JPH0979032A - 制御型排気系システム - Google Patents

制御型排気系システム

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Publication number
JPH0979032A
JPH0979032A JP23503295A JP23503295A JPH0979032A JP H0979032 A JPH0979032 A JP H0979032A JP 23503295 A JP23503295 A JP 23503295A JP 23503295 A JP23503295 A JP 23503295A JP H0979032 A JPH0979032 A JP H0979032A
Authority
JP
Japan
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valve
opening
exhaust
exhaust system
muffler
Prior art date
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Application number
JP23503295A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuichi Takasaki
雄一 高崎
Yukio Nakanishi
之男 中西
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Marelli Corp
Original Assignee
Calsonic Corp
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Publication date
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Publication of JPH0979032A publication Critical patent/JPH0979032A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンから排出される燃焼ガスをエンジン
マニホールドから大気へ排出する排気系の途中に設けら
れたバルブを開閉することで排気系機能を制御する制御
型排気系システムにおいて、コスト低減,小型化,共用
化を達成しながら加速操作時に滑らかな加速感と心地良
い加速排気音を得ると共に、排気圧に対するバルブ全開
応答を変えることなくバルブ開度が全閉から中間開度へ
移行する領域でのバルブ開度ゲインを小さく抑えるこ
と。 【解決手段】 排気圧を導く圧力導管10と、排気圧駆
動のシリンダ型アクチュエータ11と、該アクチュエー
タ11によりバルブ開度が無段階に変更される第1バル
ブ12cと、第1バルブ12cが全閉〜中間開度領域で
は全閉状態を保ち、中間開度〜全開領域では第1バルブ
12cに追従して開閉される第2バルブ12eとにより
構成される2分割型制御バルブ12を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンから排出
される燃焼ガスをエンジンマニホールドから大気へ排出
する排気系の途中に設けられたバルブを開閉することで
排気系機能(消音機能や排気抵抗機能)を制御する制御
型排気系システムの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、排気圧を駆動圧として排気系バル
ブの開閉制御を行なう制御型排気系システムとしては、
例えば、特開平4−124418号公報に記載のものが
知られている。
【0003】この公報には、エンジン低回転域では排気
騒音を低減し、エンジン高回転域ではエンジン出力を向
上するため、消音器1内に容器21を設け、排気ガス流
量が大きく容器21に大きな背圧が生じる場合、この背
圧をダイヤフラムアクチュエータ15のダイヤフラム室
17に導き、この背圧による力で開閉弁13を開く技術
が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の制御型排気系システムにあっては、容器21の背圧
による力が所定の力に達すると一気に開閉弁13を開く
ものであるため、室4が低周波共鳴室としての働きから
一気に拡張室としての働きに変化し、図8の点線特性に
示すように、開閉弁13の全開直後に排気騒音が高まっ
てしまう。
【0005】そこで、ダイヤフラムアクチュエータ15
に代えシリンダ型アクチュエータを用い、排気圧の変化
にしたがったストローク量に応じてバルブ開度を徐々に
変更することで加速操作時に滑らかな加速感と心地良い
加速排気音を得る技術を本出願人は提案した。
【0006】しかしながら、制御バルブとして1枚のバ
ルブプレートによるバタフライバルブを使用した場合、
図7の点線特性に示すように、シリンダ型アクチュエー
タのスプリング力により決まる特性にてバルブ開度が全
閉から全開へと移行する。
【0007】この場合、バルブ開度が全閉から中間開度
へ移行する領域での開度増大比率が大きく、この領域で
低周波共鳴による消音効果が弱まり、図8の1点鎖線特
性に示すように、バルブ開度の全閉から中間開度領域に
て排気騒音の高まりがみられる。
【0008】本発明が解決しようとする課題を下記に列
挙する。
【0009】課題1は、エンジンから排出される燃焼ガ
スをエンジンマニホールドから大気へ排出する排気系の
途中に設けられたバルブを開閉することで排気系機能を
制御する制御型排気系システムにおいて、コスト低減,
小型化,共用化を達成しながら加速操作時に滑らかな加
速感と心地良い加速排気音を得ると共に、排気圧に対す
るバルブ全開応答を変えることなくバルブ開度が全閉か
ら中間開度へ移行する領域でのバルブ開度ゲインを小さ
く抑えることにある。
【0010】課題2は、簡単な2分割バルブ構造にて、
課題1を達成することにある。
【0011】課題3は、こもり音低減と車両発進時の静
粛性向上を図りながら、課題1または課題2を達成する
ことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
(解決手段1)上記課題1の解決手段1(請求項1)
は、エンジンから排出される燃焼ガスをエンジンマニホ
ールドから大気へ排出する排気系の途中に設けられたバ
ルブを開閉することで排気系機能を制御する制御型排気
系システムにおいて、一端が排気系の排気チューブもし
くはマフラに開口され、排気系から排気圧を導く圧力導
管と、前記圧力導管の他端がシリンダ室に接続され、シ
リンダ室の圧力レベルに応じてストロークするピストン
と、該ピストンを付勢するスプリングを内蔵するシリン
ダ型アクチュエータと、バルブが設置されるチューブの
流路断面積の半分を覆い、シリンダ型アクチュエータの
ピストンストロークの大きさに応じてバルブ開度が無段
階に変更される第1バルブと、チューブの流路断面積の
残りの半分を覆い、第1バルブが全閉からほぼ中間開度
までの領域では全閉状態を保ち、第1バルブがほぼ中間
開度から全開までの領域では第1バルブに追従して開閉
される第2バルブとにより構成される2分割型制御バル
ブと、を備えていることを特徴とする。
【0013】作用を説明する。
【0014】走行時、エンジンからの排気ガスにより排
気系の排気チューブもしくはマフラから排気圧が圧力導
管を介してシリンダ型アクチュエータのシリンダ室に導
かれる。そして、シリンダ室ではこの圧力レベルに応じ
てピストンがストロークするため、シリンダ型アクチュ
エータに連結されている2分割型制御バルブは、このピ
ストンストロークの大きさに応じてバルブ開度が無段階
に変更される。
【0015】したがって、例えば、加速操作時でエンジ
ン回転数の上昇に伴い排気圧の圧力レベルが高まる時に
は、制御バルブhがバルブ閉から徐々にバルブ開度が増
してバルブ開へと無段階に変更されるため、所定のエン
ジン回転数にてバルブ閉からバルブ開に一気に切り換わ
る場合のように排気静圧や排気音の一時的な低下がな
く、排気静圧特性や排気音特性がリニアに増加する特性
を示す。
【0016】この結果、バルブ閉からバルブ開へと移行
するエンジン回転領域で行なわれる加速操作時に、滑ら
かな加速感と心地良い加速排気音が得られる。
【0017】この制御型排気系システムを車両に適用す
るにあたって、排気系に設けられたバルブの開閉駆動制
御を行なうアクチュエータとして、排気圧により駆動さ
れるアクチュエータを用いているため、モータアクチュ
エータやソレノイドを用いて電子制御するシステムに比
べて大幅にシステムのコスト低減が図れる。
【0018】加えて、アクチュエータとしてダイヤフラ
ム型アクチュエータに比べて外径が小さいシリンダ型ア
クチュエータを用いているため、システムの小型化が図
られるし、この小型化に伴ってレイアウトや設置スペー
スの異なる様々な車種へのシステムの共用化が達成でき
る。
【0019】上記バルブ開閉駆動制御において、ピスト
ンがストロークを開始し、制御バルブhがバルブ閉から
バルブ開に移行する時の排気圧は、シリンダ型アクチュ
エータに内蔵されているスプリングのバネ力の大きさを
決めることで設定される。
【0020】次に、2分割型制御バルブのバルブ開閉動
作について説明すると、バルブが設置されるチューブの
流路断面積の半分を覆う第1バルブのバルブ開度は、シ
リンダ型アクチュエータのピストンストロークの大きさ
に応じて無段階に変更される。一方、チューブの流路断
面積の残りの半分を覆う第2バルブのバルブ開度は、第
1バルブが全閉からほぼ中間開度までの領域では全閉状
態を保ち、第1バルブがほぼ中間開度から全開までの領
域では第1バルブに追従して開閉される。
【0021】よって、バルブ全閉からほぼ中間開度まで
の領域では、第1バルブのみがアクチュエータストロー
クにしたがって開くことで、1枚プレートのバルブと比
較した場合、開度増大比率が小さく抑えられる。そし
て、ほぼ中間開度から全開までの領域では、第1バルブ
と第2バルブとが共にアクチュエータストロークにした
がって開くことで、バルブ開度増大比率が大きくなり、
全開域では、1枚プレートのバルブでの特性に沿った応
答にてバルブ全開に至る。
【0022】(解決手段2)上記課題2の解決手段2
(請求項2)は、請求項1記載の制御型排気系システム
において、前記2分割型制御バルブを、半円状の第1バ
ルブと半円状の第2バルブとが同軸配置で構成される2
分割型バタフライバルブとし、第1バルブには、シリン
ダ型アクチュエータによる駆動でほぼ中間開度となった
時点で第2バルブと接触する連動接触部を設け、第2バ
ルブはフリーバルブとしたことを特徴とする。
【0023】作用を説明すると、バルブ全閉からほぼ中
間開度までの領域では、第1バルブのみがアクチュエー
タストロークにしたがって開き、ほぼ中間開度となった
時点で第1バルブに設けられた連動接触部が第2バルブ
と接触する。そして、第2バルブに作用する排気ガスに
よる力にて連動接触部に接触圧が付与され、第1バルブ
と第2バルブとが一体状態のままにてバルブ全開まで開
く。
【0024】(解決手段3)上記課題3の解決手段3
(請求項3)は、請求項1または請求項2記載の制御型
排気系システムにおいて、前記2分割型制御バルブを、
一端がマフラの内部室に開口されるチューブに設け、バ
ルブ閉により内部室を共鳴室とし、バルブ開により内部
室を拡張室とする制御型マフラに適用したことを特徴と
する。
【0025】作用を説明すると、2分割型制御バルブの
バルブ閉時には、バルブが設けられるチューブの一端が
開口しているマフラの内部室が共鳴室とされ、共振周波
数域(低周波数域)の排気騒音が共鳴効果により著しく
消音される。
【0026】そして、バルブの開き始めから中間開度領
域までは、第1バルブのみが開き開度増大比率が小さく
抑えられることで、共鳴効果による消音作用を強く残し
たまま排気抵抗が徐々に下げられる。
【0027】そして、バルブの中間開度領域からバルブ
全開までは、第1バルブと第2バルブが共に開き開度増
大比率が高められることで、共鳴室としての働きから一
気に拡張室としての働きに移行し、エンジン出力の増大
をもたらす排気抵抗の低減と拡張室の両壁からの反射波
の干渉による騒音の減衰がなされる。
【0028】よって、低周波数の排気騒音が有効に消音
され、これを原因として発生する車室内こもり音の低減
が図られるし、また、車両発進時の静粛性も向上する。
【0029】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)実施の形態1は、解決手段1〜解決手
段3に対応する制御型マフラ装置(制御型排気系システ
ム)である。
【0030】まず、構成を説明する。
【0031】図1は制御型マフラ装置を示す全体図、図
2は制御型マフラ装置のバルブ部拡大図、図3は制御型
マフラ装置に適用されたシリンダ型アクチュエータの半
断面図、図4は制御型マフラ装置に適用された2分割型
制御バルブを示す図、図5は制御型マフラ装置を示す概
略図である。
【0032】図1乃至図3において、1は排気マフラ、
4はマフラインレットチューブ、5は第1マフラアウト
レットチューブ、6は第2マフラアウトレットチュー
ブ、10は圧力導管、11はシリンダ型アクチュエー
タ、12は2分割型制御バルブ、13は動圧ガイド部
材、14はアクチュエータ取付ブラケット、16はバル
ブ開閉レバーである。
【0033】前記排気マフラ1は、前端板1aと後端板
1bとを有し、前端板1aには図外のエンジンからの排
気ガスが進入してくるマフラインレットチューブ4とマ
フラ内部を経過して排気ガスを排出する第1マフラアウ
トレットチューブ5が接続され、後端板1bには2分割
型制御バルブ12の開閉制御により排気ガスの排出を調
整する第2マフラアウトレットチューブ6が接続されて
いる。
【0034】ここで、排気マフラ1の内部構成を図5に
より説明すると、排気マフラ1の内部は、前端板1aと
後端板1bと3枚の仕切板1c,1d,1eにより第1
室1f,第2室1g,第3室1h,第4室1iの4つの
室にセパレートされている。
【0035】そして、マフラインレットチューブ4は、
その端部が第3室1hに開口されている。第1マフラア
ウトレットチューブ5は、その端部が第2室1gに開口
されると共に通孔1jを介して第1室1fに連通してい
る。第2マフラアウトレットチューブ6は、その端部が
第1室1fに開口されている。第1マフラチューブ1k
は、一端を第1室1fに開口し、他端を第4室1iに開
口し、通孔1mを介して第3室1hに連通している。第
2マフラチューブ1nは、第3室1hと第4室1iとを
連通している。
【0036】前記圧力導管10は、排気マフラ1内に一
端が開口され、その開口端にはマフラインレットチュー
ブ4からの排気ガス流の流れに対向して排気動圧を取り
込むテーパ状の動圧ガイド部材13が設けられている。
そして、圧力導管10の他端は、シリンダ型アクチュエ
ータ11(シリンダ室11a)に接続されている。これ
により、圧力導管10は排気静圧と排気動圧に応じた正
圧をシリンダ型アクチュエータ11に導く管として構成
されている。
【0037】前記シリンダ型アクチュエータ11は、排
気マフラ1の後端板1bにアクチュエータ取付ブラケッ
ト14を介して取り付けられ、そのピストンロッド11
dはバタフライバルブタイプの2分割型制御バルブ12
の第1バルブシャフト12bを回動させるバルブ開閉レ
バー16にピンを介して直結されている。
【0038】前記シリンダ型アクチュエータ11の具体
的構造を図4により説明すると、シリンダ型アクチュエ
ータ11は、圧力導管10が連結されるシリンダ室11
aと、このシリンダ室11aの正圧の圧力レベルに応じ
てストロークするカップシール型のピストン11bと、
ピストン11bをバルブ全閉方向に付勢するスプリング
11cと、2分割型制御バルブ12に連結されるピスト
ンロッド11dと、ピストン11bのストロークを規制
するストッパ11eと、ピストン11bのシール部が摺
動接触するシリンダ面11fとを有して構成されてい
る。
【0039】なお、スプリング11cは、エンジン回転
数約1500rpm以上の排気圧がシリンダ室11aに
作用した時に移動を開始するようにそのバネ力が設定さ
れている。
【0040】前記2分割型制御バルブ12は、図4に示
すように、バルブケース12aと、第1バルブシャフト
12bと、第1バルブ12cと、第2バルブシャフト1
2dと、第2バルブ12eと、連動接触部12fとを有
して構成されている。
【0041】第1バルブ12cは、バルブが設置される
バルブケース12aの流路断面積の半分を覆う半円状
で、シリンダ型アクチュエータ11のピストンストロー
クの大きさに応じてバルブ開度が無段階に変更される。
そして、第1バルブ12cが設けられる第1バルブシャ
フト12bには、シリンダ型アクチュエータ11による
駆動でほぼ中間開度となった時点で第2バルブ12eと
接触する連動接触部12fが形成されている。
【0042】第2バルブ12eは、バルブケース12a
の流路断面積の残りの半分を覆う半円状で、第1バルブ
シャフト12bの軸受け内面12gに回動可能に支持さ
れた第2バルブシャフト12dに一体に設けられたフリ
ーバルブである。
【0043】次に、作用を説明する。
【0044】[シリンダ型アクチュエータによるバルブ
開閉制御]走行時、エンジンから排気ガスが流れてくる
と、マフラインレットチューブ4から排気圧に応じた正
圧の圧力が圧力導管10を介してシリンダ型アクチュエ
ータ11のシリンダ室11aに導かれる。そして、シリ
ンダ室11aではこの圧力レベルに応じてピストン11
bがストロークするため、シリンダ型アクチュエータ1
1のピストンロッド11dに連結されている2分割型制
御バルブ12は、このピストンストロークの大きさに応
じてバルブ開度が無段階に変更される。
【0045】このバルブ開閉駆動制御において、ピスト
ン11bがストロークを開始し、2分割型制御バルブ1
2がバルブ閉からバルブ開に移行する時の排気圧は、シ
リンダ型アクチュエータ11に内蔵されているスプリン
グ11cのバネ力の大きさを決めることで設定される。
【0046】したがって、例えば、加速操作時でエンジ
ン回転数の上昇に伴い排気圧の圧力レベルが高まる時に
は、制御バルブhがバルブ閉から徐々にバルブ開度が増
してバルブ開へと無段階に変更されるため、所定のエン
ジン回転数にてバルブ閉からバルブ開に一気に切り換わ
る場合のように排気静圧や排気音の一時的な高低がな
く、排気静圧特性や排気音特性がリニアに増加する特性
を示す。
【0047】この結果、バルブ閉からバルブ開へと移行
するエンジン回転領域で行なわれる加速操作時に、滑ら
かな加速感と心地良い加速排気音が得られる。
【0048】この制御型マフラ装置を車両に適用するに
あたって、バルブアクチュエータとして、排気圧により
駆動されるアクチュエータを用いているため、モータア
クチュエータやソレノイドを用いて電子制御するシステ
ムに比べて大幅にシステムのコスト低減が図れる。
【0049】加えて、アクチュエータとしてダイヤフラ
ム型アクチュエータに比べて外径が小さいシリンダ型ア
クチュエータ11を用いているため、システムの小型化
が図られるし、この小型化に伴ってレイアウトや設置ス
ペースの異なる様々な車種へのシステムの共用化が達成
できる。
【0050】[バルブ開閉動作]2分割型制御バルブ1
2のバルブ開閉動作について図4に基づいて説明する。
第1バルブ12cのバルブ開度は、シリンダ型アクチュ
エータ11のピストンストロークの大きさに応じて無段
階に変更される。一方、第2バルブ12eのバルブ開度
は、第1バルブ12cが全閉からほぼ中間開度までの領
域では連動接触部12fが第2バルブ12eに接触しな
いことで全閉状態を保ち、第1バルブ12cがほぼ中間
開度となった時点で第1バルブ12c側に設けられた連
動接触部12fが第2バルブ12eと接触する。そし
て、第2バルブ12eに作用する排気ガスによる力にて
連動接触部12fに接触圧が付与され、第1バルブ12
cと第2バルブ12eとが一体状態のままにてバルブ全
開まで開く。
【0051】よって、バルブ全閉からほぼ中間開度まで
の領域では、第1バルブ12cのみがアクチュエータス
トロークにしたがって開くことで、1枚プレートのバル
ブと比較した場合、開度増大比率が小さく抑えられる。
そして、ほぼ中間開度から全開までの領域では、第1バ
ルブ12cと第2バルブ12eとが共にアクチュエータ
ストロークにしたがって開くことで、バルブ開度増大比
率が大きくなり、全開域では、1枚プレートのバルブで
の特性に沿った応答にてバルブ全開に至る。
【0052】すなわち、バルブ開度特性にてあらわす
と、図7の実線特性に示すように、バルブ全閉からバル
ブ全開に至る応答は1枚バルブの場合と変わらないもの
の、1枚バルブの場合に比べ、排気圧が低圧の領域では
バルブ開度増大比率(バルブ開度ゲイン)が小さく抑え
られる。
【0053】[マフラ消音作用]2分割型制御バルブ1
2のバルブ閉時には、図5に示すように、2分割型制御
バルブ12が設けられる第2マフラアウトレットチュー
ブ6の一端が開口している第1室1fが共鳴室とされ、
室容積で決まる共振周波数域(低周波数域)の排気騒音
が共鳴効果により著しく消音される。
【0054】そして、バルブの開き始めから中間開度領
域までは、第1バルブのみが開き開度増大比率が小さく
抑えられることで、第1室1fでの共鳴効果による消音
作用を強く残したまま排気抵抗が徐々に下げられる。
【0055】そして、バルブの中間開度領域からバルブ
全開までは、第1バルブ12cと第2バルブ12eが共
に開き開度増大比率が高められることで、第1室1fが
共鳴室としての働きから一気に拡張室としての働きに移
行し、バルブ全開時には、図6に示すように、第1室1
fが拡張室としての機能を発揮する状態となり、エンジ
ン出力の増大をもたらす排気抵抗の低減と反射波の干渉
による騒音の減衰がなされる。
【0056】よって、排気騒音特性をみた場合、図8の
実線特性に示すように、1枚バルブに比べて、低排気圧
域での消音性能に優れる。
【0057】この結果、低周波数の排気騒音を原因とし
て発生する車室内こもり音の低減が図られるし、また、
車両発進時の静粛性も向上する。
【0058】次に、効果を説明する。
【0059】(1)排気系の排気マフラ1に一端が開口
され、排気圧を導く圧力導管10と、前記圧力導管10
の他端がシリンダ室11aに接続され、シリンダ室11
aの圧力レベルに応じてバルブ開方向にストロークする
ピストン11bを有するシリンダ型アクチュエータ11
と、前記シリンダ型アクチュエータ11のピストンロッ
ド11dに連結され、ピストンストロークの大きさに応
じてバルブ開度が無段階に変更される2分割型制御バル
ブ12とを設けた装置としたため、コスト低減,小型
化,共用化を達成しながら加速操作時に滑らかな加速感
と心地良い加速排気音を得ることができる。
【0060】(2)圧力導管10を、排気マフラ1の内
部室に一端を開口して排気圧を導く管としたため、サー
ジタンクを必要とせず、排気マフラ1において整圧作用
が発揮されるので、2分割型制御バルブ12の開閉動作
のふらつきが抑えられ、エンジン回転が低回転の領域で
もバルブ制御が可能となる。
【0061】(3)排気マフラ1から排気圧を導入する
シリンダ型アクチュエータ11を、ブラケット14を介
して排気マフラ1に取り付ける構成としたため、圧力導
管10の配管長が短くなり、よりシステムの小型化を図
ることができる。
【0062】(4)圧力導管10の排気マフラ側開口端
に、マフラインレットチューブ4からの排気ガス流の流
れに対向して排気動圧を取り込むテーパ状の動圧ガイド
部材13を設けたため、排気動圧の導入効率が高まり、
小型で低圧タイプのシリンダ型アクチュエータ11を用
いたとしてもピストンストローク駆動が確実で安定した
ものとすることができる。
【0063】(5)シリンダ型アクチュエータ11には
ピストン11bをバルブ閉方向に付勢するスプリング1
1cを内蔵すると共に、シリンダ型アクチュエータ11
のピストンロッド11dにバルブ開閉レバー16を直結
する構成としたため、アクチュエータ11に内蔵されて
いるスプリング11cにピストン作動圧調整機能とバル
ブフェールセーフ機能とを併せて持たせることができ
る。
【0064】(6)制御バルブとして、シリンダ型アク
チュエータ11のピストンストロークの大きさに応じて
バルブ開度が無段階に変更される第1バルブ12cと、
第1バルブ12cが全閉からほぼ中間開度までの領域で
は全閉状態を保ち、第1バルブ12cがほぼ中間開度か
ら全開までの領域では第1バルブ12cに追従して開閉
される第2バルブ12eとにより構成される2分割型制
御バルブ12を用いたため、排気圧に対するバルブ全開
応答を変えることなくバルブ開度が全閉から中間開度へ
移行する領域でのバルブ開度ゲインを小さく抑えること
ができる。
【0065】(7)第1バルブ12cには、シリンダ型
アクチュエータ11による駆動でほぼ中間開度となった
時点で第2バルブ12eと接触する連動接触部12fを
設け、第2バルブ12eはフリーバルブとしたため、ア
クチュエータを第1バルブ12cと第2バルブ12eと
にそれぞれ用いたり、複雑な連動機構を用いたりするこ
となく、簡単な2分割バルブ構造とすることができる。
【0066】(8)2分割型制御バルブ12を、一端が
排気マフラ1の第1室1fに開口される第2マフラアウ
トレットチューブ6に設け、バルブ閉により第1室1f
を共鳴室とし、バルブ開により第1室1fを拡張室とす
る制御型マフラ装置に適用したため、1枚バルブの場合
に比べて、こもり音低減と車両発進時の静粛性向上を図
ることができる。
【0067】(他の実施の形態)実施の形態1では、制
御型排気系システムとしてアウトレットチューブにバル
ブが設けられる制御型マフラ装置の例を示したが、マフ
ラ内のチューブにバルブが設けられる制御型マフラ装置
やマフラより上流側(エンジン側)の排気チューブにバ
ルブが設けられるシステムにも適用することができる。
【0068】実施の形態1では、第1バルブシャフト1
2bに連動接触部12fを形成した例を示したが、図9
に示すように、第1バルブ12cにアダプタ12hを設
け、アダプタ12hの端部に連動接触部12fを形成す
る例としても良い。
【0069】実施の形態1では、圧力導管の一端を排気
マフラ内に開口した例を示したが、排気チューブに開口
しても良い。
【0070】実施の形態1では、2分割型制御バルブと
してバタフライバルブタイプのものを示したが、バルブ
開度が無段階に変更できるものであればシャッター型バ
ルブ等に対しても適用できる。
【0071】実施の形態1では、第2バルブをフリーバ
ルブとする例を示したが、シリンダ型アクチュエータの
初期〜中間ストローク域までをロスストロークにし、中
間〜全開ストローク域までをアクチュエータストローク
とする機構を介して駆動させるようにしても良い。
【0072】
【発明の効果】請求項1記載の発明にあっては、エンジ
ンから排出される燃焼ガスをエンジンマニホールドから
大気へ排出する排気系の途中に設けられたバルブを開閉
することで排気系機能を制御する制御型排気系システム
において、一端が排気系の排気チューブもしくはマフラ
に開口され、排気系から排気圧を導く圧力導管と、圧力
導管の他端がシリンダ室に接続され、シリンダ室の圧力
レベルに応じてストロークするピストンと、該ピストン
を付勢するスプリングを内蔵するシリンダ型アクチュエ
ータと、バルブが設置されるチューブの流路断面積の半
分を覆い、シリンダ型アクチュエータのピストンストロ
ークの大きさに応じてバルブ開度が無段階に変更される
第1バルブと、チューブの流路断面積の残りの半分を覆
い、第1バルブが全閉からほぼ中間開度までの領域では
全閉状態を保ち、第1バルブがほぼ中間開度から全開ま
での領域では第1バルブに追従して開閉される第2バル
ブとにより構成される2分割型制御バルブと、を設けた
システムとしたため、コスト低減,小型化,共用化を達
成しながら加速操作時に滑らかな加速感と心地良い加速
排気音を得ると共に、排気圧に対するバルブ全開応答を
変えることなくバルブ開度が全閉から中間開度へ移行す
る領域でのバルブ開度ゲインを小さく抑えることができ
るという効果が得られる。
【0073】請求項2記載の発明にあっては、請求項1
記載の制御型排気系システムにおいて、2分割型制御バ
ルブを、半円状の第1バルブと半円状の第2バルブとが
同軸配置で構成される2分割型バタフライバルブとし、
第1バルブには、シリンダ型アクチュエータによる駆動
でほぼ中間開度となった時点で第2バルブと接触する連
動接触部を設け、第2バルブはフリーバルブとしたた
め、簡単な2分割バルブ構造にて、上記効果を達成する
ことができる。
【0074】請求項3記載の発明にあっては、請求項1
または請求項2記載の制御型排気系システムにおいて、
2分割型制御バルブを、一端がマフラの内部室に開口さ
れるチューブに設け、バルブ閉により内部室を共鳴室と
し、バルブ開により内部室を拡張室とする制御型マフラ
に適用したため、こもり音低減と車両発進時の静粛性向
上を図りながら、上記効果を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の制御型マフラ装置を示す全体図
である。
【図2】実施の形態1の制御型マフラ装置のバルブ部拡
大図である。
【図3】実施の形態1の制御型マフラ装置に適用された
シリンダ型アクチュエータの半断面図である。
【図4】実施の形態1の制御型マフラ装置に適用された
2分割型制御バルブを示す図である。
【図5】実施の形態1の制御型マフラ装置でのバルブ閉
状態を示す概略図である。
【図6】実施の形態1の制御型マフラ装置でのバルブ開
状態を示す概略図である。
【図7】排気圧に対するバルブ開度特性比較図である。
【図8】エンジン回転数に対する排気騒音特性比較図で
ある。
【図9】2分割型制御バルブの他の実施の形態を示す概
略図である。
【符号の説明】
1 排気マフラ 4 マフラインレットチューブ 5 第1マフラアウトレットチューブ 6 第2マフラアウトレットチューブ 10 圧力導管 11 シリンダ型アクチュエータ 12 2分割型制御バルブ 12c 第1バルブ 12e 第2バルブ 12f 連動接触部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16K 1/22 F16K 1/22 E

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンから排出される燃焼ガスをエン
    ジンマニホールドから大気へ排出する排気系の途中に設
    けられたバルブを開閉することで排気系機能を制御する
    制御型排気系システムにおいて、 一端が排気系の排気チューブもしくはマフラに開口さ
    れ、排気系から排気圧を導く圧力導管と、 前記圧力導管の他端がシリンダ室に接続され、シリンダ
    室の圧力レベルに応じてストロークするピストンと、該
    ピストンを付勢するスプリングを内蔵するシリンダ型ア
    クチュエータと、 バルブが設置されるチューブの流路断面積の半分を覆
    い、シリンダ型アクチュエータのピストンストロークの
    大きさに応じてバルブ開度が無段階に変更される第1バ
    ルブと、チューブの流路断面積の残りの半分を覆い、第
    1バルブが全閉からほぼ中間開度までの領域では全閉状
    態を保ち、第1バルブがほぼ中間開度から全開までの領
    域では第1バルブに追従して開閉される第2バルブとに
    より構成される2分割型制御バルブと、 を備えていることを特徴とする制御型排気系システム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の制御型排気系システムに
    おいて、 前記2分割型制御バルブを、半円状の第1バルブと半円
    状の第2バルブとが同軸配置で構成される2分割型バタ
    フライバルブとし、第1バルブには、シリンダ型アクチ
    ュエータによる駆動でほぼ中間開度となった時点で第2
    バルブと接触する連動接触部を設け、第2バルブはフリ
    ーバルブとしたことを特徴とする制御型排気系システ
    ム。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の制御型排
    気系システムにおいて、 前記2分割型制御バルブを、一端がマフラの内部室に開
    口されるチューブに設け、バルブ閉により内部室を共鳴
    室とし、バルブ開により内部室を拡張室とする制御型マ
    フラに適用したことを特徴とする制御型排気系システ
    ム。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005066470A1 (en) * 2004-01-08 2005-07-21 Save The World Air, Inc. Inline exhaust device to improve efficiency of a catalytic converter
JP2009167941A (ja) * 2008-01-17 2009-07-30 Denso Corp 排気浄化装置
KR100950997B1 (ko) * 2009-09-15 2010-04-02 (주) 피코사운드 스포츠 모드 가변 소음기
CN109185596A (zh) * 2018-09-05 2019-01-11 辽宁石油化工大学 一种用于管道的防水击结构

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