JPH08291166A - トリオキサンの製造方法 - Google Patents

トリオキサンの製造方法

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JPH08291166A
JPH08291166A JP7096413A JP9641395A JPH08291166A JP H08291166 A JPH08291166 A JP H08291166A JP 7096413 A JP7096413 A JP 7096413A JP 9641395 A JP9641395 A JP 9641395A JP H08291166 A JPH08291166 A JP H08291166A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 固体酸触媒を用いてホルムアルデヒド水溶液
からトリオキサンを合成するに際し、長期的に安定した
運転が可能で実用的かつ経済的なトリオキサンの製造方
法を提供する。 【構成】 ホルムアルデヒド水溶液からトリオキサンを
製造するにあたり、2つの機能工程からなる製造装置を
用い、第1の機能工程でイオン交換能を有する物質を用
いて主としてホルムアルデヒド水溶液中の金属不純物の
除去を行い、第2の機能工程で金属不純物の除去された
ホルムアルデヒド水溶液から固体酸触媒を用いて主とし
てトリオキサンの合成を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリオキシメチレンの
原料であるトリオキサンをホルムアルデヒド水溶液から
製造するための、実用的かつ経済的な製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ホルム
アルデヒドの環状三量体であるトリオキサンは、一般
に、ホルムアルデヒド水溶液を酸触媒の存在下で加熱す
ることにより合成される。この時、液相におけるトリオ
キサンの平衡濃度は、原料ホルムアルデヒド水溶液の濃
度が30〜70重量%の場合でも概ね2〜4重量%に過ぎ
ず、多量のホルムアルデヒドが未反応のまま残存するこ
とが知られている。従って、精製トリオキサンを得るた
めには、トリオキサンを含む反応生成物をまず酸触媒か
ら分離し、しかる後にトリオキサンをホルムアルデヒド
及び水等から分離精製する必要がある。従来、かかるト
リオキサンの具体的な製造方法として、特公昭41−6344
号公報には、30〜70重量%のホルムアルデヒド水溶液を
硫酸等の液状酸触媒の存在下で加熱反応させると共に、
蒸留によりトリオキサン、ホルムアルデヒド及び水を含
む留出液として液状酸触媒から分離した後、溶剤抽出等
の方法で留出液からトリオキサンを分離し精製する方法
が開示されている。しかしながら、このようにトリオキ
サンの合成触媒として硫酸等の液体触媒を用いる方法で
は、トリオキサンを含む成分を触媒から分離するにあた
り、蒸留等の操作を必要とするため多大なエネルギーを
要するという問題がある。これに対し、トリオキサンを
含む反応生成物と触媒との分離を容易にし、これに要す
るエネルギーの削減を図る方法として、触媒として各種
固体酸、例えば強酸性陽イオン交換樹脂等の有機固体酸
やゼオライト等の無機固体酸を用いる方法が提案されて
いる。さらに、固体酸触媒からトリオキサンを含む反応
生成物を分離した後の経済的なトリオキサンの精製方法
として、該溶液より直接トリオキサンを溶剤抽出して精
製する方法も提案されている(特開平4−49250 号公
報、特開平6−73046 号公報)。かかる方法によれば、
反応生成物を触媒から分離するにあたり、実質的にエネ
ルギーを必要としないという利点がある。しかしなが
ら、本発明者が追試したところ、上記の如き固体酸触媒
によるトリオキサンの製造方法をそのまま実際のプラン
トに適用した場合、長期的に安定した運転を行うことは
実質的に不可能であった。即ち、前述した如く、ホルム
アルデヒド水溶液から酸触媒の存在下でトリオキサンを
合成する際のトリオキサンの平衡濃度は低く、多量のホ
ルムアルデヒドが未反応のまま水溶液中に残存するた
め、所望量のトリオキサンを合成するためには多量のホ
ルムアルデヒド水溶液を固体酸触媒と接触させる必要が
あり、また、多量の未反応ホルムアルデヒド水溶液を回
収し、これをトリオキサン合成のための原料ホルムアル
デヒド水溶液として再使用することが必要となるが、上
記の如き方法では、固体酸触媒の活性が短期間で急速に
低下し、これに伴いトリオキサンの生成量が減少し、所
望量のトリオキサンを安定して得ることが困難になると
いう問題がある。また、短期間で固体酸触媒を含む反応
器での圧損の増大あるいは偏流が生じ、ホルムアルデヒ
ド水溶液の安定した流量での供給および安定したトリオ
キサン生成量の確保が難しくなるという問題が生じる場
合もある。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者は、固体酸触媒
を用いてホルムアルデヒド水溶液からトリオキサンを合
成する際のかかる課題を解決し、長期的に安定した運転
が可能で実用的かつ経済的なトリオキサンの製造方法を
提供することを目的として鋭意検討した結果、かかる課
題を引き起こす要因を解明し且つその効果的な解決策を
見出し、本発明に到達した。即ち、本発明における請求
項1の発明は、ホルムアルデヒド水溶液からトリオキサ
ンを製造するにあたり、2つの機能工程からなる製造装
置を用い、第1の機能工程でイオン交換能を有する物質
を用いて主としてホルムアルデヒド水溶液中の金属不純
物の除去を行い、第2の機能工程で金属不純物の除去さ
れたホルムアルデヒド水溶液から固体酸触媒を用いて主
としてトリオキサンの合成を行うことを特徴とするトリ
オキサンの製造方法である。また請求項2の発明は、上
記請求項1において、第2の機能工程における固体酸触
媒として強酸性陽イオン交換樹脂を用いるトリオキサン
の製造方法である。また請求項3の発明は、上記請求項
1において、第2の機能工程を固体酸触媒の充填された
1つの塔によって構成し、これを用いるトリオキサンの
製造方法である。また請求項4の発明は、上記請求項3
において、第2の機能工程におけるトリオキサンの合成
をホルムアルデヒド水溶液の上昇流のもとで行うトリオ
キサンの製造方法である。また請求項5の発明は、上記
請求項1において、第1の機能工程におけるイオン交換
能を有する物質として陽イオン交換樹脂を用いるトリオ
キサンの製造方法である。また請求項6の発明は、上記
請求項1において、第1の機能工程が並列に設けられた
2以上の塔で構成されたものであるトリオキサンの製造
方法である。また請求項7の発明は、上記請求項6にお
いて、第1の機能工程で並列に設けられた塔を交互に金
属不純物の除去操作のために使用するとともに交互に再
生操作を行うトリオキサンの製造方法である。また請求
項8の発明は、上記請求項6において、第1の機能工程
における金属不純物の除去をホルムアルデヒド水溶液の
下降流のもとで行うトリオキサンの製造方法である。
【0004】以下、本発明について詳細に説明する。ま
ず本発明者は、固体酸触媒によるトリオキサンの製造に
おける前述の如き課題を解決するに先立ち、かかる課題
を引き起こしている要因について深く検討し、解明し
た。即ち、本発明者が検討したところによれば、実用プ
ラントでトリオキサンの製造に使用されるホルムアルデ
ヒド水溶液には数ppb から数十ppm の金属イオンが含ま
れていることが検出され、また、かかる金属イオンが固
体酸触媒に吸着されることによって酸触媒としての活性
が低下し、トリオキサンの合成に極めて重大な影響を及
ぼしていることが判明した。さらに詳しく説明すれば、
前述の如く、ホルムアルデヒド水溶液から酸触媒の存在
下でトリオキサンを合成する際のトリオキサンの平衡濃
度は低いため、多量のホルムアルデヒド水溶液を反応に
供して固体酸触媒と接触する必要があり、また、未反応
のまま残存する多量のホルムアルデヒド水溶液を回収し
これをトリオキサン合成のためのホルムアルデヒド水溶
液として再使用することが必要となるが、金属イオン
は、原料ホルムアルデヒド水溶液の製造工程、未反応ホ
ルムアルデヒド水溶液の回収工程、或いはこれらの貯
蔵、移送、濃縮等の工程において装置・配管等より溶出
する。一方、触媒として用いる固体酸はイオン交換能を
有する物質であり、その酸点において金属イオンをイオ
ン交換により吸着して失活し、トリオキサン合成のため
の酸触媒としての機能を低下させ、長期の使用に耐えな
いことになる。かかる如く、ホルムアルデヒド水溶液中
の微量の金属イオンの存在が、トリオキサンの実用的な
製造プロセスを考えるにあたり、安定運転を阻害する致
命的な要因になっていることは驚くべきことであった。
また、本発明者がさらに検討したところによれば、原料
ホルムアルデヒド水溶液が高濃度になるほど固形状のホ
ルムアルデヒド低重合体であるパラホルムの発生が容易
となり、かかるパラホルムがホルムアルデヒド水溶液内
に存在した場合、固体酸触媒の充填された反応器中にパ
ラホルムが沈澱となって蓄積し、これに伴い圧損の増
大、不安定な流量、偏流等が生じ、長期に渡る安定運転
を阻害する要因になることも判明した。本発明はかかる
原因解明とその知見を基に、その解決策について鋭意検
討した結果なされたものであり、前記の如く、ホルムア
ルデヒド水溶液からトリオキサンを製造するにあたり、
第1の機能工程でイオン交換能を有する物質を用いて主
としてホルムアルデヒド水溶液中の金属不純物の除去を
行い、第2の機能工程で金属不純物の除去されたホルム
アルデヒド水溶液から固体酸触媒を用いて主としてトリ
オキサンの合成を行うことを特徴とするものである。即
ち本発明は、ホルムアルデヒド水溶液から固体酸触媒を
用いてトリオキサンを合成するに際し、長期の安定運転
を達成するため、安定運転を阻害する因子に対応する部
分と、反応を達成する部分の、2機能に分割することを
特徴とする。
【0005】ここで、トリオキサンの製造のためのホル
ムアルデヒド水溶液としては、常法に従って製造された
ホルムアルデヒド水溶液、これを精製、濃縮あるいは希
釈したホルムアルデヒド水溶液、回収された未反応ホル
ムアルデヒド水溶液等が用いられ、また、これらを混合
して使用することも可能である。使用するホルムアルデ
ヒド水溶液の濃度は特に限定されないが、通常は30〜80
重量%であり、好ましくは50〜70重量%のものが用いら
れる。本発明において、かかるホルムアルデヒド水溶液
はまず第1の機能工程に供され、イオン交換能を有する
物質を用いて主としてホルムアルデヒド水溶液中の金属
不純物の除去が行われる。ここで、金属不純物の除去の
ため用いる物質はイオン交換能を有するものであれば特
に限定はなく、例えば後述する第2機能工程で固体酸と
して例示する物質の多くが使用可能である。中でも好ま
しいのは陽イオン交換樹脂である。この第1の機能工程
において、かかるイオン交換能を有する物質は、金属不
純物を吸着することによりその性能は時間の経過ととも
に劣化し、再生を要することになる。また、パラホルム
が工程内に滞留蓄積し、運転上の支障が生じる場合もあ
る。このような状況に対処し、連続運転を可能ならしめ
るため、本発明において、第1の機能工程は2以上の並
列に設けられた塔で構成するのが好ましい。各塔にはイ
オン交換能を有する物質が充填される。このように第1
の機能工程を2以上の塔で構成することにより、少なく
とも1塔をホルムアルデヒド水溶液の前処理、即ち金属
イオンの除去のために使用し、一方、金属イオンを吸着
しイオン交換能の低下した別の塔を再生処理する操作
を、交互或いは順次繰り返すことにより、長期的に連続
した運転が可能となる。実施にあたっての具体的な塔数
は、原料ホルムアルデヒド水溶液中の成分と、経済性・
操作性等を考慮して決定すべきものであるが、通常は2
塔による操作が特に好ましく、これによって充分な効果
を得ることができる。上記におけるホルムアルデヒド水
溶液からの金属イオンの除去操作と再生操作の交換頻度
は、原料ホルムアルデヒド水溶液中の金属不純物量と滞
留時間および操作容易性によって決定されるが、好まし
くは1回/1日ないし1回/14日である。
【0006】また本発明において、第1の機能工程の操
作はホルムアルデヒド水溶液の下降流のもとで行うのが
好ましい。これにより、上昇流の場合と比較して金属吸
着速度が向上すると共に、パラホルムが原料ホルムアル
デヒド水溶液中に存在する場合のフィルターとしての機
能が向上する。ここで吸着された金属イオンは塩酸等に
よる再生操作により除去されると同時に、パラホルムは
上昇流による逆洗展開により塔内から系外に効率的に排
出される。この第1機能工程における滞留時間は、主に
原料ホルムアルデヒド水溶液中の金属不純物を吸着除去
するのに充分な時間で足り、操作条件等にもよるが、例
えば強酸性陽イオン交換樹脂を用いた場合、通常1分〜
5分で充分な効果が得られる。滞留時間があまり長時間
になると副生成物の蟻酸量が増加し、次の第2機能工程
におけるトリオキサンの合成に対し、好ましくない影響
を及ぼす場合がある。また、第1機能工程における原料
ホルムアルデヒド水溶液の線速度は、使用するイオン交
換能を有する物質にもよるが、5〜50m/hが好まし
い。線速度が5m/h未満では処理量に比した装置の塔
断面積が大きくなり、偏流の可能性が生じ、所期の目的
を達成しにくくなる恐れがある。また50m/hを越える
と圧損が増大し、流速の維持が困難になる恐れがある。
【0007】次に、第1の機能工程において主として金
属イオンの除去されたホルムアルデヒド水溶液は、第2
の機能工程に供されて固体酸触媒によりトリオキサンの
合成が行われる。ここで用いられる固体酸としては有機
物固体酸、無機物固体酸のいずれでもよい。有機固体酸
としては、スルホン酸基、フルオロアルカンスルホン酸
基等を有するイオン交換樹脂、無機固体酸としては、酸
性白土、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、アルミナ
ボリア、ゼオライト等の無機物酸化物複合体、あるいは
固体単体に硫酸、燐酸、ほう酸等を含浸させたものが例
示される。中でも有機物固体酸である上記の如きイオン
交換樹脂が好ましく、特に好ましくは強酸性陽イオン交
換樹脂である。本反応系での固体酸は、ホルムアルデヒ
ド水溶液中で用いるため、水中でも酸としての活性を維
持するブレンステッド酸が好ましく、かつ水中に酸基の
流出のないものが好ましいためである。本発明におい
て、第2の機能工程の装置構成は特に限定するものでは
ないが、トリオキサンの合成効率と建設費等のバランス
を考慮すると1つの塔で構成し、これに固体酸を充填し
て使用するのが好ましい。また、この第2の機能工程に
おいては、原料ホルムアルデヒド水溶液の上昇流のもと
で操作すなわちトリオキサンの合成を行うのが好まし
い。これにより、万一パラホルムが装置内に持ち込まれ
たり装置内で発生した場合にも、それによるトラブルを
防止し、パラホルムを容易に塔内より流出させることが
可能となる。本発明においては、かかる第2の機能工程
における操作条件或いはトリオキサン生成量等について
特に制約を設けるものではないが、実用的かつ経済的な
トリオキサンの製造を行うためには、かかる第2の機能
工程において、供給されるホルムアルデヒド水溶液濃度
に対して実質的に平衡濃度までトリオキサン濃度を高め
るような条件で反応を行わせるのが好ましい。このため
に必要な滞留時間は、使用する固体酸の種類、反応温度
等によって異なるが、強酸性陽イオン交換樹脂を用いて
80〜110 ℃前後の反応温度で操作を行う場合は、概ね5
分〜25分である。ホルムアルデヒド水溶液からトリオキ
サンを製造する反応は平衡反応であり、平衡反応到達時
間以上の滞留時間をかけることは副生成物である蟻酸等
の生成の増大につながるため、滞留時間の設定には注意
を払う必要がある。具体的には、使用する固体酸の種類
や反応条件に応じた簡単な実験で、好ましい滞留時間は
容易に確認できる。使用する固体酸の量は、この滞留時
間を設定することにより求められる。また、かかる第2
の機能工程における線速度も使用する固体酸種による
が、塔内の固体酸が流動しパラホルムの流出を容易なら
しめるため、固体酸の展開槽があまり広くならないよう
に3〜15m/hが好ましい。
【0008】なお、本発明において前記の如き第1の機
能工程および第2の機能工程に使用する装置形式の具体
例としては、充填槽型、パイプ管型、かご型、流動槽
型、段塔型等が挙げられるが、これに限定されるもので
はない。また、装置条件・操作条件についても、原料ホ
ルムアルデヒド水溶液の性状(ホルムアルデヒド濃度、
含有金属不純物分、含有パラホルム懸濁分)とその処理
量、固体酸種および使用固体酸量、固体酸への金属吸着
速度および固体酸触媒によるトリオキサン生成速度など
を考慮し、先に記した条件を基に設計すればよい。本発
明のトリオキサンの製造方法において、パラホルム生成
防止剤として知られた物質は一般に添加しないのが好ま
しい。かかる物質の添加により、パラホルムの発生は阻
止されるものの、その添加成分の反応系よりの分離に問
題があり、さらには系内にこれらの添加物が蓄積し、パ
ラホルムの発生阻止のみならず、トリオキサンの生成も
阻害するという問題が生じる。
【0009】本発明において、上記の如きトリオキサン
の製造方法によって得られる反応生成物は、トリオキサ
ンの他に多量のホルムアルデヒド、水及び少量の不純物
を含む混合物である。この反応生成物からトリオキサン
を精製するにあたっては、公知の方法が利用できる。な
かでも、反応生成物から高沸点溶剤でトリオキサンを抽
出した後、蒸留によりトリオキサンを分離する方法が好
ましい。また、多量の未反応ホルムアルデヒドは水溶液
の形で回収し、必要なら濃縮等の処理を行ったのち、一
般的にはトリオキサンの合成のため再使用される。
【0010】
【実施例】以下、実施例をもって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。な
お、以下の実施例、比較例および参考例において用いた
装置、原料ホルムアルデヒド水溶液、操作条件及び評価
項目は下記の通りである。 (1)装置 第1の機能工程:内径1cm、高さ 150cmの保温ジャケッ
ト付きカラム イオン交換能を有する物質として、強酸性陽イオン交換
樹脂であるダイヤイオンPK216(三菱化学(株)
製)を300cc充填(以下、「プレカラム」と呼ぶ) 第2の機能工程:内径2cm、高さ 200cmの保温ジャケッ
ト付きカラム 固体酸触媒として、強酸性陽イオン交換樹脂であるダイ
ヤイオンPK216(三菱化学(株)製)を1200cc充填
(以下、「メインカラム」と呼ぶ) (2)ホルムアルデヒド水溶液 ホルムアルデヒド濃度 60 重量% 含有金属成分 鉄イオン濃度 2.5 ppm クロムイオン濃度 1.0 ppm ニッケルイオン濃度 0.5 ppm (3)操作条件 ホルムアルデヒド水溶液流量(設定) 6000cm3/h プレカラム線速度 20m/h メインカラム線速度 5m/h 温度(両カラム共) 100 ℃ (4)評価項目 装置から排出される溶液のトリオキサン濃度、金属イ
オン濃度 ホルムアルデヒド水溶液実流量 パラホルムの発生、蓄積の有無(目視観察) 比較例1 図1の如きトリオキサン連続製造装置において、第1の
機能工程であるプレカラムを設けることなく、トリオキ
サン合成のための第2の機能工程であるメインカラムの
みを用いて、トリオキサンの合成を行った。実験は、ホ
ルムアルデヒド水溶液の上昇流のもとでの操作と、下降
流のもとでの操作の両方を行った。結果を表1に示す。
いずれの場合も、ホルムアルデヒド水溶液中の金属イオ
ンが固体酸に吸着されることによる触媒活性の低下と、
これに伴うトリオキサン転化率(濃度)の低下が見られ
た。また、下降流のもとでの操作では、固体酸面上への
パラホルムの蓄積により流量低下が見られたのに対し、
上昇流のもとでの操作では、長時間に渡り流量低下は見
られなかった。この結果から、長期安定運転のために
は、トリオキサン合成反応に先立ち金属イオン等の除去
が必要なこと、また、トリオキサン合成反応は上昇流の
もとで行うのが好ましいことが示唆された。
【0011】参考例1 ホルムアルデヒド水溶液中の金属イオンの除去効率を確
認するため、第1の機能工程に相当するプレカラムのみ
を用いて、ホルムアルデヒド水溶液の通液を行った。実
験は、ホルムアルデヒド水溶液の上昇流のもとでの操作
と、下降流のもとでの操作の両方を行った。結果を表2
に示す。金属イオンの除去効率の面では、下降流のもと
での操作の方が上昇流のもとでの操作より優れているこ
とが認められた。一方、下降流のもとでの操作を長時間
続けると、充填物表面上へのパラホルムの蓄積により流
量低下が見られた。そこで、ホルムアルデヒド水溶液の
通液を止め、100 ℃の温水を上昇流で10分間流すことに
よってパラホルム分を排出除去した後、再度ホルムアル
デヒド水溶液の通液を行ったところ、流量はもとの状態
に復帰した。この結果から、金属イオンの除去効率を維
持しつつ流量低下の問題を解決するためには、第1の機
能工程を少なくとも2つの塔で構成し、金属イオンの除
去操作と再生操作を交互に繰り返すのが合理的であると
いう知見を得た。
【0012】実施例1 ホルムアルデヒド水溶液の前処理のための第1の機能工
程であるプレカラム2基(A、B)と、トリオキサン合
成のための第2の機能工程であるメインカラム1基とを
図1のように接続し、ホルムアルデヒド水溶液を通液し
てトリオキサンの合成を行った。プレカラムは一定期間
毎に切り替えて使用し、一定期間ホルムアルデヒド水溶
液の前処理に供したプレカラムは、5%塩酸によるイオ
ン交換樹脂の再生処理と温水の上昇流によるパラホルム
の抽出除去操作を行うことで、連続運転を行った。結果
を表3に示す。また、図1において、プレカラムへの通
液を上昇流で行った場合及びメインカラムへの通液を下
降流で行った場合についても、同様にテストした。これ
らの場合においても、上記実施例には及ばないもののプ
レカラムを設けた効果は顕著であり、単にメインカラム
のみを用いた場合よりもはるかに長時間の安定した連続
運転が可能であった。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例で用いた実際のトリオキサン
連続製造装置の概略図である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホルムアルデヒド水溶液からトリオキサ
    ンを製造するにあたり、2つの機能工程からなる製造装
    置を用い、第1の機能工程でイオン交換能を有する物質
    を用いて主としてホルムアルデヒド水溶液中の金属不純
    物の除去を行い、第2の機能工程で金属不純物の除去さ
    れたホルムアルデヒド水溶液から固体酸触媒を用いて主
    としてトリオキサンの合成を行うことを特徴とするトリ
    オキサンの製造方法。
  2. 【請求項2】 第2の機能工程における固体酸触媒が、
    強酸性陽イオン交換樹脂である請求項1記載のトリオキ
    サンの製造方法。
  3. 【請求項3】 第2の機能工程が、固体酸触媒の充填さ
    れた1つの塔によって構成されたものである請求項1記
    載のトリオキサンの製造方法。
  4. 【請求項4】 第2の機能工程におけるトリオキサンの
    合成を、ホルムアルデヒド水溶液の上昇流のもとで行う
    請求項3記載のトリオキサンの製造方法。
  5. 【請求項5】 第1の機能工程におけるイオン交換能を
    有する物質が、陽イオン交換樹脂である請求項1記載の
    トリオキサンの製造方法。
  6. 【請求項6】 第1の機能工程が、並列に設けられた2
    以上の塔で構成されたものである請求項1記載のトリオ
    キサンの製造方法。
  7. 【請求項7】 第1の機能工程で並列に設けられた塔
    を、交互に金属不純物の除去操作のために使用するとと
    もに交互に再生操作を行う請求項6記載のトリオキサン
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 第1の機能工程における金属不純物の除
    去を、ホルムアルデヒド水溶液の下降流のもとで行う請
    求項6記載のトリオキサンの製造方法。
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