JPH11130762A - シス−エポキシコハク酸塩の製造方法 - Google Patents

シス−エポキシコハク酸塩の製造方法

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JPH11130762A
JPH11130762A JP9297484A JP29748497A JPH11130762A JP H11130762 A JPH11130762 A JP H11130762A JP 9297484 A JP9297484 A JP 9297484A JP 29748497 A JP29748497 A JP 29748497A JP H11130762 A JPH11130762 A JP H11130762A
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敏 荒川
Minoru Tsunoda
稔 角田
Takashi Onozawa
隆 小野沢
Yukari Shimizu
ゆかり 清水
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無水マレイン酸と過酸化水素を原料とし、触
媒を効率的に分離回収し、反復使用することにより高収
率でシス−エポキシコハク酸塩を製造する方法を提供す
る。 【解決手段】 タングステン又はモリブデン化合物触媒
の存在下、無水マレイン酸若しくはマレイン酸又はその
塩と過酸化水素とを反応させ、シス−エポキシコハク酸
塩を製造した後、反応液中に含まれる触媒を、下記式
(1)で示されるキレート形成基を有するキレート樹脂
を用いて吸着分離することを特徴とするシス−エポキシ
コハク酸塩の製造方法。 【化1】 (但し、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基、
nは1〜6の整数を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シス−エポキシコ
ハク酸塩を製造する方法の改良に関するものである。本
発明によって得られるシス−エポキシコハク酸塩は、洗
剤用ビルダー、スケール防止剤、架橋性高分子、ポリ塩
化ビニルの安定剤等として工業的に重要な原料である。
【0002】
【従来の技術】タングステン酸(塩)又はモリブデン酸
(塩)等のエポキシ化触媒の存在下過酸化水素と無水マ
レイン酸若しくはマレイン酸又はその塩を反応させ、シ
ス−エポキシコハク酸塩を製造する方法は既に公知であ
る。この反応において用いられる触媒はかなり高価であ
るため、経済的見地から、その再使用のための循環シス
テムや回収方法の研究が進められている。
【0003】しかし、シス−エポキシコハク酸塩から生
成した酒石酸塩が触媒毒として作用し、触媒活性を著し
く劣化させることが知られており、触媒の循環再使用に
おいては、触媒と酒石酸との分離が問題になっている。
例えば、特開昭53−111013号公報では、シス−
エポキシコハク酸カルシウムの製造方法として、反応液
および結晶分離後の母液にタングステン酸触媒1グラム
原子に対し少なくとも1モルの過酸化水素を常に存在さ
せ酒石酸塩の生成を抑制することによって、触媒の循環
再使用が可能になるとしている。しかし、酒石酸塩の生
成を完全に抑えることはこの方法でも不可能であり、酒
石酸塩が母液中に蓄積するため触媒活性の低下は避けら
れない。
【0004】特開昭53−80383号公報では、タン
グステン酸触媒又はモリブデン酸触媒を吸着させたイオ
ン交換樹脂等から触媒を溶離した塩基性水溶液中の酒石
酸量に対し1から15倍モルの過酸化水素を添加し加熱
処理することにより、触媒毒となる酒石酸塩類を無害な
物質に変換し触媒活性を維持できるとしている。しか
し、触媒の賦活に多量の過酸化水素が必要で、かつ処理
に長時間要することから経済的に不利である。特開昭5
5−4459号公報では、酒石酸または酒石酸塩とタン
グステン酸、モリブデン酸又はそれらの塩を含む水溶液
に水酸化カルシウムを添加して、酒石酸又は酒石酸塩を
カルシウム塩として沈澱分離した後、陰イオン交換樹脂
により触媒を吸着分離する方法が開示されている。しか
し、この方法は触媒の分離回収操作が煩雑であり、高コ
ストになることは明らかである。
【0005】また、触媒の吸着分離に用いられる陰イオ
ン交換樹脂に関しても問題が多い。4級アンモニウム基
を有する強塩基性陰イオン交換樹脂は、触媒の吸着能力
は優れているが、同時にシス−エポキシコハク酸を多量
に吸着する。更に、樹脂が強塩基性であるために、シス
−エポキシコハク酸の加水分解が起こりやすくシス−エ
ポキシコハク酸の収量低下をもたらす一方、触媒を回収
するために多量のアルカリ水溶液を用いなければならな
い。また、ポリアミン型に代表される弱塩基性陰イオン
交換樹脂を用いた場合、触媒を吸着する能力が極めて低
いため多量の樹脂が必要となり、不経済である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、触媒
の存在下、無水マレイン酸若しくはマレイン酸又はその
塩と過酸化水素とを反応させ、シス−エポキシコハク酸
塩を製造する方法において、触媒を効率的に分離回収
し、反復使用することにより高収率でシス−エポキシコ
ハク酸塩を製造する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討を進めた結果、特定のキレート
樹脂で反応液中の触媒を吸着分離した後、触媒を吸着し
た該樹脂を酸性水溶液で洗浄処理し、次いでアルカリ水
溶液で処理する方法により触媒を容易に回収できること
を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】すなわち、本発明は、タングステン又はモ
リブデン化合物触媒の存在下、無水マレイン酸若しくは
マレイン酸又はその塩と過酸化水素とを反応させ、シス
−エポキシコハク酸塩を製造した後、反応液中に含まれ
る触媒を、下記式(1)で示されるキレート形成基を有
するキレート樹脂を用いて吸着分離することを特徴とす
るシス−エポキシコハク酸塩の製造方法に関するもので
ある。
【0009】
【化2】 (但し、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基、
nは1〜6の整数を表す。)
【0010】本発明において使用される式(1)で示さ
れるキレート形成基を有するキレート樹脂は、触媒に対
し強塩基性陰イオン交換樹脂と同等の吸着性能を持つと
共に、吸着した触媒を容易に溶離することができる。さ
らに、酸性水溶液で樹脂を処理することにより、触媒と
共に吸着された微量のシス−エポキシコハク酸や酒石酸
等が選択的に除去されるので、触媒活性を低下させる原
因となる有機酸類が触媒溶離液に混入することを防ぐこ
とができる。したがって、回収した触媒は十分な活性を
有し、賦活処理等を行わずに上記反応用触媒として循環
再使用できる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において、シス−エポキシ
コハク酸塩の生成反応は公知の反応条件が採用される。
すなわち、触媒の存在下、過酸化水素と無水マレイン酸
もしくはマレイン酸またはその塩を等モル、好ましくは
過酸化水素が若干過剰量の状態で、pH2〜7、好まし
くは3〜6で、40〜80℃、好ましくは50〜70℃
の加熱下で反応する。反応の進行と共にpHが低下する
ので、上記pHが保たれるようにアルカリ水溶液を加え
る。反応時間は、1〜4時間、好ましくは2〜3時間で
ある。これより反応時間を短くすると反応が十分に進行
せず、これより長くすると副生成物が増加する。
【0012】本発明において使用される原料のマレイン
酸塩は、アルカリ金属塩特にナトリウム塩やカリウム塩
が用いられる。これらはあらかじめ塩を形成させて反応
に使用してもよく、またマレイン酸またはその無水物を
アルカリ金属化合物を含む水溶液からなる反応系に添加
して生成させてもよい。また、本発明において使用され
る過酸化水素水は、高濃度から低濃度のものまで使用す
ることができるが、好ましくは10〜90重量%、より
好ましくは50〜70重量%である。
【0013】本発明において使用されるタングステン又
はモリブデン化合物触媒は、タングステン原子若しくは
モリブデン原子を含む酸又はそれらの塩、タングステン
原子若しくはモリブデン原子を含むヘテロポリ酸又はそ
れらの塩などが使用できる。具体例として、タングステ
ン酸、モリブデン酸、タングステン酸ナトリウム、モリ
ブデン酸ナトリウム、タングステン酸アンモニウム、モ
リブデン酸アンモニウム、リンタングステン酸、リンモ
リブデン酸、リンタングステン酸ナトリウム、リンモリ
ブデン酸ナトリウム等がある。これら触媒の使用量は触
媒としての活性を有効に発揮し得る量であれば特に制限
されないが、通常は原料である無水マレイン酸若しくは
マレイン酸又はその塩に対して0.03〜4.0mol
%、好ましくは0.1〜2.0mol%用いる。下限濃
度以下に触媒量を減らすと反応が十分に進行せず、また
上限濃度以上に触媒量を増やすと副生成物の生成量が増
加する。
【0014】本発明において触媒の吸着分離に使用する
キレート樹脂は、式(1)
【化3】 (但し、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基、
nは1〜6の整数を表す。)で示されるキレート形成基
を有している。式(1)のRとしてはメチル基、エチル
基が好ましく、nとしては4が好ましい。Rがメチル基
でnが4であるグルカミン型キレート樹脂がさらに好ま
しい。また、樹脂母体としては、スチレン・ジビニルベ
ンゼン共重合体、フェノール・ホルマリン樹脂、エポキ
シ樹脂などが好ましい。これらキレート樹脂の具体例と
して、ダイヤイオンCRB02(スチレン・ジビニルベ
ンゼン共重合体、三菱化学製)、アンバーライトIRA
−743(スチレン系、ローム・アンド・ハース社製)
がある。
【0015】触媒に対するキレート樹脂の使用量は、樹
脂の形態、架橋度、粒度、装置の形態、反応液の流速、
処理温度、反応液中のシス−エポキシコハク酸の濃度、
触媒濃度などによって微妙に左右されるが、触媒1当量
に対して、1〜30当量の総交換容量を有するキレート
樹脂を使用することが好ましい。
【0016】キレート樹脂による反応液の処理方法につ
いては、特に限定されないが、一般的にはキレート樹脂
を充填した固定床流通方式を使用する。このとき、反応
液の通液速度は、空間速度(SV)で1〜10
(h-1)、特に1〜3(h-1)が好ましい。処理される
反応液の温度が高いほど吸着速度は増加するが、高すぎ
るとシス−エポキシコハク酸の加水分解が進行するた
め、好ましくは10〜80℃、より好ましくは30〜6
0℃の範囲で処理することが望ましい。
【0017】キレート樹脂に通液するpHは、通常3〜
8、好ましくはpHは4〜6の範囲である。これよりp
Hが高すぎるか、低すぎると該樹脂の触媒に対する吸着
能力が低下する。従って、反応液がこの範囲外である場
合は、予めpH調整を行ってから通液する。
【0018】本発明において、触媒を吸着したキレート
樹脂から触媒を溶離する前に酸性水溶液によって該樹脂
を前処理することがもう一つの特徴である。酸性水溶液
に使用される酸は、樹脂に対する吸着選択性が触媒より
も小さければどのような酸でもよく、無機酸、有機酸い
ずれも使用できる。具体例として、硫酸、塩酸、硝酸、
スルホン酸、マレイン酸等がある。酸の濃度は、低すぎ
ると効果がなく、高すぎると経済的に不利になるため、
通常0.01〜6規定、好ましくは0.1〜3規定とす
る。
【0019】酸性水溶液によるキレート樹脂の処理方法
については、特に限定されないが、一般的にはキレート
樹脂を充填した固定床流通方式を使用する。このとき、
酸性水溶液の通液速度は、SVが1〜10(h-1)、特
に1〜3(h-1)が好ましい。処理温度については、樹
脂の耐熱温度以下であれば特に制限はないが、20℃〜
60℃で洗浄処理することが好ましい。
【0020】本発明において、触媒を吸着した樹脂を酸
性水溶液で処理した後に触媒を回収するには、水酸化リ
チウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチ
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ水
溶液で樹脂を処理する。アルカリ水溶液の濃度は、低す
ぎると触媒が溶離できず、高すぎると経済的に不利にな
るため、通常0.01〜10規定、好ましくは0.5〜
3規定とする。
【0021】アルカリ水溶液によるキレート樹脂の処理
方法については特に限定されないが、一般的にはキレー
ト樹脂を充填した固定床流通方式を使用する。このと
き、アルカリ水溶液の通液速度は、SVが1〜10(h
-1)、好ましくは1〜3(h-1)とする。処理温度につ
いては、樹脂の耐熱温度以下であれば特に制限はない
が、20℃〜60℃で触媒を溶離するのが好ましい。
【0022】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定される
ものではない。 実施例1 (反応工程)撹拌機、還流冷却器、pH電極と温度計を
備えた容量1リットルの四つ口フラスコに無水マレイン
酸176g(1.8mol)、水酸化ナトリウム72g
(1.8mol)とタングステン酸ナトリウム2水和物
2.7g(0.0082mol)と水727gを仕込
み、40重量%水酸化ナトリウム水溶液でpHを4.8
に保持しながら60重量%過酸化水素水102g(1.
8mol)を加え、60℃で90分反応した。反応後、
シス−エポキシコハク酸塩1.67mol、マレイン酸
塩0.07mol、酒石酸塩0.001molを含むシ
ス−エポキシコハク酸反応液1250gを得た。反応成
績は過酸化水素転化率97%、マレイン酸転化率96
%、過酸化水素基準シス−エポキシコハク酸選択率96
%、マレイン酸基準シス−エポキシコハク酸選択率97
%であった。
【0023】(吸着分離工程)得られた反応液583g
をグルカミン型キレート樹脂(ダイヤイオンCRB0
2、三菱化学製)70mlを充填した直径20mm×3
00mmガラスカラムにSV=1.2(h-1)で通し
た。樹脂が吸着したタングステン酸は3.8×10-3
ol、吸着率は99%以上であった。(酸洗浄工程)次
いで、このカラムに2規定硫酸水溶液をSV=2.0
(h-1)で140ml通した。
【0024】(回収工程)次いで、このカラムに1規定
水酸化ナトリウム水溶液210mlをSV=1.0(h
-1)で通し、樹脂に吸着したタングステン酸を溶離し
た。触媒溶離液中のタングステン酸の量は2.8×10
-3mol、脱着率は74%であった。 (活性評価)回収した触媒を用いて反応した。反応成績
は、過酸化水素転化率95%、マレイン酸転化率94
%、過酸化水素基準シス−エポキシコハク酸選択率97
%、マレイン酸基準シス−エポキシコハク酸選択率98
%であった。
【0025】比較例1 実施例1において、2規定硫酸水溶液による洗浄処理を
行わないで、1規定水酸化ナトリウム水溶液をSV=
1.0(h-1)で通し、樹脂に吸着したタングステン酸
を回収した。回収した触媒を用いて反応を行った結果、
反応成績は過酸化水素転化率48%、マレイン酸転化率
47%、過酸化水素基準シス−エポキシコハク酸選択率
96%、マレイン酸基準シス−エポキシコハク酸選択率
98%であった。
【0026】比較例2 実施例1の反応液580gをポリアミン型の弱塩基性イ
オン交換樹脂(ダイヤイオンWA20、三菱化学製)7
0mlを充填した直径20mm×300mmガラスカラ
ムにSV=1.2(h-1)で通液した。樹脂が吸着した
タングステン酸は2.5×10-3mol、吸着率は66
%であった。
【0027】実施例2 タングステン酸ナトリウム・2水和物の代わりにモリブ
デン酸ナトリウム・2水和物2.0g(0.0082m
ol)を触媒として用いた以外は実施例1と同様に反応
した。反応成績は過酸化水素転化率97%、マレイン酸
転化率96%、過酸化水素基準シス−エポキシコハク酸
選択率96%、マレイン酸基準シス−エポキシコハク酸
選択率97%であった。得られた反応液の一部245g
を実施例1と同様にグルカミン型キレート樹脂(ダイヤ
イオンCRB02、三菱化学製)が50ml入ったカラ
ムにSV=1.0(h-1)で通した。樹脂に吸着したモ
リブデン酸は1.6×10-3mol、吸着率は99%以
上であった。次いで、2規定硫酸水溶液をSV=1.0
(h-1)で100ml通して該樹脂を酸洗浄した後、1
規定水酸化ナトリウム水溶液170mlをSV=1.0
(h-1)で通した。溶離したモリブデン酸は1.5×1
-3mol、脱着率は94%であった。この回収した触
媒を用いて反応を行った結果、過酸化水素転化率95
%、マレイン酸転化率93%、過酸化水素基準シス−エ
ポキシコハク酸選択率96%、マレイン酸基準シス−エ
ポキシコハク酸選択率98%であった。
【0028】実施例3 タングステン酸ナトリウム・2水和物の代わりにリンタ
ングステン酸ナトリウム水和物2.8g(タングステン
原子を0.0082mol含有)を触媒として用いた以
外は実施例1と同様に反応した。反応成績は過酸化水素
転化率98%、マレイン酸転化率97%、過酸化水素基
準シス−エポキシコハク酸選択率97%、マレイン酸基
準シス−エポキシコハク酸選択率98%であった。得ら
れた反応液の一部250gを実施例1と同様にグルカミ
ン型キレート樹脂(ダイヤイオンCRB02、三菱化学
製)が50ml入ったカラムにSV=1.0(h-1)で
通した。樹脂が吸着した触媒はタングステン原子として
1.6×10-3mol、吸着率は98%であった。次い
で、2規定硫酸水溶液をSV=1.0(h-1)で100
ml通して該樹脂を酸洗浄した後、1規定水酸化ナトリ
ウム水溶液213mlをSV=1.0(h-1)で通し
た。溶離した触媒はタングステン原子として1.5×1
-3mol、脱着率は94%であった。この回収した触
媒を用いて反応を行った結果、反応成績は過酸化水素転
化率98%、マレイン酸転化率96%、過酸化水素基準
シス−エポキシコハク酸選択率97%、マレイン酸基準
シス−エポキシコハク酸選択率99%であった。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、タングステン又はモリ
ブデン化合物の触媒が、シス−エポキシコハク酸の反応
液から効率的かつ選択的にシス−エポキシコハク酸から
分離されると共に、回収された触媒は十分な活性を有
し、賦活処理等を行わずに上記反応用触媒として循環再
使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 ゆかり 茨城県つくば市和台22番地 三菱瓦斯化学 株式会社総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タングステン又はモリブデン化合物触媒
    の存在下、無水マレイン酸若しくはマレイン酸又はその
    塩と過酸化水素とを反応させ、シス−エポキシコハク酸
    塩を製造した後、反応液中に含まれる触媒を、下記式
    (1)で示されるキレート形成基を有するキレート樹脂
    を用いて吸着分離することを特徴とするシス−エポキシ
    コハク酸塩の製造方法。 【化1】 (但し、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基、
    nは1〜6の整数を表す。)
  2. 【請求項2】 触媒を吸着したキレート樹脂を酸性水溶
    液で洗浄処理し、次いでアルカリ水溶液で処理して触媒
    を溶離させ、得られた触媒を反応に再使用する請求項1
    記載のシス−エポキシコハク酸塩の製造方法。
  3. 【請求項3】 式(1)で示されるキレート形成基が、
    Rがメチル基、nが4であるグルカミン基を有するキレ
    ート樹脂である請求項1記載のシス−エポキシコハク酸
    塩の製造方法。
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