JPH08291710A - 排気系用制御バルブ - Google Patents

排気系用制御バルブ

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Publication number
JPH08291710A
JPH08291710A JP26579095A JP26579095A JPH08291710A JP H08291710 A JPH08291710 A JP H08291710A JP 26579095 A JP26579095 A JP 26579095A JP 26579095 A JP26579095 A JP 26579095A JP H08291710 A JPH08291710 A JP H08291710A
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JP
Japan
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valve
exhaust
opening
actuator
shaft
Prior art date
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Application number
JP26579095A
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English (en)
Inventor
Koji Seki
幸司 関
Yukio Nakanishi
之男 中西
Tanomo Norikawa
頼母 乗川
Yuichi Takasaki
雄一 高崎
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Marelli Corp
Original Assignee
Calsonic Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 排気系に排気圧や排気音を制御するために設
けられた排気系用制御バルブにおいて、ストッパ構造を
廃止した簡単な構成としながら、排気チューブへの弁体
固着の防止を図ること。 【構成】 第1の構成は、バルブ外部の互いに嵌合する
シャフト先端部gと長孔eとの当接により、バルブ全閉
位置とバルブ全開位置とにバルブ開閉プレートfの回動
を規制する。第2の構成は、バルブ外部に設けられたア
クチュエータの全閉ストロークエンド位置と全開ストロ
ークエンド位置により、弁体をバルブ全閉位置とバルブ
全開位置とに位置規制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクチュエータの駆動
によりバルブシャフトを中心軸として弁体を回動させる
ことで排気ガスが流通する排気チューブの開度を制御す
る排気系用制御バルブに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、排気系用制御バルブとしては、例
えば、特開平3−185209号公報等に記載されてい
るものが知られている。
【0003】この従来の排気系用制御バルブは、図14
に示すように、エンジン回転数等を入力情報としてコン
トロールされるサーボモータの回転駆動をワイヤにより
バルブシャフトに加え、シャフトに支持された弁体によ
りバルブ全閉またはバルブ全開を得るものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の排気系用制御バルブにあっては、バルブ全閉時、図
15に示すように、弁体を排気チューブの内面に当てる
ことでバルブ全閉状態を得るようにしているため、弁体
が排気チューブの内面に固着するという問題が発生する
おそれがある。
【0005】すなわち、排気チューブは、走行時に排気
ガスにより熱されて熱膨張によりその内径が大きくな
る。この状態で、弁体を排気チューブの内面に当てるこ
とでバルブ全閉状態とした場合、エンジン停止後、排気
チューブの温度が低下し、排気チューブが収縮した場
合、弁体の外周端部が排気チューブの内面に収縮嵌合し
てしまう。その後、サーボモータにより全開方向の回転
駆動を加えても、モータ駆動力より弁体の嵌合抵抗が大
きい場合には、弁体が全く動かない、つまり、固着状態
となってしまう。
【0006】また、バルブ全開時、図16に示すよう
に、サーボモータによりワイヤを引いても弁体が全開位
置になった時にはバルブシャフトに固定されているリー
ルの回転を止めるストッパ構造によりバルブ全開状態を
得るようにしているため、このストッパ構造をリールと
排気チューブとの間に設ける必要があり、コスト的にも
スペース的にも不利となる。
【0007】本発明は、上記課題に着目してなされたも
ので、第1の目的とするところは、排気系に排気圧や排
気音を制御するために設けられた排気系用制御バルブに
おいて、ストッパ構造を廃止した簡単な構成としなが
ら、排気チューブへの弁体固着の防止を図ることにあ
る。
【0008】第2の目的とするところは、開閉抵抗を小
さく抑えたスムーズなバルブ開閉動作の確保を図りなが
ら、第1の目的を達成することにある。
【0009】第3の目的とするところは、コスト低減,
小型化,共用化を達成しながら加速操作時に滑らかな加
速感と心地良い加速排気音を得ると共に、アクチュエー
タに内蔵されているスプリングにピストン作動圧調整機
能とバルブフェールセーフ機能とを併せて持たせなが
ら、第1または第2の目的を達成することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため請求項1記載の発明では、図1のクレーム対応図
に示すように、アクチュエータaの駆動によりバルブシ
ャフトbを中心軸として弁体cを回動させることで排気
ガスが流通する排気チューブdの開度を制御する排気系
用制御バルブにおいて、前記弁体cを回動可能に支持す
るバルブシャフトの外部突出側シャフト端部に固定さ
れ、半径方向に長径を有する長孔eが形成されたバルブ
開閉プレートfと、前記アクチュエータaから突出さ
れ、シャフト先端部gが前記長孔eに嵌合するアクチュ
エータシャフトhとを備え、前記アクチュエータaの駆
動によりシャフト先端部gがバルブシャフト中心から所
定量オフセットした直線上を往復ストロークするのに対
し、前記長孔eには、バルブ全閉位置〜バルブ中間開度
位置〜バルブ全開位置の回動領域でシャフト先端部gの
ストロークを許容する直線開口部及び内側開口端が設定
されていると共に、バルブ全閉位置とバルブ全開位置と
でシャフト先端部gとの当接によりバルブ開閉プレート
fの回動を規制する外側開口端が設定されていることを
特徴とする。
【0011】上記第2の目的を達成するため請求項2記
載の発明では、図1のクレーム対応図に示すように、請
求項1記載の排気系用制御バルブにおいて、前記アクチ
ュエータシャフトhのシャフト先端部gには、長孔eの
内面に沿って転がり移動するローラiが設けられている
ことを特徴とする。
【0012】上記第1の目的を達成するため請求項3記
載の発明では、アクチュエータaの駆動によりバルブシ
ャフトbを中心軸として弁体cを回動させることで排気
ガスが流通する排気チューブdの開度を制御する排気系
用制御バルブにおいて、前記弁体cが排気チューブdの
内面に接触する寸前をバルブ全閉位置とし、弁体cが排
気チューブd内を流れる排気ガスの流線とほぼ平行とな
る位置をバルブ全開位置とし、前記アクチュエータaの
全閉ストロークエンド位置にて弁体cを前記バルブ全閉
位置に規定し、前記アクチュエータaの全開ストローク
エンド位置にて弁体cを前記バルブ全開位置に規定する
連結機構を、アクチュエータaとバルブシャフトbとの
間に設けたことを特徴とする。
【0013】上記第3の目的を達成するため請求項4記
載の発明では、図1のクレーム対応図に示すように、請
求項1乃至請求項3記載の排気系用制御バルブにおい
て、前記アクチュエータaが、排気系の正圧もしくは負
圧による排気圧をシリンダ室jに導き、シリンダ室jの
圧力レベルに応じてバルブ開方向にストロークするピス
トンkと、該ピストンkをバルブ閉方向に付勢するスプ
リングmを内蔵するシリンダ型アクチュエータであり、
前記アクチュエータシャフトhが、ピストンkと一体に
ストロークし、ストローク位置に応じてバルブ開度を無
段階に制御するピストンロッドであることを特徴とす
る。
【0014】
【作用】請求項1記載の第1の発明の作用を説明する。
【0015】まず、バルブ全閉時には、アクチュエータ
aから突出するアクチュエータシャフトhのシャフト先
端部gと長孔eの外側開口端との当接によりバルブ開閉
プレートfの回動が規制され、バルブ開閉プレートfに
バルブシャフトbを介して支持されている弁体cがバル
ブ全閉位置に保持される。
【0016】そして、バルブ全閉からアクチュエータa
の駆動によりバルブを徐々に開いてゆく時は、シャフト
先端部gはバルブシャフト中心から所定量オフセットし
た直線上をストロークする。これに対し、バルブ全閉位
置からバルブ中間開度位置までの回動領域では、シャフ
ト先端部gが長孔eの直線開口部に沿ってストローク
し、中間開度位置において最大ストローク量となり、シ
ャフト先端部gが長孔eの内側開口端に最も近づく。そ
して、中間開度位置からバルブ全開位置までの回動領域
では、シャフト先端部gが長孔eの内側開口端に最も近
い位置から逆方向に長孔eの直線開口部に沿ってストロ
ークし、バルブ全開位置では、シャフト先端部gと長孔
eの外側開口端との当接によりバルブ開閉プレートfの
回動が規制され、バルブ開閉プレートfにバルブシャフ
トbを介して支持されている弁体cがバルブ全開位置に
保持される。
【0017】従って、バルブ全閉位置での位置規制を、
従来のように、弁体と排気チューブ内面との当接により
行なうのではなく、バルブ外においてシャフト先端部g
と長孔eの外側開口端との当接により行なうようにして
いるため、排気チューブdの熱膨張及び熱収縮に伴い弁
体cが排気チューブdの内面に嵌合して弁体cが全く動
かなくなる固着が防止される。
【0018】また、バルブ全開位置での位置規制を、従
来のように、全開ストッパ構造を設けることで行なうの
ではなく、バルブ全閉の位置規制と全く同様に、シャフ
ト先端部gと長孔eの外側開口端との当接により行なう
ようにしているため、全開のためのストッパ構造を廃止
することができる。
【0019】請求項2記載の第2の発明の作用を説明す
る。
【0020】上記バルブ開閉駆動において、シャフト先
端部gが長孔eの直線開口部に沿って往復ストロークす
るし、また、バルブ全閉位置とバルブ全開位置ではシャ
フト先端部gと長孔eの外側開口端とが当接する。
【0021】これに対し、アクチュエータシャフトhの
シャフト先端部gには、長孔eの内面に沿って転がり移
動するローラiが設けられているため、開閉抵抗を小さ
く抑えたスムーズなバルブ開閉動作の確保が図られるこ
とになる。
【0022】請求項3記載の第3の発明の作用を説明す
る。
【0023】バルブ全閉時には、アクチュエータaとバ
ルブシャフトbとの間に設けられる連結機構により、ア
クチュエータaの全閉ストロークエンド位置にて弁体c
が排気チューブdの内面に接触する寸前であるバルブ全
閉位置に規定される。
【0024】また、バルブ全開時には、アクチュエータ
aとバルブシャフトbとの間に設けられる連結機構によ
り、アクチュエータaの全開ストロークエンド位置にて
弁体cが排気チューブd内を流れる排気ガスの流線とほ
ぼ平行となる位置であるバルブ全開位置に規定される。
【0025】従って、バルブ全閉位置での位置規制を、
従来のように、弁体と排気チューブ内面との当接により
行なうのではなく、バルブ外においてアクチュエータa
の全閉ストロークエンドを利用し、弁体cが排気チュー
ブdの内面に接触する寸前位置にて規制しているため、
排気チューブdの熱膨張及び熱収縮に伴い弁体cが排気
チューブdの内面に嵌合して弁体cが全く動かなくなる
固着が防止される。
【0026】また、バルブ全開位置での位置規制を、従
来のように、全開ストッパ構造を設けることで行なうの
ではなく、バルブ全閉の位置規制と同様に、バルブ外に
おいてアクチュエータaの全開ストロークエンドを利用
して行なうようにしているため、全開のためのストッパ
構造を廃止することができる。
【0027】請求項4記載の第4の発明の作用を説明す
る。
【0028】走行時、排気系の正圧もしくは負圧による
排気圧がシリンダ型アクチュエータaのシリンダ室jに
導かれ、この圧力レベルに応じてピストンkがストロー
クするため、シリンダ型アクチュエータaのピストンロ
ッドhに連結されてい弁体cは、このピストンストロー
クの大きさに応じて回動し、排気チューブdのバルブ開
度が無段階に変更される。
【0029】したがって、例えば、加速操作時でエンジ
ン回転数の上昇に伴い排気圧の圧力レベルが高まる時に
は、バルブ閉から徐々にバルブ開度が増してバルブ開へ
と無段階に変更されるため、所定のエンジン回転数にて
バルブ閉からバルブ開に一気に切り換わる場合のように
排気静圧や排気音の一時的な低下がなく、排気静圧特性
や排気音特性がリニアに増加する特性を示す。
【0030】この結果、バルブ閉からバルブ開へと移行
するエンジン回転領域で行なわれる加速操作時に、滑ら
かな加速感と心地良い加速排気音が得られる。
【0031】この排気系用制御バルブを車両に適用する
にあたって、排気系に設けられたバルブ部材の開閉駆動
制御を行なうアクチュエータとして、排気圧により駆動
されるアクチュエータを用いているため、モータアクチ
ュエータやソレノイドを用いて電子制御するシステムに
比べて大幅にシステムのコスト低減が図れる。
【0032】加えて、アクチュエータとしてダイヤフラ
ム型アクチュエータに比べて外径が小さいシリンダ型ア
クチュエータaを用いているため、システムの小型化が
図られるし、この小型化に伴ってレイアウトや設置スペ
ースの異なる様々な車種へのシステムの共用化が達成で
きる。
【0033】上記バルブ開閉駆動制御において、ピスト
ンkがストロークを開始し、弁体cがバルブ閉からバル
ブ開に移行する時の排気圧は、シリンダ型アクチュエー
タaに内蔵されているスプリングmのバネ力の大きさを
決めることで設定される。つまり、スプリングmは、ピ
ストン作動圧調整機能を持つ。
【0034】一方、シリンダ型アクチュエータaのピス
トンロッドhにバルブ開閉プレートfが直結されている
ため、スプリングmのバネ力は弁体cに対しても直接作
用し、しかも、スプリングmの付勢力はバルブ閉方向に
与えられているため、圧力漏れ等によるアクチュエータ
故障時には、スプリングmの付勢力により強制的にバル
ブ閉とされる。つまり、スプリングmは、ピストン作動
圧調整機能以外に、故障時に安全サイドであるバルブ閉
を確保するバルブフェールセーフ機能を併せて持つ。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0036】(第1実施例)まず、構成を説明する。
【0037】第1実施例は請求項1,2,4の発明に対
応するもので、図2は本発明第1実施例の排気系用制御
バルブが適用された排気系システムを示す図、図3は本
発明第1実施例の排気系用制御バルブを示す要部拡大
図、図4は本発明第1実施例バルブに用いられたシリン
ダ型アクチュエータの一部断面図、図5は本発明第1実
施例の排気系用制御バルブの長孔連結構造を示す斜視
図、図6は本発明第1実施例の排気系用制御バルブの長
孔設定状況を説明する図である。
【0038】図2〜図5において、1は排気マフラ、4
はマフラインレットチューブ、5は第1マフラアウトレ
ットチューブ、6は第2マフラアウトレットチューブ、
10は圧力導管、11はシリンダ型アクチュエータ(ア
クチュエータaに相当)、12は弁体、13は動圧ガイ
ド部材、14はアクチュエータ取付ブラケット、15は
バルブシャフト、16はバルブ開閉プレート、17は長
孔、18はローラ、19はバルブチューブ(排気チュー
ブdに相当)である。
【0039】前記排気マフラ1は、前端板1aと後端板
1bとを有し、前端板1aには図外のエンジンからの排
気ガスが進入してくるマフラインレットチューブ4とマ
フラ内部を経過して排気ガスを排出する第1マフラアウ
トレットチューブ5が接続され、後端板1bには弁体1
2の開閉制御により排気ガスの排出を調整する第2マフ
ラアウトレットチューブ6が接続されている。
【0040】尚、弁体12の外径は、バルブチューブ1
9の内径より少し小さい径に設定されていて、第2マフ
ラアウトレットチューブ6の管軸に直交する位置をバル
ブ全閉状態とし、管軸に平行な位置をバルブ全開状態と
している。
【0041】前記圧力導管10は、排気マフラ1内に一
端が開口され、その開口端にはマフラインレットチュー
ブ4からの排気ガス流の流れに対向して排気動圧を取り
込むテーパ状の動圧ガイド部材13が設けられている。
そして、圧力導管10の他端は、シリンダ型アクチュエ
ータ11のシリンダ室11aに接続されている。これに
より、圧力導管10は排気静圧と排気動圧に応じた正圧
をシリンダ型アクチュエータ11に導く管として構成さ
れている。
【0042】前記シリンダ型アクチュエータ11は、第
2マフラアウトレットチューブ6にアクチュエータ取付
ブラケット14を介して取り付けられ、そのピストンロ
ッド11d(アクチュエータシャフトhに相当)と、弁
体12を支持するバルブシャフト15を回動させるバル
ブ開閉プレート16とは、ピストンロッド11dの先端
部に設けられたローラ18とバルブ開閉プレート16に
形成された長孔17を介して連結されている。
【0043】前記シリンダ型アクチュエータ11の具体
的構造を図4により説明すると、シリンダ型アクチュエ
ータ11は、圧力導管10が連結されるシリンダ室11
aと、このシリンダ室11aの正圧の圧力レベルに応じ
てストロークするカップシール型のピストン11bと、
ピストン11bをバルブ全閉方向に付勢するスプリング
11cと、弁体12に連結されるピストンロッド11d
と、ピストン11bのストロークを規制するストッパ1
1eと、ピストン摺動摩擦を低下させる樹脂コーティン
グ面11fとを有して構成されている。
【0044】なお、スプリング11cは、エンジン回転
数約1500rpm以上の排気圧がシリンダ室11aに
作用した時に移動を開始するようにそのバネ力が設定さ
れている。
【0045】第1実施例の排気系用制御バルブの長孔設
定状況を図6により説明する。
【0046】シリンダ型アクチュエータ11の駆動によ
りロッド先端部に設けられているローラ18がバルブシ
ャフト中心から所定量Lだけオフセットした直線上を往
復ストロークする。
【0047】これに対し、バルブ開閉プレート16に形
成された長孔17には、バルブ全閉位置〜バルブ中間開
度位置〜バルブ全開位置の回動領域(約90度)で長孔
17に対するローラストロークを許容する直線開口部1
7a及び内側開口端17bが設定されていると共に、バ
ルブ全閉位置とバルブ全開位置とでローラ18との当接
によりバルブ開閉プレート16の回動を規制する外側開
口端17cが設定されている。
【0048】尚、ピストンロッド11dのロッド先端部
に設けられているローラ18は、長孔17の内面に沿っ
ての転がり移動を確保するため、長孔17の短径より少
し小さい直径に設定されている。
【0049】次に、作用を説明する。
【0050】[アクチュエータ作動]走行時、エンジン
から排気ガスが流れてくると、マフラインレットチュー
ブ4から排気圧に応じた正圧の圧力が圧力導管10を介
してシリンダ型アクチュエータ11のシリンダ室11a
に導かれ、この圧力レベルに応じてピストン11bがス
トロークする。
【0051】ここで、シリンダ室11aの圧力とピスト
ンストロークの関係は、図7に示すように、シリンダ型
アクチュエータ11の内部摩擦等により、シリンダ室1
1a内の圧力が上昇しピストン11bが進む時と、シリ
ンダ室11a内の圧力が下降しピストン11bが戻る時
とでヒステリシスを持つ特性を示す。
【0052】したがって、シリンダ室11aの圧力が小
さい幅で変動するような場合、ヒステリシス圧力幅が不
感帯となり、ピストンストロークが保持され、弁体12
の開閉ハンチングが防止される。
【0053】また、圧力導管10により排気圧を導くに
あたって、マフラインレットチューブ側開口端に排気ガ
ス流の流れに対向して排気動圧を取り込む動圧ガイド部
材13が設けられているため、シリンダ型アクチュエー
タ11を駆動する圧力が(排気静圧+排気動圧)とな
り、排気静圧のみを駆動圧力とする場合に比べて圧力レ
ベルが高まり、小型で低圧タイプのシリンダ型アクチュ
エータ11を用いたとしてもピストンストローク駆動が
確実で安定したものとなる。
【0054】[整圧作用]排気ガスはエンジン気筒数や
回転数に応じた周期でガス圧が変動しながらマフライン
レットチューブ4を流れてくる。したがって、そのまま
シリンダ型アクチュエータ11のシリンダ室11aに導
いた場合、脈動圧によりピストンストローク変動し、弁
体12の開閉動作にふらつきが生じる。特に、小型で低
圧タイプのシリンダ型アクチュエータ11を用いた場
合、多少の圧力変動があってもこれに応答してしまうた
め、弁体12の開閉動作がふらつき制御が困難となる。
【0055】これに対し、圧力導管10を排気マフラ1
の内部室から排気圧を導く管としているため、マフライ
ンレットチューブ4から排気マフラ1へ導入される排気
ガスは排気マフラ1への導入と同時に膨張し、サージタ
ンクを設けているのと同様の作用により排気マフラ1に
おいて整圧作用が発揮される。この整圧作用により、弁
体12の開閉動作にふらつきが抑えられ、特に、脈動が
激しいエンジン低回転域でのバルブ制御が可能になる。
尚、圧力導管10の内径を小さく設定した場合、内径よ
り大きな振幅を持つ脈動が縮流により整圧され、膨張と
縮流によるダブル整圧作用にて脈動圧が平滑化される。
【0056】[バルブ開閉作用]まず、バルブ全閉時に
は、シリンダ型アクチュエータ11から突出するピスト
ンロッド11dのロッド先端部に設けられているローラ
18と長孔17の外側開口端17cとの当接によりバル
ブ開閉プレート16の回動が規制され、バルブ開閉プレ
ート16にバルブシャフト15を介して支持されている
弁体12がバルブ全閉位置に保持される。
【0057】そして、バルブ全閉からシリンダ型アクチ
ュエータ11の駆動によりバルブを徐々に開いてゆく時
は、ロッド先端部に設けられているローラ18はバルブ
シャフト中心から所定量Lだけオフセットした直線上を
ストロークする。
【0058】これに対し、バルブ全閉位置からバルブ中
間開度位置までの回動領域では、ロッド先端部に設けら
れているローラ18が長孔17の直線開口部17aに沿
ってストロークし、中間開度位置において最大ストロー
ク量となり、ローラ18が長孔17の内側開口端17b
に最も近づく。そして、中間開度位置からバルブ全開位
置までの回動領域では、ローラ18が長孔17の内側開
口端17bに最も近い位置から逆方向に長孔17の直線
開口部17aに沿ってストロークし、バルブ全開位置で
は、ローラ18と長孔17の外側開口端17cとの当接
によりバルブ開閉プレート16の回動が規制され、バル
ブ開閉プレート16にバルブシャフト15を介して支持
されている弁体12がバルブ全開位置に保持される。
【0059】従って、バルブ全閉位置での位置規制を、
従来のように、弁体と排気チューブ内面との当接により
行なうのではなく、バルブ外においてロッド先端部に設
けられているローラ18と長孔17の外側開口端17c
との当接により行なうようにしているため、バルブチュ
ーブ19の熱膨張及び熱収縮に伴い弁体12がバルブチ
ューブ19の内面に嵌合して弁体12が全く動かなくな
る弁体固着が防止される。
【0060】また、バルブ全開位置での位置規制を、従
来のように、全開ストッパ構造を設けることで行なうの
ではなく、バルブ全閉の位置規制と全く同様に、ロッド
先端部に設けられているローラ18と長孔17の外側開
口端17cとの当接により行なうようにしているため、
全開のためのストッパ構造を廃止することができる。
【0061】さらに、ピストンロッド11dのロッド先
端部には長孔17の内面に沿って転がり移動するローラ
18が設けられているため、長孔17の直線開口部17
aに沿って往復ストロークする時やバルブ全閉位置とバ
ルブ全開位置で長孔17の外側開口端17cと当接する
時、小さな転がり抵抗にて行なわれ、開閉抵抗を小さく
抑えたスムーズなバルブ開閉動作の確保が図られる。
【0062】[加速操作時の弁体作用]まず、上記のよ
うに、シリンダ型アクチュエータ11では、そのシリン
ダ室11aに導かれる排気圧の圧力レベルに応じてピス
トン11bがストロークするため、シリンダ型アクチュ
エータ11のピストンロッド11dに連結されている弁
体12は、このピストンストロークの大きさに応じてバ
ルブ開度が無段階に変更される。
【0063】よって、アクセルを踏み込んでの加速操作
時でエンジン回転数の上昇に伴い排気圧の圧力レベルが
高まる時には、上記のように弁体12がバルブ閉から徐
々にバルブ開度が増してバルブ開へと無段階に変更され
るため、滑らかな加速感と心地良い加速排気音が得られ
る。
【0064】すなわち、図8の排気静圧特性に示すよう
に、従来のバルブ全開またはバルブ全閉のオン・オフ制
御(実線)では、加速操作時でバルブ閉からバルブ開へ
と切り換わるエンジン回転領域で排気静圧が一時的に低
下する特性を示し、滑らかな加速感が得られないが、本
第1実施例(破線)では、ピストンストロークの大きさ
に応じてバルブ開度が無段階に変更されるため、エンジ
ン回転数の上昇に応じて排気静圧がリニアに増加して、
排気抵抗が徐々に小さくなって滑らかな加速感が得られ
る。なお、バルブ完全閉(一点斜線)のままでは、エン
ジン高回転域での排気抵抗が高くなり、加速感が不足す
る。
【0065】同様に、図9の排気音特性に示すように、
従来のバルブ全開またはバルブ全閉のオン・オフ制御
(破線)では、加速操作時でバルブ閉からバルブ開へと
切り換わるエンジン回転領域で排気音が一時的に低下す
る特性を示し、違和感のある加速排気音となるが、本第
1実施例(実線)では、ピストンストロークの大きさに
応じてバルブ開度が無段階に変更されるため、エンジン
回転数に応じて排気音がリニアに増加し、心地良い加速
排気音が得られる。
【0066】なお、バルブ完全閉(一点斜線)のままで
はエンジン高回転域での音圧が高くなり、加速排気音が
高くなり過ぎる。
【0067】[システムの車両適用時]この排気系用制
御バルブを車両に適用するにあたって、排気系に設けら
れたバルブ開閉駆動制御を行なうアクチュエータとし
て、排気圧により駆動されるシリンダ型アクチュエータ
11を用いているため、モータアクチュエータやソレノ
イドを用いて電子制御するシステムに比べて大幅にシス
テムのコスト低減が図れる。
【0068】加えて、アクチュエータとしてダイヤフラ
ム型アクチュエータに比べて外径が小さいシリンダ型ア
クチュエータ11を用いているため、システムの小型化
が図られるし、この小型化に伴ってレイアウトや設置ス
ペースの異なる様々な車種へのシステムの共用化が達成
できる。
【0069】さらに、排気マフラ1の後端板1bに設置
されているシリンダ型アクチュエータ11は、排気圧を
排気マフラ1から導入するようにしているため、圧力導
管10の配管長が短くなり、図2及び図3からも明らか
なように、弁体システムが排気マフラ1の後部位置にコ
ンパクトに収まり、よりシステムの小型化が図られる。
【0070】[スプリング機能]上記バルブ開閉駆動制
御において、ピストン11bがストロークを開始し、弁
体12がバルブ閉からバルブ開に移行する時の排気圧
は、シリンダ型アクチュエータ11に内蔵されているス
プリング11cのバネ力の大きさを決めることで設定さ
れる。つまり、スプリング11cは、ピストン作動圧を
車種等に応じて調整する機能を持つ。
【0071】一方、シリンダ型アクチュエータ11のピ
ストンロッド11dにバルブ開閉プレート16が直結さ
れているため、スプリング11cのバネ力は弁体12に
対しても直接作用し、しかも、スプリング11cの付勢
力はバルブ閉方向に与えられているため、圧力導管10
の破損等による圧力漏れ故障時には、スプリング11c
の付勢力により弁体12は強制的にバルブ閉とされる。
【0072】つまり、スプリング11cは、ピストン作
動圧調整機能以外に、故障時に安全サイドであるバルブ
閉を確保するバルブフェールセーフ機能を併せて持つ。
【0073】また、スプリング11cは、シリンダ型ア
クチュエータ11に内蔵されているため、スプリングカ
バーを必要とせずに保護される。
【0074】これに対し、サーボモータの回転駆動をワ
イヤによりバルブシャフトに加えて開閉駆動制御するア
クチュエータの場合(特開平3−185209号公報
等)、バルブ閉を確保するリターンスプリングは、弁体
のバルブシャフトに設けられていて、サーボモータは単
にバルブを開く時の力を出すだけの機能にとどまってい
る。よって、サーボモータ内蔵スプリングとリターンス
プリングとの2つのスプリングを設ける必要があるし、
リターンスプリングを保護するには、スプリングカバー
を必要とする。
【0075】次に、効果を説明する。
【0076】(1)シリンダ型アクチュエータ11の駆
動によりロッド先端部に設けられているローラ18がバ
ルブシャフト中心から所定量Lだけオフセットした直線
上を往復ストロークするのに対し、バルブ開閉プレート
16に形成された長孔17には、バルブ全閉位置〜バル
ブ中間開度位置〜バルブ全開位置の回動領域で長孔17
に対するローラストロークを許容する直線開口部17a
及び内側開口端17bが設定されていると共に、バルブ
全閉位置とバルブ全開位置とでローラ18との当接によ
りバルブ開閉プレート16の回動を規制する外側開口端
17cが設定されている構成としたため、ストッパ構造
を廃止した簡単な構成としながら、バルブチューブ19
への弁体固着の防止を図ることができる。
【0077】(2)ピストンロッド11cのロッド先端
部には、長孔17の内面に沿って転がり移動するローラ
18を設けたため、開閉抵抗を小さく抑えたスムーズな
バルブ開閉動作の確保を図ることができる。
【0078】(3)排気系の排気マフラ1に一端が開口
され、排気圧を導く圧力導管10と、前記圧力導管10
の他端がシリンダ室11aに接続され、シリンダ室11
aの圧力レベルに応じてバルブ開方向にストロークする
ピストン11bを有するシリンダ型アクチュエータ11
と、前記シリンダ型アクチュエータ11のピストンロッ
ド11dに連結され、ピストンストロークの大きさに応
じてバルブ開度が無段階に変更される弁体12とを設け
た装置としたため、コスト低減,小型化,共用化を達成
しながら加速操作時に滑らかな加速感と心地良い加速排
気音を得ることができる。
【0079】(4)圧力導管10を、排気マフラ1の内
部室に一端を開口して排気圧を導く管としたため、サー
ジタンクを必要とせず、排気マフラ1において整圧作用
が発揮されるので、弁体12の開閉動作のふらつきが抑
えられ、エンジン回転が低回転の領域でもバルブ制御が
可能となる。
【0080】(5)排気マフラ1から排気圧を導入する
シリンダ型アクチュエータ11を、ブラケット14を介
して排気マフラ1に取り付ける構成としたため、圧力導
管10の配管長が短くなり、よりシステムの小型化を図
ることができる。
【0081】(6)圧力導管10の排気マフラ側開口端
に、マフラインレットチューブ4からの排気ガス流の流
れに対向して排気動圧を取り込むテーパ状の動圧ガイド
部材13を設けたため、排気動圧の導入効率が高まり、
小型で低圧タイプのシリンダ型アクチュエータ11を用
いたとしてもピストンストローク駆動が確実で安定した
ものとすることができる。
【0082】(7)シリンダ型アクチュエータ11には
ピストン11bをバルブ閉方向に付勢するスプリング1
1cを内蔵すると共に、シリンダ型アクチュエータ11
のピストンロッド11dにバルブ開閉プレート16を直
結する構成としたため、アクチュエータ11に内蔵され
ているスプリング11cにピストン作動圧調整機能とバ
ルブフェールセーフ機能とを併せて持たせることができ
る。
【0083】(8)ピストン11bとの接触摺動面とな
るシリンダ内面は、ピストン摺動摩擦を低下させる樹脂
コーティング面11fとされているため、スムーズなピ
ストン動作の確保と圧力の漏れ防止を図ることができ
る。
【0084】(第2実施例)請求項3,4記載の発明に
対応する第2実施例について説明する。
【0085】図10は第2実施例の排気系用制御バルブ
の要部拡大図、図11は第2実施例の排気系用制御バル
ブの作用説明図である。
【0086】図10において、1は排気マフラ、6は第
2マフラアウトレットチューブ、10は圧力導管、11
はシリンダ型アクチュエータ(アクチュエータaに相
当)、11bはピストン、11dはピストンロッド、1
2は弁体、15はバルブシャフト、19はバルブチュー
ブ(排気チューブdに相当)、21はバルブ開閉レバ
ー、22は長孔、23は連結ピン、24は第1連結機構
(請求項3記載の連結機構に相当)である。
【0087】前記弁体12を支持するバルブシャフト1
5とシリンダ型アクチュエータ11のピストンロッド1
1dは、バルブ開閉レバー21と長孔22と連結ピン2
3により構成される第1連結機構24を介して連結され
ている。
【0088】前記第1連結機構24は、図10に示すよ
うに、弁体12がバルブチューブ19の内面に接触する
寸前をバルブ全閉位置とし、図11に示すように、弁体
12がバルブチューブ19内を流れる排気ガスの流線と
ほぼ平行となる位置をバルブ全開位置とし、シリンダ型
アクチュエータ11の全閉ストロークエンド位置(図1
0)にて弁体12を前記バルブ全閉位置に規定し、シリ
ンダ型アクチュエータ11の全開ストロークエンド位置
(図11)にて弁体12を前記バルブ全開位置に規定す
る機構である。
【0089】すなわち、バルブ開閉レバー21の端部に
レバー軸線に対し約45度の角度を持って傾く長孔22
を開孔し、全閉ストロークエンド位置にて連結ピン23
と長孔22の内側開口端との位置が符合し、全開ストロ
ークエンド位置にて連結ピン23と長孔22の外側開口
端との位置が符合し、途中のストローク時には長孔22
に沿って連結ピン23が相対移動する設定となってい
る。
【0090】次に、作用を説明する。
【0091】[バルブ開閉作用]シリンダ型アクチュエ
ータ11のピストン11bがシリンダ内面に押し当てら
れて停止している全閉ストロークエンド位置では、図1
0に示すように、シリンダ型アクチュエータ11とバル
ブシャフト15との間に設けられた第1連結機構24の
連結ピン23と長孔22の内側開口端との位置が符合
し、弁体12がバルブチューブ12の内面に接触する寸
前であるバルブ全閉位置に規定される。
【0092】そして、排気圧の上昇に伴ってシリンダ型
アクチュエータ11のピストン11bが、図11の右方
向にストロークを行なうと、長孔22に沿って連結ピン
23が相対移動し、この連結ピン23により押されてバ
ルブ開閉レバー21の角度が徐々に変化することで、図
11に示すように、バルブシャフト15及び弁体12が
バルブチューブ19の排気ガス通路を徐々に開くように
回動する。
【0093】そして、シリンダ型アクチュエータ11の
ピストン11bがストッパ11eに押し当てられて停止
している全開ストロークエンド位置に達すると、連結ピ
ン23と長孔22の外側開口端との位置が符合し、弁体
12がバルブチューブ19内を流れる排気ガスの流線と
ほぼ平行となる位置であるバルブ全開位置に規定され
る。
【0094】さらに、排気圧の下降に伴ってシリンダ型
アクチュエータ11のピストン11bが、図11の左方
向にストロークを行なうと、長孔22に沿って連結ピン
23が相対移動し、この連結ピン23により押されてバ
ルブ開閉レバー21の角度が徐々に変化することで、図
11に示すように、バルブシャフト15及び弁体12が
バルブチューブ19の排気ガス通路を徐々に閉じるよう
に回動する。
【0095】従って、バルブ全閉位置での位置規制を、
従来のように、弁体と排気チューブ内面との当接により
行なうのではなく、バルブ外においてシリンダ型アクチ
ュエータ11の全閉ストロークエンドを利用し、弁体1
2がバルブチューブ19の内面に接触する寸前位置にて
規制しているため、バルブチューブ19の熱膨張及び熱
収縮に伴い弁体12がバルブチューブ19の内面に嵌合
して弁体12が全く動かなくなる固着が防止される。
【0096】また、バルブ全開位置での位置規制を、従
来のように、全開ストッパ構造を設けることで行なうの
ではなく、バルブ全閉の位置規制と同様に、バルブ外に
おいてシリンダ型アクチュエータ11の全開ストローク
エンドを利用して行なうようにしているため、全開のた
めのストッパ構造を廃止することができる。
【0097】加えて、シリンダ型アクチュエータ11の
全開及び全閉ストロークエンドを利用してバルブ全開及
びバルブ全閉のストッパ機能を発揮させるようにしてい
るため、第1連結機構24には何ら無理な力が働くこと
はなく、バルブ開閉機構の耐久信頼性も確保される。
【0098】(第3実施例)請求項3,4記載の発明に
対応する第3実施例について説明する。
【0099】図12は第3実施例の排気系用制御バルブ
の全閉状態を示す要部拡大図、図13は第3実施例の排
気系用制御バルブの全開状態を示す要部拡大図である。
【0100】図12において、1は排気マフラ、5は第
1マフラアウトレットチューブ、6は第2マフラアウト
レットチューブ、10は圧力導管、11はシリンダ型ア
クチュエータ(アクチュエータaに相当)、11bはピ
ストン、11dはピストンロッド、12は弁体、14は
アクチュエータ取付ブラケット、15はバルブシャフ
ト、19はバルブチューブ(排気チューブdに相当)、
31はバルブ開閉レバー、32は長孔、33は第1連結
ピン、34はアダプターリンク、35は第2連結ピン、
36は第2連結機構(請求項3記載の連結機構に相当)
である。
【0101】前記弁体12を支持するバルブシャフト1
5とシリンダ型アクチュエータ11のピストンロッド1
1dは、バルブ開閉レバー31と長孔32と第1連結ピ
ン33とアダプターリンク34と第2連結ピン35によ
り構成される第2連結機構36を介して連結されてい
る。
【0102】前記第2連結機構36は、図12に示すよ
うに、弁体12がバルブチューブ19の内面に接触する
寸前をバルブ全閉位置とし、図13に示すように、弁体
12がバルブチューブ19内を流れる排気ガスの流線と
ほぼ平行となる位置をバルブ全開位置とし、シリンダ型
アクチュエータ11の全閉ストロークエンド位置(図1
2)にて弁体12を前記バルブ全閉位置に規定し、シリ
ンダ型アクチュエータ11の全開ストロークエンド位置
(図13)にて弁体12を前記バルブ全開位置に規定す
る機構である。
【0103】すなわち、バルブ開閉レバー31の端部と
アダプターリンク34の一端部とを長孔32と第1連結
ピン33によりピン結合し、アダプターリンク34の他
端部とピストンロッド11dとを第2連結ピン35によ
りピン結合し、シリンダ型アクチュエータ11の全閉ス
トロークエンド位置にてアダプターリンク34を介して
バルブ開閉レバー31を図12に示す位置に規定し、シ
リンダ型アクチュエータ11の全開ストロークエンド位
置にてアダプターリンク34を介してバルブ開閉レバー
31を図13に示す位置に規定する設定となっている。
【0104】次に、作用を説明する。
【0105】[バルブ開閉作用]シリンダ型アクチュエ
ータ11のピストン11bがシリンダ内面に押し当てら
れて停止している全閉ストロークエンド位置では、図1
2に示すように、シリンダ型アクチュエータ11とバル
ブシャフト15との間に設けられた第2連結機構36に
より、アダプターリンク34を介してバルブ開閉レバー
31が図12に示す位置とされ、弁体12がバルブチュ
ーブ12の内面に接触する寸前であるバルブ全閉位置に
規定される。
【0106】そして、排気圧の上昇に伴ってシリンダ型
アクチュエータ11のピストン11bが、図12の上方
向にストロークを行なうと、長孔32に沿って第1連結
ピン33が相対移動すると共に、アダプターリンク34
を介してバルブ開閉レバー31の角度が徐々に変化する
ことで、バルブシャフト15及び弁体12がバルブチュ
ーブ19の排気ガス通路を徐々に開くように回動する。
【0107】そして、シリンダ型アクチュエータ11の
ピストン11bがストッパ11eに押し当てられて停止
している全開ストロークエンド位置に達すると、アダプ
ターリンク34を介してバルブ開閉レバー31が図13
に示す位置とされ、弁体12がバルブチューブ19内を
流れる排気ガスの流線とほぼ平行となる位置であるバル
ブ全開位置に規定される。
【0108】さらに、排気圧の下降に伴ってシリンダ型
アクチュエータ11のピストン11bが、図12の下方
向にストロークを行なうと、長孔32に沿って第1連結
ピン33が相対移動すると共に、アダプターリンク34
を介してバルブ開閉レバー21の角度が徐々に変化する
ことで、バルブシャフト15及び弁体12がバルブチュ
ーブ19の排気ガス通路を徐々に閉じるように回動す
る。
【0109】従って、この第3実施例においても、第2
実施例と全く同様に、弁体12の固着防止作用と、全開
のためのストッパ構造を廃止と、バルブ開閉機構の耐久
信頼性の確保が達成される。
【0110】以上、実施例を図面により説明してきた
が、具体的な構成は実施例に限られるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加等があ
っても本発明に含まれる。
【0111】例えば、実施例では、アクチュエータとし
て、シリンダ型アクチュエータの例を示したが、ダイヤ
フラム型アクチュエータやサーボモータ等の他のアクチ
ュエータであっても良く、また、バルブ開度を無段階に
制御するものではなく、バルブ開またはバルブ閉をON
・OFF的に制御するものであっても第1あるいは第3
の発明を適用することができる。
【0112】シリンダ型アクチュエータとして実施例で
は排気正圧により作動するアクチュエータの例を示した
が、排気負圧により作動するシリンダ型アクチュエータ
を用いても良いし、さらに、圧力導管の一端を排気マフ
ラ内に開口した例を示したが、排気チューブに開口して
も良い。
【0113】実施例では、アクチュエータをバルブと同
じマフラアウトレットチューブに取り付けた例を示した
が、アクチュエータの取付位置は実施例の位置に限定さ
れるものではない。
【0114】実施例では、マフラの外部の排気チューブ
にバルブが設けられている例を示したが、マフラ内部の
チューブにバルブが設けられるシステムにも適用するこ
とができる。
【0115】
【発明の効果】請求項1記載の第1の発明にあっては、
排気系に排気圧や排気音を制御するために設けられた排
気系用制御バルブにおいて、弁体を回動可能に支持する
バルブシャフトの外部突出側シャフト端部に固定され、
半径方向に長径を有する長孔が形成されたバルブ開閉プ
レートと、前記アクチュエータから突出され、シャフト
先端部が前記長孔に嵌合するアクチュエータシャフトと
を備え、前記アクチュエータの駆動によりシャフト先端
部がバルブシャフト中心から所定量オフセットした直線
上を往復ストロークするのに対し、前記長孔には、バル
ブ全閉位置〜バルブ中間開度位置〜バルブ全開位置の回
動領域でシャフト先端部のストロークを許容する直線開
口部及び内側開口端が設定されていると共に、バルブ全
閉位置とバルブ全開位置とでシャフト先端部との当接に
よりバルブ開閉プレートの回動を規制する外側開口端が
設定されている装置としたため、ストッパ構造を廃止し
た簡単な構成としながら、排気チューブへの弁体固着の
防止を図ることができるという効果が得られる。
【0116】請求項2記載の第2の発明にあっては、請
求項1記載の排気系用制御バルブにおいて、前記アクチ
ュエータシャフトのシャフト先端部には、長孔の内面に
沿って転がり移動するローラが設けられている構成とし
たため、開閉抵抗を小さく抑えたスムーズなバルブ開閉
動作の確保を図りながら、上記効果を得ることができ
る。
【0117】請求項3記載の第3の発明にあっては、排
気系に排気圧や排気音を制御するために設けられた排気
系用制御バルブにおいて、弁体が排気チューブの内面に
接触する寸前をバルブ全閉位置とし、弁体が排気チュー
ブ内を流れる排気ガスの流線とほぼ平行となる位置をバ
ルブ全開位置とし、アクチュエータの全閉ストロークエ
ンド位置にて弁体を前記バルブ全閉位置に規定し、アク
チュエータの全開ストロークエンド位置にて弁体を前記
バルブ全開位置に規定する連結機構を、アクチュエータ
とバルブシャフトとの間に設けたため、ストッパ構造を
廃止した簡単な構成としながら、排気チューブへの弁体
固着の防止を図ることができるという効果が得られる。
【0118】請求項4記載の第4の発明にあっては、請
求項1乃至請求項3記載の排気系用制御バルブにおい
て、前記アクチュエータが、排気系の正圧もしくは負圧
による排気圧をシリンダ室に導き、シリンダ室の圧力レ
ベルに応じてバルブ開方向にストロークするピストン
と、該ピストンをバルブ閉方向に付勢するスプリングを
内蔵するシリンダ型アクチュエータであり、前記アクチ
ュエータシャフトが、ピストンと一体にストロークし、
ストローク位置に応じてバルブ開度を無段階に制御する
ピストンロッドである構成としたため、コスト低減,小
型化,共用化を達成しながら加速操作時に滑らかな加速
感と心地良い加速排気音を得ると共に、アクチュエータ
に内蔵されているスプリングにピストン作動圧調整機能
とバルブフェールセーフ機能とを併せて持たせながら、
上記第1の発明乃至第3の発明の効果を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排気系用制御バルブを示すクレーム対
応図である。
【図2】第1実施例の排気系用制御バルブが適用された
排気系システムを示す図である。
【図3】第1実施例の排気系用制御バルブの要部拡大図
である。
【図4】第1実施例システムのシリンダ型アクチュエー
タを示す一部断面図である。
【図5】本発明第1実施例の排気系用制御バルブの長孔
連結構造を示す斜視図である。
【図6】本発明第1実施例の排気系用制御バルブの長孔
設定状況を説明する図である。
【図7】第1実施例の排気系用制御バルブのシリンダ室
内の圧力とピストンストロークの関係を示すストローク
特性図である。
【図8】第1実施例の排気系用制御バルブのエンジン回
転数と排気静圧の関係を示す排気静圧特性図である。
【図9】第1実施例の排気系用制御バルブのエンジン回
転数と排気音の関係を示す排気音特性図である。
【図10】第2実施例の排気系用制御バルブの要部拡大
図である。
【図11】第2実施例の排気系用制御バルブの作用説明
図である。
【図12】第3実施例の排気系用制御バルブの全閉状態
を示す要部拡大図である。
【図13】第3実施例の排気系用制御バルブの全開状態
を示す要部拡大図である。
【図14】従来の排気系用制御バルブを示す断面図であ
る。
【図15】従来バルブの全閉状態を示す図14A−A線
断面図である。
【図16】従来バルブのバルブ全開作用を示す平面図で
ある。
【符号の説明】
a アクチュエータ(シリンダ型アクチュエータ) b バルブシャフト c 弁体 d 排気チューブ e 長孔 f バルブ開閉プレート g シャフト先端部 h アクチュエータシャフト(ピストンロッド) i ローラ j シリンダ室 k ピストン m スプリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高崎 雄一 東京都中野区南台5丁目24番15号 カルソ ニック株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクチュエータの駆動によりバルブシャ
    フトを中心軸として弁体を回動させることで排気ガスが
    流通する排気チューブの開度を制御する排気系用制御バ
    ルブにおいて、 前記弁体を回動可能に支持するバルブシャフトの外部突
    出側シャフト端部に固定され、半径方向に長径を有する
    長孔が形成されたバルブ開閉プレートと、 前記アクチュエータから突出され、シャフト先端部が前
    記長孔に嵌合するアクチュエータシャフトとを備え、 前記アクチュエータの駆動によりシャフト先端部がバル
    ブシャフト中心から所定量オフセットした直線上を往復
    ストロークするのに対し、前記長孔には、バルブ全閉位
    置〜バルブ中間開度位置〜バルブ全開位置の回動領域で
    シャフト先端部のストロークを許容する直線開口部及び
    内側開口端が設定されていると共に、バルブ全閉位置と
    バルブ全開位置とでシャフト先端部との当接によりバル
    ブ開閉プレートの回動を規制する外側開口端が設定され
    ていることを特徴とする排気系用制御バルブ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の排気系用制御バルブにお
    いて、 前記アクチュエータシャフトのシャフト先端部には、長
    孔の内面に沿って転がり移動するローラが設けられてい
    ることを特徴とする排気系用制御バルブ。
  3. 【請求項3】 アクチュエータの駆動によりバルブシャ
    フトを中心軸として弁体を回動させることで排気ガスが
    流通する排気チューブの開度を制御する排気系用制御バ
    ルブにおいて、 前記弁体が排気チューブの内面に接触する寸前をバルブ
    全閉位置とし、弁体が排気チューブ内を流れる排気ガス
    の流線とほぼ平行となる位置をバルブ全開位置とし、前
    記アクチュエータの全閉ストロークエンド位置にて弁体
    を前記バルブ全閉位置に規定し、前記アクチュエータの
    全開ストロークエンド位置にて弁体を前記バルブ全開位
    置に規定する連結機構を、アクチュエータとバルブシャ
    フトとの間に設けたことを特徴とする排気系用制御バル
    ブ。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3記載の排気系用制
    御バルブにおいて、 前記アクチュエータが、排気系の正圧もしくは負圧によ
    る排気圧をシリンダ室に導き、シリンダ室の圧力レベル
    に応じてバルブ開方向にストロークするピストンと、該
    ピストンをバルブ閉方向に付勢するスプリングを内蔵す
    るシリンダ型アクチュエータであり、 前記アクチュエータシャフトが、ピストンと一体にスト
    ロークし、ストローク位置に応じてバルブ開度を無段階
    に制御するピストンロッドであることを特徴とする排気
    系用制御バルブ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100580702B1 (ko) * 2004-06-11 2006-05-15 현대자동차주식회사 배기파이프의 배압조절장치
CN113339120A (zh) * 2020-02-14 2021-09-03 株式会社三国 车辆的排气阀装置

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KR100580702B1 (ko) * 2004-06-11 2006-05-15 현대자동차주식회사 배기파이프의 배압조절장치
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