JPH08301902A - 再生セルロースの製造方法および結晶性が制御された再生セルロース - Google Patents

再生セルロースの製造方法および結晶性が制御された再生セルロース

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JPH08301902A
JPH08301902A JP11096195A JP11096195A JPH08301902A JP H08301902 A JPH08301902 A JP H08301902A JP 11096195 A JP11096195 A JP 11096195A JP 11096195 A JP11096195 A JP 11096195A JP H08301902 A JPH08301902 A JP H08301902A
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metal
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crystallinity
regenerated cellulose
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Ikuya Miyamoto
郁也 宮本
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】結晶性が制御された再生セルロースを製造する
こと。 【構成】金属/アミン/アルカリ水溶液中でセルロース
を浸漬処理し、それによって得られた金属吸着セルロー
スを酸で再生すること。特定のOH- イオン濃度の金属
/アミン/アルカリ水溶液中でセルロースを処理し、結
晶完全度の高い再生セルロースまたは結晶性の低いセル
ロースを得る。 【効果】原料セルロースの分子量および形態を全く変化
させることなく、結晶性を制御することができる。ま
た、これによって得られる結晶完全度の高いセルロース
は湿強度、湿弾性率などの湿潤物性が高いことが予想さ
れる。また、結晶性の低いセルロースは従来のアモルフ
ァスセルロースよりも分子量が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は再生セルロースに関し、
さらに詳しくは衣料用、産業資材用繊維、フィルム材料
等として有用な再生セルロースの製造方法および結晶性
か制御された再生セルロースに関する。
【0002】
【従来の技術】再生セルロースは、天然セルロースを一
度溶剤に溶解した後、貧溶媒を用いて凝固再生したり、
または溶媒を揮発させたりすることによって成形して得
られるものであり、その代表例としてビスコース法やキ
ュプラアンモニウム法で得られる繊維があげられる。こ
れらの再生セルロースは凝固の際に一部が結晶化を起こ
すことがよく知られているが、その割合はおよそ30%
から70%であり、通常の製法ではそれより結晶化度の
高いものは得られていない。一方、天然セルロース、例
えば綿の結晶化度の一つの例は86%であり、この高結
晶性が高湿強度、高湿弾性率などの湿潤物性を支えてい
るといわれている。そこでこれらの再生セルロースにさ
まざまな処理を施し、結晶性を向上させる試みがなされ
てきた。しかし、結晶化度が70%を超え、かつ微結晶
サイズの均一な結晶完全性の高いセルロースについて
は、本発明者らの知る限り存在しない。
【0003】一方、結晶化度が30%以下の結晶性の低
いセルロースは幾つかの方法で得ることができる。その
代表的なものにアモルファスセルロースがある。従来、
アモルファスセルロースの製法としては、ボールミル処
理、セルローストリアセテートからの鹸化処理などがあ
る。ボールミル処理とは、円筒型の容器に固体セルロー
ス原料と金属製の球を入れ、回転させ球の落下と摩擦で
セルロースを粉砕しながら原料セルロースの結晶構造を
破壊し、アモルファスセルロースを得る方法である。こ
の方法では物理的な力のみによってアモルファス化を行
うため、セルロースの化学構造が変化しないという利点
がある。しかし、処理段階で非常に大きな物理的な力が
加わるため、セルロースの分子量が著しく低下したり、
サンプルの形状が大きく変化してしまうという問題点が
ある。次に、セルローストリアセテートからの鹸化処理
は、セルロースを一度トリアセチル化した後、メタノー
ルなどの非水溶媒中でナトリウムメトキシドなどのアル
カリを用いて鹸化することによってアモルファスセルロ
ースを得る方法である。この方法では物理的な力を加え
ていないためサンプルの形態が変化することはないが、
セルロースを一度誘導体化した後再びセルロースに戻す
という煩雑かつ多段階反応であるため、商業的製法とし
ての経済性は低く、実用性に乏しい。また、ボールミル
処理と同様に、多段階の反応の際に重合度が低下してし
まうという問題点もある。要するに、現在のところ安価
な条件で重合度300以上の高分子量のアモルファスセ
ルロースを得る方法はない。
【0004】他方、さまざまな再生セルロース繊維の風
合い向上などを目的として、再生セルロース繊維の後処
理が行われている。例えばスチーム処理やアルカリ処理
などがそれに当たる。しかし、これらの処理は基本的に
セルロースの結晶構造そのものを変化させるものではな
いため、結晶化度が10%以上変化した例は全く報告さ
れていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように従来技術
にはさまざまな問題点が存在する。本発明者らはかかる
点に鑑み、これらの問題点をクリアすべく鋭意検討を重
ねた結果、一旦セルロースに金属を吸着させた金属吸着
セルロースを酸で再生させてセルロースを得る際、金属
吸着量や吸着形態を変化させることによって、得られる
セルロースの結晶性を制御できることを見出した。ま
た、その中でも金属吸着量を特定濃度にすることによっ
て、今まで存在しなかった結晶化度75%以上である結
晶完全度の高いセルロース、および結晶化度が10%以
下であるようなアモルファス状セルロースが形成するこ
とを見出し、本発明に到達した。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本願で特許請
求する発明は以下のとおりである。 (1)特定濃度範囲の水酸イオン(OH- )を含む金属
/アミン/アルカリ水溶液中でセルロースを浸漬処理
し、得られる金属吸着セルロースを、酸で再生すること
を特徴とする再生セルロースの製造方法。
【0007】(2)前記OH- イオン濃度(COH)が
0.15mol/l以上、0.30mol/l以下であ
る金属/アミン/アルカリ水溶液中でセルロースを浸漬
処理して得られる、ピラノース環に対してモル比で0.
2〜0.4の金属を含む金属吸着セルロースを、酸で再
生することを特徴とする(1)記載の再生セルロースの
製造方法。
【0008】(3)前記COHが0.5mol/l以上
である金属/アミン/アルカリ水溶液中でセルロースを
浸漬処理することによって得られる、ピラノース環に対
してモル比で0.5以上の金属を含む金属吸着セルロー
スを、酸で再生することを特徴とする(1)記載の再生
セルロースの製造方法。 (4)広角X線回折パターンにおいて(外1)面および
(002)面の回折ピークの分離度(IWR)が0.6
以下であり、かつSegal法で算出される結晶化度
(χc(X))が75%以上であることを特徴とする
(2)記載の方法で得られた再生セルロース。
【0009】(5)広角X線回折パターンにおいて、前
記χc(X)が10%以下で、かつ重合度(DPv)が
300以上である(3)記載の方法で得られた再生セル
ロース。 本発明で使用する金属/アミン/アルカリ水溶液中の金
属はCu、Co、Zn、Cd、Niなどの遷移金属が好
ましく、特にCuが好ましく、金属源としては金属水酸
化物が好ましい。アミンとしてはアンモニア、ジエチル
アミン、トリエチルアミン、エチレンジアミンなどが好
適に用いられる。特にアンモニアが好ましい。本発明に
用いられる金属/アミン/アルカリ水溶液は、適正な組
成を選択するとセルロースの溶媒となり得る。しかし、
本発明ではセルロースが溶液に溶解せず、セルロースに
高濃度に金属を吸着させることを目的とするため、アル
カリ濃度を調節してセルロースが溶解しないような金属
/アミン/アルカリ水溶液を用いることが第1の特徴と
なる。このアルカリ濃度の指標となるのがCOHであ
り、1)式で与えられる。
【0010】
【化1】COH=10(pH-14) 1) 0.3<COH<0.5mol/lであるような金属/
アミン/アルカリ水溶液はセルロースを一部溶解する
が、0.5mol/l以上および0.3mol/l以下
の場合はセルロースは全く溶解せず、セルロース上に金
属が高濃度に吸着した金属吸着セルロースが得られる。
本発明におけるセルロースの金属/アミン/アルカリ水
溶液への浸漬時間は15分以上であればよいが、セルロ
ースの重合度(DPv)の低下を防ぐために、30分以
内であることが望ましい。得られた金属吸着セルロース
を酸で再生することにより、高結晶性または低結晶性の
再生セルロース、すなわち、結晶性が制御された再生セ
ルロースを得ることができる。ここで用いる酸は、硫
酸、塩酸、硝酸などの無機酸が好ましいが、これに限定
されるものではなく、酢酸、ギ酸などの有機酸なども有
用である。また、結晶性の低いセイロースを得る場合に
はメタノール、エタノールなどの親水性有機溶媒に酸、
特に塩酸を溶解した溶液も好適に用いられる。
【0011】本発明に用いられるセルロースは、結晶完
全度の高い再生セルロースを得るためには、ビスコース
レーヨン、キュプラアンモニウムレーヨンなどの再生繊
維、再生フィルム、パウダーなど、あらゆる形態の再生
セルロースが適用できる。一方、結晶性の低いセルロー
スを得るためには上記セルロースのほかにパルプ、リン
ターなどの天然セルロースも適用できる。
【0012】また、COHの条件は、上記のようなセル
ロースの溶解を防ぐだけではなく、得られる金属吸着セ
ルロースの形態をも左右する。すなわち、COH≧0.
5mol/lと、COH≦0.3mol/lとではその
吸着形態が異なり、COH≦0.3mol/lの場合は
金属はセルロースの2、3位の水酸基と規則正しくキレ
ート配位するが、COH≧0.5mol/lの場合は金
属がセルロースの分子間を架橋するような、ランダムな
分子間架橋錯体を形成する。規則正しく金属が配位した
金属吸着セルロースを酸で再生する場合は、セルロース
分子の再配列、すなわち結晶化が起こるのに対して、ラ
ンダムな分子間架橋錯体を再生した場合は逆にアモルフ
ァス化が優先的に起こる。よって、結晶性の高いセルロ
ースを得る場合はCOH≦0.3mol/lに調整すれ
ばよく、結晶性の低いセルロースを得る場合はCOH≧
0.5mol/lに調整すればよい。このように、本発
明においてはCOHを変化させることで容易にセルロー
スの結晶性を制御できる。
【0013】本発明における結晶完全度の高いセルロー
スとは、広角X線回折パターンにおいて、Segalら
によって提案された2)式によって求められる結晶化度
χc(X)が75%以上であることを第1条件とする。
【0014】
【化2】 χc(X)=(I(002)−Iam)/I(002)×100 2) ここでI(002)、Iamはそれぞれ(002)面の
回折ピーク強度およびアモルファスセルロース部分の回
折強度である。また、2つ目の条件として(外1)面、
(002)面の回折ピークの分離度(IWR:Inte
gral Wide Ratio)が0.6以下である
ことを規定する。これは、セルロースの結晶化度xc
(X)および回折ピークの分離度IWRの算出法の補助
説明のために示した図1に示すように(外1)面の回折
ピーク強度(I(外1))、(002)面の回折ピーク
強度(I(002))、および両者のピークの交点の回
折強度Ic、この3者を用いて3)式から算出されるも
のである。
【0015】
【化3】 IWR=2×Ic/I(10I)+I(002) 3) このIWRは回折ピークの分離度をあらわしており、こ
の値が小さい場合は分離度がよく、微結晶サイズの均一
性が高いことを示す。ビスコースレーヨンやキュプラア
ンモニウムレーヨンなどの既存の再生セルロース繊維の
場合はほとんどが0.8以上であり、IWR≦0.6と
いう本発明のセルロースのような結晶完全度の高いもの
はこれまでなかった。また、本発明における結晶完全度
の高いセルロースとは、χc(X)が75%以上である
第1条件と、IWR≦0.6という第2条件の両方の条
件を満たすものであり、どちらかの条件を欠いても結晶
完全度が高いセルロースとはいわない。
【0016】これらのセルロースは以下の方法によって
調整できる。本発明における結晶完全度が高いセルロー
スを得るためには、金属/アミン/アルカリ水溶液中の
COHが0.15≦COH≦0.3であることが第1条
件である。この条件は、上記のようにセルロースが溶解
せず、得られる金属吸着セルロースの形態が規則正しい
キレート錯体が得られるために必要である。また、これ
に加えて金属吸着セルロース中の金属吸着量がピラノー
ス環に対するモル比で0.2〜0.4であることが第2
条件として必要である。0.15>COHの場合、後述
する金属吸着量が0.2未満になるため、規則正しいキ
レート錯体が得られず、結晶化度を75%以上に高める
ことはできない。一方、0.3<COH<0.5の場
合、一部のセルロースが溶解するため望ましくない。す
なわち、前記金属吸着量が前記モル比で0.2〜0.4
でなければ再生後得られるセルロースの結晶化度が75
%以上とはならない。その理由は、金属はアモルファス
部分に優先的に浸入すると思われるので、原料セルロー
スのアモルファス部分にモル比で0.2以上の金属が浸
入しなければ、適度な結晶化を起こすことができないか
らである。また、0.4よりも金属吸着量が多い場合
は、原料セルロースの結晶部分まで金属が浸入してしま
う可能性があるので、そのことによって結晶化が抑制さ
れてしまう。仕込みの金属と原料セルロースのモル比を
調整することで金属吸着量を0.2から0.4に調製す
ることができる。
【0017】一方、COH≧0.5mol/lの金属/
アミン/アルカリ水溶液でセルロースを処理した場合は
セルロースの結晶性が低くなるが、付加条件として金属
の吸着量をピラノース環に対してモル比で0.5以上に
した場合は、得られる再生セルロースの結晶性は著しく
低くなる。Segal法で見積もった結晶化度が10%
以下のセルロースは、一般的にはアモルファスセルロー
スと同義に扱われるが、本発明で定義される結晶性の低
いセルロースとは、さらにこの条件に重合度が300以
上という条件を満たすものとする。ここで、金属の吸着
モル比が0.5以上必要である理由は、金属が原料セル
ロースの結晶部分まで浸入しなければならないからであ
る。
【0018】金属の吸着モル比が0.5以上になるため
には、仕込みの金属量をセルロースに対してモル比で
0.8以上にすることが望ましい。
【0019】
【発明の効果】本発明は、金属/アミン/アルカリ水溶
液という安価な処理液を用いて、再生セルロースに金属
吸着という単純な処理するだけで、その結晶性を制御す
ることができ、また、原料セルロースの形態、分子量な
どは全く変化しないので、再生セルロース繊維、フィル
ムの後処理などに有用である。また、本発明によって得
られる結晶完全度の高いセルロースは湿強度、湿弾性率
が優れていることが期待される。また、本発明において
得られる結晶性の低いセルロースは、従来よりも重合度
の高いアモルファスセルロースや、セルロース誘導体の
反応前駆体として、また結晶化度測定の際のモデル物質
として有用である。
【0020】
【実施例】
実施例1〜3 水酸化銅0.025mol/l、アンモニア2.4mo
l/lを含み、水酸化ナトリウムを用いてそれぞれCO
H=0.15mol/l、0.20mol/l、0.3
mol/lに調製した3種類の銅/アンモニア/アルカ
リ溶液1.01にDPv=600、χc(X)=45%
の再生セルロース8gを30分浸漬した。次に、付着し
ている溶液をできるだけ拭き取り、水洗乾燥した。次
に、1.0規定の塩酸11にこれを入れ5分放置し、水
洗後40℃のオーブンで1時間乾燥してセルロースサン
プルを得た。このサンプルを広角X線回折測定した。こ
れらの結果を、それぞれ実施例1〜3として表1に示し
た。 比較例1〜2 COHが0.4mol/l、0.1mol/lである以
外は実施例1〜3と同じ条件で調製した2種類のセルロ
ースをそれぞれ比較例1、2とする。なお、COHが
0.4mol/lの場合はセルロースが一部溶解するの
で、未溶解部分について処理を行った結果を表1に示
す。
【0021】実施例1〜3はχc(X)が75%を超え
ており、かつIWRが0.6以下の結晶完全度の高いセ
ルロースであった。一方、比較例1、2のχc(X)、
IWR共に定義をはずれており、COHの効果は大きい
ことがわかる。また、処理後のセルロースのDPvは実
施例1〜3、および比較例1すべて581から592の
範囲内であり、分子量の低下はほとんど起こっていない
ものと考えられる。また、実施例1〜3で得られる結晶
完全度の高いセルロースについて、Polm.J.,1
6.857(1984)に記載されているところの、C
P/MAS13C−NMRから算出される分子内水素結合
度を測定したところ、それぞれ60%、59%、63%
と非常に高い値であった。既存の再生セルロース繊維で
あるビスコースレーヨン、キュプラアンモニウムレーヨ
ンの分子内水素結合度はそれぞれ35%、40%である
ことから、本発明において得られる結晶完全度の高いセ
ルロースは分子内水素結合性も非常に高いセルロースで
あることが明らかになった。 実施例4〜6 水酸化銅0.055mol/l、アンモニア2.4mo
l/l、水酸化ナトリウムを用いてCOH=0.5mo
l/l、1.0mol/l、2.0mol/lに調製し
た3種類の銅アンモニア溶液1.01に、DPv=50
0の再生セルロースフィルム8gを30分浸漬した。次
に、付着している溶液をできるだけ拭き取り、次に0.
5規定の塩酸に入れ15分放置し、40℃のオーブンで
1時間乾燥してセルロースサンプルを得た。このサンプ
ルを広角X線回折測定した。これらの結果をそれぞれ実
施例4〜6として表2に示した。 比較例3 アルカリ濃度が0.4mol/lであること以外は、実
施例と同じ条件で調製したセルロースを比較例3とす
る。この結果も表2にあわせて示した。
【0022】COH>0.5の場合はアモルファス状の
セルロースが得られることがわかる。また、このセルロ
ースのDPvは489であり、重合度はほとんど変化し
ていない。 実施例7 アミン類としてアンモニアの代わりにエチレンジアミン
2.4mol/lを用いる以外は、実施例1と同様の条
件で調製したセルロースのχc(X)は76%、IWR
は0.6であり、結晶完全度の高いセルロースであっ
た。 実施例8 水酸化銅の代わりにNi(OH)2 を用いる以外は、実
施例1と同じ条件で調製したセルロースのχc(X)は
78%、IWRは0.58であり、結晶完全度の高いセ
ルロースであった。 実施例9 水酸化銅0.025mol/l、アンモニア2.4mo
l/lを含み、水酸化ナトリウムを用いてそれぞれCO
H=0.20mol/lに調製した銅/アンモニア/ア
ルカリ溶液1.01にDPv=500、χc(X)=4
5%のキュプラアンモニウムレーヨン繊維8gを30分
浸漬した。次に、付着している溶液をできるだけ拭き取
り、水洗乾燥した。次に、1.0規定の塩酸11にこれ
を入れ5分放置し、水洗後40℃のオーブンで1時間定
長乾燥してセルロースサンプルを得た。この繊維の乾強
度、湿強度、湿弾性率を測定した結果を表3に示す。ま
た、比較例4として処理前の物性もあわせて示す。
【0023】本発明で得られる結晶完全度の高いセルロ
ースは湿強度、湿弾性率が高く、セルロース繊維の後処
理に非常に有用であることが明らかになった。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な再生セルロースの広角X線回折パター
ンを示す図。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 特定濃度範囲の水酸イオン(OH- )を
    含む金属/アミン/アルカリ水溶液中でセルロースを浸
    漬処理し、得られる金属吸着セルロースを、酸で再生す
    ることを特徴とする再生セルロースの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記OH- イオン濃度(COH)が0.
    15mol/l以上、0.30mol/l以下である金
    属/アミン/アルカリ水溶液中でセルロースを浸漬処理
    して得られる、ピラノース環に対してモル比で0.2〜
    0.4の金属を含む金属吸着セルロースを、酸で再生す
    ることを特徴とする請求項1記載の再生セルロースの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記COHが0.5mol/l以上であ
    る金属/アミン/アルカリ水溶液中でセルロースを浸漬
    処理することによって得られる、ピラノース環に対して
    モル比で0.5以上の金属を含む金属吸着セルロース
    を、酸で再生することを特徴とする請求項1記載の再生
    セルロースの製造方法。
  4. 【請求項4】 広角X線回折パターンにおいて 【外1】 面および(002)面の回折ピークの分離度(IWR)
    が0.6以下であり、かつSegal法で算出される結
    晶化度(χc(X))が75%以上であることを特徴と
    する請求項2記載の方法で得られた再生セルロース。
  5. 【請求項5】 広角X線回折パターンにおいて、前記χ
    c(X)が10%以下で、かつ重合度(DPv)が30
    0以上である、請求項3記載の方法で得られる再生セル
    ロース。
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