JPH08302138A - 透明成形体 - Google Patents
透明成形体Info
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- JPH08302138A JPH08302138A JP10656295A JP10656295A JPH08302138A JP H08302138 A JPH08302138 A JP H08302138A JP 10656295 A JP10656295 A JP 10656295A JP 10656295 A JP10656295 A JP 10656295A JP H08302138 A JPH08302138 A JP H08302138A
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- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Reinforced Plastic Materials (AREA)
- Joining Of Glass To Other Materials (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】透明性、柔軟性、難燃性、耐熱性、耐火性、耐
久性、耐光性、耐候性、耐貫通性、ガラスとの接着性、
低波長分散性、低複屈折性、光学等方性、耐薬品性およ
び吸水性に優れ、透明成形体を提供する。 【構成】下記のA成分とB成分を含む組成物の架橋体か
らなることを特徴とする透明成形体。 A.下記の一般式(A)で表される単位を分子構造中に
1個以上有するポリビニルアルコール 一般式(A) (CH2 −CHP)n (ここで、PはSiR1 a R2 b X3-a-b 、SiR1 a
Xb Y3-a-b 、SiR2 a Xb Y3-a-b 、SiXa Yb
Z3-a-b 、COOR3 、COOM1 、NH2 、NH4 M
2 またはSR3 でかつ、X,YおよびZは加水分解性基
であり、aおよびbは0または1である。また、R1 は
炭素数1〜10の有機基、R2 は炭素数1〜6の炭化水
素基またはハロゲン化炭化水素基、R3 はHまたは炭素
数1〜10の有機基、M1 はアルカリ金属、M2 はハロ
ゲンである。さらに、nは、1以上の整数である。) B.無機微粒子
久性、耐光性、耐候性、耐貫通性、ガラスとの接着性、
低波長分散性、低複屈折性、光学等方性、耐薬品性およ
び吸水性に優れ、透明成形体を提供する。 【構成】下記のA成分とB成分を含む組成物の架橋体か
らなることを特徴とする透明成形体。 A.下記の一般式(A)で表される単位を分子構造中に
1個以上有するポリビニルアルコール 一般式(A) (CH2 −CHP)n (ここで、PはSiR1 a R2 b X3-a-b 、SiR1 a
Xb Y3-a-b 、SiR2 a Xb Y3-a-b 、SiXa Yb
Z3-a-b 、COOR3 、COOM1 、NH2 、NH4 M
2 またはSR3 でかつ、X,YおよびZは加水分解性基
であり、aおよびbは0または1である。また、R1 は
炭素数1〜10の有機基、R2 は炭素数1〜6の炭化水
素基またはハロゲン化炭化水素基、R3 はHまたは炭素
数1〜10の有機基、M1 はアルカリ金属、M2 はハロ
ゲンである。さらに、nは、1以上の整数である。) B.無機微粒子
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明性、柔軟性、難燃
性、耐熱性、耐火性、耐久性、耐光性、耐候性、耐衝撃
性、耐貫通性、ガラスとの接着性、低波長分散性、低複
屈折性、光学等方性、耐薬品性および吸水性に優れた透
明成形体に関するものである。
性、耐熱性、耐火性、耐久性、耐光性、耐候性、耐衝撃
性、耐貫通性、ガラスとの接着性、低波長分散性、低複
屈折性、光学等方性、耐薬品性および吸水性に優れた透
明成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にプラスチック材料は軽量で、耐衝
撃性、加工性および大量生産性に優れることから、多様
な分野において金属やガラスなどの無機材料の代替材料
として使用され、その需要は拡大の一途にある。また、
プラスチック材料を単に代替材料とするのではなく、無
機材料と組み合わせて相互に複合材料化することで、有
機材料・無機材料それぞれの有する性能を相互に補完す
るだけでなく、それぞれ単独では得られない新たな特性
が得られ、こうした有機無機複合材料を用いて製造され
た製品は、有機材料・無機材料いずれかを単独で用いた
製品よりもその性能が大幅に高まることが期待できる。
撃性、加工性および大量生産性に優れることから、多様
な分野において金属やガラスなどの無機材料の代替材料
として使用され、その需要は拡大の一途にある。また、
プラスチック材料を単に代替材料とするのではなく、無
機材料と組み合わせて相互に複合材料化することで、有
機材料・無機材料それぞれの有する性能を相互に補完す
るだけでなく、それぞれ単独では得られない新たな特性
が得られ、こうした有機無機複合材料を用いて製造され
た製品は、有機材料・無機材料いずれかを単独で用いた
製品よりもその性能が大幅に高まることが期待できる。
【0003】現在、無機材料として最も広く使われてい
る材料は、ガラスである。ガラスは、SiO2 を主成分
とし、透明性、耐久性、耐候性、耐熱性、不燃性、低波
長分散性などに優れており、透明性を要求される用途、
例えばめがねレンズ・コンタクトレンズ・オプティカル
フィルターなどの光学分野、窓ガラスなどの建材分野、
その他日常家庭用品にまで幅広く用いられている。ガラ
スの特筆すべき特長としては、その優れた特性もさるこ
とながら、地球上に無尽蔵であるケイ砂を原料とし、リ
サイクル性にも優れており、原材料費が極めて安価であ
ることが挙げられる。しかし、比重が大きい、柔軟性や
耐衝撃性に乏しいといった欠点もあり、これらの点を改
良した有機材料がガラスの代替材料として用いられてい
る。その具体例としては、めがねレンズ・コンタクトレ
ンズ・オプティカルフィルターなどの光学用製品があ
る。その場合、有機材料としてはポリメタクリル酸メチ
ル・ポリスチレン・ポリカーボネート・非晶性ポリオレ
フィン・ポリジエチレングリコールビスアリルカーボネ
ートなどの透明樹脂が用いられ、耐衝撃性・成形性・低
比重性・高屈折性においてガラスよりも優れている。ま
た、ガラスと有機材料を併用しガラス単独では得られな
い特性を付与した製品も広く使われている。その具体例
は、建築用あるいは自動車用などの合わせガラスであ
る。合わせガラスは、2枚の板ガラスの間に有機フィル
ムからなる中間膜を挟持したガラスであり、中間膜材料
としてはポリビニルブチラール・ポリ塩化ビニル・ポリ
ビニルアルコールなどの透明樹脂が用いられている。し
たがって、合わせガラスは、通常の板ガラスに対して耐
衝撃性・耐貫通性・飛散防止性を付与されている。これ
らの製品に用いられている有機材料すなわち透明樹脂
は、透明性においてはガラスと同等の性能を有してい
る。
る材料は、ガラスである。ガラスは、SiO2 を主成分
とし、透明性、耐久性、耐候性、耐熱性、不燃性、低波
長分散性などに優れており、透明性を要求される用途、
例えばめがねレンズ・コンタクトレンズ・オプティカル
フィルターなどの光学分野、窓ガラスなどの建材分野、
その他日常家庭用品にまで幅広く用いられている。ガラ
スの特筆すべき特長としては、その優れた特性もさるこ
とながら、地球上に無尽蔵であるケイ砂を原料とし、リ
サイクル性にも優れており、原材料費が極めて安価であ
ることが挙げられる。しかし、比重が大きい、柔軟性や
耐衝撃性に乏しいといった欠点もあり、これらの点を改
良した有機材料がガラスの代替材料として用いられてい
る。その具体例としては、めがねレンズ・コンタクトレ
ンズ・オプティカルフィルターなどの光学用製品があ
る。その場合、有機材料としてはポリメタクリル酸メチ
ル・ポリスチレン・ポリカーボネート・非晶性ポリオレ
フィン・ポリジエチレングリコールビスアリルカーボネ
ートなどの透明樹脂が用いられ、耐衝撃性・成形性・低
比重性・高屈折性においてガラスよりも優れている。ま
た、ガラスと有機材料を併用しガラス単独では得られな
い特性を付与した製品も広く使われている。その具体例
は、建築用あるいは自動車用などの合わせガラスであ
る。合わせガラスは、2枚の板ガラスの間に有機フィル
ムからなる中間膜を挟持したガラスであり、中間膜材料
としてはポリビニルブチラール・ポリ塩化ビニル・ポリ
ビニルアルコールなどの透明樹脂が用いられている。し
たがって、合わせガラスは、通常の板ガラスに対して耐
衝撃性・耐貫通性・飛散防止性を付与されている。これ
らの製品に用いられている有機材料すなわち透明樹脂
は、透明性においてはガラスと同等の性能を有してい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の透明樹脂は、耐熱性・耐候性・耐光性・耐摩耗性(表
面硬度)の面でガラスには劣っている。さらに、光学材
料としては低波長分散性・低複屈折性において不十分で
あり、建築材料としては不燃性(難燃性)において全く
不十分である。そこで、透明樹脂中に無機成分を分散さ
せることで、無機成分によって発現する耐熱性・耐候性
・耐光性・耐摩耗性(表面硬度)・不燃性(難燃性)が
付与可能となる。このような有機材料と無機材料の混合
あるいは複合材料に関する発明は、特表平6−5091
31号など数多く見られる。しかし、無機材料としては
シリカゲルやアルミナゲルなどのメタラゲルが用いられ
ており、メタラゲル自身の縮合体はガラスと同程度の耐
衝撃性しか有しないので、無機材料の含有率が多くなる
ほど、材料中の耐衝撃性が低下する問題がある。かかる
問題を解決するためには、特開平6−166829に示
されるように無機成分として無機微粒子を添加する方法
がある。この場合、かかる混合あるいは複合材料の透明
性を保つためには、無機微粒子の粒子径は少なくとも光
学波長オーダー以下すなわち400nm以下であればよ
い。したがって、以下の論議をシリカ微粒子を例に取れ
ば、粒子内ではシラノール縮合による強固な三次元網目
構造を形成しながら、粒子表面と有機成分が化学結合お
よび/あるいは水素結合して混合あるいは複合材料を成
している。よって、シリカゲルを無機成分として添加し
た場合に比べ、同じ重量比では微粒子添加品の方が強固
な三次元網目構造を有する分、耐衝撃性の低下に寄与す
るシラノール結合の数は少なくなる。ただし、耐衝撃性
の低下を防ぐ目的として無機微粒子を添加する場合、有
機成分と相溶化すなわち無機微粒子の凝集を防ぐために
は、無機微粒子の表面状態が有機成分とのある程度の親
和性を有していなければならない。よって、光学波長オ
ーダー以下の無機微粒子を扱うため、溶剤分散型微粒子
を用いざるを得ないことから、従来の特許例では低級ア
ルコールやセロソルブ系の有機溶剤分散型無機微粒子
(例としては、触媒化成工業(株)製;OSCAL11
32,1232,1332,1432,1532,16
22,1772)が用いられている。一般に、溶剤分散
型無機微粒子としては、水分散型が最も安価であり広く
使われている。ただし、この水分散型無機微粒子の表面
は親水性であり、疎水性を示す有機成分とそのまま共存
させた場合、無機微粒子の凝集やそれにともなう沈降現
象が生じ、透明な混合あるいは複合材料は得られない。
特に、単体で形態保持性を有する成形体は、水分散型無
機微粒子を使用した場合には透明性が発現しない。
の透明樹脂は、耐熱性・耐候性・耐光性・耐摩耗性(表
面硬度)の面でガラスには劣っている。さらに、光学材
料としては低波長分散性・低複屈折性において不十分で
あり、建築材料としては不燃性(難燃性)において全く
不十分である。そこで、透明樹脂中に無機成分を分散さ
せることで、無機成分によって発現する耐熱性・耐候性
・耐光性・耐摩耗性(表面硬度)・不燃性(難燃性)が
付与可能となる。このような有機材料と無機材料の混合
あるいは複合材料に関する発明は、特表平6−5091
31号など数多く見られる。しかし、無機材料としては
シリカゲルやアルミナゲルなどのメタラゲルが用いられ
ており、メタラゲル自身の縮合体はガラスと同程度の耐
衝撃性しか有しないので、無機材料の含有率が多くなる
ほど、材料中の耐衝撃性が低下する問題がある。かかる
問題を解決するためには、特開平6−166829に示
されるように無機成分として無機微粒子を添加する方法
がある。この場合、かかる混合あるいは複合材料の透明
性を保つためには、無機微粒子の粒子径は少なくとも光
学波長オーダー以下すなわち400nm以下であればよ
い。したがって、以下の論議をシリカ微粒子を例に取れ
ば、粒子内ではシラノール縮合による強固な三次元網目
構造を形成しながら、粒子表面と有機成分が化学結合お
よび/あるいは水素結合して混合あるいは複合材料を成
している。よって、シリカゲルを無機成分として添加し
た場合に比べ、同じ重量比では微粒子添加品の方が強固
な三次元網目構造を有する分、耐衝撃性の低下に寄与す
るシラノール結合の数は少なくなる。ただし、耐衝撃性
の低下を防ぐ目的として無機微粒子を添加する場合、有
機成分と相溶化すなわち無機微粒子の凝集を防ぐために
は、無機微粒子の表面状態が有機成分とのある程度の親
和性を有していなければならない。よって、光学波長オ
ーダー以下の無機微粒子を扱うため、溶剤分散型微粒子
を用いざるを得ないことから、従来の特許例では低級ア
ルコールやセロソルブ系の有機溶剤分散型無機微粒子
(例としては、触媒化成工業(株)製;OSCAL11
32,1232,1332,1432,1532,16
22,1772)が用いられている。一般に、溶剤分散
型無機微粒子としては、水分散型が最も安価であり広く
使われている。ただし、この水分散型無機微粒子の表面
は親水性であり、疎水性を示す有機成分とそのまま共存
させた場合、無機微粒子の凝集やそれにともなう沈降現
象が生じ、透明な混合あるいは複合材料は得られない。
特に、単体で形態保持性を有する成形体は、水分散型無
機微粒子を使用した場合には透明性が発現しない。
【0005】本発明は、上記問題を解決しようとするも
のであり、透明性、柔軟性、難燃性、耐熱性、耐火性、
耐久性、耐光性、耐候性、耐貫通性、ガラスとの接着
性、低波長分散性、低複屈折性、光学等方性、耐薬品性
および吸水性に優れた透明成形体を提供することを目的
とする。
のであり、透明性、柔軟性、難燃性、耐熱性、耐火性、
耐久性、耐光性、耐候性、耐貫通性、ガラスとの接着
性、低波長分散性、低複屈折性、光学等方性、耐薬品性
および吸水性に優れた透明成形体を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、下記の構成を有する。
するために、下記の構成を有する。
【0007】「下記のA成分とB成分を含む組成物の架
橋体からなることを特徴とする透明成形体。
橋体からなることを特徴とする透明成形体。
【0008】A.下記の一般式(A)で表される単位を
分子構造中に1個以上有するポリビニルアルコール 一般式(A) (CH2 −CHP)n (ここで、PはSiR1 a R2 b X3-a-b 、SiR1 a
Xb Y3-a-b 、SiR2 a Xb Y3-a-b 、SiXa Yb
Z3-a-b 、COOR3 、COOM1 、NH2 、NH4 M
2 またはSR3 でかつ、X,YおよびZは加水分解性基
であり、aおよびbは0または1である。また、R1 は
炭素数1〜10の有機基、R2 は炭素数1〜6の炭化水
素基またはハロゲン化炭化水素基、R3 はHまたは炭素
数1〜10の有機基、M1 はアルカリ金属、M2 はハロ
ゲンである。さらに、nは、1以上の整数である。) B.無機微粒子」 本発明においては、下記の一般式(A)で表される単位
を分子構造中に1個以上有するポリビニルアルコール
(以下、PVAと略す)が用いられる。
分子構造中に1個以上有するポリビニルアルコール 一般式(A) (CH2 −CHP)n (ここで、PはSiR1 a R2 b X3-a-b 、SiR1 a
Xb Y3-a-b 、SiR2 a Xb Y3-a-b 、SiXa Yb
Z3-a-b 、COOR3 、COOM1 、NH2 、NH4 M
2 またはSR3 でかつ、X,YおよびZは加水分解性基
であり、aおよびbは0または1である。また、R1 は
炭素数1〜10の有機基、R2 は炭素数1〜6の炭化水
素基またはハロゲン化炭化水素基、R3 はHまたは炭素
数1〜10の有機基、M1 はアルカリ金属、M2 はハロ
ゲンである。さらに、nは、1以上の整数である。) B.無機微粒子」 本発明においては、下記の一般式(A)で表される単位
を分子構造中に1個以上有するポリビニルアルコール
(以下、PVAと略す)が用いられる。
【0009】一般式(A) (CH2 −CHP)n (ここで、PはSiR1 a R2 b X3-a-b 、SiR1 a
Xb Y3-a-b 、SiR2 a Xb Y3-a-b 、SiXa Yb
Z3-a-b 、COOR3 、COOM1 、NH2 、NH4 M
2 またはSR3 でかつ、X,YおよびZは加水分解性基
であり、aおよびbは0または1である。また、R1 は
炭素数1〜10の有機基、R2 は炭素数1〜6の炭化水
素基またはハロゲン化炭化水素基、R3 はHまたは炭素
数1〜10の有機基、M1 はアルカリ金属、M2 はハロ
ゲンである。さらに、nは、1以上の整数である。)。
用いられるPVAとしては、平均重合度が250〜30
00、ケン化度が50モル%以上のものが好ましい。平
均重合度が250より小さい場合は耐久性、特に耐水性
に乏しく、また3000より大きい場合は塗料化した後
粘度が大きくなるため作業上の問題がある。さらにケン
化度が50モル%より低い場合は親水性の面で充分な性
能が期待できない。
Xb Y3-a-b 、SiR2 a Xb Y3-a-b 、SiXa Yb
Z3-a-b 、COOR3 、COOM1 、NH2 、NH4 M
2 またはSR3 でかつ、X,YおよびZは加水分解性基
であり、aおよびbは0または1である。また、R1 は
炭素数1〜10の有機基、R2 は炭素数1〜6の炭化水
素基またはハロゲン化炭化水素基、R3 はHまたは炭素
数1〜10の有機基、M1 はアルカリ金属、M2 はハロ
ゲンである。さらに、nは、1以上の整数である。)。
用いられるPVAとしては、平均重合度が250〜30
00、ケン化度が50モル%以上のものが好ましい。平
均重合度が250より小さい場合は耐久性、特に耐水性
に乏しく、また3000より大きい場合は塗料化した後
粘度が大きくなるため作業上の問題がある。さらにケン
化度が50モル%より低い場合は親水性の面で充分な性
能が期待できない。
【0010】導入される前記官能基の含有率は特に限定
されるものではないが、導入前の樹脂の重量に対し、重
量比にして0.01%〜50%の範囲が好ましく用いら
れる。0.01%以下では官能基の反応性によって期待
できる効果(無機微粒子、特に水分散型無機微粒子の分
散性付与性)に乏しく、50%以上の場合はPVAの分
子内での反応・架橋が進行し、PVAが疎水化し、親水
性が損なわれる。また、PVAは、透明性を損なわない
範囲で無機物などとの複合系にすることも可能であり、
また、シロキサン結合やフォスファゼン結合などの無機
性結合が含まれていてもよい。
されるものではないが、導入前の樹脂の重量に対し、重
量比にして0.01%〜50%の範囲が好ましく用いら
れる。0.01%以下では官能基の反応性によって期待
できる効果(無機微粒子、特に水分散型無機微粒子の分
散性付与性)に乏しく、50%以上の場合はPVAの分
子内での反応・架橋が進行し、PVAが疎水化し、親水
性が損なわれる。また、PVAは、透明性を損なわない
範囲で無機物などとの複合系にすることも可能であり、
また、シロキサン結合やフォスファゼン結合などの無機
性結合が含まれていてもよい。
【0011】また、これらの樹脂はそれぞれ単独での使
用あるいは2種以上を併用することが可能であり、さら
に各種硬化剤、架橋剤などを用いて三次元架橋すること
も可能である。
用あるいは2種以上を併用することが可能であり、さら
に各種硬化剤、架橋剤などを用いて三次元架橋すること
も可能である。
【0012】なお、PVAの透明性は、無着色時の全光
線透過率を指標として表した場合、60%以上が好まし
く、より好ましくは80%以上である。また、光学等方
性が要求される用途、例えば、液晶ディスプレイ用基
板、光ディスク基板等の場合は、複屈折は30nm以下
が好ましく、さらには15nm以下がより好ましい。
線透過率を指標として表した場合、60%以上が好まし
く、より好ましくは80%以上である。また、光学等方
性が要求される用途、例えば、液晶ディスプレイ用基
板、光ディスク基板等の場合は、複屈折は30nm以下
が好ましく、さらには15nm以下がより好ましい。
【0013】また、本発明における無機微粒子は、成形
体として透明性を損わないものであればとくに限定され
ない。作業性向上、透明性付与の点から特に好ましい例
としては、コロイド状に分散したゾルが挙げられる。さ
らに具体的な例としては、シリカゾル、酸化アンチモン
ゾル、チタニアゾル、ジルコニアゾル、アルミナゾル、
酸化タングステンゾルなどが挙げられる。無機微粒子の
分散性を改良するために各種の微粒子表面処理を行って
も、あるいは、各種の界面活性剤やアミンなどを添加し
てあっても何ら問題はない。
体として透明性を損わないものであればとくに限定され
ない。作業性向上、透明性付与の点から特に好ましい例
としては、コロイド状に分散したゾルが挙げられる。さ
らに具体的な例としては、シリカゾル、酸化アンチモン
ゾル、チタニアゾル、ジルコニアゾル、アルミナゾル、
酸化タングステンゾルなどが挙げられる。無機微粒子の
分散性を改良するために各種の微粒子表面処理を行って
も、あるいは、各種の界面活性剤やアミンなどを添加し
てあっても何ら問題はない。
【0014】その中でも、平均粒子径が約5〜200n
mの微粒子状シリカが好ましく使用される。この微粒子
状シリカとは、高分子量無水ケイ酸の水および/または
アルコールなどの有機溶媒中のコロイド状分散体であ
る。本発明の目的のためには平均粒子径約5〜50nm
のものが使用されるが、約7〜50nmの径のものが特
に好ましい。平均粒子径が約5nmに満たないものは分
散状態の安定性が悪く、品質の一定したものを得ること
が困難であり、また200nmを越えるものは生成塗膜
の透明性が悪く、濁りの大きなものしか得られない。
mの微粒子状シリカが好ましく使用される。この微粒子
状シリカとは、高分子量無水ケイ酸の水および/または
アルコールなどの有機溶媒中のコロイド状分散体であ
る。本発明の目的のためには平均粒子径約5〜50nm
のものが使用されるが、約7〜50nmの径のものが特
に好ましい。平均粒子径が約5nmに満たないものは分
散状態の安定性が悪く、品質の一定したものを得ること
が困難であり、また200nmを越えるものは生成塗膜
の透明性が悪く、濁りの大きなものしか得られない。
【0015】かかる無機微粒子の粒子径は、特に限定さ
れないが、通常は1〜200nm、好ましくは5〜10
0nm、さらに好ましくは20〜80nmのものが使用
される。平均粒子径が約1nmに満たないものは分散状
態の安定性が悪く、品質の一定したものを得ることが困
難であり、また200nmを越えるものは生成成形体の
透明性が悪く、濁りの大きなものしか得られない。
れないが、通常は1〜200nm、好ましくは5〜10
0nm、さらに好ましくは20〜80nmのものが使用
される。平均粒子径が約1nmに満たないものは分散状
態の安定性が悪く、品質の一定したものを得ることが困
難であり、また200nmを越えるものは生成成形体の
透明性が悪く、濁りの大きなものしか得られない。
【0016】かかる無機微粒子の添加量は、特に限定さ
れないが、効果をより顕著に表すためには、透明成形体
中におけるPVAの重量に対して1重量%以上、95重
量%以下であることが好ましい。さらに、5重量%以
上、80重量%以下であることがより好ましい。すなわ
ち、1重量%未満では、明らかな添加の効果が認められ
ず、また、95重量%を越えると成形体自体の機械的強
度、靭性、耐衝撃性が低下するなどの問題を生じる場合
がある。
れないが、効果をより顕著に表すためには、透明成形体
中におけるPVAの重量に対して1重量%以上、95重
量%以下であることが好ましい。さらに、5重量%以
上、80重量%以下であることがより好ましい。すなわ
ち、1重量%未満では、明らかな添加の効果が認められ
ず、また、95重量%を越えると成形体自体の機械的強
度、靭性、耐衝撃性が低下するなどの問題を生じる場合
がある。
【0017】また、本発明におけるPVAと無機微粒子
を主成分としてなる透明成形体においては、耐水性およ
び他の素材との接着性向上の点から有機ケイ素化合物お
よびアルミニウムキレート化合物が好ましく用いられ
る。また、これらのPVA、有機ケイ素化合物およびア
ルミニウムキレート化合物は、それぞれ1種または2種
以上添加することが可能である。
を主成分としてなる透明成形体においては、耐水性およ
び他の素材との接着性向上の点から有機ケイ素化合物お
よびアルミニウムキレート化合物が好ましく用いられ
る。また、これらのPVA、有機ケイ素化合物およびア
ルミニウムキレート化合物は、それぞれ1種または2種
以上添加することが可能である。
【0018】まず、有機ケイ素化合物としては、特に限
定されるものではないが、下記の一般式(B)で表され
る有機ケイ素化合物ないしはその加水分解物が好適であ
る。 一般式(B) R1 a R2 b SiX4-a-b (ここで、R1 は炭素数1〜10の有機基であり、R2
は炭素数1〜6の炭化水素基またはハロゲン化炭化水素
基、Xは加水分解性基であり、aおよびbは0または1
である。) 具体的な例としては、(i) メチルシリケート、エチルシ
リケート、n−プロピルシリケート、iso−プロピル
シリケート、n−ブチルシリケート、sec−ブチルシ
リケート、およびt−ブチルシリケートなどのテトラア
ルコキシシラン類、およびその加水分解物、(ii)メチル
トリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチ
ルトリアセトキシシラン、メチルトリプロポキシシラ
ン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセト
キシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルト
リエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、γ
−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリアセ
トキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシラン、γ
−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプト
プロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピル
トリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン、β−シアノエチル
トリエトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、ク
ロロメチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエト
キシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、
グリシドキシメチルトリエトキシシラン、α−グリシド
キシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチ
ルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメ
トキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシ
ラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシド
キシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
トリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプ
ロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシ
ラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α
−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシ
ドキシブチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシブ
チルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリ
メトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシ
シラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、
δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、(3、4
−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラ
ン、(3、4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエ
トキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、β−(3、4−エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−
(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポ
キシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)
エチルトリブトキシシラン、β−(3、4−エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリフェノキシシラン、γ−
(3、4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメト
キシシラン、γ−(3、4−エポキシシクロヘキシル)
プロピルトリエトキシシラン、δ−(3、4−エポキシ
シクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、δ−
(3、4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエメト
キシシランなどのトリアルコキシシラン、トリアシルオ
キシシラン、またはトリフェノキシシラン類またはその
加水分解物、およびジメチルジメトキシシラン、フェニ
ルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、フェニルメチルジエトキシシラン、γ−クロロプロ
ピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチ
ルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、γ
−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、
γ−メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、
γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−
アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキ
シシラン、メチルビニルジエトキシシラン、グリシドキ
シメチルメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチル
メチルジエトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチ
ルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジ
エトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジメト
キシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジエトキシ
シラン、α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシ
ラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、β−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルメトキシエトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジアセトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルフェニルジメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルフェニルジエトキシシラ
ンなどのジアルコキシシラン、ジフェノキシシランまた
はジアシルオキシシラン類またはその加水分解物が挙げ
られる。これらの有機ケイ素化合物は、1種または2種
以上添加することが可能である。
定されるものではないが、下記の一般式(B)で表され
る有機ケイ素化合物ないしはその加水分解物が好適であ
る。 一般式(B) R1 a R2 b SiX4-a-b (ここで、R1 は炭素数1〜10の有機基であり、R2
は炭素数1〜6の炭化水素基またはハロゲン化炭化水素
基、Xは加水分解性基であり、aおよびbは0または1
である。) 具体的な例としては、(i) メチルシリケート、エチルシ
リケート、n−プロピルシリケート、iso−プロピル
シリケート、n−ブチルシリケート、sec−ブチルシ
リケート、およびt−ブチルシリケートなどのテトラア
ルコキシシラン類、およびその加水分解物、(ii)メチル
トリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチ
ルトリアセトキシシラン、メチルトリプロポキシシラ
ン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセト
キシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルト
リエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、γ
−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリアセ
トキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシラン、γ
−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプト
プロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピル
トリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン、β−シアノエチル
トリエトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、ク
ロロメチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエト
キシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、
グリシドキシメチルトリエトキシシラン、α−グリシド
キシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチ
ルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメ
トキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシ
ラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシド
キシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
トリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプ
ロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシ
ラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α
−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシ
ドキシブチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシブ
チルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリ
メトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシ
シラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、
δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、(3、4
−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラ
ン、(3、4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエ
トキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、β−(3、4−エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−
(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポ
キシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)
エチルトリブトキシシラン、β−(3、4−エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリフェノキシシラン、γ−
(3、4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメト
キシシラン、γ−(3、4−エポキシシクロヘキシル)
プロピルトリエトキシシラン、δ−(3、4−エポキシ
シクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、δ−
(3、4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエメト
キシシランなどのトリアルコキシシラン、トリアシルオ
キシシラン、またはトリフェノキシシラン類またはその
加水分解物、およびジメチルジメトキシシラン、フェニ
ルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、フェニルメチルジエトキシシラン、γ−クロロプロ
ピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチ
ルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、γ
−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、
γ−メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、
γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−
アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキ
シシラン、メチルビニルジエトキシシラン、グリシドキ
シメチルメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチル
メチルジエトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチ
ルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジ
エトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジメト
キシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジエトキシ
シラン、α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシ
ラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、β−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルメトキシエトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジアセトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルフェニルジメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルフェニルジエトキシシラ
ンなどのジアルコキシシラン、ジフェノキシシランまた
はジアシルオキシシラン類またはその加水分解物が挙げ
られる。これらの有機ケイ素化合物は、1種または2種
以上添加することが可能である。
【0019】これらの有機ケイ素化合物は、硬化をより
促進させるためには加水分解して使用することが好まし
い。加水分解物は、純水または塩酸、酢酸あるいは硫酸
などの酸性水溶液を添加、撹拌することによって得られ
る。純水あるいは酸性水溶液の添加量を調節することに
よって加水分解の度合いをコントロールすることも容易
に可能である。加水分解に際しては、一般式(C)で示
される化合物に含まれる加水分解性基と等モル以上、3
倍モル以下の純水または酸性水溶液の添加が硬化促進の
点で好ましい。
促進させるためには加水分解して使用することが好まし
い。加水分解物は、純水または塩酸、酢酸あるいは硫酸
などの酸性水溶液を添加、撹拌することによって得られ
る。純水あるいは酸性水溶液の添加量を調節することに
よって加水分解の度合いをコントロールすることも容易
に可能である。加水分解に際しては、一般式(C)で示
される化合物に含まれる加水分解性基と等モル以上、3
倍モル以下の純水または酸性水溶液の添加が硬化促進の
点で好ましい。
【0020】加水分解に際しては、加水分解によりアル
コール等が生成してくるため無溶媒で反応を行うことが
可能である。また、加水分解をさらに均一に行なう目的
で有機ケイ素化合物と溶媒とを混合した後、加水分解を
行なうことも可能である。また、目的に応じて加水分解
後のアルコール等を加熱および/または減圧下に適当量
除去して使用することも可能であるし、その後に適当な
溶媒を添加することも可能である。
コール等が生成してくるため無溶媒で反応を行うことが
可能である。また、加水分解をさらに均一に行なう目的
で有機ケイ素化合物と溶媒とを混合した後、加水分解を
行なうことも可能である。また、目的に応じて加水分解
後のアルコール等を加熱および/または減圧下に適当量
除去して使用することも可能であるし、その後に適当な
溶媒を添加することも可能である。
【0021】かかる有機ケイ素化合物の添加量は、特に
限定されないが、効果をより顕著に表すためには、透明
成形体中に0.01重量%以上、95重量%以下である
ことが好ましい。さらに、0.05重量%以上、90重
量%以下であることがより好ましい。すなわち、0.0
1重量%未満では、明らかな添加の効果が認められず、
また、90重量%を越えると成形体自体の機械的強度、
靭性、耐衝撃性が低下するなどの問題を生じる場合があ
る。
限定されないが、効果をより顕著に表すためには、透明
成形体中に0.01重量%以上、95重量%以下である
ことが好ましい。さらに、0.05重量%以上、90重
量%以下であることがより好ましい。すなわち、0.0
1重量%未満では、明らかな添加の効果が認められず、
また、90重量%を越えると成形体自体の機械的強度、
靭性、耐衝撃性が低下するなどの問題を生じる場合があ
る。
【0022】かかる有機ケイ素化合物とともに用いられ
るアルミニウムキレート化合物としては、次の一般式
(C)で示されるアルミニウムキレート化合物が特に好
ましく用いられる。
るアルミニウムキレート化合物としては、次の一般式
(C)で示されるアルミニウムキレート化合物が特に好
ましく用いられる。
【0023】一般式(C) AlXn Y3-n 式中のXはOL(Lは低級アルキル基を示す)、Yは、
一般式(D)M1 COCH2 COM2 (M1 、M2 はい
ずれも低級アルキル基)で示される化合物に由来する配
位子および、一般式(E)M3 COCH2 COOM
4 (M3 、M4 はいずれも低級アルキル基)で示される
化合物に由来する配位子から選ばれる少なくとも一つで
あり、nは0、1または2である。
一般式(D)M1 COCH2 COM2 (M1 、M2 はい
ずれも低級アルキル基)で示される化合物に由来する配
位子および、一般式(E)M3 COCH2 COOM
4 (M3 、M4 はいずれも低級アルキル基)で示される
化合物に由来する配位子から選ばれる少なくとも一つで
あり、nは0、1または2である。
【0024】上記の一般式(C)で示されるアルミニウ
ムキレート化合物としては、各種化合物を挙げることが
できるが、組成物への溶解性、安定性、硬化触媒として
の効果などの観点から特に好ましいのは、アルミニウム
アセチルアセトネート、アルミニウムビスエチルアセト
アセテートモノアセチルアセトネート、アルミニウム−
ジ−n−ブトキシド−モノエチルアセトアセテート、ア
ルミニウム−ジ−iso−プロポキシド−モノメチルア
セトアセテートなどである。これらのアルミニウムキレ
ート化合物は、1種または2種以上を混合して使用する
ことも可能である。
ムキレート化合物としては、各種化合物を挙げることが
できるが、組成物への溶解性、安定性、硬化触媒として
の効果などの観点から特に好ましいのは、アルミニウム
アセチルアセトネート、アルミニウムビスエチルアセト
アセテートモノアセチルアセトネート、アルミニウム−
ジ−n−ブトキシド−モノエチルアセトアセテート、ア
ルミニウム−ジ−iso−プロポキシド−モノメチルア
セトアセテートなどである。これらのアルミニウムキレ
ート化合物は、1種または2種以上を混合して使用する
ことも可能である。
【0025】かかるアルミニウムキレート化合物の添加
量は、特に限定されないが、効果をより顕著に表すため
には、透明成形体中に0.01重量%以上、10重量%
以下であることが好ましい。さらに、0.05重量%以
上、5重量%以下であることがより好ましい。すなわ
ち、0.01重量%未満では、明らかな添加の効果が認
められず、また、5重量%を越えると成形体自体の機械
的強度、靭性、耐衝撃性が低下するなどの問題を生じる
場合がある。
量は、特に限定されないが、効果をより顕著に表すため
には、透明成形体中に0.01重量%以上、10重量%
以下であることが好ましい。さらに、0.05重量%以
上、5重量%以下であることがより好ましい。すなわ
ち、0.01重量%未満では、明らかな添加の効果が認
められず、また、5重量%を越えると成形体自体の機械
的強度、靭性、耐衝撃性が低下するなどの問題を生じる
場合がある。
【0026】さらに、本発明におけるPVAと無機微粒
子を主成分としてなる透明成形体においては、難燃性、
不燃性の耐水性および他の素材との接着性向上の点から
有機ケイ素化合物およびアルミニウムキレート化合物が
好ましく用いられる。また、これらのPVA、有機ケイ
素化合物およびアルミニウムキレート化合物は、それぞ
れ1種または2種以上添加することが可能である。
子を主成分としてなる透明成形体においては、難燃性、
不燃性の耐水性および他の素材との接着性向上の点から
有機ケイ素化合物およびアルミニウムキレート化合物が
好ましく用いられる。また、これらのPVA、有機ケイ
素化合物およびアルミニウムキレート化合物は、それぞ
れ1種または2種以上添加することが可能である。
【0027】さらに、本発明における透明成形体には、
PVA、無機微粒子、有機ケイ素化合物、アルミニウム
キレート化合物、水の他に、透明性を損なわない範囲で
他の添加物を添加することは全く問題ない。例えば、表
面硬度、耐熱性、耐薬品性、透明性などの諸特性を考慮
した場合では、有機高分子としてシリコーン系樹脂を添
加しても何等差し支えない。この場合、前記一般式
(B)で示される有機ケイ素化合物ないしはその加水分
解物から得られるポリマ、または、下記一般式(G)で
示される有機ケイ素化合物ないしはその加水分解物から
得られるポリマを用いることがより好ましい。これらの
有機ケイ素化合物は1種または2種以上添加することが
可能である。
PVA、無機微粒子、有機ケイ素化合物、アルミニウム
キレート化合物、水の他に、透明性を損なわない範囲で
他の添加物を添加することは全く問題ない。例えば、表
面硬度、耐熱性、耐薬品性、透明性などの諸特性を考慮
した場合では、有機高分子としてシリコーン系樹脂を添
加しても何等差し支えない。この場合、前記一般式
(B)で示される有機ケイ素化合物ないしはその加水分
解物から得られるポリマ、または、下記一般式(G)で
示される有機ケイ素化合物ないしはその加水分解物から
得られるポリマを用いることがより好ましい。これらの
有機ケイ素化合物は1種または2種以上添加することが
可能である。
【0028】
【化1】 (ここで、nは自然数、Ra ,Rb ,Rc ,Rd は、そ
れぞれ水素または炭素数1〜5のアルキル基、Xおよび
Yは加水分解性基であり、加水分解後はシロキサン結合
を形成する) さらには、透明成形体の透明性などの性能を大幅に低下
させない範囲で、無機微粒子以外の無機酸化物なども添
加することができる。これらの添加物の併用によって基
材との密着性、耐薬品性、表面硬度、耐久性、染色性な
どの諸特性を向上させることができる。添加可能な無機
材料としては以下の一般式(H)で表される金属アルコ
キシド、キレート化合物および/またはその加水分解物
が挙げられる。
れぞれ水素または炭素数1〜5のアルキル基、Xおよび
Yは加水分解性基であり、加水分解後はシロキサン結合
を形成する) さらには、透明成形体の透明性などの性能を大幅に低下
させない範囲で、無機微粒子以外の無機酸化物なども添
加することができる。これらの添加物の併用によって基
材との密着性、耐薬品性、表面硬度、耐久性、染色性な
どの諸特性を向上させることができる。添加可能な無機
材料としては以下の一般式(H)で表される金属アルコ
キシド、キレート化合物および/またはその加水分解物
が挙げられる。
【0029】一般式(H) M(OR)m (ここでRはアルキル基、アシル基、アルコキシアルキ
ル基であり、mは金属Mの電荷数と同じ値である。Mと
してはケイ素、チタン、ジルコン、アンチモン、 タン
タル、ゲルマニウム、アルミニウムなどである。) さらに、耐候性および耐光性を向上させる目的で紫外線
吸収剤、また耐熱劣化特性向上法として酸化防止剤、帯
電防止性を向上させる目的から帯電防止剤を添加するこ
とも有用である。特に、耐薬品性や耐熱性を低下させず
に、これらの性能を向上させることが可能なことから、
紫外線吸収性、あるいは、酸化防止性を有するモノマを
共重合することが好ましい。かかるモノマの好ましい例
としては、不飽和二重結合を有するベンゾフェノン系紫
外線吸収剤、不飽和二重結合を有するフェニルベンゾエ
ート系紫外線吸収剤、ヒンダードアミノ基を置換基とし
て有する(メタ)アクリルモノマなどが挙げられる。こ
れらの共重合モノマは0.5〜20重量%の範囲で使用
されることが好ましい。0.5重量%未満の場合には添
加効果が認められず、また、20重量%を越える場合に
は、耐熱性、機械的強度などが低下する傾向がある。
ル基であり、mは金属Mの電荷数と同じ値である。Mと
してはケイ素、チタン、ジルコン、アンチモン、 タン
タル、ゲルマニウム、アルミニウムなどである。) さらに、耐候性および耐光性を向上させる目的で紫外線
吸収剤、また耐熱劣化特性向上法として酸化防止剤、帯
電防止性を向上させる目的から帯電防止剤を添加するこ
とも有用である。特に、耐薬品性や耐熱性を低下させず
に、これらの性能を向上させることが可能なことから、
紫外線吸収性、あるいは、酸化防止性を有するモノマを
共重合することが好ましい。かかるモノマの好ましい例
としては、不飽和二重結合を有するベンゾフェノン系紫
外線吸収剤、不飽和二重結合を有するフェニルベンゾエ
ート系紫外線吸収剤、ヒンダードアミノ基を置換基とし
て有する(メタ)アクリルモノマなどが挙げられる。こ
れらの共重合モノマは0.5〜20重量%の範囲で使用
されることが好ましい。0.5重量%未満の場合には添
加効果が認められず、また、20重量%を越える場合に
は、耐熱性、機械的強度などが低下する傾向がある。
【0030】さらに、かかる透明成形体には各種改良用
添加剤を含有させることも可能である。改良用添加剤と
しては、表面平滑性を改良する目的で各種の界面活性剤
が使用可能であり、具体的には、シリコン系化合物、フ
ッ素系界面活性剤、有機界面活性剤などが使用できる。
改良剤としては、PVAおよび有機ケイ素化合物と相溶
性のよい有機ポリマー、例えばアルコール可溶性ナイロ
ン、さらにはエチルシリケート、n−プロピルシリケー
ト、i−プロピルシリケート、n−ブチルシリケート、
sec−ブチルシリケート、t−ブチルシリケートなど
の4官能シラン化合物も添加することが可能である。ま
た、各種エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂など
も好適である。
添加剤を含有させることも可能である。改良用添加剤と
しては、表面平滑性を改良する目的で各種の界面活性剤
が使用可能であり、具体的には、シリコン系化合物、フ
ッ素系界面活性剤、有機界面活性剤などが使用できる。
改良剤としては、PVAおよび有機ケイ素化合物と相溶
性のよい有機ポリマー、例えばアルコール可溶性ナイロ
ン、さらにはエチルシリケート、n−プロピルシリケー
ト、i−プロピルシリケート、n−ブチルシリケート、
sec−ブチルシリケート、t−ブチルシリケートなど
の4官能シラン化合物も添加することが可能である。ま
た、各種エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂など
も好適である。
【0031】さらには、硬化促進や低温硬化などを可能
とする目的で各種の硬化剤を併用してもよい。硬化剤と
しては各種エポキシ樹脂硬化剤、あるいは各種有機ケイ
素樹脂硬化剤などが使用される。これらの硬化剤の具体
例としては、各種の有機酸およびそれらの酸無水物、窒
素含有有機化合物、各種金属錯化合物、あるいは金属ア
ルコキシド、さらにはアルカリ金属の有機カルボン酸
塩、炭酸塩などの各種塩、さらには、過酸化物、アゾビ
スイソブチロニトリルなどのラジカル重合開始剤などが
挙げられる。これらの硬化剤は2種以上混合して使用す
ることも可能である。これらの硬化剤の中でも、前駆組
成溶液の安定性、透明成形体製造後の成形体の着色の有
無などの点から、特に前記のアルミニウムキレート化合
物が有用である。また、前駆組成溶液には、塗布時にお
けるフローを向上させ、透明成形体表面の平滑性を向上
させて表面の摩擦係数を低下させる目的で各種の界面活
性剤を添加することも可能であり、とくにジメチルポリ
シロキサンとアルキレンオキシドとのブロックまたはグ
ラフト共重合体、さらにはフッ素系界面活性剤などが有
効である。
とする目的で各種の硬化剤を併用してもよい。硬化剤と
しては各種エポキシ樹脂硬化剤、あるいは各種有機ケイ
素樹脂硬化剤などが使用される。これらの硬化剤の具体
例としては、各種の有機酸およびそれらの酸無水物、窒
素含有有機化合物、各種金属錯化合物、あるいは金属ア
ルコキシド、さらにはアルカリ金属の有機カルボン酸
塩、炭酸塩などの各種塩、さらには、過酸化物、アゾビ
スイソブチロニトリルなどのラジカル重合開始剤などが
挙げられる。これらの硬化剤は2種以上混合して使用す
ることも可能である。これらの硬化剤の中でも、前駆組
成溶液の安定性、透明成形体製造後の成形体の着色の有
無などの点から、特に前記のアルミニウムキレート化合
物が有用である。また、前駆組成溶液には、塗布時にお
けるフローを向上させ、透明成形体表面の平滑性を向上
させて表面の摩擦係数を低下させる目的で各種の界面活
性剤を添加することも可能であり、とくにジメチルポリ
シロキサンとアルキレンオキシドとのブロックまたはグ
ラフト共重合体、さらにはフッ素系界面活性剤などが有
効である。
【0032】これらのPVAおよび無機微粒子以外の添
加成分は、本発明のPVAおよび無機微粒子を主成分と
してなる透明成形体に対して耐熱性、耐候性、接着性あ
るいは耐薬品性など本発明が適応される用途に応じて種
々の実用特性を改良し得るものであり、1種だけでなく
複数種添加しても何等問題はない。
加成分は、本発明のPVAおよび無機微粒子を主成分と
してなる透明成形体に対して耐熱性、耐候性、接着性あ
るいは耐薬品性など本発明が適応される用途に応じて種
々の実用特性を改良し得るものであり、1種だけでなく
複数種添加しても何等問題はない。
【0033】また、本発明の透明成形体の製造方法は特
に限定されるものではないが、好ましくは、PVAと無
機微粒子を均一に分散させるために、一度組成成分を溶
媒中に分散し前駆組成溶液を得た後、溶媒を蒸発、留去
または膜分離などの方法で除去して製造する方法が用い
られる。さらに好ましくは、キャスト成形によって製造
する方法が用いられる。この場合、溶媒を除去するにあ
たっては、透明性および組成成分の分散性を損なわない
程度に加熱および/または減圧することは何等問題はな
い。むしろ、組成成分の硬化を促進する意味で、25〜
120℃、さらに好ましくは、40〜95℃の範囲での
加熱は好適に行われる。
に限定されるものではないが、好ましくは、PVAと無
機微粒子を均一に分散させるために、一度組成成分を溶
媒中に分散し前駆組成溶液を得た後、溶媒を蒸発、留去
または膜分離などの方法で除去して製造する方法が用い
られる。さらに好ましくは、キャスト成形によって製造
する方法が用いられる。この場合、溶媒を除去するにあ
たっては、透明性および組成成分の分散性を損なわない
程度に加熱および/または減圧することは何等問題はな
い。むしろ、組成成分の硬化を促進する意味で、25〜
120℃、さらに好ましくは、40〜95℃の範囲での
加熱は好適に行われる。
【0034】前駆組成溶液の溶媒は、特に限定されるも
のではないが、PVAの溶解性から水、メタノール、エ
タノール、イソプロピルアルコール、その他のアルコー
ル、アセトン、ジアセトンアルコール、DMF、DMS
O、ジメチルイミダゾリジノンなどが好適に用いられ、
それぞれ単独または複数種の混合溶媒として好適に用い
られる。また、無機微粒子の原料として水または有機溶
媒に分散したコロイド状分散体を用いた場合、前駆組成
溶液の溶媒は無機微粒子の分散溶媒と相溶性するものが
好ましい。特に、水溶媒に分散したコロイド状分散体
は、安価でかつ可燃性蒸気が発生しないことなどから水
性塗料の無機添加剤等に好適に用いられているが、かか
る水溶媒分散体を無機微粒子の原料として用いた場合
は、前駆組成溶液の溶媒は水を主として含む溶媒系が特
に好ましい。
のではないが、PVAの溶解性から水、メタノール、エ
タノール、イソプロピルアルコール、その他のアルコー
ル、アセトン、ジアセトンアルコール、DMF、DMS
O、ジメチルイミダゾリジノンなどが好適に用いられ、
それぞれ単独または複数種の混合溶媒として好適に用い
られる。また、無機微粒子の原料として水または有機溶
媒に分散したコロイド状分散体を用いた場合、前駆組成
溶液の溶媒は無機微粒子の分散溶媒と相溶性するものが
好ましい。特に、水溶媒に分散したコロイド状分散体
は、安価でかつ可燃性蒸気が発生しないことなどから水
性塗料の無機添加剤等に好適に用いられているが、かか
る水溶媒分散体を無機微粒子の原料として用いた場合
は、前駆組成溶液の溶媒は水を主として含む溶媒系が特
に好ましい。
【0035】なお、かかる透明成形体を製造するための
前駆組成溶液の調整においては、例えば各添加成分を単
に混合する方法あるいは成分によってはあらかじめ加水
分解などの処理を施したものを用いてさらに他の成分を
混合する方法などが挙げられ、これらはいずれも本発明
の透明成形体製造には有用な方法である。
前駆組成溶液の調整においては、例えば各添加成分を単
に混合する方法あるいは成分によってはあらかじめ加水
分解などの処理を施したものを用いてさらに他の成分を
混合する方法などが挙げられ、これらはいずれも本発明
の透明成形体製造には有用な方法である。
【0036】また、溶媒除去後においても、組成成分の
硬化・分散性保持、成形体の機械的強度・耐熱性向上を
目的として、透明性を損なわない程度の加熱処理を行う
ことは何等問題はない。
硬化・分散性保持、成形体の機械的強度・耐熱性向上を
目的として、透明性を損なわない程度の加熱処理を行う
ことは何等問題はない。
【0037】なお、かかる透明成形体は単体で用いるだ
けでなく、ガラスや金属等の無機物または樹脂などの有
機物のオーバーコートとしても有用である。この場合、
前駆組成溶液はそのままコーティング組成物として用い
られる。または、揮発性溶媒に希釈しても何等問題はな
い。この場合、溶媒として塗布されるものは、特に限定
されないが、使用にあたっては被塗布物の表面性状を損
なわぬことが要求され、さらにはコーティング組成物の
安定性、基材に対するぬれ性、揮発性などをも考慮して
決められるべきである。また、溶媒は1種のみならず2
種以上の混合物として用いることも可能である。これら
の溶媒としては水、各種アルコール、エステル、エーテ
ル、ケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド、ジメチルイミダゾリジノンなどの溶媒が挙げられ
る。その塗布手段としては、刷毛塗り、浸漬塗り、ロー
ル塗り、スプレー塗装、スピン塗装、流し塗りなどの通
常行なわれる塗布方法が容易に使用可能である。また、
塗布にあたって、作業性、被膜厚さ調節などから各種溶
剤により希釈して用いられるが、希釈溶剤としては例え
ば、水、アルコール、エステル、エーテル、ハロゲン化
炭化水素、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ドなどが目的に応じて種々使用可能であり、必要に応じ
て混合溶媒を使用することも可能である。
けでなく、ガラスや金属等の無機物または樹脂などの有
機物のオーバーコートとしても有用である。この場合、
前駆組成溶液はそのままコーティング組成物として用い
られる。または、揮発性溶媒に希釈しても何等問題はな
い。この場合、溶媒として塗布されるものは、特に限定
されないが、使用にあたっては被塗布物の表面性状を損
なわぬことが要求され、さらにはコーティング組成物の
安定性、基材に対するぬれ性、揮発性などをも考慮して
決められるべきである。また、溶媒は1種のみならず2
種以上の混合物として用いることも可能である。これら
の溶媒としては水、各種アルコール、エステル、エーテ
ル、ケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド、ジメチルイミダゾリジノンなどの溶媒が挙げられ
る。その塗布手段としては、刷毛塗り、浸漬塗り、ロー
ル塗り、スプレー塗装、スピン塗装、流し塗りなどの通
常行なわれる塗布方法が容易に使用可能である。また、
塗布にあたって、作業性、被膜厚さ調節などから各種溶
剤により希釈して用いられるが、希釈溶剤としては例え
ば、水、アルコール、エステル、エーテル、ハロゲン化
炭化水素、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ドなどが目的に応じて種々使用可能であり、必要に応じ
て混合溶媒を使用することも可能である。
【0038】コーティング組成物の塗布にあたっては、
清浄化、密着性、耐水性等の向上を目的として各種の前
処理を施すことも有効な手段である。特に好ましく用い
られる方法としては活性化ガス処理、薬品処理、紫外線
処理などが挙げられる。これらの前処理は、連続的また
は段階的に併用して実施することも十分可能である。前
記の活性化ガス処理とは、常圧もしくは減圧下において
生成するイオン、電子あるいは励起された気体による処
理である。これらの活性化ガスを生成させる方法として
は、例えばコロナ放電、減圧下での直流、低周波、高周
波あるいはマイクロ波による高電圧放電などによるもの
である。
清浄化、密着性、耐水性等の向上を目的として各種の前
処理を施すことも有効な手段である。特に好ましく用い
られる方法としては活性化ガス処理、薬品処理、紫外線
処理などが挙げられる。これらの前処理は、連続的また
は段階的に併用して実施することも十分可能である。前
記の活性化ガス処理とは、常圧もしくは減圧下において
生成するイオン、電子あるいは励起された気体による処
理である。これらの活性化ガスを生成させる方法として
は、例えばコロナ放電、減圧下での直流、低周波、高周
波あるいはマイクロ波による高電圧放電などによるもの
である。
【0039】ここで使用されるガスは特に限定されるも
のではないが、具体例としては酸素、窒素、水素、炭酸
ガス、二酸化硫黄、ヘリウム、ネオン、アルゴン、フレ
オン、水蒸気、アンモニア、一酸化炭素、塩素、一酸化
窒素、二酸化窒素などが挙げられる。これらは一種のみ
ならず二種以上混合しても使用可能である。前記の中で
好ましいガスとしては、酸素を含んだものが挙げられ、
空気などの自然界に存在するものであっても良い。さら
に好ましくは、純粋な酸素ガスが密着性向上に有効であ
る。さらには同様の目的で前記処理に際しては被処理基
材の温度を挙げることも可能である。
のではないが、具体例としては酸素、窒素、水素、炭酸
ガス、二酸化硫黄、ヘリウム、ネオン、アルゴン、フレ
オン、水蒸気、アンモニア、一酸化炭素、塩素、一酸化
窒素、二酸化窒素などが挙げられる。これらは一種のみ
ならず二種以上混合しても使用可能である。前記の中で
好ましいガスとしては、酸素を含んだものが挙げられ、
空気などの自然界に存在するものであっても良い。さら
に好ましくは、純粋な酸素ガスが密着性向上に有効であ
る。さらには同様の目的で前記処理に際しては被処理基
材の温度を挙げることも可能である。
【0040】薬品処理の具体例としては、(i) 苛性ソー
ダなどのアルカリ処理、(ii)塩酸、硫酸、過マンガン酸
カリウム、重クロム酸カリウムなどの酸処理、(iii) 有
機溶剤処理などが挙げられる。以上の前処理は連続的、
または段階的に併用して実施することも十分可能であ
る。
ダなどのアルカリ処理、(ii)塩酸、硫酸、過マンガン酸
カリウム、重クロム酸カリウムなどの酸処理、(iii) 有
機溶剤処理などが挙げられる。以上の前処理は連続的、
または段階的に併用して実施することも十分可能であ
る。
【0041】本発明によって得られる透明成形体の透明
性は、無着色時の全光線透過率を指標として表した場
合、60%以上が好ましく、より好ましくは80%以上
である。また、光学等方性が要求される用途、例えば、
液晶ディスプレイ用基板、光ディスク基板等の場合は、
複屈折は30nm以下が好ましく、さらには15nm以
下がより好ましい。
性は、無着色時の全光線透過率を指標として表した場
合、60%以上が好ましく、より好ましくは80%以上
である。また、光学等方性が要求される用途、例えば、
液晶ディスプレイ用基板、光ディスク基板等の場合は、
複屈折は30nm以下が好ましく、さらには15nm以
下がより好ましい。
【0042】本発明の透明成形体は、ガスバリヤ性、透
明性、耐熱性、耐光性、耐候性、耐衝撃性、グレージン
グ性、耐薬品性、光学等方性などに優れることから、眼
鏡レンズ、サングラスレンズ、カメラ用レンズ、ビデオ
カメラ用レンズ、ゴーグル用レンズ、コンタクトレンズ
などの光学レンズ用に好ましく用いられる。さらには、
液晶ディスプレイの光導光板、自動車、航空機などのフ
ロント、リア、ルーフなどの窓用に、また、光学等方性
に優れることから光ディスク基板や各種ディスプレイの
基板材料などにも適用されるものである。
明性、耐熱性、耐光性、耐候性、耐衝撃性、グレージン
グ性、耐薬品性、光学等方性などに優れることから、眼
鏡レンズ、サングラスレンズ、カメラ用レンズ、ビデオ
カメラ用レンズ、ゴーグル用レンズ、コンタクトレンズ
などの光学レンズ用に好ましく用いられる。さらには、
液晶ディスプレイの光導光板、自動車、航空機などのフ
ロント、リア、ルーフなどの窓用に、また、光学等方性
に優れることから光ディスク基板や各種ディスプレイの
基板材料などにも適用されるものである。
【0043】また、有機または無機材料との接着性・表
面硬度・耐摩耗性に優れていることから各種塗膜とし
て、また、ガラスとの接着性・難燃性・耐貫通性・耐衝
撃性・接着したガラスの飛散防止性に優れることから、
建築用合わせガラス(JISR 3205規定の合わせ
ガラス、安全ガラス、防犯ガラス、防音ガラス、防火ガ
ラス)用途または自動車用合わせガラス用途の中間膜と
して好適に用いられる。
面硬度・耐摩耗性に優れていることから各種塗膜とし
て、また、ガラスとの接着性・難燃性・耐貫通性・耐衝
撃性・接着したガラスの飛散防止性に優れることから、
建築用合わせガラス(JISR 3205規定の合わせ
ガラス、安全ガラス、防犯ガラス、防音ガラス、防火ガ
ラス)用途または自動車用合わせガラス用途の中間膜と
して好適に用いられる。
【0044】
【実施例】以下、本発明を実施例をもとにさらに具体的
に説明する。
に説明する。
【0045】透明成形体の諸特性は以下のように測定し
た。なお、塗料として用いた場合の透明成形体からなる
塗膜の諸特性も同様に測定した。
た。なお、塗料として用いた場合の透明成形体からなる
塗膜の諸特性も同様に測定した。
【0046】(a)全光線透過率、黄色度 スガ試験機(株)製、SMコンピューターを用いて測定
した。
した。
【0047】(b)ヘーズ スガ試験機(株)製、全自動直読ヘーズコンピューター
メーター HGM−2DP型を用いて測定した。
メーター HGM−2DP型を用いて測定した。
【0048】(c)機械的特性 JIS K−7203に基づいて曲げ試験を行い、評価
した。
した。
【0049】(d)耐溶剤性 熱水またはアセトンを含浸させたガーゼで表面をラビン
グし、その時の光沢変化を目視により評価した。
グし、その時の光沢変化を目視により評価した。
【0050】(e)耐擦傷性 #0000のスチールウールで表面を擦り、傷つき具合
から判定した。
から判定した。
【0051】(f)耐熱性 厚さ1mmのフィルム状サンプルを作製し、得られたサン
プルをガラス板上に置き、150℃にて2時間加熱した
後、表面の状態(平滑性など)を観察した。
プルをガラス板上に置き、150℃にて2時間加熱した
後、表面の状態(平滑性など)を観察した。
【0052】また、本発明の透明成形体を中間膜として
用いた合わせガラスの諸特性は以下のように測定した。
用いた合わせガラスの諸特性は以下のように測定した。
【0053】(a)全光線透過率、黄色度 スガ試験機(株)製、SMコンピューターを用いて測定
した。
した。
【0054】(b)ヘ−ズ スガ試験機(株)製、全自動直読ヘーズコンピューター
メーター HGM−2DP型を用いて測定した。
メーター HGM−2DP型を用いて測定した。
【0055】(c)耐衝撃性 JIS R 3205規定の衝撃試験およびショットバ
ック試験により評価した。
ック試験により評価した。
【0056】(a)防火性 JIS A 1311規定の20分および60分加熱試
験により、耐火性、防炎性、防煙性、加熱試験後の耐衝
撃性について評価した。
験により、耐火性、防炎性、防煙性、加熱試験後の耐衝
撃性について評価した。
【0057】実施例1 回転子を備えた容器中に、水100gとシラノール基含
有ポリビニルアルコール((株)クラレ;商品名R−1
130、重合度1700〜1800、鹸化度98.5±
0.5、Si含有率0.4重量%)10gを入れ、シラ
ノール基含有ポリビニルアルコールを完全に水に溶解さ
せる。得られた水溶液に対し、水分散型コロイダルシリ
カ(触媒化成工業(株);商品名Cataloid−S
・SI−50、SiO2 微粒子含有率47〜49重量
%、粒子径21〜30nm)20gをマグネチックスス
ターラーで撹拌しながら徐々に加えた。得られた前駆組
成溶液(A)を底面積200cm2 のアルミバット上に
流し込み、90℃で1時間加熱し水を完全に除去し厚さ
1mmの板状透明成形体(I)を得た。
有ポリビニルアルコール((株)クラレ;商品名R−1
130、重合度1700〜1800、鹸化度98.5±
0.5、Si含有率0.4重量%)10gを入れ、シラ
ノール基含有ポリビニルアルコールを完全に水に溶解さ
せる。得られた水溶液に対し、水分散型コロイダルシリ
カ(触媒化成工業(株);商品名Cataloid−S
・SI−50、SiO2 微粒子含有率47〜49重量
%、粒子径21〜30nm)20gをマグネチックスス
ターラーで撹拌しながら徐々に加えた。得られた前駆組
成溶液(A)を底面積200cm2 のアルミバット上に
流し込み、90℃で1時間加熱し水を完全に除去し厚さ
1mmの板状透明成形体(I)を得た。
【0058】この板状透明成形体(I)の全光線透過率
は90%であった。また、室温における曲げ弾性率は1
98kg/mm2 、曲げ強さ9kg/mm2 を示し、耐
溶剤性も良好なものであった。また、150℃・2時間
の加熱試験の前後で測定諸性質においても初期性能とほ
ぼ同等であり、大きく下回るものはなかった。
は90%であった。また、室温における曲げ弾性率は1
98kg/mm2 、曲げ強さ9kg/mm2 を示し、耐
溶剤性も良好なものであった。また、150℃・2時間
の加熱試験の前後で測定諸性質においても初期性能とほ
ぼ同等であり、大きく下回るものはなかった。
【0059】実施例2 回転子を備えた反応器中にγ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン95.3gを仕込み、液温を10℃に
保ち、マグネチックススターラーで撹拌しながら0.0
1規定の塩酸水溶液21.8gを徐々に滴下する。滴下
終了後冷却をやめて、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシランの加水分解物を得た。
リメトキシシラン95.3gを仕込み、液温を10℃に
保ち、マグネチックススターラーで撹拌しながら0.0
1規定の塩酸水溶液21.8gを徐々に滴下する。滴下
終了後冷却をやめて、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシランの加水分解物を得た。
【0060】この加水分解物5gに、シラノール基含有
ポリビニルアルコール((株)クラレ;R−1130、
重合度1700〜1800、鹸化度98.5±0.5、
Si含有率0.4重量%の50重量%の水溶液90g を
ビーカーに秤量した後、攪拌下で水260g 、1、4ジ
オキサン50g、シリコン系界面活性剤0.5g、アル
ミニウムアセチルアセトナート5gをそれぞれ添加し、
さらにコロイド状シリカゾル(触媒化成工業(株);商
品名Cataloid−S・SI−50、SiO2 微粒
子含有率47〜49重量%、粒子径21〜30nm)1
00g、アルミニウムアセチルアセトネート5gを添加
し、十分撹拌混合して前駆組成溶液を(B)を得た。得
られた前駆組成溶液を底面積1000cm2 のアルミバ
ット上に流し込み、90℃で1時間加熱し溶剤を完全に
除去し厚さ1mmの板状透明成形体(II)を得た。
ポリビニルアルコール((株)クラレ;R−1130、
重合度1700〜1800、鹸化度98.5±0.5、
Si含有率0.4重量%の50重量%の水溶液90g を
ビーカーに秤量した後、攪拌下で水260g 、1、4ジ
オキサン50g、シリコン系界面活性剤0.5g、アル
ミニウムアセチルアセトナート5gをそれぞれ添加し、
さらにコロイド状シリカゾル(触媒化成工業(株);商
品名Cataloid−S・SI−50、SiO2 微粒
子含有率47〜49重量%、粒子径21〜30nm)1
00g、アルミニウムアセチルアセトネート5gを添加
し、十分撹拌混合して前駆組成溶液を(B)を得た。得
られた前駆組成溶液を底面積1000cm2 のアルミバ
ット上に流し込み、90℃で1時間加熱し溶剤を完全に
除去し厚さ1mmの板状透明成形体(II)を得た。
【0061】この板状透明成形体(II)の全光線透過率
は90%であった。また、室温における曲げ弾性率は1
98kg/mm2 、曲げ強さ9kg/mm2 を示し、耐
溶剤性も良好なものであった。また、150℃・2時間
の加熱試験の前後で外観上変化を見られず、測定諸性質
においても初期性能を大きく下回るものはなかった。 実施例3 実施例1と同様の方法で得られた前駆組成溶液(A)を
用い、厚さ1mmのスライドガラス上に、引上げ速度1
0cm/分の条件で浸漬塗布し、ついで90℃/5分の
予備硬化を行い、さらに140℃/2時間加熱して、ス
ライドガラス上に硬化被膜を設けた。得られたスライド
ガラス上の硬化被膜は、熱水・アセトンによる耐溶剤性
試験および耐擦傷性試験において外観上の変化はなく、
150℃・2時間の加熱試験の前後で測定諸性質におい
ても初期性能とほぼ同等であった。
は90%であった。また、室温における曲げ弾性率は1
98kg/mm2 、曲げ強さ9kg/mm2 を示し、耐
溶剤性も良好なものであった。また、150℃・2時間
の加熱試験の前後で外観上変化を見られず、測定諸性質
においても初期性能を大きく下回るものはなかった。 実施例3 実施例1と同様の方法で得られた前駆組成溶液(A)を
用い、厚さ1mmのスライドガラス上に、引上げ速度1
0cm/分の条件で浸漬塗布し、ついで90℃/5分の
予備硬化を行い、さらに140℃/2時間加熱して、ス
ライドガラス上に硬化被膜を設けた。得られたスライド
ガラス上の硬化被膜は、熱水・アセトンによる耐溶剤性
試験および耐擦傷性試験において外観上の変化はなく、
150℃・2時間の加熱試験の前後で測定諸性質におい
ても初期性能とほぼ同等であった。
【0062】実施例4 実施例2と同様の方法で得られた前駆組成溶液(B)を
用い、実施例3と同様の方法でスライドガラス上に硬化
被膜を設けた。得られたスライドガラス上の硬化被膜
は、熱水・アセトンによる耐溶剤性試験および耐擦傷性
試験において外観上の変化はなく、150℃・2時間の
加熱試験の前後で測定諸性質においても初期性能とほぼ
同等であった。
用い、実施例3と同様の方法でスライドガラス上に硬化
被膜を設けた。得られたスライドガラス上の硬化被膜
は、熱水・アセトンによる耐溶剤性試験および耐擦傷性
試験において外観上の変化はなく、150℃・2時間の
加熱試験の前後で測定諸性質においても初期性能とほぼ
同等であった。
【0063】実施例5 実施例1と同様の方法で得られた板状透明成形体(I)
を、1辺100cm厚さ5mmの正方形状フロート板ガ
ラス2枚の間に挟み、120℃・15Kg/cm2 で圧
着し、合わせガラスを得た。得られた合わせガラスの2
枚のガラス間の光線透過率は89%であった。また、得
られた合わせガラスについて、JISR 3205規定
の衝撃試験およびショットバック試験に合格した。ま
た、得られた合わせガラスについて、JIS R 13
11規定の加熱曲線によって加熱試験を行ったところ、
加熱試験60分間においてガラスの脱落はなく、防火上
有害な炎あるいは煙の加熱面の裏面への漏れはなかっ
た。また、加熱試験60分後の鋼球による耐衝撃性試験
においても、ガラスの形態を損なう程の大きな損傷はな
かった。
を、1辺100cm厚さ5mmの正方形状フロート板ガ
ラス2枚の間に挟み、120℃・15Kg/cm2 で圧
着し、合わせガラスを得た。得られた合わせガラスの2
枚のガラス間の光線透過率は89%であった。また、得
られた合わせガラスについて、JISR 3205規定
の衝撃試験およびショットバック試験に合格した。ま
た、得られた合わせガラスについて、JIS R 13
11規定の加熱曲線によって加熱試験を行ったところ、
加熱試験60分間においてガラスの脱落はなく、防火上
有害な炎あるいは煙の加熱面の裏面への漏れはなかっ
た。また、加熱試験60分後の鋼球による耐衝撃性試験
においても、ガラスの形態を損なう程の大きな損傷はな
かった。
【0064】実施例6 実施例1と同様の方法で得られた板状透明成形体(II)
を、1辺100cm厚さ5mmの正方形状フロート板ガ
ラス2枚の間に挟み、120℃・15Kg/cm2 で圧
着し、合わせガラスを得た。得られた合わせガラスの2
枚のガラス間の光線透過率は88%であった。また、得
られた合わせガラスについて、JISR 3205規定
の衝撃試験およびショットバック試験に合格した。ま
た、得られた合わせガラスについて、JIS R 13
11規定の加熱曲線によって加熱試験を行ったところ、
加熱試験60分間においてガラスの脱落はなく、防火上
有害な炎あるいは煙の加熱面の裏面への漏れはなかっ
た。また、加熱試験60分後の鋼球による耐衝撃性試験
においても、ガラスの形態を損なう程の大きな損傷はな
かった。
を、1辺100cm厚さ5mmの正方形状フロート板ガ
ラス2枚の間に挟み、120℃・15Kg/cm2 で圧
着し、合わせガラスを得た。得られた合わせガラスの2
枚のガラス間の光線透過率は88%であった。また、得
られた合わせガラスについて、JISR 3205規定
の衝撃試験およびショットバック試験に合格した。ま
た、得られた合わせガラスについて、JIS R 13
11規定の加熱曲線によって加熱試験を行ったところ、
加熱試験60分間においてガラスの脱落はなく、防火上
有害な炎あるいは煙の加熱面の裏面への漏れはなかっ
た。また、加熱試験60分後の鋼球による耐衝撃性試験
においても、ガラスの形態を損なう程の大きな損傷はな
かった。
【0065】比較例1 実施例1について、シラノール基含有ポリビニルアルコ
ールの代わりにポリビニルアルコール(重合度1700
〜1800、鹸化度98.5±0.5)を用いて同様に
板状成形体を得た。しかし、得られた板状成形体はほぼ
全面が白化し、光線透過率は30%、ヘーズ値は10で
あった。
ールの代わりにポリビニルアルコール(重合度1700
〜1800、鹸化度98.5±0.5)を用いて同様に
板状成形体を得た。しかし、得られた板状成形体はほぼ
全面が白化し、光線透過率は30%、ヘーズ値は10で
あった。
【0066】
【発明の効果】本発明により、透明性、柔軟性、難燃
性、耐熱性、耐火性、耐久性、耐光性、耐候性、耐貫通
性、ガラスとの接着性、低波長分散性、低複屈折性、光
学等方性、耐薬品性および吸水性に優れ、透明成形体を
提供することができる。
性、耐熱性、耐火性、耐久性、耐光性、耐候性、耐貫通
性、ガラスとの接着性、低波長分散性、低複屈折性、光
学等方性、耐薬品性および吸水性に優れ、透明成形体を
提供することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 226/02 MNL C08F 226/02 MNL 228/04 MNR 228/04 MNR 230/08 MNU 230/08 MNU C08J 5/00 CEX C08J 5/00 CEX 5/10 CEX 5/10 CEX C08K 3/36 C08K 3/36 C08L 33/02 LHR C08L 33/02 LHR 33/06 LHU 33/06 LHU 39/00 LJY 39/00 LJY 41/00 LJZ 41/00 LJZ 43/04 LKA 43/04 LKA
Claims (9)
- 【請求項1】下記のA成分とB成分を含む組成物の架橋
体からなることを特徴とする透明成形体。 A.下記の一般式(A)で表される単位を分子構造中に
1個以上有するポリビニルアルコール 一般式(A) (CH2 −CHP)n (ここで、PはSiR1 a R2 b X3-a-b 、SiR1 a
Xb Y3-a-b 、SiR2 a Xb Y3-a-b 、SiXa Yb
Z3-a-b 、COOR3 、COOM1 、NH2 、NH4 M
2 またはSR3 でかつ、X,YおよびZは加水分解性基
であり、aおよびbは0または1である。また、R1 は
炭素数1〜10の有機基、R2 は炭素数1〜6の炭化水
素基またはハロゲン化炭化水素基、R3 はHまたは炭素
数1〜10の有機基、M1 はアルカリ金属、M2 はハロ
ゲンである。さらに、nは、1以上の整数である。) B.無機微粒子 - 【請求項2】該一般式(A)のPが、SiXa Yb Z
3-a-b であり、樹脂全体の重量に対するSiの重量比が
0.01%以上10%以下であることを特徴とする請求
項1記載の透明成形体。 - 【請求項3】該一般式(A)のPが、SiXa Yb Z
3-a-b であり、X,Y,Zが炭素数1〜10のアルコキ
シまたはフェノキシ基、ヒドロキシ基またはOM基(M
はNa,K,Liなどのアルカリ金属)であることを特
徴とする請求項1または2記載の透明成形体。 - 【請求項4】該無機微粒子が、平均粒子径1〜300n
mのシリカ、酸化アンチモン、チタニア、アルミナ、ジ
ルコニアおよび酸化タングステンから選ばれる少なくと
も一種であることを特徴とする請求項1記載の透明成形
体。 - 【請求項5】該無機微粒子が、水を80重量部以上含む
溶媒に分散したコロイド状微粒子であることを特徴とす
る請求項1〜4のいずれかに記載の透明成形体。 - 【請求項6】下記の一般式(B)で表される有機ケイ素
化合物および下記の一般式(C)で表されるアルミニウ
ムキレート化合物を主成分としてなることを特徴とする
請求項1〜5のいずれかに記載の透明成形体。 一般式(B) R1 a R2 b SiX4-a-b (ここで、R1 は炭素数1〜10の有機基であり、R2
は炭素数1〜6の炭化水素基またはハロゲン化炭化水素
基、Xは加水分解性基であり、aおよびbは0または1
である。) 一般式(C) AlXn Y3-n (ここで、式中のXはOL(Lは低級アルキル基を示
す)、Yは、一般式(D)M1 COCH2 COM2 (M
1 、M2 はいずれも低級アルキル基)および一般式
(E)M3 COCH2 COOM4 (M3 、M4 はいずれ
も低級アルキル基))で示される化合物に由来する配位
子から選ばれる少なくとも一つであり、nは0、1また
は2である。) - 【請求項7】不燃性液体を0.1重量部以上30重量部
以下含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記
載の透明成形体。 - 【請求項8】該不燃性液体において、水の含有率が不燃
性液体のうちで50%以上であることを特徴とする請求
項7記載の透明成形体。 - 【請求項9】水の吸収率が自重の0.1倍〜20倍であ
ることを特徴とする請求項1記載の透明成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10656295A JPH08302138A (ja) | 1995-04-28 | 1995-04-28 | 透明成形体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10656295A JPH08302138A (ja) | 1995-04-28 | 1995-04-28 | 透明成形体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08302138A true JPH08302138A (ja) | 1996-11-19 |
Family
ID=14436748
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10656295A Pending JPH08302138A (ja) | 1995-04-28 | 1995-04-28 | 透明成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08302138A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000044807A (ja) * | 1998-05-25 | 2000-02-15 | Chuo Rika Kogyo Corp | 樹脂組成物及びその製造方法並びに塗装物 |
JP2006188657A (ja) * | 2004-11-02 | 2006-07-20 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | ポリビニルアルコール系フィルム、およびその製造方法 |
WO2006126264A1 (ja) * | 2005-05-26 | 2006-11-30 | Sony Chemical & Information Device Corporation | 光学異方性材料の製造方法 |
JP2007058176A (ja) * | 2005-07-28 | 2007-03-08 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | 偏光膜用ポリビニルアルコール系フィルム及びそれを用いた偏光膜、偏光板 |
WO2009096365A1 (ja) * | 2008-02-01 | 2009-08-06 | Teijin Limited | 無機ナノ粒子-高分子複合体及びその製造方法 |
JP2009280770A (ja) * | 2008-05-26 | 2009-12-03 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 有機・無機複合組成物、これを用いた有機無機複合体、及び機能性複合体 |
JP2011094156A (ja) * | 2004-11-02 | 2011-05-12 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | ポリビニルアルコール系フィルム、およびその用途 |
JP2012162740A (ja) * | 2012-05-07 | 2012-08-30 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | 透明複合体およびその製造方法 |
-
1995
- 1995-04-28 JP JP10656295A patent/JPH08302138A/ja active Pending
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