JPH08297106A - Zn−Mg系合金めっき鋼板のめっき付着量及びMg含有率の測定方法 - Google Patents
Zn−Mg系合金めっき鋼板のめっき付着量及びMg含有率の測定方法Info
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- JPH08297106A JPH08297106A JP12567395A JP12567395A JPH08297106A JP H08297106 A JPH08297106 A JP H08297106A JP 12567395 A JP12567395 A JP 12567395A JP 12567395 A JP12567395 A JP 12567395A JP H08297106 A JPH08297106 A JP H08297106A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 Zn−Mg合金めっき鋼板のめっき付着量及
びMg含有率とを非破壊にて測定する方法を提供する。 【構成】 片面当たりのめっき付着量が50g/m2 以
下でMg含有率が10mass%以下であるZn−Mg
合金めっき鋼板のめっき付着量とMg含有率を、Feと
ZnのK系列の蛍光X線(FeKα、ZnKα)強度を
測定し、あらかじめ作成しておいためっき付着量とFe
Kα線強度との対応関係からめっき付着量を、Zn量と
ZnKα線強度との対応関係からZn量を求め、さらに
めっき付着量からZn量を差し引いて求められるMg量
をめっき付着量で割ることによりMg含有率を求める。
びMg含有率とを非破壊にて測定する方法を提供する。 【構成】 片面当たりのめっき付着量が50g/m2 以
下でMg含有率が10mass%以下であるZn−Mg
合金めっき鋼板のめっき付着量とMg含有率を、Feと
ZnのK系列の蛍光X線(FeKα、ZnKα)強度を
測定し、あらかじめ作成しておいためっき付着量とFe
Kα線強度との対応関係からめっき付着量を、Zn量と
ZnKα線強度との対応関係からZn量を求め、さらに
めっき付着量からZn量を差し引いて求められるMg量
をめっき付着量で割ることによりMg含有率を求める。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Zn−Mg系合金めっ
き鋼板のめっき付着量及びめっき層中のMg含有率を、
迅速かつ非破壊で測定する方法に関する。
き鋼板のめっき付着量及びめっき層中のMg含有率を、
迅速かつ非破壊で測定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】合金めっき鋼板の品質特性は、そのめっ
き付着量及び合金成分の含有率の変化に伴い広範囲に変
化するため、その製造に際してはこれらの値を同時に最
適範囲に管理することが必要である。従来より製造され
ているZn系合金めっき鋼板には、電気めっき法による
Zn−Ni系合金めっき鋼板や、溶融めっき法による合
金化溶融Znめっき鋼板等がある。これらの合金めっき
鋼板のめっき付着量及び合金元素含有率の測定には、従
来より迅速性、安定性、簡便性等の観点から蛍光X線分
析法が広く用いられている。例えばZn−Ni系合金め
っき鋼板に関しては特開昭56−36045号公報にお
いて、また合金化溶融Znめっき鋼板に関しては特開昭
56−92436号公報において、それぞれ蛍光X線分
析法の適用が開示されている。これらの測定方法におい
ては、めっき鋼板に一次X線を照射した際に発生する各
合金成分元素の蛍光X線強度を測定し、それらに基づき
合金めっきの付着量及び合金元素含有率をそれぞれ算出
している。
き付着量及び合金成分の含有率の変化に伴い広範囲に変
化するため、その製造に際してはこれらの値を同時に最
適範囲に管理することが必要である。従来より製造され
ているZn系合金めっき鋼板には、電気めっき法による
Zn−Ni系合金めっき鋼板や、溶融めっき法による合
金化溶融Znめっき鋼板等がある。これらの合金めっき
鋼板のめっき付着量及び合金元素含有率の測定には、従
来より迅速性、安定性、簡便性等の観点から蛍光X線分
析法が広く用いられている。例えばZn−Ni系合金め
っき鋼板に関しては特開昭56−36045号公報にお
いて、また合金化溶融Znめっき鋼板に関しては特開昭
56−92436号公報において、それぞれ蛍光X線分
析法の適用が開示されている。これらの測定方法におい
ては、めっき鋼板に一次X線を照射した際に発生する各
合金成分元素の蛍光X線強度を測定し、それらに基づき
合金めっきの付着量及び合金元素含有率をそれぞれ算出
している。
【0003】最近、Zn系めっき鋼板の低価格化、防錆
力向上に対する要求に伴い、低付着量で高耐食性を有す
るZn系合金めっき鋼板の開発が行われており、そのひ
とつとして蒸着法を用いたZn−Mg系合金めっき鋼板
がある。Zn−Mg系めっき鋼板の製造法には、合金蒸
着法や単元素を逐次蒸着した後加熱合金化する方法等が
あるが、めっき付着量及びMg含有率の測定に、上述し
た蛍光X線分析法を単純に適用することは、Znに対す
るMgKα線の質量吸収係数が大きいために困難であ
る。すなわち、一次X線の照射によりめっき層内部で発
生したMgKα線がめっき層を通過する際に、めっき層
を構成するZnにより著しい吸収を受けて減衰するため
に、外部で検出されるMgKα線の強度は、Mgの濃度
分布等のめっき層の構造により変化する。このためZn
およびMgの蛍光X線強度を用いてめっき付着量及びM
g含有率の測定を行うことは困難であり、従来において
はスポット的に採取した試料を化学分析することによ
り、めっき付着量及びMg含有率を測定していたため、
破壊分析でありかつ測定に多大の時間を要していた。本
発明は、上記問題点を解消し、Zn−Mg系合金めっき
鋼板のめっき付着量及びMg含有率とを、迅速かつ非破
壊で測定する方法を提供することを目的としている。
力向上に対する要求に伴い、低付着量で高耐食性を有す
るZn系合金めっき鋼板の開発が行われており、そのひ
とつとして蒸着法を用いたZn−Mg系合金めっき鋼板
がある。Zn−Mg系めっき鋼板の製造法には、合金蒸
着法や単元素を逐次蒸着した後加熱合金化する方法等が
あるが、めっき付着量及びMg含有率の測定に、上述し
た蛍光X線分析法を単純に適用することは、Znに対す
るMgKα線の質量吸収係数が大きいために困難であ
る。すなわち、一次X線の照射によりめっき層内部で発
生したMgKα線がめっき層を通過する際に、めっき層
を構成するZnにより著しい吸収を受けて減衰するため
に、外部で検出されるMgKα線の強度は、Mgの濃度
分布等のめっき層の構造により変化する。このためZn
およびMgの蛍光X線強度を用いてめっき付着量及びM
g含有率の測定を行うことは困難であり、従来において
はスポット的に採取した試料を化学分析することによ
り、めっき付着量及びMg含有率を測定していたため、
破壊分析でありかつ測定に多大の時間を要していた。本
発明は、上記問題点を解消し、Zn−Mg系合金めっき
鋼板のめっき付着量及びMg含有率とを、迅速かつ非破
壊で測定する方法を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明においては、下地鋼およびめっき層より放出
されたFe及びZnのK系列の蛍光X線(FeKα及び
ZnKα)強度を測定し、予め作成しためっき付着量と
FeKα線強度との対応関係からめっき付着量を、Zn
量とZnKα線強度との対応関係からZn量をそれぞれ
算出するとともに、めっき付着量からZn量を差し引い
て得られるMg量及びめっき付着量からMg含有率を求
めている。
に、本発明においては、下地鋼およびめっき層より放出
されたFe及びZnのK系列の蛍光X線(FeKα及び
ZnKα)強度を測定し、予め作成しためっき付着量と
FeKα線強度との対応関係からめっき付着量を、Zn
量とZnKα線強度との対応関係からZn量をそれぞれ
算出するとともに、めっき付着量からZn量を差し引い
て得られるMg量及びめっき付着量からMg含有率を求
めている。
【0005】
【作用】加熱合金化により製造したZn−Mg系合金め
っき鋼板の例として、図1に示す3種類の積層構造を検
討する。これらの積層構造では、めっき層中の平均Mg
濃度が同一でも、Mgの深さ方向の分布が異なるため、
それぞれ異なったMgの蛍光X線強度が測定される。な
お、以下の検討では、計算の簡単のため、Zn−Mg合
金層がMgZn2 相のみから形成されている場合を考え
る。図1(a)および図1(c)の場合、一次励起の蛍
光X線のみを考えるとZnKα線強度はそれぞれ式
(1)及び式(2)で表される。
っき鋼板の例として、図1に示す3種類の積層構造を検
討する。これらの積層構造では、めっき層中の平均Mg
濃度が同一でも、Mgの深さ方向の分布が異なるため、
それぞれ異なったMgの蛍光X線強度が測定される。な
お、以下の検討では、計算の簡単のため、Zn−Mg合
金層がMgZn2 相のみから形成されている場合を考え
る。図1(a)および図1(c)の場合、一次励起の蛍
光X線のみを考えるとZnKα線強度はそれぞれ式
(1)及び式(2)で表される。
【0006】
【数1】
【0007】
【数2】
【0008】ただし μMgZn2(λ)=μZn(λ)χZn+μMg(λ)χMg μMgZn2(ZnKα)=μZn(ZnKα)χZn+μMg(ZnKα)χMg
【0009】下地鋼よりのFeの蛍光X線強度は、一次
励起の蛍光X線のみを考えた場合、めっき層の構成には
依存せず、以下で表される。
励起の蛍光X線のみを考えた場合、めっき層の構成には
依存せず、以下で表される。
【0010】
【数3】
【0011】ただし μMg-Zn(λ)=μZn(λ)ωZn+μMg(λ)ωMg μMg-Zn(FeKα)=μZn(FeKα)ωZn+μMg(FeKα)ωMg
【0012】ここで IZnKα:ZnKα強度 IFeKα:FeKα強度 KZn、KFe:定数 I0:入射X線強度 φ:入射X線の入射角 ψ:蛍光X線の取り出し角 W1:上層の付着量 W2:下層の付着量 W:めっき付着量 μZn(λ)、μMg(λ):Zn、Mgに対する波長λの入射
X線の質量吸収係数 μZn(ZnKα)、μMg(ZnKα):Zn、Mgに対するZnK
αの質量吸収係数 μZn(FeKα)、μMg(FeKα):Zn、Mgに対するFeK
αの質量吸収係数 χZn、χMg:MgZn2 層におけるZn、Mgの含有率
(χZn=0.84、χMg=0.16) ωZn、ωMg:めっき層中のZn、Mgの含有率
X線の質量吸収係数 μZn(ZnKα)、μMg(ZnKα):Zn、Mgに対するZnK
αの質量吸収係数 μZn(FeKα)、μMg(FeKα):Zn、Mgに対するFeK
αの質量吸収係数 χZn、χMg:MgZn2 層におけるZn、Mgの含有率
(χZn=0.84、χMg=0.16) ωZn、ωMg:めっき層中のZn、Mgの含有率
【0013】図1(a)の構造の場合、めっき層に含ま
れる全Mg量ωMgWは、全て下層のMgZn2 層に含有
される。下層のMgの含有率がχMgであることから ωMgW=χMgW2 従って、下層及び上層の付着量は以下で表される。 W2=ωMgW/χMg W1=W−W2=W−ωMgW/χMg 経験的に知られているように、入射X線を有効波長0.
1nmの単色X線として近似し、質量吸収係数として表
1に示す値を用い、φ=60゜及びψ=55゜とする
と、めっき付着量W、Mg含有率ωMgにおける強度IZn
Kα(W、ωMg)とMg含有率ωMg=0で無限大付着量
における強度IZnKα(∞、0) との比は式(1)より
以下となる。 IZnKα(W、ωMg)/IZnKα(∞、0) =1− exp{−219(W−ωMgW/0.16)} +0.953 exp{−219(W−ωMgW/0.16)} ×[1− exp(−193ωMgW/0.16)] (4) 式(4)の計算結果を図2に示す。ZnKα線強度はめ
っき付着量とMg含有率との関数であり、同一めっき付
着量であってもMg含有率によってZnKα線強度は異
なる。
れる全Mg量ωMgWは、全て下層のMgZn2 層に含有
される。下層のMgの含有率がχMgであることから ωMgW=χMgW2 従って、下層及び上層の付着量は以下で表される。 W2=ωMgW/χMg W1=W−W2=W−ωMgW/χMg 経験的に知られているように、入射X線を有効波長0.
1nmの単色X線として近似し、質量吸収係数として表
1に示す値を用い、φ=60゜及びψ=55゜とする
と、めっき付着量W、Mg含有率ωMgにおける強度IZn
Kα(W、ωMg)とMg含有率ωMg=0で無限大付着量
における強度IZnKα(∞、0) との比は式(1)より
以下となる。 IZnKα(W、ωMg)/IZnKα(∞、0) =1− exp{−219(W−ωMgW/0.16)} +0.953 exp{−219(W−ωMgW/0.16)} ×[1− exp(−193ωMgW/0.16)] (4) 式(4)の計算結果を図2に示す。ZnKα線強度はめ
っき付着量とMg含有率との関数であり、同一めっき付
着量であってもMg含有率によってZnKα線強度は異
なる。
【0014】
【表1】
【0015】図1(c)の構造の場合も同様にして式
(2)式より次式が得られる。 IZnKα(W、ωMg)/IZnKα(∞、0) =0.953[1− exp(−193ωMgW/0.16)] + exp(−193ωMgW/0.16) ×[1− exp{−219(W−ωMgW/0.16)}] (5) 式(5)の計算結果を図3に示す。
(2)式より次式が得られる。 IZnKα(W、ωMg)/IZnKα(∞、0) =0.953[1− exp(−193ωMgW/0.16)] + exp(−193ωMgW/0.16) ×[1− exp{−219(W−ωMgW/0.16)}] (5) 式(5)の計算結果を図3に示す。
【0016】図2及び図3の結果を、ZnKα線強度を
Zn量の関数として整理して併せて図4に示す。ZnK
α線強度は、Mg含有率によらずZn量のみで整理でき
ることがわかる。すなわち、図1(a)及び図1(c)
の何れの構造についても、めっき層中に含まれるZn量
は、ZnKα線強度の測定により算出することが可能で
ある。従って、図1(b)の構造の場合にも、同様にZ
nKα線強度の測定によりZn量を算出出来ることは明
かである。以上述べた結果は、Zn及びMgをそれぞれ
単独で蒸着した後、加熱拡散により製造した合金めっき
層に関するものであるが、MgZn2 相以外の合金相、
例えばMg2Zn11 相や、合金蒸着によって製造した各
種のZn−Mg合金めっき層についても同様に適用され
る。本測定方法は、本来合金めっき層のめっき付着量及
びMg含有率の如何によらず適用可能なものである。し
かし、めっき付着量及びMg含有率がそれぞれ増大する
と、ZnKα線強度とZn量の関係が一義的には決定さ
れなくなるので、簡易な検量線を用いて測定を行う場合
には、めっき付着量が50g/m2 以下でかつMg含有
率が10mass%以下の範囲で測定することが好まし
い。
Zn量の関数として整理して併せて図4に示す。ZnK
α線強度は、Mg含有率によらずZn量のみで整理でき
ることがわかる。すなわち、図1(a)及び図1(c)
の何れの構造についても、めっき層中に含まれるZn量
は、ZnKα線強度の測定により算出することが可能で
ある。従って、図1(b)の構造の場合にも、同様にZ
nKα線強度の測定によりZn量を算出出来ることは明
かである。以上述べた結果は、Zn及びMgをそれぞれ
単独で蒸着した後、加熱拡散により製造した合金めっき
層に関するものであるが、MgZn2 相以外の合金相、
例えばMg2Zn11 相や、合金蒸着によって製造した各
種のZn−Mg合金めっき層についても同様に適用され
る。本測定方法は、本来合金めっき層のめっき付着量及
びMg含有率の如何によらず適用可能なものである。し
かし、めっき付着量及びMg含有率がそれぞれ増大する
と、ZnKα線強度とZn量の関係が一義的には決定さ
れなくなるので、簡易な検量線を用いて測定を行う場合
には、めっき付着量が50g/m2 以下でかつMg含有
率が10mass%以下の範囲で測定することが好まし
い。
【0017】めっき付着量とMg含有率の変化に伴いI
FeKα も変化する。入射X線を経験的に知られているよ
うに有効波長0.1nmの単色X線として近似し、質量
吸収係数に表1に示す値を用い、φ=90及びψ=80
゜とし、またωZn=1−ωMgの関係を用いると、(3)
式よりめっき付着量W、Mg含有率ωMgにおける強度I
FeKα(W、ωMg) とW=0における強度IFeKα
(0) との比は以下で表される。 IFeKα(W、ωMg)/IFeKα(0) = exp{(−250.6+162.9ωMg)W} (6) 式(6)の計算結果を図5に示す。IFeKα はめっき付
着量の増加とともに減少するが、Mg含有率の変化には
あまり影響を受けない。
FeKα も変化する。入射X線を経験的に知られているよ
うに有効波長0.1nmの単色X線として近似し、質量
吸収係数に表1に示す値を用い、φ=90及びψ=80
゜とし、またωZn=1−ωMgの関係を用いると、(3)
式よりめっき付着量W、Mg含有率ωMgにおける強度I
FeKα(W、ωMg) とW=0における強度IFeKα
(0) との比は以下で表される。 IFeKα(W、ωMg)/IFeKα(0) = exp{(−250.6+162.9ωMg)W} (6) 式(6)の計算結果を図5に示す。IFeKα はめっき付
着量の増加とともに減少するが、Mg含有率の変化には
あまり影響を受けない。
【0018】以上述べたように、ZnKα線強度よりめ
っき層中のZn量を、またFeKα線強度よりめっき付
着量、すなわちZn量とMg量との和、がそれぞれ測定
されるので、これらの量を用いてめっき層中のMg含有
率を算出することが出来る。このことを、以下の波長分
散型X線分析装置を用いた測定により検証する。
っき層中のZn量を、またFeKα線強度よりめっき付
着量、すなわちZn量とMg量との和、がそれぞれ測定
されるので、これらの量を用いてめっき層中のMg含有
率を算出することが出来る。このことを、以下の波長分
散型X線分析装置を用いた測定により検証する。
【0019】図6に、Zn−Mg合金めっき鋼板のめっ
き層中のZn量とZnKα線強度との関係の一例を示
す。Zn−Mg合金めっき鋼板のZnKα線強度は、測
定誤差の範囲内でMg含有率には依存せずZn量のみの
関数となり、一本の検量線でめっき層中のZn量の測定
が可能である。図7に、Zn−Mg合金めっき鋼板のめ
っき付着量とFeKα線強度との関係の一例を示す。Z
n−Mg合金めっき鋼板のFeKα線強度は測定誤差の
範囲内でめっき付着量のみの関数であり、一本の検量線
でめっき付着量の測定が可能である。
き層中のZn量とZnKα線強度との関係の一例を示
す。Zn−Mg合金めっき鋼板のZnKα線強度は、測
定誤差の範囲内でMg含有率には依存せずZn量のみの
関数となり、一本の検量線でめっき層中のZn量の測定
が可能である。図7に、Zn−Mg合金めっき鋼板のめ
っき付着量とFeKα線強度との関係の一例を示す。Z
n−Mg合金めっき鋼板のFeKα線強度は測定誤差の
範囲内でめっき付着量のみの関数であり、一本の検量線
でめっき付着量の測定が可能である。
【0020】本発明においては、図6及び図7の関係を
用い、被検試料について測定したZnKα線強度及びF
eKα線強度からそれぞれZn量とめっき付着量を求め
る。さらに、めっき付着量からZn量を差し引いて求め
られるMg量をめっき付着量で割ることによりMg含有
率を求める。本発明は、迅速、簡便な蛍光X線分析法を
用いるため、Zn−Mg合金めっき鋼板の連続製造ライ
ンにおけるオンライン制御装置への適用も容易である。
図8に、Zn−Mg合金めっき鋼板のMg量とMgKα
線強度との関係の一例を示す。この場合、ZnによるM
gKα線の吸収が大きく、MgKα線強度にめっき層構
造の違いが顕著に現れるため、Mg量とMgKα線強度
との間に相関が得られず、蛍光X線分析法を用いてめっ
き層中のMg量を直接測定することは困難である。
用い、被検試料について測定したZnKα線強度及びF
eKα線強度からそれぞれZn量とめっき付着量を求め
る。さらに、めっき付着量からZn量を差し引いて求め
られるMg量をめっき付着量で割ることによりMg含有
率を求める。本発明は、迅速、簡便な蛍光X線分析法を
用いるため、Zn−Mg合金めっき鋼板の連続製造ライ
ンにおけるオンライン制御装置への適用も容易である。
図8に、Zn−Mg合金めっき鋼板のMg量とMgKα
線強度との関係の一例を示す。この場合、ZnによるM
gKα線の吸収が大きく、MgKα線強度にめっき層構
造の違いが顕著に現れるため、Mg量とMgKα線強度
との間に相関が得られず、蛍光X線分析法を用いてめっ
き層中のMg量を直接測定することは困難である。
【0021】
【実施例】試料として、連続蒸着めっきラインのパイロ
ットプラントを用いて製造したZn−Mg合金めっき鋼
板を使用した。該Zn−Mg合金めっき鋼板は、脱脂済
みの板厚0.7mm、板幅300mmの冷延鋼板にZn
とMgをZn、Mg、あるいはZn、Mg、Znの順序
で逐次蒸着し、その後必要に応じて加熱拡散処理を施し
たものである。ZnとMgの蒸着速度、通板速度を変え
ることにより、めっき付着量及びMg含有率がそれぞれ
異なる各種のZn−Mg合金めっき鋼板を作製した。作
製した試料から蛍光X線分析用の試料を採取し、波長分
散型の蛍光X線装置を用いてFeKα、ZnKα線強度
の測定を行い、めっき付着量とMg含有率を求めた。使
用した蛍光X線分析装置は、理学電機社製の3080E
型であり、測定にはRh管球を使用し、管電圧50kV
−管電流50mAの条件で測定を行った。その後、蛍光
X線分析を行った試料のめっき層をHCl溶液中で溶解
し、溶液のICP発光分光分析法によりめっき層に含ま
れるZn量とMg量を分析し、めっき付着量及びMg含
有率を求めた。蛍光X線分析法及び化学分析法によりそ
れぞれ測定しためっき付着量の比較を図9に、またMg
含有率の比較を図10に示す。両者は良い相関関係を示
しており、本発明の蛍光X線分析法によりめっき付着量
及びMg含有率が精度よく求められることが判った。
ットプラントを用いて製造したZn−Mg合金めっき鋼
板を使用した。該Zn−Mg合金めっき鋼板は、脱脂済
みの板厚0.7mm、板幅300mmの冷延鋼板にZn
とMgをZn、Mg、あるいはZn、Mg、Znの順序
で逐次蒸着し、その後必要に応じて加熱拡散処理を施し
たものである。ZnとMgの蒸着速度、通板速度を変え
ることにより、めっき付着量及びMg含有率がそれぞれ
異なる各種のZn−Mg合金めっき鋼板を作製した。作
製した試料から蛍光X線分析用の試料を採取し、波長分
散型の蛍光X線装置を用いてFeKα、ZnKα線強度
の測定を行い、めっき付着量とMg含有率を求めた。使
用した蛍光X線分析装置は、理学電機社製の3080E
型であり、測定にはRh管球を使用し、管電圧50kV
−管電流50mAの条件で測定を行った。その後、蛍光
X線分析を行った試料のめっき層をHCl溶液中で溶解
し、溶液のICP発光分光分析法によりめっき層に含ま
れるZn量とMg量を分析し、めっき付着量及びMg含
有率を求めた。蛍光X線分析法及び化学分析法によりそ
れぞれ測定しためっき付着量の比較を図9に、またMg
含有率の比較を図10に示す。両者は良い相関関係を示
しており、本発明の蛍光X線分析法によりめっき付着量
及びMg含有率が精度よく求められることが判った。
【0022】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、Zn−
Mg合金めっき鋼板のめっき付着量とMg含有率とを、
非破壊にて迅速に測定することが可能である。
Mg合金めっき鋼板のめっき付着量とMg含有率とを、
非破壊にて迅速に測定することが可能である。
【図1】は、Zn−Mg合金めっき鋼板のめっき層構造
の模式図である。
の模式図である。
【図2】は、Zn−Mg合金めっき鋼板のめっき層構造
が図1(a)の場合のめっき付着量とZnKα線強度と
の関係を示す計算結果である。
が図1(a)の場合のめっき付着量とZnKα線強度と
の関係を示す計算結果である。
【図3】は、Zn−Mg合金めっき鋼板のめっき層構造
が図1(c)の場合のめっき付着量とZnKα線強度と
の関係を示す計算結果である。
が図1(c)の場合のめっき付着量とZnKα線強度と
の関係を示す計算結果である。
【図4】は、Zn−Mg合金めっき鋼板のZn量とZn
Kα線強度との関係を示す計算結果である。
Kα線強度との関係を示す計算結果である。
【図5】は、Zn−Mg合金めっき鋼板のめっき付着量
とFeKα線強度との関係を示す計算結果である。
とFeKα線強度との関係を示す計算結果である。
【図6】は、Zn−Mg合金めっき鋼板のZn量とZn
Kα線強度との関係を示したものである。
Kα線強度との関係を示したものである。
【図7】は、Zn−Mg合金めっき鋼板のめっき付着量
とFeKα線強度との関係を示したものである。
とFeKα線強度との関係を示したものである。
【図8】は、Zn−Mg合金めっき鋼板のMg量とMg
Kα線強度との関係を示したものである。
Kα線強度との関係を示したものである。
【図9】は、本発明の実施例の結果を示すものであり、
Zn−Mg合金めっき鋼板のめっき付着量の蛍光X線分
析値と化学分析値とを比較したものである。
Zn−Mg合金めっき鋼板のめっき付着量の蛍光X線分
析値と化学分析値とを比較したものである。
【図10】は、本発明の実施例の結果を示すものであ
り、Zn−Mg合金めっき鋼板のMg含有率の蛍光X線
分析値と化学分析値とを比較したものである。
り、Zn−Mg合金めっき鋼板のMg含有率の蛍光X線
分析値と化学分析値とを比較したものである。
Claims (2)
- 【請求項1】 蛍光X線分析により得た下地鋼よりのF
eの蛍光X線強度及びめっき層よりのZn蛍光X線強度
により、合金めっきの付着量及び合金元素含有率を測定
することを特徴とするZn−Mg系合金めっき鋼板のめ
っき付着量及びMg含有率の測定方法 - 【請求項2】 片面当たりのめっき付着量が50g/m
2 以下でかつMg含有率が10mass%以下であるZ
n−Mg系合金めっき鋼板について測定することを特徴
とする請求項1に記載のZn−Mg系合金めっき鋼板の
めっき付着量及びMg含有率の測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12567395A JPH08297106A (ja) | 1995-04-27 | 1995-04-27 | Zn−Mg系合金めっき鋼板のめっき付着量及びMg含有率の測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12567395A JPH08297106A (ja) | 1995-04-27 | 1995-04-27 | Zn−Mg系合金めっき鋼板のめっき付着量及びMg含有率の測定方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08297106A true JPH08297106A (ja) | 1996-11-12 |
Family
ID=14915834
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12567395A Withdrawn JPH08297106A (ja) | 1995-04-27 | 1995-04-27 | Zn−Mg系合金めっき鋼板のめっき付着量及びMg含有率の測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08297106A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102980905A (zh) * | 2012-12-03 | 2013-03-20 | 无锡市产品质量监督检验中心 | 基于x射线荧光能谱检测光伏玻璃中铁含量的方法 |
CN116472452A (zh) * | 2020-10-30 | 2023-07-21 | 株式会社理学 | 荧光x射线分析装置 |
-
1995
- 1995-04-27 JP JP12567395A patent/JPH08297106A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102980905A (zh) * | 2012-12-03 | 2013-03-20 | 无锡市产品质量监督检验中心 | 基于x射线荧光能谱检测光伏玻璃中铁含量的方法 |
CN116472452A (zh) * | 2020-10-30 | 2023-07-21 | 株式会社理学 | 荧光x射线分析装置 |
CN116472452B (zh) * | 2020-10-30 | 2023-11-17 | 株式会社理学 | 荧光x射线分析装置 |
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