JPH0549928A - 活性炭の再生方法 - Google Patents

活性炭の再生方法

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JPH0549928A
JPH0549928A JP20429091A JP20429091A JPH0549928A JP H0549928 A JPH0549928 A JP H0549928A JP 20429091 A JP20429091 A JP 20429091A JP 20429091 A JP20429091 A JP 20429091A JP H0549928 A JPH0549928 A JP H0549928A
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activated carbon
active carbon
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water
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Kenji Fujiwara
謙二 藤原
Toshihiko Sakamoto
年彦 坂本
Nobutaka Ueda
宜孝 上田
Hiroshi Kato
寛 加藤
Atsuhiko Hiai
淳彦 日合
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】グリシンの脱色に用いて脱色能力の低下した活
性炭に、アルカリ水溶液で処理したのち水洗することに
よる活性炭の再生方法。 【効果】脱色能力の低下した活性炭をアルカリ水溶液を
用いて処理するだけで、容易に活性炭の再生ができ、さ
らに活性炭そのものの寿命が飛躍的に向上することから
使用量を大幅に軽減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は活性炭の再生方法に関
し、詳しくは、グリシン水溶液を脱色するに用いた活性
炭の再生方法に関する。グリシンは加工食品の食品添加
剤や農薬、医薬の原料として広く使用されている有用な
化合物である。
【0002】
【従来の技術】従来、グリシンの製造方法としては、主
として(1)モノクロル酢酸のアミノ化法、(2)スト
レッカー法、(3)ヒダントイン法等が知られている。
【0003】(1)モノクロル酢酸のアミノ化法は原料
が高価であるが、毒物である青酸を取り扱う必要がな
い。
【0004】(2)ストレッカー法は青酸、ホルマリン
から合成できるグリコロニトリルとアンモニアを反応さ
せ、さらに水酸化ナトリウム等のアルカリで加水分解し
てグリシンの金属塩をまず製造し、これを加水分解し
て、フリーのグリシンを製造する方法である。
【0005】(3)ヒダントイン法は青酸とホルムアル
デヒドから合成できるグリコロニトリルとアンモニア、
炭酸ガスを水の存在下に反応させ、ヒダントインを製造
し、その加水分解によりグリシンを製造する方法であ
る。このヒダントイン法において、水酸化ナトリウム等
のアルカリを使用しないで直接グリシンを得る方法(以
下、直接ヒダントイン法と言う)は硫酸ナトリウム等の
副生を伴わず、公害のない経済的なグリシンの製造方法
である。このような直接ヒダントイン法として、例え
ば、シアン化水素とアルデヒドとアンモニアおよび二酸
化炭素を水溶媒中 100℃以上で加熱する方法(USP3,53
6,726)が挙げられる。
【0006】上記諸方法で得られる粗グリシンの脱色に
は一般に粗グリシンの水溶液をイオン交換樹脂、活性炭
で処理する方法が知られている。メタノールを使用した
晶析やメタノールによる洗浄も脱色には有効である。あ
るいは、これらの組み合わせによる方法が知られてい
る。
【0007】特公昭54-1686 ではストレッカー法、モノ
クロル酢酸法等で得られるグリシンについて、pH7以
下の粗グリシン水溶液を50℃以下で弱塩基性陰イオン交
換樹脂もしくは中塩基性イオン交換樹脂で処理するグリ
シンの精製方法が開示されている。さらに、脱色に活性
炭を使用した場合は粗グリシンは一見脱色されるが濃縮
のために加熱すると再び着色し、したがって、活性炭を
使用する場合には再結晶を繰り返す必要があるばかりか
活性炭の使用量も多大となることが記載されている。
【0008】通常、活性炭の再生には1,000 ℃近い焼成
が必要である。したがって、活性炭を使用するほとんど
のプロセスでは再生のために活性炭を抜き出し、他の装
置で再生する操作が不可欠である。この操作は毎日行う
ことが実質上できず、通常、数カ月単位で行われるた
め、活性炭の初期充填量はさらに多くなる。
【0009】一方、直接ヒダントイン法で得られた着色
グリシンの脱色方法はUSP3,536,726では反応液をそのま
ま活性炭で処理し、メタノールによる晶析を行ってグリ
シンを取得する方法が、特開昭49-127915 では反応液を
減圧下に濃縮してグリシンの結晶を析出させ、それを活
性炭で脱色し、水−メタノールにより再結晶して白色の
グリシンを取得する方法が開示されている。
【0010】このように、直接ヒダントイン法で得られ
たグリシンの脱色に関しては、メタノールによる晶析と
の組み合わせが開示されているにすぎない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】特公昭54-1686 に示さ
れるように、グリシンの脱色に活性炭を使用した場合、
その使用量は多く、公知の方法は効率的ではなく不経済
的である。
【0012】直接ヒダントイン法で得られる反応液も他
法と同様に黄色〜褐色に着色しており、この反応液につ
いて、本発明者らが上述のUSP3,536,726および特開昭49
-127915 の実施例に示された方法を用いた結果、活性炭
の使用量は膨大で工業的には全く実施不可能であること
がわかった。さらに、特公昭54-1686 に記載の方法、す
なわち、塩酸でpH7以下に調製した粗グリシン水溶液
を用い、弱塩基性陰イオン交換樹脂で処理する方法にお
いては、脱色率は60〜70%程度であり、また弱塩基性陰
イオン交換樹脂の寿命も短く、直接ヒダントイン法のグ
リシンの脱色には適用できないこともわかった。
【0013】このように公知の方法を工業的に実施しよ
うとしてもその経済性はまだ充分とはいえない。特に、
直接ヒダントイン法により得られた反応液からの効果的
な脱色方法、さらには脱色用に用いた活性炭の再生方法
は全く知られていないのが現状である。本発明の目的
は、グリシンの脱色に用いる活性炭を容易に再生する方
法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らはグリシンの
脱色方法について鋭意検討した結果、グリシン水溶液の
活性炭による脱色能力はpH3〜6では大きいが、pH
6〜7では極端に小さく、また、pH7以上ではむしろ
吸着した着色不純物を脱離することを見い出し本発明を
完成した。すなわち、本発明は、グリシンの脱色に使用
した活性炭を再生するに際し、該活性炭をアルカリ水溶
液で処理し、次いで水洗することを特徴とする活性炭の
再生方法である。
【0015】この発明の方法によれば、従来、工業的に
は適用できないと考えられていた活性炭だけの処理で、
グリシンを殆ど完全に脱色でき、さらに活性炭の再生の
ためにそれを抜き出す必要がないために、活性炭の初期
充填量も大幅に軽減することができる。
【0016】この発明に適用されるグリシンは何れの製
法で得られた粗グリシンであってもよく、これらグリシ
ンは水溶液の状態でpH6以下に調整して活性炭で脱色
処理することが好ましい。
【0017】水溶液中のグリシン濃度は活性炭処理時点
で2〜35wt%、好ましくは5〜30wt%である。この濃度
が2wt%未満だと脱色後のグリシン水溶液の濃縮の用役
費が増大し、また、35wt%を越えるとグリシンが析出し
てくるため活性炭処理装置は80℃以上の保温が必要とな
り、脱色効果はむしろ低下する。
【0018】精製に際し、塩化ナトリウム、硫酸ナトリ
ウム、塩化アンモニウムのような中和塩などが含有され
るグリシン水溶液の場合は、これら中和塩が10wt%以
下、実質的に0%であるのが好ましい。したがって、こ
れらの塩は活性炭処理前に分離することが好ましい。
【0019】グリシン水溶液をpH6以下に調整するに
は、鉱酸、有機酸あるいは酸性陽イオン交換樹脂から選
ばれる少なくとも一種以上を単独でまたは混合物として
あるいは併用して用いることで行なうことができる。た
とえば、硫酸、リン酸、塩酸等の鉱酸、またはギ酸、酢
酸、蓚酸等の有機酸を単独でまたは混合物として添加す
るか、水溶液を酸性陽イオン交換樹脂で処理することに
より行うことができる。さらには、酸性陽イオン交換樹
脂で処理するに際し、上記の鉱酸、有機酸を併用して処
理することもできる。
【0020】酸性陽イオン交換樹脂は市販品が利用でき
る。このようなイオン交換樹脂の例としては、例えば、
商品名でアンバーライトIR-116、IR-252、IRC-84(オル
ガノ(株))、ダイアイオン SK102、SK110 、PK212 、
WK10、WK20(三菱化成(株))、レバチットS100、SP11
2 、CNP80(三井東圧ファイン(株))等が挙げられ
る。陽イオン交換樹脂はそれ自身に脱色能力はほとんど
ないが、グリシン水溶液のpHを調整する方法として好
ましい。この中でも強酸性陽イオン交換樹脂を用いると
pHが4〜5と低く調製でき、次の活性炭での脱色能力
が向上し、さらには活性炭の寿命をも長くすることがで
き好ましい。酸性陽イオン交換樹脂のイオン形は塩型で
もよいが、H型が好ましく用いられる。
【0021】pH調整後のpHの値は低い方が好ましい
が、pH2以下では腐蝕等による高価な材質を必要と
し、pH 2.5〜3.5 ではグリシンの水への溶解度が大き
くなり、後の晶析工程に悪影響を及ぼし好ましくない。
又、pHが6を越えると活性炭による脱色能力は低く、
さらにpH7以上では逆に活性炭に吸着していた着色物
質が脱離する。したがって、好ましい範囲はpH3.5〜
6であり、さらに好ましくはpH4〜 5.5、最も好まし
くはpH 4.5〜 5.3である。
【0022】本発明の方法で使用される活性炭は、その
原料が椰子殻等の植物であっても、石炭、ピッチ等の鉱
物であってもよく、例えば、椰子殻炭系では商品名が白
鷺C(武田薬品)、ツルミコール HC-30(ツルミ)等、
また、石炭系では商品名が CPG、CAL (東洋カルゴ
ン)、A-BAG (呉羽化学)等が挙げられる。この中でも
酸性溶液を通液しても活性炭の微量成分が溶出しないよ
うに酸性処理したCPGのような活性炭が特に好まし
い。
【0023】グリシンの活性炭による脱色処理方法は、
特に限定はなく一般的に行われている充填塔での通液方
法が効率的であり好ましく用いられる。
【0024】通液方法としては、上述の酸性陽イオン交
換樹脂および活性炭とも同様に、充填長さ/直径の比が
2〜20の範囲で行い、また処理速度はSV(液空間速
度)で0.1〜20の範囲である。
【0025】脱色温度が高いと活性炭の脱色能力は低下
し、また低いとグリシンが結晶として析出する恐れがあ
り、好ましい脱色温度は20〜80℃である。
【0026】必要に応じて活性炭処理の後に、あるい
は、酸性処理を行う工程の前に陰イオン交換樹脂を併用
することにより、陰イオンを除去するとともに、活性炭
だけでは除去しきれない極めて微量の着色物質をも除く
ことができ、さらなるグリシンの純度向上が期待でき
る。
【0027】このようにして使用された活性炭を再生使
用するに際し、該活性炭への吸着物質の脱離(アルカリ
水溶液処理)工程に次いで、洗浄(アルカリ除去洗浄)
工程の順で行なわれる。この脱離工程の前段で水洗によ
る残留のグリシンおよび塩等を予め溶出させることで、
効率的に吸着物質の脱離を行なわしめる前洗浄工程を必
要に応じて配備させても構わない。また脱離工程、洗浄
工程に次いで、酸で中和する工程、さらにはその酸を水
洗除去する後洗浄工程をも必要に応じて用いることもで
きる。また、これらの工程は回分式あるいは流通式で装
置の形態に応じて決定すればよいが、流通式の方が好ま
しい。
【0028】上記の活性炭再生工程を以下に順次工程ご
とに説明する。尚、各工程の通液における液空間速度は
SV= 0.1〜20、処理時間は 0.1〜20時間、通液量を充
填した活性炭量の2〜20倍とするのが好ましい。
【0029】a.前洗浄工程 活性炭の再生処理の前段において、残留のグリシンおよ
び塩等を水により予め溶出させる。通液する水の温度は
高い方がその効果は大きく、通常、10〜95℃、好ましく
は40〜80℃の範囲である。
【0030】b.脱離工程 0.1〜10wt%のアルカリ水溶液を通液することにより不
純物の活性炭からの脱離を行なうことができる。ここで
アルカリ水溶液とは水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化カルシウムのような汎用のアルカリを水溶液
としたものである。通常、アルカリ水溶液だけでも充分
好ましい結果が得られるが、さらに必要に応じてこれら
アルカリ水溶液に塩化ナトリウムや硫酸ナトリウム等の
鉱酸塩を含有せしめることで、脱離効果を向上させるこ
ともできる。これら鉱酸塩の含有量はアルカリ水溶液中
に1〜20wt%の範囲が好ましい。通液温度は高い方がそ
の効果が大きく、通常は30〜90℃、好ましく40〜80℃の
範囲である。
【0031】c.洗浄工程 脱離工程で用いたアルカリを除去するために水で洗浄す
る。
【0032】d.中和工程 洗浄工程で充分なるアルカリを除去することができる
が、必要に応じて酸で中和することもできる。ここで酸
としては、 0.1〜10wt%の塩酸あるいは硫酸等の酸を用
いることができる。酸の通液温度は特に制限はないが、
装置の材質などを考慮し、10〜50℃の範囲が好ましい。
【0033】e.後洗浄工程 中和工程を経た場合には酸を除去するための洗浄を行な
う必要がある。通液温度も特に制限はなく、通常10〜95
℃の水を用いるが、30〜80℃の範囲が好ましく使用され
る。
【0034】上記の各工程における通液法は上向流、下
向流いずれの方向でもよく、また、各工程毎に上向流と
下向流を随時行えばさらに再生効果は向上する。
【0035】本発明の方法を直接ヒダントイン法で得ら
れるグリシンを例にとってさらに説明する。
【0036】直接ヒダントイン法とは上述のとおり、水
の存在下、グリコロニトリル、炭酸ガスおよびアンモニ
アを反応させて得られた反応液から炭酸ガスおよびアン
モニアを除去してグリシン含有水溶液として得ることが
できる。
【0037】反応における原料のモル比は、グリコロニ
トリル1モルに対しアンモニアの使用量は1〜12モルで
あり、アンモニアの使用量によって炭酸ガスおよび水の
使用量が決定する。したがって、アンモニア1モルに対
する炭酸ガスおよび水の使用量は各々1/3 〜3モル、3
〜15モルである。
【0038】反応温度は、低い方がグリシンの収率は向
上するが反応速度が遅くなる。しかし、反応温度が高い
と反応速度は早くなるが、反応液の着色が著しくなるた
め、通常 100〜200 ℃、好ましくは 150〜170 ℃であ
る。また、反応時間は通常30分〜20時間、好ましくは 1
〜10時間である。
【0039】反応圧力は、特に制限はなく、反応中に発
生する圧力以上で反応を行うことも、また、反応中に発
生するアンモニア、炭酸ガスあるいは水の蒸気等を適宜
抜き出しても反応を行うことができる。
【0040】これらの条件で行われる反応の終了後のグ
リシンを含有する反応液中には原料のグリコロニトリル
は実質的に残存していないが、グリシンの他にヒダント
イン酸、グリシルグリシン、ヒダントイン酸アミド、ト
リグリシン、ヒダントイン、2,5-ジケトピペラジン等の
副生成物が含有されている。これらの反応液を加熱して
水、アンモニアおよび炭酸ガスを気化させ反応液を濃縮
する。次いで、この濃縮液を冷却してグリシン結晶を析
出させた後分離器を用いてグリシン結晶を分離する。
【0041】このようにして得られたグリシン結晶を水
で溶解した溶液のpHは6.5 〜9.0程度であり、そのま
ま活性炭で処理すると完全には脱色できず、さらには活
性炭の寿命を短くし、工業的には使用できない。これら
の水溶液は前述のような操作でpHを6以下に調整す
る。pH6以下のグリシン水溶液は次の活性炭処理でほ
ぼ完全に脱色され、その色戻りはほとんど認められず、
活性炭の寿命も大幅に延長される。
【0042】続けての使用で活性炭の脱色能力が低下し
た時、活性炭を抜き出すことなく前述した脱離工程、洗
浄工程を経ることにより再生された活性炭で再び脱色処
理に使用される。さらに必要に応じて前述した、前洗浄
→脱離→洗浄→中和→後洗浄の各工程を経て再生するこ
ともできる。
【0043】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。
【0044】実施例1 1時間あたり、グリコロニトリル115g(2.01 mol)、アン
モニア206g(12.1 mol)、炭酸ガス267g(6.1 mol)を含有
する水溶液2220gを内容積が10リットルの管型反応器へ
供給し、反応温度 150℃、反応圧力は32kg/cm2 で行っ
た。
【0045】原料組成はH2O/NH3/CO2/グリコロニトリル
=45/6/3/1モル比であり、平均滞留時間は5時間に相当
する。定常になった時に反応液を連続的に常圧下 100℃
で濃縮し、水、アンモニアおよび炭酸ガスを合計1830g
除去して5℃で晶析を行った。1時間あたり5℃の純水
16gを用いてリンスしながら、グリシン0.89 mol(純度
98.2wt%)を分離した。残った母液を分析した結果、グ
リコロニトリルに換算して合計で0.97mol のヒダントイ
ン酸、グリシルグリシン、ヒダントイン酸アミド、2,5-
ジケトピペラジン、ヒダントイン、トリグリシンおよび
グリシンが検出された。
【0046】このグリシン結晶を70℃の水で溶解し、20
wt%のグリシン水溶液(pH7.3 )を調製して脱色用に
使用した。このグリシン水溶液の色度はハーゼン色(AP
HA)で表示すると162 であった。
【0047】通常の方法で前処理したH型の弱酸性陽イ
オン交換樹脂(レバチットCNP80 )300mlおよび活性炭
(CPG) 100mlをそれぞれ直径3.5 cm、2.5 cmの管型塔へ
充填し、グリシン水溶液を25℃、 200ml/H の速度で20
kg通液した結果、酸性陽イオン交換樹脂塔出口のpHは
5.3、APHAは140 であり、活性炭塔出口のAPHAは1.5で
あった。
【0048】さらに通液を行い、合計50kg通液した結
果、酸性陽イオン交換樹脂塔出口のpHは 5.5、APHAは
148 であり、活性炭塔出口のAPHAは2〜2.5 であった。
また、この時のグリシン回収率は99.8%であった。
【0049】一方、得られた脱色液を濃縮してもほとん
ど着色は増加せず、冷却して得られたグリシン結晶(純
度99.3wt%)1gを10gの水に溶解して吸光度(10mmセ
ル)を調べた結果、370nm 、430nm のどちらの波長にお
いても吸光度は 0.000〜0.005であり、これはAPHAで0
〜3に相当する。なお、参考に市販のグリシンを同様の
方法で測定した結果、APHAは3〜6の範囲であった。
【0050】上記と同様に脱色用グリシン水溶液を続け
て通液し、活性炭塔出口のAPHAが15になった時点で通液
を中止した。活性炭塔から充填した活性炭を抜き出すこ
となく、70℃の5%水酸化ナトリウム水溶液をSV=2
(200 ml/H )で2時間かけて下向に通液(脱離)し
た。次いで、25℃の水でpH7付近になるまでSV=5
(500 ml/H )で5時間下向に通液した。このように再
生した活性炭塔に脱色用のグリシン水溶液を20kg通液し
た時点での活性炭塔出口の色度はAPHA 1.6であり、この
脱色液を濃縮して分離したグリシンのAPHAは0〜3であ
った。
【0051】比較例1 実施例1と同様に脱色用グリシン水溶液を続けて通液
し、活性炭塔出口のAPHAが10になった時点で通液を中止
し、活性炭塔から充填した活性炭を抜き出すことなく、
98℃の水をSV=5(500 ml/H )で5時間下向に通液
したところ洗浄液は着色した。さらに、同じ条件で上向
きに通液した後再び下向きに同じ条件で通液したところ
洗浄液に着色が見られないため、洗浄液に代え脱色用の
グリシン水溶液を通液したところ一見活性炭が再生され
たかに思われたが、2kgを通液した時点で活性炭塔出口
の色度はAPHA 12.5 となり、殆ど活性炭の再生はできて
いなかった。
【0052】実施例2 実施例1と同様に脱色用グリシン水溶液を続けて通液
し、活性炭塔出口のAPHAが10になった時点で通液を中止
し、活性炭塔から充填した活性炭を抜き出すことなく、
50℃の水をSV=3(300 ml/H )で始めは下向に、次
いで上向に各々2時間かけて通液(前洗浄)し、次い
で、50℃の5%水酸化ナトリウム水溶液をSV=3(20
0 ml/H )で1.5 時間下向に通液(脱離)した。さら
に、25℃の水でSV=5(500 ml/H )で2時間下向に
通液(洗浄)した後、25℃の5%塩酸水溶液をSV=2
(200 ml/H )で1時間下向に通液(中和)し、25℃の
水でpH7付近になるまでSV=5(500 ml/H )で5
時間下向に通液(後洗浄)した。このように再生した活
性炭に脱色用のグリシン水溶液を20kg通液した時点での
活性炭塔出口の色度はAPHA 1.9であり、この脱色液を濃
縮して分離したグリシンのAPHAは0〜3であった。
【0053】実施例3 実施例2に続けて脱色用グリシン水溶液を通液し、活性
炭塔出口のAPHAが10になった時点で通液を中止し、活性
炭塔から充填した活性炭を抜き出すことなく、25℃の水
をSV=3(300 ml/H )で始めは下向に、次いで上向
に各々2時間かけて通液(前洗浄)し、次いで、25℃の
5%水酸化ナトリウム水溶液をSV=2(200 ml/H )
で2時間下向に通液(脱離)した。さらに、25℃の水で
pH8付近になるまでSV=5(500 ml/H )で8時間
下向に通液(洗浄)した。このように再生した活性炭に
脱色用のグリシン水溶液を20kg通液した時点での活性炭
塔出口の色度はAPHA 2.1であり、この脱色液を濃縮して
分離したグリシンのAPHAは0〜3であった。
【0054】
【発明の効果】グリシン水溶液を脱色し、脱色能力の低
下した活性炭を抜き出すことなくアルカリ水溶液で処理
するだけで再生でき、さらに活性炭そのものの寿命が飛
躍的に向上することから活性炭の使用量を大幅に軽減す
ることができた。このように、本発明の方法はグリシン
の製造を工業的に有利な方法にまで向上させたものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 寛 大阪府高石市高砂1丁目6番地三井東圧化 学株式会社内 (72)発明者 日合 淳彦 大阪府高石市高砂1丁目6番地三井東圧化 学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グリシンの脱色に使用した活性炭を再生す
    るに際し、該活性炭をアルカリ水溶液で処理し、次いで
    水洗することを特徴とする活性炭の再生方法。
  2. 【請求項2】活性炭の再生処理温度が、30〜90℃の範囲
    である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】活性炭が、グリシンをpH6以下の水溶液
    として脱色処理したものである請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】グリシンが、水の存在下、グリコロニトリ
    ル、炭酸ガスおよびアンモニアを反応させて得られたも
    のである請求項1記載の方法。
JP20429091A 1991-08-14 1991-08-14 活性炭の再生方法 Pending JPH0549928A (ja)

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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000066490A1 (en) * 1999-05-03 2000-11-09 Norit Nederland B.V. Regeneration of activated carbon
CN101884912A (zh) * 2010-07-22 2010-11-17 重庆大学 一种再生甘氨酸母液脱色后的活性炭的方法
CN102133523A (zh) * 2011-01-11 2011-07-27 湘潭大学 一种对吡啶腈催化氯化失活的催化剂复活的方法
CN102228751A (zh) * 2011-05-26 2011-11-02 青岛天兰环境工程有限公司 一种活性炭过滤器的复生方法
CN103301651A (zh) * 2013-05-31 2013-09-18 安徽友勇生物科技有限公司 一种淀粉糖生产中的脱色方法
CN103521195A (zh) * 2013-08-30 2014-01-22 蚌埠首创滤清器有限公司 一种羟基氧化铁改性活性炭脱硫剂及其制备方法
CN113105352A (zh) * 2021-04-16 2021-07-13 铂尊投资集团有限公司 一种制备食品级和饲料级甘氨酸锌的方法及其实施装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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