JP3279046B2 - セルロース誘導体スポンジおよびその製造方法 - Google Patents

セルロース誘導体スポンジおよびその製造方法

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    • C08J2301/28Alkyl ethers

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビスコースに補強繊維
と結晶ぼう硝とアクリロニトリルを混合した混合物に熱
及び酸性水溶液を作用させる事によって製造出来るセル
ロース誘導体スポンジならびにその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】セルローススポンジは親水性の高分子で
あるセルロースを基材としているため、吸水性が大き
く、その特性を活かして自動車や食器洗い用の洗浄具な
どとして用いられている。
【0003】一般には金型加熱法で製造されるが、この
方法で得られるセルローススポンジはブロック状である
場合が多く、適当な大きさに切断され食器洗い用として
多用される。
【0004】また、最近ではセルローススポンジの生体
適合性の高さや表面積の大きさに注目して、微生物や菌
類、植物などの培養担体としての利用例も報告されてい
る(例えば、特開昭52―65045、特開昭52―1
36990、特開昭60―87225、特開平03―2
90112など)。
【0005】又、セルロースの水酸基を利用し酵素を化
学的に固定した生体触媒(固定化酵素)の研究も大きな
進展をみせており(例えば、文献;バイオテク便覧19
91(通産資料調査会)、特開昭63―18838
6)、セルローススポンジの新たな用途展開は著しい。
【0006】培養担体や固定化酵素用の担体として用い
る場合はそのスポンジが小型のペレット状である場合が
多く、小型ペレット状スポンジを製造する場合はノズル
を用いた連続押し出し、連続切断による方法が生産効率
の上からも好ましい(例えば特願平5―77526)。
【0007】セルローススポンジを製造するために、ビ
スコースに補強繊維と結晶ぼう硝を混合し、このビスコ
ース混合物を金型を用いて成形、加熱、凝固させた後、
酸処理を行い、ビスコースをセルロースへ再生する方法
は知られている(例えば、特公平2―160844)。
【0008】又、本発明者らは、以前に、より効率よ
く、連続的に、且つ品質の高いスポンジを作る方法も提
案している(特願平5―77526)。
【0009】一般的なセルローススポンジの製造法を例
示すると、セルローススポンジはビスコースに対し補強
繊維及び結晶ぼう硝を添加混合し、得られた混合物を所
要形状の金型に流し込み、これを加熱凝固、加熱再生さ
せた後、酸性水溶液と接触させて、セルロースを完全再
生し、次いで、水洗、乾燥することによって製造され
る。
【0010】ビスコース混合物を凝固、再生させるため
の加熱温度は、90〜100℃の温度が一般に採用さ
れ、その処理時間は2時間程度である。
【0011】ビスコースに添加する補強繊維の量は、ビ
スコース中のセルロース成分に対し、1〜50重量%と
なる量である。
【0012】また、ビスコースに添加する結晶ぼう硝の
平均粒径は、一般的には、1〜5mmであり、その添加
量は、目的とするスポンジの密度に応じて適宜決め、一
般にはビスコース中のセルロースに対し、30〜60倍
重量となる量である。
【0013】その添加量割合が多ければ、スポンジの密
度は低下し、柔軟性は向上するが強度は低下する。
【0014】一方、その添加割合が少なければ、スポン
ジの密度は高くなり、強度は大きくなるが、柔軟性が低
下する。ビスコースに添加した結晶芒硝は、後続の水洗
工程でスポンジから溶出除去される。
【0015】セルローススポンジを製造する場合、ビス
コースに対しては、必要に応じ、さらに、着色剤等の他
の補助成分を添加することができる(一般的製造方法は
比較例1を参照)。
【0016】このようにして得られるセルローススポン
ジは、元々、セルロース自体の親水性が高い為、吸水性
に優れる特徴を有し、その特性を生かして自動車や食器
類等の洗浄具として多用されている。しかし、従来のセ
ルローススポンジは、いくつかの欠点がある。その欠点
を列挙すれば、
【0017】(1)一般にセルローススポンジは乾燥時
の柔軟性に劣る。 (2)湿潤→乾燥→湿潤のサイクルによって著しい縮み
が生じる(回復率が低い)。その結果、吸水量がだんだ
ん小さくなる。 (3)セルロース自体が、カビ、細菌等の栄養源となる
ためカビが付きやすい。又、カビ、細菌等が放出するセ
ルラーゼ(セルロース分解酵素)の為、セルロース分子
鎖が切断され、著しい強度低下が生じる。
【0018】(1)及び(2)の問題点を解決する方法
として、セルローススポンジの柔軟性を向上させるため
にビスコースに添加する結晶芒硝として粒径の小さいも
のを用いる方法。あるいは、中空状の補強繊維を添加す
ることが知られているが、その結果は未だ満足し得るも
のではない。
【0019】さらにラテックスを配合する事によって柔
軟性アップを試みた方法(特公昭47―50867)や
有機架橋剤を用いてセルロース分子間に橋かけをする方
法(特公昭49―108169)、さらに、スポンジ原
液(ビスコースに補強繊維と結晶芒硝をまぜた混合物)
に陰イオン性界面活性剤ならびにポリオール系化合物を
添加する方法などが開示されている(特公平2―135
235)。
【0020】しかし、これらの方法で得られるセルロー
ススポンジは、乾燥時の柔軟性においては改良されたも
のであるが、乾燥、水洗、乾燥の乾湿サイクル時のスポ
ンジ収縮の点では未だ満足し得るものではなく、また、
その製造コストも高くつくという問題がある。
【0021】又、今までに報告されている改善方法で最
も問題であるのは、添加されるラテックス、界面活性
剤、ポリオール化合物がセルロースと共有化学結合で結
合していないため、洗浄により、容易にこれら添加物が
ぬけおちてしまい、くり返し効果が得られにくい事にあ
る。
【0022】以前からセルローススポンジの湿潤剤とし
てグリセリンが用いられているが、これも1度の洗浄に
よって流出してしまい、2度目からは効果がない。
【0023】(3)の問題に関しては、抗菌性ゼオライ
トの練り込み(特公平2―153723)や各種抗菌剤
の練り込み等によってセルローススポンジをカビや細菌
に侵されにくくする方法が一般にとられている。
【0024】これらの対策で短期的な効果は得られてい
るが、長期の洗浄、乾燥のくり返しによって、抗菌剤が
流出してしまい、効果が低減する問題がある。
【0025】加えて、添加した抗菌剤が手肌に付着した
り、食器に付着して人体に被害を与える可能性もある。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
見られる前記問題点を解決し、乾燥時の柔軟性にすぐ
れ、且つ湿潤回復性にすぐれ、且つカビ、細菌等が分泌
するセルラーゼに侵されにくいセルロース誘導体スポン
ジを提供する事にある。その上に、製造コスト的にも有
利なセルロース誘導体スポンジの製造方法を提供するこ
とをその課題とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明は、 (1)シアノエチル基としての窒素分を0.1重量%以
上含有するシアノエチル化セルロースと補強繊維とから
成るセルロース誘導体スポンジ。
【0028】(2)ビスコースに、ビスコース中のセル
ロース成分に対し1〜50重量%の補強繊維と、平均粒
径0.01〜5mmで、ビスコース中のセルロース成分
に対し25〜100倍重量の結晶芒硝と、ビスコース中
のセルロース成分に対し、0.1〜1倍モルのアクリロ
ニトリルとを添加して得られた原液を、成型、凝固、再
生し、次いで水洗することを特徴とするセルロース誘導
体スポンジの製造方法。
【0029】(3)金型を用いて成形することを特徴と
する(2)記載の製造方法。
【0030】(4)ダイスから凝固浴中に押し出し、ひ
も状に成形することを特徴とする(2)記載の製造方
法。
【0031】(5)(1)記載のセルロース誘導体スポ
ンジを酸またはアルカリを用いて処理する事によってセ
ルロース分子中に導入されたシアノエチル基を一部ある
いは全て加水分解して得られたセルロース誘導体スポン
ジ。
【0032】(6)請求項5記載のセルロース誘導体の
スポンジにおいて、シアノエチル基の酸あるいはアルカ
リによる加水分解によって生じた置換基が、カルバモイ
ルエチル基あるいはカルボキシエチル基(カルボキシエ
チル塩基も含む。)であるセルロース誘導体スポンジ。
【0033】なお、本明細書中でセルロース誘導体とは
シアノエチルセルロース、カルバモイルエチルセルロー
ス、又はカルボキシエチルセルロース(カルボキシルエ
チル塩基セルロース)を云う。
【0034】以下詳細に説明する。
【0035】セルロースは、D―(+)―グルコースが
β―(1→4)―グリコシド結合で連結された直鎖状高
分子である(式(1))。
【0036】セルロース分子中の多数の水酸基が分子内
ならびに分子間で強固な水素結合をつくり、セルロース
はきわめて大きな分子間凝集力を有する為、一般に水あ
るいは有機溶媒には溶解しない。
【0037】この強固な分子間凝集力の為、セルロース
スポンジの乾燥時柔軟性が劣る性質が発現していると考
えられている。
【0038】スポンジが湿潤状態にある時は、多量の水
分子がセルロース分子のまわりに介在し、セルロース分
子鎖が極度に凝集してスポンジが脆くなる事を防いでい
ると予想出来るが、乾燥状態では、この水分子が極端に
減少するため、より分子凝集が進行し、著しく脆くな
る。
【0039】
【化1】
【0040】乾燥時の脆さ、湿潤→乾燥サイクルにとも
なうスポンジの収縮はいずれも、セルロースの強い分子
間凝集力が原因と考えられる。
【0041】これら物性上の弱点を解決する最良の方法
は、セルロース分子間凝集力を適度に阻害することであ
る。
【0042】分子間凝集力を弱める為に界面活性剤やポ
リオール化合物を添加することは有効な方法である。
【0043】しかし、添加される界面活性剤やポリオー
ル化合物はセルロース分子と共有結合していないため、
洗浄等の操作を施すと、容易に抜け落ちてしまい、長期
間に亘ってはセルロースの分子間凝集阻害作用を持続し
ない。
【0044】本発明者は鋭意、検討を進めた結果、セル
ロースの分子凝集を妨げる物質を直接セルロース分子に
導入する事でセルロースの分子凝集阻害が達成出来る事
を見いだした。
【0045】即ち、本来直鎖状のセルロース分子に短い
枝を導入する事によって、その枝が邪魔になり、セルロ
ース分子が凝集出来なくなるというものである。
【0046】このセルロースの枝となる化学物質として
アクリロニトリルを用いたところ極めて優れた効果が示
された。
【0047】アクリロニトリルは、強塩基性触媒(例え
ばNaOH,KOH)によって活性化され、水酸基と反
応しシアノエチル基を与える(マイケル付加反応)。
【0048】本発明においてビスコースの主成分である
セルロースザンテートとアクリロニトリルは、アルカリ
条件下のビスコース中で式(2)に示した反応を生じ、
次いで酸性条件下でシアノエチルセルロースを与える。
【0049】
【化2】
【0050】式中の(2)〜(5)は (2)ビスコース中のセルロースザンテート (3)アクリロニトリル (4)シアノエチル化セルロースザンテート(中間体) (5)シアノエチル化セルロース である。
【0051】セルロース分子鎖に導入されたシアノエチ
ル基は、セルロース分子鎖上で短枝として働き、有効に
セルロースの分子凝集を阻害する。
【0052】このシアノエチル基は、セルロース分子と
共有結合によって結ばれている為、化学的な処理をしな
いかぎり、セルロース分子上から脱離する事なく存在す
る。
【0053】従って得られるセルロース誘導体に対して
水洗を繰り返して行ってもシアノエチル基は流出しな
い。
【0054】シアノエチル基導入の確認、及び導入量の
定量は各々、赤外吸光光度計(IR)及び元素分析によ
ってなされる。
【0055】例として図1にIR測定によって得られた
セルロース誘導体(実施例2、実験No2―4)の吸収
スペクトルを示す(使用機器;パーキンエルマージャパ
ン製、赤外分光スペクトロメーター1560FTI
R)。
【0056】2255cm-1にみられる鋭い吸収ピーク
がシアノエチル基が導入された事を示す。本セルロース
誘導体スポンジを水洗いしても、このピークは減衰ある
いは消失しない。
【0057】シアノエチル基の定量は、元素分祈にて行
う。例えば柳本製作所製、CHNコーダーMT―5分析
計が用いられる。
【0058】セルロース誘導体スポンジのシアノエチル
基の置換度は窒素含有量から計算される。
【0059】セルロースの基本構成ユニットであるグル
コース残基(式1)に各々3つある水酸基のうち、平均
いくつの水酸基がシアノエチル基で置き換えられたかと
いう値を、置換度;Degree of Substi
tution(DS)で定義する。DSの最高値は3。
DS値はスポンジのN重量パーセント値から式(3)で
計算出来る。
【0060】
【数1】
【0061】式中の、N=スポンジ中の窒素重量パーセ
ント
【0062】本セルロース誘導体スポンジを以下、シア
ノエチル化スポンジと称することもある。
【0063】このシアノエチル化スポンジの製造は極め
て容易に行いうる。次にその製造方法について述べる。
【0064】原料ビスコースに使用するセルロースの原
料は特に限定されない。パルプ、綿、麻、などが使用可
能である。
【0065】原料ビスコース中のセルロース濃度は特に
限定されないが、一般的に、5〜13重量%の範囲でビ
スコースが調製される事が多い。
【0066】ビスコース中のアルカリ濃度は最低でも3
重量%は必要である。3重量%より低いアルカリ濃度で
は、セルロースザンテートの溶解が不十分になる。アル
カリ濃度の上限は限定しないが、20重量%より高く設
定することは経済的でない。
【0067】原料ビスコース粘度は、特に制約されてい
ないが、20ポイズより低い粘度では、結晶ぼう硝の練
り込み混合の際、ぼう硝の沈降が生じ得られる成形スポ
ンジの多孔分布は不均一となり、その強度は弱く、また
湿潤時は柔軟性に富むものの、乾燥するともろくなる傾
向を示す。
【0068】一方150ポイズより高い粘土では補強繊
維およびぼう硝をビスコースに混合分散させるとき、混
合分散性が悪くなり、得られるスポンジは一般的に多孔
分布が不均一な硬いものとなる。
【0069】ビスコースに添加する補強繊維の量は、ビ
スコース中のセルロースに対し、1〜50重量%となる
量である。
【0070】1%未満では満足な補強効果が得られない
し、逆に50%より大量の補強繊維を投入すると、スポ
ンジマトリックス全体に占める補強繊維の量が多すぎて
スポンジ本来の柔らかさが阻害されてしまう。
【0071】補強繊維として綿、レーヨン、麻、絹など
の天然繊維や半合成繊維ならびにポリエステル、ナイロ
ンなどの合成繊維が使用可能である。
【0072】補強繊維の種類、繊維長、太さは特に限定
されないが、太さ1〜100デニール、長さ3mm〜1
5mm程度の繊維がスムーズな混練の上では望ましい。
【0073】特にあまりに長い繊維を使用すると、繊維
同志がからまり、ダマになりスポンジ原液中に均一に分
散させる事が出来なくなる。
【0074】ビスコースに補強繊維を混練した後にアク
リロニトリルを添加する。アクリロニトリルの添加量は
ビスコース中のセルロース成分に対して0.1〜1倍モ
ルとなる量である。
【0075】0.1倍モル未満の添加量では、シアノエ
チル基の導入量が少なく、アクリロニトリル添加効果が
得られない。
【0076】逆に1倍モル超のアクリロニトリルを添加
するとシアノエチル基の導入量が大きくなりすぎる。
【0077】過剰のシアノエチル基がセルロース鎖上に
導入されると、セルロース鎖の凝集力が阻害され過ぎる
結果、セルロースは部分的に水溶性を示すようになる。
【0078】シアノエチル基導入量の著しく高いセルロ
ーススポンジは一部が水に溶け出し、使用出来ない。
【0079】結晶ぼう硝はスポンジの気泡構造を形成す
る手段であり、その平均粒径は0.01〜5mm程度で
ある。ビスコース中のセルロースの量に対し25〜10
0倍重量である。
【0080】なお添加順序は特に限定はしない。ただ、
補強繊維はビスコース中では比較的容易に分散するが、
ビスコース・結晶ぼう硝混合液中では混合液粘度が高い
ために分散しにくい。
【0081】取り扱い上、補強繊維、ぼう硝の順で添加
した方が補強繊維の分散効率がいい。
【0082】スポンジの柔軟性は結晶ぼう硝の粒径によ
って大きく変化するので、その粒径や使用量はスポンジ
の使用目的に応じて適宜決定する。
【0083】ビスコースに添加した結晶ぼう硝は後続の
再生工程や、水洗工程でスポンジから溶出除去される。
【0084】製造した上記調製したアクリロニトリル入
りスポンジ原液は成型され、その後、再生されシアノエ
チル化スポンジと成る。
【0085】一般のセルローススポンジの成形、再生
は、加熱によって行われ、アクリロニトリル入りの場合
も同様に行い得る。
【0086】上記のスポンジ原液を所望形状を有する金
型に流し込み、これを加熱凝固、加熱再生させた後、酸
性水溶液と接触させてスポンジ中に残るアルカリ分を中
和し、次いで水洗、乾燥することによって製造される。
【0087】成型物を凝固、再生させるための加熱は、
一般にビスコース混合物の凝固、再生の場合と同様で、
90〜100℃の温度が一般的に採用され、その処理時
間は2時間程度である(実施例1)。シアノエチル化も
この温度、時間で十分である。
【0088】また金型加熱法とは異なるスポンジ原液を
ダイスから濃厚塩溶液の凝固浴中に押し出し成形する方
法でも製造出来る。
【0089】凝固浴として用いることのできる塩はスポ
ンジ原液から水分を脱水し、原液を凝固出来るもので、
塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウ
ム、塩化ナトリウム、硫酸亜鉛、硫酸マグネシウム、重
亜硫酸ソーダ、リン酸ソーダ、リン酸アンモニウム、珪
酸ソーダ、チオ硫酸ソーダ、重炭酸ソーダ、重炭酸アン
モニウム、脂肪酸ソーダ塩、ナトリウムベンゼンスルフ
ォネート等であるが、単独あるいは適宜混合して用いる
ことができる。
【0090】特に塩化アンモニウムが高い脱水力を有
し、本発明の凝固目的には非常に優れた性能を有してい
る事を見出した。
【0091】塩化アンモニウムはその他に例示した如何
なる塩よりもビスコースに補強繊維、結晶ぼう硝アクリ
ロニトリルを添加した混合物に対して強い脱水凝固作用
を有する。同じ条件で試験すると、凝固時間が最も速
い。
【0092】この濃厚塩溶液の温度は特に限定されない
が、80℃を超える温度ではビスコースの再生が著しく
進行してしまうため好ましくない。
【0093】エネルギーコスト等の経済的側面を考慮し
ても、液温は室温と同程度の温度で行うのが好ましい。
【0094】ビスコースに補強繊維と結晶ぼう硝を添加
した混合物を脱水凝固するには塩溶液の濃度はいずれの
塩においても、又混合して用いる場合においても、合計
で20重量%以上の濃度が必要である。上限は飽和量ま
でである。
【0095】塩溶液の濃度が高くなればなるほど凝固に
要する時間は短縮される。押し出し成形体の形状や大き
さは特に限定されるものではないが、大きさが大きくな
ればなるほど塩溶液での脱水時間、即ち凝固に要する時
間が長く必要となる。
【0096】目的量のビスコースに補強繊維と結晶ぼう
硝とアクリロニトリルを添加した混合物を目的の大きさ
に成形し凝固するのに必要な塩溶液の濃度および量、並
びに凝固に必要な時間は簡単な予備凝固試験によって容
易に求め得る。
【0097】例えば、パルプ原料として針葉樹クラフト
パルプを用いてこれを通常の方法でアルカリ浸漬、圧
搾、粉砕して、70℃で3時間老成した後、パルプ重量
に対して35重量%の二硫化炭素を反応させセルロース
ザンテートを得、このセルロースザンテートを水酸化ナ
トリウム水溶液に溶解しセルロース濃度9%、アルカリ
濃度9%のビスコースを得る。
【0098】このビスコースを20℃で10時間熟成し
た後、このビスコース100部にアクリロニトリル0.
88部を加え、次いでビスコース100部に補強繊維と
して平均繊維長約7mm、太さ1.5デニールのセルロ
ース繊維0.9部を加え、さらに、平均粒径70ミクロ
ンの結晶ぼう硝10水塩を360部加えて10分間、2
軸ニーダーを用いて混練りして得られるスポンジ原液を
30%塩化アンモニウム水溶液に直径6mmのホールか
ら押し出す場合、完全凝固に要する時間は約1分である
が、直径10mmの場合は約2分の時間を要する。
【0099】また、30%塩化アンモニウム水溶液30
リットルで上記のスポンジ原液30リットルを連続的に
脱水凝固することが出来た。
【0100】従来法で熱により完全凝固させようとする
と少なくとも約1時間を要する(例えば、特開平03―
52938、特開平02―135234)。
【0101】本発明の成形は、金型成形でも、押出成形
でもよい。
【0102】成形したスポンジ原液のセルロースへの再
生は熱あるいは酸処理によって行うことができる。
【0103】熱によって再生する場合は第2浴に沸騰水
を用いて再生を行いつつ、結晶ぼう硝の洗いだしを同時
に行うことができる。この時、浴の熱水の温度は80℃
以上が望ましい。
【0104】また、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウ
ム、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸亜鉛、硫酸
マグネシウム、重亜硫酸ソーダ、リン酸ソーダ、リン酸
アンモニウム、珪酸ソーダ、チオ硫酸ソーダ、重炭酸ソ
ーダ、重炭酸アンモニウム、脂肪酸ソーダ塩、ナトリウ
ムベンゼンスルフォネート等の塩を適宜溶解した熱塩水
浴を第2浴に用いることも可能である。
【0105】このときの塩濃度は特に限定されないが、
20%以上の濃度ではビスコース中のぼう硝洗い出しの
効率が低下し、完全にぼう硝が抜けるのに時間がかか
る。
【0106】一方、酸を用いて再生を行う場合は酸とし
て、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸などの鉱酸、又は酢酸、
クエン酸、ピルビン酸、ベンゼンスルフォン酸などの有
機酸が使用できる。すみやかな再生とぼう硝の洗い出し
という利点から酸を使用した再生法が望ましい。
【0107】ノズル押し出し法によるスポンジ製造は、
濃厚塩溶液による凝固、熱あるいは酸による再生お
よびぼう硝の洗い出しによる気孔形成の2つの工程に分
けてスポンジを製造する方法である。
【0108】製造されたシアノエチル化スポンジは、従
来のセルローススポンジに較べ、優れた特性を有する。
【0109】従来技術で問題と成っている乾燥時の硬
さ、ならびに乾燥にともなう収縮はアクリロニトリルを
ビスコース中のセルロースに対してわずか0.1倍モル
程度添加するだけで驚くほど改善される。
【0110】また、本来、シアノエチル基が有する防か
び性の為に、僅か0.3倍モルの添加でセルラーゼ(セ
ルロース分解酵素)に対する抵抗性は、添加しない場合
の2倍となった(いずれも実施例、比較例参照)。
【0111】さらにシアノエチル基は中性領域では比較
的安定で変性される事は少ないが、酸、アルカリに対し
てはあまり安定な置換基ではない。
【0112】従って、シアノエチル化スポンジに酸性
水、あるいはアルカリ性水を作用させると、シアノエチ
ル基が加水分解を受けカルバモイルエチル基を経てカル
ボキシエチル基に変化する(式(4))。
【0113】
【化3】
【0114】式(4)中の(6)〜(7)は、 (6)カルバモイルエチル化セルロース (7)カルボキシエチル化セルロース である。
【0115】(7)のカルボキシエチル基のカルボン酸
の水素を金属(Na,Kなど)または陽性の塩基性基
(NH4 +,N25 +など)と置換した場合はカルボキシ
エチル塩基と呼ぶ。
【0116】しかし、これはセルロース分子に短枝とし
て導入されたシアノエチル基の末端部に局在的に生じる
変化であるから、本質的に導入シアノエチル基の枝とし
ての数の増減を伴うものではない。
【0117】又、酸あるいはアルカリを作用せしめ、一
部あるいは全部のシアノエチル基を加水分解したスポン
ジと、元々のシアノエチル化スポンジの乾燥時の柔軟
性、スポンジ見かけ密度、wet時比重、ならびに耐セ
ルラーゼ性に関して大きな差が生じない事が判った。こ
の処理については実施例3に示した。
【0118】実施例3で得られたスポンジの赤外吸光ス
ペクトルではシアノエチル基のピークが消失している
(図2)。
【0119】シアノエチル基の加水分解によって生じる
カルボニル基(C=O)のピークは本来1600から1
700cm-1に観察されるはずである。
【0120】しかし、セルロース誘導体の場合、この位
置に結合水の1640cm-1の大きなピークがあり、そ
の重なりのためカルボニル基のピークがはっきりしな
い。
【0121】図1のシアノエチル化スポンジと図2のシ
アノエチル基を加水分解したスポンジの1640cm-1
付近のピークを比較すると図2の方はピーク自体の相対
強度が大きいという点と、ショルダー状のピークが出現
しているという違いがある。
【0122】即ち、シアノエチル基の加水分解によって
生じるカルボニル基(C=O)のピークはこのショルダ
ー状のピークで、その重なりのために1640cm-1
近のピークの相対強度が増大していると考えられる。
【0123】いずれにせよ、実施例3で得られたスポン
ジの窒素分析の結果では窒素成分が全く検出されない事
から、シアノエチル基の加水分解は実施例3の方法で完
全に進行しているといえる。
【0124】以下、本発明の実施例を示してさらに説明
する。
【0125】
【実施例1】 ☆金型を用いて成形した例 (セルローススポンジ製造用ビスコースの製造)パルプ
原料として針葉樹クラフトパルプを用いて、これを通常
の方法でアルカリ浸漬、圧搾、粉砕して、70℃で3時
間老成した後、パルプ重量に対して35重量%の二硫化
炭素を反応させセルロースザンテートを得た。
【0126】このセルロースザンテートを水酸化ナトリ
ウム水溶液に溶解したセルロース濃度9.0%、アルカ
リ濃度8.5%のビスコースを得た。
【0127】このビスコースを20℃で10時間熟成し
てスポンジ製造用ビスコースとした。
【0128】(セルローススポンジ製造用ビスコース混
合物の製造)上記ビスコース100重量部に補強繊維と
して平均繊維長7mm、太さ1.5デニールのセルロー
ス繊維0.9重量部を加え、さらに、所定量のアクリロ
ニトリルを添加し10分間混練した後、平均粒径70ミ
クロンの結晶ぼう硝10水塩を360重量部加えて10
分間、2軸ニーダーを用いて混練りした。
【0129】(スポンジ成形、再生)この原液を縦20
cm×横20cm×高さ20cmの金型に流し込み、9
8℃で約2時間煮沸処理をした。水洗後、1%酢酸水を
用いて中和した後、水洗しシアノエチル化スポンジを得
た。このスポンジを1辺1cmの立方体に切断して後述
の試験に用いた。
【0130】
【表1】
【0131】
【実施例2】 ☆金型を用いず、ダイスから直接凝固液中に押出成形し
た例 実施例1のスポンジ原液を、スクリュウポンプを用いて
直径10mmの穴径を有するダイスから30%塩化アン
モニウム水溶液中に押しだし、2分間滞留させ、ひも状
に成型した。
【0132】得られたひも状成型体をH2SO4、7重量
パーセントからなる再生浴液(70℃)に4分間浸漬し
た後、水洗してシアノエチル化スポンジを得た。これを
長さ1cmに切断して試験に用いた。
【0133】
【表2】
【0134】
【実施例3】 ☆カルボキシエチル化スポンジの製造例 実施例2に示した実験No2―4のスポンジ10gを7
0℃の0.1M硫酸水溶液1000mLに12時間浸漬
した後、水洗して、0.1M水酸化ナトリウム水溶液を
用い中和し、再び水洗してシアノエチル基が完全に加水
分解されたカルボキシエチル化スポンジを得た。窒素分
祈の結果、処理後のスポンジからは窒素分は検出されな
かった。
【0135】
【比較例1】 ☆シアノエチル化をしない従来例 実施例1に示したセルローススポンジ製造用ビスコース
を用い、ビスコース100重量部に補強繊維として平均
繊維長約7mm、太さ1.5デニールのセルロース繊維
0.9重量部を加え、さらに、平均粒径70ミクロンの
結晶ぼう硝10水塩を360重量部加えて10分間、2
軸ニーダーを用いて混練りをした。
【0136】この原液を実施例1に示した金型加熱法で
成型した後、水洗してスポンジを得た。これを比較例1
―1のスポンジとする。
【0137】同原液を用い実施例2に示した連続紡出法
で作製したスポンジを比較例1―2のスポンジとする。
【0138】
【比較例2】実施例1に示したセルローススポンジ製造
用ビスコース100重量部に補強繊維として平均繊維長
約7mm、太さ1.5デニールのセルロース繊維0.9
重量部を加え、さらに、所定量のアクリロニトリルを添
加し10分間混練した後、平均粒径70ミクロンの結晶
ぼう硝10水塩を360重量部加えて10分間、2軸ニ
ーダーを用いて混練りをした。
【0139】得られたスポンジ原液を、スクリュウポン
プを用いて直径10mmの穴径を有するダイスから30
%塩化アンモニウム水溶液中に押しだし、2分間滞留さ
せ、ひも状に成型した。
【0140】得られたひも状成型体をH2SO4、7重量
パーセントからなる再生浴液(70℃)に4分間浸漬し
た後、水洗してシアノエチル化スポンジを得た。
【0141】
【表3】
【0142】比較例2―1の場合はアクリロニトリルの
添加量が少なく、アクリロニトリル添加効果が得られな
かった。
【0143】又、比較例2―2は過大のアクリロニトリ
ルを添加した為、出来上ったスポンジの一部が水に対し
溶出した。又、スポンジの強度もきわめて弱く使用出来
なかった。
【0144】[スポンジ評価法] (1)乾燥時のもろさ、くずれや易さの比較[ボールミ
ル粉砕法] 水中で、直径8mm×長さ10mmの大きさのスポンジ
チップを、105℃で24時間乾燥させた乾燥スポンジ
チップ1gを、遊星型微粒粉砕機(フリッチュ・ジャパ
ン製、P―7粉砕機、ジュラコン45ml容器使用、テ
フロンコートボール3個(直径15mm)を用いて5分
間粉砕した。その後、スポンジチップを目開き約2mm
のメッシュでふるいわけ、残ったスポンジチップを計量
した。
【0145】(2)柔軟性 再生、水洗した後の水を含むスポンジを105℃、12
時間乾燥し、官能テストを行い、評価した。 ◎・・・非常に良い 〇・・・良い △・・・普通 ×・・・良くない
【0146】(3)スポンジ比重の測定 Dry→Wet操作 乾燥状態のスポンジチップを水面に浮遊または水面下に
沈めた状態で、アスピレーターにより脱気し、完全に水
で膨潤させる。以下、Wet状態のスポンジとは、上記
の操作を行った担体のことである。
【0147】器具 ・メスフラスコ(容量100mL、栓付き) ・はかり(1mg単位まではかれるもの)
【0148】操作 メスフラスコと栓を乾燥して質量(Ag)をはかる。 メスフラスコに水を満たし、栓をする。この際、エア
がメスフラスコ内に残らないようにする。 外部をふき、乾かしたのち質量(Bg)をはかる。 水を捨て、メスフラスコを乾燥させる。 Wet状態のスポンジチップ(サンプリングはできる
だけランダムに)を軽く水を切ったのち、圧力を加えな
いで、同じメスフラスコに適当量(標線付近まで)入
れ、栓をして、質量(Cg)をはかる。 次にこれに水を加えて気泡を除いたのち、さらに水で
満たし、栓をする。 外部をふき、乾かしたのち質量(Dg)をはかる。 さらにスポンジチップを取り出し、絶乾状態とした
(105℃、12時間乾燥)のち、質量(Eg)をはか
る。
【0149】算出方法
【0150】
【数2】
【0151】
【数3】
【0152】測定回数 異なるサンプルについて3回測定し、その平均値で示す
ものとする。
【0153】(4)復元率 製造されてから一度も乾燥を受けていないスポンジペレ
ット(バージンスポンジ)の体積を求める(円筒形の場
合、水中で直径と高さを0.1mmの位まで測定し、計
算により算出する)。
【0154】同じスポンジペレットを105℃、12時
間、乾燥した後、(1ドライスポンジ)、再び水中で膨
潤させ水中で長さを測定し、体積を求める。復元率は次
式で与えられる。
【0155】
【数4】
【0156】各10サンプル測定し、その平均値をと
る。
【0157】(5)セルラーゼ耐性テスト 試験用酵素液は0.1mMクエン酸、0.2mM、Na
2HPO4緩衝液(pH4.5)にNaN3を0.02重
量%、セルラーゼ(ONOZUKA R―10)を0.
5重量%溶解させたものを用いる。
【0158】wet状態のスポンジ(直径10mm×長
さ10mm)を2個、L字管に入れ10mLの酵素液に
浸漬させる。これを往復振とう70rpm、37℃の条
件で酵素反応を行う。
【0159】酵素の基質であるスポンジの形状の経時的
変化を比較する。スポンジの形状くずれが生じた時間を
記録する。長い時間くずれが生じないスポンジ程、セル
ラーゼ耐性が高い。
【0160】[結果] 乾燥時の脆さ、壊れ易さ、柔軟性の比較
【0161】
【表4】
【0162】スポンジ比重測定と復元率
【0163】
【表5】
【0164】セルラーゼ耐性テスト
【0165】
【表6】
【0166】
【発明の効果】以上の結果より、本発明のシアノエチル
化セルローススポンジならびのシアノエチル化セルロー
ススポンジの加水分解処理スポンジが従来のスポンジに
比べきわめてすぐれた乾燥時柔軟性、回復率、セルラー
ゼ耐性を有する事が明らかになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】シアノエチル化セルロースの赤外吸収スペクト
ルチャート。
【図2】カルボキシエチル化セルロースの赤外吸収スペ
クトルチャート。
【図3】スポンジ比重測定操作の説明図。図中の〜
は操作説明文に対応。
【符号の説明】
1 メスフラスコ 2 栓 3 水 4 スポンジチップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹西 壮一郎 東京都足立区西新井栄町1―18―1 日 清紡績株式会社 東京研究センター内 (56)参考文献 特開 平2−135235(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 9/26

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シアノエチル基としての窒素分を0.1
    重量%以上含有するシアノエチル化セルロースと補強繊
    維とから成るセルロース誘導体スポンジ。
  2. 【請求項2】 ビスコースに、ビスコース中のセルロー
    ス成分に対し1〜50重量%の補強繊維と、平均粒径
    0.01〜5mmで、ビスコース中のセルロース成分に
    対し25〜100倍重量の結晶芒硝と、ビスコース中の
    セルロース成分に対し、0.1〜1倍モルのアクリロニ
    トリルとを添加して得られた原液を、成型、凝固、再生
    し、次いで水洗することを特徴とするセルロース誘導体
    スポンジの製造方法。
  3. 【請求項3】 金型を用いて成形することを特徴とする
    請求項2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 ダイスから凝固浴中に押し出し、ひも状
    に成形することを特徴とする請求項2記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のセルロース誘導体スポン
    ジを酸またはアルカリを用いて処理する事によってセル
    ロース分子中に導入されたシアノエチル基を一部あるい
    は全て加水分解して得られたセルロース誘導体スポン
    ジ。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のセルロース誘導体のスポ
    ンジにおいて、シアノエチル基の酸あるいはアルカリに
    よる加水分解によって生じた置換基が、カルバモイルエ
    チル基あるいはカルボキシエチル基(カルボキシエチル
    塩基も含む。)であるセルロース誘導体スポンジ。
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