JP2001181961A - 改質セルロース再生繊維 - Google Patents

改質セルロース再生繊維

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JP2001181961A
JP2001181961A JP36672299A JP36672299A JP2001181961A JP 2001181961 A JP2001181961 A JP 2001181961A JP 36672299 A JP36672299 A JP 36672299A JP 36672299 A JP36672299 A JP 36672299A JP 2001181961 A JP2001181961 A JP 2001181961A
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cellulose
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糸山  光紀
Masaki Mihashi
正樹 三橋
Hiroaki Yabe
博昭 谷邊
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セルロース繊維の吸湿性を向上させて吸湿発
熱性による保温効果を具備したセルロース再生繊維を提
供する。 【解決手段】 セルロース再生繊維中にカルボキシル基
を有する酸性高分子を含有させ、架橋後アルカリ処理し
て得られる吸湿発熱性を有する改質セルロース再生繊維
であり、そのカルボキシル基を有する酸性高分子の含有
量が、改質セルロース再生繊維の全体に対して3〜25
重量%である改質セルロース再生繊維である。また、カ
ルボキシル基を有する酸性高分子は、水酸化ナトリウム
に溶解し、かつセルロースビスコース溶液の凝固再生浴
中で凝固するものであり、得られる改質セルロース再生
繊維の吸湿発熱温度は7.5℃〜11.5℃である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロース再生繊
維の吸湿性を向上させて吸湿発熱性による保温効果を具
備させたセルロース再生繊維を提供するものであり、肌
着,シャツ等の衣料分野、布団等の中綿に好適に利用さ
れるものである。
【0002】
【従来の技術】繊維が吸湿することにより発熱する現象
は従来より知られており、この現象は繊維中のアミノ
基,カルボキシル基,ヒドロキシル基等の親水性官能基
に水分子が吸着する際の吸着熱に由来する。従って、繊
維の吸湿発熱性を向上させるためにはこれらの親水性官
能基を繊維に導入し、吸湿性を向上させることが必要で
ある。
【0003】このことから、セルロース系繊維に吸湿発
熱性を付与するために、化学修飾によりアミノ基やカル
ボキシル基を導入することが知られている。例えば、特
開平8−311767号公報にはセルロース系繊維にポ
リエチレンイミン等の多価アミンを架橋剤によって固定
化する方法が開示され、また特開平10−251969
号公報にはセルロース系繊維に第4級アンモニウム塩を
固定化して吸湿発熱性を付与する方法が開示されてい
る。しかしながら、このような化学反応による方法で
は、吸湿発熱性を高めるために官能基の導入量を上げる
必要があり、その結果得られた繊維が黄変したり、強力
等の繊維物性が低下するなどの欠点があった。また、不
織布や綿状のセルロース系繊維への応用は困難であっ
た。
【0004】一方、アルギン酸等の酸性高分子をセルロ
ース系繊維に導入する技術に間しては、例えば、特開平
7−173711号公報及び特開平7−197313号
公報に開示されているが、上述のような吸湿発熱性を目
的としたものではなく、また架橋処理をしていないため
にアルカリ性の雰囲気に曝されると導入された酸性高分
子が溶出してしまう欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、上述の欠
点を克服するために鋭意検討を重ねた結果、ある種のカ
ルボキシル基を有する酸性高分子がセルロースビスコー
スと同様なアルカリ性水溶液に溶解し、かつセルロース
再生繊維の紡糸に用いられる凝固再生液で凝固すること
に着目し、このようなカルボキシル基を有する酸性高分
子をセルロースビスコース溶液中に均一に混合溶解させ
た後に凝固再生浴中に押し出して紡糸し、次いで架橋処
理とアルカリ処理をすることによって吸湿性を向上さ
せ、それに伴う優れた吸湿発熱性を具備させたセルロー
ス再生繊維が得られることを見出し本発明に到達した。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、セル
ロース再生繊維中にカルボキシル基を有する酸性高分子
を含有させ、架橋後アルカリ処理して得られる吸湿発熱
性を有する改質セルロース再生繊維であり、そのカルボ
キシル基を有する酸性高分子の含有量が、改質セルロー
ス再生繊維の全体に対して3〜25重量%である改質セ
ルロース再生繊維である。また、本発明で用いるカルボ
キシル基を有する酸性高分子は、水酸化ナトリウム水溶
液に溶解し、かつセルロースビスコース溶液の凝固再生
浴中で凝固するものである。また、このようにして得ら
れる本発明の改質セルロース再生繊維の吸湿発熱温度は
7.5℃〜11.5℃である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で用いる吸湿発熱温度は以
下に述べる方法で測定した。すなわち、自動記録装置と
接続した温度センサーを予め重量を統一した測定試料で
包み込み、ガラス製容器内に吊してセットした。容器内
をシリカゲル及び塩化カルシウム中を通過させた乾燥空
気で充満して低湿度状態にし、温度が安定した後、続い
て水中を通過させた高湿度空気を急激に容器内に送り込
み、容器内を高湿度状態にした。このとき発生する吸着
熱による温度上昇を測定し測定試料の吸湿発熱温度とし
た。
【0008】本発明の改質セルロース再生繊維の吸湿発
熱温度は、含有させるカルボキシル基を有する酸性高分
子の量により影響されるが、上述の測定方法によれば
7.5℃〜11.5℃である。通常のセルロース再生繊
維についてこの方法で測定した吸湿発熱温度は7℃であ
り、また天然繊維として最も発熱量が高いとされる羊毛
は9℃程度である。
【0009】本発明で用いるカルボキシル基を有する酸
性高分子は、セルロースビスコース溶液のpH8〜9程
度のアルカリ性溶液中に均一に溶解し、かつセルロース
再生繊維の紡糸に通常用いられる凝固再生浴で凝固する
ものであれば種類を選ばないが、具体例としては、アル
ギン酸,カルボキシメチルセルロース,アクリル酸等が
挙げられる。また、これらの酸性高分子が有するカルボ
キシル基は、フリーの状態であってもナトリウム,カリ
ウム等の塩の状態であってもよい。該酸性高分子の分子
量があまり高すぎると、セルロースビスコース溶液に添
加して得た紡糸原液の粘度が上昇するため好ましくな
く、低すぎると添加した酸性高分子が凝固再生浴中で凝
固せずに溶出してしまうため好ましくない。従って、該
酸性高分子の分子量は、20,000〜200,000
の範囲が好適である。
【0010】本発明では、先ず、予め調製されたセルロ
ースビスコース溶液に上述のカルボキシル基を有する酸
性高分子を、セルロースビスコース溶液中のセルロース
に対して3〜25重量%となるように添加し、均一に混
合、溶解させて紡糸原液とする。この紡糸原液中では、
添加した酸性高分子のカルボキシル基は、セルロースビ
スコース溶液中のアルカリにより塩を形成する。このと
きの酸性高分子の添加量が3重量%に満たないと、紡糸
して得られるセルロース再生繊維の吸湿発熱温度が上が
らず充分な効果が得られないため好ましくない。また添
加量が25重量%を越えると、得られるセルロース再生
繊維の繊維物性が低下するため好ましくない。
【0011】また、前述の酸性高分子をセルロースビス
コース溶液に添加する方法は、セルロースビスコース溶
液に直接添加して溶解させてもよく、またセルロースビ
スコース溶液と同濃度の水酸化ナトリウム水溶液に溶解
させた後セルロースビスコース溶液に添加してもよい。
このとき得られる紡糸原液中のセルロースとカルボキシ
ル基を有する酸性高分子の合計の濃度は特に限定される
ものではないが、紡糸可能な粘度範囲から考慮すると、
通常4〜12重量%とすることが好ましい。
【0012】上述の如くして得られた紡糸原液をノズル
より酸性の凝固再生浴中に吐出して、カルボキシル基を
有する酸性高分子を含有したセルロース再生繊維を湿式
紡糸法により紡糸するが、このときの凝固再生浴の組
成、紡糸速度等の紡糸条件は特に限定されるものではな
く、通常の条件で行えばよい。この凝固再生過程によ
り、酸性高分子の有するカルボキシル基は、塩がはずれ
てフリーな状態となる。
【0013】次いで、得られた酸性高分子を含有したセ
ルロース再生繊維を架橋処理して、セルロース分子同士
あるいはセルロース分子と酸性高分子とを架橋結合させ
る。架橋処理を行わないと、該繊維がアルカリ性の条件
に曝されたときに含有されている酸性高分子が溶出して
しまうため、目的とする吸湿発熱性を得ることができな
い。このときの架橋処理は一般的にセルロース系繊維を
架橋するときの方法と条件で行えばよく、特に制限され
るものではない。また用いる架橋剤としては、例えば、
ジエポキシ化合物,ジイソシアネート化合物,ジハロゲ
ン化アルキル等が挙げられる。
【0014】このようにして架橋処理を施した酸性高分
子を含有したセルロース再生繊維を、水酸化ナトリウム
水溶液等のアルカリ水溶液に接触させ、繊維中に含有さ
れている酸性高分子のカルボキシル基をナトリウム等の
塩型に変えた後に十分に水洗し乾燥して、本発明の改質
セルロース再生繊維を得る。この際に使用されるアルカ
リ水溶液は特に限定されないが、カルボキシル基と塩を
生じるナトリウムやカリウムといったアルカリ金属類を
含むアルカリ性のものが好ましい。このとき使用するア
ルカリの濃度は、処理しようとする繊維中のカルボキシ
ル基の含有量を考慮する必要があるが、通常0.5%〜
25%程度でよい。またアルカリ処理の時間を短縮する
ために加熱することも可能であるが、高濃度のアルカリ
ではセルロース再生繊維にダメージが加わるため、注意
が必要である。
【0015】上述のアルカリ処理を行い、セルロース再
生繊維中に含有されている酸性高分子のカルボキシル基
がフリー型であっても吸湿性は向上するが、上述のアル
カリ処理を行い、カルボキシル基をフリー型から塩型に
することで更なる吸湿性の向上とそれに伴う吸湿発熱性
の向上がもたらされる。
【0016】以上の如くして得た本発明の改質セルロー
ス再生繊維は、その繊維中にカルボキシル基を有する酸
性高分子の塩が一様に含有されており、優れた吸湿性と
吸湿発熱性を発現する改質セルロース再生繊維である。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこの範囲に限定されるものではない。な
お、部はすべて重量部を示し、強度,伸度,吸湿率,放
湿率吸湿発熱温度は以下の方法より測定した。
【0018】〈強度、伸度〉JIS L 1015「化
学繊維ステープル試験法」に従って、破断時の引張り強
さ(cN/dtex)及びそのときの伸度(%)を測定
した。
【0019】〈吸湿率、放湿率〉重量Whgを測定して
おいた秤量瓶に試料を約1gずつ入れ、蓋を開いた状態
で105℃にて60分間乾燥した後、シリカゲル入りデ
シケータ中にて30分間放置して冷却し、重量Wogを
測定した。次いで湿度60%のデシケータ中に一晩放置
した後、35℃、90%に調湿した恒温恒湿器内に秤量
瓶の蓋を開けて入れ、60分後に蓋を閉めて秤量瓶を取
り出し、重量W1gを測定した。更に25℃、53%に
調湿した恒温恒湿器内に蓋を開けて秤量瓶を入れ、60
分後に蓋を閉めて秤量瓶を取り出し、重量W2gを測定
した。これらの結果から、吸湿率、放湿率は次式により
求めた。
【数1】
【数2】
【0020】〈吸湿発熱温度〉自動記録装置と接続した
温度センサーをガラス製容器内に吊し、この温度センサ
ーを予め重量を統一した試料で包み込みセットした。容
器内をシリカゲル及び塩化カルシウム中を通過させた乾
燥空気で充満して低湿度状態にし、温度が安定した後、
水中を通過させた高湿度空気を急激に容器内に送り込
み、容器内を高湿度状態にした。このとき発生する吸着
熱による温度上昇を測定し吸湿発熱温度とした。
【0021】〔実施例1〕通常の方法で調製したポリノ
ジックビスコース溶液(セルロース5.0%、全アルカ
リ3.5%、全硫黄3.0%)にアルギン酸ナトリウム
(和光純薬工業(株)製、分子量約60,000)を該
ビスコース溶液のセルロースに対して10重量%となる
ように添加し、均一に溶解後直ちに、0.07mm×5
00Hのノズルを使用し、紡糸速度30m/分で、硫酸
22g/L、硫酸ナトリウム65g/L、硫酸亜鉛0.
5g/Lの温度35℃の紡糸浴中に紡糸した。次いで、
硫酸2g/L、硫酸亜鉛0.05g/Lの温度25℃の
浴中で2倍に延伸し、繊維長38mmとなるように切断
し、炭酸ナトリウム1g/L、硫酸ナトリウム2g/L
の温度60℃の浴中で処理を行った後、再度硫酸5g/
Lの温度65℃の浴中で処理した。さらに、通常の精練
乾燥処理を行って、およそ1.39デシテックスのアル
ギン酸を含有したポリノジックのセルロース再生繊維約
500gを糸切れすることなく製造した。この段階で約
50gの試料を採取し、比較試料2´とした。
【0022】続いて、残りの繊維を4重量%のエチレン
グリコールジグリシジルエーテル(ナガセ化成工業
(株)製、商品名;デナコールEX−810)と2重量
%の商品名;スミテックスアクセラレータX−120
(住友化学工業(株)製)を含む溶液に30分間浸漬
し、130℃にて15分間処理して架橋処理を行った。
次いで、架橋処理した繊維及び先に採取した比較試料2
´をそれぞれ5重量%の水酸化ナトリウム水溶液に10
分間浸漬した後に充分水洗し、乾燥して、アルカリ処理
したアルギン酸ナトリウム含有セルロース再生繊維を
得、それぞれ試料No.1及び比較試料2とした。ま
た、アルギン酸ナトリウムを添加しない以外は上述と同
様な方法でセルロース再生繊維を製造し、比較試料1と
した。得られた各試料の強度,伸度,吸湿率,放湿率,
吸湿発熱温度を測定し、結果を表1に示した。
【0023】
【表1】
【0024】表1から明らかなように比較試料2は、ア
ルギン酸を含有させて紡糸したが架橋処理をしていない
ため、アルカリ条件下に曝した後ではアルギン酸が溶出
してしまい、吸湿発熱性が通常のポリノジックである比
較試料1と同程度であった。
【0025】これに対して本発明の試料No.1は、ア
ルギン酸を含有させた後架橋処理をしているため、アル
カリ条件下に曝されてもアルギン酸が溶出してしまうこ
とがなく、さらにアルカリ処理をして、アルギン酸のカ
ルボキシル基をナトリウム塩型にしているため、優れた
吸湿発熱性を示している。吸湿発熱温度としても、本発
明の試料No.1は8.9℃であり、羊毛の吸湿発熱温
度9℃と同程度の性能が得られている。
【0026】〔実施例2〕実施例1と同様に調製したポ
リノジックビスコース溶液に該ビスコース溶液中のセル
ロースに対して1、3、5、10、15、25、30重
量%となるようにアルギン酸ナトリウム(和光純薬工業
(株)製、分子量約60,000)を添加し、均一に溶
解後、実施例1と同様の紡糸条件により、およそ1.3
9デシテックスのアルギン酸を含有したポリノジックの
セルロース再生繊維7種類をそれぞれ約500gずつ糸
切れすることなく製造した。
【0027】得られた各繊維を4重量%のエチレングリ
コールジグリシジルエーテル(ナガセ化成工業(株)
製、商品名;デナコールEX−810)と2重量%の商
品名;スミテックスアクセラレータX−120(住友化
学工業(株)製)を含む溶液に30分間浸漬し、130
℃にて15分処理して架橋処理を行った。次いで、5重
量%の水酸化ナトリウム水溶液に10分間浸漬した後に
充分水洗し、乾燥して架橋しアルカリ処理したアルギン
酸ナトリウムを含有したセルロース再生繊維を得、それ
ぞれ試料No.2〜No.8とした。得られた各試料の
強度,伸度,吸湿率,放湿率,吸湿発熱温度を測定し、
結果を表2に示した。
【0028】
【表2】
【0029】表2から明らかなように、カルボキシル基
を有する酸性高分子の添加量の低い試料No.2は、吸
湿発熱温度が低いため好ましくない。逆に、添加量が3
0%である試料No.8は、吸湿発熱温度は優れている
ものの強度低下が大きく、また紡糸の時の紡調も悪く実
用的では無かった。
【0030】これに対して、アルギン酸ナトリウムの添
加量が3〜25%である本発明の試料No.3〜No.
7は、ほぼ添加するアルギン酸ナトリウムの量の増加に
比例して吸湿発熱温度が上昇しており、また比較試料1
と比べて強度低下も実用上問題にならない程度である。
【0031】〔実施例3〕実施例1と同様に調製したポ
リノジックビスコース溶液に該ビスコース溶液のセルロ
ースに対して10重量%となるように、アルギン酸ナト
リウム(和光純薬工業(株)製、分子量約60,00
0)、カルボキシメチルセルロース(和光純薬工業
(株)製、分子量約70,000)、アクリル酸ナトリ
ウム(和光純薬工業(株)製、分子量約60,000)
をそれぞれ添加し、均一に溶解後、実施例1と同様の紡
糸条件により、アルギン酸、カルボキシメチルセルロー
ス、アクリル酸をそれぞれ含有したおよそ1.39デシ
テックスのセルロース再生繊維3種類を約500gずつ
得た。得られた各繊維を4重量%のエチレングリコール
ジグリシジルエーテル(ナガセ化成工業(株)製、商品
名;デナコールEX−810)と2重量%の商品名;ス
ミテックスアクセラレータX−120(住友化学工業
(株)製)を含む溶液に30分間浸漬し、130℃にて
15分間処理して架橋処理を行った。次いで、5重量%
の水酸化ナトリウム水溶液に10分間浸漬した後に充分
水洗し、乾燥して、アルギン酸ナトリウム、カルボキシ
メチルセルロース、アクリル酸ナトリウムをそれぞれ含
有させて紡糸した後、架橋処理しアルカリ処理したセル
ロース再生繊維を得、それぞれを試料No.9〜No.
11とした。得られた各試料の強度,伸度,吸湿率,放
湿率,吸湿発熱温度を測定し、結果を表3に示した。
【0032】
【表3】
【0033】表3から明らかなように、カルボキシル基
を有する酸性高分子の種類をアルギン酸ナトリウム、カ
ルボキシメチルセルロース、アクリル酸ナトリウムと変
化させても吸湿率及び吸湿発熱温度に優れており、ま
た、強度低下も実用上問題とならない程度であった。
【0034】〔実施例4〕実施例1と同様に調製したポ
リノジックビスコース溶液に該ビスコース溶液中のセル
ロースに対して10重量%となるように、分子量がそれ
ぞれ約10,000、20,000、60,000、1
00,000、200,000のアルギン酸ナトリウム
(いずれも和光純薬工業(株)製)を添加し、均一に溶
解後、実施例1と同様の紡糸条件により紡糸し、分子量
の異なるアルギン酸をそれぞれ含有したおよそ1.39
デシテックスのセルロース再生繊維5種約500gずつ
を得た。このとき分子量約300,000のアルギン酸
ナトリウムを同様にビスコース溶液に添加し溶解させた
が、粘度が高くなりすぎ、紡糸することができなかっ
た。得られた各繊維を4重量%のエチレングリコールジ
グリシジルエーテル(ナガセ化成工業(株)製、商品
名;デナコールEX−810)と2重量%の商品名;ス
ミテックスアクセラレータX−120(住友化学工業
(株)製)を含む溶液に30分間浸漬し、130℃にて
15分間処理して架橋処理を行った。次いで、5重量%
の水酸化ナトリウム水溶液に10分間浸漬した後充分水
洗し、乾燥して分子量の異なるアルギン酸ナトリウムを
それぞれ含有させて紡糸し、架橋処理しアルカリ処理し
たセルロース再生繊維を得、それぞれ試料No.12〜
No.16とした。得られた各試料の強度,伸度,吸湿
率,放湿率,吸湿発熱温度を測定し、結果を表4に示し
た。
【0035】
【表4】
【0036】表4から明らかなように、添加したアルギ
ン酸ナトリウムの分子量が低い試料No.12は架橋処
理し、アルカリ処理をしても吸湿率があまり向上せず、
また強度が大きく低下している。これは添加したアルギ
ン酸ナトリウムが紡糸時に凝固浴中に溶出してしまうた
めと考えられる。これに対してアルギン酸ナトリウムの
分子量が20,000〜200,000である本発明の
試料No.13〜No.16は、吸湿率が向上し、優れ
た吸湿発熱温度が認められ、強度低下も実用上問題とな
らない程度である。
【0037】〔実施例5〕通常の方法で調製したレーヨ
ンビスコース溶液(セルロース9.0%、全アルカリ
6.0%、全硫黄2.5%)にアルギン酸ナトリウム
(和光純薬工業(株)製、分子量約60,000)を該
ビスコース溶液のセルロースに対して10重量%となる
ように添加し、均一に溶解後直ちに、0.09mm×1
00Hのノズルを使用し、紡糸速度55m/分で、硫酸
110g/L、硫酸ナトリウム30g/L、硫酸亜鉛1
5g/L、温度50℃の紡糸浴中に紡糸した。通常の二
浴緊張紡糸法により延伸し、通常の精練乾燥処理を行い
およそ3.33デシテックスのアルギン酸を含有したレ
ーヨンのセルロース再生繊維約500gを糸切れするこ
となく製造した。ここで約50gの試料を採取し、比較
試料4´とした。
【0038】続いて残りの繊維を4重量%のエチレング
リコールジグリシジルエーテル(ナガセ化成工業(株)
製、商品名;デナコールEX−810)と2重量%の商
品名;スミテックスアクセラレータX−120(住友化
学工業(株)製)を含む溶液に30分間浸漬し、130
℃にて15分間処理して架橋処理を行った。次いで、架
橋処理した繊維及び比較試料4´をそれぞれ5重量%の
水酸化ナトリウム水溶液に10分間浸漬した後に充分水
洗し、乾燥してアルギン酸ナトリウムを含有したレーヨ
ンのセルロース再生繊維を得、それぞれ試料No.17
及び比較試料4とした。また、アルギン酸ナトリウムを
添加しない以外は上述と同様な方法でセルロース再生繊
維を製造し、比較試料3とした。得られた各試料の強
度,伸度,吸湿率,放湿率,吸湿発熱温度を測定し、結
果を表5に示した。
【0039】
【表5】
【0040】表5から明らかなように、実施例1のポリ
ノジックのセルロース再生繊維に変えてレーヨンのセル
ロース再生繊維であっても優れた吸湿発熱性が認められ
た。すなわち、比較試料4はアルギン酸を含有させて紡
糸したが架橋処理をしていないため、アルカリ条件下に
曝した後ではアルギン酸が溶出してしまい、吸湿発熱温
度が通常レーヨンである比較試料3と同程度であった。
【0041】これに対して本発明の試料No.17は、
アルギン酸を含有させた後架橋処理をしているため、ア
ルギン酸が溶出してしまうことがなく、さらにアルカリ
処理によりアルギン酸のカルボキシル基をナトリウム塩
型としているため、優れた吸湿発熱性を示している。吸
湿発熱温度としても、本発明の試料No.17は、羊毛
の吸湿発熱温度9℃と同程度の性能が得られている。
【0042】
【発明の効果】上述したように本発明の改質セルロース
再生繊維は、カルボキシル基を有する酸性高分子を通常
のセルロース再生繊維の製造に用いられるビスコース溶
液の溶媒に溶解させ、液状にして紡糸原液に含有させる
ため、添加量を高めても紡糸時の紡調を悪化させにく
く、紡糸した後に得られた繊維を架橋し、アルカリ処理
しているため、カルボキシル基を有する酸性高分子の塩
を一様に繊維内に混在させた改質セルロース再生繊維で
ある。本発明の改質セルロース再生繊維は、対アルカリ
性に優れ、強度、伸度等の基本的な繊維物性を損なうこ
となく、優れた吸湿性と吸湿発熱性を具備した改質セル
ロース繊維である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4L031 AA02 BA11 CA01 DA00 4L033 AA02 AB01 AC15 BA08 DA07 4L035 BB06 BB08 BB15 BB16 BB73 CC20 DD19 EE04 EE05 EE08 FF01 FF04 HH01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロース再生繊維中にカルボキシル基
    を有する酸性高分子を含有させ、架橋後アルカリ処理し
    て得られる吸湿発熱性を有することを特徴とする改質セ
    ルロース再生繊維。
  2. 【請求項2】 カルボキシル基を有する酸性高分子の含
    有量が、得られる改質セルロース再生繊維の全体に対し
    て3〜25重量%であることを特徴とする請求項1に記
    載の改質セルロース再生繊維。
  3. 【請求項3】 カルボキシル基を有する酸性高分子が、
    水酸化ナトリウム水溶液に溶解し、かつセルロースビス
    コース溶液の凝固再生浴中で凝固するものであることを
    特徴とする請求項1又は請求項2に記載の改質セルロー
    ス再生繊維。
  4. 【請求項4】 カルボキシル基を有する酸性高分子を含
    有させ、架橋後アルカリ処理して得られる改質セルロー
    ス再生繊維の吸湿発熱温度が7.5℃〜11.5℃であ
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに
    記載の改質セルロース再生繊維。
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