JPH082973B2 - シ−ト状複合材料 - Google Patents

シ−ト状複合材料

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JPH082973B2
JPH082973B2 JP62002090A JP209087A JPH082973B2 JP H082973 B2 JPH082973 B2 JP H082973B2 JP 62002090 A JP62002090 A JP 62002090A JP 209087 A JP209087 A JP 209087A JP H082973 B2 JPH082973 B2 JP H082973B2
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清 山内
正一 佐藤
秀男 ▲高▼荒
恭子 出崎
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Tokin Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,衣料品,日用品等様々の分野に応用可能な
超弾性を有するシート状複合材料に関するものである。
(従来の技術) 形状記憶合金が熱弾性型マルテンサイト変態の逆変態
に付随して顕著な形状記憶効果および超弾性効果を示す
ことはよく知られている。特に,近年,その応用分野も
広がり,TiNi合金の形状記憶効果を利用したアクチュエ
ータ,スイッチ等また,超弾性効果を利用した歯列矯正
ワイヤー,カテーテルガイドワイヤー等の医療用品,ブ
ラジャー等の衣料品など実用化に至っている。
しかし,従来の利用方法は,大半が形状記憶合金その
ものを部品の一部として使用したり,衣料品にぬいつけ
る等のみで,本合金のもつ,形状記憶効果,超弾性効果
の利用範囲を極めてせまいものに限定していた。
(問題点を解決するための手段) 本発明は,従来にない新しい素材としての形状記憶合
金の用途をひらくもので,形状記憶合金のもつ超弾性効
果を応用したものである。
本発明によれば、直線形状となるように超弾性処理を
施されている形状記憶合金細線の複数個を母材中に分散
させたことを特徴とするシート状複合材料が得られる。
(実施例) 次に本発明の実施例について図面を参照して説明す
る。
第1図及び第2図を参照すると,本発明の一実施例に
よるシート状複合材料は,母材1中に多数の形状記憶合
金細線2を分散させたものである。
すなわち,特定の温度領域において直線形状を保つよ
うに超弾性処理を施した形状記憶合金細線(0.2〜1mm
φ)を長さ3mm以上に切断し,繊維原料または,ゴム,
合成樹脂原料と混合し,プレス,成型して,不織布また
はシート状とする。このとき形状記憶合金細線2は第1
図に示すように母材1の面に平行となるよう配する。
第2図に第1図のシート状複合材料の横断面を示す。
形状記憶合金細線2の長さ,太さ,および母材との混
合率は,本複合材料の用途にあわせて任意に選択するも
のとする。
以下具体例について説明する。
具体例1 形状記憶合金(TiNiV合金)を0.2〜0.3mmφ程度の線
材としたのち,30〜40℃領域で直線形状となるように超
弾性処理を施す。該合金線の0℃〜40℃における応力ひ
ずみ曲線を第3図に示す。この図から明らかなように本
合金は,人間の体温近傍で極めて良い超弾性特性を示し
ていることがわかる。次にこの合金線を5mmの長さに切
断し,これらと繊維原料(ナイロン)とを1:4の割合で
混ぜ合せ,厚さ1mmにプレスして不織布とした。
本不織布を100×150mmの大きさに切断して,曲げ等の
変形を加えてみたが,体温付近では容易に形状を回復し
た。さらに,洗たく機にいれ,15分の洗浄ののち,3分脱
水を行った結果変形が確認されたが,37℃に5分間加熱
したところ,元の形状に回復した。
具体例2 TiNiを主成分とするTiNiV形状記憶合金を0.5mmφ程度
の線材としたのち0〜35℃領域で直線形状となるように
超弾性処理を施す。次にこの合金線を10mmの長さに切断
し,これらとポリ塩化ビニールとを1:3の割合で混合
し,厚さ2.5mmのシート状に成型した。
本シートを150mm×150mmの大きさに切断して,曲げ等
の変形を加えてみたが常温において容易に形状を回復し
た。
(発明の効果) 以上,説明したように,本発明によれば,従来,金属
としてしか利用できなかった超弾性機能を,布又はシー
トとして,利用することにより,用途を拡大することが
できる。
例えば,不織布はYシャツのえりの芯地,スカートの
ベルト芯,ブラジャーのパット部分,帽子の芯もしく
は,帽子そのものなどの通気性,肌ざわりの良さ等が必
要な衣料品,さらに防水効果が必要な場合には,ポリ塩
化ビニルシートなどで帽子をつくったり,かばん,バッ
グ類に応用すれば形くずれのない製品ができる。また,
着色,素材感の良さなどを利用すれば,家具,自動車の
内装材など,さらに拡張させることが考えられる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例によるシート状複合材料を一
部切欠いて示した斜視図,第2図は第1図のシート状複
合材料の横断面図,第3図はTiNiV合金線の0〜40℃に
おける応力−ひずみ曲線の一例を示した図である。 1……母材,2……形状記憶合金細線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 出崎 恭子 宮城県仙台市郡山6丁目7番1号 東北金 属工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−156063(JP,A)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直線形状となるように超弾性処理を施され
    ている形状記憶合金細線の複数個を母材中に分散させた
    ことを特徴とするシート状複合材料。
  2. 【請求項2】母材として、天然繊維、合成繊維を用い、
    混合成型したことを特徴とする特許請求の範囲第1項に
    記載のシート状複合材料。
  3. 【請求項3】母材として、天然ゴム、合成ゴムを用い
    て、成型したことを特徴とする特許請求の範囲第1項に
    記載のシート状複合材料。
  4. 【請求項4】母材として合成繊維を用いて成型したこと
    を特徴とする特許請求の範囲第1項に記載のシート状複
    合材料。
  5. 【請求項5】形状記憶合金細線の複数個がシート状複合
    材料の主面に平行となるように母材中に配されているこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載のシート状
    複合材料。
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