JP3301252B2 - 制御型排気系システム - Google Patents

制御型排気系システム

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JP3301252B2
JP3301252B2 JP03651795A JP3651795A JP3301252B2 JP 3301252 B2 JP3301252 B2 JP 3301252B2 JP 03651795 A JP03651795 A JP 03651795A JP 3651795 A JP3651795 A JP 3651795A JP 3301252 B2 JP3301252 B2 JP 3301252B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンからテールチ
ューブに至る排気系に排気圧や排気音を制御するバルブ
部材が設けられた制御型排気系システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、排気系に設けられたバルブ部材の
開閉駆動制御を行なうアクチュエータとしては、例え
ば、下記に列挙するようなアクチュエータが知られてい
る。
【0003】(1) モータアクチュエータ サーボモータの回転駆動をワイヤによりバルブシャフト
に加えて開閉駆動制御するアクチュエータが知られてい
る(特開平3−185209号公報等)。
【0004】(2) ダイヤフラム型正圧アクチュエータ マフラの内部圧をダイヤフラム室に導き、マフラの内部
に設けたバルブを排圧の大きさとバネ力のバランスによ
り開閉するアクチュエータが知られている(特開平4−
124418号公報)。
【0005】(3) ダイヤフラム型負圧アクチュエータ エンジン吸気圧をタンク及びソレノイド弁を介してダイ
ヤフラム室に導き、マフラの上流位置に設けたバルブを
開閉するアクチュエータが知られている(特開平2−2
59217号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の制御型排気系システムに用いられるアクチュエータ
にあっては下記に列挙する問題がある。
【0007】(1) モータアクチュエータにあっては、エ
ンジン回転数等に応じて制御指令を出力する電子コント
ローラを必要とするし、サーボモータ自体が高価である
ため、システムがコスト高となる。また、ダイヤフラム
型アクチュエータにおいても外部から電子制御されるソ
レノイド弁を設けた場合、同様にコスト高となる。
【0008】(2) ダイヤフラム型正圧アクチュエータや
ダイヤフラム型負圧アクチュエータにあっては、受圧面
積を十分に確保する必要があることからアクチュエータ
径が大径となり、システムが大型化してしまうし、レイ
アウトや設置スペースの異なる様々な車種への共用化が
困難である。
【0009】さらに、上記特開平2−259217号公
報に記載されているダイヤフラム型負圧アクチュエータ
にあっては、負圧をエンジン吸気圧から取り出している
ので、車両の後方に設けられているマフラに導くには、
長い配管を必要とする欠点を有する。
【0010】(3) モータアクチュエータもダイヤフラム
型アクチュエータもバルブ全開またはバルブ全閉のオン
・オフ駆動となり、例えば、加速操作時でバルブ閉から
バルブ開へと切り換わるエンジン回転領域で排気静圧及
び排気音が一時的に低下する特性を示し、滑らかな加速
感が得られないし、違和感のある加速排気音となる。
【0011】本発明は、上記課題に着目してなされたも
ので、第1の目的とするところは、排気系に排気圧や排
気音を制御するバルブ部材が設けられた制御型排気系シ
ステムにおいて、コスト低減,小型化,共用化を達成し
ながら加速操作時に滑らかな加速感と心地良い加速排気
音を得ると共に、アクチュエータに内蔵されているスプ
リングにピストン作動圧調整機能とバルブフェールセー
フ機能とを併せて持たせることにある。加えて、マフラ
での整圧作用により、制御バルブの開閉動作のふらつき
を抑えることにある。
【0012】第2の目的とするところは、スムーズなピ
ストン動作の確保と圧力の漏れ防止を図りながら、第1
の目的を達成することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため請求項1記載の発明では、図1のクレーム対応図
に示すように、エンジンからテールチューブに至る排気
系に排気圧や排気音を制御するバルブ部材が設けられた
制御型排気系システムにおいて、排気系のマフラb内
一端が開口され、正圧による排気圧を導く圧力導管c
と、前記圧力導管cの他端がシリンダ室dに接続され、
シリンダ室dの圧力レベルに応じてバルブ開方向にスト
ロークするピストンeと、該ピストンeをバルブ閉方向
に付勢するスプリングfを内蔵するシリンダ型アクチュ
エータgと、前記シリンダ型アクチュエータgのピスト
ンロッドhにバルブ開閉動作部材iが直結され、ピスト
ンストロークの大きさに応じてバルブ開度が無段階に変
更される制御バルブjと、を備えていることを特徴とす
る。
【0014】上記第2の目的を達成するため請求項2記
載の発明では、図1のクレーム対応図に示すように、請
求項1記載の制御型排気系システムにおいて、前記シリ
ンダ型アクチュエータgのピストンeが摺動するシリン
ダ内面を、ピストン摺動摩擦を低下させる樹脂コーティ
ング面kとしたことを特徴とする。
【0015】
【作用】請求項1記載の第1の発明の作用を説明する。
【0016】走行時、エンジンからの排気ガスにより排
気系のマフラb内から排気圧に応じた正圧による圧力が
圧力導管cを介してシリンダ型アクチュエータgのシリ
ンダ室cに導かれる。そして、シリンダ室cではこの圧
力レベルに応じてピストンeがストロークするため、シ
リンダ型アクチュエータgのピストンロッドhに連結さ
れている制御バルブjは、このピストンストロークの大
きさに応じてバルブ開度が無段階に変更される。
【0017】したがって、例えば、加速操作時でエンジ
ン回転数の上昇に伴い排気圧の圧力レベルが高まる時に
は、制御バルブjがバルブ閉から徐々にバルブ開度が増
してバルブ開へと無段階に変更されるため、所定のエン
ジン回転数にてバルブ閉からバルブ開に一気に切り換わ
る場合のように排気静圧や排気音の一時的な低下がな
く、排気静圧特性や排気音特性がリニアに増加する特性
を示す。
【0018】この結果、バルブ閉からバルブ開へと移行
するエンジン回転領域で行なわれる加速操作時に、滑ら
かな加速感と心地良い加速排気音が得られる。
【0019】この制御型排気系システムを車両に適用す
るにあたって、排気系に設けられたバルブ部材の開閉駆
動制御を行なうアクチュエータとして、排気圧により駆
動されるアクチュエータを用いているため、モータアク
チュエータやソレノイドを用いて電子制御するシステム
に比べて大幅にシステムのコスト低減が図れる。
【0020】加えて、アクチュエータとしてダイヤフラ
ム型アクチュエータに比べて外径が小さいシリンダ型ア
クチュエータgを用いているため、システムの小型化が
図られるし、この小型化に伴ってレイアウトや設置スペ
ースの異なる様々な車種へのシステムの共用化が達成で
きる。
【0021】上記バルブ開閉駆動制御において、ピスト
ンeがストロークを開始し、制御バルブjがバルブ閉か
らバルブ開に移行する時の排気圧は、シリンダ型アクチ
ュエータgに内蔵されているスプリングfのバネ力の大
きさを決めることで設定される。つまり、スプリングf
は、ピストン作動圧調整機能を持つ。
【0022】一方、シリンダ型アクチュエータgのピス
トンロッドhにバルブ開閉動作部材iが直結されている
ため、スプリングfのバネ力は制御バルブjに対しても
直接作用し、しかも、スプリングfの付勢力はバルブ閉
方向に与えられているため、圧力導管cの破損等による
圧力漏れ故障時には、スプリングfの付勢力により制御
バルブjは強制的にバルブ閉とされる。つまり、スプリ
ングfは、ピストン作動圧調整機能以外に、故障時に安
全サイドであるバルブ閉を確保するバルブフェールセー
フ機能を併せて持つ。加えて、圧力導管cをマフラb内
から排気圧を導く管としているため、排気チューブaか
らマフラbへ導入される排気ガスはマフラbへの導入と
同時に膨張し、サージタンクを設けているのと同様の作
用によりマフラbにおいて整圧作用が発揮される。この
整圧作用により、制御バルブjの開閉動作にふらつきが
抑えられ、特に、脈動が激しいエンジン低回転域でのバ
ルブ制御が可能になる。
【0023】請求項2記載の第2の発明の作用を説明す
る。
【0024】上記バルブ開閉駆動制御において、シリン
ダ型アクチュエータgのピストンeは排気圧の大きさに
応じて往復摺動する。この時、ピストンeとシリンダ内
面とが接触摺動面となるが、このシリンダ内面は、ピス
トン摺動摩擦を低下させる樹脂コーティング面kとされ
ているため、ステックスリップ等のないスムーズなピス
トン動作が確保されるし、また、ピストンeとの擦れに
よるシリンダ内面の摩耗や損傷が小さく抑えられ、ピス
トンeとシリンダ内面との摺動部からの圧力の漏れも防
止される。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0026】まず、構成を説明する。
【0027】図2は本発明実施例の制御型排気系システ
ムを示す図、図3は本発明実施例の制御型排気系システ
ムの要部拡大図、図4は本発明実施例のシリンダ型アク
チュエータの一部断面図である。
【0028】図2および図3において、1は排気マフラ
(マフラbに相当)、4はマフラインレットチューブ
(排気チューブaに相当)、5は第1マフラアウトレッ
トチューブ、6は第2マフラアウトレットチューブ、1
0は圧力導管、11はシリンダ型アクチュエータ、12
は制御バルブ、13は動圧ガイド部材、14はアクチュ
エータ取付ブラケット、15はバルブシャフト、16は
バルブ開閉レバー(バルブ開閉動作部材iに相当)であ
る。
【0029】前記排気マフラ1は、前端板1aと後端板
1bとを有し、前端板1aには図外のエンジンからの排
気ガスが進入してくるマフラインレットチューブ4とマ
フラ内部を経過して排気ガスを排出する第1マフラアウ
トレットチューブ5が接続され、後端板1bには制御バ
ルブ12の開閉制御により排気ガスの排出を調整する第
2マフラアウトレットチューブ6が接続されている。
【0030】前記圧力導管10は、排気マフラ1内に一
端が開口され、その開口端にはマフラインレットチュー
ブ4からの排気ガス流の流れに対向して排気動圧を取り
込むテーパ状の動圧ガイド部材13が設けられている。
そして、圧力導管10の他端は、シリンダ型アクチュエ
ータ11(シリンダ室11a)に接続されている。これ
により、圧力導管10は排気静圧と排気動圧に応じた正
圧をシリンダ型アクチュエータ11に導く管として構成
されている。
【0031】前記シリンダ型アクチュエータ11は、排
気マフラ1の後端板1bにアクチュエータ取付ブラケッ
ト14を介して取り付けられ、そのピストンロッド11
dはバタフライバルブタイプの制御バルブ12のバルブ
シャフト15を回動させるバルブ開閉レバー16にピン
を介して直結されている。
【0032】前記シリンダ型アクチュエータ11の具体
的構造を図4により説明すると、シリンダ型アクチュエ
ータ11は、圧力導管10が連結されるシリンダ室11
aと、このシリンダ室11aの正圧の圧力レベルに応じ
てストロークするカップシール型のピストン11bと、
ピストン11bをバルブ全閉方向に付勢するスプリング
11cと、制御バルブ12に連結されるピストンロッド
11dと、ピストン11bのストロークを規制するスト
ッパ11eと、ピストン摺動摩擦を低下させる樹脂コー
ティング面11fとを有して構成されている。
【0033】なお、スプリング11cは、エンジン回転
数約1500rpm以上の排気圧がシリンダ室11aに
作用した時に移動を開始するようにそのバネ力が設定さ
れている。
【0034】次に、作用を説明する。
【0035】[バルブ開閉作動]走行時、エンジンから
排気ガスが流れてくると、マフラインレットチューブ4
から排気圧に応じた正圧の圧力が圧力導管10を介して
シリンダ型アクチュエータ11のシリンダ室11aに導
かれる。そして、シリンダ室11aではこの圧力レベル
に応じてピストン11bがストロークするため、シリン
ダ型アクチュエータ11のピストンロッド11dに連結
されている制御バルブ12は、このピストンストローク
の大きさに応じてバルブ開度が無段階に変更される。
【0036】ここで、シリンダ室11aの圧力とピスト
ンストロークの関係は、図5に示すように、シリンダ型
アクチュエータ11の内部摩擦等により、シリンダ室1
1a内の圧力が上昇しピストン11bが進む時と、シリ
ンダ室11a内の圧力が下降しピストン11bが戻る時
とでヒステリシスを持つ特性を示す。
【0037】したがって、シリンダ室11aの圧力が小
さい幅で変動するような場合、ヒステリシス圧力幅が不
感帯となり、ピストンストロークが保持され、制御バル
ブ12の開閉ハンチングが防止される。
【0038】また、圧力導管10により排気圧を導くに
あたって、マフラインレットチューブ側開口端に排気ガ
ス流の流れに対向して排気動圧を取り込む動圧ガイド部
材13が設けられているため、シリンダ型アクチュエー
タ11を駆動する圧力が(排気静圧+排気動圧)とな
り、排気静圧のみを駆動圧力とする場合に比べて圧力レ
ベルが高まり、小型で低圧タイプのシリンダ型アクチュ
エータ11を用いたとしてもピストンストローク駆動が
確実で安定したものとなる。
【0039】[整圧作用]排気ガスはエンジン気筒数や
回転数に応じた周期でガス圧が変動しながらマフライン
レットチューブ4を流れてくる。したがって、そのまま
シリンダ型アクチュエータ11のシリンダ室11aに導
いた場合、脈動圧によりピストンストローク変動し、制
御バルブ12の開閉動作にふらつきが生じる。特に、小
型で低圧タイプのシリンダ型アクチュエータ11を用い
た場合、多少の圧力変動があってもこれに応答してしま
うため、制御バルブ12の開閉動作がふらつき制御が困
難となる。
【0040】これに対し、圧力導管10を排気マフラ1
の内部室から排気圧を導く管としているため、マフライ
ンレットチューブ4から排気マフラ1へ導入される排気
ガスは排気マフラ1への導入と同時に膨張し、サージタ
ンクを設けているのと同様の作用により排気マフラ1に
おいて整圧作用が発揮される。この整圧作用により、制
御バルブ12の開閉動作にふらつきが抑えられ、特に、
脈動が激しいエンジン低回転域でのバルブ制御が可能に
なる。尚、圧力導管10の内径を小さく設定した場合、
内径より大きな振幅を持つ脈動が縮流により整圧され、
膨張と縮流によるダブル整圧作用にて脈動圧が平滑化さ
れる。
【0041】[加速操作時の制御バルブ作用]アクセル
を踏み込んでの加速操作時でエンジン回転数の上昇に伴
い排気圧の圧力レベルが高まる時には、上記のように制
御バルブ12がバルブ閉から徐々にバルブ開度が増して
バルブ開へと無段階に変更されるため、滑らかな加速感
と心地良い加速排気音が得られる。
【0042】すなわち、図6の排気静圧特性に示すよう
に、従来のバルブ全開またはバルブ全閉のオン・オフ制
御(実線)では、加速操作時でバルブ閉からバルブ開へ
と切り換わるエンジン回転領域で排気静圧が一時的に低
下する特性を示し、滑らかな加速感が得られないが、本
実施例(破線)では、制御バルブ12はピストンストロ
ークの大きさに応じてバルブ開度が無段階に変更される
ため、エンジン回転数の上昇に応じて排気静圧がリニア
に増加して、排気抵抗が徐々に小さくなって滑らかな加
速感が得られる。なお、バルブ完全閉(一点斜線)のま
までは、エンジン高回転域での排気抵抗が高くなり、加
速感が不足する。
【0043】同様に、図7の排気音特性に示すように、
従来のバルブ全開またはバルブ全閉のオン・オフ制御
(破線)では、加速操作時でバルブ閉からバルブ開へと
切り換わるエンジン回転領域で排気音が一時的に低下す
る特性を示し、違和感のある加速排気音となるが、本実
施例(実線)では、制御バルブ12はピストンストロー
クの大きさに応じてバルブ開度が無段階に変更されるた
め、エンジン回転数に応じて排気音がリニアに増加し、
心地良い加速排気音が得られる。なお、バルブ完全閉
(一点斜線)のままではエンジン高回転域での音圧が高
くなり、加速排気音が高くなり過ぎる。
【0044】[システムの車両適用時]この制御型排気
系システムを車両に適用するにあたって、排気系に設け
られたバルブ開閉駆動制御を行なうアクチュエータとし
て、排気圧により駆動されるシリンダ型アクチュエータ
11を用いているため、モータアクチュエータやソレノ
イドを用いて電子制御するシステムに比べて大幅にシス
テムのコスト低減が図れる。
【0045】加えて、アクチュエータとしてダイヤフラ
ム型アクチュエータに比べて外径が小さいシリンダ型ア
クチュエータ11を用いているため、システムの小型化
が図られるし、この小型化に伴ってレイアウトや設置ス
ペースの異なる様々な車種へのシステムの共用化が達成
できる。
【0046】さらに、排気マフラ1の後端板1bに設置
されているシリンダ型アクチュエータ11は、排気圧を
排気マフラ1から導入するようにしているため、圧力導
管10の配管長が短くなり、図2及び図3からも明らか
なように、制御バルブシステムが排気マフラ1の後部位
置にコンパクトに収まり、よりシステムの小型化が図ら
れる。
【0047】[スプリング機能]上記バルブ開閉駆動制
御において、ピストン11bがストロークを開始し、制
御バルブ12がバルブ閉からバルブ開に移行する時の排
気圧は、シリンダ型アクチュエータ11に内蔵されてい
るスプリング11cのバネ力の大きさを決めることで設
定される。つまり、スプリング11cは、ピストン作動
圧を車種等に応じて調整する機能を持つ。
【0048】一方、シリンダ型アクチュエータ11のピ
ストンロッド11dにバルブ開閉レバー16が直結され
ているため、スプリング11cのバネ力は制御バルブ1
2に対しても直接作用し、しかも、スプリング11cの
付勢力はバルブ閉方向に与えられているため、圧力導管
10の破損等による圧力漏れ故障時には、スプリング1
1cの付勢力により制御バルブ12は強制的にバルブ閉
とされる。
【0049】つまり、スプリング11cは、ピストン作
動圧調整機能以外に、故障時に安全サイドであるバルブ
閉を確保するバルブフェールセーフ機能を併せて持つ。
【0050】また、スプリング11cは、シリンダ型ア
クチュエータ11に内蔵されているため、スプリングカ
バーを必要とせずに保護される。
【0051】これに対し、サーボモータの回転駆動をワ
イヤによりバルブシャフトに加えて開閉駆動制御するア
クチュエータの場合(特開平3−185209号公報
等)、バルブ閉を確保するリターンスプリングは、制御
バルブのバルブシャフトに設けられていて、サーボモー
タは単にバルブを開く時の力を出すだけの機能にとどま
っている。よって、サーボモータ内蔵スプリングとリタ
ーンスプリングとの2つのスプリングを設ける必要があ
るし、リターンスプリングを保護するには、スプリング
カバーを必要とする。
【0052】[ピストン摺動作用]上記バルブ開閉駆動
制御において、シリンダ型アクチュエータ11のピスト
ン11bは排気圧の大きさに応じて往復摺動する。この
時、ピストン11bとシリンダ内面とが接触摺動面とな
るが、このシリンダ内面は、ピストン摺動摩擦を低下さ
せる樹脂コーティング面11fとされているため、ステ
ックスリップ等のないスムーズなピストン動作が確保さ
れるし、また、ピストン11bとの擦れによるシリンダ
内面の摩耗や損傷が小さく抑えられ、ピストン11bと
シリンダ内面との摺動部からの圧力の漏れも防止され
る。
【0053】次に、効果を説明する。
【0054】(1)排気系の排気マフラ1に一端が開口
され、排気圧を導く圧力導管10と、前記圧力導管10
の他端がシリンダ室11aに接続され、シリンダ室11
aの圧力レベルに応じてバルブ開方向にストロークする
ピストン11bを有するシリンダ型アクチュエータ11
と、前記シリンダ型アクチュエータ11のピストンロッ
ド11dに連結され、ピストンストロークの大きさに応
じてバルブ開度が無段階に変更される制御バルブ12と
を設けた装置としたため、コスト低減,小型化,共用化
を達成しながら加速操作時に滑らかな加速感と心地良い
加速排気音を得ることができる。
【0055】(2)圧力導管10を、排気マフラ1の内
部室に一端を開口して排気圧を導く管としたため、サー
ジタンクを必要とせず、排気マフラ1において整圧作用
が発揮されるので、制御バルブ12の開閉動作のふらつ
きが抑えられ、エンジン回転が低回転の領域でもバルブ
制御が可能となる。
【0056】(3)排気マフラ1から排気圧を導入する
シリンダ型アクチュエータ11を、ブラケット14を介
して排気マフラ1に取り付ける構成としたため、圧力導
管10の配管長が短くなり、よりシステムの小型化を図
ることができる。
【0057】(4)圧力導管10の排気マフラ側開口端
に、マフラインレットチューブ4からの排気ガス流の流
れに対向して排気動圧を取り込むテーパ状の動圧ガイド
部材13を設けたため、排気動圧の導入効率が高まり、
小型で低圧タイプのシリンダ型アクチュエータ11を用
いたとしてもピストンストローク駆動が確実で安定した
ものとすることができる。
【0058】(5)シリンダ型アクチュエータ11には
ピストン11bをバルブ閉方向に付勢するスプリング1
1cを内蔵すると共に、シリンダ型アクチュエータ11
のピストンロッド11dにバルブ開閉レバー16を直結
する構成としたため、アクチュエータ11に内蔵されて
いるスプリング11cにピストン作動圧調整機能とバル
ブフェールセーフ機能とを併せて持たせることができ
る。
【0059】(6)ピストン11bとの接触摺動面とな
るシリンダ内面は、ピストン摺動摩擦を低下させる樹脂
コーティング面11fとされているため、スムーズなピ
ストン動作の確保と圧力の漏れ防止を図ることができ
る。
【0060】以上、実施例を図面により説明してきた
が、具体的な構成は実施例に限られるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加等があ
っても本発明に含まれる。
【0061】例えば、実施例では、排気正圧により作動
するシリンダ型アクチュエータ11の例を示したが、排
気負圧により作動するシリンダ型アクチュエータを用い
たシステムにも適用できる。
【0062】
【0063】実施例では、制御バルブとしてバタフライ
バルブタイプのものを示したが、バルブ開度が無段階に
変更できるものであればシャッター型バルブ等を用いて
も良い。
【0064】実施例では、シリンダ型アクチュエータを
排気マフラに取り付けた例を示したが、シリンダ型アク
チュエータの取付位置は実施例の位置に限定されるもの
ではない。
【0065】
【発明の効果】請求項1記載の第1の発明にあっては、
排気系に排気圧や排気音を制御するバルブ部材が設けら
れた制御型排気系システムにおいて、排気系の排気チュ
ーブもしくはマフラに一端が開口され、正圧もしくは負
圧による排気圧を導く圧力導管と、前記圧力導管の他端
がシリンダ室に接続され、シリンダ室の圧力レベルに応
じてバルブ開方向にストロークするピストンと、該ピス
トンをバルブ閉方向に付勢するスプリングを内蔵するシ
リンダ型アクチュエータと、前記シリンダ型アクチュエ
ータのピストンロッドにバルブ開閉動作部材が直結さ
れ、ピストンストロークの大きさに応じてバルブ開度が
無段階に変更される制御バルブと、を設けた装置とした
ため、コスト低減,小型化,共用化を達成しながら加速
操作時に滑らかな加速感と心地良い加速排気音を得ると
共に、アクチュエータに内蔵されているスプリングにピ
ストン作動圧調整機能とバルブフェールセーフ機能とを
併せて持たせることができるという効果が得られる。
えて、圧力導管をマフラ内から排気圧を導く管としてい
るため、排気チューブからマフラへ導入される排気ガス
はマフラへの導入と同時に膨張し、サージタンクを設け
ているのと同様の作用によりマフラにおいて整圧作用が
発揮される。この整圧作用により、制御バルブの開閉動
作にふらつきが抑えられ、特に、脈動が激しいエンジン
低回転域でのバルブ制御が可能になるという効果が得ら
れる。
【0066】請求項2記載の第2の発明にあっては、請
求項1記載の制御型排気系システムにおいて、前記シリ
ンダ型アクチュエータのピストンが摺動するシリンダ内
面を、ピストン摺動摩擦を低下させる樹脂コーティング
面としたため、スムーズなピストン動作の確保と圧力の
漏れ防止を図りながら、上記効果を得ることができると
いう効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制御型排気系システムを示すクレーム
対応図である。
【図2】実施例の制御型排気系システムを示す平面図で
ある。
【図3】実施例の制御型排気系システムの要部拡大図で
ある。
【図4】実施例システムのシリンダ型アクチュエータを
示す一部断面図である。
【図5】実施例の制御型排気系システムのシリンダ室内
の圧力とピストンストロークの関係を示すストローク特
性図である。
【図6】実施例の制御型排気系システムのエンジン回転
数と排気静圧の関係を示す排気静圧特性図である。
【図7】実施例の制御型排気系システムのエンジン回転
数と排気音の関係を示す排気音特性図である。
【符号の説明】
a 排気チューブ b マフラ c 圧力導管 d シリンダ室 e ピストン f スプリング g シリンダ型アクチュエータ h ピストンロッド i バルブ開閉動作部材 j 制御バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−263750(JP,A) 実開 昭61−99619(JP,U) 実開 昭62−84609(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01N 1/08 F01N 7/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンからテールチューブに至る排気
    系に排気圧や排気音を制御するバルブ部材が設けられた
    制御型排気系システムにおいて、 排気系のマフラ内に一端が開口され、正圧による排気圧
    を導く圧力導管と、 前記圧力導管の他端がシリンダ室に接続され、シリンダ
    室の圧力レベルに応じてバルブ開方向にストロークする
    ピストンと、該ピストンをバルブ閉方向に付勢するスプ
    リングを内蔵するシリンダ型アクチュエータと、 前記シリンダ型アクチュエータのピストンロッドにバル
    ブ開閉動作部材が直結され、ピストンストロークの大き
    さに応じてバルブ開度が無段階に変更される制御バルブ
    と、 を備えていることを特徴とする制御型排気系システム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の制御型排気系システムに
    おいて、 前記シリンダ型アクチュエータのピストンが摺動するシ
    リンダ内面を、ピストン摺動摩擦を低下させる樹脂コー
    ティング面としたことを特徴とする制御型排気系システ
    ム。
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