JPH0811849B2 - 形状記憶性網体 - Google Patents
形状記憶性網体Info
- Publication number
- JPH0811849B2 JPH0811849B2 JP1179078A JP17907889A JPH0811849B2 JP H0811849 B2 JPH0811849 B2 JP H0811849B2 JP 1179078 A JP1179078 A JP 1179078A JP 17907889 A JP17907889 A JP 17907889A JP H0811849 B2 JPH0811849 B2 JP H0811849B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- net
- shape
- polynorbornene
- composition
- weft
- Prior art date
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- Artificial Filaments (AREA)
- Woven Fabrics (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、人の身体形状に適合した装着品等の製造に
好適な形状記憶樹脂製材料に関するものである。
好適な形状記憶樹脂製材料に関するものである。
[従来の技術] 形状記憶合金材を加工して、外科手術に応用すること
が行われるようになってきた。しかしながら、この形状
記憶合金を例えば、人の肌に直接密接できるように加工
し、利用することも考えられるが、形状記憶温度が高い
ため、皮膚に火傷を起こさせる恐れがあり、硬くかつ接
触感も冷たく、コスト、加工性に問題がある。
が行われるようになってきた。しかしながら、この形状
記憶合金を例えば、人の肌に直接密接できるように加工
し、利用することも考えられるが、形状記憶温度が高い
ため、皮膚に火傷を起こさせる恐れがあり、硬くかつ接
触感も冷たく、コスト、加工性に問題がある。
これに対し、ポリノルボルネンを主成分とする樹脂組
成物は、2次転移点を人の体温付近にもたらすことがで
き、例えば、シート状に加工して、人の肌に直接密着さ
せ、その表面形状を記憶させ、型取り等に利用すること
も可能である。しかしながら、身体の形状は、複雑な曲
面からなり、平面的なシートを接触させたとき、部分的
に伸張させることはできるとしても、皺や襞を生じ、密
着させることはできず、忠実な型取りはできない欠点が
ある。
成物は、2次転移点を人の体温付近にもたらすことがで
き、例えば、シート状に加工して、人の肌に直接密着さ
せ、その表面形状を記憶させ、型取り等に利用すること
も可能である。しかしながら、身体の形状は、複雑な曲
面からなり、平面的なシートを接触させたとき、部分的
に伸張させることはできるとしても、皺や襞を生じ、密
着させることはできず、忠実な型取りはできない欠点が
ある。
[発明が解決しようとする課題] 発明者らは、上記ポリノルボルネンを主成分とする組
成物の特性を保有し、かつ皺や襞を生じさせることなく
皮膚に密着することができる構造について研究を重ね、
ポリノルボルネン組成物を成形して、網体とすることに
より、塑性変形の自由度が大きく増大し、曲面に密着で
きることを見い出し、本発明を完成するに至った。ここ
で、網体とは、網の経糸,緯糸の接点が固定されていな
いもの及び一体的に固定されているものの両方を併せて
指称するものとする。
成物の特性を保有し、かつ皺や襞を生じさせることなく
皮膚に密着することができる構造について研究を重ね、
ポリノルボルネン組成物を成形して、網体とすることに
より、塑性変形の自由度が大きく増大し、曲面に密着で
きることを見い出し、本発明を完成するに至った。ここ
で、網体とは、網の経糸,緯糸の接点が固定されていな
いもの及び一体的に固定されているものの両方を併せて
指称するものとする。
[課題を解決するための手段] かくして、本発明によれば、経糸,緯糸からなる網で
あって、前記網糸の少なくとも一方の糸がポリノルボル
ネンを主成分とする組成物から得られたものであること
を特徴とする形状記憶性網体及び両方の糸がポリノルボ
ルネンに熱安定剤,ポリエチレンを添加してなる組成物
から得られたもの、及び前記組成物からなる網系の経糸
と緯糸の接点が一体的に結合されていることを特徴とす
る形状記憶性網体が提供される。
あって、前記網糸の少なくとも一方の糸がポリノルボル
ネンを主成分とする組成物から得られたものであること
を特徴とする形状記憶性網体及び両方の糸がポリノルボ
ルネンに熱安定剤,ポリエチレンを添加してなる組成物
から得られたもの、及び前記組成物からなる網系の経糸
と緯糸の接点が一体的に結合されていることを特徴とす
る形状記憶性網体が提供される。
即ち、網体の経糸,緯糸のうち、少なくとも一方の糸
をポリノルボルネンを主成分とする組成物から得られた
繊維とすることにより、柔軟性及び3次元方向に対する
塑性変形の自由度が大きく増大し、複雑な曲面に対応し
て密着することが可能となる。
をポリノルボルネンを主成分とする組成物から得られた
繊維とすることにより、柔軟性及び3次元方向に対する
塑性変形の自由度が大きく増大し、複雑な曲面に対応し
て密着することが可能となる。
次に、網体を形成する経糸または緯糸は、例えば次の
ようにして作ることができる。
ようにして作ることができる。
紡糸法 所定配合のポリノルボルネンを主成分とする組成物を
用いて適宜の径を有する棒状体を作り、これを適切な加
熱温度下で、延伸及び熱処理を繰り返し、所定径のフィ
ラメントを形成する。
用いて適宜の径を有する棒状体を作り、これを適切な加
熱温度下で、延伸及び熱処理を繰り返し、所定径のフィ
ラメントを形成する。
フィルム裁断法 所定配合のポリノルボルネンを主成分とする組成物を
用いて適宜厚さのフィルムを作り、このフィルムをシェ
ヤリングまたは、押し切り法等により細幅のストリップ
を作り、フィラメントを形成する。
用いて適宜厚さのフィルムを作り、このフィルムをシェ
ヤリングまたは、押し切り法等により細幅のストリップ
を作り、フィラメントを形成する。
上記のようにして得られたフィラメントを用いて網体
に製織する。一般的には平織りであるが、もちろん、他
の製織形式としてもよい。
に製織する。一般的には平織りであるが、もちろん、他
の製織形式としてもよい。
平織り構造とした場合、適用する用途に応じ、網体の
経糸,緯糸の両方をポリノルボルネン組成物製とし、あ
るいはそのいずれかをポリノルボルネン組成物製とし他
方を合成繊維または天然繊維製とすることができ、後者
の場合、皮膚に接触したときの感触を改善することがで
きる。
経糸,緯糸の両方をポリノルボルネン組成物製とし、あ
るいはそのいずれかをポリノルボルネン組成物製とし他
方を合成繊維または天然繊維製とすることができ、後者
の場合、皮膚に接触したときの感触を改善することがで
きる。
網体の糸の太さ,網目の大きさは、使用目的に応じて
適宜選定することができる。
適宜選定することができる。
また、網体の経糸,緯糸の交差点を例えば融着、又は
結着等により一体的に結合してもよく、このようにする
ことにより、大きな網目の場合、網体の塑性変形の際
に、網目が乱れることを防止することができる。
結着等により一体的に結合してもよく、このようにする
ことにより、大きな網目の場合、網体の塑性変形の際
に、網目が乱れることを防止することができる。
[作用] 本発明に係るポリノルボルネン組成物から得られた網
体は、2次転移点が人の体温の近辺にあるため、体温か
ら適宜範囲内で火傷の恐れのない温度、即ち35〜60℃で
取り扱うことができ、また網体としたため、皺や襞を生
じさせることなく皮膚に密接させることが可能となると
ともに、人体への装着性(肌との通気性,肌触り)が良
好である。
体は、2次転移点が人の体温の近辺にあるため、体温か
ら適宜範囲内で火傷の恐れのない温度、即ち35〜60℃で
取り扱うことができ、また網体としたため、皺や襞を生
じさせることなく皮膚に密接させることが可能となると
ともに、人体への装着性(肌との通気性,肌触り)が良
好である。
また、ポリノルボルネン組成物は迅速な原形回復性が
あり、この人体に合わせた形状に記憶させて固化させた
成形物は、金属合金と異なり、身体運動による表面変形
に対して弱い力で長時間連続的に作用するため、装着使
用した場合、炎症等を起こすおそれがない。
あり、この人体に合わせた形状に記憶させて固化させた
成形物は、金属合金と異なり、身体運動による表面変形
に対して弱い力で長時間連続的に作用するため、装着使
用した場合、炎症等を起こすおそれがない。
さらに、2次転移点以上に再加熱することにより、保
持形状の変更を容易にすることができる。
持形状の変更を容易にすることができる。
[実施例] 本発明を実施例により、さらに具体的に説明する。
実施例 ポリノルボルネン樹脂(フランスCdF社製、商品名ノ
ーソレックス)粉末80部、低密度ポリエチレン20部、熱
安定剤2部を混練し、押出成形により、径2mmの丸棒を
作成した。このものの2次転移点は、34℃であった。
ーソレックス)粉末80部、低密度ポリエチレン20部、熱
安定剤2部を混練し、押出成形により、径2mmの丸棒を
作成した。このものの2次転移点は、34℃であった。
上記丸棒を、80℃前後で300%以下に延伸し、熱処理
を施す。この操作を繰り返し、90デニールのフィラメン
トを作成した。
を施す。この操作を繰り返し、90デニールのフィラメン
トを作成した。
このフィラメントを用いて縦、横0.5mmピッチの平織
りの網をつくり、この網から、成人の手より多少細い径
の筒状体を作った。筒状体の合わせ目は木綿糸でかがっ
て結合した。
りの網をつくり、この網から、成人の手より多少細い径
の筒状体を作った。筒状体の合わせ目は木綿糸でかがっ
て結合した。
上記筒状体を40℃の温湯に浸漬し径を拡げて、温湯か
ら取り出し、この拡張された筒状体に手を差込み、差し
込んだ状態で再び温湯中に浸漬した。この時形状記憶樹
脂の特性により、網製筒状体は収縮し手に密着した形状
に変形した。この温湯に浸漬する代わりに温風ドライヤ
ー等で加温してもよい。
ら取り出し、この拡張された筒状体に手を差込み、差し
込んだ状態で再び温湯中に浸漬した。この時形状記憶樹
脂の特性により、網製筒状体は収縮し手に密着した形状
に変形した。この温湯に浸漬する代わりに温風ドライヤ
ー等で加温してもよい。
次いで、冷水に浸漬冷却して硬化させ、結合用木綿糸
を抜取り、筒の弾性を利用して合わせ部を拡げ、手から
外して、手と同形状の網からなる硬質の型を得ることが
できた。
を抜取り、筒の弾性を利用して合わせ部を拡げ、手から
外して、手と同形状の網からなる硬質の型を得ることが
できた。
「発明の効果」 上記実施例から示されるように、本発明によれば、網
体は人の体温付近に2次転移点を有するので、直接肌に
触れて人体の曲面形状を正確に記憶させ、記憶形状を固
定させることができるため、衣類の型取り材料として有
用である。
体は人の体温付近に2次転移点を有するので、直接肌に
触れて人体の曲面形状を正確に記憶させ、記憶形状を固
定させることができるため、衣類の型取り材料として有
用である。
さらに、網体は通気性に優れるため、筒状にして、
肘,膝当て用サポーター、靴の内貼、靴下ガーター等に
利用できる。
肘,膝当て用サポーター、靴の内貼、靴下ガーター等に
利用できる。
また、衣類裏地として、身体にフィットしたものを作
成でき、衣類にアイロンをかけた場合でも、型くずれせ
ず、元の形状に戻すことができる利点がある。
成でき、衣類にアイロンをかけた場合でも、型くずれせ
ず、元の形状に戻すことができる利点がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−289142(JP,A) 特開 平1−272837(JP,A) 特開 平1−229836(JP,A) 特開 平1−282366(JP,A) 特開 昭59−53528(JP,A) 実開 平2−82793(JP,U)
Claims (2)
- 【請求項1】経糸,緯糸からなる網であって、前記網糸
の少なくとも一方の糸がポリノルボルネンに熱安定剤,
ポリエチレンを添加してなる組成物から得られたもので
あることを特徴とする形状記憶性網体。 - 【請求項2】経糸,緯糸からなる網であって、網糸がポ
リノルボルネンに熱安定剤,ポリエチレンを添加してな
る組成物から得られ、経糸と緯糸の接点が一体的に結合
されていることを特徴とする形状記憶性網体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1179078A JPH0811849B2 (ja) | 1989-07-13 | 1989-07-13 | 形状記憶性網体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1179078A JPH0811849B2 (ja) | 1989-07-13 | 1989-07-13 | 形状記憶性網体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0345744A JPH0345744A (ja) | 1991-02-27 |
JPH0811849B2 true JPH0811849B2 (ja) | 1996-02-07 |
Family
ID=16059701
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1179078A Expired - Lifetime JPH0811849B2 (ja) | 1989-07-13 | 1989-07-13 | 形状記憶性網体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0811849B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2545039B2 (ja) * | 1993-08-20 | 1996-10-16 | 富山県 | 制振、伸縮性能を有する繊維とその製法 |
JP4934204B2 (ja) * | 2010-01-12 | 2012-05-16 | 株式会社ニフコ | 摺動補助装置 |
AT510361B1 (de) | 2010-08-23 | 2013-12-15 | Blum Gmbh Julius | Ausziehführung für schubladen |
JP2014200653A (ja) * | 2013-04-07 | 2014-10-27 | 幸平 秋元 | 歩行補助装置の装着具 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02289142A (ja) * | 1989-02-08 | 1990-11-29 | Maruyoshi:Kk | 織布体 |
-
1989
- 1989-07-13 JP JP1179078A patent/JPH0811849B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0345744A (ja) | 1991-02-27 |
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