JP2015093906A - 無定形セルロースの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水中でも結晶化し難い安定な無定形セルロースを得ることのできる無定形セルロースの製造方法を提供すること。
【解決手段】無定形セルロースの製造方法は、結晶性セルロース含有原料を、アミン類と無機塩からなる混合溶液に溶解させてセルロース溶液を得る工程と、セルロース溶液に、アルコール又はアセトンを添加してセルロースを再生する工程とを有し、アミン類が、エチレンジアミン、アンモニア及びヒドラジンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であり、無機塩が、チオシアン酸塩又はヨウ化アルカリ金属塩である。
【選択図】図4

Description

本発明は、セルロース含有原料から無定形セルロースを製造する方法に関する。
近年、地球温暖化対策や循環型社会の構築等の取り組みを通じて、バイオマス資源への関心が高まっている。天然のセルロースは、植物の光合成によって二酸化炭素と水から生成するものであり、地球上に多く存在する有機性資源であることから、再生可能なバイオマス資源としての利用が期待されている。この天然のセルロースをバイオマス資源として利用するためには、セルロースを分解してグルコースを得る必要があるが、天然のセルロース(I型セルロース)は固い結晶状態で存在しており、極めて分解され難い。そのため、天然のセルロースの分解にあたっては、特許文献1に記載されているように、強酸や高温・高圧、機械的な微破砕又は長時間の酵素反応といった前処理が必要となり、多大なエネルギーを投入したり、煩雑な工程を経る必要があった。
そこで、天然のセルロースの結晶状態を、分解され易い非晶状態に人工的に調製する方法がいくつか提案されている。たとえば、非特許文献1には、天然のセルロース繊維をボールミルのような粉砕機で長時間粉砕処理することにより、無定形(非晶性)セルロースを得る方法が記載されている。また、非特許文献2には、アセテートに代表されるセルロース誘導体の置換基を化学処理して元の水酸基に戻す際、非水溶媒中で行うと無定形セルロースが得られることが記載されている。
他方、非特許文献3及び非特許文献4には、湿気を含んだ空気中や水中では、無定形セルロースは直ちにII型の結晶性セルロースに変遷することが記載されている。
特開平10−110001号公報
HERMANS P H,J. Am. Chem. Soc.,1946年,VOL.68,P.2547-2552 MANLEY R ST J,JOURNAL OF POLYMER SCIENCE:PART A,1963年,VOL.1,P.1893-1899 WADEHRA I L,JOURNAL OF APPLIED POLYMER SCIENCE,1965年,VOL.9,P.2627-2630 KIMURA M,JOURNAL OF APPLIED POLYMER SCIENCE,1974年,VOL.18,P.3069-3076
非特許文献3及び非特許文献4に記載されているように、無定形セルロースは、水中ではII型の結晶性セルロースに直ちに変遷する。そのため、非特許文献1及び非特許文献2に記載の方法等により無定形セルロースを得たとしても、酸や酵素等を用いて加水分解処理する際、処理水中で無定形セルロースは分解され難いII型の結晶性セルロースに変遷してしまう。そのため、これらの無定形セルロースは、水の存在下で行われる加水分解処理には不向きであり、加水分解され難いという問題があった。
本発明は上述した点に鑑み案出されたもので、その目的は、水中でも結晶化し難い安定な無定形セルロースを得ることのできる無定形セルロースの製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、低エネルギーかつ低コストで、天然セルロース等の結晶状態を分解され易い非晶状態に調製する、新たな方法を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、低エネルギーかつ低コストで、セルロース含有原料からグルコースを製造する方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の無定形セルロースの製造方法は、結晶性セルロース含有原料を、アミン類と無機塩からなる混合溶液に溶解させてセルロース溶液を得る工程と、セルロース溶液に、アルコール又はアセトンを添加してセルロースを再生する工程とを有し、アミン類が、エチレンジアミン、アンモニア及びヒドラジンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であり、無機塩が、チオシアン酸塩又はヨウ化アルカリ金属塩である。
エチレンジアミン、アンモニア及びヒドラジンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミン類化合物と、チオシアン酸塩又はヨウ化アルカリ金属塩のいずれかの無機塩とからなる混合溶液は、常温・常圧条件下で、結晶性セルロースを高濃度に溶解させることができる。それゆえ、通常の溶媒では溶解し難い結晶性セルロースを容易に溶液状態とすることができる。そして、このセルロース溶液にアルコール又はアセトンを添加することにより、固体セルロースが再生されるところ、得られた再生セルロースは非晶状態の無定形セルロースとして得られる。さらに、この無定形セルロースは、水中や湿度を含む空気中でもII型セルロース等の結晶状態に変遷せず、非晶状態を安定して維持する。これにより、加水分解処理においても、処理液中で非晶状態を維持するため、効率よく加水分解反応が行われ、グルコースが高い割合で得られる。これらの反応は、全て常温・常圧条件下で行われるため、低エネルギーかつ低コストである。
また、本発明の無定形セルロースの製造方法は、アミン類がエチレンジアミンであり、無機塩がチオシアン酸アルカリ金属塩であることも好ましい。結晶性セルロースを溶解させる混合溶液として、安全性が高く、低コストであり、取り扱いも容易である好適な成分が選択される。
さらに、本発明の無定形セルロースの製造方法は、セルロース溶液に添加されるアルコール又はアセトンに含まれる水の割合が、5%以下であることも好ましい。セルロース溶液中のセルロースを無定形セルロースとして再生させるにあたり、好適な凝固剤が選択される。アルコール又はアセトンの純度が高く、これらに含まれる水分の割合が小さいほど、非晶状態でセルロースが再生される。
また、本発明のグルコースの製造方法は、本発明の無定形セルロースを酸又はセルラーゼで加水分解することにより得られる。本発明で得られた無定形セルロースは加水分解処理の際にも、結晶状態に変遷せず、非晶状態を維持するため、酸又はセルラーゼにより容易に分解され、グルコースを効率よく生成させることができる。
本発明によれば、以下のような優れた効果を有する無定形セルロースの製造方法を提供することができる。
(1)結晶性セルロース含有原料から、水中でも結晶化し難い安定な無定形セルロースを得ることができる。
(2)結晶性セルロースを溶解させる溶媒(アミン類/無機塩混合溶液)の調製、セルロース含有原料の溶解、及び無定形セルロースの再生までの全ての工程を常温かつ常圧条件下で行うことができるため、低エネルギーかつ低コストで、無定形セルロースを得ることができる。
(3)得られた無定形セルロースが安定して無定形状態を保つため、容易に加水分解される。よって、低エネルギーかつ低コストで、結晶性セルロース含有原料からグルコースを製造することができる。
本発明の実施形態に係る無定形セルロースの製造方法を概略的に示すフローチャートである。 実施例1におけるエチレンジアミン/チオシアン酸ナトリウム混合溶液へのI型結晶性セルロースの溶解の様子を示す偏光顕微鏡写真である。 実施例2における(a)メタノールにより再生されたセルロースのX線回折グラフ、(b)水により再生されたセルロースのX線回折グラフである。 実施例3における再生セルロースの水中での経時変化を示すX線回析グラフである。 実施例3における再生セルロースの水中での経時変化を示すCP/MAS固体NMRチャートである。 比較例におけるLiCl/DMAc混合溶液から得られた再生セルロースを水中に3日間放置した際のX線回析グラフである。 実施例5における99%エタノール、95%エタノール及び水により得られた再生セルロースのX線回析グラフである。 実施例5における99%エタノール、95%エタノール及び水により得られた再生セルロースのCP/MAS固体NMRチャートである。 実施例6における再生セルロースの水可溶部のHPLCチャートである。
まず、図1を参照しつつ、本発明の無定形セルロースの製造方法について説明する。本発明の実施形態にかかる無定形セルロースの製造方法は、アミン類/無機塩混合溶液を調製する工程S0、混合溶液にセルロース含有原料を溶解させる工程S1、及びセルロース溶液から固体セルロースを再生させる工程S2から概略構成される。
(アミン類/無機塩混合溶液の調製)
まず、図1に示すアミン類/無機塩混合溶液を調製する工程S0について説明する。本発明における、アミン類と無機塩からなる混合溶液は非水系溶液であり、液体のアミン類に無機塩を溶解させることにより得られる。アミン類としては、エチレンジアミン、アンモニア及びヒドラジンが挙げられ、これらを適宜組み合わせて使用してもよい。他方、上述したアミン類に溶解させる無機塩としては、チオシアン酸塩又はヨウ化アルカリ金属塩が好ましく、具体的には、特に限定されないが、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、ヨウ化ナトリウム又はヨウ化カリウム等が挙げられる。液体のアミン類に溶解させる無機塩の量は、特に限定されないが、無機塩の濃度が高いほどセルロースの溶解度が大きくなる観点から、飽和溶液となる量の7割以上であることが好ましく、飽和溶液となる量の9割以上であることがより好ましく、略飽和溶液となる量であることがさらに好ましい。なお、エチレンジアミン及びヒドラジンは室温で液体であるが、アンモニアは室温では気体であるため、アンモニアについては融点以下の−80℃程度に冷却して液体としたうえで無機塩を溶解させることにより混合溶液が得られる。いったん無機塩が溶解したアンモニア/無機塩混合溶液は、室温においても液体状態を維持し、安定である。
上述したアミン類と無機塩とからなる混合溶液としては、安全性が高く、混合溶液の調製も常温及び常圧条件下で容易に行うことができ、セルロースの溶解度にも優れる観点から、エチレンジアミンとチオシアン酸アルカリ金属塩とからなる混合溶液が好ましい。チオシアン酸アルカリ金属塩としては、チオシアン酸ナトリウム又はチオシアン酸カリウムが好適に用いられる。一例として、エチレンジアミン55重量部に対し、チオシアン酸ナトリウム45重量部を混合して得られたエチレンジアミン/チオシアン酸ナトリウム混合液100gは、I型セルロース(DP210、結晶化度0.78)を約16gも溶解させることができる。
後述するように、本発明の無定形セルロースを製造する工程においては、混合溶液に含まれる水分をできるだけ少なくすることが重要である。そのため、混合溶液の原料であるアミン類及び無機塩は水分ができるだけ含まれないものを用い、調製に使用する器具はよく乾燥したものを用いることが好ましい。さらに、調製により得られた混合溶液についても、空気中の湿気が溶け込まないよう、密封しておくことが好ましい。
(セルロース含有原料の溶解)
次に、混合溶液にセルロース含有原料を溶解させる工程S1について説明する。本工程では、上述したように調製されたアミン類/無機塩の混合溶液にセルロース含有原料を加え、溶解させる。結晶性セルロース含有原料のセルロースの種類は特に限定されず、本発明の混合溶液は、天然セルロース(I型セルロース)はもちろん、人工的に調製されて得られる再生セルロース(II型又はIII型セルロース)に対しても優れた溶解作用を発揮する。
さらに、本発明において用いられるセルロース含有原料は、結晶性セルロースを含有するものであれば特に限定されるものではなく、セルロースとして単離されたもののほか、セルロースを含むバイオマス資源であってもよい。バイオマス資源の一例としては、稲、麦、トウモロコシ、ビート及びサトウキビ等の栽培作物や、稲わら、籾殻、麦わら、麦殻、コーンストーバー、ビートパルプ、バガス、木材チップ、間伐材及び古紙等といった通常では廃棄処理されるものが挙げられる。これらのバイオマス資源をセルロース含有原料として用いる場合には、細断処理や水熱処理、又は解繊処理といった前処理が施されたものであることが好ましい。
セルロース含有材料中のセルロースをアミン類/無機塩の混合溶液に溶解させる際には、混合溶液にセルロース含有材料を添加したのち、撹拌機で撹拌したり、振とう機で振とうさせる等、セルロースの混合溶液中への拡散を促進させながら溶解させることが好ましい。高濃度のセルロース溶液は非常に粘凋な性質を示す。セルロースの溶解にかかる時間は、セルロースの濃度によっても異なるが、例えば5%未満程度のセルロース溶液を得る際には4〜5時間程度であり、10%程度のセルロース溶液を得る際には、3日間程度あればセルロースは完全溶解される。
本発明におけるアミン類/無機塩の混合溶液へのセルロース含有原料の溶解は、溶媒を加熱してセルロースを溶解させるような従来の反応系とは異なり、15〜25℃の常温及び常圧での温和な条件下でなされる。そのため、加熱等によって生じるセルロース分子鎖の不要な切断や分解による分子量低下を招くことなく、セルロース溶液を得ることができると共に、加熱用の装置や熱エネルギーも必要としないため、低コストかつ低エネルギーでセルロース溶液を得ることができる。なお、本発明において、セルロースの溶解を促進させるために、必要に応じて、アミン類/無機塩の混合溶液を加温又は加圧することも可能である。
また、本発明の無定形セルロースを製造する工程においては、セルロース溶液に含まれる水分をできるだけ少なくすることが重要である。そのため、セルロース含有材料はよく乾燥させ、水分ができるだけ含まれないように調製しておくことが好ましい。また、溶解のために使用される器具についてもよく乾燥したものを用いることが好ましい。さらに、得られたセルロース溶液についても、空気中の湿気が溶け込まないよう、密封しておくことが好ましい。
(セルロースの再生)
次に、セルロース溶液から固体セルロースを再生させる工程S2について説明する。アミン類/無機塩の混合溶液にセルロースを溶解させて得られたセルロース溶液に対し、凝固剤を添加することにより、無定形の固体セルロースが再生される。凝固剤としては、アセトン及びメチルエチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール及びプロパノール等のアルコール、並びに、酢酸メチル等のエステル類等が挙げられる。これらのうち、安全性が高く、安価で取り扱いも容易である観点から、メタノール、エタノール及びプロパノール等のアルコール又はアセトンを凝固剤として用いることが特に好ましい。凝固材の添加量としては、セルロース溶液1重量部に対し、凝固剤を3〜20重量部、好ましくは5〜15重量部添加することにより、混合溶液中で溶解状態にあったセルロースが無定形セルロースとして再生される。具体的には、特に限定されないが、常温・常圧条件下でセルロース溶液に10倍量のアルコール等の凝固剤を注ぎ、強く撹拌することにより、無定形セルロースが再生される。
このようにして得られた無定形セルロースは非常に安定であり、空気中はもちろん、水中に放置しても結晶化せず、非晶状態を保つことが可能である。そのため、加水分解処理において効率よく分解され、容易に加水分解物を得ることが可能である。
また、アミン類/無機塩混合溶液を調製する工程S0、及び混合溶液にセルロース含有原料を溶解させる工程S1において説明したように、本発明の無定形セルロースを製造する工程においては、反応系に含まれる水分をできるだけ少なくすることが重要である。理由としては、反応系に水分が含まれることにより、結晶化が進行した状態の固体セルロースとして再生されるためである。そのため、使用される凝固剤としては、水分含有量の少ない純度が高いものを用いることが好ましい。具体的には、凝固剤、すなわち、アルコールやアセトンに含まれる水分の割合は5%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましく、1%以下であることが特に好ましい。なお、凝固剤として水を用いた場合には、完全に結晶化したII型セルロースとしてのみ再生される。
本発明の無定形セルロースは、いったん無定形セルロースとして得られた後は、水中に浸漬しても非晶状態を保ち、水分に対して安定という特異な性質を有する。従来、セルロース溶液に凝固剤を添加することにより無定形セルロースを得ることはできたが、得られた無定形セルロースは空気中や水中で速やかに結晶化し、II型セルロースとなることが知られていた。本発明で得られた無定形セルロースは、水中においても安定であることから、水中でも加水分解されやすい非晶状態を維持する。そのため、硫酸又は塩酸等の酸加水分解処理や、セルラーゼ等の酵素加水分解処理において効率よく分解され得る。それゆえ、目的物であるグルコースを効率よく得ることが可能である。
さらに、本工程S2を終え、無定形セルロースを再生し終わった後の使用済みの溶液については、蒸留処理によってアルコール又はアセトンといった凝固剤成分と、アミン類/無機塩混合溶液とを分離でき、再利用が可能である。例えば、エチレンジアミン/チオシアン酸ナトリウム混合溶液にセルロースを溶解させ、メタノールで無定形セルロースを再生させた場合には、ろ過により無定形セルロースとろ液とに分け、そのろ液を加熱することにより、低沸点(約65℃)のメタノールが先に蒸発する。そして、ろ液の沸点が105℃に達したときに加熱を止めて室温まで冷却すると、残留液は再びエチレンジアミン/チオシアン酸ナトリウム混合溶液としてセルロース溶解力を示す。このように、本発明に用いる混合溶液や凝固剤は、簡便な操作でリサイクルが可能であり、環境負荷が少なく、経済性の点においても優れている。
以下、実施例を用いて、本発明を詳細に説明する。
[実施例1]
1.アミン類/無機塩混合溶液へのセルロースの溶解
以下表1に示す配合に従い、アミン類に無機塩を添加して混合し、アミン類/無機塩混合溶液を作成した。配合Cのアンモニア/チオシアン酸アンモニウム混合溶液については、いったんアンモニアガスを−80℃に冷却して液体とし、その液体に対してチオシアン酸アンモニウムを溶解させることにより得た。それ以外の配合の混合溶液は、室温にてアミン類に無機塩を溶解させて得た。なお、無機塩はアミン類に対し、25℃条件下でほぼ飽和溶液となるように、それぞれ配合されている。作成した配合A〜Fのアミン類/無機塩混合溶液にI型の結晶性セルロース(ワットマンCC41微結晶性セルロース、DP210、結晶化度0.78)をそれぞれ溶解させ、25℃条件下での溶解度を測定した。結果を表1に示す。
表1の結果によれば、エチレンジアミン、ヒドラジン又はアンモニアといったアミン類と、チオシオン酸塩又はヨウ化アルカリ金属塩といった無機塩とからなる混合液は、室温で、I型の結晶性セルロースを高濃度に溶解できることがわかった。
次に、高密度ポリエチレン製の袋に、表1の配合Aのアミン類/無機塩(エチレンジアミン/チオシアン酸ナトリウム)混合溶液100gを入れ、その中にI型の結晶性セルロース(ワットマンCC41微結晶性セルロース、DP210、結晶化度0.78)7gを加えた。袋の口を密封したのち、室温にて袋を振とうさせて溶液を撹拌し、セルロースを溶解させた。セルロースを添加した直後、添加4時間後、添加48時間後及び添加3日後(完全溶解)の混合溶液を一部とり、セルロースの溶解を、偏光顕微鏡を用いて直交ニコル下で観察した。結果を図2に示す。図2は溶解開始後の各時間に撮影された偏光顕微鏡写真である。これによれば、溶解開始4時間後には観察されるセルロース結晶の量が著しく減少し、48時間後には固形物はほとんど確認されず、ほとんどが溶解したことが認められる。この結果により、本発明のアミン類/無機塩混合溶液では、セルロース濃度が6.5重量%となるような、比較的多量の結晶性セルロースを加えても、室温にて迅速な溶解が行われ、2〜3日程度で完全に溶解できることが確認された。
[実施例2]
2.アミン類/無機塩混合溶液からの固体セルロースの再生(1)
実施例1と同様にして得た、エチレンジアミン/チオシアン酸ナトリウム混合溶液100gに結晶性セルロースを7g溶解させたセルロース溶液107gに対し、メタノール(試薬1級、99.5%)を1L程度加えて撹拌し、溶解状態のセルロースをゲル状に凝固させた。得られたセルロースゲルを大量のメタノールで洗浄し、真空乾燥して、再生セルロースを得た。他方、比較のために、メタノールの代わりに水を用いて固体セルロースを再生させた他は、上記と同様にして再生セルロースを得た。これらの再生セルロースの固体構造を広角X線回析で分析した。結果を図3に示す。
図3(a)はメタノールで再生させたセルロースのX線回折グラフを、図3(b)は水で再生させたセルロースのX線回折グラフを示している。このグラフによれば、水で再生させたセルロースでは、12°、20°及び22°付近にII型セルロースの格子面に由来する回折ピークが明確に現れており(図3(b))、II型構造をとっていることがわかる。他方、メタノールで再生させたセルロースには回折ピークはみられず(図3(a))、無定形(非晶形)をとっていることがわかった。この結果より、アミン類/無機塩混合溶液に溶解したセルロースについて、水で凝固させて再生させた場合には、II型構造をとる一方で、アルコールにて凝固させた場合には、無定形構造をとることがわかった。
[実施例3]
3.再生セルロースの水中での挙動
実施例2で得たメタノールで再生したセルロースを微粉砕した後、水中に放置した。放置から1日後、1週間後及び3週間後に一部を取り出して乾燥させた後、その固体構造をX線回析及びCP/MAS固体NMRで分析した。X線回折の結果を図4に、NMRの結果を図5に示す。
図4のX線回折のグラフより、水に浸漬して1日後には、II型セルロースの結晶格子面に由来する12°、20°及び22°付近に回折ピークが非常に弱く現れるものの、そこで回折ピーク形状の変化は止まり、1週間後も3週間後も結晶化はこれ以上進行しなかった。また、図5のNMRのチャートによれば、水に浸漬して1日後には、II型セルロースに特有のC4共鳴シグナルに対応する位置において、シグナル形状の変化がみられるものの、3週間後においてもシグナル形状はこれ以上変化しなかった。これらの結果より、本発明により得られた無定形の再生セルロースは、水中でも長期間結晶化せず、無定形を維持することがわかった。
[実施例4]
4.アミン類/無機塩混合溶液からの固体セルロースの再生(2)
実施例2で用いたメタノールの代わりに、エタノール、ブタノール、2−プロパノール及びアセトン(いずれも試薬特級を使用)をそれぞれ用いて固体セルロースを再生させた他は、実施例2と同様にして各再生セルロースを得た。その後、上記実施例2と同様に、得られた各再生セルロースの固体構造をX線回析及びCP/MAS固体NMRで分析すると共に、各再生セルロースの水中での挙動を実施例3と同様に調べた。この結果、実施例2及び実施例3におけるメタノールで再生したセルロース同様に、本実施例で得られた各再生セルロースは無定形構造をとり、水中でも長期間結晶化せず、無定形を維持することがわかった。
[比較例]
5.LiCl/DMAc混合溶液から得られた再生セルロースの水中での挙動
LiCl/DMAc混合溶液から得られた再生セルロースは、非晶性であり、無定形セルロースであるとされている。そこで、このLiCl/DMAc混合溶液から得られた無定形セルロースの水中での安定性を確認する試験を以下のようにして行った。ジメチルアセトアミド92gに塩化リチウム8.0gを常温で撹拌しながら溶解させ、LiCl/DMAc混合溶液を作成した。I型の結晶性セルロース(ワットマンCC41微結晶性セルロース、DP210、結晶化度0.78)7gを、80℃に加熱したLiCl/DMAc混合溶液100gに溶解させた。このセルロース溶液107gに対し、室温のメタノール(試薬1級、99.5%)を1L程度加えて撹拌し、溶解状態のセルロースをゲル状に凝固させた。得られたセルロースゲルを大量のメタノールで洗浄し、真空乾燥して、再生セルロースを得た。この再生セルロースを微粉砕した後、水中に放置した。放置から3日後に取り出して乾燥させた後、その固体構造をX線回析で分析した。結果を図6に示す。
図6のX線回折のグラフより、再生直後は回折ピークがみられず、無定形セルロースとして存在するが、水に浸漬して3日後にはII型セルロースの結晶格子面に由来する12°、20°及び22°付近に回折ピークが現れ、II型セルロースに変化していることが示された。これらの結果より、LiCl/DMAc混合溶液から得られた再生セルロースは、水中では速やかに結晶化し、II型セルロースに変化することがわかった。
[実施例5]
6.固体セルロースの再生における水の影響
実施例2で用いたメタノールの代わりに、99v/v%エタノール及び95v/v%のエタノールをそれぞれ用いて固体セルロースを再生させた他は、上記実施例2と同様にして各再生セルロースを得た。上記実施例2と同様に、得られた各再生セルロースの固体構造をX線回析及びCP/MAS固体NMRで分析した。X線回折の結果を図7に、NMRの結果を図8に示す。
図7のX線回折のグラフより、95%エタノールで再生されたセルロースでは、II型セルロースの結晶格子面に由来する12°、20°及び22°付近に回折ピークが弱く現れ、無定形構造とII型構造の中間の構造を取ることがわかった。また、図8のNMRのチャートによれば、II型セルロースに特有のC4共鳴シグナルに対応する位置にシグナル形状がやや現れることがわかった。これらの結果より、セルロースを再生する際には、水分がない状態であればあるほど、安定して非晶構造を維持する固体セルロースが得られることがわかった。
[実施例6]
7.再生セルロースの分解性(1)
実施例2で得たメタノールで再生したセルロースの分解性を天然のI型の結晶性セルロースと比較する試験を行った。実施例2で得た微粉砕した再生セルロース0.5gを濃度70%の希硫酸30mLに加え、10℃で1時間、加水分解反応させた。1時間後、希硫酸溶液をろ過して残渣を回収し、洗浄して乾燥させた後、その重量を測定して水不溶部の重量とした。また、その希硫酸溶液を水酸化カルシウムで中和し、生成した硫酸カルシウム塩をろ過して取り除いた後、エバポレータを用いて溶媒を除去した。溶媒除去後に得られた固形分の重量を測定して水可溶部の重量とした。また、この水可溶部からなる固形分を一部取って水に溶かし、HPLC分析により再生セルロースの分解状態を確認した。他方、比較例として、実施例2で得た再生セルロースの代わりに、I型の結晶性セルロース(ワットマンCC41微結晶性セルロース、DP210、結晶化度0.78)を用い、上述と同様の加水分解試験を行った。結果を表2に示す。また、水可溶部のHPLCのスペクトルチャートを図9に示す。
表2によれば、無定形再生セルロースについて、水可溶部と水不溶部とを合計した値が50%未満となっているが、これは、硫酸により分解を受けたセルロースがさらに過剰な分解を受け、硫酸による分解反応時及びエバポレータによる留去の際に揮発してしまったためであると考えられる。よって、本発明で得られた無定形再生セルロースは、ほとんどが硫酸により加水分解を受けたものと考えられる。他方、I型の天然セルロースは、67%も残渣が残り、加水分解されにくいことが示された。さらに、図9の水可溶部のHPLCスペクトルによれば、本発明の無定形の再生セルロースは単糖のグルコースにまで効率よく分解されていることがわかった。よって、これらの結果より、I型の天然セルロースと比べ、本発明により得られた無定形の再生セルロースの方が分解性が高く、効率よくグルコースが得られることが示された。
[実施例7]
8.再生セルロースの分解性(2)
実施例2で得た微粉砕した再生セルロース0.5gを30mLのpH4.8の酢酸バッファーに加え、Asp.niger由来のセルラーゼを300FPU添加し、50℃で5日間、酵素分解反応させた。5日後、バッファーをろ過して残渣を回収して洗浄し、乾燥させた後、その重量から使用した酵素の重量を差し引いて水不溶部の重量とした。また、ろ過したバッファーを100mLに希釈し、それに含まれるグルコース濃度をHPLCにて定量し、水可溶部の重量に換算した。他方、比較例として、I型の結晶性セルロース(ワットマンCC41微結晶性セルロース、DP210、結晶化度0.78)を用いて、上述と同様の酵素分解試験を行った。結果を表3に示す。
表3によれば、酵素分解反応においても、本発明により得られた無定形の再生セルロースはI型の天然セルロースと比べ、分解性が2倍以上高いことが示された。
本発明は、上記の実施形態又は実施例に限定されるものでなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨を逸脱しない範囲内での種々、設計変更した形態も技術的範囲に含むものである。

Claims (3)

  1. 結晶性セルロース含有原料を、アミン類と無機塩からなる混合溶液に溶解させてセルロース溶液を得る工程と、
    前記セルロース溶液に、アルコール又はアセトンを添加してセルロースを再生する工程とを有し、
    前記アミン類が、エチレンジアミン、アンモニア及びヒドラジンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であり、
    前記無機塩が、チオシアン酸塩又はヨウ化アルカリ金属塩であることを特徴とする無定形セルロースの製造方法。
  2. 前記アミン類がエチレンジアミンであり、前記無機塩がチオシアン酸アルカリ金属塩であることを特徴とする請求項1に記載の無定形セルロースの製造方法。
  3. 前記セルロース溶液に添加されるアルコール又はアセトンに含まれる水分の割合が、5%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の無定形セルロースの製造方法。
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