JPH08291104A - 1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸の製造法 - Google Patents

1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸の製造法

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JPH08291104A
JPH08291104A JP7134624A JP13462495A JPH08291104A JP H08291104 A JPH08291104 A JP H08291104A JP 7134624 A JP7134624 A JP 7134624A JP 13462495 A JP13462495 A JP 13462495A JP H08291104 A JPH08291104 A JP H08291104A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 効率的な触媒の分離回収法を組み込まれるこ
とにより1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸を高
収率で製造する方法を提供する。 【構成】 テトラヒドロフタル酸無水物又はその有水酸
をタングステン酸、リンタングステン酸又はそれらの塩
からなる触媒の存在下に過酸化を用いて酸化して取得し
た触媒金属酸アニオンを含有する1,2,3,4−ブタ
ンテトラカルボン酸水溶液を弱塩基性陰イオン交換樹脂
で処理し、この交換樹脂をアルカリで溶出処理して取得
した液を触媒として再利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は1,2,3,4−ブタン
テトラカルボン酸の製造法に関し、特にテトラヒドロフ
タル酸無水物又はその有水酸を過酸化水素酸化して1,
2,3,4−ブタンテトラカルボン酸を製造する方法に
おいて触媒の分離回収を効率的に行い反復して高収率で
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸を製造する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】タングステン酸もしくはリン
タングステン酸またはそれらの塩は、過酸化物を用いて
有機化合物を酸化する場合の触媒としてしばしば用いら
れており、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸の
製造法もその一例である。すなわち、特公平2−220
56号公報には、タングステン酸もしくはリンタングス
テン酸又はそれらの塩を触媒として使用し、テトラヒド
ロフタル酸無水物又はその有水酸を過酸化水素酸化する
と、比較的高収率で1,2,3,4−ブタンテトラカル
ボン酸が得られることが記載されている。
【0003】しかし上記の1,2,3,4−ブタンテト
ラカルボン酸の製造法においては、反応終了後の反応液
中から1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸を晶析
分離する際に、液中に共存するタングステン酸イオンも
しくはリンタングステン酸イオンの影響により1,2,
3,4−ブタンテトラカルボン酸の晶癖が変化し、結晶
が成長障害を受けるため、針状結晶又は微細な板状結晶
が生成する。この結晶は、固液分離性が悪い上に分離結
晶への付着母液量が多いため結晶純度が低く、粗結晶と
共に系外へ持ち出される触媒の損失量も多い。従って、
高純度結晶の回収及び触媒の有効利用のためには、反応
混合物液中から1,2,3,4−ブタンテトラカルボン
酸の結晶を単離する工程の前段に、反応混合物液中から
選択的に触媒を分離する工程が不可欠である。
【0004】また仮に何らかの方法で1,2,3,4−
ブタンテトラカルボン酸結晶の成長を促し固液分離性を
改善しても、この振り切り母液を再使用した反応では、
母液中に含まれている触媒以外の反応副生成物の蓄積に
よる触媒活性の低下のため、1,2,3,4−ブタンテ
トラカルボン酸の反応収率が非常に低い上に、分離結晶
への副生成物混入量が増加する結果となる。更に、当該
金属触媒は高価であり、反応混合物液中から除去したも
のを効率的に回収し、次の反応に再利用することは経済
性の点においても、極めて重要である。
【0005】従来、本発明の目的生成物の如き有機酸又
はその塩の溶液から触媒を分離回収する方法について
は、反応液に液量の8倍量以上のアセトン、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン、n−プロパノール、イソプロパ
ノールなどを加え、触媒を沈澱、回収する方法(特公昭
46−41526号公報)、シスエポキシコハク酸合成
反応液中に溶存する触媒を強塩基性陰イオン交換樹脂に
吸着させ、これを水酸化アルカリ金属もしくは塩基性ア
ルカリ金属塩の水溶液で溶出させ、この触媒含有水酸化
アルカリ金属もしくは塩基性アルカリ金属塩の水溶液を
反応系に循環使用する方法(特公昭54−27327号
公報)、酒石酸又は酒石酸塩とタングステン酸、モリブ
デン酸又はそれらの塩を含む水溶液に、硫酸カルシウム
を添加して酒石酸又は酒石酸塩をカルシウム塩として沈
澱分離した液を、陰イオン交換樹脂と接触させて当該金
属触媒を吸着させた後、陰イオン交換樹脂に塩基性水溶
液を接触させて、金属酸又はそれらの塩を塩基性水溶液
として回収する方法(特公昭55−4459号公報)な
どが公知となっている。
【0006】しかしこれらの方法において前記特公昭4
6−41526号公報記載の方法は、揮発性の高い溶剤
を多量に用いることから工業的に有利な方法では無い。
また特公昭54−27327号公報記載の方法は、触媒
を強塩基性陰イオン交換樹脂に吸着させることを特徴と
しているが、樹脂に吸着した触媒を水酸化アルカリ水溶
液にて溶出させると溶出液中にシスエポキシコハク酸が
含まれており、吸着工程において触媒と共にシスエポキ
シコハク酸が強塩基性陰イオン交換樹脂に吸着している
ことを示している。更に特公昭55−4459号公報記
載の方法は、タングステン酸、モリブデン酸又はそれら
の塩を含んだ酒石酸又は酒石酸塩の水溶液を陰イオン交
換樹脂と接触させる前に、液中に硫酸カルシウムを添加
して酒石酸又は酒石酸塩をカルシウム塩としてあらかじ
め除去する必要があり、操作が煩雑で工業的に最善の方
法とはいい難い。
【0007】本発明の目的はテトラヒドロフタル酸無水
物又はその有水酸をタングステン酸もしくはリンタング
ステン酸又はそれらの塩からなる触媒の存在下に過酸化
水素で酸化する1,2,3,4−ブタンテトラカルボン
酸の製造法において、当該反応終了液又は当該反応液か
ら固液分離して得た粗1,2,3,4−ブタンテトラカ
ルボン酸の溶解液から当該触媒金属酸イオンを除去回収
するに当たって、当該液に特別な前処理を施すことな
く、しかも目的生成物である1,2,3,4−ブタンテ
トラカルボン酸の損失を伴うことなく効率的に当該金属
触媒を分離回収し、次反応に再利用して反復して高収率
で1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸を製造しう
る方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、テトラヒドロ
フタル酸無水物又はその有水酸をタングステン酸、リン
タングステン酸又はそれらの塩からなる触媒の存在下に
過酸化を用いて酸化する1,2,3,4−ブタンテトラ
カルボン酸の製造法において、当該反応終了液又は当該
反応終了液から固液分離して得た粗1,2,3,4−ブ
タンテトラカルボン酸の溶解液を弱塩基性陰イオン交換
樹脂と接触させることにより該触媒金属酸アニオンを含
まない1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸水溶液
を得ると共に、該触媒金属酸アニオンを吸着した弱塩基
性陰イオン交換樹脂を、水酸化アルカリ金属又は水酸化
アンモニウムの水溶液と接触させることにより、1,
2,3,4−ブタンテトラカルボン酸を含まない該触媒
金属酸アニオン含有水溶液を溶出させ、この液をテトラ
ヒドロフタル酸無水物又はその有水酸の過酸化水素酸化
による1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸合成反
応の触媒として再使用することを特徴とする1,2,
3,4−ブタンテトラカルボン酸の製造法である。
【0009】本発明によれば、上記酸化反応で取得され
たタングステン酸もしくはリンタングステン酸又はそれ
らの塩が共存する1,2,3,4−ブタンテトラカルボ
ン酸の水溶液から、効率よく選択的に触媒と1,2,
3,4−ブタンテトラカルボン酸を分離すると共に、回
収触媒が反応系において十分活性を有し、そのままで上
記酸化反応用触媒として循環再使用できるのである。
【0010】上記反応で取得されるタングステン酸もし
くはリンタングステン酸又はそれらの塩を含んだ1,
2,3,4−ブタンテトラカルボン酸水溶液は、単に低
濃度の金属イオンを含んだ有機物の水溶液とは異なり、
両者が競合的なアニオンの形をした高濃度の電解質溶液
であり、更に1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸
アニオンが当該金属触媒アニオンに対して大過剰に存在
しているため、単純なイオン交換操作で当該金属触媒ア
ニオンのみを選択的に分離することは困難であると従来
は考えられていた。
【0011】しかしながら本発明においては、全く意外
なことに、弱塩基性陰イオン交換樹脂を用いて当該混合
液を処理することにより、1,2,3,4−ブタンテト
ラカルボン酸は全く吸着されないで当該金属イオンのみ
が選択的に吸着除去され、更に、タングステン酸イオン
又はリンタングステン酸イオンを吸着した弱塩基性陰イ
オン交換樹脂を水酸化アルカリ金属又は水酸化アンモニ
ウムの少なくとも1種を含んだ塩基性水溶液と接触させ
ることにより、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン
酸を全く含まない当該金属酸アニオンを容易に脱離溶出
させることが可能で、この当該金属酸アニオンを含有し
た塩基性水溶液をそのまま又は硫酸でpH2以下に中和
した後、再びテトラヒドロフタル酸無水物又はその有水
酸の過酸化水素酸化による1,2,3,4−ブタンテト
ラカルボン酸製造工程の反応触媒に使用すると、新規触
媒を使用した場合と同様の反応収率が得られるという顕
著な効果を示すのである。
【0012】更に、本発明の利点に言及するならば、従
来法では反応終了液から1,2,3,4−ブタンテトラ
カルボン酸を固液分離した母液はそのまま反応工程に回
収再使用されているが、この方法では母液中に含まれて
いる触媒のみならず触媒以外の副生成物も回収リサイク
ルされるため、母液の再利用を繰り返すに従って、目的
生成物である1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸
の反応収率が徐々に低下する。それに対し本発明では、
反応液から触媒のみを単独分離して次回反応に再使用す
るため、触媒以外の反応副生成物の蓄積による触媒活性
への悪影響が無く、1,2,3,4−ブタンテトラカル
ボン酸の収率を何ら低下させることなく触媒を繰り返し
使用できるのである。
【0113】本発明において用いられる触媒はタングス
テン酸、リンタングステン酸又はそれらの塩であり、具
体例としてタングステン酸、タングステン酸ナトリウ
ム、タングステン酸アンモニウム、燐タングステン酸、
燐タングステン酸ナトリウム等がある。これら触媒の使
用量は触媒としての活性を有効に発揮しうる量であれば
特に制限されないが、通常は原料であるテトラヒドロフ
タル酸無水物又はその有水酸に対して0.5〜10重量
%、好ましくは1〜5重量%用いられる。
【0014】過酸化水素の使用量は理論上原料化合物1
モルに対し4モルだが、若干(たとえば1〜5割程度)
過剰に用いることが好ましい。添加する過酸化水素の濃
度は3〜70重量%、好ましくは50〜60重量%であ
り特に反応性と価格から60重量%濃度のものが好まし
い。反応溶媒としては、水が適当である。水と混和可能
な低分子量の有機溶媒例えば、メタノールの様な低級ア
ルコール、酢酸の様な低級カルボン酸、アセトニトリル
等が使用可能ではある。反応温度は、反応速度の観点か
ら、通常80〜120℃で用いられるが、温度管理を必
要としない還流温度である100〜110℃にて反応を
行うことが望ましい。このようにしてタングステン酸も
しくはリンタングステン酸又はそれらの塩の共存下に、
テトラヒドロフタル酸無水物又はその有水酸を過酸化水
素酸化して1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸が
得られる。
【0015】本発明ではこのようにして得られた上記触
媒金属酸アニオンを含有する1,2,3,4−ブタンテ
トラカルボン酸水溶液からなる反応終了液又はこの反応
終了液を冷却して固液分離して得た上記触媒を含んだ
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸粗結晶を水に
再溶解させて得た再溶解水溶液を弱塩基性陰イオン交換
樹脂に接触させて処理する。この場合の被処理水溶液に
含まれる1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸濃度
は通常10〜30重量%、好ましくは15〜25重量%
である。またタングステン酸もしくはリンタングステン
酸又はそれらの塩の濃度は、通常0.1〜1.0重量%
である。本発明で用いる弱塩基性陰イオン交換樹脂とし
ては末端のイオン交換基がポリアミン基又はジメチルア
ミン基である弱塩基性陰イオン交換樹脂が好ましい。使
用時の末端アニオンとしてはCl型とOH型のいずれも
採用可能であるが、被処理液中へのClイオンの混入を
避けるためOH型の使用が望ましい。
【0016】上記の触媒金属酸アニオンを含んだ1,
2,3,4−ブタンテトラカルボン酸水溶液と弱塩基性
陰イオン交換樹脂の接触方法は、通常用いられる固定床
カラム方式を用いて何ら支障なく実施できるが、特にこ
の方式に限定されるものではない。仮に、固定床カラム
方式を採用する場合の当該水溶液の処理速度は、弱塩基
性陰イオン交換樹脂の体積に対し通常0.1〜20倍量
/時間、特に0.5〜10倍量/時間が好ましい。接触
温度は、当該水溶液中の溶解成分の析出温度より高く、
当該イオン交換樹脂の耐熱温度より低い温度であればど
の範囲の温度でも用いうるが、一般的には20〜90
℃、特に30℃〜60℃が好ましい。
【0017】当該イオン交換樹脂に吸着された金属酸ア
ニオンの脱離に際しては、水酸化リチウム、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属又は水
酸化アンモニウムからなる塩基性水溶液を当該イオン交
換樹脂に接触させることにより、タングステン酸もしく
はリンタングステン酸アニオンを含んだ塩基性水溶液と
して容易に回収できる。この時、当該イオン交換樹脂と
当該塩基性溶出液の接触方法については特に限定されな
いが、一般的には当該イオン交換樹脂を充填した固定床
カラム方式が採用され、この時当該塩基性溶出液の通液
速度は当該イオン交換樹脂の体積に対し1〜10倍量/
時間、特に1〜7倍量/時間が好ましい。接触温度につ
いては、当該イオン交換樹脂の耐熱温度以下であれば特
に制限はないが、好ましくは20℃〜60℃が採用され
る。
【0018】本発明におけるタングステン酸もしくはリ
ンタングステン酸アニオンと弱塩基性陰イオン交換樹脂
の相対量は、当該イオン交換樹脂の形態、架橋度、粒
度、充填塔の形態、被処理液の流速、処理温度、被処理
液の1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸の濃度、
当該金属アニオン濃度などによって微妙に左右される
が、当該金属アニオン1当量に対して、2〜20当量の
総交換容量を有する弱塩基性陰イオン交換樹脂を用いれ
ば充分本発明の効果を発揮できる。かくして得られたタ
ングステン酸又はリンタングステン酸アニオン含有水溶
液は次いでテトラヒドロフタル酸無水物又はその有水酸
の過酸化水素酸化に触媒として再利用される。
【0019】
【実施例】以下に本発明の実施例及び比較例を挙げ、本
発明をより一層明瞭なものとするが、本発明はこれらの
実施例により何ら限定されるものではない。
【0020】比較例1 テトラヒドロ無水フタル酸100.3g及びリンタング
ステン酸4.0gを純水350gに加熱溶解後、60重
量%過酸化水素188.1gを添加して還流下にて7時
間反応させ、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸
20.5重量%、リンタングステン酸0.62重量%及
び、その他反応副生成物等を含有した水溶液642gを
得た。テトラヒドロ無水フタル酸に対する1,2,3,
4−ブタンテトラカルボン酸の反応収率は85.2%で
あった。この反応液を10℃で冷却晶析した後固液分離
し、粗結晶142g(1,2,3,4−ブタンテトラカ
ルボン酸59.0重量%、水分38.2重量%、リンタ
ングステン酸0.35重量%、その他2.45重量%)
と、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸9.0重
量%、リンタングステン酸0.70重量%及びその他の
反応副生成物等を含有した反応母液498gを得た。こ
の反応母液全量に、テトラヒドロ無水フタル酸100.
3g、リンタングステン酸0.4g、及び60%過酸化
水素188.0gを添加して還流下にて7時間反応させ
た後、反応液中の1,2,3,4−ブタンテトラカルボ
ン酸増加量を測定した結果、新たに加えたテトラヒドロ
無水フタル酸に対する反応収率は30.2%であった。
【0021】実施例1 テトラヒドロ無水フタル酸100.3g及びリンタング
ステン酸4.0gを純水350gに加熱溶解後、60重
量%過酸化水素188.1gを添加して還流下にて7時
間反応させ、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸
20.5重量%、リンタングステン酸0.62重量%及
び、その他反応副生成物等を含有した水溶液642gを
得た。テトラヒドロ無水フタル酸に対する1,2,3,
4−ブタンテトラカルボン酸の反応収率は85.2%で
あった。この反応液を40℃まで冷却して、ジメチルア
ミン型弱塩基性陰イオン交換樹脂(オルガノ製アンバー
ライト IRA−94S OH型)を30ml充填した
塩化ビニル製カラムを通過(300ml/時)させた
後、60gの純水で残液を押し出した。処理液中の1,
2,3,4−ブタンテトラカルボン酸含有量は131,
3g(回収率99.8%)、リンタングステン酸含有量
は検出限界以下であった。又、前記の処理を実施したイ
オン交換樹脂に、10重量%水酸化ナトリウム水溶液3
00gを通液(150ml/時)し、イオン交換樹脂に
吸着したリンタングステン酸を回収した。回収液中のリ
ンタングステン酸アニオン含有量は3.9g(回収率9
7.5%)で、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン
酸は検出されなかった。この回収液に97重量%硫酸を
加えてpH=2に調製後純水で全量を400gとし、テ
トラヒドロ無水フタル酸100.3g加え加熱溶解させ
た後、60重量%過酸化水素188.1gを添加して還
流下にて7時間反応させたところ、テトラヒドロ無水フ
タル酸に対する1,2,3,4−ブタンテトラカルボン
酸の反応収率は84.0%であった。
【0022】実施例2 陰イオン交換樹脂として、ポリアミン型弱塩基性陰イオ
ン交換樹脂(オルガノ製アンバーライト IRA−60
E OH型)を使用して、実施例1と同じ反応液を、実
施例1と同じ条件で樹脂処理及び回収処理を行った結
果、リンタングステン酸濃度が検出限界以下の1,2,
3,4−ブタンテトラカルボン酸含有(131.2g)
水溶液と、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸濃
度が検出限界以下でリンタングステン酸アニオンを3.
9g含有したアルカリ性水溶液を得た。このアルカリ性
水溶液に純水を加えて全量を400gとし、テトラヒド
ロ無水フタル酸100.3g加え加熱溶解させた後、6
0重量%過酸化水素188.1gを添加して還流下にて
7時間反応させたところ、テトラヒドロ無水フタル酸に
対する1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸の反応
収率は84.3%であった。
【0023】実施例3 触媒として、リンタングステン酸の代わりにタングステ
ン酸を3.0g使用して、実施例1と同じ方法で反応を
実施し、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸2
0.4重量%、タングステン酸0.47重量%、及びそ
の他反応副生成物等を含有した反応液641gを得た。
テトラヒドロ無水フタル酸に対する1,2,3,4−ブ
タンテトラカルボン酸の反応収率は84.7%であっ
た。この反応液について実施例1と同じ方法で樹脂処理
及び回収処理を行った結果、タングステン酸濃度が検出
限界以下の1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸含
有(130.5g)水溶液と、1,2,3,4−ブタン
テトラカルボン酸濃度が検出限界以下でタングステン酸
アニオンを2.97g含有したアルカリ性水溶液を得
た。更に、このアルカリ性水溶液に97重量%硫酸を加
えてpH=2に調製後、純水で全量を400gとし、テ
トラヒドロ無水フタル酸100.3g加え加熱溶解させ
た後、60重量%過酸化水素188.1gを添加して還
流下にて7時間反応させたところ、テトラヒドロ無水フ
タル酸に対する1,2,3,4−ブタンテトラカルボン
酸の反応収率は84.0%であった。
【0024】実施例4 比較例1に記載の方法に従って反応液から分離した粗結
晶(1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸59.0
重量%、水分38.2重量%、リンタングステン酸0.
35重量%、その他2.45重量%)1100gに純水
2200gを加え35℃で溶解後、実施例1と同じ方法
(但しイオン交換樹脂100ml使用した)で樹脂処理
し、リンタングステン酸濃度が分析検出限界以下で、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸を642g含
有した水溶液を得た。この水溶液を10℃で冷却晶析し
た後固液分離し、湿結晶359g(1,2,3,4−ブ
タンテトラカルボン酸92.1重量%、水分7.9重量
%)を得た。又、前記の処理を実施したイオン交換樹脂
に、5重量%水酸化カリウム水溶液300gを通液(1
50ml/時)し、イオン交換樹脂に吸着したリンタン
グステン酸を回収した。回収液中のリンタングステン酸
アニオン含有量は3.8g(回収率98.7%)で、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸は検出されな
かった。この回収液に97重量%硫酸を加えてpH=2
に調製後、純水で全量を400gとし、テトラヒドロ無
水フタル酸100.3g加え加熱溶解させた後、60重
量%過酸化水素188.1gを添加して還流下にて7時
間反応させたところ、テトラヒドロ無水フタル酸に対す
る1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸の反応収率
は84.4%であった。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 51/285 C07C 51/285 51/487 51/487 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 63/02 7419−4H 63/02 A

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テトラヒドロフタル酸無水物又はその有
    水酸をタングステン酸、リンタングステン酸又はそれら
    の塩からなる触媒の存在下に過酸化を用いて酸化する
    1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸の製造法にお
    いて、当該反応終了液又は当該反応終了液から固液分離
    して得た粗1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸の
    溶解液を弱塩基性陰イオン交換樹脂と接触させることに
    より該触媒金属酸アニオンを含まない1,2,3,4−
    ブタンテトラカルボン酸水溶液を得ると共に、該触媒金
    属酸アニオンを吸着した弱塩基性陰イオン交換樹脂を、
    水酸化アルカリ金属又は水酸化アンモニウムの水溶液と
    接触させることにより、1,2,3,4−ブタンテトラ
    カルボン酸を含まない該触媒金属酸アニオン含有水溶液
    を溶出させ、この液をテトラヒドロフタル酸無水物又は
    その有水酸の過酸化水素酸化による1,2,3,4−ブ
    タンテトラカルボン酸合成反応の触媒として再使用する
    ことを特徴とする1,2,3,4−ブタンテトラカルボ
    ン酸の製造法。
  2. 【請求項2】 弱塩基性陰イオン交換樹脂が、末端のイ
    オン交換基としてポリアミン基又は第三アミン基を持つ
    弱塩基性陰イオン交換樹脂である請求項1に記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 水酸化アルカリ金属が水酸化リチウム、
    水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムである請求項1に
    記載の方法。
  4. 【請求項4】 溶出させた金属酸アニオン含有水溶液を
    硫酸でpH2以下に中和した後、テトラヒドロフタル酸
    無水物又はその有水酸の過酸化水素酸化による1,2,
    3,4−ブタンテトラカルボン酸合成反応の触媒として
    再使用する請求項1に記載の方法。
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