JP2019137831A - 粘着シート、光学部材、及び、表示装置 - Google Patents

粘着シート、光学部材、及び、表示装置 Download PDF

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奈津子 沖田
数馬 三井
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数馬 三井
林 圭治
Keiji Hayashi
圭治 林
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Abstract

【課題】コシの弱い基材と、湾曲部や凹凸部に対して、追従しやすい粘着剤層とを組み合わせることにより、被着体である湾曲部や凹凸部を有するような光学部材や表示装置、表示装置を構成するディスプレイ等の製造・加工時、搬送時、出荷検査時、輸送時等に被着体に追従することができ、十分に保護することが可能な粘着シート(表面保護フィルム)を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の粘着シートは、基材フィルムの片面又は両面に粘着剤組成物から形成された粘着剤層を有する粘着シートにおいて、前記基材フィルムが、非ポリオレフィン系フィルムであり、前記粘着シートを幅50mm、長さ100mmに切断し、長さ方向に50mmはみ出るように、水平な台に固定したときの、垂直下垂距離Lが、30mm以上であり、前記粘着剤層表面をガラスに貼り合せ、90度方向に剥離速度1mm/minで引っ張った際の剥離力が、3.0gf/50mm以上であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、粘着シート、特に表面保護フィルムに関する。表面保護フィルムは、光学部材や表示装置の表面に貼着して該表面を保護する用途などに好ましく用いられる。光学部材としては、ITOフィルム、偏光板、拡散板、輝度向上フィルム、カバーガラス、それらが積層されてなる有機ELパネル、液晶パネルなどが挙げられる。表示装置としては、モニター、テレビ、スマートフォンなどが挙げられる。
一般に、表面保護フィルムは、フィルム状の基材フィルム(支持体)上に粘着剤層が設けられた構成を有する。かかる表面保護フィルムは、前記粘着剤層を介して被着体である光学部材や光学部材を含む表示装置などに貼り合わされ、光学部材や表示装置を構成する電子部材などを製造・加工時、搬送時、出荷検査時、輸送時等において、光学部材などの表面を傷や汚れから保護する目的で用いられる。その後、実際に表面保護フィルムの粘着剤層表面が光学部材や表示装置などに貼付され使用された後、この表面保護フィルムは、不要になった段階で剥離して除去される。
また、表面保護フィルムを光学部材や光学部材を含む表示装置、表示装置を構成するディスプレイ(画面)に貼付する場合、製造・加工時のハンドリング性や、ディスプレイ等に表面保護フィルムを貼り合せる観点から、厚みのある基材(例えば、ポリエチレンテレフタラート等)を使用することがあった。
しかし、湾曲部や凹凸部を有する表示装置を構成するディスプレイ等に厚みのある基材を使用した表面保護フィルムを貼り合わせた場合、基材のコシが強いため、湾曲部や凹凸部に表面保護フィルムが追従できない不具合が生じていた。
一方、特許文献1及び2のように、コシの弱い無延伸ポリプロピレン(CPP)やポリエチレン(PE)等を表面保護フィルムの基材として使用した場合、フィッシュアイと呼ばれる外観特性における不良が発生し、出荷検査時に欠点を確認できない等の不具合を生じる場合があった。
更に、近年、湾曲部や凹凸部を有する光学部材や表示装置、表示装置を構成するディスプレイなどが増加しており、ディスプレイなどの製造工程や出荷工程において、前記湾曲部や凹凸部に対して追従し、保護することができる表面保護フィルムが必要とされている。
特許第5326469号 特許第3936922号
そこで、本発明者らは、上記事情に鑑み、鋭意研究した結果、コシの弱い基材と、湾曲部や凹凸部の様な曲面に対して、追従しやすい粘着剤層とを組み合わせることにより、被着体である湾曲部や凹凸部を有するような光学部材や表示装置、表示装置を構成するディスプレイ等の製造・加工時、搬送時、出荷検査時、輸送時等に被着体に追従することができ、十分に表面保護することが可能な粘着シート(表面保護フィルム)を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の粘着シートは、基材フィルムの片面又は両面に粘着剤組成物から形成された粘着剤層を有する粘着シートにおいて、前記基材フィルムが、非ポリオレフィン系フィルムであり、前記粘着シートを幅50mm、長さ100mmに切断し、長さ方向に50mmはみ出るように、水平な台に固定したときの、垂直下垂距離Lが、30mm以上であり、前記粘着剤層表面をガラスに貼り合せ、90度方向に剥離速度1mm/minで引っ張った際の剥離力が、3.0gf/50mm以上であることを特徴とする。
本発明の粘着シートは、前記粘着剤層が、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、及び、シリコーン系粘着剤から選択される少なくとも1種を含有する粘着剤組成物から形成されることが好ましい。
本発明の粘着シートは、前記非ポリオレフィン系フィルムの引張弾性率が、1.5×10Pa未満であることが好ましい。
本発明の粘着シートは、前記非ポリオレフィン系フィルムが、ポリエステルフィルムであることが好ましい。
本発明の光学部材は、前記粘着シートにより保護されることが好ましい。
本発明の表示装置は、前記粘着シートにより保護されることが好ましい。
本発明の粘着シートは、コシが弱く、湾曲部や凹凸部の様な曲面に追従可能な基材フィルムと、湾曲部や凹凸部の様な曲面に対する粘着特性が良好な粘着剤層とを組み合せることにより、湾曲部や凹凸部の光学部材や表示装置、表示装置を構成するディスプレイ等の製造・加工時、搬送時、出荷検査時、輸送時等において、粘着シートが追従することができ、保護性能に優れた粘着シート(表面保護フィルム)を得ることができ、有用である。
粘着シートの垂直下垂距離Lを測定する際の概略図。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<粘着シート(表面保護フィルム)の全体構造>
ここに開示される粘着シート(表面保護フィルム)は、一般に、粘着テープ、粘着ラベル、粘着フィルム等と称される形態の粘着剤層表面を、光学部材や表示装置(を構成するディスプレイ)等、特に湾曲部や凹凸部を有するディスプレイの製造・加工時、搬送時、出荷検査時、輸送時等にディスプレイの表面を保護する表面保護フィルムとして好適である。前記粘着シートにおける粘着剤層は、典型的には連続的に形成されるが、かかる形態に限定されるものではなく、例えば点状、ストライプ状等の規則的あるいはランダムなパターンに形成された粘着剤層であってもよい。また、ここに開示される粘着シートは、ロール状であってもよく、枚葉状であってもよい。
<基材フィルム>
本発明の粘着シートは、基材フィルムを有し、前記基材フィルムが、非ポリオレフィン系フィルムであることを特徴とする。ポリオレフィン系フィルムは、非ポリオレフィン系フィルムよりもコシが弱いが、コシが弱い理由として、不飽和結合が少なく、炭素鎖の回転が制限されていないことが推測される。ただ、ポリオレフィン系フィルムを、表面保護フィルムを構成する基材フィルムに使用した場合、フィッシュアイと呼ばれる外観特性における不良が発生し、出荷検査時に欠点を確認できない等の不具合を生じる場合があり、好ましくない。なお、フィッシュアイとは、基材フィルムの成膜工程において、透明もしくは半透明で魚の目のような粒子が、基材フィルム中に残ることを指し、樹脂のゲル物や未溶融物などが原因となるものである。基材フィルムにポリオレフィン系フィルムを使用すると、樹脂の溶融粘度が高く、成膜工程時に高精度のフィルターに通すことができないため、未溶融物を取り除くことができず、フィッシュアイを多く含む傾向があり、好ましくない。特にポリエチレンの場合、樹脂の溶融時に、分子中にラジカルが発生するとポリエチレン分子同士が反応し、ゲル化しやすいため、特にフィッシュアイが多く発生し、光学用途への適用が困難となり、好ましくない。一方、非ポリオレフィン系フィルムは、溶融粘度が低いため、成膜時に高精度のフィルターに通すことができ、フィッシュアイの原因となる未溶融物などを取り除くことができるため、外観特性に優れたフィルムを得ることができ、光学用途に適用できる。
前記基材フィルム(基材、支持体)は、非ポリオレフィン系フィルムであり、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系ポリマー;ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー;ポリカーボネート系ポリマー;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー;等を主たる樹脂成分(樹脂成分のなかの主成分、典型的には50重量%以上を占める成分)とする樹脂材料から構成されたプラスチックフィルムを、前記基材フィルムとして好ましく用いることができる。中でも、前記非ポリオレフィン系フィルムとして、ポリエステル系ポリマーを用いたポリエステルフィルムであることが好ましく、その中でも、光学特性(透明性等)、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、等方性、可撓性、寸法安定性等の特性に優れたものを使用することが好ましい。特に、基材フィルムとして、コシが強すぎないポリエステルフィルムは、可撓性を有することで、ロールコーターなどによって粘着剤組成物を塗布することができ、ロール状に巻き取ることができ、有用である。また、ポリエステルフィルムとしては、2種類以上のエステル結合を有するフィルムを用いることもでき、ポリエチレンテレフタラート及びポリブチレンテレフタラートの組み合せたものを好ましく用いることができる。
前記樹脂材料の他の例としては、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体等の、スチレン系ポリマー;塩化ビニル系ポリマー;ナイロン6、ナイロン6,6、芳香族ポリアミド等の、アミド系ポリマー;等を樹脂材料とするものが挙げられる。前記樹脂材料のさらに他の例として、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー等が挙げられる。上述したポリマーの2種以上のブレンド物からなる基材フィルムであってもよい。
本発明の粘着シートは、前記非ポリオレフィン系フィルムの引張弾性率が、1.5×10Pa未満であることが好ましく、1.3×10Pa以下がより好ましく、1.0×10〜1.3×10Paがさらに好ましく、1.0×10〜1.3×10Paが特に好ましい。前記引張弾性率が、1.5×10Pa未満であることにより、ある程度コシの弱い基材フィルムを使用することになり、ディスプレイ等の湾曲部や凹凸部に対して、追従しやすくするため、好ましい態様となる。なお、前記非ポリオレフィン系フィルムの引張弾性率が、1.5×10Pa以上であると、基材フィルムのコシが強くなり過ぎ、ディスプレイ等の湾曲部や凹凸部に対して、追従できない恐れがあり、好ましくない。
前記基材フィルムを構成する樹脂材料には、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、着色剤(顔料、染料等)等の各種添加剤が配合されていてもよい。例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、酸処理、アルカリ処理、下塗り剤の塗布等の、公知または慣用の表面処理が施されていてもよい。このような表面処理は、例えば、基材フィルムと粘着剤層との密着性(粘着剤層の投錨性)を高めるための処理であり得る。
前記基材フィルムとして、帯電防止処理がなされてなるポリエステルフィルムを使用することも可能である。帯電防止処理は、基材フィルムの粘着剤層と接する面、又は、基材フィルムの粘着剤層と接しない面のどちらの面に施されていても良い。前記基材フィルムを用いることにより、剥離した際の粘着シート(表面保護フィルム)自体の帯電が抑えられるため、好ましい。また、基材フィルムがポリエステルフィルムであり、前記ポリエステルフィルムに帯電防止処理を施すことにより、粘着シート(表面保護フィルム)自体の帯電を低減し、かつ、被着体への帯電防止能が優れるものが得られる。なお、帯電防止機能を付与する方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができ、例えば、帯電防止剤と樹脂成分から成る帯電防止性樹脂や導電性ポリマー、導電性物質を含有する導電性樹脂を塗布する方法や導電性物質を蒸着あるいはメッキする方法、また、帯電防止剤等を練り込む方法等があげられる。
前記基材フィルムの厚みとしては、通常5〜200μm、好ましくは8〜150μm程度、より好ましくは10〜100μm、更に好ましくは13〜100μm程度である。前記基材フィルムの厚みが、前記範囲内にあると、被着体への貼り合せ作業性と被着体からの剥離性や作業性に優れるため、好ましい。
<粘着剤層>
本発明の粘着シートは、基材フィルムの片面又は両面に粘着剤組成物から形成された粘着剤層を有することを特徴とする。本発明で用いられる粘着剤層は、粘着性を有する粘着性ポリマーを含有する粘着剤組成物から形成されるものであれば、特に制限なく使用できる。前記粘着剤組成物としては、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤等を使用することができ、中でも、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、及び、シリコーン系粘着剤からなる群より選択される少なくとも1種を使用(含有)するものが好ましく、特に好ましくは、前記粘着性ポリマーである(メタ)アクリル系ポリマーを使用するアクリル系粘着剤を使用することである。
<アクリル系粘着剤>
前記粘着剤層がアクリル系粘着剤を使用する場合、前記アクリル系粘着剤を構成する粘着性ポリマーである(メタ)アクリル系ポリマーは、これを構成する原料モノマーとして、炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを、主モノマーとして用いることができる。前記(メタ)アクリル系モノマーとしては、1種または2種以上を使用することができる。前記炭素数が1〜14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを用いることにより、被着体(被保護体)に対する剥離力(粘着力)を低く制御することが容易となり、軽剥離性や再剥離性に優れた粘着シート(表面保護フィルム)が得られる。なお、本発明における(メタ)アクリル系ポリマーとは、アクリル系ポリマーおよび/またはメタクリル系ポリマーをいい、また(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよび/またはメタクリレートをいう。
前記炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーの具体例としては、たとえば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、n−テトラデシル(メタ)アクリレートなどがあげられる。
なかでも、本発明の粘着シートを表面保護フィルムとして使用する場合は、特に、n−ブチル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、n−テトラデシル(メタ)アクリレートなどの炭素数4〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーが好適なものとしてあげられる。特に、炭素数4〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを用いることにより、被着体への剥離力(粘着力)を低く制御することが容易となり、再剥離性に優れたものとなる。
特に、前記(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量100重量%に対して、炭素数1〜14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを、40重量%以上含有することが好ましく、より好ましくは、45重量%以上、更に好ましくは、45〜99重量%、最も好ましくは50〜98重量%である。前記範囲を外れると、粘着剤組成物の適度な濡れ性や、粘着剤層の凝集力が劣ることになり、好ましくない。
また、前記(メタ)アクリル系ポリマーは、原料モノマーとして、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーを用いることができる。前記ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーとしては、1種または2種以上を使用することができる。前記ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーを用いることにより、粘着剤組成物の架橋などを制御しやすくなり、ひいては流動による濡れ性の改善と剥離における剥離力(粘着力)の低減とのバランスを制御しやすくなる。
前記ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーとしては、たとえば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチルアクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、などがあげられる。
前記(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量100重量%に対して、前記ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーを、20重量%以下含有することが好ましく、より好ましくは、0.1〜15重量%以下、更に好ましくは、1〜10重量%である。前記範囲内にあると、粘着剤組成物の濡れ性と、得られる粘着剤層の凝集力のバランスを制御しやすくなるため、好ましい。
また、その他の重合性モノマー成分として、粘着性能のバランスが取りやすい理由から、Tgが0℃以下(通常−100℃以上)になるようにして、(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度や剥離性を調整するための重合性モノマーなどを、本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。
また、前記(メタ)アクリル系ポリマーは、原料モノマーとして、カルボキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーを用いることができる。前記カルボキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーを用いることにより、粘着剤層(粘着シート、表面保護フィルム)の経時での粘着力の上昇を抑制することができ、再剥離性、粘着力上昇防止性、及び作業性に優れる。また、粘着剤層の凝集力と共に、せん断力にも優れ、好ましい。
前記カルボキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、カルボキシルエチル(メタ)アクリレート、カルボキシルペンチル(メタ)アクリレートなどがあげられる。特に、カルボキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーとして、アクリル酸を含有することによって、ガラス転移温度(Tg)が高くなり、凝集力を高めることができ、例えば、凹凸面や湾曲部の様な曲面に貼り合わせた場合、基材にコシがあるために反発するが、凝集力の高い粘着剤は変形しにくく、耐反発性に優れるため、好ましい。
前記(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量100重量%に対して、前記カルボキシル基含有(メタ)アクリル系モノマーを、20重量%以下であることが好ましく、1〜15重量%であることがより好ましく、2〜12重量%であることが更に好ましい。前記範囲内にあると、粘着剤組成物の濡れ性と、得られる粘着剤層の凝集力のバランスを制御しやすくなるため、好ましい。
更に、前記(メタ)アクリル系ポリマーは、前記原料モノマー以外のその他の重合性モノマーを、本発明の特性を損なわない範囲内であれば、特に限定することなく用いることができる。たとえば、前記その他の重合性モノマーとして、シアノ基含有モノマー、ビニルエステルモノマー、芳香族ビニルモノマーなどの凝集力・耐熱性向上成分や、アミド基含有モノマー、イミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、N−アクリロイルモルホリン、ビニルエーテルモノマーなどの剥離力(粘着力)の向上や架橋化基点として働く官能基を有する成分を適宜用いることができる。中でも、シアノ基含有モノマー、アミド基含有モノマー、イミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、及び、N−アクリロイルモルホリンなどの窒素含有モノマーを用いることが好ましい。窒素含有モノマーを用いることにより、浮きや剥がれなどが生じない適度な剥離力(粘着力)を確保でき、更にせん断力に優れた粘着シート(表面保護フィルム)を得ることができるため、有用である。これら重合性モノマーは、1種また2種以上を使用することができる。
前記シアノ基含有モノマーとしては、たとえば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルがあげられる。
前記アミド基含有モノマーとしては、たとえば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどがあげられる。
前記イミド基含有モノマーとしては、たとえば、シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、イタコンイミドなどがあげられる。
前記アミノ基含有モノマーとしては、たとえば、アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどがあげられる。
前記ビニルエステルモノマーとしては、たとえば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニルなどがあげられる。
前記芳香族ビニルモノマーとしては、たとえば、スチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレン、その他の置換スチレンなどがあげられる。
前記エポキシ基含有モノマーとしては、たとえば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどがあげられる。
前記ビニルエーテルモノマーとしては、たとえば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテルなどがあげられる。
本発明において、前記その他の重合性モノマーは、前記(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量100重量%に対して、0〜30重量%であることが好ましく、0〜10重量%であることがより好ましい。前記その他の重合性モノマーは所望の特性を得るために、適宜調節することができる。
前記(メタ)アクリル系ポリマーが、更に、モノマー成分としてアルキレンオキシド基含有反応性モノマーを含有してもよい。
また、前記アルキレンオキシド基含有反応性モノマーのオキシアルキレン単位の平均付加モル数としては、オキシアルキレン基含有化合物との相溶性の観点から、1〜40であることが好ましく、3〜40であることがより好ましく、4〜35であることがさらに好ましく、5〜30であることが特に好ましい。前記平均付加モル数が1以上の場合、被着体(被保護体)の汚染低減効果が効率よく得られる傾向がある。また、前記平均付加モル数が40より大きい場合、オキシアルキレン基含有化合物との相互作用が大きく、粘着剤組成物の粘度が上昇して塗工が困難となる傾向があるため好ましくない。なお、オキシアルキレン鎖の末端は、水酸基のままや、他の官能基などで置換されていてもよい。
前記アルキレンオキシド基含有反応性モノマーは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量は、前記(メタ)アクリル系ポリマーのモノマー成分全量中、0〜20重量%であることが好ましく、0〜10重量%であることがより好ましい。アルキレンオキシド基含有反応性モノマーの含有量が20重量%を超えると、被着体への汚染性が悪化するため、好ましくない。
前記アルキレンオキシド基含有反応性モノマーのオキシアルキレン単位としては、炭素数1〜6のアルキレン基を有するものがあげられ、たとえば、オキシメチレン基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基などがあげられる。オキシアルキレン鎖の炭化水素基は直鎖でもよく、分岐していてもよい。
また、前記アルキレンオキシド基含有反応性モノマーがエチレンオキシド基を有する反応性モノマーであることがより好ましい。エチレンオキシド基を有する反応性モノマー含有(メタ)アクリル系ポリマーをベースポリマーとして用いることにより、ベースポリマーとオキシアルキレン基含有化合物との相溶性が向上し、被着体へのブリードが好適に抑制され、低汚染性の粘着剤組成物が得られる。
前記アルキレンオキシド基含有反応性モノマーとしては、たとえば、(メタ)アクリル酸アルキレンオキシド付加物や、分子中にアクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基などの反応性置換基を有する反応性界面活性剤などがあげられる。
前記(メタ)アクリル酸アルキレンオキシド付加物の具体例としては、たとえば、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール−ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどがあげられる。
また、前記反応性界面活性剤の具体例としては、たとえば、(メタ)アクリロイル基またはアリル基を有するアニオン型反応性界面活性剤、ノニオン型反応性界面活性剤、カチオン型反応性界面活性剤などがあげられる。
前記(メタ)アクリル系ポリマーは、重量平均分子量(Mw)が10万〜200万が好ましく、より好ましくは20万〜150万、さらに好ましくは30万〜120万、特に好ましくは30万〜100万であり、最も好ましくは40万〜80万である。重量平均分子量が10万より小さい場合は、粘着剤層の凝集力が小さくなることにより糊残りを生じる傾向がある。一方、重量平均分子量が200万を超える場合は、ポリマーの流動性が低下し、被着体(例えば、偏光板)への濡れが不十分となり、被着体と粘着シート(表面保護フィルム)の粘着剤層との間に発生するフクレの原因となる傾向がある。なお、重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定して得られたものをいう。
また、前記(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、−60〜0℃が好ましく、より好ましくは−50〜−10℃である。ガラス転移温度が0℃より高い場合、ポリマーが流動しにくく、例えば、光学部材である偏光板への濡れが不十分となり、偏光板と粘着シート(表面保護フィルム)の粘着剤層との間に発生するフクレの原因となる傾向がある。ガラス転移温度(Tg)が−60℃より低い場合、粘着剤の凝集力が低くなり、例えば、湾曲や凹凸面の様な曲面に貼り合わせした場合、基材の反発力に負けて、粘着剤層が浮く傾向がある。前記ガラス転移温度(Tg)上記範囲に調整することで、濡れ性と凝集力のバランスのとれた粘着剤層が得られやすくなる。なお、(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度は、用いるモノマー成分や組成比を適宜変えることにより前記範囲内に調整することができる。
前記(メタ)アクリル系ポリマーの重合方法は、特に制限されるものではなく、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合などの公知の方法により重合できるが、特に作業性の観点や、被着体(被保護体)への低汚染性など特性面から、溶液重合がより好ましい態様である。また、得られるポリマーは、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体などいずれでもよい。
<ウレタン系粘着剤>
前記粘着剤層にウレタン系粘着剤を使用する場合、任意の適切なウレタン系粘着剤を採用し得る。このようなウレタン系粘着剤としては、好ましくは、ポリオールとポリイソシアネート化合物を反応させて得られる粘着性ポリマーであるウレタン系ポリマーからなるものが挙げられる。ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオールなどが挙げられる。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。
<シリコーン系粘着剤>
前記粘着剤層にシリコーン系粘着剤を使用する場合、任意の適切なシリコーン系粘着剤を採用し得る。このようなシリコーン系粘着剤としては、好ましくは、粘着性ポリマーであるシリコーン系ポリマーをブレンドまたは凝集させることにより得られるものを採用し得る。
また、前記シリコーン系粘着剤としては、付加反応硬化型シリコーン系粘着剤や過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤が挙げられる。これらのシリコーン系粘着剤の中でも、過酸化物(過酸化ベンゾイルなど)を使用せず、分解物が発生しないことから、付加反応硬化型シリコーン系粘着剤が好ましい。
前記付加反応硬化型シリコーン系粘着剤の硬化反応としては、例えば、ポリアルキルシリコーン系粘着剤を得る場合、一般的に、ポリアルキル水素シロキサン組成物を白金触媒により硬化させる方法が挙げられる。
<オキシアルキレン基含有化合物>
本発明で用いる粘着剤組成物は、オキシアルキレン基含有化合物を含有することも可能である。オキシアルキレン基含有化合物を含有することにより、更に軽剥離性を発現させることが可能である。オキシアルキレン基含有化合物としては、オキシアルキレン鎖を有するオルガノポリシロキサンやオルガノポリシロキサンを含まないオキシアルキレン基含有化合物が挙げられる。
前記オキシアルキレン鎖を有するオルガノポリシロキサンの具体例としては、主鎖にオキシアルキレン鎖を有するオルガノポリシロキサンの具体例として、たとえば、市販品として、商品名が、X−22−4952、X−22−4272、X−22−6266、KF−6004、KF−889(以上、信越化学工業社製)、BY16−201、SF8427(以上、東レ・ダウコーニング社製)、IM22(旭化成ワッカー社製)などがあげられる。また、側鎖にオキシアルキレン鎖を有するオルガノシロキサンとしては、たとえば、市販品としての商品名KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6022、X−22−6191、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017、X−22−2516(以上、信越化学工業社製)SF8428、FZ−2162、SH3749、FZ−77、L−7001、FZ−2104、FZ−2110、L−7002、FZ−2122、FZ−2164、FZ−2203、FZ−7001、SH8400、SH8700、SF8410、SF8422(以上、東レ・ダウコーニング社製)、TSF−4440、TSF−4441、TSF−4445、TSF−4450、TSF−4446、TSF−4452、TSF−4460(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製)、BYK−333、BYK−307、BYK−377、BYK−UV3500、BYK−UV3570(ビックケミー・ジャパン社製)などがあげられる。これらの化合物は、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
前記オルガノポリシロキサンを含まないオキシアルキレン基含有化合物の具体例としては、たとえば、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、ポリオキシアルキレンジアミン、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルアリルエーテル等の非イオン性界面活性剤;ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤;その他、ポリオキシアルキレン鎖(ポリアルキレンオキシド鎖)を有するカチオン性界面活性剤や両イオン性界面活性剤、ポリオキシアルキレン鎖を有するポリエーテル系化合物(およびその誘導体を含む)、ポリオキシアルキレン鎖を有するアクリル化合物(およびその誘導体を含む)等が挙げられる。また、ポリオキシアルキレン鎖含有モノマーを、ポリオキシアルキレン鎖含有化合物として配合してもよい。かかるポリオキシアルキレン鎖含有化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記ポリオキシアルキレン鎖を有するポリエーテル系化合物(ポリエーテル成分)の具体例としては、ポリプロピレングリコール(PPG)−ポリエチレングリコール(PEG)のブロック共重合体、PPG−PEG−PPGのブロック共重合体、PEG−PPG−PEGのブロック共重合体等が挙げられる。前記ポリオキシアルキレン鎖を有するポリエーテル系化合物の誘導体としては、末端がエーテル化されたオキシプロピレン基含有化合物(PPGモノアルキルエーテル、PEG−PPGモノアルキルエーテル等)、末端がアセチル化されたオキシプロピレン基含有化合物(末端アセチル化PPG等)、等が挙げられる。
また、前記ポリオキシアルキレン鎖を有するアクリル化合物の具体例としては、オキシアルキレン基を有する(メタ)アクリレート重合体が挙げられる。前記オキシアルキレン基としては、オキシアルキレン単位の付加モル数が、1〜50が好ましく、2〜30がより好ましく、2〜20がさらに好ましい。また、前記オキシアルキレン鎖の末端は、水酸基のままや、アルキル基、フェニル基等で置換されていてもよい。
前記オキシアルキレン基を有する(メタ)アクリレート重合体は、モノマー成分として、(メタ)アクリル酸アルキレンオキサイドを含む重合体であることが好ましく、前記(メタ)アクリル酸アルキレンオキサイドの具体例としては、エチレングリコール基含有(メタ)アクリレートとしては、たとえば、メトキシ−ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ−トリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどのメトキシ−ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート型、エトキシ−ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシ−トリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどのエトキシ−ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート型、ブトキシ−ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシ−トリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどのブトキシ−ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート型、フェノキシ−ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシ−トリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどのフェノキシ−ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート型、2−エチルヘキシル−ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノール−ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート型、メトキシ−ジプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどのメトキシ−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート型などがあげられる。
また、前記モノマー成分として、前記(メタ)アクリル酸アルキレンオキサイド以外のその他モノマー成分も用いることができる。その他モノマー成分の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、n−テトラデシル(メタ)アクリレートなどの炭素数1〜14のアルキル基を有すアクリレートおよび/またはメタクリレートが挙げられる。
さらに、前記(メタ)アクリル酸アルキレンオキサイド以外のその他モノマー成分として、カルボキシル基含有(メタ)アクリレート、リン酸基含有(メタ)アクリレート、シアノ基含有(メタ)アクリレート、ビニルエステル類、芳香族ビニル化合物、酸無水物基含有(メタ)アクリレート、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート、アミド基含有(メタ)アクリレート、アミノ基含有(メタ)アクリレート、エポキシ基含有(メタ)アクリレート、N−アクリロイルモルホリン、ビニルエーテル類等を、適宜用いることも可能である。
<架橋剤>
本発明の粘着シートは、前記粘着剤組成物が、架橋剤を含有することが好ましい。また、本発明においては、前記粘着剤組成物を用いて、粘着剤層とすることができる。例えば、前記粘着剤組成物が、前記(メタ)アクリル系ポリマーを含有するアクリル系粘着剤の場合、前記(メタ)アクリル系ポリマーの構成単位、構成比率、架橋剤の選択および添加比率等を適宜調節して架橋することにより、より耐熱性、及び、湾曲部や凹凸部の様な曲面への追従性に優れた粘着剤層(粘着シート、表面保護フィルム)を得ることができる。
本発明に用いられる架橋剤としては、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、メラミン系樹脂、アジリジン誘導体、および金属キレート化合物などを用いてもよく、特にエポキシ化合物の使用は、粘着剤の凝集力が高まり、好ましい態様となる。また、これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
前記イソシアネート化合物としては、たとえば、トリメチレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ダイマー酸ジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート類、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンなどの脂環族イソシアネート類、2,4−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)などの芳香族イソシアネート類、前記イソシアネート化合物をアロファネート結合、ビウレット結合、イソシアヌレート結合、ウレトジオン結合、ウレア結合、カルボジイミド結合、ウレトンイミン結合、オキサジアジントリオン結合などにより変性したポリイソシネート変性体が挙げられる。たとえば、市販品として、商品名タケネート300S、タケネート500、タケネート600、タケネートD165N、タケネートD178N(以上、三井化学社製)、スミジュールT80、スミジュールL、デスモジュールN3400(以上、住化バイエルウレタン社製)、ミリオネートMR、ミリオネートMT、コロネートL、コロネートHL、コロネートHX(以上、東ソー社製)などがあげられる。これらイソシアネート化合物は、単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよく、2官能のイソシアネート化合物と3官能以上のイソシアネート化合物を併用して用いることも可能である。架橋剤を併用して用いることにより粘着性と耐反発性(湾曲部や凹凸部の様な曲面に対する粘着性)を両立することが可能となり、より粘着信頼性に優れた粘着剤層(粘着シート、表面保護フィルム)を得ることができる。
前記エポキシ化合物としては、たとえば、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン(商品名TETRAD−X、三菱瓦斯化学社製)や1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン(商品名TETRAD−C、三菱瓦斯化学社製)などがあげられる。
前記メラミン系樹脂としてはヘキサメチロールメラミンなどがあげられる。アジリジン誘導体としては、たとえば、市販品としての商品名HDU、TAZM、TAZO(以上、相互薬工社製)などがあげられる。
前記金属キレート化合物としては、金属成分としてアルミニウム、鉄、スズ、チタン、ニッケルなど、キレート成分としてアセチレン、アセト酢酸メチル、乳酸エチルなどがあげられる。
本発明に用いられる架橋剤の含有量は、例えば、前記(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対して、0.01〜20重量部であることが好ましく、0.1〜18重量部であることがより好ましく、0.5〜15重量部であることがさらに好ましく、1〜12重量部であることが最も好ましい。前記含有量が0.01重量部よりも少ない場合、架橋剤による架橋形成が不十分となり、得られる粘着剤層の凝集力が小さくなって、十分な耐熱性が得られない場合もあり、また糊残りの原因となり、また、湾曲部や凹凸部の様な曲面への貼り合わせ時の耐反発性に劣る傾向がある。一方、含有量が20重量部を超える場合、ポリマーの凝集力が大きく、流動性が低下し、被着体(例えば、偏光板)への濡れが不十分となって、被着体と粘着剤層(粘着剤組成物層)との間に発生するフクレの原因となる傾向がある。また、前記範囲内で架橋剤を使用することにより、濡れ性と耐反発性のバランスがとれ、湾曲部や凹凸部に対しての追従性に優れた粘着剤層を得られやすくなり、好ましい態様となる。これらの架橋剤は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
<架橋触媒>
前記粘着剤組成物には、さらに、上述したいずれかの架橋反応をより効果的に進行させるための架橋触媒を含有させることができる。かかる架橋触媒として、例えば、ジラウリン酸ジブチルスズ、ジラウリン酸ジオクチルスズなどのスズ系触媒、トリス(アセチルアセトナト)鉄、トリス(ヘキサン−2,4−ジオナト)鉄、トリス(ヘプタン−2,4−ジオナト)鉄、トリス(ヘプタン−3,5−ジオナト)鉄、トリス(5−メチルヘキサン−2,4−ジオナト)鉄、トリス(オクタン−2,4−ジオナト)鉄、トリス(6−メチルヘプタン−2,4−ジオナト)鉄、トリス(2,6−ジメチルヘプタン−3,5−ジオナト)鉄、トリス(ノナン−2,4−ジオナト)鉄、トリス(ノナン−4,6−ジオナト)鉄、トリス(2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオナト)鉄、トリス(トリデカン−6,8−ジオナト)鉄、トリス(1−フェニルブタン−1,3−ジオナト)鉄、トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)鉄、トリス(アセト酢酸エチル)鉄、トリス(アセト酢酸−n−プロピル)鉄、トリス(アセト酢酸イソプロピル)鉄、トリス(アセト酢酸−n−ブチル)鉄、トリス(アセト酢酸−sec−ブチル)鉄、トリス(アセト酢酸−tert−ブチル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸メチル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸エチル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸−n−プロピル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸イソプロピル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸−n−ブチル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸−sec−ブチル)鉄、トリス(プロピオニル酢酸−tert−ブチル)鉄、トリス(アセト酢酸ベンジル)鉄、トリス(マロン酸ジメチル)鉄、トリス(マロン酸ジエチル)鉄、トリメトキシ鉄、トリエトキシ鉄、トリイソプロポキシ鉄、塩化第二鉄などの鉄系触媒を用いることができる。これら架橋触媒は、1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
前記架橋触媒の含有量は、特に制限されないが、例えば、前記(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対して、およそ0.0001〜1重量部とすることが好ましく、0.001〜0.5重量部がより好ましい。前記範囲内にあると、粘着剤層を形成した際に架橋反応の速度が速く、粘着剤組成物のポットライフも長くなり、好ましい態様となる。
さらに、前記粘着剤組成物には、その他の公知の添加剤を含有していてもよく、たとえば、滑剤、着色剤、顔料などの粉体、可塑剤、粘着付与剤、低分子量ポリマー、表面潤滑剤、レベリング剤、酸化防止剤、腐食防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、シランカップリンング剤、帯電防止剤、無機または有機の充填剤、金属粉、粒子状、箔状物などを使用する用途に応じて適宜添加することができる。
<粘着シート(表面保護フィルム)>
本発明の粘着シート(表面保護フィルム)は、基材フィルムの片面又は両面に粘着剤組成物から形成された粘着剤層を有することを特徴とするものであるが、その際、粘着剤組成物の架橋は、粘着剤組成物の塗布後に行うのが一般的であるが、架橋後の粘着剤組成物からなる粘着剤層を基材フィルムなどに転写することも可能である。
また、基材フィルム上に粘着剤層を形成する方法は特に問わないが、たとえば、前記粘着剤組成物(溶液)を基材フィルムに塗布し、重合溶剤などを乾燥除去して粘着剤層を基材フィルム上に形成することにより作製される。その後、粘着剤層の成分移行の調整や架橋反応の調整などを目的として養生をおこなってもよい。また、粘着剤組成物を基材フィルム上に塗布して粘着シートを作製する際には、基材フィルム上に均一に塗布できるよう、前記粘着剤組成物中に重合溶剤以外の一種以上の溶剤を新たに加えてもよい。
また、本発明の粘着シートを製造する際の粘着剤層の形成方法としては、粘着テープ類の製造に用いられる公知の方法が用いられる。具体的には、たとえば、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、エアーナイフコート法、ダイコーターなどによる押出しコート法などがあげられる。
本発明の粘着シートは、通常、前記粘着剤層の厚みが3〜100μm、好ましくは5〜30μm程度となるように作製する。粘着剤層の厚みが、前記範囲内にあると、適度な再剥離性と粘着性のバランスを得やすいため、好ましい。
また、本発明の粘着シートは、総厚みが、8〜300μmであることが好ましく、10〜200μmであることがより好ましく、20〜100μmであることが最も好ましい。前記範囲内であると、粘着特性(再剥離性、粘着性など)、作業性、外観特性に優れ、好ましい態様となる。なお、前記総厚みとは、基材フィルム、粘着剤層、セパレータ、及び、その他の層などの全ての層を含む厚みの合計を意味する。
<セパレータ>
ここに開示される粘着シートは、粘着面を保護する目的で粘着剤層表面にセパレータ(剥離ライナー)が貼り合わされた粘着製品の形態をとり得る。したがって、この明細書により、ここに開示されるいずれかの粘着シートと、該粘着シートの粘着面を保護するセパレータとを含むセパレータ付き粘着シート(粘着製品)が提供され得る。
セパレータとしては、特に限定されず、例えば、樹脂フィルムや紙(ポリエチレン等の樹脂がラミネートされた紙であり得る。)等の基材の表面に剥離層を有するセパレータや、フッ素系ポリマー(ポリテトラフルオロエチレン等)やポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)のような低接着性材料により形成された樹脂フルムからなるセパレータ等を用いることができる。表面平滑性に優れることから、基材としての樹脂フィルムの表面に剥離層を有するセパレータや、低接着性材料により形成された樹脂フィルムからなるセパレータを好ましく採用し得る。樹脂フィルムとしては、粘着剤層を保護し得るフィルムであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエステルフィルム(PETフィルム、PBTフィルム等)、ポリウレタンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムなどが挙げられる。上記剥離層の形成には、例えば、シリコーン系剥離処理剤、長鎖アルキル系剥離処理剤、オレフィン系剥離処理剤、フッ素系剥離処理剤、脂肪酸アミド系剥離処理剤、硫化モリブデン、シリカ粉等の、公知の剥離処理剤を用いることができる。シリコーン系剥離処理剤の使用が特に好ましい。剥離処理剤の厚さは、特に制限されないが、通常、0.01〜1μm程度が適当であり、0.1〜1μm程度が好ましい。
セパレータの厚さは、特に限定されないが、通常は5〜200μm程度(例えば10〜100μm程度、好ましくは20〜80μm程度)が適当である。セパレータの厚さが上記範囲内にあると、粘着剤層への貼り合わせ作業性と粘着剤層からの剥離作業性に優れるため、好ましい。
前記セパレータ用の基材には、必要に応じて、その表面をコロナ放電処理などの各種表面処理を施したり、エンボス加工などの各種表面加工を施したりすることができる。また、必要に応じて、充填剤(無機充填剤、有機充填剤など)、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤、着色剤(顔料、染料など)等の各種添加剤が配合されていてもよい。
前記セパレータの剥離処理剤面、もしくは、剥離処理剤が施されていない面に、帯電防止処理が施されていても良い。
ここに開示される粘着シート(表面保護フィルム)は、基材フィルム、粘着剤層、及び、セパレータに加えて、さらに他の層を含む態様でも実施され得る。前記他の層としては、帯電防止層や粘着剤層の投錨性を高める下塗り層(アンカー層)などが挙げられる。
本発明の粘着シートは、前記粘着シートを幅50mm、長さ100mmに切断し、長さ方向に50mmはみ出るように水平な台に固定したときの垂直下垂距離Lが、30mm以上であり、前記粘着剤層表面をガラスに貼り合せ、90度方向に剥離速度1mm/minで引っ張った際の剥離力(低速剥離力)が、3.0gf/50mm以上であることを特徴とする。前記垂直下垂距離Lが、30mm以上とすることで、基材フィルムとしてコシが弱いものを使用することになるため、湾曲部や凹凸部の様な曲面に貼り合わせた際に、基材フィルムの反発が弱く、追従性が良好となり好ましい。また、低速剥離力が大きいほど、粘着剤の凝集力が高いため、湾曲部や凹凸部の様な曲面に貼り合わせた際の耐反発性に優れ、曲面への粘着性に優れる。特に、前記低速剥離力を3.0gf/50mm以上とすることで、湾曲部や凹凸部の様な曲面に貼り合わせても、浮きが生じず、密着できる様態となり、好ましい。また、前記垂直下垂距離Lが、32mm以上であることが好ましく、32〜50mmであることがより好ましく、34〜49mmであることがさらに好ましい。また、前記剥離力としては、4gf/50mm以上であることが好ましく、6〜30gf/50mmであることがより好ましく、8〜15gf/50mmであることがさらに好ましい。前記剥離力の上限値が30gf/50mm以下であることにより、剥離力(粘着力)が高くなり過ぎず、再剥離性に優れ、好ましい態様となる。
<光学部材>
本発明の光学部材は、前記粘着シートにより保護されることが好ましい。本発明において、前記粘着シート(表面保護フィルム)の粘着剤層の表面を光学部材に貼付し、光学部材を保護することができる。また、湾曲部や凹凸部への追従性が良好なため、湾曲部や凹凸部を有する光学部材の表面を保護するために、有用である。
<表示装置>
本発明の表示装置は、前記粘着シートにより保護されることが好ましい。本発明において、前記粘着シート(表面保護フィルム)の粘着剤層の表面を、表示装置や表示装置を構成するディスプレイ(画面)の表面に貼付し、表示装置やディスプレイを保護することができる。また、湾曲部や凹凸部への追従性が良好なため、湾曲部や凹凸部を有する表示装置やディスプレイの表面を保護するために、有用である。
以下、本発明に関連するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。なお、以下の説明中の「部」および「%」は、特に断りがない限り重量基準である。また、表中の配合量(添加量)を示した。また、測定(評価)において、特に、測定条件(温度、湿度、時間)を明記していない場合は、23℃×50%RHで30分間静置した後に測定(評価)した。
また、以下の説明中の各特性は、それぞれ次のようにして、測定及び評価した。
<(メタ)アクリル系ポリマーガラス転移温度(Tg)の測定>
ガラス転移温度(Tg)(℃)は、各モノマーによるホモポリマーのガラス転移温度Tgn(℃)として、下記の文献値を用い、下記の式により求めた。
式:1/(Tg+273)=Σ[Wn/(Tgn+273)]
(式中、Tg(℃)は共重合体のガラス転移温度、Wn(−)は各モノマーの重量分率、Tgn(℃)は各モノマーによるホモポリマーのガラス転移温度、nは各モノマーの種類を表す。)
文献値:
2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA):−70℃
ブチルアクリレート(BA):−55℃
酢酸ビニル(VAc):32℃
2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA):−15℃
アクリル酸(AA):106℃
なお、文献値として「アクリル樹脂の合成・設計と新用途開発」(中央経営開発センター出版部発行)を参照した。
<(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)の測定>
使用する(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、東ソー株式会社製GPC装置(HLC−8220GPC)を用いて測定を行った。測定条件は下記の通りである。
サンプル濃度:0.2重量%(THF溶液)
サンプル注入量:10μl
溶離液:THF
流速:0.6ml/min
測定温度:40℃
カラム:
サンプルカラム;TSKguardcolumn SuperHZ−H(1本)+TSKgel SuperHZM−H(2本)
リファレンスカラム;TSKgel SuperH−RC(1本)
検出器:示差屈折計(RI)
なお、重量平均分子量はポリスチレン換算値にて求めた。
<基材フィルムの引張弾性率>
各種基材フィルムを、幅15mm、長さ50mmに切り出してサンプルとし、このサンプルに対して、23℃×50%RHの環境下で、チャック間距離20mm、引張速度100mm/minで引張試験(島津製作所製、引張試験機 オートグラフAG−20kNX)を行い、当該サンプルが伸長したことによるその変化量(mm)を測定した。これにより、得られたS−S(Strain-Strength)曲線において、その初期の立ち上がりの部分に接線を引き、その接線が100%の伸びに相当するときの引張強度を各基材フィルムの断面積で除し、得られた値を引張弾性率(Pa)とした。
<粘着シートの曲げ応力>
各種粘着シートを、幅6mm、長さ50mmに切り出してサンプルとし、このサンプルを支点間距離25mmの3点曲げ冶具の上に置き、23℃×50%RHの環境下で、押し込み速度0.5mm/secで押し込み試験(TA Instruments社製、動的粘弾性計測装置 RSA−III)を行い、当該サンプルを5mm押し込んだときの荷重(g)を粘着シートの曲げ応力として測定(評価)した。
本発明の粘着シートは、前記粘着シートの曲げ応力(荷重)としては、好ましくは、0.01〜0.20gであり、より好ましくは、0.03〜0.18gであり、更に好ましくは、0.05〜0.15gである。前記粘着シートの曲げ応力(荷重)が前記範囲内であることにより、粘着シートのコシが強すぎず、追従性が良好となり、好ましい態様となる。なお、曲げ応力(荷重)が0.20gを超えると、コシが強くなりすぎ、追従性の低下につながるため、好ましくない。
<粘着シートの垂直下垂距離L>
図1に示すように、23℃×50%RHの環境下に30分間放置した後、得られた粘着シート1を幅50mm、長さ100mmに切断し、長さ方向に50mmはみ出るように水平な固定台3に粘着シートを構成する粘着剤層表面を貼り付け、粘着シートの上に100gの重り2を置いて動かないように固定した。その後、粘着シートの厚み方向から粘着シートの高さに目線を合わせ、定規を用いて垂直下垂距離L(mm)を測定した。測定は、23℃×50%RHの環境下で行った。前記垂直下垂距離Lが、30mm以上であることで、基材フィルムとしてコシが弱いものを使用することになり、湾曲部や凹凸部の様な曲面に貼り合わせた際に、基材フィルムの反発が弱く、追従性が良好となり好ましい。
<低速剥離力の測定>
得られた粘着シートを幅50mm、長さ100mmにカットし、被着体であるガラス(松浪硝子工業社製、青板縁磨品(OF1))に0.25MPa、0.3m/minの速度で粘着シートを構成する粘着剤層表面を貼り合わせ、評価サンプルを作製した。貼り合わせ後、23℃×50%RHの環境下に30分間放置した後、引張試験機(ミネベア社製 引張圧縮試験機 TCM−1kNB)にて引張速度1mm/min(低速)、剥離角度90度にて剥離力(gf/50mm)を測定した。測定は、23℃×50%RHの環境下で行った。前記低速粘着力が3.0gf/50mm以上であることで、湾曲部や凹凸部の様な曲面に貼り合わせても浮きが生じず、密着できる様態となる。
<湾曲部への追従性>
長辺120mm、短辺65mm、厚み0.55mmで、端部が曲率半径R=5mmで高さ方向に2mm湾曲(下向き)している湾曲ガラス(日本板硝子社製)を用いて、湾曲部への追従性の評価を行った。
まず、得られた粘着シートを湾曲ガラスと同じ大きさに切り出しサンプルとした後、23℃×50%RHの環境下にて、当該サンプルをハンドローラーにて貼りつけ、湾曲ガラスの湾曲部分まで密着するか、目視にて観察し、以下の基準で評価した。
(評価基準)
○:湾曲部で浮きが生じず貼り合せできた場合。
×:湾曲部で浮きが生じた場合。
<外観(凹み・ゲル物の有無)>
得られた粘着シートを構成する基材フィルムの表面を目視にて観察するため、得られた粘着シートの縦10cm×横10cmの観察範囲内の欠点(凹み及びゲル物)の個数を測定し、以下の基準で評価した。
欠点個数が0〜50個:外観が良好である(○)。
欠点個数が51個以上:外観が悪い(×)。
<(メタ)アクリル系ポリマー(A)の調整>
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つロフラスコに、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)54重量部、酢酸ビニル(VAc)43重量部、アクリル酸(AA)3重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部、トルエン186量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を63℃付近に保って約4時間重合反応を行い、(メタ)アクリル系ポリマー(A)溶液(約35重量%)を調製した。前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)の重量平均分子量(Mw)は47万であり、ガラス転移温度(Tg)は−21℃であった。
<(メタ)アクリル系ポリマー(B)の調製>
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つ口フラスコに、ブチルアクリレート(BA)95重量部、アクリル酸(AA)5重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部、酢酸エチル234重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を65℃付近に保って6時間重合反応を行い、(メタ)アクリル系ポリマー(B)溶液(約30重量%)を調製した。前記(メタ)アクリル系ポリマー(B)の重量平均分子量(Mw)は、60万であり、ガラス転移温度(Tg)は、−47℃であった。
<(メタ)アクリル系ポリマー(C)の調整>
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つ口フラスコに、ブチルアクリレート(BA)90重量部、アクリル酸(AA)10重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部、酢酸エチル234重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を65℃付近に保って6時間重合反応を行い、(メタ)アクリル系ポリマー(C)溶液(約30重量%)を調製した。前記(メタ)アクリル系ポリマー(C)の重量平均分子量(Mw)は、61万であり、ガラス転移温度(Tg)は、−40℃であった。
<(メタ)アクリル系ポリマー(D)の調製>
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つロフラスコに、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)96重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)4重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部、酢酸エチル205重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を63℃付近に保って約4時間重合反応を行い、(メタ)アクリル系ポリマー(D)溶液(約35重量%)を調製した。前記(メタ)アクリル系ポリマー(D)の重量平均分子量(Mw)は65万であり、ガラス転移温度(Tg)は−68℃であった。
〔アクリル系粘着剤(1)溶液の調製〕
上記(メタ)アクリル系ポリマー(A)溶液(約35重量%)の固形分100重量部に、架橋剤として、エポキシ系架橋剤(1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、エポキシ当量:110、官能基数:4、商品名「TETRAD−C」:T/C、三菱ガス化学社製)2重量部を加えて、25℃付近に保って約1分間混合攪拌を行い、アクリル系粘着剤(1)溶液を調製した。
〔アクリル系粘着剤(2)溶液の調製〕
上記(メタ)アクリル系ポリマー(A)溶液(35重量%)の固形分100重量部に、架橋剤として、エポキシ系架橋剤(1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、エポキシ当量:110、官能基数:4、商品名「TETRAD−C」:T/C、三菱ガス化学社製)10重量部を加えて、25℃付近に保って約1分間混合攪拌を行い、アクリル系粘着剤(2)溶液を調製した。
〔アクリル系粘着剤(3)溶液の調製〕
上記(メタ)アクリル系ポリマー(B)溶液(30重量%)の固形分100重量部に、架橋剤として、エポキシ系架橋剤(1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、エポキシ当量:110、官能基数:4、商品名「TETRAD−C」:T/C、三菱ガス化学社製)6重量部を加えて、25℃付近に保って約1分間混合攪拌を行い、アクリル系粘着剤(3)溶液を調製した。
〔アクリル系粘着剤(4)溶液の調製〕
上記(メタ)アクリル系ポリマー(C)溶液(30重量%)の固形分100重量部に、架橋剤として、エポキシ系架橋剤(1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、エポキシ当量:110、官能基数:4、商品名「TETRAD−C」:T/C、三菱ガス化学社製)11重量部を加えて、25℃付近に保って約1分間混合攪拌を行い、アクリル系粘着剤(4)溶液を調製した。
〔アクリル系粘着剤(5)溶液の調製〕
上記(メタ)アクリル系ポリマー(D)溶液(30重量%)の固形分100重量部に、架橋剤として、イソシアネート系架橋剤(トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物、商品名「コロネートL」:C/L、東ソー社製)4重量部、架橋触媒として、ジラウリン酸ジブチルスズ(東京ファインケミカル社製、商品名:エンビライザーOL−1、表3中の「Sn」、0.5重量%酢酸エチル溶液):0.015重量部を加えて、25℃付近に保って約1分間混合攪拌を行い、アクリル系粘着剤(5)溶液を調製した。
〔ウレタン系粘着剤(6)溶液の調製〕
ポリオールとして、ヒドロキシル基を3個有するポリオールであるプレミノールS3011(旭硝子社製、Mn=10000)100重量部、架橋剤として、3官能イソシアネート化合物であるヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト体(コロネートHL:C/HL、東ソー社製)7.4重量部、触媒として、鉄(III)アセチルアセトナート(トリス(アセチルアセトナト)鉄、表4中の「Fe」、東京化成工業社製)0.12重量部、酸化防止剤としてIrganox1010(BASF社製)0.5重量部、希釈溶剤として酢酸エチル210重量部を加えて、25℃付近に保って約1分間混合攪拌を行い、ウレタン系粘着剤(6)溶液を得た。
〔シリコーン系粘着剤(7)溶液の調製〕
シリコーン系粘着剤として、シリコーン系ポリマーであるSD4587 L PSA (固形分40重量%、東レ・ダウコーニング社製)を固形分で100重量部、触媒として、NX−35 Catalyst(東レ・ダウコーニング社製)0.5重量部、希釈溶剤としてトルエン100重量部を加えて、25℃付近に保って約1分間混合攪拌を行い、シリコーン系粘着剤(7)溶液を得た。
<実施例1>
上記アクリル系粘着剤溶液(1)を、基材フィルムI(ポリエチレンテレフタラート、厚み;19μm、引張弾性率:1.2×10Pa、商品名:ダイアホイルT100−19B:三菱ケミカル社製)に塗布し、130℃で2分間加熱して、厚さ10μmの粘着剤層を形成し、粘着シートを作製した。
<実施例2〜4>
表6に示すように、実施例1で用いたアクリル系粘着剤(1)溶液の代わりに、アクリル系粘着剤(2)〜(4)溶液を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、粘着シートを作製した。
<実施例5>
表6に示すように、実施例1で用いた基材フィルムの代わりに、基材フィルムII(ポリエチレンテレフタラート、厚み;12μm、引張弾性率:1.0×10Pa、商品名:ルミラー#12S10:東レ社製)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、加熱条件等や得られる粘着剤層の厚みを調整した粘着シートを作製した。
<実施例6>
表6に示すように、実施例1で用いた基材フィルムの代わりに、基材フィルムIII(ポリエチレンテレフタラート、厚み;25μm、引張弾性率:7.0×10Pa、商品名:ESR:大蔵工業社製)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、加熱条件等や得られる粘着剤層の厚みを調整した粘着シートを作製した。
<実施例7及び8>
表6に示すように、実施例1で用いたアクリル系粘着剤(1)溶液の代わりに、ウレタン系粘着剤(6)溶液、又は、シリコーン系粘着剤(7)溶液を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、加熱条件等や得られる粘着剤層の厚みを調整した粘着シートを作製した。
<比較例1>
表6に示すように、実施例1で用いた基材フィルムの代わりに、基材フィルムIV(ポリエチレンテレフタラート、厚み;38μm、引張弾性率:2.0×10Pa、商品名:ダイアホイルT100C−38:三菱ケミカル社製)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、加熱条件等や得られる粘着剤層の厚みを調整した粘着シートを作製した。
<比較例2>
シリコーン系離形処理が塗布された38μmのポリエチレンテレフタラートフィルムに、アクリル系粘着剤(1)溶液を塗布し、130℃で2分間乾燥させ、粘着剤層を得た。その後、基材フィルムV(無延伸ポリプロピレン、厚み;40μm、引張弾性率:4.5×10Pa、商品名:MK−12:サン・トックス社製)に得られた粘着剤層を貼り合せ(転写し)、粘着シートを得た。
<比較例3>
表6に示すように、実施例1で用いたアクリル系粘着剤(1)溶液の代わりに、アクリル系粘着剤(5)溶液を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、加熱条件等や得られる粘着剤層の厚みを調整した粘着シートを作製した。
実施例及び比較例に係る粘着シートつき、上述した配合内容、各種測定および評価を行った結果を、表1〜表6に示した。なお、表中の配合量は有効成分を示す。また、粘着剤層の厚みは、実施例1と同様に、実施例及び比較例のすべてが、10μmになるように調製した。
Figure 2019137831
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上記表6より、全ての実施例において、粘着シートの垂直下垂距離Lは30mm以上であり、低速剥離力も所望の範囲に含まれ、粘着シートの曲げ応力や湾曲部(曲面)への追従性も良好であることが確認できた。併せて基材フィルムの外観も良好であった。
一方、比較例1では、垂直下垂距離Lが30mm未満となり、粘着シートの曲げ応力も劣り、湾曲部への追従性が悪化した。比較例2では、ポリオレフィン系フィルムである無延伸ポリプロピレンフィルムを使用したため、外観不良が確認された。比較例3では、垂直下垂距離Lは30mm以上であったが、低速剥離力が3.0gf/50mm未満であり、湾曲部への追従性が不良であることが確認された。
ここに開示される粘着シートは、液晶ディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネル(PDP)、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ等の構成要素として用いられる光学部材、光学部材を含む表示装置などの製造時、搬送時等に該光学部材を保護するための表面保護フィルムとして好適である。
1:粘着シート(表面保護フィルム)
2:重り
3:固定台
L:垂直下垂距離

Claims (6)

  1. 基材フィルムの片面又は両面に粘着剤組成物から形成された粘着剤層を有する粘着シートにおいて、
    前記基材フィルムが、非ポリオレフィン系フィルムであり、
    前記粘着シートを幅50mm、長さ100mmに切断し、長さ方向に50mmはみ出るように、水平な台に固定したときの、垂直下垂距離Lが、30mm以上であり、
    前記粘着剤層表面をガラスに貼り合せ、90度方向に剥離速度1mm/minで引っ張った際の剥離力が、3.0gf/50mm以上であることを特徴とする粘着シート。
  2. 前記粘着剤層が、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、及び、シリコーン系粘着剤から選択される少なくとも1種を含有する粘着剤組成物から形成されることを特徴とする請求項1に記載の粘着シート。
  3. 前記非ポリオレフィン系フィルムの引張弾性率が、1.5×10Pa未満であることを特徴とする請求項1又は2に粘着シート。
  4. 前記非ポリオレフィン系フィルムが、ポリエステルフィルムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の粘着シート。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の粘着シートにより保護されることを特徴とする光学部材。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の粘着シートにより保護されることを特徴とする表示装置。
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