JP2002305963A - 連結プラグ及び葉菜類の軽石栽培方法 - Google Patents

連結プラグ及び葉菜類の軽石栽培方法

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Kazuyuki Seki
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Shigeyasu Yonemori
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 定植のために育苗トレーから苗を取り出す必
要がないため、苗の根への傷害が全くなく、活着期間や
その後の生育に違いを生じない育苗及び栽培方法、及び
それに用いる連結プラグを提供する。 【解決手段】 上面が開口し、底面が葉菜類の根が下方
に延びることができるに十分な大きさに開口している開
口部を有する育苗用容器が複数個一列にかつ切り離しが
できない状態で連結されており、各育苗用容器内に多孔
質表面を有する粒子からなる粗土壌が充填されている連
結プラグ。前記連結プラグに葉菜類の種子を播種後、上
記土壌の表面を覆土して、育苗し、育苗した葉菜類の苗
が定植できる段階で、その苗を有する連結プラグをその
まま培地が粗土壌からなる栽培ベッド内へ定植する葉菜
類の軽石栽培方法。培地が1〜5.6mmの軽石。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、養液栽培のうちの
葉菜類の栽培に関するものであって、詳細には、作業の
簡略化及び単位面積当たりの収穫量の向上を可能にする
葉菜類の栽培に関し、それに用いる育苗用容器(「育苗
用プラグ」ともいう)、その育苗用容器を用いる葉菜類
の栽培方法に関する。更に、本発明は、特に、粗土壌培
地の点滴掛流し栽培方法に関する。この栽培方法に適し
ている栽培品目として、ホウレンソウが挙げられる。
【0002】
【従来の技術】種子から苗を育てるには、現在次のよう
なやり方を取るのが普通である。すなわち、多数の窪み
を有する育苗トレーに育苗用の培地を満たし、各窪みに
播種した後、適切な温度及び湿度の環境にトレー毎保管
し、そして、種子が発芽し、苗が適度に成育した後、そ
の苗を適当な温室培地や露地に定植をする。その育苗ト
レーの代表的なものは図3に示すような構造を有するも
のであって、縦横に多数の育苗用容器2を設けたもの
で、プラグトレー7とも呼ばれている。各育苗用容器2
は、図4に示すように底面に排水用の開口部5を有して
いるが、その開口部5は培地を保持する関係でなるべく
小さいものとなっている。このように、畑のような土壌
に種子を直接蒔く、いわゆる直播きのような天然の栽培
形態とは異なって、苗を本来の栽培培地とは別の苗床で
育てるには、幾つかの理由がある。例えば、温室栽培の
場合、より効率が求められるので、省スペース、省資源
かつ省労力を可能とする育苗トレーでの育苗が行われ
る。また、稲のように冷害を予防するため、まだ寒い季
節に温床で育苗することもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような別に育てた
苗を定植する栽培では、定植後の苗の活着に問題が生じ
る。即ち、正常に育成している苗を定植する際に、育苗
トレーから苗を取り出すときに、すなわち移植する際、
苗が植えられている培地全体が大きく動かされるため、
また移植コテにより根が切られるためなどにより、苗の
根へ著しく損傷を与えて、株そのものが枯れたり、根が
延びて活着するまでの期間に差が出るなどのため、その
後の生育に大きな違いが現れたりするという問題点があ
った。
【0004】現在の換金作物では、一連の農作業の作業
効率を高めるために、一斉収穫がなされることが多く、
このため、苗の定植に際しては単に活着すれば十分とい
うわけでなく、定植した株全体が一斉に等しく成長し、
かつ収穫できるようになることが望まれる。このような
農作業プロセスからいうと、生育の遅れた株は全体から
見れば、商品とはならないばかりか、かえって廃棄物と
なり、従来の欠株よりも経済的な損失を被ることとなる
という問題点もあった。このため、育苗トレーから苗を
定植する際に、苗の根圏の健全性が保たれ、かつ機械化
することができる育苗、栽培の連続的一貫手法が望まれ
ている。
【0005】本発明は、このような従来の課題に鑑みて
なされたものであり、定植するために育苗トレーから苗
を取り出す必要がなく、苗の根へ傷害を全く与えないよ
うにして、活着期間やその後の生育に違いを生じない育
苗及び栽培方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決するために鋭意検討を行い、育苗トレーとして
底面が全面的に開口している連結プラグを使用し、この
中に軽石を充填して育苗を行い、この連絡プラグをその
まま栽培用に使用することにより、定植時の苗の根の傷
害を完全に防止できることを見出し、この知見に基づい
て本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、下記の手段により前
記課題を解決した。 (1)上面が開口し、底面が葉菜類の根が下方に延びる
ことができるに十分な大きさに開口している開口部を有
する育苗用容器が複数個一列又は複数個複数列にかつ切
り離しができない状態で連結されており、各育苗用容器
内に多孔質表面を有する粒子からなる粗土壌が充填され
ていることを特徴とする連結プラグ。 (2)前記(1)の連結プラグに葉菜類の種子を播種
後、前記土壌の表面を覆土して、育苗し、育苗した葉菜
類の苗が定植できる段階で、その苗を有する連結プラグ
をそのまま培地が粗土壌からなる栽培ベッド内へ定植す
ることを特徴とする葉菜類の軽石栽培方法。
【0008】(3)前記の苗を有する連結プラグをその
まま培地が軽石からなる栽培ベッドへ定植するに際し
て、前記栽培ベッド内に一定間隔で前記連結プラグを挿
入することができる大きさの空所を設け、各空所に前記
連結プラグをそれごと挿入して設置することにより定植
することを特徴とする前記(2)記載の葉菜類の軽石栽
培方法。 (4)前記栽培ベッドが長方形であり、前記栽培ベッド
の長手方向に沿って灌水チューブが配置され、前記連結
プラグを挿入する空所は、灌水チューブに沿って配置さ
れ、栽培ベッドへ前記の連結プラグごと定植された連結
プラグの葉菜類の苗に対して灌水チューブから灌水する
ことを特徴とする前記(2)記載の葉菜類の軽石栽培方
法。 (5)前記粗土壌が、火山性軽石であって、1〜5.6
mmの粒径の粗土壌を用いることを特徴とする前記
(2)〜(4)のいずれか1項記載の葉菜類の軽石栽培
方法。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の具体的態
様を図面に基づいて説明する。なお、実施の形態及び実
施例を説明する全図において、同一機能を有するものは
同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。図1
は、本発明の連結プラグ1の斜視図である。この連結プ
ラグ1は、育苗用容器2(「セル」ともいう)が隣の育
苗用容器2と切り離しがきかない状態で連結しており、
その育苗用容器2が複数個一列につながって構成されて
なるものである。また前記育苗用容器2が複数個一列の
ものが複数列横につながって構成されてなるものでもよ
い。個々の育苗用容器2は、上面3が開口し、底面4が
葉菜類の根が下方に延びることができるに十分な大きさ
に開口した開口部5を有している。図2は、連結プラグ
1の底面図を示すものである。その底面4の開口部5の
大きさは、従来の排水用の穴の大きさより大きいことが
好ましく、苗をセル毎定植したときに、葉菜類の成長に
伴って根が十分伸び、かつ太くなっても差し支えない程
度に広い方がよく、場合によっては全面的に開口してい
てもよい。全面的に開口したものは、実質的に底が無い
ので、「無底」とも呼んでいる。図2のものは、無底連
結プラグである。実際上は、内部に粗い土壌を入れた際
にそれを保持できる程度の開口割合とすることが好まし
い。
【0010】連結プラグ1における育苗用容器2の形状
は、平面形状は四角がもっとも好ましいが、細長い形状
でもよく、場合によっては丸形でもよいが、単位とする
育苗用容器2が連続してつながった形態とする関係か
ら、四角形が最も好ましい。個々の育苗用容器2は、縦
方向には台形であるものが多いが、柱状形でもよい。連
結プラグ1は、育苗用容器2が複数連続してつながって
いる形態でもよい。このような形態のものは、従来のプ
ラグトレーの製造工程を少し変えるだけで容易に製造す
ることができる利点がある。また、プランタンのよう
に、育苗用容器2の複数個分の長さがある細長い形態と
し、それに中間の仕切りを設けることにより、育苗用容
器2を複数個分形成するようにすることにより、簡単に
製造することができる。なお、連結プラグ1の端部には
つまみ6を設けておくと、取り扱いが容易となり、栽培
ベッド内に連結プラグ1を埋設する場合とか、栽培ベッ
ドから連結プラグ1を取り出す場合などに役に立つ。連
結プラグの材質は、プラスチック製であることが多い。
【0011】このような連結プラグは、育苗用容器2が
複数連続してつながっている形態で、細長いものである
ので、その製造に際しては、最初にこの基本的な連結プ
ラグのユニットを横方向に複数個連続して接続するよう
な形態として製造するときには、第1工程として育苗用
容器2が縦横につながった連結プラグトレーが形成され
る。この連結プラグトレーは、外観が従来からある育苗
用容器2が縦横につながった育苗トレー(プラグトレ
ー)と同じようであるが、連結プラグトレーの各ユニッ
トの相互間には、予めミシン目9のような切り離しが容
易な切断用部分を設けておき、第2工程でその切断用部
分で切り離して、連結プラグのユニットとして得ること
ができる。本発明の連結プラグは、苗の定植時に連結プ
ラグのユニットごとにそのまま定植すべき土壌に定植す
るので、育苗作業及び定植作業を容易に行うことができ
る。従来のプラグトレーについて、各育苗用容器2ごと
にミシン目をつけておくように改良し、各育苗用容器2
ごとに切り離して各育苗用容器2ごと定植する手段を取
ることが考えられるが、本発明ではその場合に比しても
定植作業が非常に簡単化される利点がある。
【0012】図1は、育苗用容器2を5個一方向にだけ
連結した連結プラグ1(無底連結プラグ8となってい
る)の斜視図であり、図2は、その底面図である。図2
中、5は図4と同様に底面開口部を示す。なお、底面開
口部5は、必ずしも図2に示すように、底面全体が完全
に開口された、いわゆる底無し状態である必要なく、図
4に示すように、底面の大部分が開口状態になってい
て、葉菜類の根が栽培用培地土壌中へ自由に延び出るこ
とができる構造になっておればよい。図3は、育苗用容
器2を一方向にだけ連結した連結プラグ1を製造するた
めのプラグトレー7の斜視図であり、各連結プラグのユ
ニットごとにミシン目9が付けられている。図4は、図
3のプラグトレー7の底面図である。上面3の方が底面
開口部5に比べ広いタイプのものである。これは、各連
結プラグのユニットごとに個々に切り離して製造するた
めのトレーとして好都合だからである。
【0013】本発明においては、前記の育苗用容器内に
多孔質表面を有する粒子からなる粗土壌が充填されてい
る連結プラグに葉菜類の種子を播種後、上記土壌の表面
を覆土して、育苗するが、その苗が育ち、定植できる大
きさになった段階で、その苗を連結プラグごと培地が粗
土壌からなる栽培ベッドへ定植する。その定植に際して
は、前記栽培ベッドに予め一定間隔で前記連結プラグを
挿入するできる大きさの空所を設け、各空所に前記連結
プラグをそれごと設置することにより定植することが好
適であり、その作業を機械化することができる。その場
合、前記栽培ベッドとして長方形のものとし、前記栽培
ベッドの長手方向に対して灌水チューブを配置してお
き、前記連結プラグを挿入する空所は、灌水チューブに
沿った位置で、かつ等間隔で掘り上げるようにして設け
るようにすることができる。そして、前記空所の各々に
連結プラグを挿入し、その際連結プラグの挿入による定
植は機械的手段により容易に行うことができ、また前記
空所の掘り上げも等間隔で行うことにより、機械的手段
で容易に行うことができる。その等間隔で定植された連
結プラグの葉菜類の苗に対しては、前記苗が等間隔で定
植されている関係で、その傍に配置された灌水チューブ
の等間隔で設けた排水口から容易に連結プラグの葉菜類
の苗に対して灌水することができる。
【0014】灌水方法は、点滴掛流しが好ましい。灌水
には水分及び肥料成分を含む培養液を用いるが、場合に
よってはある期間だけ水を供給することもできる。また
培養液は、pHが4〜8に調整されたものを用いること
により、土壌を弱酸性に保つことができる。そして軽石
培地には、培養液供給装置から成分と濃度が調整された
培養液が導水管に多数設けられたマニフォールド、およ
びマニフォールドに接続されたビニール製のホース(滴
下チユーブ)とにより滴下供給されるようになってい
る。このような点滴掛流しの施設栽培では、培養液の滴
下量が少なく、肥倍管理のためのエネルギーが少ない。
【0015】また、培地としてシラスの様な軽石を用い
た場合には、軽石は保肥能力が低いので、比較的短いサ
イクルで培養液を滴下供給しなければならない。しか
し、全体として培養液の滴下量は、培地の表面蒸発と、
作物の表面蒸発に見合う量であればよいので、極めて少
ない量となる。なお、培地用の材料としては、園芸用土
壌代替物として知られているバーミキュライト、土壌混
合物として知られているパーライトなどの無機発泡体も
考えられるが、強度、作物の保持に必要な比重が小さ過
ぎる、強度的に軽石に較べて弱い等の点で軽石ほど好ま
しい材料でない。更に、連続気泡型の発泡プラスチッ
ク、例えば、ウレタンフォーム等も考えられるが、有機
物であるため、高価であるばかりでなく、耐久性の点か
らも軽石に較べ劣り、軽石が最も好ましい材料と言え
る。
【0016】さらに、培地は、シラスの様な軽石を用い
た場合には、粒径1〜5.6mm程度のものとするのが
よいから、その場合培地粒子間の空隙も一般の露地にお
ける土壌の空隙よりも大きなものとなっている。しか
も、上記のように培養液の滴下量は蒸発に見合う量であ
るため、培地は常に乾燥気味に維持されるため、根腐れ
のおそれが全くなくなるばかりでなく、余剰培養液の排
出による栽培施設周辺地区の環境汚染の心配も全く生じ
ない。
【0017】また、水耕栽培のような大量の培養液を循
環させる施設では、培養液の廃棄に際して多量の汚濁液
を排出するため好ましいものではなかった。また、培養
液を循環させると、作業工程が増えてしまう。ひとつ
は、循環させると菌も繁殖しやすいので殺菌作業が必要
である。もうひとつは、培養液の成分バランスが作物に
吸収されることによりくずれてくるので、培養液の成分
調整作業が必要になってくる。作業工程が増えれば費用
がかかるという問題点もあった。本発明では、このよう
な問題が全て解消され、極めて実用性に優れた栽培方法
となる。
【0018】上記のように構成されて、軽石を充填した
矩形状プラグや無底連続プラグ等の連結プラグに播種
後、上記軽石からなる粗土壌を1cm程度覆土し育苗し
たものを、そのまま連結プラグごとビニールハウス等の
栽培施設の培地又は露地の適宜間隔を置いて設けた穴内
に配置して、定植しその後栽培を継続する。このため、
育苗容器からいったん苗床を取り出すことによる苗の根
の傷害が皆無であるばかりでなく、定植の手間もかから
なくなり、育苗作業及び定植作業を機械化することがで
きる。
【0019】次に、本発明の葉菜類の軽石栽培につい
て、ホウレンソウを例にとって、水耕栽培と比較した特
徴を、育苗、養液管理及び生育、収量、品質の項目ごと
に比較、対照して以下に列記する。
【0020】1.軽石栽培 1)育苗 ・育苗、定植とも軽石培地を使用し、培地の廃棄がな
い。 ・育苗ポットは、5株セットの専用セルトレーを使用
し、育苗、定植もポットのまま行う。 ・育苗ポットは長期使用(5年以上)が可能で、使い捨
てによる廃棄がない。 ・発芽時の発根が培地中へ正常に貫入しやすい。 ・育苗期間の調節により定植から収穫までの在圃期間の
短縮ができる。 ・育苗ポット(5株セルトレー)のまま移植するので、
移植作業が大幅に短縮できる。
【0021】2)養液管理 ・常に新しい養液を点滴給液するので、生育が安定であ
る。 ・給液システムがシンプルでトラブルがない。 ・養液供給量が少量なため、無駄がなく環境負荷もな
い。 ・連作傷害がなく、培地、栽培容器の消毒もない。 ・養液の肥料組成、濃度、pHの調節が簡便である。 3)生育、収量、品質 ・葉色が濃く、肉厚で収穫後の日持ちが長い。 ・出葉数が多く、生体重が増加する。 ・シュウ酸(アク)が減少し、生食利用ができる。 ・下葉の黄化、枯死が少なくなり、収穫、調整作業が省
力化できる。
【0022】2.水耕(湛液)栽培 1)育苗 ・化成材料(ウレタン、ロックウール、ビニロン、スチ
レンオアシス等)で育苗し、 ・発芽時の発根が培地に貫入しにくい。 ・育苗期間が3日〜10日の短期に限定される。 ・移植、収穫が、1株単位で行うので、手間がかかる。
【0023】2)養液管理 ・養液を常時、環流、通気を必要とし、コスト高とな
り、停電によるトラブルが多い。 ・養液温度の上下による根の傷害が多発する。 ・養液量を多量必要とし、栽培終了時の排液が環境負荷
を及ぼす。 ・養液内に病原菌が侵入すると瞬時に全滅する。 ・養液、栽培資材の消毒、殺菌が不可欠である。 3)生育、収量、品質 ・生育速度は早いが、茎葉が軟弱で日持ちが悪い。 ・葉色(葉緑素)が淡く、葉肉も薄い。 ・下葉の黄化、小葉が多く、収穫、調整作業が煩雑であ
る。 ・シュウ酸(アク)が少なく、生食利用ができる。
【0024】次に、本発明の連結プラグを用いてホウレ
ン草を栽培ベッドで栽培するやり方を具体的に説明す
る。図5に示すように、粒径が1〜5.6mmの軽石を
培地とする栽培ベッド11を形成する。この栽培ベッド
11の大きさは幅が430mmで、長さが1200mm
とし、栽培ベッド11の培地の少し上方に長手方向に2
列の点滴チューブ13を配置する。点滴チューブ13の
配置の位置は、図5に示すように、長手方向の両側端か
ら50mm内側とする。栽培ベッド11には、縦25m
m、横25mmの育苗用容器2を5個連結して、幅25
mm、長さ125mmの大きさを持つ連結プラグ10
を、栽培ベッド11の長手方向に4列並べて配置し、長
手方向の1200mmの線上に5個が順次入るように配
置する。その際、連結プラグ10の上面が栽培ベッド1
1の上面と同じ高さとなるように埋設するように配置す
る。あるいは、連結プラグ10を配置した後、栽培ベッ
ド11上に培地の軽石を散布してもよい。
【0025】この栽培ベッド11を用いる栽培システム
では、栽培ベッド11に対し必要でかつ過剰な量となら
ないように培養液の供給が制御されることにより、ホウ
レン草の栽培を行うことができる。その培養液の供給の
制御は、培養液タンク14から培養液が給水管12を通
って点滴チューブ13に供給するのを、給水管12の途
中にポンプ15を設けて培養液を送るようにし、給水管
12から分岐して各点滴チューブ13に接続する給水副
管12aにそれぞれ電磁弁16を設け、制御盤17から
の信号でポンプ15を駆動するとともに、各電磁弁16
を開閉するようにして、培養液を所定時間及び所定間隔
で供給するようにすることができる。その際、点滴チュ
ーブ13から点滴された培養液は、その点滴チューブ1
3の両側に沿って配置された連結プラグ10に対して、
滴下されるので、最も有効に連結プラグ10に届き、最
も有効に利用されることができる。
【0026】なお、栽培ベッド11には、連結プラグ1
0の配置の作業が容易に行えるように、連結プラグ10
の大きさよりも少し大きい形状の箱体を設置しておく
と、周囲の軽石培地が崩れて連結プラグ10が入るだけ
の穴を保持しておくことが困難であるという問題を避け
ることができる。また、前記栽培ベッド11に対する制
御盤17を用いる培養液の供給の制御においては、培地
のpF値を基準にして制御することが好ましい。図6に
は、ホウレンソウの苗が植わっていたものを定植して成
長させたホウレンソウが植わっている本発明の連結プラ
グの側面図を示す。図6に示す連結プラグ10は、育苗
用容器2を5つ連結したものであり、左端にはつまみ6
が付いている。図6は、ホウレンソウの苗が育っている
連結プラグ10を定植してホウレンソウが成長して収穫
できる状態となったものを取り出したものを側面から見
たものであって、育苗用容器2の底の開口部が大きいた
め、その底部から下方に根21が良く伸び、軽石22を
からみあって保持している状態が分かる。また、育苗用
容器2の上方にはホウレンソウ20の葉が良く成長して
いる様子が分かる。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし、本発明はこの実施例により何等制限される
ものではない。なお、実施例、比較例とも要点項目を箇
条書き方式で列記する。
【0028】 実施例 1.培地:1〜5.6mmの軽石培地 2.育苗方法:図3の5穴連結プラグにて育苗(1穴には2粒を播種) 3.定植:5穴連結プラグをそのまま栽培ベッドに定植する。 4.灌水方法:培養液の点滴掛流し 5.栽培面積:3m2 6.栽培品目:ホウレンソウ 7.栽培歴: 15日 30日 播種(育苗) → 定植 → 収穫 2000年2月26日 3月12日 4月11日 8.収穫量:1550g/0.5m2
【0029】 比較例 1.培地:1〜5.6mmの軽石培地 2.育苗方法:図1のプラグトレーを個々に切り離したセルトレーにて育苗(1 穴には2粒を播種) 3.定植:セルトレーの苗を引き抜いて栽培ベッドに定植する。 4.灌水方法:培養液の点滴掛流し 5.栽培面積:3m2 6.栽培品目:ホウレンソウ 7.栽培歴: 15日 30日 播種(育苗) → 定植 → 収穫 2000年2月26日 3月12日 4月11日 8.収穫量:1075g/0.5m2
【0030】(実施例と比較例の収穫量の比較) 従来のセルトレーを用いる育苗方法の収穫量: 107
5g/0.5m2 本発明の連結トレーを用いる育苗方法の収穫量:155
0g/0.5m2 収穫量で44%の増加がみられた。
【0031】
【発明の効果】本発明の葉菜類の軽石栽培方法によれ
ば、定植するために育苗トレーから苗を取り出す必要が
ないため、苗の根に傷害を与えることが全くなく、その
結果、活着期間やその後の生育に違いを生じることがな
い。しかも、軽石のような粗土壌を使用して、培養液を
点滴掛流し方式で供給する方式であるから、プラグトレ
ー中に水がたまらないため、根腐れを生じない。その
上、育苗を行った連結プラグをそのまま培地や露地上に
適宜間隔をおいて配置するだけでよいから、定植のため
の手間もかからず、育苗トレーが長期間使用可能なこと
とあわせて、省力化とコスト低減も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の育苗及び栽培用の連結プラグの斜視図
を示す。
【図2】図1の連結プラグの底面図を示す。
【図3】連結プラグ製造工程におけるプラグトレーの斜
視図を示す。
【図4】図3のプラグトレーの部分詳細説明用底面図を
示す。
【図5】本発明の連結プラグを用いたホウレン草の栽培
設備の概要説明図を示す。
【図6】ホウレン草の苗が育っている本発明の連結プラ
グの側面図を示す。
【符号の説明】
1 連結プラグ 2 育苗用容器 3 上面 4 底面 5 底面開口部 6 つまみ 7 プラグトレー 8 無底連結プラグ 9 ミシン目 10 連結プラグ 11 栽培ベッド 12 給水管 13 点滴チューブ 14 培養液タンク 15 ポンプ 16 電磁弁 17 制御盤 20 ホウレン草 21 根 22 軽石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大塚 秀光 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 神谷 一郎 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 関 和幸 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 米盛 重保 沖縄県那覇市西原町字千原1番地 琉球大 学内 Fターム(参考) 2B022 AB11 BA02 BA04 DA19 2B027 NA10 NC02 NC24 NC40 SA07 SA22 SB12 UA04 UA14

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上面が開口し、底面が葉菜類の根が下方
    に延びることができるに十分な大きさに開口している開
    口部を有する育苗用容器が複数個一列又は複数個複数列
    にかつ切り離しができない状態で連結されており、各育
    苗用容器内に多孔質表面を有する粒子からなる粗土壌が
    充填されていることを特徴とする連結プラグ。
  2. 【請求項2】 請求項1の連結プラグに葉菜類の種子を
    播種後、前記土壌の表面を覆土して、育苗し、育苗した
    葉菜類の苗が定植できる段階で、その苗を有する連結プ
    ラグをそのまま培地が粗土壌からなる栽培ベッド内へ定
    植することを特徴とする葉菜類の軽石栽培方法。
  3. 【請求項3】 前記の苗を有する連結プラグをそのまま
    培地が軽石からなる栽培ベッドへ定植するに際して、前
    記栽培ベッド内に一定間隔で前記連結プラグを挿入する
    ことができる大きさの空所を設け、各空所に前記連結プ
    ラグをそれごと挿入して設置することにより定植するこ
    とを特徴とする請求項2記載の葉菜類の軽石栽培方法。
  4. 【請求項4】 前記栽培ベッドが長方形であり、前記栽
    培ベッドの長手方向に沿って灌水チューブが配置され、
    前記連結プラグを挿入する空所は、灌水チューブに沿っ
    て配置され、栽培ベッドへ前記の連結プラグごと定植さ
    れた連結プラグの葉菜類の苗に対して灌水チューブから
    灌水することを特徴とする請求項2記載の葉菜類の軽石
    栽培方法。
  5. 【請求項5】 前記粗土壌が、火山性軽石であって、1
    〜5.6mmの粒径の粗土壌を用いることを特徴とする
    請求項2〜4のいずれか1項記載の葉菜類の軽石栽培方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109874564A (zh) * 2019-04-18 2019-06-14 仇百全 一种基于自动化生产的蔬菜培养结构
KR102206187B1 (ko) * 2020-07-23 2021-01-25 박경민 육묘용 분할 트레이

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