JP2001172302A - セルロースカルバメートスポンジ及びその製造方法 - Google Patents

セルロースカルバメートスポンジ及びその製造方法

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JP2001172302A
JP2001172302A JP35777099A JP35777099A JP2001172302A JP 2001172302 A JP2001172302 A JP 2001172302A JP 35777099 A JP35777099 A JP 35777099A JP 35777099 A JP35777099 A JP 35777099A JP 2001172302 A JP2001172302 A JP 2001172302A
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cellulose
cellulose carbamate
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Noriaki Tsukuda
憲明 築田
Hidenao Saito
秀直 斎藤
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Rengo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 取扱い及び製造が安全かつ容易で、均一な多
孔構造を有するセルロースカルバメートスポンジ及びそ
の製造法を提供することを目的とする。 【解決手段】 セルロースカルバメート溶液に多孔化剤
を添加し、凝固することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、セルロースカル
バメートスポンジ及びその製造方法に関する。また、多
孔化剤を添加したセルロースカルバメート溶液の凝固と
再生を同時に行うこと、あるいはセルロースカルバメー
トスポンジを再生することによりセルローススポンジを
製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にセルローススポンジは、食器洗浄
用などの日用品分野を始めとして、緩衝材、吸液材、微
生物固定化担体及び薬剤放出担体等、種々の材料に使用
されている。
【0003】上記セルローススポンジは、セルロースザ
ントゲン酸塩を水又はアルカリに溶解したビスコース
に、補強繊維や芒硝を混合して成形し、加熱凝固させた
後、酸処理による再生を行うことで製造されている。
【0004】しかし、上記ビスコースは、調製時に極め
て毒性の高い二硫化炭素を使用し、かつ酸処理されると
きに、遊離した二硫化炭素が酸と反応して、やはり有害
な硫化水素を副生する。さらには、セルローススポンジ
内に残存した硫黄化合物を除去するために、製造工程中
に脱硫工程を加える必要もある。
【0005】これに対し、セルロースをカルバメート化
してスポンジを得る方法を考えることができる。カルバ
メート基を付与することにより、セルローススポンジと
しての機能を発揮する他、優れた金属等の吸着能や耐生
分解性を発揮することが期待される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、カルバ
メート基を有するセルロースカルバメートスポンジはこ
れまでに知られていない。例えば、特開昭61−892
01号公報や特公昭63−36601号公報には、繊維
又はフィルムを製造するために、便宜上、セルロースカ
ルバメート溶液を使用した例が開示されている。しか
し、これは、スポンジを得るものではなく、また、カル
バメート基の機能を有効に利用したものではない。
【0007】セルロース誘導体スポンジとしては、特開
平7−242767号公報に、ビスコースに芒硝とアク
リロニトリルを添加して製造したシアノエチル化セルロ
ーススポンジが開示されている。しかし、原料としてビ
スコースを用いるので、上記の問題点を有する。また、
このシアノエチル化セルローススポンジは、セルラーゼ
耐性を増加させることを目的としており、シアノエチル
基の機能を有効に利用しようとしたものではない。
【0008】カルバメート基の機能を利用した発明とし
ては、特開平9−99238号公報に、ビスコースから
製造した多孔性で粒子状の再生セルロース材料をカルバ
メート化して、水処理吸着剤として利用する方法が提案
されている。しかし、固液の不均一反応となるため、均
一にカルバメート化反応を行うことは極めて困難であ
る。さらに、原料としてビスコースを用いるので、上記
の問題点を有する。さらにまた、ビスコースからの多孔
性セルロース材料を成形後にカルバメート化反応を行う
ため、製造工程数の大幅な増加につながって現実的では
ない。
【0009】そこで、この発明は、上記問題点を解決
し、取扱い及び製造が安全かつ容易で、均一な多孔構造
を有するセルロースカルバメートスポンジ及びその製造
法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、置換度が
0.05〜1、かさ比重が0.01〜0.5g/cm3
の範囲であるセルロースカルバメートスポンジを提供す
ることにより、上記の課題を解決したものである。
【0011】上記のセルロースカルバメートスポンジ
は、セルロースを尿素、ビウレット等でカルバメート化
した後、アルカリ溶液に溶解してセルロースカルバメー
ト溶液にし、これに多孔化剤を添加し、凝固することに
より製造することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を説明
する。
【0013】この発明にかかるセルロースカルバメート
スポンジは、置換度が0.05〜1、かさ比重が0.0
1〜0.5g/cm3 の範囲であるものである。
【0014】上記置換度とは、セルロース中の一グルコ
ース単位に対するカルバメート基の平均の置換数をい
う。置換度が0.05より小さいと、金属吸着能や耐生
分解性が充分発揮されない場合がある。また、カルバメ
ート基と置換できるセルロースの水酸基は、主として6
位の水酸基といわれており、置換度が1を超えるものを
製造することは困難である。
【0015】上記かさ比重とは、空隙や気孔を有するス
ポンジについて、一様な密度分布をなすものと見なした
場合の比重をいう。かさ比重が0.01g/cm3 より
小さいと、成形体の機械的強度が著しく低下する。ま
た、0.5g/cm3 より大きいと、強度は高いが、単
位容積あたりの空隙が小さくなって、柔軟性、吸液性等
の特性が著しく低下する。
【0016】次に、上記の条件を満たすセルロースカル
バメートスポンジの製造方法を説明する。
【0017】まず、セルロースを尿素溶液に含浸させた
後、一旦乾燥して水分を除去する。次に、尿素の融点以
上に加熱して反応させることでセルロースカルバメート
を合成する。このとき、置換度は反応温度や反応時間で
制御できるが、反応温度が高すぎたり、反応時間が長す
ぎると重合度の低下が著しいので、目的によって反応条
件を適宜選択する。なお、上記の方法以外に公知の方法
によっても、セルロースカルバメートを製造することが
できる。
【0018】次いで、セルロースカルバメートをアルカ
リ溶液に溶解してセルロースカルバメート溶液を製造
し、このセルロースカルバメート溶液に多孔化剤を添加
し、凝固する。これによりセルロースカルバメートスポ
ンジが得られる。
【0019】上記アルカリ溶液は、アルカリ性を有する
溶液であれば特に限定されず、水酸化ナトリウム水溶
液、水酸化カリウム水溶液等任意の溶媒が使用される。
アルカリ溶液として水酸化ナトリウム水溶液を使用した
場合、そのアルカリ水溶液のアルカリ濃度は5〜12重
量%が好ましい。5重量%より低いと、セルロースカル
バメートの溶解性が低くなる。また、12重量%より高
いと粘度が高くなり、多孔化剤との混合が難しくなる。
また、アルカリ溶液へのセルロースカルバメートの溶解
温度は、セルロースカルバメートがアルカリ溶液中で不
安定なことから、低温の方が好ましい。
【0020】セルロースカルバメート溶液中のセルロー
スカルバメート濃度は3〜15重量%が好ましい。3重
量%より低いと、セルロースカルバメートスポンジの機
械的強度が低くなる。また、15重量%より高いと、粘
度が高くなり、多孔化剤との混合が難しくなる。
【0021】上記多孔化剤とは、セルロースカルバメー
ト溶液を凝固する際に、多孔化するための薬剤であり、
多孔化剤の種類や使用量は、セルロースカルバメートス
ポンジの多孔構造やかさ比重などの物性に応じて適宜選
ばれる。例えば、芒硝、含水ゲル粒子、無機炭酸塩、界
面活性剤等があげられる。
【0022】上記多孔化剤が芒硝の場合、その粒度は目
的とする孔径に応じて適宜選ばれる。また、その使用量
は、目的とするかさ比重に応じて適宜選ばれ、セルロー
スカルバメート溶液に含まれるセルロースカルバメート
重量に対して1〜100倍が好ましい。このとき製造で
きるセルロースカルバメートスポンジは、多孔化剤の芒
硝が溶出することにより連通孔となる。
【0023】上記多孔化剤が含水ゲル粒子の場合、その
使用量は、目的とするかさ比重に応じて適宜選ばれ、セ
ルロースカルバメート溶液に含まれるセルロースカルバ
メート重量に対して0.05〜100倍が好ましい。上
記含水ゲル粒子としては、寒天、カラギーナン、ガラク
トグルコマンナン、グルコマンナン、キサンタンガム、
ゼラチン、コラーゲン等の含水ゲル粒子をあげることが
できる。このとき、製造できるセルロースカルバメート
スポンジは、多孔化剤の含水ゲル粒子が融解して流出す
ることにより連通孔となる。
【0024】上記多孔化剤が無機炭酸塩の場合、その使
用量は、目的とするかさ比重に応じて適宜選ばれ、セル
ロースカルバメート溶液に含まれるセルロースカルバメ
ート重量に対して0.5〜5倍と、芒硝や含水ゲル粒子
に比べて非常に少なくて済む。ただし、この方法は無機
炭酸塩が酸と接触して、炭酸ガスが発生して発泡するこ
とを利用するため、比較的薄いスポンジでないと均一な
多孔構造が得られない。このとき製造されるセルロース
カルバメートスポンジは、炭酸ガスが抜け道として、表
面に向かって延びた孔形状となる傾向にある。上記無機
炭酸塩としては、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等があ
げられる。
【0025】上記多孔化剤が界面活性剤の場合、界面活
性剤を添加したセルロースカルバメート溶液を高速で撹
拌して泡立て、それを凝固することにより多孔化する。
その使用量は、目的とするかさ比重に応じて適宜選ば
れ、セルロースカルバメート溶液に含まれるセルロース
カルバメート重量に対して0.1重量%以上溶解度以下
と、上記の芒硝、含水ゲル粒子又は無機炭酸塩に比べて
さらに非常に少なくて済む。0.1重量%よりも少ない
と、気泡を発生させても、その気泡が不安定なため、消
失する傾向がある。また、界面活性剤の溶解度を超えた
量を添加すると、気泡は安定に維持されるが、凝固後に
界面活性剤の溶出除去の工程が余分に必要になるので界
面活性剤の添加量はセルロースカルバメート溶液への溶
解量までが好ましい。このとき製造されるセルロースカ
ルバメートスポンジの構造は極めて細かい独立孔となる
傾向がある。
【0026】上記界面活性剤としては、スルホン酸塩、
カルボン酸塩等の陰イオン性界面活性剤、アンモニウム
塩等の陽イオン性界面活性剤、ポリエーテル、高級アル
コール等の非イオン性界面活性剤、ベタイン型、アミド
ベタイン型、イミダゾリン型、アミンオキシド型等の両
性界面活性剤等をあげることができる。
【0027】なお、ブロック状のセルロースカルバメー
トスポンジを得る場合、多孔化剤として無機炭酸塩を用
いると、発泡が不均一になる恐れがあるため、芒硝、含
水ゲル粒子又は界面活性剤を用いた方がより好ましい。
【0028】この発明にかかるセルロースカルバメート
スポンジに強度が要求される場合には、上記セルロース
カルバメート溶液に補強繊維を添加することができる。
【0029】上記補強繊維の種類はセルロースカルバメ
ート溶液への混合分散に支障をきたさない限り、特に限
定されるものではない。例えば、麻、パルプ、綿等の天
然繊維、レーヨン、コラーゲン等の再生繊維、アセテー
ト等の半合成繊維、ポリエステル、ナイロン、アクリル
等の合成繊維、炭素繊維、ガラス繊維等の無機系繊維等
を単独又は2種類以上混合したものがあげられる。ま
た、それらが物理的、化学的、生物学的手法により改質
されていてもよい。
【0030】上記補強繊維の長さは、繊維の種類にもよ
るが、0.5〜30mmが好ましい。0.5mm未満で
は、繊維による補強効果が現れにくい。また、30mm
を超えると繊維同士が絡み合い、毛玉状又はヒモ状のも
のができやすくなるなど、均一に分散しにくい。
【0031】上記補強繊維の割合は、補強する程度、目
的、セルロースカルバメート溶液の固形分濃度にもよる
が、セルロースカルバメート溶液に含まれるセルロース
カルバメート重量に対して、0.05〜2倍が好まし
い。0.05倍未満だと、繊維による補強効果が現れに
くく、2倍を超えると均一に分散しにくくなる。
【0032】上記補強繊維はセルロースカルバメート溶
液に添加、混合することもできるが、その他、セルロー
スカルバメート溶液調製時に、固体のセルロースカルバ
メートと補強繊維を同時にアルカリ溶液と混合すること
もできる。
【0033】上記の多孔化剤及び、必要に応じて補強繊
維を添加したセルロースカルバメート溶液の成形は、ス
ポンジ原液を型に入れてもよく、薄いものであればTダ
イ等から押し出してもよい。
【0034】成形したスポンジ原液は、所定の方法で凝
固する。この凝固の方法としては、酸溶液による方法、
塩溶液による方法、有機溶媒による方法等があげられ
る。酸による凝固を行う場合、その酸としては、硫酸や
塩酸などの無機酸、酢酸などの有機酸を使用することが
できる。凝固方法としては、成形したスポンジ原液を、
上記の酸に浸漬等する方法があげられる。この時の酸濃
度は、硫酸の場合、0.1〜5規定が好ましい。0.1
規定より希薄だと凝固に時間がかかり、また5規定より
濃厚な場合は、酸によるセルロースの加水分解が起きる
ため、スポンジの強度が著しく低下する。
【0035】塩溶液による凝固方法は、無機塩の濃厚溶
液を用いて、塩析によりスポンジ原液を凝固する方法で
ある。上記塩としては、塩化アンモニウム、硫酸アンモ
ニウム、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム等があげら
れ、これらを単独あるいは適宜混合して使用することが
できる。
【0036】有機溶媒による凝固方法は、有機溶媒を用
いてスポンジ原液から水分を脱水し、スポンジ原液を凝
固する方法である。上記有機溶媒としては水溶性のもの
がよく、メタノール、エタノール、1−プロパノール、
2−プロパノール等があげられる。
【0037】また、これらの凝固液を組み合わせて使用
してもよい。
【0038】上記の凝固の際に多孔化剤は、溶出、融
解、発泡等を生じ、得られるセルロースカルバメートの
凝固体は、スポンジ状となる。
【0039】得られたセルロースカルバメートスポンジ
は必要に応じて漂白剤等で処理される。漂白剤として次
亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いる場合、漂白工程はス
ポンジ原液を凝固、水洗後に行ってもよい。あるいは、
漂白剤をセルロースカルバメート溶解時に、溶媒である
アルカリ溶液と同時に添加してもよい。そうすることで
セルロースカルバメートの溶解と漂白が同時に行え、製
造工程を省略できる。
【0040】セルロースカルバメートスポンジの乾燥方
法はいずれでも構わないが、急激に乾燥すると収縮する
ので、温和な条件が好ましい。
【0041】得られたセルロースカルバメートスポンジ
は、セルローススポンジの有する柔軟性、吸液性等の性
質に併せて、カルバメート基による吸着能や耐生分解性
を有する。
【0042】上記セルロースカルバメートスポンジは、
そのままで使用することができるが、また、これをセル
ローススポンジにすることができる。
【0043】すなわち、凝固されたセルロースカルバメ
ートスポンジを、0.1〜10%のアルカリ溶液に浸漬
することにより、カルバメート基が脱離してセルロース
に再生され、セルローススポンジが得られる。このと
き、浸漬温度が高いほどセルロースへの再生は迅速に進
行する。このアルカリ溶液としては、上記アルカリ溶液
を使用することができる。
【0044】ところで、セルローススポンジを得る方法
としては、上記の凝固されたセルロースカルバメートス
ポンジを再生するだけではなく、セルロースカルバメー
ト溶液に上記の多孔化剤及び必要に応じて補強繊維を添
加したスポンジ原液を成形し、これの凝固と再生を同時
に行う方法をあげることができる。
【0045】このとき、凝固を加熱によって行えば、カ
ルバメート基はアルカリ溶液中で不安定なため、凝固だ
けでなく再生も同時に起こる。
【0046】このときの温度は、20〜250℃が好ま
しい。凝固温度が20℃より低いと、時間が長くかかり
すぎ工業的でない。また、250℃より高いと、セルロ
ースカルバメートの熱分解が始まる。この加熱凝固によ
っては、セルロースカルバメートの溶解から水洗まで、
全行程がアルカリ雰囲気下で行えることから、酸の浪費
を減らすことができる。さらに、ビスコースの場合と比
べて、脱硫工程が不要であることから製造工程を簡略化
できる。このとき使用できる多孔化剤としては、芒硝、
含水ゲル粒子、界面活性剤があげられる。
【0047】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、これらの実施例にのみ限定されるものではな
い。
【0048】(セルロースカルバメート溶液の製造)N
材溶解パルプを50%尿素水溶液に浸漬後、遠心分離機
により脱液することにより、パルプに乾燥重量比で等倍
の尿素を保持させで恒温乾燥機内で乾燥した。次いで、
それを145℃で12時間反応させた後、水洗、乾燥さ
せることにより、重合度400、置換度0.16のセル
ロースカルバメートを得た。
【0049】このセルロースカルバメート(重合度40
0、置換度0.16)14gを水139.5gに分散
し、−5℃で、36%水酸化ナトリウム溶液46.5g
を加え、3時間撹拌してセルロースカルバメート溶液
(セルロースカルバメート濃度7%、アルカリ濃度8.
4%、粘度12,000mPa・s)を調製した。
【0050】(実施例1)上記セルロースカルバメート
溶液に含まれるセルロースカルバメート重量に対して、
25倍の芒硝(硫酸ナトリウム十水和物:関東化学
(株)社製)を加え、混合した。これをガラス板上でシ
ート状に成形し、2N硫酸水溶液で1時間凝固した。そ
の後、水洗、乾燥してセルロースカルバメートスポンジ
を得た。このスポンジは、かさ比重0.067g/cm
3 、置換度0.12であった。なお、図1に、得られた
セルロースカルバメートスポンジのIRスペクトルを示
す。
【0051】1715cm-1に、カルバメート基由来の
カルボニル基のピークが見られることから、カルバメー
ト化されたスポンジであることが確認できた。
【0052】(実施例2)上記セルロースカルバメート
溶液に含まれるセルロースカルバメート重量に対して、
1.5倍の炭酸カルシウム(日東粉化工業(株)社製:
NS2500)を加え、撹拌混合した。これをガラス板
上でシート状に成形し、3N塩酸水溶液で100分凝
固、発泡させた。その後、水洗、乾燥してセルロースカ
ルバメートスポンジを得た。このスポンジは、かさ比重
0.15g/cm3 、置換度0.12であった。
【0053】(実施例3)上記セルロースカルバメート
溶液に含まれるセルロースカルバメート重量に対して、
15倍の含水ゼラチンゲル粒子を加え、混合した。これ
を、ガラス板上でシート状に成形し、2N硫酸で1時間
凝固した。その後、温水洗、乾燥することにより、セル
ロースカルバメートスポンジを得た。このスポンジは、
かさ比重0.077g/cm3 、置換度0.15であっ
た。
【0054】なお、上記含水ゼラチンゲル粒子は、5℃
においてゼラチン(新田ゼラチン(株)社製)の乾燥粉
末を、重量でその4倍の水で膨潤させたものである。
【0055】(比較例1)セロファン製造用ビスコース
(セルロース濃度9.5%、塩化アンモニウム価7、ア
ルカリ濃度5.6%、粘度5,500mPa・s)をセ
ルロース濃度7%に希釈した。ビスコースに含まれるセ
ルロース重量に対して、60倍の芒硝を加え、混合し
た。これをガラス板上でシート状に成形し、105℃で
30分加熱凝固、次いで、2N硫酸水溶液でセルロース
に再生し、脱硫、漂白処理及び乾燥してセルローススポ
ンジを得た。このスポンジは、かさ比重0.064g/
cm3であった。再生の際、硫化水素が発生した。
【0056】(吸着試験)実施例1で得たセルロースカ
ルバメートスポンジ及び比較例1で得たセルローススポ
ンジについてAg+ の吸着試験を行った。吸着試験は、
4ppmのAg+水溶液(Clark Lubsの緩衝
液:pH5.8)50mlに、各試料150mgを添加
し、1時間続けて振とうした後、上澄み液の残存Ag+
濃度を原子吸光光度計(島津製作所AA−6500S)
を使用して検量線法により測定した。その結果、Ag+
除去率がセルローススポンジでは3%なのに対し、セル
ロースカルバメートスポンジでは12%であった。この
ことから、セルロースカルバメートスポンジはセルロー
ススポンジよりAg+ の吸着能に優れた特性を持つこと
がわかった。
【0057】(実施例4)上記セルロースカルバメート
溶液100gに対して、0.2gの界面活性剤(ドデシ
ルトリメチルアンモニウムブロミド:東京化成(株)社
製)を加え、高速撹拌により気泡を大量に含んだセルロ
ースカルバメート混合液を得た。これを、ガラス板上で
シート状に成形し、110℃で1時間凝固・再生した。
その後、水洗してセルローススポンジを得た。このスポ
ンジは、かさ比重0.075g/cm3 であった。ま
た、置換度は0.03と、ほぼ完全に再生したスポンジ
であることが確認できた。
【0058】(実施例5)実施例1で製造したセルロー
スカルバメートスポンジを80℃の1%水酸化ナトリウ
ム溶液で1時間再生してセルローススポンジを得た。な
お、図2に、得られたセルローススポンジのIRスペク
トルを示す。図1で見られたカルバメート基由来のカル
ボニル基のピークが消失し、置換度も0.02と、ほぼ
完全にセルロースに再生したスポンジであることが確認
できた。
【0059】
【発明の効果】この発明によれば、気孔が均一に分布し
たセルロースカルバメートスポンジを安全に、かつ容易
に製造することができ、また、このセルロースカルバメ
ートスポンジは、Ag+ に対して高い吸着性を示した。
【0060】また、このセルロースカルバメートスポン
ジは、フィルターなどの形態で水処理剤として利用可能
である。
【0061】さらに、セルロースカルバメートスポン
ジ、又はその原料であるセルロースカルバメート溶液を
再生することによって、セルローススポンジを得ること
ができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において得られたセルロースカルバメ
ートスポンジのIRスペクトル
【図2】実施例5において得られたセルローススポンジ
のIRスペクトル

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 置換度が0.05〜1、かさ比重が0.
    01〜0.5g/cm3 の範囲であるセルロースカルバ
    メートスポンジ。
  2. 【請求項2】 セルロースカルバメート溶液に多孔化剤
    を添加し、凝固することを特徴とするセルロースカルバ
    メートスポンジの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記多孔化剤は、芒硝、含水ゲル粒子、
    無機炭酸塩又は界面活性剤から選ばれた少なくとも1種
    である請求項2に記載のセルロースカルバメートスポン
    ジの製造方法。
  4. 【請求項4】 セルロースカルバメート溶液に多孔化剤
    を添加し、加熱によって凝固と再生を同時に行うことを
    特徴とするセルローススポンジの製造方法。
  5. 【請求項5】 上記多孔化剤は、芒硝、含水ゲル粒子又
    は界面活性剤から選ばれた少なくとも1種である請求項
    4に記載のセルローススポンジの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項2又は3のいずれかに記載の製造
    方法で得られたセルロースカルバメートスポンジを、ア
    ルカリ溶液によって再生することを特徴とするセルロー
    ススポンジの製造方法。
JP35777099A 1999-12-16 1999-12-16 セルロースカルバメートスポンジ及びその製造方法 Pending JP2001172302A (ja)

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