重合
法、反応性の異なる開始点を有する開始剤を用いる方
法、紫外線重合法等を採用することができる。
【0033】上記リビング重合法によれば、リビング重
合性の開始剤を用いて、先ず、例えば、上記ブロックA
を構成するモノマー、又は、上記ブロックBを構成する
モノマーのいずれか一方の重合を行い、上記ブロックA
又は上記ブロックBの重合が完結した時点で、他のブロ
ックを構成するモノマーを添加し、成長鎖末端に更に続
けて重合反応を行い、上記ブロックB又は上記ブロック
Aの重合を行うことができる。
【0034】上記リビング重合法としては特に限定され
ず、例えば、N,N,N′,N′−テトラエチルリチウ
ムジスルフィド、ベンジル−N,N−ジエチルジチオカ
ルバメート、p−キシレンビス(N,N−ジエチルジチ
オカルバメート)等のイニフィータを開始剤として用い
る方法;有機ランタノイド化合物を開始剤として用いる
方法;アルキルリチウム等を開始剤として用いるアニオ
ン重合法;シリルケテンアセタール等を開始剤として用
いるグループトランスファー法;アルミニウムポルフィ
リンを開始剤として用いる方法;メタルフリーリビング
アニオン法;リビングラジカル法等の公知の各手法を採
用することができる。
【0035】上記反応性の異なる開始点を有する開始剤
を用いる方法としては特に限定されず、例えば、ラジカ
ル発生温度の異なるパーオキサイド基を少なくとも2つ
有する開始剤を用いる方法、ラジカル発生機構の異なる
パーオキサイド基を少なくとも2つ有する開始剤を用い
る方法等を採用することがでる。
【0036】上記ラジカル発生温度の異なるパーオキサ
イド基を少なくとも2つ有する開始剤を用いる方法によ
れば、例えば、低温側開始点から、上記ブロックAを構
成するモノマー、又は、上記ブロックBを構成するモノ
マーのいずれか一方の重合を開始させ、上記ブロックA
又は上記ブロックBの重合を開始させた後、高温側開始
点から、他のブロックを構成するモノマーの重合を開始
させることにより、上記ブロックB又は上記ブロックA
の重合を行うことができる。
【0037】上記ラジカル発生機構の異なるパーオキサ
イド基を少なくとも2つ有する開始剤を用いる方法によ
れば、例えば、一方の開始点に還元剤を用いてラジカル
を発生させて上記ブロックAを構成するモノマー、又
は、上記ブロックBを構成するモノマーのいずれか一方
の重合を開始させ、上記ブロックA又は上記ブロックB
の重合を開始させた後、温度を上げて他方の開始点から
他のブロックを構成するモノマーの重合を開始させて、
上記ブロックB又は上記ブロックAの重合を行うことが
できる。
【0038】具体的には、例えば、先ず、上記ブロック
Aを構成するモノマー、及び、一分子中に2つ以上のパ
ーオキサイド基を有するラジカル重合開始剤を、設定さ
れた温度レベル1で加熱反応させて上記ブロックAを重
合し、次いで、上記ブロックBを構成するモノマーを加
え、上記温度レベル1より高温に設定された温度レベル
2で加熱反応させることにより、上記一般式(A−B)
cで表されるブロック共重合体を合成することができ
る。
【0039】1分子中に反応性基と開始点を有する開始
剤を用いる方法としては特に限定されず、例えば、1分
子中にパーオキサイド基とビニル基を少なくとも1つず
つ有する開始剤を用いる方法などを採用することができ
る。上記1分子中にパーオキサイド基とビニル基を少な
くとも1つずつ有する開始剤(D)を用いる方法は、開
始剤(D)とは異なる光開始剤あるいは低温活性を有す
る開始剤によって、上記ビニル系モノマー又はアルキル
基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレート
と開始剤(D)のビニル基部分を共重合させてブロック
A又はブロックBを重合した後、開始剤(D)のパーオ
キサイド基によって他方のブロックを構成するモノマー
の重合を行うことにより、ブロックA又はブロックBの
重合を行うことができる。
【0040】上記紫外線重合法によれば、例えば、先
ず、上記ブロックBを構成するモノマー又は上記ブロッ
クAを構成するモノマーと、N,N−ジエチルジチオカ
ルバメートを混合し、反応容器内を窒素パージした後、
紫外線(UV)ランプにて、UV照射して上記ブロック
B、又は、上記ブロックAを重合させ、次いで、上記ブ
ロックAを構成するモノマー又は上記ブロックBを構成
するモノマーを加え、更にUV照射して上記ブロック
A、又は、上記ブロックBを重合させることにより、上
記一般式(A−B)a−Aで表されるブロック共重合
体、又は、上記一般式(B−A)b−Bで表されるブロ
ック共重合体を合成することができる。
【0041】その他の方法としては、例えば、上記ブロ
ックAであってアゾ基を有するもの、又は、上記ブロッ
クBであってアゾ基を有するものを重合し、上記アゾ基
を開始点として他ブロックを構成するモノマーを重合さ
せる方法;予め通常のラジカル重合等で上記ブロック
A、及び、上記ブロックBを重合した後、これらを混合
して紫外線、電子線、放射線等を照射することにより、
上記ブロックAと上記ブロックBとをブロック結合させ
る方法等を採用することもできる。
【0042】本発明においては、上記アクリル系接着性
組成物には、必要に応じて、更に、粘着付与樹脂、充填
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、カルボン酸金属塩等を
添加することができる。
【0043】上記粘着付与樹脂としては特に限定され
ず、例えば、C5 系(水添)石油樹脂、C9 系(水添)
石油樹脂、(水添)ロジン樹脂、(水添)ロジンエステ
ル樹脂、(水添)テルペン樹脂、(水添)テルペンフェ
ノール樹脂、(水添)クマロンインデン樹脂、不均化ロ
ジン樹脂、不均化ロジンエステル樹脂、重合ロジン樹
脂、重合ロジンエステル樹脂等が挙げられる。これら
は、単独で又は2種以上を併用することができる。
【0044】上記充填剤としては特に限定されず、例え
ば、炭酸カルシウム、酸化チタン、マイカ、タルク等が
挙げられる。
【0045】上記酸化防止剤としては特に限定されず、
例えば、フェノール系のもの、アミン系のもの等が挙げ
られる。
【0046】上記紫外線吸収剤としては特に限定され
ず、例えば、ベンゾトリアゾール系のもの等が挙げられ
る。
【0047】上記カルボン酸金属塩としては特に限定さ
れず、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸
マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸
亜鉛、ステアリン酸バリウム、パルミチン酸ナトリウム
等が挙げられる。
【0048】請求項2に記載の発明は、上記請求項1に
記載のブロック共重合体(I)が、上記ブロックB中
に、上記カルボキシル基含有ビニル系モノマーを1〜2
5重量%含有するものである。
【0049】請求項2に記載の発明においては、上記ブ
ロックBにおいて、上記カルボキシル基含有ビニル系モ
ノマーの含有量が1重量%未満であると接着強度が不足
し、上記カルボキシル基含有ビニル系モノマーの含有量
が25重量%を超えるとガラス転移温度が上昇し、タッ
ク及び低温接着性の低下、粘度の上昇等の不具合が発生
するので上記範囲に限定される。好ましくは、上記カル
ボキシル基含有ビニル系モノマーの含有量が3〜20重
量%である。
【0050】本発明のアクリル系接着性組成物は、上記
ブロックAに上記カルボキシル基含有ビニル系モノマー
を共重合させるか、又は、上記ブロックBに上記カルボ
キシル基含有ビニル系モノマーを共重合させることで、
カルボキシル基含有極性モノマーを共重合することに伴
うポリマーのガラス転移温度の上昇を抑制することがで
きる。
【0051】例えば、ブロック共重合体の凝集力を発現
するハードセグメントである上記ブロックAに、上記カ
ルボキシル基含有ビニル系モノマーを共重合させること
で、ブロック共重合体の分子内及び分子間での水素結合
力及び分子間力が向上し、耐熱性及び凝集力が優れたも
のとなる。この場合、ランダム共重合体に添加するより
も少ない量で同等の効果を得ることができるので、ガラ
ス転移温度の上昇を抑制することができる。
【0052】また、ブロック共重合体の接着性に寄与す
るソフトセグメントである上記ブロックBに上記カルボ
キシル基含有ビニル系モノマーを共重合させることで、
その極性成分により金属板等の極性の高い被着体に対し
ての親和性が高まり、強い接着強度を発現することがで
きる。この場合も、ランダム共重合体に添加するよりも
少ない量で同等の効果を得ることができるので、ガラス
転移温度の上昇を抑制することができる。
【0053】従って、本発明においては、上記カルボキ
シル基含有ビニル系モノマーは、一般的にガラス転移温
度が高いにもかかわらず、これを共重合させることによ
るガラス転移温度の上昇や、それに伴うタックや低温接
着性の低下、粘度の上昇による塗工性の低下等を抑制す
ることができる。
【0054】本発明のアクリル系接着性組成物は、例え
ば、粘着テープ、粘着シート等の粘着剤層として好適に
用いることができる。
【0055】上記粘着テープ、上記粘着シート等を製造
する方法としては特に限定されず、例えば、基材フィル
ムの少なくとも1面に、溶剤塗工、熱溶融塗工等の方法
により塗工することができる。
【0056】上記溶剤塗工による方法としては特に限定
されず、例えば、本発明のアクリル系接着性組成物を溶
剤に溶解し、基材フィルムに塗工後、溶剤を乾燥させる
方法等を採用することができる。
【0057】上記熱溶融塗工による方法としては特に限
定されず、例えば、本発明のアクリル系接着性組成物
を、基材フィルム、及び、必要に応じてプライマー樹脂
と共に多層共押出成型法によって一体的に製造する方法
等を採用することができる。上記多層共押出成型法によ
れば、基材フィルム、アクリル系接着性組成物及びプラ
イマー樹脂をそれぞれ別々の押出機によって可塑化し、
インフレーション法、Tダイ法等の多層押出用金型を用
いて熱溶融方式で共押出することによって、基材層/プ
ライマー層/粘着剤層を順に積層することができる。
【0058】上記熱溶融塗工による方法としては、ま
た、ホットメルト塗工法により製造する方法を採用する
こともできる。上記ホットメルト塗工法によれば、必要
に応じて予め基材フィルムの片面にプライマー層を適宜
の方法によって形成しておき、上記プライマー層の上か
らホットメルトコーターによって熱溶融塗工することが
できる。
【0059】また、本発明のアクリル系接着性組成物の
みをシート状に成型することにより、基材層を有しない
ノンサポートタイプの両面粘着テープとすることもでき
る。
【0060】本発明のアクリル系接着性組成物は、溶剤
に溶かした溶剤型アクリル系接着性組成物、水に分散さ
せたエマルジョン型アクリル系接着性組成物等として好
適に用いることができる。具体的には、例えば、本発明
のアクリル系接着性組成物を溶剤に溶解させ、又は、水
に分散させた後、被着体に直接塗布し、被着体同士を貼
り合わせた後、溶剤又は水を乾燥除去させることにより
被着体同士を接着することができる。
【0061】また、本発明のアクリル系接着性組成物
は、ホットメルト型接着性組成物として好適に用いるこ
とができる。具体的には、例えば、無溶剤で加熱溶融さ
せた後、被着体に塗布し、被着体同士を貼り合わせた後
に冷却することにより被着体同士を接着することができ
る。
【0062】本発明のアクリル系接着性組成物は、その
他、例えば、塗料、コーティング剤等の用途に好適に用
いることができる。
【0063】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0064】(実施例1)接着性組成物の調製 エチルアクリレート、及び、N,N−ジエチルジチオカ
ルバメートを混合し、反応容器内を窒素パージした後、
紫外線(UV)ランプにてUV照射し、エチルアクリレ
ートの重合体ブロックを得た。次いで、メチルメタクリ
レート、及び、アクリル酸を加え、更にUV照射して重
合させ、Aブロックがメチルメタクリレート/アクリル
酸共重合体であり、Bブロックがエチルアクリレート重
合体であるA−B−A型ブロック共重合体からなる接着
性組成物を調製した。Aブロックの含有量は20重量%
であり、Aブロック中のアクリル酸の含有量はAブロッ
ク中の5重量%であり、重量平均分子量は30万であっ
た。得られた接着性組成物の凝集力、接着力及び塗工性
(1)について下記方法により評価した。結果を表1に
示した。
【0065】評価方法 1.凝集力 得られた接着性組成物を、一辺5mmの立方体状に切断
して試験片を作り、垂直に保持したアルミニウム板に得
られた試験片を貼付し、80℃のオーブン中で12時間
放置した後、試験片の垂れ長さを測定し凝集力とした。
【0066】2.接着力 表面が清浄なポリエチレン板(厚さ:1.5mm、幅:
20mm)に、厚さ1mm、10×20mmの面積で塗
布した後、測定温度23℃で、剪断接着強度を測定し接
着力とした。
【0067】3.塗工性(1) 溶剤塗工法、及び、ホットメルト塗工法によって被着体
に塗工したときの接着剤表面の平滑性を目視により判断
した。評価基準は以下のものとした。 ○:平滑性に優れている。 ×:平滑性に劣っている。
【0068】粘着テープの作製 得られた接着性組成物を、片面コロナ放電処理した厚さ
38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(テト
ロンフィルムSC、帝人社製)のコロナ放電処理面に、
溶剤塗工法により乾燥後の厚みが10μmとなるように
塗工して粘着テープを得た。得られた粘着テープの剥離
力、耐熱保持力及び塗工性(2)について下記方法によ
り評価した。結果を表1に示した。
【0069】評価方法 1.剥離力 JIS Z 0237に準拠して、作製後1日経過した
粘着テープ(幅25mm)を、23℃で2kgの圧着ロ
ーラーを用いて280番の耐水研磨紙で研磨したステン
レススチール板の表面に貼り付けて、23℃で1時間放
置後、測定温度23℃、引張速度300mm/分、剥離
角度180°で引き剥がした時の荷重を剥離力として測
定した。剥離試験後、ステンレススチール板表面の粘着
剤の糊残りの有無を評価した。評価基準は以下のものと
した。 ○:糊残り無し。 ×:糊残り有り。 糊残り有りの場合は、その度合いを少量、多量等のコメ
ントで示した。
【0070】2.耐熱保持力 JIS Z 0237に準拠して、幅20mm、長さ1
00mmに裁断した粘着テープを、接着長さを20mm
とし、23℃で2kgの圧着ローラーを用いて280番
の耐水研磨紙で研磨したステンレススチール板の表面に
貼り付けた後、80℃雰囲気下に20分間放置し、粘着
テープが下側に垂れるようにして80℃の恒温乾燥機中
に垂直に懸垂し、粘着テープの下端に1kgの荷重をか
けて粘着テープがステンレススチール板より脱落するの
に要する時間を測定した。
【0071】3.塗工性(2) 作製した粘着テープの粘着面の平滑性を目視により判断
した。評価基準は以下のものとした。 ○:平滑性に優れている。 ×:平滑性に劣っている。
【0072】(実施例2)Aブロック中のアクリル酸の
含有量が、Aブロック中の20重量%となるようにした
こと以外は実施例1と同様にして接着性組成物及び粘着
テープを得、評価した。結果を表1に示した。
【0073】(実施例3)Aブロック中のアクリル酸の
含有量が、Aブロック中の40重量%となるようにした
こと以外は実施例1と同様にして接着性組成物及び粘着
テープを得、評価した。結果を表1に示した。
【0074】(実施例4)実施例2と同様にして調製し
たA−B−A型ブロック共重合体100重量部に、更
に、酸化防止剤(イルガノックス1010、チバガイギ
ー社製)1重量部を添加し、150℃に保ったニーダー
型混練機に投入して、窒素雰囲気下で40分間混練して
接着性組成物を得、実施例1と同様にして評価した。結
果を表1に示した。
【0075】得られた接着性組成物を粘着剤層として、
片面コロナ放電処理した厚さ38μmのポリエチレンテ
レフタレートフィルム(テトロンフィルムSC、帝人社
製)のコロナ放電処理面にホットメルトコーター(YU
RIROLL MACHINE社製)にて、金型温度1
80℃でホットメルト塗工して粘着テープを作製し、実
施例1と同様にして評価した。結果を表1に示した。
【0076】(比較例1)Aブロック中のアクリル酸の
含有量が、Aブロック中の0.5重量%となるようにし
たこと以外は実施例1と同様にして接着性組成物及び粘
着テープを得、評価した。結果を表1に示した。
【0077】(比較例2)Aブロック中のアクリル酸の
含有量が、Aブロック中の58重量%となるようにした
こと以外は実施例1と同様にして接着性組成物及び粘着
テープを得、評価した。結果を表1に示した。なお、剥
離力の評価においては、剥離形態がスリップスティック
であり、表1中の数値は、最大値を示した。
【0078】(比較例3)実施例3と同様のモノマー配
合、重量平均分子量のアクリルランダム共重合体を接着
性組成物としたこと以外は実施例1と同様にして接着性
組成物及び粘着テープを得、評価した。結果を表1に示
した。
【0079】
【表1】
【0080】(実施例5)接着性組成物の調製 エチルアクリレート、アクリル酸、及び、N,N−ジエ
チルジチオカルバメートを混合し、反応容器内を窒素パ
ージした後、紫外線(UV)ランプにてUV照射し、エ
チルアクリレートとアクリル酸との共重合体ブロックを
得た。次いで、メチルメタクリレートを加え、更にUV
照射して重合させ、Aブロックがメチルメタクリレート
重合体であり、Bブロックがエチルアクリレート/アク
リル酸共重合体であるA−B−A型ブロック共重合体か
らなる接着性組成物を調製した。Aブロックの含有量は
20重量%であり、Bブロック中のアクリル酸の含有量
は、Bブロック中の5重量%であった。得られた接着性
組成物について、実施例1と同様にして評価した。結果
を表2に示した。
【0081】粘着テープの作製 得られた接着性組成物を用いたこと以外は、実施例1と
同様にして粘着テープを得、評価した。結果を表2に示
した。
【0082】(実施例6)Bブロック中のアクリル酸の
含有量が、Bブロック中の15重量%となるようにした
こと以外は、実施例5と同様にして接着性組成物及び粘
着テープを得、評価した。結果を表2に示した。
【0083】(実施例7)Bブロック中のアクリル酸の
含有量が、Bブロック中の22重量%となるようにした
こと以外は実施例5と同様にして接着性組成物及び粘着
テープを得、評価した。結果を表2に示した。
【0084】(実施例8)実施例6と同様にして調製し
たA−B−A型ブロック共重合体100重量部に、更
に、酸化防止剤(イルガノックス1010、チバガイギ
ー社製)1重量部を添加し、150℃に保ったニーダー
型混練機に投入して、窒素雰囲気下で40分間混練して
接着性組成物を得、実施例1と同様にして評価した。結
果を表2に示した。
【0085】得られた接着性組成物を粘着剤層として、
片面コロナ放電処理した厚さ38μmのポリエチレンテ
レフタレートフィルム(テトロンフィルムSC、帝人社
製)のコロナ放電処理面にホットメルトコーター(YU
RIROLL MACHINE社製)にて、金型温度1
80℃でホットメルト塗工して粘着テープを作製し、実
施例1と同様にして評価した。結果を表2に示した。
【0086】(比較例4)Bブロック中のアクリル酸の
含有量が、Bブロック中の0.5重量%となるようにし
たこと以外は実施例5と同様にして接着性組成物及び粘
着テープを得、評価した。結果を表2に示した。
【0087】(比較例5)Bブロック中のアクリル酸の
含有量が、Bブロック中の30重量%となるようにした
こと以外は実施例5と同様にして接着性組成物及び粘着
テープを得、評価した。結果を表2に示した。なお、剥
離力の評価においては剥離形態がスリップスティックで
あり、表2中の数値は最大値を示した。
【0088】(比較例6)実施例7と同様のモノマー配
合、重量平均分子量のアクリルランダム共重合体を接着
性組成物としたこと以外は実施例1と同様にして接着性
組成物及び粘着テープを得、評価した。結果を表2に示
した。
【0089】
【表2】
【0090】
【発明の効果】本発明のアクリル系接着性組成物は、上
述の構成よりなるので、少量のカルボキシル基含有ビニ
ル系モノマーを共重合させることにより優れた効果を発
現することができる。このため、接着性組成物全体のガ
ラス転移温度の上昇を抑えることができ、タック及び低
温接着性を維持したまま耐熱性及び凝集力を向上させ、
又、金属板等の極性の高い被着体に対して高い接着性を
発揮することができる。更に、粘度の上昇も抑制するこ
とができるので塗工性にも優れたものとなる。本発明の
アクリル系接着性組成物はブロック共重合体からなるも
のであるので、熱溶融特性が良好であり、ホットメルト
型接着剤として好適に用いることができ、環境保護及び
工程の削減にもつながる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成が異なるブロックA及びブロックB
    からなり、重量平均分子量が1万〜200万であるブロ
    ック共重合体(I)からなるアクリル系接着性組成物で
    あって、前記ブロック共重合体(I)は、一般式(A−
    B)a−A、一般式(B−A)b−B、一般式(A−
    B)c、一般式(A−B)m−X、及び一般式Ao−T
    −Bpで表されるそれぞれのブロック共重合体の群から
    選ばれる同種又は異種同士のブロック共重合体が、少な
    くとも1個のAもしくはBを介して結合されているブロ
    ック共重合体であり、前記ブロックA中に、カルボキシ
    ル基含有ビニル系モノマーを1〜50重量%含有するこ
    とを特徴とするアクリル系接着性組成物。式中、Aはビ
    ニル系重合体又はビニル系共重合体を表し、Bはアルキ
    ル基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレー
    トからなる重合体、又は、アルキル基の炭素数が1〜1
    2のアルキル(メタ)アクリレートからなる共重合体を
    表す。a、b、cは、同一又は異なって、1〜10の整
    数を表す。Xは複数個の共重合体(A−B)を結合する
    ことのできる化合物、TはブロックAとブロックBとを
    結合することのできる化合物を表し、mは3〜30の整
    数を表す。o,pは同一又は異なって1以上の整数を表
    し、o+p=3〜30の関係にある。
  2. 【請求項2】 組成が異なるブロックA及びブロックB
    からなり、重量平均分子量が1万〜200万であるブロ
    ック共重合体(I)からなるアクリル系接着性組成物で
    あって、前記ブロック共重合体(I)は、一般式(A−
    B)a−A、一般式(B−A)b−B、一般式(A−
    B)c、一般式(A−B)m−X、及び一般式Ao−T
    −Bpで表されるそれぞれのブロック共重合体の群から
    選ばれる同種又は異種同士のブロック共重合体が、少な
    くとも1個のAもしくはBを介して結合されているブロ
    ック共重合体であり、前記ブロックB中に、カルボキシ
    ル基含有ビニル系モノマーを1〜25重量%含有するこ
    とを特徴とするアクリル系接着性組成物。式中、Aはビ
    ニル系重合体又はビニル系共重合体を表し、Bはアルキ
    ル基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレー
    トからなる重合体、又は、アルキル基の炭素数が1〜1
    2のアルキル(メタ)アクリレートからなる共重合体を
    表す。a、b、cは、同一又は異なって、1〜10の整
    数を表す。Xは複数個の共重合体(A−B)を結合する
    ことのできる化合物、TはブロックAとブロックBとを
    結合することのできる化合物を表し、mは3〜30の整
    数を表す。o,pは同一又は異なって1以上の整数を表
    し、o+p=3〜30の関係にある。
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