JPH08302223A - 新規フタロシアニン化合物及びそれを用いた電子写真感光体 - Google Patents
新規フタロシアニン化合物及びそれを用いた電子写真感光体Info
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- JPH08302223A JPH08302223A JP10569495A JP10569495A JPH08302223A JP H08302223 A JPH08302223 A JP H08302223A JP 10569495 A JP10569495 A JP 10569495A JP 10569495 A JP10569495 A JP 10569495A JP H08302223 A JPH08302223 A JP H08302223A
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Abstract
シアン化合物を得る。帯電性、及び電荷保持能の高い電
子写真感光体を得る。 【構成】オキシチタニウムフタロシアニンと、o,o'-ビ
フェノールとを反応させて得た新規フタロシアニン化合
物。アルミニウム蒸着ポリエステルフィルム上に、それ
を電荷発生物質として用いた電荷発生層を設け、その上
にさらに電荷輸送層を設けて電子写真感光体を得た。 【効果】従来よりもより長波長領域に新たな吸収を発現
するフタロシアニン化合物が得られ、近赤外光源により
充分に対応できた。それを電荷発生物質として用いる
と、優れた帯電性、及び優れた電荷保持率を有する、実
用上極めて有用な電子写真感光体が得られた。
Description
化合物、及び、例えば複写機、LDプリンタ、LEDプ
リンタ等に使用される電子写真感光体に関する。
くから知られてきたが、近年、電子工業の発達に伴い、
長波長の近赤外光源に感応する材料としても注目されて
いる。
した、半導体レーザーや発光ダイオード(LED)に代
表される800nm付近の長波長の光源を利用した複写
機、LDプリンタ、LEDプリンタ等の電子写真感光体
の開発が盛んに行われている。
ardcopy ’92”予稿集第153〜156頁に
は、“ジオール化合物を含有するチタニルフタロシアニ
ン結晶の生成と特性”と題した講演要旨、1993年電
子写真学会国際会議“Japan Hardcopy
’93”予稿集第659〜662頁には、“SYNT
HESES AND PROPERTIES OF T
ITANYL PHTHALOCYANINE NEW
POLYMORPHS”と題した講演要旨、及び、特
開平5−273776号には、例えば3−メチルカテコ
ール等の芳香族隣接ジオール化合物と、オキシチタニウ
ムフタロシアニンとは付加物を生成することが記載され
ており、それ等付加物が電子写真感光体等に使用しうる
可能性を示唆している。
及び/または置換の隣接ヒドロキシ基を持つ芳香族化合
物(カテコール類)とオキシチタニウムフタロシアニン
との付加物を用いた電子写真感光体の感度特性は充分な
ものではなく、特に帯電性が低いという欠点があった。
に鑑みて鋭意検討したところ、特定構造を有する芳香族
化合物とオキシチタニウムフタロシアニン化合物とが、
新規な反応生成物を与え、それが従来の類似化合物に無
い、より長波長領域に新たな吸収を発現し、従来の類似
化合物に比べて近赤外光源により充分に対応できること
を見い出し、然るに、該反応生成物を用いた電子写真感
光体の感度特性が優れ、特に帯電性に優れることを見い
出し、本発明を完成するに至った。
れぞれ独立に無置換及び/または置換の芳香環基を表
し、Pcは無置換及び/または置換のフタロシアニン残
基を表す。)で表されるフタロシアニン化合物、及びビ
ス(ヒドロキシアリール)化合物とオキシチタニウムフ
タロシアニン化合物の反応生成物であるフタロシニン化
合物、更に、これらを用いることを特徴とする電子写真
感光体を提供するものである。
それを用いた電子写真感光体について詳細に説明する。
下記式(3)
れぞれ独立に無置換及び/または置換の芳香環基を表
す。)で表される環状ビスアリーラートチタニウムが、
フタロシアニン残基の中心の2つの窒素原子に結合した
構造を有することを特徴とする。
基Ar1及びAr2はそれぞれ独立に無置換、あるいは置
換されていてもよく、その置換基としては、例えば、塩
素、臭素等のハロゲン原子、あるいはメチル基、エチル
基、t−ブチル基等のアルキル基、あるいはメトキシ
基、エトキシ基等のアルコキシ基、無置換もしくは置換
の、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、無置換も
しくは置換の、ピリジル基等の複素環基、無置換もしく
は置換のアミノ基、無置換もしくは置換のチオール基等
の各種官能基等を挙げることができ、導入し得る置換基
数、及び置換位置は可能な限り任意に選択することがで
きる。更には、Ar1及びAr2の置換基で環状構造を形
成しても良い。また、ここで、芳香環基の芳香環とは、
例えば、ベンゼン環、ナフタレン環等の炭化水素系芳香
環を挙げることができ、また、ピリジン環等の複素環で
あっても良い。
(4)
アニン化合物の場合では、フタロシアニン残基のベンゼ
ン環の水素原子が無置換、あるいは置換されていてもよ
く、その置換基としては塩素、臭素等のハロゲン原子、
あるいはメチル基、エチル基等のアルキル基、あるいは
メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基等を挙げるこ
とができる。また、ナフタロシアニン化合物の如き環拡
張型フタロシアニン誘導体であっても構わない。
化合物の構造式の具体例としては、例えば以下のものを
例示することができる。尚、例示式中、Meはメチル基
を、Etはエチル基を、n-Prは直鎖プロピル基を、is
o-Prはイソプロピル基を、t−Buはターシャリーブ
チル基を、Phはフェニル基を、Tolはトリル基を、
Pcは置換もしくは無置換のフタロシアニン残基を、そ
れぞれ表す。また、()内の番号は本発明のフタロシア
ニン化合物の例示No.を表すが、本発明のフタロシア
ニン化合物がこれによって限定されるものではない。
の、オキシチタニウムフタロシアニン化合物との反応で
好ましく使用することのできる、ビス(ヒドロキシアリ
ール) 化合物は、少なくとも1つ以上のヒドロキシ基を持つ芳
香環基が結合した形態であればいづれでも良く、例えば
下記式(2)
れぞれ独立に無置換及び/または置換の芳香環基を表
す。)で表すことができる。
れぞれ独立に無置換、あるいは置換されていてもよく、
その置換基としては、例えば、塩素、臭素等のハロゲン
原子、あるいはメチル基、エチル基、t−ブチル基等の
アルキル基、あるいはメトキシ基、エトキシ基等のアル
コキシ基、無置換もしくは置換の、フェニル基、ナフチ
ル基等のアリール基、無置換もしくは置換の、ピリジル
基等の複素環基、無置換もしくは置換のアミノ基、無置
換もしくは置換のチオール基等の各種官能基等を挙げる
ことができ、導入し得る置換基数、及び置換位置は可能
な限り任意に選択することができる。更には、Ar1及
びAr2の置換基で環状構造を形成しても良い。また、
ここで、芳香環基の芳香環としては、例えば、ベンゼン
環、ナフタレン環等の炭化水素系芳香環を挙げることが
でき、また、ピリジン環等の複素芳香環であっても良
い。
のものを例示することができる。尚、例示式中、Meは
メチル基を、Etはエチル基を、n−Prは直鎖プロピ
ル基を、iso−Prはイソプロピル基を、t−Buは
ターシャリーブチル基を、Phはフェニル基を、Tol
はトリル基を、それぞれ表す。また、( )内の番号は
本発明のフタロシアニン化合物を得るための、オキシチ
タニウムフタロシアニン化合物との反応で好ましく使用
することのできる、ビス(ヒドロキシアリール)化合物
の例示No.を表すが、本発明のフタロシアニン化合物
を得るための、オキシチタニウムフタロシアニン化合物
との反応で好ましく使用することのできる、ビス(ヒド
ロキシアリール)化合物がこれによって限定されるもの
ではない。これらは、単独でも二種以上の併用でもかま
わない。
に好ましく使用することのできるオキシチタニウムフタ
ロシアニン化合物としては、本発明の効果を損なわない
限りにおいて、置換及び/又は無置換のフタロシアニン
残基中心にオキシチタニウムを持つものであれば良く、
また本発明の効果を損なわない限りにおいて、これらが
いかなる結晶型であってもかまわない。その例として、
α型、β型、α、β混合型、γ型、Y型、非晶質型等の
結晶型の置換及び/又は無置換オキシチタニウムフタロ
シアニン化合物を挙げることができる。また、オキシチ
タニウムナフタロシアニン化合物の如き環拡張型オキシ
チタニウムフタロシアニン誘導体であっても構わない。
更に、これらは、単独でも二種以上の併用でもかまわな
い。
のオキシチタニウムフタロシアニンと特定構造のビス
(ヒドロキシアリール)化合物との反応は、加熱条件で
行うことが好ましく、反応温度は、30〜300℃の範
囲が好ましく、50〜250℃の範囲であることがより
好ましい。
法を用いることも可能である。そのような例として、ジ
クロロチタニウムフタロシアニン等のジハロチタニウム
フタロシアニン化合物と、特定構造のビス(ヒドロキシ
アリール)化合物との脱ハロゲン化水素によるカップリ
ング反応や、ビス(ヒドロキシアリール)化合物存在下
での、四塩化チタニウム等のチタニウム塩と、オルトフ
タロジニトリル誘導体とのカップリング反応等を挙げる
ことができる。
の各種の有機溶剤を併用することができる。その例とし
ては、例えばベンゼン、ニトロベンゼン、ジクロロベン
ゼン、トリクロロベンゼン、α−クロロナフタレン等の
芳香族系有機溶剤、シクロヘキサノン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン等のケトン系有機溶剤、
テトラヒドロフラン、ジメチルセロソルブ等のエーテル
系有機溶剤、ブタン酸エチル、乳酸ブチル等のエステル
系有機溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド等の非プロトン系極性有機溶剤、トリクロロエタン
等のハロゲン系有機溶剤、アミルアルコール、ドデカノ
ール等の一価アルコール系有機溶剤等を挙げることがで
きる。これらは、単独でも二種以上の併用でもかまわな
い。
る際には、必要に応じて精製を行ってもよく、その例と
しては、例えば昇華精製等の方法が挙げられる。
ては赤外吸収(IR)スペクトルについて、580〜6
50cmー1の範囲において、特異な吸収を有しているこ
とを挙げることができる。
特徴としては光吸収スペクトルについて、特異な吸収を
有していることを挙げることができる。本発明の電子写
真感光体は上記の特定構造を有するフタロシアニン化合
物を用いることが最大の特徴である。
構造のフタロシアニン化合物は、一種を単独で用いても
良いし、それらの二種以上を混合して用いても良い。
ろの特定構造を有するフタロシアニン化合物の製造方法
は、特に限定されるものではないが、例えばオキシチタ
ニウムフタロシアニン化合物と、特定構造を持つビス
(ヒドロキシアリール)化合物との反応により製造する
ことができる。
ニン化合物の、反応当量比、反応温度、反応時間、溶
媒、触媒、精製方法、結晶化方法等の各製造条件は、適
宜選択して採用すればよい。
ウムフタロシアニン化合物1モル当量当たり、特定構造
を持つビス(ヒドロキシアリール)化合物を0.3〜5
0モル当量の範囲から適宜選択すればよい。
たって、上記の特定構造を持つフタロシアニン化合物が
電荷発生材料として、単独、または混合系で使用される
が、その特徴を損なわない限りに於いて、その他の電荷
発生材料をそれに併用することも可能である。
特徴となる特定異性体構造を持つフタロシアニン化合物
以外のフタロシアニン化合物がいずれも使用でき、特に
限定されるものではない。具体的には、例えば無金属フ
タロシアニン化合物、金属フタロシアニン化合物、或い
は例えばα型、β型、α、β混合型、γ型、Y型、等の
結晶型あるいは非晶質型オキシチタニウムフタロシアニ
ン化合物、アゾ系顔料、アントラキノ系顔料、ペリレン
系顔料、多環キノン系顔料、スクエアリウム系顔料等を
挙げることができる。
輸送材料としては、特に限定されるものではなく、種々
のものが使用可能であり、例えば、アリールアミン系、
ヒドラゾン系、ピラゾリン系、オキオキサゾール系、オ
キサジアゾール系、スチルベン系、ブタジエン系、チア
ゾール系、カルバゾール系、ジフェノキノン系、アリー
ルメタン系化合物、或いは、ポリ−N−ビニルカルバゾ
ール、ポリシラン、ポリフォスファゼン等の重合性化合
物を挙げることができる。
物の構造を次に示す。なお、以下の各構造式の下に記載
した( )内の数字は例示化合物のNo.を表わす。
が知られているが、本発明の電子写真感光体の形態は、
そのいずれであってもよい。例として図1〜図3の電子
写真感光体を示した。
持体1の上に電荷発生層2と、電荷輸送層3とから成る
感光層4a又は4bをそれぞれ設けたものである。図3
の電子写真感光体は導電性支持体1の上に電荷発生材料
5を電荷移動媒体6の中に分散せしめた感光層4cを設
けたものである。
は、電荷発生層2に含まれる電荷発生材料が電荷を発生
し、一方、電荷輸送層3は電荷の注入を受け、その輸送
を行う。即ち、光減衰に必要な電荷の生成が電荷発生材
料で行われ、また、電荷の輸送が電荷輸送媒体で行われ
る。図3の電子写真感光体では、電荷発生材料が光に対
して電荷を発生し、電荷移動媒体により電荷の移動が行
なわれる。
微粒子を必要に応じて結着樹脂を溶解した溶媒中に分散
して得た分散液を塗布、乾燥し、その上に電荷輸送材料
を単独、あるいは必要に応じて結着樹脂を併用し溶解し
た溶液を塗布、乾燥することによって製造することがで
きる。
単独あるいは必要に応じて結着樹脂を併用して溶解した
溶液を導電性支持体上に塗布、乾燥し、その上に電荷発
生材料の微粒子を溶剤又は結着樹脂溶液中に分散して得
た分散液を塗布、乾燥することにより製造することがで
きる。
独、あるいは必要に応じて結着樹脂を併用し溶解した溶
液に電荷発生材料の微粒子を分散せしめ、これを導電性
支持体上に塗布、乾燥することによって製造することが
できる。また、電荷輸送材料を除いて製造されても良
い。
徴たるフタロシアニン化合物を粉砕し、結着樹脂溶液に
分散する方法として具体的には、一般的な攪絆装置の他
に、ホモミキサー、ディスパーター、アジター、ボール
ミル、サンドミル、アトライター、ペイントコンディシ
ョナー等が挙げられるが、これに限定されるものではな
い。
ィング法、スプレーコーティング法、スピンコーティン
グ法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティン
グ法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング
法、カーテンコーティング法等のコーティング法を用い
ることができる。
感光体の場合には、電荷発生層の厚さは5μm以下、好
ましくは0.01〜2μmであり、電荷輸送層の厚さは
3〜50μm、好ましくは5〜30μmである。図3の
電子写真感光体の場合には、感光層の厚さは、3〜50
μm、好ましくは5〜30μmである。
荷輸送層中の電荷輸送材料の割合は、5〜100重量%
の範囲が好ましく。図1及び図2の電子写真感光体の電
荷発生層中の電荷発生材料の割合は、5〜100重量%
の範囲が好ましく、40〜80重量%の範囲が特に好ま
しい。
の電荷輸送材料の割合は、5〜99重量%の範囲が好ま
しく、また電荷発生材料の割合は、1〜50重量%の範
囲が好ましく、3〜20重量%の範囲が特に好ましい。
の作製においても、結合剤と共に可塑剤、増感剤を用い
ることができる。
性支持体としては、例えば、アルミニウム、銅、亜鉛、
ステンレス、クロム、チタン、ニッケル、モリブデン、
バナジウム、インジウム、金、白金等の金属又は合金を
用いた金属板、金属ドラム、或は、導電性ポリマー、酸
化インジウム等の導電性化合物やアルミニウム、パラジ
ウム、金等の金属又は合金を塗布、蒸着、或はラミネー
トした紙、プラスチックフィルム等が挙げられる。
脂としては、疎水性で、電気絶縁性のフィルム形成可能
な高分子重合体を用いるのが好ましい。このような高分
子重合体としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエ
ステル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリビニルア
セテート、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニル
−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹
脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムア
ルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−
ビニルカルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニ
ルフォルマール、ポリスルホン等が挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。これらの結着剤は、単独
で、或は、2種類以上の混合物として用いることもでき
る。
を使用することもできる。表面改質剤としては、例え
ば、シリコンオイル、フッソ樹脂等が挙げられる。
械的強度を向上するために周知の可塑剤を含有してもよ
い。可塑剤としては、例えばビフェニル、塩化ビフェニ
ル、o−ターフェニル、p−ターフェニル、ジブチルフ
タレート、ジエチルグリコールフタレート、ジオクチル
フタレート、トリフェニル燐酸、メチルナフタレン、ベ
ンゾフェノン、塩素化パラフィン、ポリプロピレン、ポ
リスチレン、各種のフルオロ炭化水素等フタル酸エステ
ル、リン酸エステル、ハロゲン化パラフィン、メチルナ
フタレン等の芳香族化合物が挙げられる。
いずれも周知のものが使用できる。増感剤としては、例
えば、メチルバイオレット、ブリリアントグリーン、ク
リスタルバイオレット等のトリフェニルメタン染料、メ
チルブルー等のチアジン染料、シアニン染料、ピリリウ
ム染料、クロラニル、テトラシアノエチレン、ローダミ
ンB、メロシアニン染料、チアピリリウム染料等が挙げ
られる。
は、保存性、耐久性、耐環境依存性を向上させるために
感光層中に酸化防止剤や光安定剤等の劣化防止剤を含有
させることもできる。その例としては、フェノール化合
物、ハイドロキノン化合物、アミン化合物などを挙げる
ことができ、具体的には、ブチルヒドロキシトルエンな
どを挙げることができる。
おいて、各種の添加剤を併用することが可能である。
感光層との接着性を向上させたり、導電性支持体から感
光層への自由電荷の注入を阻止する為、導電性支持体と
感光層との間に、必要に応じて接着層或はバリアー層を
設けることもできる。
記結着樹脂に用いられる高分子化合物のほか、例えばカ
ゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセル
ロース、ニトロセルロース、ポリビニルブチラール、フ
ェノール樹脂、ポリアミド、カルボキシ−メチルセルロ
ース、塩化ビニリデン系ポリマーラテックス、スチレン
−ブタジエン系ポリマーラテックス、ポリウレタン、ゼ
ラチン、酸化アルミニウム(アルマイト)、酸化スズ、
酸化チタン等が挙げられ、その膜厚は1μm以下が望ま
しい。
真感光体は以上のような構成であって、以下述べる実施
例からも明らかなように、優れた特性を有するものであ
る。
実施例に限定されるものではない。尚、下記実施例にお
いて「部」はすべて『重量部』を表す。
CuKα線による粉末X線回折において図4のスペクト
ルを示しIR吸収において図5のスペクトルを示すオキ
シチタニウムフタロシアニン20部と、o,o'-ビフェノ
ール9.0部を、α−クロロナフタレン240部中で1
95〜205℃で攪絆下1.5時間反応させた。
ンゼン、メタノール、DMF、水の順に洗浄後、減圧乾
燥することにより、青色粉末を得た。このものはマスス
ペクトルにおいてm/Z=744にピークを示し、IR
吸収において図6のスペクトルを示すことから、式
(5)
る。
α線による粉末X線回折スペクトルを図7に、また、得
られたフタロシアニン化合物のα−クロロナフタレン溶
液の光吸収スペクトルを図8に示す。
物に比べて、近赤外光源により充分に対応することがで
きた。
部を用いた以外は合成例1と同様にしてマススペクトル
においてm/Z=668にピークを示し、IR吸収にお
いて図9のスペクトルを示す式(6)
α線による粉末X線回折スペクトルを図10に、また、
得られたフタロシアニン化合物のα−クロロナフタレン
溶液の光吸収スペクトルを図11に示す。
ール6.0部を用いた以外は合成例1と同様にしてマス
スペクトルにおいてm/Z=682にピークを示し、I
R吸収において図12スペクトルを示す式(7)
α線による粉末X線回折スペクトルを図13に、また、
得られたフタロシアニン化合物のα−クロロナフタレン
溶液の光吸収スペクトルを図14に示す。
ラール樹脂(商品名「エスレックBH−3」積水化学工
業製)2部を、塩化メチレン66部及び1,1,2−ト
リクロロエタン99部の混合液に添加し、ガラスビーズ
と共にペイントコンディショナーで分散、混合して電荷
発生物質分散液を得た。
ムを蒸着したポリエステルフィルム上にワイヤーバーで
塗布し、乾燥後の膜厚が0.3μmの電荷発生層を形成
した。この電荷発生層の上に、前記した例示化合物N
o.(4)の電荷輸送材料20部とポリカーボネート樹
脂(商品名「ユーピロンZ200」三菱瓦斯化学社製)
20部を、塩化メチレン54部及びクロロベンゼン36
部よりなる混合液に溶解させた塗布液を、乾燥後の膜厚
が15μmとなるように塗布して電荷輸送層を形成し
て、図1に示した層構成を有する電子写真感光体を得
た。
合成例1で得られたフタロシアニン化合物を用いた以外
は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
合成例2で得られたフタロシアニン化合物を用いた以外
は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
体について、静電複写紙試験装置(商品名「SP42
8」川口電気製作所製)を用いて、電子写真感光体を暗
所で−6KVのコロナ放電により帯電し、 この時の電
子写真感光体の表面電位をV0(−V)とする。そのま
ま暗所で10秒間放置したときの電子写真感光体の表面
電位をV10(−V)とする。
の電位保持率(DDR)(%)を計算する。更に、表面
電位V10に対して波長780nm、露光エネルギー1μW
/cm 2 の光で露光を行ない、表面電位がV10の半分にな
るまでの時間により半減露光量E1/2 (μJ/cm2 )を
求める。この表面電位の暗及び光減衰の測定結果を表1
に示した。
キシ基を持つ芳香族隣接ジオールの付加物に比べ、本発
明の特徴たるフタロシアニン化合物が優れた特性、特に
良好な帯電能、及び、電荷保持率を有していることが判
る。
アニン化合物の特徴は、前述の実施例からも明らかなよ
うに、IR吸収スペクトルにおいて顕著である。本発明
の特徴たるフタロシアニン化合物は、620〜650c
m-1において特異な吸収ピークを示すが、このピークが
該フタロシアニン化合物の構造中のいかなる原子結合に
起因するかは未だ確定されてはいないが、原料オキシチ
タニウムフタロシアニン化合物が620〜650cm-1
に特徴的なピークを有していないこと、及び、原料オキ
シチタニウムフタロシアニン化合物の特徴とするTi=
Oに起因する972cm-1付近のピークが反応後にほと
んど消失すること等から、本発明の特徴たるフタロシア
ニン化合物に見られるような環状ビスアリラートチタニ
ウム部分に起因すると類推される。
アニン化合物のその他の特徴としては、前述の実施例か
らも明らかな様に、光吸収スペクトルにおいて顕著であ
る。例えば、前述の実施例に示した様に、α−クロロナ
フタレン中で、カテコール様の芳香族隣接ジオールが6
33nm、及び700nm付近のみに吸収ピークを持つ
のに対し、本発明の特徴たるフタロシアニン化合物は、
更に長波長の720nm付近にもう一本の特異な吸収ピ
ークを有する。
て、本発明の特定フタロシアニン化合物は、より長波長
領域に新たな吸収を発現するので、近赤外光源により充
分に対応することができるという技術的効果がある。
のいかなる構造因子によるものかは未だ確定されてはい
ないが、本発明の特徴たるフタロシアニン化合物の環状
ビスアリラートチタニウム部分の共役作用によって、該
フタロシアニン化合物分子の電子状態に何らかの変化を
与えることに起因すると類推される。
構造を有し、例えば新たな色調の色材、有機太陽電池に
使用できるが、その他、前記した様な電子写真感光体等
の電子情報材料に好適に用いることができる。また、本
発明の電子写真感光体は、特定構造を有するフタロシア
ニン化合物を用いるので、優れた特性を有しており、特
に良好な帯電能、及び、電荷保持率を有しており、実用
上極めて有用である。
を示す模式断面図である。
を示す模式断面図である。
を示す模式断面図である。
ために使用したオキシチタニウムフタロシアニンのCu
Kα線による粉末X線回折スペクトル図である。
ために使用したオキシチタニウムフタロシアニンのIR
吸収スペクトル図である。
ン化合物のIR吸収スペクトル図である。
ン化合物のCuKα線による粉末X線回折スペクトル図
である。
ン化合物のα−クロロナフタレン溶液の光吸収スペクト
ル図である。
のIR吸収スペクトル図である。
物のCuKα線による粉末X線回折スペクトル図であ
る。
物のα−クロロナフタレン溶液の光吸収スペクトル図で
ある。
物のIR吸収スペクトル図である。
物のCuKα線による粉末X線回折スペクトル図であ
る。
物のα−クロロナフタレン溶液の光吸収スペクトル図で
ある。
Claims (12)
- 【請求項1】下記一般式(1) 【化1】 (但し、式(1)中、Ar1及びAr2はそれぞれ独立に
無置換及び/または置換の芳香環基を表し、Pcは無置
換及び/または置換のフタロシアニン残基を表す。)で
表されるフタロシアニン化合物。 - 【請求項2】式(1)中、Ar1及びAr2が置換基を有
していても良いフェニレン基である請求項1記載のフタ
ロシアニン化合物。 - 【請求項3】式(1)中、Ar1及びAr2が置換基を有
していても良いオルトフェニレン基である請求項1記載
のフタロシアニン化合物。 - 【請求項4】式(1)中、Ar1及びAr2がオルトフェ
ニレン基である請求項1記載のフタロシアニン化合物。 - 【請求項5】CuKαに対するX線回折スペクトルにお
いて、ブラッグ角(2θ±0.2゜)の少なくとも7.
7、8.0度にピークを有する結晶である請求項4記載
のフタロシアニン化合物。 - 【請求項6】ビス(ヒドロキシアリール)化合物と、オ
キシチタニウムフタロシアニン化合物との反応生成物で
あるフタロシアニン化合物。 - 【請求項7】ビス(ヒドロキシアリール)化合物が下記
一般式(2) 【化2】 (但し、式(2)中、Ar1及びAr2はそれぞれ独立に
無置換及び/または置換の芳香環基を表す。)で表され
る化合物であることを特徴とする請求項6記載のフタロ
シアニン化合物。 - 【請求項8】式(2)中、Ar1及びAr2が置換基を有
していても良いフェニレン基である請求項7記載のフタ
ロシアニン化合物。 - 【請求項9】式(2)中、Ar1及びAr2が置換基を有
していても良いオルトフェニレン基である請求項7記載
のフタロシアニン化合物。 - 【請求項10】式(2)中、Ar1及びAr2がオルトフ
ェニレン基である請求項7記載のフタロシアニン化合
物。 - 【請求項11】ビス(ヒドロキシアリール)化合物が、
置換基を有していても良い2,2’−ビフェノールであ
る請求項6記載のフタロシアニン化合物。 - 【請求項12】請求項1、2、3、4、5、6、7、
8、9、10、及び11記載のフタロシアニン化合物を
含有することを特徴とする電子写真感光体。
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