JPH0829033B2 - 育苗方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は野菜等を計画的に生産する植物工場における
苗の生産装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来の育苗装置としては実公昭55−36058号等が知ら
れている。これは上面に切開条溝を形成した帯状スポン
ジ培地を並列状又は渦巻状に密接して配置して育苗床を
形成し、これを培養液を有する育苗水槽に配置し、貯留
水槽と育苗水槽との間を培養液を循環させて育苗するも
のである。

〔発明が解決しようとする問題点〕

これは幼苗を大量に生産すると言う点では有効である
が、良質の苗をある程度の大きさで周年栽培するには向
いてなく、栽培の毎に再セットする必要があった。

本発明は上記欠点に鑑み、良い苗を狭い場所で効率よ
く周年で栽培することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的は、ローラコンベヤ上を複数の育苗槽を移動
させて苗を育苗するに際し、前記苗の播種から定植まで
の成育段階に応じて前期ローラコンベヤ上の搬送路を複
数個の領域に分割し、該各領域にそれぞれ複数個の前記
育苗槽を並設し、前記各育苗槽の寸法を同一領域内では
同一であるが成育が進行した領域ほど大きくなるように
選び、前記各領域において前記複数個の同一寸法の育苗
槽を、循環開始位置から循環終了位置まで循環的に移動
し、前記各領域における育苗槽の時間当たりの移動個数
を等しく選び、前記循環終了位置に到達した前記育苗槽
内の前記苗を取り出すとともに、取り出して空になった
該育苗槽を前記循環開始位置に戻し、取り出した前記苗
を隣接する領域の前記循環開始位置に戻される前記空の
育苗槽に移植することにより達成される。

〔作用〕

苗の各段階の大きさに対応した複数の育苗槽をローラ
コンベヤ上に並べることができるので、効率良く周年栽
培ができるものである。またローラコンベヤに載ってい
るので、毎日、各群の育苗槽間で移植を行うに当って、
育苗槽の移動を容易に行うことができるものである。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例を図に従って説明する。架台１
はアンカーボルト２によって基礎３に固定されている。
架台１の上にはローラコンベヤ４が固定されている。ロ
ーラコンベヤの搬送方向は左右方向であり、また、動力
を有しないフリーローラコンベヤである。このローラコ
ンベヤ４の上にある箱24の中に第１育苗槽５が所定の数
だけ入っている。また、ローラコンベヤ４の上には第２
育苗槽６が４個、第３育苗槽７が４個、第４育苗槽８が
５個載せられている。各育苗槽の内には培地があり、ま
た、その育苗槽の大きさはそれぞれの時点の苗の大きさ
に対して設けている。

また、架台１の側方には給水管９とトイ10が対応して
取付けられている。給水管９にはバルブ12が取付けられ
たホース11が第２育苗槽６と第３育苗槽７と第４育苗槽
８の数を加えた数だけ取付けられている。このホース11
は各育苗槽の一端の方方に開口している。他端側の各育
苗槽の下面には培養液の排水管があり、これはトイ10の
上方に開口している。

給水管９にはパイプ13が取付けられポンプ14,パイプ1
5,バルブ15,パイプ17を介して、タンク18に至る。また
トイ10にはパイプ19が取付けられタンク18に至る。

このように構成したので、タンク18内の養水33は肥料
濃度,PHを調整されてポンプ14により各育苗槽へ供給さ
れるものであり、この育苗槽からパイプ34,トイ10,パイ
プ19を経てタンク18へ戻される。

第２図は苗の播種から定植までの動きを表わす。ま
ず、水20の入っている第１育苗槽５の中に種子21を播種
し、ローラコンベヤ４上の箱24内に並べる。

約５〜６日後に幼苗22ができる。これをウレタン等で
できた培床23にはさみ、第２育苗槽６の中の格子25の中
にさし込む。一つの第２育苗槽６は所望数（例えば、二
つ）の第１育苗槽５の全ての幼苗を植付け可能である。
そして、この第２育苗槽６をローラコンベヤ４上に置
く。

幼苗22は所定の期日（本例は４日間）で幼苗26とな
る。大きさは格子25の大きさと同じくらいとなる。これ
を培床23を用いて第３育苗槽７に移すのだが、第３育苗
槽７の上には蓋27が置いてある。この蓋27の上には穴28
が明けてあり、この中に幼苗26を移すものである。一つ
の第３育苗槽７は一つの第２育苗槽６の幼苗を植付け可
能である。そして、この第３育苗槽７をローラコンベヤ
４の上に置く。

この幼苗26は所定の期日（本例では４日）で幼苗29と
なる。大きさは直径ａ位となる。同様に第４育苗槽８の
上の蓋30の穴31に幼苗29を移植する。一つの第４育苗槽
８は一つの第３育苗槽７の幼苗を植付け可能である。そ
して、この第４育苗槽８をローラコンベヤ４上に置く。
そして、所定の期日（本例では５日間）で苗32となり、
直径ｂの大きさとなる。この５日後の第４育苗槽を促成
栽培区に持って行って、移植するものである。

以上のように、第２育苗槽６、第３育苗槽７、第４育
苗槽８での育苗にそれぞれ、４日、４日、５日を必要と
している。このため、毎日の移植を可能とするために、
ローラコンベヤ４上には、第２育苗槽６、第３育苗槽
７、第４育苗槽８をそれぞれ４個、４個、５個を並設し
ている。なお、第１育苗槽５は５〜６日必要とするの
で、第１育苗槽５から第２育苗槽６への移植を毎日行う
ために、所望数（例えば二つ）の第１育苗槽５に毎日播
種し、直列に並べる。箱24内には５〜６日分の第１育苗
槽を直列に置けるようになっている。

このため、第４育苗槽８で５日経過すると、その第４
育苗槽８は第１図において最左端に位置しているので、
これを取出し、促成栽培区に運ぶ。次に、残った四つの
第４育苗槽８を左側に押してローラコンベヤ４上を一つ
の第４育苗槽８の長さだけ移動させる。

また、同時に、第３育苗槽７群、第２育苗槽６群の図
において左端の一つの第３育苗槽７、一つの第２育苗槽
６を取出し、それぞれ、新規な一つの第４育苗槽８、同
じく第３育苗槽７に移植する。また、第３育苗槽７群、
第２育苗槽６群を左側に移動させる。そして移植の終っ
た第４育苗槽８、第３育苗槽７を前記移動によって生じ
た空白のローラコンベヤ４上に置く。

箱24の端部の第１育苗槽５を取出し、これを新規な一
つの第２育苗槽６に移植し、前記移動によって生じた第
２育苗槽６群の空白部分に置く。

前記、箱24内でも前記端部側に向けて移動させ、空白
部分に播種した第１育苗槽５を置く。

なお、次の段階へ移植して空になった育苗槽は洗浄し
た後、再利用する。

なお、第４育苗槽８等で１日分の育苗槽が大きくなり
すぎれば複数に分割してもよい。

かかる構成によれば、周年栽培を行うことができるも
のである。

また、各育苗槽をローラコンベヤの上に載せたので、
移動を容易に行えるものである。この移動は１日１回で
わずかであるので、動力を要しないローラコンベヤを用
いることができるものである。

また、育苗槽を各段階における苗の大きさに従って設
け、一つの育苗槽の大きさは１日分の移植量の大きさを
基準としているので、面積効率が向上するばかりでな
く、作業の手順管理が容易になるものである。

極めて多くの苗を育てる必要がある場合は、第１図に
示すものを所要数並設することになる。

苗によって各育苗槽の数、幅が変る恐れのある場合
は、ホース11は蛇腹管を用い、その開口の位置を適宜変
えられるようにすると良い。

〔発明の効果〕

本発明によれば、面積効率が向上し、移植の作業手順
の管理が容易であるとともに、各段階間移植の際の間引
きにより、良質の苗の周年栽培が可能な方法を提供でき
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の育苗装置の斜視図、第２図
は苗を栽培する過程を示す図である。 １……架台、４……ローラコンベヤ、５……第１育苗
槽、６……第２育苗槽、７……第３育苗槽、８……第４
育苗槽、10……トイ、14……ポンプ、18……タンク、19
……給水管、11……ホース、12……弁、34……排水管

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ローラコンベヤ上を複数の育苗槽を移動さ
   せて苗を育苗するに際し、 前記苗の播種から定植までの成育段階に応じて前記ロー
   ラコンベヤ上の搬送路を複数個の領域に分割し、該各領
   域にそれぞれ複数個の前記育苗槽を並設し、前記各育苗
   槽の寸法を同一領域内では同一であるが成育が進行した
   領域ほど大きくなるように選び、 前記各領域において前記複数個の同一寸法の育苗槽を、
   循環開始位置から循環終了位置まで循環的に移動し、前
   記各領域における育苗槽の時間当たりの移動個数を等し
   く選び、前記循環終了位置に到達した前記育苗槽内の前
   記苗を取り出すとともに、取り出して空になった該育苗
   槽を前記循環開始位置に戻し、 取り出した前記苗を隣接する領域の前記循環開始位置に
   戻される前記空の育苗槽に移植することを特徴とする育
   苗方法。