JPH08286113A - 対物レンズ - Google Patents

対物レンズ

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JPH08286113A
JPH08286113A JP7090908A JP9090895A JPH08286113A JP H08286113 A JPH08286113 A JP H08286113A JP 7090908 A JP7090908 A JP 7090908A JP 9090895 A JP9090895 A JP 9090895A JP H08286113 A JPH08286113 A JP H08286113A
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JP
Japan
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lens
objective lens
diffractive optical
doe
group
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JP7090908A
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Junichi Kitagawa
北川純一
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B27/00Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00
    • G02B27/42Diffraction optics, i.e. systems including a diffractive element being designed for providing a diffractive effect
    • G02B27/4205Diffraction optics, i.e. systems including a diffractive element being designed for providing a diffractive effect having a diffractive optical element [DOE] contributing to image formation, e.g. whereby modulation transfer function MTF or optical aberrations are relevant
    • G02B27/4211Diffraction optics, i.e. systems including a diffractive element being designed for providing a diffractive effect having a diffractive optical element [DOE] contributing to image formation, e.g. whereby modulation transfer function MTF or optical aberrations are relevant correcting chromatic aberrations
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
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    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B27/00Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00
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    • G02B27/4272Diffraction optics, i.e. systems including a diffractive element being designed for providing a diffractive effect having plural diffractive elements positioned sequentially along the optical path
    • G02B27/4277Diffraction optics, i.e. systems including a diffractive element being designed for providing a diffractive effect having plural diffractive elements positioned sequentially along the optical path being separated by an air space

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高倍率、高NA、長作動距離で、接合レンズ
や異常分散ガラスを多用することなく、諸収差、特に色
収差を広い範囲で補正し、射出瞳位置を揃えた対物レン
ズ。 【構成】 物体側に凹面を向けたメニスカスレンズを含
み、全体として正パワーの第1群G1と、2つの回折光
学素子(DOE)と少なくとも1つの接合レンズを含む
第2群G2とを有し、先玉の縁肉を確保するための条件
を満足し、また、少なくとも1つの回折光学素子が軸上
色収差補正、倍率色収差を効果的に補正する2つの条件
の何れかを満足する対物レンズ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、顕微鏡等の光学系に用
いられる対物レンズに関するものであり、特に、金属用
レーザ顕微鏡(MLSM)等に用いられ、通常の観察や
3種類以上のレーザに対応できるように広い波長範囲で
色収差補正をした対物レンズに関するものであり、さら
に、長作動距離を有する高倍率、高NA(開口数)の対
物レンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の対物レンズ、特に高NAのもの
は、諸収差の中でも色収差を良好に補正するために多数
のレンズを必要とし、また、異常分散ガラスを用いる必
要があった。そのため、高価にならざるを得ず、さら
に、長作動距離のものは屈折系のレンズだけでは設計で
きない場合がある。
【0003】最近、光学素子として回折光学素子(DO
E)を用いた光学系が注目されている。このDOEを用
いた対物レンズの従来の例として、特開昭63−770
03号、特開昭63−155432号、特開昭59−3
3636号、特開昭60−247611号、特開平2−
1109号、特開平4−361201号、特開平6−3
31898号、特開平6−347700号のもの等があ
る。
【0004】また、前記の回折現象を利用したDOEに
関する文献として、 ・オプトロニクス社 『光学系デザイナーのための小型光学エレメント』第
6、7章 ・William C.Sweatt著 SPIE. vol.126,pp.46-53,1977 『New Method of Designing Holographic Optical Elem
ent 』 等があり、DOEの原理に関してはこれらに詳しいが、
その原理を簡単に下記に述べる。
【0005】通常の光学ガラスは、図1において、次式
(1)で表されるスネルの法則に従って屈折する。 nsinθ=n’sinθ’ ・・・(1) ただし、nは入射側媒質の屈折率、n’は射出側媒質の
屈折率、θは光線の入射角、θ’は光線の射出角であ
る。
【0006】一方、回折現象では、図2に示すように、
光は次の式(2)で表す回折の法則に従って曲げられ
る。 nsinθ−n’sinθ’=mλ/d ・・・(2) ただし、mは回折光の次数、λは波長、dは格子間隔で
ある。上記式(2)に従って光線を屈曲させるようにし
た光学素子が回折光学素子(DOE)である。なお、図
2では、遮蔽部と透過部が間隔dで並設されたものを示
したが、図3(a)に示すように、透明体の表面に断面
鋸歯状の回折面を設けてブレーズ化するか、図3(b)
に示すように、そのバイナリ近似を行うと、高い回折効
率を得ることができる。
【0007】次の、上記のようなDOEを使用すること
による利点について説明する。屈折系の薄肉レンズの場
合、次式(3)に示す関係が成り立つ。 1/f=(n−1)(1/r1 −1/r2 ) ・・・(3) ただし、fは焦点距離、r1 、r2 はそれぞれ入射面と
射出面の曲率半径、nはレンズの屈折率である。
【0008】上記式(3)の両辺を波長λにて微分する
と、下式(4)が求まる。 df/dλ=−f/(n−1)・dn/dλ Δf=−f{Δn/(n−1)} ・・・(4) ここで、係数倍的効果を除くと、Δn/(n−1)が分
散特性を表すことになるので、分散値νを次のように定
義できる。 ν≡(n−1)/Δn ・・・(5) したがって、可視域における分散値(アッベ数νd
は、次のようになる。
【0009】 νd =(nd −1)/(nF −nC ) ・・・(6) 一方、DOEの場合は、次式(7)が成立する。DOE
の焦点距離fは、入射する平行光の光線高hのところで
の格子間隔をdhとすると、下記の式(7)のようにな
る。
【0010】 f=h/(n’sinθ’)=(dh・h)/(mλ) ・・・(7) 近軸領域のDOEの場合、dh・hは一定であるので、
f=C/λ(Cは定数)の両辺をλで微分すると、次の
ようにして式(8)が得られる。 df/dλ=−C/λ2 =−f/λ Δf=−f{Δλ/λ−1} ・・・(8) Δn/(n−1)=νであるので、式(4)、(8)か
ら、ν=λ/Δλである。したがって、DOEの可視域
でのアッベ数νd は下記の通りである。
【0011】 νd =λd /(λF −λC )=−3.453 ・・・(9) このように、DOEは、非常に大きな負の分散特性を持
つ。通常のガラスの分散特性は約20〜95であるの
で、DOEは非常に大きな逆分散特性を持つことが分か
る。また、同様の計算により、DOEは大きな異常分散
性を持つことが分かる。
【0012】上記従来例の中、特開昭63−77003
号、特開昭63−155432号、特開昭59−336
36号、特開昭60−247611号のレンズ系は、何
れも光ディスクのピックアップレンズに関するものあ
り、回折光学素子1〜2枚、又は、屈折光学素子(レン
ズ)1枚と回折光学素子1枚よりなり、基本的に光源は
単色であることが特徴である。
【0013】また、特開平2−1109号、特開平4−
361201号のレンズ系は、何れもステッパー等に用
いられる投影レンズに関するものであり、石英のみで構
成され、接合レンズは用いられていない。特に、前者の
特開平2−1109号のレンズ系は、瞳位置に回折光学
系を配置したことを特徴としており、後者の特開平4−
361201号のレンズ系は、回折光学素子の周辺部で
は中心部より高次の回折光を用いることを特徴としてい
る。
【0014】特に、特開平6−331898号と特開平
6−347700号のレンズ系は、顕微鏡の光学系に用
いられる対物レンズに関するものであり、それぞれDO
Eと接合レンズを用いるものと、単一硝材にて少なくと
も1枚のDOEを用いるものである。前者は広い範囲で
色収差を良好に補正することを特徴とし、後者は単一硝
材ながらDOEを用いて狭い波長範囲もしくは2波長の
色収差補正ができることを特徴としている。
【0015】これら従来例において、ピックアップレン
ズタイプでは、回折光学素子の色収差の補正能力は利用
されておらず、より複雑な構成を要する顕微鏡対物レン
ズに対応できない。また、ステッパーレンズタイプは、
低倍率の顕微鏡対物レンズには適用し得る可能性はある
が、高倍率、高NAの対物レンズには適用できない。つ
まり、対物レンズの色収差補正をDOEのみで行う場
合、DOEのパワーを強くしなければならず、DOEの
最小ピッチを作製不可能にまで小さくしなければならな
いからである。これと同時に、このタイプでは石英のみ
で構成されているため、かなり広い波長範囲(例えば、
50nm程度)での色収差補正をすることは困難であ
る。
【0016】一方、対物レンズタイプでは、接合レンズ
を用いたものは、高倍率、高NAの対物レンズには適用
可能であるが、さらに長作動距離ではレンズ前群で発生
する諸収差が大きくなり、バランス良くそれらを補正し
たり広い範囲で色収差を補正しなければならず、単純に
DOEと接合レンズの組み合わせという条件だけでは不
十分である。また、単一硝材のものでは、前述のような
長作動距離による諸収差の補正と、ステッパータイプ同
様に広い範囲の色収差補正をすることが困難である。
【0017】
【発明の解決しようとする課題】本発明はこのような従
来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的
は、高倍率、高NA、長作動距離で、接合レンズや異常
分散ガラスを多用することなく、諸収差、特に色収差を
広い範囲で補正し、射出瞳位置を揃えた対物レンズを提
供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の対物レンズは、2つの回折光学素子とその間に少な
くとも1つの接合レンズを挟んだ構成からなるレンズ群
を有することを特徴とするものである。
【0019】また、本発明のもう1つの対物レンズは、
物体側から順に、物体側に凹面を向けたメニスカスレン
ズを含み、全体として正パワーの第1群と、2つの回折
光学素子と少なくとも1つの接合レンズを含む第2群と
を有し、下記条件式(1)を満足し、また、少なくとも
1つの回折光学素子が下記条件式(2)、(3)の何れ
かを満足することを特徴とするものである。 (1) 0.5<R/t<5 (2) Dd /D>0.8 (3) (h・f)/(L・I)>0.07 ただし、Rは前記メニスカスレンズの像側曲率半径、t
は前記メニスカスレンズの肉厚、Dd 、Dはそれぞれ回
折光学素子面でのマージナル光束径、最大マージナル光
束径、fは対物レンズの焦点距離、hは回折光学素子面
での最大主光線高、Lは同焦距離、Iは標本面最大像高
である。
【0020】さらにもう1つの本発明の対物レンズは、
物体側から順に、物体側に凹面を向けたメニスカスレン
ズを含み、全体として正パワーの第1群と、2つの回折
光学素子と少なくとも1つの接合レンズを含む第2群と
を有し、下記条件式(4)を満足することを特徴とする
ものである。 (4) (W・H)/(L・f)>0.005 ただし、Wは作動距離、Lは同焦距離、Hは前記メニス
カスレンズの前記凹面でのマージナル光線高、fは対物
レンズの焦点距離である。
【0021】以上の3つの発明の何れかにおいて、前記
の2つの回折光学素子がそれぞれ正と負のパワーを持
ち、正のパワーを持つ回折光学素子が下記条件式(5)
を満足することが望ましい。 (5) 30<fd /f<150 ただし、f、fd はそれぞれ対物レンズと前記の正のパ
ワーを持つ回折光学素子の焦点距離である。
【0022】また、前記の少なくとも1つの接合レンズ
の隣接するレンズのアッベ数差Δνが下記条件式(6)
を満足することが望ましい。
【0023】(6) Δν>20 さらに、対物レンズ中の実際の瞳位置より像側に少なく
とも1つの正の面と少なくとも1つの負の面を配置する
ことが望ましい。
【0024】また、対物レンズ中の最も像側のレンズ群
が接合レンズからなることが望ましい。
【0025】
【作用】以下に、本発明において上記構成をとる理由と
その作用について説明する。
【0026】通常の対物レンズは、異なるアッべ数の硝
材よりなるレンズを接合した接合レンズを用いて色収差
を補正している。そして、通常の硝材のアッベ数は20
〜95で何れも正の値である。一方、DOEのアッベ数
は、前述の通り、負で小さい絶対値を有している。その
ため、前述のように、このDOE2枚とその間に挟んだ
接合レンズ(通常のガラスレンズよりなる)とで構成す
れば、強力な色収差補正作用を持たせることができ、従
来困難であった高倍率、高NA、長作動距離の対物レン
ズを実現することができる。
【0027】また、高倍率、高NA、長作動距離の対物
レンズの色補正を回折光学素子だけで行うと、そのパワ
ーが強くなりすぎ、DOEの最小ピッチが小さくなりす
ぎてしまう。しかし、少なくとも上記のような構成をと
れば、接合レンズと回折光学素子に色補正を分担させる
ことができるので、その最小ピッチを緩く、つまり回折
光学素子のパワーを小さくすることができ、なおかつ、
色補正能力を十分発揮させることができる。
【0028】高NA、高倍率の対物レンズでは、物体か
ら出た高NAの発散光を収斂光にするため、先玉(先頭
のレンズ)に強いパワーの面が必要となるが、物体面に
凸面を向けたレンズでは、そこでの諸収差発生量が非常
に大きく、後群で補正し切れないため、必然的に物体面
に凹面を向けたメニスカスレンズとなる。このメニスカ
スレンズの像側の面のパワー強くするために、その面も
曲率半径が小さいものとなり、縁肉を確保するため、そ
の形状は半球状のものとなる。したがって、前記の条件
式(1)が与えられるが、その下限値0.5を下回る
と、上記の縁肉が十分確保できず、また、その面での球
面収差の発生量が大きくなりすぎてしまう。一方、上限
値5を越えると、必要とするパワーが十分得られず、効
果的に収斂光にすることができない。
【0029】ところで、補正されるべき色収差は、大き
く分けて、軸上色収差と倍率色収差とがあり、前者は焦
点位置の波長によるズレで、後者は焦点距離(倍率)の
波長によるズレである。
【0030】軸上色収差において、最も効果的に補正を
行う位置は対物レンズの瞳位置であり、この位置が正確
に瞳位置である必要はないが、その近傍で光束径(軸上
マージナル光束径)の大きな所が軸上色収差補正に効果
的である。したがって、効果的にこれを行うために条件
式(2)が得られる。ここで、その下限の0.8を下回
ると、他のレンズ(屈折系)で発生する軸上色収差が補
正し切れず、多くの接合レンズを用いなければならず、
また、異常分散ガラスを必要とし、DOEを用いたこと
による効果が十分でない。
【0031】また、倍率の色収差に効果的なのは瞳位置
ではなく、そこから少し離れた主光線がある程度の光線
高を持つ位置である。したがって、効果的にこれを行う
ために条件式(3)が得られる。ここで、その下限の
0.07下回ると、倍率の色収差が補正し切れない。
【0032】つまり、色収差を効果的に補正するために
は、その用途に応じて上記条件式(2)あるいは(3)
を満足する場所にDOEを配置すべきある。ちなみに、
条件式(3)の中のf、L、Iは正規化のためのもので
あり、f/Iは主光線角のパラメータ、Lは全体の大き
さのスケーリング・パラメータである。なお、同焦距離
Lは、対物レンズの胴付から物点までの距離であり、対
物レンズ又は倍率が異なっても、この距離が異なると、
倍率変換の度に大幅な焦点合わせの修正が必要になり、
操作性が悪くなってしまうので、一般には対物レンズに
共通な距離になっている。ここで、胴付は、顕微鏡のレ
ボルバと対物レンズの接触する面を言う。
【0033】近年、顕微鏡では長作動距離が求められて
いる。それは、顕微鏡を用いて標本に手を加える新しい
手法を取り入れたり、超精密な加工が施された標本を観
察するためである。例えば、顕微鏡を用いて標本を観察
しながら温度変化を与えたり等、外部から標本を操作す
る場合や、半導体のウエーハやマスクのような微細加工
標本の観察をする場合等多岐にわたる。ここで、作動距
離が必要な主な理由は、標本を交換する等の操作性を向
上させること、標本を損傷しないよう標本周りの空間を
確保すること等があげられる。これに伴い、高倍率、高
NAの高解像な対物レンズでも、標本空間が確保できる
長作動距離が求められており、大型化させて作動距離を
確保することも可能であるが、逆に対物レンズの重量や
操作性が問題となってしまう。このため、小型化して
も、おなかつ、所望の長作動距離を実現するための条件
として条件式(4)が得られる。ここで、その下限値
0.005を下回ると、必要な作動距離が確保できない
か、もしくは、NAが小さくなるといった上述した要求
に応えることができなくなってしまう。ここで、同焦点
距離に関わらず作動距離を比較するため、Lは全体の大
きさを正規化するためのスケーリング・パラメータと
し、W・H/fは作動距離と倍率とNAに関するパラメ
ータである。
【0034】さて、物体に凹面を向けた上記のメニスカ
スレンズで発散角を小さくした光線を、さらに数枚のレ
ンズを用いて収斂させ、マージナル光線が高くなった所
で正パワー持った第1のDOEに導き、主に軸上の色収
差を補正する。ここで効果的に色収差を含む諸収差を補
正するために、上記条件式(5)が得られる。その下限
値30を下回ると、第1のDOEのパワーが強すぎ、軸
上色収差の補正過剰となり、また、その最小ピッチが小
さくなりすぎ、製作不可能になるといった問題が生じ
る。一方、その上限値150を上回ると、第1のDOE
のパワーが弱すぎ、軸上色収差の補正不足となり、ま
た、光束を効果的に収斂方向に持って行けない。また、
第1のDOEを通過後、接合レンズ等の数枚のレンズを
経て、物体からの光線は負のパワーを持った第2のDO
Eへと導かれる。DOEは屈折率無限大のレンズと等価
(後述)であるため、ペッツバール和はゼロであるが、
かなり大きな非点収差が発生する。そのため、DOEに
正、負のパワーを持たせ、それらの組み合わせでDOE
で発生する収差をDOE自身で打ち消し合わせることが
望ましい。
【0035】また、対物レンズ中のDOEと色収差補正
に有効となる接合レンズとの組み合わせ中のそれぞれに
色収差の補正を分担させるために、上記条件式(6)が
得られる。その下限値20を下回ると、接合レンズによ
る色収差の補正作用が不十分となり、逆に、DOEの色
収差補正作用が過剰分担となる。このため、DOEの最
小ピッチが小さくなり、前述のように製作不可能にな
る。
【0036】ところで、金属用レーザ顕微鏡(MLS
M)では、各倍率の対物レンズの射出瞳位置を揃えるこ
とが重要であるが、倍率が異なると当然その焦点距離も
変わり、又は、同焦距離が異なることにもより、対物レ
ンズ中の実際の瞳位置(主光線が光軸と交わる位置)が
異なってくる。これを対物レンズの射出瞳位置として揃
えるためには、対物レンズ中の実際の瞳位置より像側
に、少なくとも正、負の面を1面ずつ配し、そのパワー
配置によって実際の瞳位置を投影しなければならない。
【0037】さらに、前述の倍率の色収差の補正作用に
ついて、像側に配置される第2のDOEのみで行うと、
前述と同様の問題が生じるため、対物レンズ中の最も像
側のレンズ群を接合レンズとし、第2のDOEと組み合
わせることによって、倍率の色収差を良好に補正するこ
とが望ましい。
【0038】高級対物レンズでは、色補正をアポクロマ
ートにする必要があり、そのため異常分散ガラスを多く
使わなければならない。しかし、これらのガラスは価格
が高くまたその加工性も悪いため、これらの対物レンズ
をより高価なものにしている。これらの問題も、DOE
の異常分散性を利用して解決することができる。
【0039】さらに、DOEは、その製作上の特徴とし
て、回折格子間隔を任意に設定できるということがあ
る。これは任意の非球面レンズと等価であり、しかも変
曲点が多数あってもよい等、通常の非球面レンズよりも
より設計の自由度があり、また、その製作精度も良い。
非球面レンズは色収差補正ができないことも考え合わせ
ると、DOEの方がその面では収差補正能力が優れてい
る。屈折率分布レンズは色収差補正はできるが、実際に
製作できるものは限られている。
【0040】したがって、本発明のようにDOEを用い
ることによって、屈折系レンズのみでは不可能であった
広い範囲で色収差補正された高倍率、高NA、長作動距
離という高性能な対物レンズの設計・製作が可能とな
り、コスト低減をも実現可能としている。
【0041】
【実施例】次に、本発明の対物レンズの実施例について
説明する。まず、本発明の実施例で用いる回折光学素子
についてさらに詳しく述べる。後に示す実施例で用いら
れている回折光学素子は、すでに述べた通りのものであ
るが、このような回折光学素子を含む光学系の設計法と
して、ウルトラ・ハイ・インデックス法(ultrah
igh index methods)と呼ばれる方法
が知られている。これは、回折光学素子を屈折の極めて
大きい仮想的なレンズ(ウルトラ・ハイ・インデックス
・レンズ)に置き換えて設計する方法である。このこと
については、前述のWilliam C.Sweatt
によるSPIE,126巻,46〜53項(1977
年)に記載されているが、図4を用いて簡単に説明す
る。図4において、1はウルトラ・ハイ・インデックス
・レンズ、2は法線である。このウルトラ・ハイ・イン
デックス・レンズ1においては、次の式(10)で表さ
れる関係が成り立つ。
【0042】 (nu −1)dz/dh=nsinθ−n’sinθ’ ・・(10) ただし、nu はウルトラ・ハイ・インデックス・レンズ
の屈折率、zはウルトラ・ハイ・インデックス・レンズ
の光軸方向の座標、hは光軸からの距離、n、n’はそ
れぞれ入射側媒質及び射出側媒質の屈折率、θ、θ’は
光線の入射角及び射出角である。なお、後に示す実施例
のデータでは、nu =10001としている。
【0043】式(2)及び(10)から、次の式(1
1)が求まる。 (nu −1)dz/dh=mλ/d ・・(11) すなわち、ウルトラ・ハイ・インデックス・レンズ(屈
折率が極めて大きい屈折型レンズ)の面形状と回折光学
素子のピッチとの間には、式(11)で与えられる等価
関係が成立し、この式を通じてウルトラ・ハイ・インデ
ックス法で設計したデータから回折光学素子のピッチを
定めることができるのである。
【0044】一般的な軸対称非球面形状は、下記のよう
に表される。 z=ch2 /[1−c2 (k+1)h2 1/2 +Ah4 +Bh6 +Ch8 +Dh10+… ・・(12) ただし、zは光軸(像の方向を正)、hは面とz軸との
交点を原点としてz軸に直交した座標軸の中のメリジオ
ナル方向の座標軸、cは基準面の曲率、kは円錐定数
で、A、B、C、E、…は各々4次、6次、8次、10
次、…の非球面係数である。
【0045】式(11)、(12)より、ある光線高に
おける上記非球面と等価の回折光学素子のピッチdは、
次の式(13)で表される。 d=mλ/[(n−1){ch/(1−c2 (k+1)h2 1/2 +4Ah3 +6Bh5 +8Ch7 +10Dh9 +…}]・・(13) なお、以下の実施例では、非球面係数項として10次ま
であるが、12次、14次、…の非球面項を使用しても
よい。
【0046】次に、各実施例の構成を説明する。図5
は、実施例1の光軸を含む断面図であり、像側から、第
2群G2は、両凸レンズと両凹レンズの接合レンズ、像
側に凹の負メニスカスレンズ、像側の面に第2のDOE
を設けた平行平面板、両凸レンズと両凹レンズと両凸レ
ンズの3枚接合レンズ、像側の面に第1のDOEを設け
た平行平面板からなり、第1群G1は、両凸レンズ、像
側に凸の正メニスカスレンズ、物体側に凹のメニスカス
レンズからなる。この実施例は2枚のDOEで3枚接合
レンズを挟んだタイプである。この実施例の主な仕様は
次の通りである。
【0047】図6は、実施例2の光軸を含む断面図であ
り、像側から、第2群G2は、両凸レンズと両凹レンズ
の接合レンズ、像側に凹の負メニスカスレンズ、像側の
面に第2のDOEを設けた平行平面板、像側に凸の負メ
ニスカスレンズと両凸レンズの接合レンズ、両凸レンズ
と物体側に凸の負メニスカスレンズの接合レンズ、像側
の面に第1のDOEを設けた平行平面板からなり、第1
群G1は、物体側に凸の正メニスカスレンズ、両凸レン
ズ、物体側に凹のメニスカスレンズからなる。この実施
例は2枚のDOEで2枚接合レンズ2群を挟んだタイプ
である。この実施例の主な仕様は次の通りである。
【0048】図7は、実施例3の光軸を含む断面図であ
り、像側から、第2群G2は、像側に凹の正メニスカス
レンズと両凹レンズの接合レンズ、像側に凹の正メニス
カスレンズ、像側に凸の負メニスカスレンズと両凸レン
ズの接合レンズ、像側の面に第2のDOEを設けた平行
平面板、両凸レンズと両凹レンズと両凸レンズの3枚接
合レンズ、像側の面に第1のDOEを設けた平行平面板
からなり、第1群G1は、像側に凸の正メニスカスレン
ズ、物体側に凹の正メニスカスレンズからなる。この実
施例は2枚のDOEで3枚接合レンズを挟んだタイプで
ある。この実施例の主な仕様は次の通りである。
【0049】以上の全ての実施例は、λ=488〜63
2.8nmにわたって色補正した対物レンズであり、射
出瞳位置は全て胴付から物体側に8mmである。また、
各実施例において、2つのDOEは、物体側から順に、
第1のDOE、第2のDOEである。そして、実施例1
〜2は、第1のDOEにて主に軸上色収差を補正し、第
2のDOEにて主に倍率の色収差を補正している。な
お、実施例3では、第1、第2のDOE共に主として軸
上色収差を補正し、第2のDOEより像側のレンズで主
に倍率の色収差を補正している。
【0050】以下に、上記各実施例の逆追跡での数値デ
ータを示すが、記号は上記の外、r1 、r2 …は各レン
ズ面の曲率半径、d1 、d2 …は各レンズ面間の間隔、
d1、nd2…は各レンズのd線の屈折率、νd1、νd2
は各レンズのアッベ数である。なお、r0 は胴付を、d
0 は胴付から第1レンズ面までの間隔を表す。また、D
OEの非球面形状は、前記の式(12)で表される。
【0051】実施例1 r0 = ∞ d0 = -3.44 r1 = 31.250 d1 = 2.67 nd1 =1.847 νd1 =23.8 r2 = -17.168 d2 = 2.51 nd2 =1.569 νd2 =63.2 r3 = 4.996 d3 = 4.34 r4 = -6.398 d4 = 2.50 nd3 =1.603 νd3 =60.7 r5 = -8.480 d5 = 0.20 r6 = -3.119 ×10+66 = 0.00 nd4 =10001 νd4 =-3.453 (DOE2) r7 = ∞ d7 = 2.00 nd5 =1.458 νd5 =67.7 r8 = ∞ d8 = 0.74 (石英) r9 = 14.834 d9 = 6.50 nd6 =1.498 νd6 =65.0 r10= -7.213 d10= 2.59 nd7 =1.847 νd7 =23.8 r11= 33.389 d11= 5.42 nd8 =1.697 νd8 =48.5 r12= -16.884 d12= 0.20 r13= 3.404 ×10+613= 0.00 nd9 =10001 νd9 =-3.453 (DOE1) r14= ∞ d14= 2.00 nd10=1.458 νd10=67.7 r15= ∞ d15= 0.26 (石英) r16= 42.704 d16= 4.76 nd11=1.589 νd11=61.2 r17= -26.929 d17= 0.20 r18= 14.056 d18= 3.96 nd12=1.743 νd12=49.3 r19= 34.223 d19= 0.20 r20= 6.187 d20= 4.90 nd13=1.883 νd13=40.8 r21= 6.131 非球面係数 第6面 k=-1.000000 A=-0.412025 ×10-8 B= 0.495427 ×10-10 C=-0.445012 ×10-11 D= 0.184938 ×10-12 第13面 k=-1.000000 A= 0.185317 ×10-10 B=-0.302806 ×10-11 C=-0.404337 ×10-14 D= 0.128053 ×10-15 R/t=1.25,(W・H)/(L・f)=0.02
9 DOE1:Dd /D=0.96,(h・f)/(L・
I)=0.057,fd /f=84.51 DOE2:Dd /D=0.51,(h・f)/(L・
I)=0.087 。
【0052】実施例2 r0 = ∞ d0 = -3.50 r1 = 22.514 d1 = 3.12 nd1 =1.847 νd1 =23.8 r2 = -10.066 d2 = 3.25 nd2 =1.762 νd2 =40.1 r3 = 4.998 d3 = 2.69 r4 = -8.431 d4 = 3.04 nd3 =1.835 νd3 =42.7 r5 = -11.143 d5 = 0.20 r6 = -3.202 ×10+66 = 0.00 nd4 =10001 νd4 =-3.453 (DOE2) r7 = ∞ d7 = 2.00 nd5 =1.458 νd5 =67.7 r8 = ∞ d8 = 0.20 (石英) r9 = 22.091 d9 = 3.53 nd6 =1.847 νd6 =23.8 r10= 12.192 d10= 4.85 nd7 =1.516 νd7 =64.2 r11= -18.354 d11= 0.20 r12= 19.647 d12= 6.55 nd8 =1.603 νd8 =60.7 r13= -8.768 d13= 2.50 nd9 =1.847 νd9 =23.8 r14= -25.550 d14= 0.20 r15= 2.679 ×10+615= 0.00 nd10=10001 νd10=-3.453 (DOE1) r16= ∞ d16= 2.00 nd11=1.458 νd11=67.7 r17= ∞ d17= 1.04 (石英) r18= -670.295 d18= 3.58 nd12=1.603 νd12=60.7 r19= -24.198 d19= 0.20 r20= 164.032 d20= 2.73 nd13=1.883 νd13=40.8 r21= -36.692 d21= 0.20 r22= 5.361 d22= 4.84 nd14=1.883 νd14=40.8 r23= 5.593 非球面係数 第6面 k=-1.000000 A=-0.132845 ×10-8 B= 0.819433 ×10-10 C=-0.335679 ×10-11 D= 0.111735 ×10-12 第15面 k=-1.000000 A=-0.996604 ×10-9 B=-0.763516 ×10-11 C= 0.175102 ×10-12 D=-0.474485 ×10-15 R/t=1.15,(W・H)/(L・f)=0.01
3 DOE1:Dd /D=0.99,(h・f)/(L・
I)=0.044,fd /f=66.51 DOE2:Dd /D=0.65,(h・f)/(L・
I)=0.102 。
【0053】実施例3 r0 = ∞ d0 = -2.64 r1 = -21.162 d1 = 3.62 nd1 =1.805 νd1 =25.4 r2 = -7.242 d2 = 3.71 nd2 =1.615 νd2 =51.2 r3 = 7.560 d3 = 10.40 r4 = -38.094 d4 = 6.00 nd3 =1.757 νd3 =47.8 r5 = -22.020 d5 = 2.47 r6 = 32.244 d6 = 2.97 nd4 =1.834 νd4 =37.2 r7 = 15.339 d7 = 7.51 nd5 =1.487 νd5 =70.2 r8 = -41.615 d8 = 0.20 r9 = -5.099 ×10+69 = 0.00 nd6 =10001 νd6 =-3.453 (DOE2) r10= ∞ d10= 2.50 nd7 =1.516 νd7 =64.2 r11= ∞ d11= 0.20 r12= 29.202 d12= 8.24 nd8 =1.487 νd8 =70.2 r13= -20.341 d13= 2.97 nd9 =1.785 νd9 =25.7 r14= 46.725 d14= 7.86 nd10=1.487 νd10=70.2 r15= -22.537 d15= 0.20 r16= 3.101 ×10+616= 0.00 nd11=10001 νd11=-3.453 (DOE1) r17= ∞ d17= 2.50 nd12=1.516 νd12=64.2 r18= ∞ d18= 0.20 r19= 22.726 d19= 5.72 nd13=1.800 νd13=42.2 r20= 277.621 d20= 0.20 r21= 8.934 d21= 6.38 nd14=1.835 νd14=42.7 r22= 11.189 非球面係数 第9面 k=-1.000000 A=-0.415606 ×10-9 B= 0.261911 ×10-12 C=-0.765416 ×10-14 D= 0.410329 ×10-16 第16面 k=-1.000000 A= 0.513728 ×10-10 B=-0.806226 ×10-12 C= 0.391273 ×10-14 D=-0.867593 ×10-17 R/t=1.75,(W・H)/(L・f)=0.04
8 DOE1:Dd /D=0.98,(h・f)/(L・
I)=0.046,fd /f=86.13 DOE2:Dd /D=0.85,(h・f)/(L・
I)=0.024 。
【0054】上記実施例1の逆追跡の収差図を図8に示
す。図中、(a)は球面収差、(b)は非点収差、
(c)は歪曲収差、(d)はコマ収差を表す。実施例2
〜3の同様の収差図をそれぞれ図9〜図10に示す。な
お、収差図中、ωは半画角を表す。以上の本発明の対物
レンズは例えば次のように構成することができる。
【0055】〔1〕 2つの回折光学素子とその間に少
なくとも1つの接合レンズを挟んだ構成からなるレンズ
群を有することを特徴とする対物レンズ。
【0056】〔2〕 物体側から順に、物体側に凹面を
向けたメニスカスレンズを含み、全体として正パワーの
第1群と、2つの回折光学素子と少なくとも1つの接合
レンズを含む第2群とを有し、下記条件式(1)を満足
し、また、少なくとも1つの回折光学素子が下記条件式
(2)、(3)の何れかを満足することを特徴とする対
物レンズ。
【0057】(1) 0.5<R/t<5 (2) Dd /D>0.8 (3) (h・f)/(L・I)>0.07 ただし、Rは前記メニスカスレンズの像側曲率半径、t
は前記メニスカスレンズの肉厚、Dd 、Dはそれぞれ回
折光学素子面でのマージナル光束径、最大マージナル光
束径、fは対物レンズの焦点距離、hは回折光学素子面
での最大主光線高、Lは同焦距離、Iは標本面最大像高
である。
【0058】〔3〕 物体側から順に、物体側に凹面を
向けたメニスカスレンズを含み、全体として正パワーの
第1群と、2つの回折光学素子と少なくとも1つの接合
レンズを含む第2群とを有し、下記条件式(4)を満足
することを特徴とする対物レンズ。
【0059】(4) (W・H)/(L・f)>0.0
05 ただし、Wは作動距離、Lは同焦距離、Hは前記メニス
カスレンズの前記凹面でのマージナル光線高、fは対物
レンズの焦点距離である。
【0060】〔4〕 前記の2つの回折光学素子がそれ
ぞれ正と負のパワーを持ち、正のパワーを持つ回折光学
素子が下記条件式(5)を満足することを特徴とする上
記〔1〕から〔3〕の何れか1項記載の対物レンズ。 (5) 30<fd /f<150 ただし、f、fd はそれぞれ対物レンズと前記の正のパ
ワーを持つ回折光学素子の焦点距離である。
【0061】〔5〕 前記の少なくとも1つの接合レン
ズの隣接するレンズのアッベ数差Δνが下記条件式
(6)を満足することを特徴とする上記〔1〕から
〔3〕の何れか1項記載の対物レンズ。 (6) Δν>20
【0062】〔6〕 対物レンズ中の実際の瞳位置より
像側に少なくとも1つの正の面と少なくとも1つの負の
面を配置したことを特徴とする上記〔1〕から〔3〕の
何れか1項記載の対物レンズ。
【0063】〔7〕 対物レンズ中の最も像側のレンズ
群が接合レンズからなることを特徴とする上記〔1〕か
ら〔3〕の何れか1項記載の対物レンズ。
【0064】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、高倍率、高NA、長作動距離で、諸収差、特
に色収差を広範囲で良好に補正し、かつ、射出瞳位置を
揃えた対物レンズを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スネルの法則に従って屈折する様子を示す図で
ある。
【図2】回折の法則に従って曲げられる様子を示す図で
ある。
【図3】ブレーズ化とそのバイナリ近似を行った回折型
光学素子の断面図である。
【図4】ウルトラ・ハイ・インデックス法を説明するた
めの図である。
【図5】本発明の対物レンズの実施例1の光軸を含む断
面図である。
【図6】本発明の対物レンズの実施例2の光軸を含む断
面図である。
【図7】本発明の対物レンズの実施例3の光軸を含む断
面図である。
【図8】実施例1の逆追跡の収差図であり、(a)は球
面収差、(b)は非点収差、(c)は歪曲収差、(d)
はコマ収差を示す。
【図9】実施例2の図9と同様の収差図である。
【図10】実施例3の図9と同様の収差図である。
【符号の説明】
1…ウルトラ・ハイ・インデックス・レンズ 2…ウルトラ・ハイ・インデックス・レンズの法線 G1…第1群 G2…第2群

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つの回折光学素子とその間に少なくと
    も1つの接合レンズを挟んだ構成からなるレンズ群を有
    することを特徴とする対物レンズ。
  2. 【請求項2】 物体側から順に、物体側に凹面を向けた
    メニスカスレンズを含み、全体として正パワーの第1群
    と、2つの回折光学素子と少なくとも1つの接合レンズ
    を含む第2群とを有し、下記条件式(1)を満足し、ま
    た、少なくとも1つの回折光学素子が下記条件式
    (2)、(3)の何れかを満足することを特徴とする対
    物レンズ。 (1) 0.5<R/t<5 (2) Dd /D>0.8 (3) (h・f)/(L・I)>0.07 ただし、Rは前記メニスカスレンズの像側曲率半径、t
    は前記メニスカスレンズの肉厚、Dd 、Dはそれぞれ回
    折光学素子面でのマージナル光束径、最大マージナル光
    束径、fは対物レンズの焦点距離、hは回折光学素子面
    での最大主光線高、Lは同焦距離、Iは標本面最大像高
    である。
  3. 【請求項3】 物体側から順に、物体側に凹面を向けた
    メニスカスレンズを含み、全体として正パワーの第1群
    と、2つの回折光学素子と少なくとも1つの接合レンズ
    を含む第2群とを有し、下記条件式(4)を満足するこ
    とを特徴とする対物レンズ。 (4) (W・H)/(L・f)>0.005 ただし、Wは作動距離、Lは同焦距離、Hは前記メニス
    カスレンズの前記凹面でのマージナル光線高、fは対物
    レンズの焦点距離である。
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