JPH0830094B2 - スチレン類重合体の製造法 - Google Patents

スチレン類重合体の製造法

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JPH0830094B2
JPH0830094B2 JP19727587A JP19727587A JPH0830094B2 JP H0830094 B2 JPH0830094 B2 JP H0830094B2 JP 19727587 A JP19727587 A JP 19727587A JP 19727587 A JP19727587 A JP 19727587A JP H0830094 B2 JPH0830094 B2 JP H0830094B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、カチオン重合系を用いるスチレン類重合体
の製造法に関するものである。
(従来の技術) スチレンは、1956年、M.Sewarcによりリビング重合す
ることが見いだされ、単分散のポリスチレンが得られ
た。このリビング重合を利用して、ブロックポリマー、
テレケリックポリマー、マクロモノマーなどが次々と合
成され、高分子工業に大きく貢献してきたことは周知の
とおりである。その例としては、SBSポリマー、マクロ
モノマーなどを挙げることができる。このようにリビン
グ重合は、工業的に非常に有用であるが、従来はアニオ
ン重合法でのみ達成されるにすぎなかった。
最近、本発明者等が精力的にカチオン重合系によるリ
ビングポリマーの製造法を検討した結果、アルケニルエ
ーテルの重合については、 (i)HI/I2の開始剤系、 (ii)有機アルミニウム化合物/含酸素化合物の開始剤
系(特開昭62−257910号)、 (iii)HI/MX2の開始剤系(特開昭63−273607号)、 のいずれかの開始剤系を用いることにより完全なリビン
グポリマーが得られるとの知見を得た。特に上記(i
i),(iii)の開始剤系を用いる方法では、初めて室温
以上の重合温度においてもリビング重合の可能なことが
見いだされ、重合速度、装置等の面から工業的にも非常
に有用であることが判明した。しかもさらに、このよう
なカチオンリビング重合系を利用して、ブロック共重合
体やテレケリックポリマー等が合成されてきた(特開昭
60−228509号、特開昭60−22913号、特開昭63−97606
号、特開昭63−97607号などの各明細書)のである。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、従来のようにアニオン重合系を用いて
スチレン誘導体の重合を行えば、リビングポリマーを得
ることはできるが、極微量の水分による副反応や酸素に
よる副反応等の起こる不都合があり、その結果、例えば
高真空下で重合を行うなどにより、重合系を完全に精製
する必要がある。という問題点があるばかりでなく、ス
チレン誘導体の種類によっては重合速度が非常に小さい
場合があり得る、という問題点もあった。これに加え
て、カチオン重合系を用いるスチレン誘導体の重合にお
いては、アルケニルエーテルの重合の場合に比べ生長カ
チオンが一般に不安定であるため、副反応が起こりやす
く、長寿命のポリマーが得られた例はあるものの〔例え
ばPolym.J.,9,87(1977);J.Polym.Sci.,Polym.Chem.E
d.,24,87(1986).〕、完全なリビング重合法は今日ま
で見いだされていなかった。という問題点があった。
本発明は、上述のような従来のアニオン重合系の問題
点を解決するためカチオン重合系を用い、かつカチオン
重合系を用いるスチレン誘導体の重合における上述の問
題点をも解決し得る。スチレン誘導体のリビングポリマ
ーの新規な製造法の提供を目的とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、かかる目的を達成すべく鋭意研究を進
めた結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、一
般式〔I〕 (式中、R1は一価の有機基を示し、nは0〜5の整数
を示す。)で表わされるスチレン類を、HI(ヨウ化水
素)及びMX2(式中、Mは二価の金属イオンを示し、X
はハロゲン原子を示す。)で表わされるハロゲン化金属
化合物の存在下、重合することを特徴とするスチレン類
重合体の製造法を要旨とするものである。
本発明の製造法で使用される開始剤は、HI(ヨウ化水
素)とMX2で表わされるハロゲン化金属化合物からな
る。
MX2で表わされるハロゲン化金属化合物において、M
は二価の金属イオンを示し、その具体例としては、M
g2+,Zn2+,Ca2+,Sn2+,Pb2+,Cu2+,Sr2+,Cd2+,Hg
2+,Co2+,Fe2+,Ni2+等が挙げられる。それらの中、Cd
2+,Zn2+,Fe2+,Sn2+が好ましく、特に最も好ましいの
はZn2+である。又、Xはハロゲン原子を示し、なかでも
Br,Cl,Iが好ましく、特に最も好ましいのはIである。
HIとMX2の使用量は、HI/MX2のモル比で500〜0.01の範
囲であればよいが、好ましくは100〜0.1の範囲、特に最
も好ましくは50〜1の範囲である。
また、一般式〔I〕で表わされるスチレン類(以下、
単に〔I〕と略記する。)とHI(ヨウ化水素)のモル比
〔I〕/HIは、2以上ならいくらでもよいが、好ましく
は3以上、さらに好ましくは3〜3000、特に最も好まし
くは3〜1000である。ここでポリマーの重合度は、一般
に上記のモル比〔I〕/〔HI〕で規定される。
本発明の製造法の原料モノマーであるスチレン類は、
前示一般式〔I〕で表わされ、該式中、R1は一価の有機
基を示し、例えばアルキル基、アリール基、アラルキル
基、アルコキシル基、アリールオキシル基、アルケニル
基、アルコキシアルキル基、アリールオキシアルキル基
等を示し、それらはヘテロ基で置換されていてもよく、
nは0〜5の整数を示す。これらのモノマーは1種でも
2種以上を共存させてもよい。
また、上記の1種又は2種以上のスチレン類を重合さ
せた後、別のスチレン類(1種又は2種以上)を添加し
てさらに重合させることによりブロック共重合体にして
もよい。その他には、同様な方法によるスチレン類とア
ルケニルエーテルとのブロック共重合体の製造等も可能
である。
以上のような本発明におけるスチレン類の具体例とし
ては、スチレン,p−メトキシスチレン,p−フエノキシス
チレン,p−ブトキシスチレン,m−メトキシスチレン,o−
メトキシスチレン,p−メチルスチレン,p−フエニルスチ
レン,p−クロロメチルスチレン,p−ブチルスチレン,m−
メチルスチレン,p−トリメチルシロキシスチレン等が挙
げられるが、これらに限定されるものではない。上記の
具体例の中、p−メトキシスチレン,p−フエノキシスチ
レン,p−トリメチルシロキシスチレン,p−ブトキシスチ
レン,p−メチルスチレンが好ましく、特にp−メトキシ
スチレン,p−メチルスチレンが最も好ましい。
重合反応を行う場合、バルクで行ってもよいが通常、
溶媒を用いる。溶媒としてはシクロヘキサン,メチルシ
クロヘキサン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン,トルエン
等の芳香族炭化水素、四塩化炭素,塩化メチレン等のハ
ロゲン化炭化水素などが望ましい。
溶媒と原料モノマーとの仕込比は通常1:1〜100:1が好
ましい。とくに5:1〜30:1が好ましい。
本発明の方法における重合温度は、+80℃以下から好
適に選ばれ、好ましくは+40℃以下から選ばれる。この
ことは、室温以上でもリビング重合しうることを意味す
るから、その工業的意義は特に大きい。勿論、従来どう
り0℃以下の低温で重合することも何ら差し支えない。
ここで製造されたスチレン類重合体は、分子量分布は
非常に狭いw/n1.3(w:重量平均分子量、n:
数平均分子量を表す。)という特徴を有する。
ここにw/n比は、GPC(日本分光製“TRIROTAR"ク
ロマトグラフ、カラム:昭和電工製ポリスチレンゲルA8
02、A803、A804:内径8mm、長さ500mm)により求めた。
(実施例) 次に、本発明を実施例により更に具体的に説明する。
実施例1 +25℃におけるp−メトキシスチレンのリビング重
合: 精製、乾燥したp−メトキシスチレン0.33ml(2.5mmo
l)を乾燥トルエン3.7mlに溶解し、+25℃にした後、こ
こへHIの100mM n−ヘキサン溶液0.50ml、次いでヨウ化
亜鉛の50mMジエチルエーテル溶液0.50mlを乾燥窒素気流
下で注射器により加えた。よくかくはん後、+25℃で静
置し、11分後に少量のアンモニア水を含むメタノール2.
0mlを加えて反応を停止した。こうして重合率97%で、
n=6700(理論値6500),w/n=1.04のポリマー
を得た。
実施例2 −15℃におけるp−メトキシスチレンのリビング重
合: 重合温度を−15℃にした以外は実施例1と全く同じ方
法で重合を行い、90分後に重合を停止した。重合率97%
で、n=6300(理論値6500)、w/n=1.04のポリ
マーを得た。
実施例3 +25℃におけるp−メトキシスチレンのリビング重
合: 精製乾燥したp−メチルスチレン0.66ml(5.0mmol)
を乾燥塩化メチレン3.3mlに溶解し、+25℃にした後、
ここへHIの200mMn−ヘキサン溶液、次いでヨウ化亜鉛の
100mMジエチルエーテル溶液を乾燥窒素気流下で注射器
により加えた。よくかくはん後、+25℃で静置し、53時
間後に少量のアンモニア水を含むメタノール2.0mlを加
えて反応を停止した。こうして重合率94%で、n=32
00,w/n=1.3のポリマーを得た。
(発明の効果) 以上の結果から明らかなように、本発明の製造法は、
分子量分布の狭いスチレン類重合体を、しかもそれらの
高分子量体を、+80℃以下という従来になく工業的有利
な高温でかつ高収率で製造できる、という工業的価値あ
る顕著な効果を奏するものである。特に室温以上でも分
子量分布の狭い重合体を製造できる点は、工業上画期的
な意義のあることである。加えて、ここで製造されたポ
リマー末端はリビングのため、他のポリマーとのブロッ
ク共重合体の合成、末端に官能基の導入、マクロモノマ
ーの合成なども可能である。又、モノマーの種類によっ
ては、これらのポリマーを高分子反応により親水化した
り、親水・疎水ブロック共重合体を製造したりし、新規
な界面活性剤等として使用することも可能である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式〔I〕 (式中、R1は一価の有機基を示し、nは0〜5の整数を
    示す。)で表わされるスチレン類を、HI(ヨウ化水素)
    及びMX2(式中、Mは二価の金属イオンを示し、Xはハ
    ロゲン原子を示す。)で表わされるハロゲン化金属化合
    物の存在下、重合することを特徴とするスチレン類重合
    体の製造法。
  2. 【請求項2】一般式〔I〕中、R1が低級アルキル基又は
    低級アルコキシル基であることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載の製造法。
  3. 【請求項3】一般式〔I〕で表わされるスチレン類が、
    p−メトキシスチレン又はp−メチルスチレンであるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項または第2項記載
    の製造法。
  4. 【請求項4】MX2のMが二価の亜鉛イオンであることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の製造法。
  5. 【請求項5】スチレン類重合体のw/nが1.4以下で
    あることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の製造
    法。
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