JP3781275B2 - 連結プラグを用いる葉菜類の軽石栽培方法 - Google Patents

連結プラグを用いる葉菜類の軽石栽培方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、養液栽培のうちの葉菜類の栽培に関するものであって、詳細には、作業の簡略化及び単位面積当たりの収穫量の向上を可能にする葉菜類の栽培に関し、それに用いる育苗用容器(「育苗用プラグ」ともいう)、その育苗用容器を用いる葉菜類の栽培方法に関する。更に、本発明は、特に、粗土壌培地の点滴掛流し栽培方法に関する。この栽培方法に適している栽培品目として、ホウレンソウが挙げられる。
【0002】
【従来の技術】
種子から苗を育てるには、現在次のようなやり方を取るのが普通である。すなわち、多数の窪みを有する育苗トレーに育苗用の培地を満たし、各窪みに播種した後、適切な温度及び湿度の環境にトレー毎保管し、そして、種子が発芽し、苗が適度に成育した後、その苗を適当な温室培地や露地に定植をする。その育苗トレーの代表的なものは図3に示すような構造を有するものであって、縦横に多数の育苗用容器2を設けたもので、プラグトレー7とも呼ばれている。各育苗用容器2は、図4に示すように底面に排水用の開口部5を有しているが、その開口部5は培地を保持する関係でなるべく小さいものとなっている。
このように、畑のような土壌に種子を直接蒔く、いわゆる直播きのような天然の栽培形態とは異なって、苗を本来の栽培培地とは別の苗床で育てるには、幾つかの理由がある。
例えば、温室栽培の場合、より効率が求められるので、省スペース、省資源かつ省労力を可能とする育苗トレーでの育苗が行われる。また、稲のように冷害を予防するため、まだ寒い季節に温床で育苗することもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような別に育てた苗を定植する栽培では、定植後の苗の活着に問題が生じる。即ち、正常に育成している苗を定植する際に、育苗トレーから苗を取り出すときに、すなわち移植する際、苗が植えられている培地全体が大きく動かされるため、また移植コテにより根が切られるためなどにより、苗の根へ著しく損傷を与えて、株そのものが枯れたり、根が延びて活着するまでの期間に差が出るなどのため、その後の生育に大きな違いが現れたりするという問題点があった。
【0004】
現在の換金作物では、一連の農作業の作業効率を高めるために、一斉収穫がなされることが多く、このため、苗の定植に際しては単に活着すれば十分というわけでなく、定植した株全体が一斉に等しく成長し、かつ収穫できるようになることが望まれる。このような農作業プロセスからいうと、生育の遅れた株は全体から見れば、商品とはならないばかりか、かえって廃棄物となり、従来の欠株よりも経済的な損失を被ることとなるという問題点もあった。
このため、育苗トレーから苗を定植する際に、苗の根圏の健全性が保たれ、かつ機械化することができる育苗、栽培の連続的一貫手法が望まれている。
【0005】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、定植するために育苗トレーから苗を取り出す必要がなく、苗の根へ傷害を全く与えないようにして、活着期間やその後の生育に違いを生じない育苗及び栽培方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の課題を解決するために鋭意検討を行い、育苗トレーとして底面が全面的に開口している連結プラグを使用し、この中に軽石を充填して育苗を行い、この連絡プラグをそのまま栽培用に使用することにより、定植時の苗の根の傷害を完全に防止できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、下記の手段により前記課題を解決した。
(1)上面が開口し、底面が葉菜類の根が下方に延び出ることができる十分な大きさに開口している開口部を有する育苗用及び栽培用容器が複数個一列又は複数個複数列にかつ切り離しができない状態で連結されており、各育苗用及び栽培用容器内に多孔質表面を有する粒子からなる粗土壌が充填された栽培用連結プラグに葉菜類の種子を播種後、前記土壌の表面を覆土して、育苗し、育苗した葉菜類の苗が定植できる段階で、その苗を有する連結プラグをそのまま培地が粗土壌からなる栽培ベッド内へ定植することを特徴とする葉菜類の軽石栽培方法。
(2)前記の苗を有する栽培用連結プラグをそのまま培地が粗土壌からなる栽培ベッドへ定植するに際して、前記栽培ベッド内に一定間隔で前記連結プラグを挿入することができる大きさの空所を設け、各空所に前記連結プラグをそれごと挿入して設置することにより定植することを特徴とする前記(1)記載の葉菜類の軽石栽培方法。
【0008】
(3)前記栽培ベッドが長方形であり、前記栽培ベッドの長手方向に沿って灌水チューブが配置され、前記連結プラグを挿入する空所は、灌水チューブに沿って配置され、栽培ベッドへ前記の連結プラグごと定植された前記連結プラグの葉菜類の苗に対して灌水チューブから灌水することを特徴とする前記(1)記載の葉菜類の軽石栽培方法。
(4)前記粗土壌が、火山性軽石であって、1〜5.6mmの粒径の粗土壌を用いることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1項記載の葉菜類の軽石栽培方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の具体的態様を図面に基づいて説明する。
なお、実施の形態及び実施例を説明する全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。図1は、本発明の栽培用連結プラグ1の斜視図である。この栽培用連結プラグ1(「栽培用連結プラグ」を以下簡単のために「連結プラグ」と略称する)は、育苗用及び栽培用容器2(「セル」ともいう、「育苗用及び栽培用容器)を以下簡単のために「育苗用容器」と略称する)が隣の育苗用容器2と切り離しがきかない状態で連結しており、その育苗用容器2が複数個一列につながって構成されてなるものである。また前記育苗用容器2が複数個一列のものが複数列横につながって構成されてなるものでもよい。
個々の育苗用容器2は、上面3が開口し、底面4が葉菜類の根が下方に延びることができるに十分な大きさに開口した開口部5を有している。図2は、連結プラグ1の底面図を示すものである。その底面4の開口部5の大きさは、従来の排水用の穴の大きさより大きいことが好ましく、苗をセル毎定植したときに、葉菜類の成長に伴って根が十分伸び、かつ太くなっても差し支えない程度に広い方がよく、場合によっては全面的に開口していてもよい。全面的に開口したものは、実質的に底が無いので、「無底」とも呼んでいる。図2のものは、無底連結プラグである。実際上は、内部に粗い土壌を入れた際にそれを保持できる程度の開口割合とすることが好ましい。
【0010】
連結プラグ1における育苗用容器2の形状は、平面形状は四角がもっとも好ましいが、細長い形状でもよく、場合によっては丸形でもよいが、単位とする育苗用容器2が連続してつながった形態とする関係から、四角形が最も好ましい。個々の育苗用容器2は、縦方向には台形であるものが多いが、柱状形でもよい。
連結プラグ1は、育苗用容器2が複数連続してつながっている形態でもよい。このような形態のものは、従来のプラグトレーの製造工程を少し変えるだけで容易に製造することができる利点がある。
また、プランタンのように、育苗用容器2の複数個分の長さがある細長い形態とし、それに中間の仕切りを設けることにより、育苗用容器2を複数個分形成するようにすることにより、簡単に製造することができる。なお、連結プラグ1の端部にはつまみ6を設けておくと、取り扱いが容易となり、栽培ベッド内に連結プラグ1を埋設する場合とか、栽培ベッドから連結プラグ1を取り出す場合などに役に立つ。
連結プラグの材質は、プラスチック製であることが多い。
【0011】
このような連結プラグは、育苗用容器2が複数連続してつながっている形態で、細長いものであるので、その製造に際しては、最初にこの基本的な連結プラグのユニットを横方向に複数個連続して接続するような形態として製造するときには、第1工程として育苗用容器2が縦横につながった連結プラグトレーが形成される。
この連結プラグトレーは、外観が従来からある育苗用容器2が縦横につながった育苗トレー(プラグトレー)と同じようであるが、連結プラグトレーの各ユニットの相互間には、予めミシン目9のような切り離しが容易な切断用部分を設けておき、第2工程でその切断用部分で切り離して、連結プラグのユニットとして得ることができる。
本発明の連結プラグは、苗の定植時に連結プラグのユニットごとにそのまま定植すべき土壌に定植するので、育苗作業及び定植作業を容易に行うことができる。従来のプラグトレーについて、各育苗用容器2ごとにミシン目をつけておくように改良し、各育苗用容器2ごとに切り離して各育苗用容器2ごと定植する手段を取ることが考えられるが、本発明ではその場合に比しても定植作業が非常に簡単化される利点がある。
【0012】
図1は、育苗用容器2を5個一方向にだけ連結した連結プラグ1(無底連結プラグ8となっている)の斜視図であり、図2は、その底面図である。図2中、5は図4と同様に底面開口部を示す。なお、底面開口部5は、必ずしも図2に示すように、底面全体が完全に開口された、いわゆる底無し状態である必要なく、図4に示すように、底面の大部分が開口状態になっていて、葉菜類の根が栽培用培地土壌中へ自由に延び出ることができる構造になっておればよい。
図3は、育苗用容器2を一方向にだけ連結した連結プラグ1を製造するためのプラグトレー7の斜視図であり、各連結プラグのユニットごとにミシン目9が付けられている。図4は、図3のプラグトレー7の底面図である。上面3の方が底面開口部5に比べ広いタイプのものである。これは、各連結プラグのユニットごとに個々に切り離して製造するためのトレーとして好都合だからである。
【0013】
本発明においては、前記の育苗用容器内に多孔質表面を有する粒子からなる粗土壌が充填されている連結プラグに葉菜類の種子を播種後、上記土壌の表面を覆土して、育苗するが、その苗が育ち、定植できる大きさになった段階で、その苗を連結プラグごと培地が粗土壌からなる栽培ベッドへ定植する。
その定植に際しては、前記栽培ベッドに予め一定間隔で前記連結プラグを挿入するできる大きさの空所を設け、各空所に前記連結プラグをそれごと設置することにより定植することが好適であり、その作業を機械化することができる。
その場合、前記栽培ベッドとして長方形のものとし、前記栽培ベッドの長手方向に対して灌水チューブを配置しておき、前記連結プラグを挿入する空所は、灌水チューブに沿った位置で、かつ等間隔で掘り上げるようにして設けるようにすることができる。
そして、前記空所の各々に連結プラグを挿入し、その際連結プラグの挿入による定植は機械的手段により容易に行うことができ、また前記空所の掘り上げも等間隔で行うことにより、機械的手段で容易に行うことができる。
その等間隔で定植された連結プラグの葉菜類の苗に対しては、前記苗が等間隔で定植されている関係で、その傍に配置された灌水チューブの等間隔で設けた排水口から容易に連結プラグの葉菜類の苗に対して灌水することができる。
【0014】
灌水方法は、点滴掛流しが好ましい。灌水には水分及び肥料成分を含む培養液を用いるが、場合によってはある期間だけ水を供給することもできる。また培養液は、pHが4〜8に調整されたものを用いることにより、土壌を弱酸性に保つことができる。そして軽石培地には、培養液供給装置から成分と濃度が調整された培養液が導水管に多数設けられたマニフォールド、およびマニフォールドに接続されたビニール製のホース(滴下チユーブ)とにより滴下供給されるようになっている。
このような点滴掛流しの施設栽培では、培養液の滴下量が少なく、肥倍管理のためのエネルギーが少ない。
【0015】
また、培地としてシラスの様な軽石を用いた場合には、軽石は保肥能力が低いので、比較的短いサイクルで培養液を滴下供給しなければならない。しかし、全体として培養液の滴下量は、培地の表面蒸発と、作物の表面蒸発に見合う量であればよいので、極めて少ない量となる。
なお、培地用の材料としては、園芸用土壌代替物として知られているバーミキュライト、土壌混合物として知られているパーライトなどの無機発泡体も考えられるが、強度、作物の保持に必要な比重が小さ過ぎる、強度的に軽石に較べて弱い等の点で軽石ほど好ましい材料でない。更に、連続気泡型の発泡プラスチック、例えば、ウレタンフォーム等も考えられるが、有機物であるため、高価であるばかりでなく、耐久性の点からも軽石に較べ劣り、軽石が最も好ましい材料と言える。
【0016】
さらに、培地は、シラスの様な軽石を用いた場合には、粒径1〜5.6mm程度のものとするのがよいから、その場合培地粒子間の空隙も一般の露地における土壌の空隙よりも大きなものとなっている。
しかも、上記のように培養液の滴下量は蒸発に見合う量であるため、培地は常に乾燥気味に維持されるため、根腐れのおそれが全くなくなるばかりでなく、余剰培養液の排出による栽培施設周辺地区の環境汚染の心配も全く生じない。
【0017】
また、水耕栽培のような大量の培養液を循環させる施設では、培養液の廃棄に際して多量の汚濁液を排出するため好ましいものではなかった。また、培養液を循環させると、作業工程が増えてしまう。ひとつは、循環させると菌も繁殖しやすいので殺菌作業が必要である。もうひとつは、培養液の成分バランスが作物に吸収されることによりくずれてくるので、培養液の成分調整作業が必要になってくる。作業工程が増えれば費用がかかるという問題点もあった。
本発明では、このような問題が全て解消され、極めて実用性に優れた栽培方法となる。
【0018】
上記のように構成されて、軽石を充填した矩形状プラグや無底連続プラグ等の連結プラグに播種後、上記軽石からなる粗土壌を1cm程度覆土し育苗したものを、そのまま連結プラグごとビニールハウス等の栽培施設の培地又は露地の適宜間隔を置いて設けた穴内に配置して、定植しその後栽培を継続する。このため、育苗容器からいったん苗床を取り出すことによる苗の根の傷害が皆無であるばかりでなく、定植の手間もかからなくなり、育苗作業及び定植作業を機械化することができる。
【0019】
次に、本発明の葉菜類の軽石栽培について、ホウレンソウを例にとって、水耕栽培と比較した特徴を、育苗、養液管理及び生育、収量、品質の項目ごとに比較、対照して以下に列記する。
【0020】
1.軽石栽培
1)育苗
・育苗、定植とも軽石培地を使用し、培地の廃棄がない。
・育苗ポットは、5株セットの専用セルトレーを使用し、育苗、定植もポットのまま行う。
・育苗ポットは長期使用(5年以上)が可能で、使い捨てによる廃棄がない。
・発芽時の発根が培地中へ正常に貫入しやすい。
・育苗期間の調節により定植から収穫までの在圃期間の短縮ができる。
・育苗ポット(5株セルトレー)のまま移植するので、移植作業が大幅に短縮できる。
【0021】
2)養液管理
・常に新しい養液を点滴給液するので、生育が安定である。
・給液システムがシンプルでトラブルがない。
・養液供給量が少量なため、無駄がなく環境負荷もない。
・連作傷害がなく、培地、栽培容器の消毒もない。
・養液の肥料組成、濃度、pHの調節が簡便である。
3)生育、収量、品質
・葉色が濃く、肉厚で収穫後の日持ちが長い。
・出葉数が多く、生体重が増加する。
・シュウ酸(アク)が減少し、生食利用ができる。
・下葉の黄化、枯死が少なくなり、収穫、調整作業が省力化できる。
【0022】
2.水耕(湛液)栽培 1)育苗
・化成材料(ウレタン、ロックウール、ビニロン、スチレンオアシス等)で育苗し、
・発芽時の発根が培地に貫入しにくい。
・育苗期間が3日〜10日の短期に限定される。
・移植、収穫が、1株単位で行うので、手間がかかる。
【0023】
2)養液管理
・養液を常時、環流、通気を必要とし、コスト高となり、停電によるトラブルが多い。
・養液温度の上下による根の傷害が多発する。
・養液量を多量必要とし、栽培終了時の排液が環境負荷を及ぼす。
・養液内に病原菌が侵入すると瞬時に全滅する。
・養液、栽培資材の消毒、殺菌が不可欠である。
3)生育、収量、品質
・生育速度は早いが、茎葉が軟弱で日持ちが悪い。
・葉色(葉緑素)が淡く、葉肉も薄い。
・下葉の黄化、小葉が多く、収穫、調整作業が煩雑である。
・シュウ酸(アク)が少なく、生食利用ができる。
【0024】
次に、本発明の連結プラグを用いてホウレン草を栽培ベッドで栽培するやり方を具体的に説明する。
図5に示すように、粒径が1〜5.6mmの軽石を培地とする栽培ベッド11を形成する。この栽培ベッド11の大きさは幅が430mmで、長さが1200mmとし、栽培ベッド11の培地の少し上方に長手方向に2列の点滴チューブ13を配置する。点滴チューブ13の配置の位置は、図5に示すように、長手方向の両側端から50mm内側とする。
栽培ベッド11には、縦25mm、横25mmの育苗用容器2を5個連結して、幅25mm、長さ125mmの大きさを持つ連結プラグ10を、栽培ベッド11の長手方向に4列並べて配置し、長手方向の1200mmの線上に5個が順次入るように配置する。その際、連結プラグ10の上面が栽培ベッド11の上面と同じ高さとなるように埋設するように配置する。あるいは、連結プラグ10を配置した後、栽培ベッド11上に培地の軽石を散布してもよい。
【0025】
この栽培ベッド11を用いる栽培システムでは、栽培ベッド11に対し必要でかつ過剰な量とならないように培養液の供給が制御されることにより、ホウレン草の栽培を行うことができる。
その培養液の供給の制御は、培養液タンク14から培養液が給水管12を通って点滴チューブ13に供給するのを、給水管12の途中にポンプ15を設けて培養液を送るようにし、給水管12から分岐して各点滴チューブ13に接続する給水副管12aにそれぞれ電磁弁16を設け、制御盤17からの信号でポンプ15を駆動するとともに、各電磁弁16を開閉するようにして、培養液を所定時間及び所定間隔で供給するようにすることができる。
その際、点滴チューブ13から点滴された培養液は、その点滴チューブ13の両側に沿って配置された連結プラグ10に対して、滴下されるので、最も有効に連結プラグ10に届き、最も有効に利用されることができる。
【0026】
なお、栽培ベッド11には、連結プラグ10の配置の作業が容易に行えるように、連結プラグ10の大きさよりも少し大きい形状の箱体を設置しておくと、周囲の軽石培地が崩れて連結プラグ10が入るだけの穴を保持しておくことが困難であるという問題を避けることができる。
また、前記栽培ベッド11に対する制御盤17を用いる培養液の供給の制御においては、培地のpF値を基準にして制御することが好ましい。
図6には、ホウレンソウの苗が植わっていたものを定植して成長させたホウレンソウが植わっている本発明の連結プラグの側面図を示す。図6に示す連結プラグ10は、育苗用容器2を5つ連結したものであり、左端にはつまみ6が付いている。図6は、ホウレンソウの苗が育っている連結プラグ10を定植してホウレンソウが成長して収穫できる状態となったものを取り出したものを側面から見たものであって、育苗用容器2の底の開口部が大きいため、その底部から下方に根21が良く伸び、軽石22をからみあって保持している状態が分かる。また、育苗用容器2の上方にはホウレンソウ20の葉が良く成長している様子が分かる。
【0027】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこの実施例により何等制限されるものではない。
なお、実施例、比較例とも要点項目を箇条書き方式で列記する。
【0028】
Figure 0003781275
【0029】
Figure 0003781275
【0030】
(実施例と比較例の収穫量の比較)
従来のセルトレーを用いる育苗方法の収穫量: 1075g/0.5m2
本発明の連結トレーを用いる育苗方法の収穫量:1550g/0.5m2
収穫量で44%の増加がみられた。
【0031】
【発明の効果】
本発明の葉菜類の軽石栽培方法によれば、定植するために育苗トレーから苗を取り出す必要がないため、苗の根に傷害を与えることが全くなく、その結果、活着期間やその後の生育に違いを生じることがない。しかも、軽石のような粗土壌を使用して、培養液を点滴掛流し方式で供給する方式であるから、プラグトレー中に水がたまらないため、根腐れを生じない。その上、育苗を行った連結プラグをそのまま培地や露地に適宜間隔をおいて埋設するだけでよいから、定植のための手間もかからず、育苗トレーが長期間使用可能なこととあわせて、省力化とコスト低減も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の育苗及び栽培用の連結プラグの斜視図を示す。
【図2】図1の連結プラグの底面図を示す。
【図3】連結プラグ製造工程におけるプラグトレーの斜視図を示す。
【図4】図3のプラグトレーの部分詳細説明用底面図を示す。
【図5】本発明の連結プラグを用いたホウレン草の栽培設備の概要説明図を示す。
【図6】ホウレン草の苗が育っている本発明の連結プラグの側面図を示す。
【符号の説明】
1 連結プラグ
2 育苗用容器
3 上面
4 底面
5 底面開口部
6 つまみ
7 プラグトレー
8 無底連結プラグ
9 ミシン目
10 連結プラグ
11 栽培ベッド
12 給水管
13 点滴チューブ
14 培養液タンク
15 ポンプ
16 電磁弁
17 制御盤
20 ホウレン草
21 根
22 軽石

Claims (4)

  1. 上面が開口し、底面が葉菜類の根が下方に延び出ることができる十分な大きさに開口している開口部を有する育苗用及び栽培用容器が複数個一列又は複数個複数列にかつ切り離しができない状態で連結されており、各育苗用及び栽培用容器内に多孔質表面を有する粒子からなる粗土壌が充填された栽培用連結プラグに葉菜類の種子を播種後、前記土壌の表面を覆土して、育苗し、育苗した葉菜類の苗が定植できる段階で、その苗を有する連結プラグをそのまま培地が粗土壌からなる栽培ベッド内へ定植することを特徴とする葉菜類の軽石栽培方法。
  2. 前記の苗を有する栽培用連結プラグをそのまま培地が粗土壌からなる栽培ベッドへ定植するに際して、前記栽培ベッド内に一定間隔で前記連結プラグを挿入することができる大きさの空所を設け、各空所に前記連結プラグをそれごと挿入して設置することにより定植することを特徴とする請求項1記載の葉菜類の軽石栽培方法。
  3. 前記栽培ベッドが長方形であり、前記栽培ベッドの長手方向に沿って灌水チューブが配置され、前記連結プラグを挿入する空所は、灌水チューブに沿って配置され、栽培ベッドへ前記の連結プラグごと定植された前記連結プラグの葉菜類の苗に対して灌水チューブから灌水することを特徴とする請求項1記載の葉菜類の軽石栽培方法。
  4. 前記粗土壌が、火山性軽石であって、1〜5.6mmの粒径の粗土壌を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の葉菜類の軽石栽培方法。
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