JPH08280965A - ミシン - Google Patents

ミシン

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JPH08280965A
JPH08280965A JP11933295A JP11933295A JPH08280965A JP H08280965 A JPH08280965 A JP H08280965A JP 11933295 A JP11933295 A JP 11933295A JP 11933295 A JP11933295 A JP 11933295A JP H08280965 A JPH08280965 A JP H08280965A
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JP
Japan
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thread
yarn
needle
guide
threading
Prior art date
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Pending
Application number
JP11933295A
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English (en)
Inventor
Tsugihiro Furushita
次博 古下
Masanobu Watanabe
正延 渡辺
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Barudan Co Ltd
Original Assignee
Barudan Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 糸の端を機械的に摘んでそれを引き下げる操
作でもって糸の装填が出来るミシンを提供する。 【構成】 ベッドと、ベッドの下方に配設された釜と、
ベッドの上方に配設された縫製用の針と備え、更に、夫
々縫製用の糸の供給をする為の複数の糸供給源と、複数
の糸供給源から夫々供給される糸の内からの任意の糸を
選択して抽出する糸選択装置と、針に至る糸の引き緩め
を行う為の天秤装置と、糸選択装置において抽出された
糸の先端部を機械的に保持した状態でその糸を天秤装置
を通して針まで引き下ろすための引き下ろし装置を備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複数の色糸供給源から供
給される色糸を選択的に用いて縫製を行うミシンに関す
る。
【0002】
【従来の技術】この種のミシンに係る技術事項は、例え
ば特開平6−254277号公報に示されている。その
公報の記載内容を次の「公知技術欄」に一部抜粋する。
尚上記公報における図1、2、3、4、9、10を本件
の図面に転記したが、それらの図番表示に関しては、本
願の実施例を示す図1〜図58と区別する為に、夫々順
に図59、60、61、62、63、64として表示し
た。従って公知技術欄を読む場合には、図1、2、3、
4、9、10は夫々図59、60、61、62、63、
64と読み替えられる。
【0003】公知技術欄 『多頭の多色ミシンにおける一頭を示す図1及び図2に
おいて、1は多頭ミシンにおける横長の基枠で、ブリッ
ジとも称されるものである。2は上記ブリッジ1に備え
させた一頭のミシンを示す。3は該ミシンにおけるヘッ
ドである。4はヘッドフレームで、上記基枠1に取付け
てある。符号5,6,7,8は順に針棒、針棒下端に備
えさせる縫製用の針、布押え、天秤の存在を示し、これ
らは周知の構成であって、周知のように図示外の昇降機
構によって所定の機能を発揮するように上下動される。
次に色糸の供給の為の構成について説明する。9は色糸
供給源で、夫々異なる色や太さの糸の供給の為に複数が
備わっている。10は上記各色糸供給源9から供給される
色糸を選択して送り出す為の選択装置である。11は選択
装置10に対して各色糸を準備状態にする為の引戻装置、
12は色糸に所定のテンションを与える為のテンション装
置である。次に14は上記選択装置10から天秤8に向けて
の通糸を行う為の通糸装置、15は天秤8から針6へ向け
ての通糸を行う為の通糸装置を夫々示す。16はミシンに
おける周知のベッドの存在を示し、図ではベッドの上面
を示す。ベッドは周知の如く針板を備えており、その下
方には周知の釜が備えてある。尚上記針板と釜との間に
は上糸及び下糸の周知の切断装置が備えてある。 [0008]次に上記色糸供給源9について説明する。
18は台座、19は台座18に取付けたボビン立、20は縫製用
の色糸(上糸であり、以下単に糸とも呼ぶ)で、ボビン
21に巻かれて上記ボビン立19に立てられた状態のものを
例示する。 [0009]次に上記選択装置10を示す図3乃至図8に
ついて説明する。選択装置10は本体22とその周囲の操作
体23とから成る。図3において、24は本体のケーシング
を示し、糸の選択の為の構成を内蔵する略円柱状の主体
部材25と、糸の案内路を構成する為のコーン状の第1案
内部材26とキャップ状の第2案内部材27とから成る。26
aはねじ連結部、25a,27aは主体部材25と第2案内部
材27との連結用の鍔、28はエアー漏れ防止用のパッキン
である。第1案内部材26の外周側面及び第2案内部材27
の内周側面は何れも糸の滑りが良好となるよう滑面であ
る。次に33は糸の導入口で、主体部材25の軸心を中心と
する一つの円周上に多数(例えば16個)が並んでい
る。34は糸の導出口、35は導入口33から導入された糸の
先端を保持しておく為の保持部で、各導入口33に連通す
る小透孔状に形成してある。図3の36は前記保持部35と
導出口34とを結ぶ案内路である。図1、2における61は
糸を導入口33に向けて案内する為の糸ガイドである。 [0010]図3において、糸を保持部35から導出口34
を通して送り出すための駆動手段について説明する。該
駆動手段は各保持部35にある糸を案内路36の途中まで送
る為に各々の保持部35に対して個別に設けられた複数の
第1駆動手段37と、案内路36の途中まで送られた糸をそ
こから導出口34へ送り、その導出口34から送り出す為の
一つの第2駆動手段38とから成る。・・・ [0012]次に操作体23を詳細に示す図6について説
明する。・・・133は各エアー供給口へのエアーの入切
りの為のバルブである。・・・146は各バルブ133作動用
の電磁石・・・である。 [0014]上記本体22における第1駆動手段37及び第
2駆動手段38と、上記操作体23におけるバルブ133と、
エアー源129との関係は図9に示す通りである。尚上記
各第1駆動手段37に対応するバルブは符号133a,133b,13
3c・・・・で示し、第2駆動手段38に対応するバルブは符号
133Aで示す。 [0015]次に前記図2の引戻装置11は、前記複数の
色糸供給源9と天秤8との間の各糸の通過経路に夫々個
別に設ける為に各色糸供給源9と選択装置10との間の糸
の通過経路に夫々個別に設けてあり、例えば基枠1の上
方に固定的に配設された支承枠1aに取付けてある。以下
該引戻装置11を詳細に示す図10乃至図13について説
明する。・・・64はドラムで、合成樹脂材料で形成して
ある。・・・68は色糸供給源からの糸をドラムの外周側
に向けて案内する為の透孔・・・ [0016]次に69は巻付部材で、合成樹脂材料で形成
してあり、前記ドラム64の軸心を中心に回動自在に配設
してある。・・・71は糸ガイド部を示し、透孔状に形成
され、両端の口には耐摩耗性の高い硬質材料例えばアル
ミナ製のガイド部材71a, 72aを備えてある。糸ガイド部
71におけるドラム64側の端部の口72は、案内斜面66の外
周側に位置している。74は巻付部材69を回動させる為の
モータで、巻付部材69の回動角を正確に制御する為に例
えばパルスモータが用いられ、・・・ [0017]次に90はベース63の周側壁63cに設けた糸
の進行を停止させる為の糸止機構である。・・・95は糸
止機構90の作動を解除する為の解除部材・・・ [0020]次に上記構成のミシンの動作を説明する。
先ず準備作業として、各色糸供給源9におけるボビン立
19に糸20の巻かれたボビン21を装着し、各々から引き出
した糸20を糸ガイド81、引戻装置11、テンション装置1
2、糸ガイド84, 61を通して選択装置10にもたらす。こ
の場合、引戻装置11においては図10のように糸ガイド
部71を透孔68と対向させ糸20を2点鎖線で示されるよう
に挿通しておく。選択装置10においては図3に示される
ように糸20の先端を導入口33から挿入し、保持部35にま
で至らせておく。 [0021]この状態において、コンピュータその他の
制御装置による制御により所定のプログラムに基づいて
各装置の動作が次のように行われる。先ず縫製に用いよ
うとする糸に係わる引戻装置11においては、ソレノイド
95が通電状態にされ、糸止機構90は図10及び図11の
(A)に示されるように解除状態になる。又その糸に係
わるテンション装置12においてもテンションの付与が解
除され、糸はフリーの状態となる。この状態において図
9のバルブ133A及び上記の糸に対応した第1駆動手段37
に係わるバルブ例えば133aが開かれる。・・・バルブ13
3Aを通ったエアーは第2駆動手段38における・・・吐出
口60から導出口34に向けて勢い良く吹き出される。又バ
ルブ133aを通ったエアーは第1駆動手段37における・・
・吹出口51から保持部35に向けて勢い良く真直ぐに吹出
される。上記第1駆動手段37によるエアーの流れによ
り、保持部35にある糸20の下端は保持部35から図3の案
内路36に至り、その案内路36の下部の符号36aで示され
る細幅部まで至る。細幅部36aにおいては、第2駆動手
段38の吐出口60から吹出すエアーによって細幅部36aか
ら導出口34に向かうエアーの流れができている為、細幅
部36aに至った上記の糸はそのエアーの流れにより導出
口34に至り更にそこから下方に向けて送り出される。こ
のようにして縫製に用いるべき糸が導出口34から送り出
されると、上記バルブ133A,133aは閉じられてエアーの
流通が停止する。・・・ [0026]上記のようにして導出口34から送り出され
た糸20は図1、2の通糸装置14によって天秤8に通さ
れ、更に通糸装置15によって針6の針孔に挿通される。 [0027]上記のようにして縫製に用いる糸が針6ま
で通されると、その糸に係わるテンション装置12はその
糸に対してテンションを付与する状態となり、又周知の
如くミシン主軸の回動が開始されて針6の上下動及び釜
の回動が開始される。又それと連動して天秤8の作動が
行われ、ベッド上の布に対する縫製が周知のミシンと同
様に行われる。尚引戻装置11においては、糸20は図10
に2点鎖線で示すような経路で矢印20a方向に進行す
る。』
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のミシンで
は、通糸装置14,15によりエアーの流れでもって糸を天
秤8や針6に通すようにしているため、糸供給源からの
糸の引出に対する抵抗が僅か大きいだけでもって糸が動
かなくなり、糸通しに失敗する頻度が高い問題点があっ
た。
【0005】本願発明のミシンは上記従来技術の問題点
(技術的課題)を解決する為に提供するもので、その目
的は、糸の端を機械的に摘んでそれを引き下げることに
より、確実に糸通しを行うことが出来るようにしたミシ
ンを提供することである。他の目的及び利点は図面及び
それに関連した以下の説明により容易に明らかになるで
あろう。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為
に、本願発明におけるミシンは、ベッドと、ベッドの下
方に配設された釜と、ベッドの上方に配設された縫製用
の針と備え、更に、夫々縫製用の糸の供給をする為の複
数の糸供給源と、上記複数の糸供給源から夫々供給され
る糸の内からの任意の糸を選択して抽出する糸選択装置
と、上記針に至る糸の引き緩めを行う為の天秤装置と、
上記糸選択装置において抽出された糸の先端部を機械的
に保持した状態でその糸を上記天秤装置を通して上記針
まで引き下ろすための引き下ろし装置を備えるものであ
る。
【0007】
【作用】引き下ろし装置は糸選択装置から抽出された糸
の先端部を機械的に摘んで針に向け引き下げる。
【0008】
【実施例】以下本願の実施例を示す図面である図1〜図
58について説明する。これらの図に示す実施例の目的
は次の通りである。第1の目的は、予め準備された複数
の糸の内から1本の糸を任意に選択してその糸により縫
製を行うことが出来るようにすることである。第2の目
的は、夫々個別の導入口にもたらされている複数の糸の
内から任意の糸を選択し、その糸を一つの共通の導出口
から抽出場所に送り出すことの出来る糸選択装置を提供
することである。第3の目的は、エアーの流れによって
上記糸の選択、送出を行うことにより、糸に機械的変形
を与えることなく送り出し得るようにすることである。
第4の目的は、エアーによる送り出しである為に、送り
出された糸が横振れする可能性があっても、上記抽出場
所では送り出された糸の横方向位置を一定の位置に位置
決できるようにすることである。第5の目的は、上記抽
出場所ではそこに送り出した糸の先部を一定位置で切断
して、抽出場所には一定の長さの糸が残るようにするこ
とである。第6の目的は、上記糸の切断の場合、糸をぴ
んと引き張った状態にしてその糸を切断できるようにす
ることである。第7の目的は、抽出場所において糸の切
断を行っても、切断された先端部の糸を落下させること
なく除去できるようにすることである。第8の目的は、
抽出場所において糸の先端部を切断する場合、切断後抽
出場所に残る側の糸の先端が真っ直ぐに保たれる状態で
切断を行うことが出来るようにすることである。第9の
目的は、選択した一つの糸を導出口に導いてそこから送
り出す場合、糸に絡まりを生じさせることなくスムーズ
に送り出すことが出来るようにすることである。第10
の目的は、選択した糸を機械手段でもって自動的に針に
装填できるようにすることである。第11の目的は、糸
選択装置によって選択し抽出された糸を針の糸通し孔に
差し通す場合、上記抽出された糸を機械的に摘んで、そ
の摘んだままで上記糸通し孔に差し通すことが出来るよ
うにすることである。第12の目的は、上記の場合、元
部を枢着したアームの先端部に糸の捕捉機構を備えさせ
ることにより、上記アームの円弧移動を利用して、捕捉
した糸を針までもたらすこととその糸を針の糸通し孔に
差し通すことの両方が出来るようにすることである。第
13の目的は、糸を針の糸通し孔に差し通す場合、糸の
先端を糸の進行方向に向かせて糸を確実に糸通し孔に差
し通すことが出来るようにすることである。第14の目
的は、先端部を針の糸通し孔に差し通した糸を、その糸
通し孔に更に深く引き通して、糸通し孔に通された糸が
誤ってそこから抜ける危険を除くようにすることであ
る。第15の目的は、糸を針の糸通し孔に差し通そうと
する場合、糸をガイド孔でもって針の糸通し孔に向けて
案内することができて、上記差し通しを確実に行い得る
ようにすることである。第16の目的は、手操作でもっ
て糸を針の糸通し孔に差し通す場合、ガイド孔への糸の
差し込み操作を容易に出来るようにすることである。第
17の目的は、上記糸通し孔に差し通した糸を保持して
その糸が糸通し孔から抜けることを防止すると共に、そ
の糸を用いて縫製を開始する場合、糸の先部を針でもっ
て布に縫いつけてしまうことなく縫製を開始させられる
ようにすることである。第18の目的は、糸通しのため
のガイド手段を針から外した場合、ガイド手段とベッド
との間に高い作業空間が確保されるようにすることであ
る。第19の目的は、ガイド手段を針に装填する場合及
び針から外す場合に、針の折損事故を防止できるように
することである。第20の目的は、糸をその長手方向に
対して側方に移動させることによって、その糸を天秤装
置に装填出来るようにすることである。
【0009】以下図1〜図58について説明する。尚こ
れらの図において符号1,2,4,5,6,7,9,1
0,11,16,21で示される部材は、公知(例えば前記特
開平6−254277号公報において公知)のミシンに
おける基枠、1頭のミシン、ヘッドフレーム、針棒、
針、布押え、糸供給源、選択装置、引戻装置、ベッド、
ボビンを夫々示すものである。これらの部材の夫々及び
それらと他の部材との関連は、前記公知技術欄に記載さ
れた対応各部材の夫々及びそれらと他の部材との関連に
係る構成と同様の構成としてある。尚図1〜図58にお
いて、機能上図59〜64に示されるものと同一又は均
等の構成で説明が重複すると考えられる部分には、図5
9〜64と同一の符号を付して重複する説明を省略す
る。
【0010】図1、2に示すAは供給源から供給される
複数の色糸の内から所望の糸を選択して抽出する為の糸
選択装置である。該糸選択装置Aは糸の選択及び抽出を
行う選択機構Bと抽出した糸の糸端の処理を行う糸端処
理機構Cとから構成している。Fは上記選択装置Aによ
って選択され後述の抽出場所208に抽出された糸20をそ
こで受け取って、それを下方の針6にまで引き下ろす為
の糸の引き下ろし装置を示す。該装置Fは、針6の近傍
の場所にまで下降したときには上記受け取った糸20の先
端部を針6の糸通し孔に差し通す為の差し通し装置とし
て機能する。Gは上記針6に先端部が差し通された糸20
を更に引いて、その糸20を充分に針6の糸通し孔に通さ
せる為の針糸通し装置を示す。Hは針6に至る糸の引き
緩めを行う為の天秤装置、Jは選択装置Aから天秤装置
Hに向けて進行する糸にその進行に対する抗力(テンシ
ョンとも呼ばれる)を及ぼす為のテンション付与装置、
Kは針6に至る糸を一時的に拘束する為の糸保持機構を
夫々示す。
【0011】先ず選択機構Bを説明する。該機構Bとし
ては前記公知技術欄に示した選択装置10を利用している
が、その一部の構造を変更しているのでその変更部分を
図7に基づき説明する。201は第2案内部材27の内周面
であって、保持部35から送り出された糸を案内する為の
案内面となっている。202は第2案内部材27の下端に備
えた案内筒で、案内面201によって案内されてきた糸を
導出口34に向けて案内する為のものである。第1案内部
材26の下端203は、上記案内面201によって案内されてき
た糸(特に腰の強い糸が案内面201及びその延長線201a
に沿って真っ直ぐに進む傾向が強い)が第1案内部材26
の外周面204に当接せぬよう、案内面201の延長線201aよ
りも上方に後退した位置に定めている。このように位置
を定めることにより、保持部35から空気流によって送り
出され案内路36を案内面201に沿って下降した糸は、第
1案内部材26の外周面204に当接したりその周囲に巻き
付いたりすることなく、吐出口60から吹出すエアーによ
ってスムーズに案内筒202に送り込まれ、導出口34から
送り出される。又上記下端203は、吐出口60から吐出さ
れるエアーがスムーズに(案内面201に当ることなく)
案内筒202に入るようにする為には、案内筒202に出来る
だけ近寄った低位置に設けるのが良い。従って上記下端
203の位置は、上記両条件を勘案して決めるのがよい。
尚205は選択機構Bをヘッドフレームに取付ける為の取
付部材で、206はヘッドフレーム4に固着させた支柱、2
07は支柱206に取付けた取付ブラケットを夫々示し、取
付ブラケット207に選択機構Bを取付けている。208は案
内筒202の延長上に定めた糸の抽出場所で、糸が案内筒2
02を通して導出口34から送り出されてくる場所を示す。
【0012】次に糸端処理機構Cは図1、図2に示す位
置決装置Dと切断装置Eとから構成している。位置決装
置Dは、上記選択機構Bの導出口34から送り出された糸
をエアーの流れによる横振れを抑えて所定位置で位置決
する為のものであり、上記抽出場所208に沿わせて設け
ている。切断装置Eは、上記位置決装置Dにより位置決
した糸を所定の上下位置で切断する為のものであり、位
置決装置Dと同様に上記抽出場所208に沿わせて設けて
いる。
【0013】上記位置決装置Dを図5〜図8をも参照し
て説明する。211は該装置Dにおける各種部材を支える
基材となるベース部材で、基板212とそれを上記支柱206
に取付ける為の取付用ブラケット213とから構成してい
る。D1は上記基板212に取付けたクランプ装置で、上記
導出口34から下向きに送り出された糸において、その先
端側の部分である下端部をエアーによる吸引によって所
定位置で保持する為のものである。D2は上記基板212に
取付けた位置付け装置で、上記送り出された糸におい
て、その元部側の部分である上部を所定位置に位置付け
する為のものである。
【0014】上記クランプ装置D1を示す図4、7、9に
ついて説明する。該クランプ装置D1は、エアーの噴出力
を利用して糸の吸引力を生ずるように構成したものを例
示し、上記基板212に取付けた基材214とそれに内蔵させ
たノズル部材215とから構成している。基材214について
説明する。216はノズル部材215の取付用の透孔、217は
上記ノズル孔216に連通するエアーの受入口、218は受入
口217へのエアーの供給管として例示するホース、219は
エアー及び糸屑の排出口、220はエアー及び糸屑の排出
用のホースを示す。次にノズル部材215について説明す
る。222は周囲に備えさせた通気溝で、ノズル部材215の
軸線と平行な真っ直ぐの状態にエアーの吹出しを行う為
に軸線と平行に形成している。223は糸を引き込む為の
透孔を示す。該ノズル部材215を上記透孔216に取付ける
ことにより、該部材215の外周面と透孔216の内周面との
間に喉部となる細幅のエアー吹出し口224が出来てい
る。225は上記ノズル部材215を基材214に固定する為の
固定板、226は固定板225に形成した吸引口を示す。該吸
引口226は、図3に示す如く縦方向の長さを長く形成し
てその前に縦方向に垂下状に到来した糸を引き込み易く
すると共に、横幅を小さくして引き込んだ糸の横方向の
位置決精度が高くなるようにしている。227は糸の位置
決部で、上記吸引口226の上側における固定板225の前面
をもって構成している。該位置決部227は上記吸引口226
に引き込まれた糸を該部分227に当接させることによっ
て、図7における左右方向の糸の位置決を果たすように
している。尚位置決部227の位置は、上記案内筒202の内
周面において図7において最も右側に表れている縁部20
2aの延長線202b上の位置に定めている。上記のような構
成のクランプ装置D1は、上記ホース218を通して受入口2
17に圧縮エアーを供給すると、そのエアーは吹出し口22
4から排出口219に向けて真っ直ぐに勢い良く吹出し、透
孔223に負圧を形成する。その負圧により吸引口226に吸
引力が生ずる。
【0015】上記位置付け装置D2を示す図4〜図8につ
いて説明する。該位置付け装置D2は糸の位置付け作用を
行う為の位置付け機構D21と、該機構D21を駆動する為
の駆動機構D22とから構成している。先ず位置付け機構
D21を説明する。230は該機構D21における後述の可動
部を所定場所において所定範囲の進退を自在に支える為
の支持機構を示す。231,232は支持体で、上記クランプ
装置D1のものを共通利用した基板212に取付けている。2
33,234は案内杆で、上記支持体231,232に取付けてい
る。235は後述の可動部を位置決する為の位置決部材
で、ボルトをもって構成した例を示し、先端236が位置
決用の受止部としている。該ボルト235は上記は上記支
持体232に設けたねじ孔237に螺合させており、該ボルト
235を回動させることによる軸線方向の進退によって、
受止部236の位置が変わり、可動部を位置決する位置を
可変出来るようにしている。次に位置付け機構D21にお
ける可動部を説明する。238は上記案内杆233,234に進
退自在に装着した可動ブロックで、駆動機構D22との係
合部239,240を備える。241は引き寄せ片で、元部を可
動ブロック240に取付けている。242は引き寄せ片241の
先端部に備えた包囲部で、引き寄せ片241の引き寄せ方
向側(図5において上方側)のみが開いた弧状に形成し
ており、その内側242aを糸の通路としている。該包囲部
242は、位置付け装置D2が非作動の状態においてその内
側の糸の通路242aが上記案内筒202の内部と重合する位
置関係に配置している。243は糸を引き寄せる為の引き
寄せ部を示し、上記包囲部242の底部をもって構成して
いる。該引き寄せ部243は図5に示すように平面形状を
V字形に形成し、そのV字形の底部で糸を引き寄せるこ
とによって、糸の引き寄せ位置(図15の左右方向の位
置)が一定化するようにしている。
【0016】次に駆動機構D22を説明する。245は上記
可動ブロック238に引き寄せ作用を行わす駆動力を与え
る為のばねで、圧縮ばねを用い、支持体231と可動ブロ
ック238との間に介設させている。246は上記ばね245に
よって付勢される可動ブロックの動きを操作する為の操
作機構を示す。以下該機構246を説明する。247は上記案
内杆233,234に進退自在に装着した操作ブロックで、上
記可動ブロック238の係合部239,240との係合用の係合
部248,249を備える。図7、図8に示す250は上記操作
ブロック247に備えさせた連動部で、上記切断機構Eに
おける後述の駆動機構E2との連動を行う部分であり、25
1は駆動体存置用の欠如部、252,253は駆動体との係合
部を夫々示す。次に上記操作ブロック247を作動させる
為の機構を説明する。254は操作ブロック247に取付けた
ラックギヤ、255は基板212に取付けたモータで、ギヤー
ドモータを例示する。256はその回転軸、257は回転軸に
取付けたピニオンギヤで、上記ラックギヤ254と噛み合
わせている。
【0017】上記構成の位置付け装置D2は、該装置D2の
非作動時には操作ブロック247は図5の位置にあり、可
動ブロック238の係合部239,240は夫々操作ブロック247
の係合部248,249に当接して図示の位置にあり、引き寄
せ片241は、包囲部242が選択機構Bにおける導出口34の
下の際において抽出場所208を取り囲む状態となる退避
位置にある。モータ255の回動軸256の回動によりピニオ
ンギヤ257及びラックギヤ254を介して操作ブロック247
が矢印247a方向に移動すると、ばね245の付勢力を受け
ている可動ブロック238はそれに追随して移動する。そ
して図6の(A)のように引き寄せ片241の引き寄せ部2
43が所定の位置決位置(前記案内筒202の内周面の縁部2
02aの延長線202b上の位置)まで至ると、可動ブロック2
38はストッパ235の受部236に当接し、そこで停止する。
モータ255がなおも作動を続けると操作ブロック247は図
6の(B)のように移動する。一方、上記モータ255の
回動軸256が反対方向に回動すると、操作ブロック247は
図6の(B)の状態から(A)の状態に戻り、係合部24
8,249は可動ブロック238の係合部239,240と係合す
る。その後は可動ブロック238が操作ブロック247と一体
となって図5の位置まで戻り、引き寄せ片241は退避位
置に戻る。尚、図6の(A)と(B)の間では、操作機
構246は切断装置Eにおける駆動機構の一部として機能
する。
【0018】次に切断装置Eを示す図7、10について
説明する。該切断装置Eは切断機構E1とそれを駆動する
ための駆動機構E2とからなる。切断機構E1は、上記位置
決装置Dによって位置決された糸を、その位置決された
状態のままで切断するようにしている。以下その構成を
説明する。261,262は一対の切断部材、261a,262aはそ
れらにおける刃を示す。263は上記切断部材261,262を
基板212に枢着するための軸部材で、切断部材の抜け止
め用の頭部263aを備えたピンをもって構成している。該
軸部材263によって上記一対の切断部材261,262を、上
記刃261a,262a相互が擦り合うように枢着している。26
4は上記一対の切断部材261,262に刃261a,262aを適切
に擦り合わせる為の力を及ぼすようにしたウェーブワッ
シャで、図7において軸部材263を上向きに付勢するこ
とによりその頭部263aを介して上記の力を及ぼすように
している。265,266は各切断部材261,262を作動させる
為のレバーで、夫々切断部材261,262と一体に形成して
いる。267は切断装置Eの非作動時に一対の切断部材26
1,262の刃261a,262aを糸の通路に対して遮蔽する為の
遮蔽部材で、図10の如く非作動状態にある切断部材26
1,262と重合する位置に設けている。該部材267の存在
は、縫製中において切断部材261,262の近傍を通過する
糸が、針や天秤などの作動に伴って横振れしても、その
糸が誤って刃261a,262aに触れて切れる事故を防止する
為に設けている。尚該部材267は基板212の一部をもって
構成した例を示すが、別体形成のものを上記切断部材26
1,262と重合する位置において基板に取付けても良い。
【0019】次に駆動機構E2を説明する。269は案内杆2
33に対して進退自在に装着した駆動体で、操作ブロック
247の欠如部251に位置させている。270は駆動体269の移
動をガイドするために基板212に穿設したガイド孔で、
案内杆233と平行状態に形成している。271,272は駆動
体269と前記レバー265,266を連繋させるための連繋片
で、各々の一端を上記駆動体269に枢着し、他端を各レ
バー265,266に枢着している。
【0020】上記切断装置Eは、前記操作ブロック247
が図5の状態から移動して図6の(A)の状態を超える
と、係合部252が駆動体269に当接し、駆動体269は操作
ブロック247と一体に移動を開始する。操作ブロック247
が更に図6の(B)のように移動すると、駆動体269は
図10においては矢印269a方向に移動する。この移動に
より連繋片271,272を介してレバー265,266が夫々矢印
方向に傾動され、切断部材261,262が夫々矢印261b,26
2b方向に傾動し、刃261a,262aが出会いそして擦り合
う。一方、操作ブロック247が図6の(B)の状態から
(A)の状態に向け戻り作動すると、その過程の途中に
おいて係合部253が駆動体269に当接し、それからは駆動
体269は操作ブロック247と一体に戻り作動を行う。そし
て操作ブロック247が図5の位置まで戻ると、一対の切
断部材261,262は図10の状態に戻る。尚前記位置決装
置Dとこの切断装置Eとの位置関係は、抽出された糸の
位置決場所である前記の延長線202b上の位置で、刃261
a,262a相互の出会いが行われるように設定している。
【0021】上記構成のものにあっては、糸の準備作業
を以下のように行う。複数のボビン21から夫々糸20を引
き出し、糸ガイド81、引戻装置11、糸ガイド84等を通し
て、各先端を選択機構Bにおける多数の導入口を通して
保持部35まで夫々個別に差し込む。この場合、引戻装置
11においては、糸20を挿通後、巻付部材69を手操作で回
動させることにより、図13の(A)の如く糸20をドラ
ム64に所定量だけ巻き付ける。巻付けの量は、巻付部材
69の繰り出し方向への回動により糸20を繰り出すことに
よって、次に述べるように任意の糸の抽出を行うと共
に、その糸を縫製用の針まで挿通させたときに、ドラム
64に巻き付いたまま残る糸の量が、後述のように糸20に
適切なテンションを与えるに適する量(例えば1巻)と
なるようにする。従って上記巻き付けの量は選択機構B
から針までの距離により異なるが、例えば3巻半程度で
ある。
【0022】次に多数の糸の内から任意に選択された糸
を抽出場所208に抽出する動作を説明する。該動作は、
第1段階として、図示外の制御装置から所定の色糸20を
抽出する指令により、その糸を選択機構Bの導出口34か
ら送り出すことと、第2段階として、送り出された糸を
位置決装置Dにより位置決することと、第3段階とし
て、その位置決した糸を切断装置Eにより切断すること
との3段階で行う。これらの動作は各部材が図12のタ
イムチャートに示すように動作することにより行われ
る。
【0023】先ず第1段階を説明する。上記指令に基づ
き、図12に示す如く、上記選択された所定の糸に係わ
る引戻装置11においては巻き付け部材69が糸を繰り出す
方向に回動して糸20の繰り出しを行うと共に、選択機構
Bにおいては第1駆動手段37のエアーの吹き出しと第2
駆動手段38のエアーの吹き出しとが上記図12の如く行
われる。その結果、上記選択された糸20が図11の
(A)の如く導出口34から抽出場所208に送り出され
る。その送り出しの長さは、糸20の先端20aが図11の
(B)の如くクランプ装置D1に到達してそれによるクラ
ンプが可能となる長さである。その長さの制御は引戻装
置11の巻き付け部材69の回動角度の制御によって行う。
又その長さは、次に述べる切断を行った際に引戻装置11
側に所定の長さ(後に述べるように針まで糸を通す為の
繰り出しを行ったときに、ドラム64に前記の1巻の糸が
残る長さ)の糸が残るように定める。
【0024】次に第2段階を説明する。上記のように糸
20が導出口34から抽出場所208に送り出された状態で
は、その糸20は既に包囲壁242内の糸の通路242aに位置
している。図11の(A)に想像線で示す如く上記送り
出された糸20の先端部20aがクランプ装置D1の吸引口22
6の前に至ると、それは図11の(B)に示す如吸引口2
26から透孔223の中に引き込まれる。尚クランプ装置D1
は図12に示す如く予めエアーの供給が行われている。
この引込により引戻装置11から選択機構Bを通ってクラ
ンプ装置D1にまで至る糸20はぴんと引き張った状態とな
り、又その最下端の部分が吸引口226によって横方向の
位置規制がなされる。次に引き寄せ片241の作動により
包囲壁242が図11の(C)の如く移動し、抽出場所208
の糸20はその上端部20bが包囲壁242により包囲された
状態で図11の右方に向けて引き寄せられ、引き寄せ部
243のV字状の底部によって位置決される。又下端部20
cが位置決部227に当たり、一定の位置に位置決され
る。上記のような位置決により、図11(A)の状態に
おいては糸20は導出口34から吹出すエアーに煽られて矢
印20e,20e'のように横振れしていても、その糸20は
(C)の如く前記延長線202bに沿って静止状態に位置決
される。従って、糸20はその水平方向の位置が定まる
為、図11の(D)の如く後段の装置の受入口として例
示する任意の摘み具341(例えば糸20を針の位置までも
たらすための機械的動作を行う摘み具)を一定の位置に
もたらすことによって、一定で適正な状態に摘むことが
できる。
【0025】第3段階は、図11の(E)に示す如く上
記糸20が引き張られ且つ位置決された状態で切断機構E1
が作動され、一対の切断要素261,262によって上記の糸
20が切断される。この場合、両切断要素261,262は共に
夫々の刃261a,262aが上記位置決された状態の糸20に向
けて対称的に前進する動作を行い、そして位置決された
状態のままの糸20の所で夫々の刃261a,262aが出会っ
て、そこにある糸20を切断する。切断後それらの刃261
a,262aは僅かに交差しただけの所で前進が終了し、そ
の後元の状態に復帰する。又上記切断により切り離され
た糸20は、クランプ装置D2のエアーの流れと共に透孔22
3から前記排出口219、ホース220を経て図示外の集積場
所に運ばれる。
【0026】上記のような切断によると、糸20が引き張
られた状態でその切断を行うので、確実な切断を行うこ
とができる。又、糸20を位置決したままの状態で切断す
るので、抽出場所208にある糸20を横方向に曲げたりす
ることなく切断することができる。即ち切断後抽出場所
208に残る側の糸20の先端を真っ直ぐの状態にしておく
ことができる。このことはその糸20を針にまで至る後段
の機構に受け渡す場合(例えば針の糸通し孔に挿通する
場合)、それらの操作を円滑且つ確実に行うことを可能
にする。又それらの自動化を容易にする。更に又、切り
離された糸20は運び去られるので、下方にある縫製中の
布の上に落ちることはなく、従って落ちた糸を誤って縫
い込む事故の発生を防止できる。
【0027】次に上記のように抽出された糸20は前記公
知の通糸装置或いは手作業によって針の糸通し孔まで挿
通する。この場合、引戻装置11においては巻き付け部材
69が糸の繰り出し方向に回動して、ドラム64に巻かれて
いる糸を繰り出す。繰り出しの結果、糸が針の糸通し孔
に通った状態ではドラム64の周囲には糸20が図13の
(B)に示す如く例えば前記した1巻残っている。
【0028】次に上記針にまで挿通された糸によって縫
製を行う場合、ボビン21から繰り出された糸20は、引戻
装置11を通る際にドラム64の周面を摺動しながら選択装
置に至り更に針に至る。このとき上記ドラム64の周面を
摺動することによるそこでの摩擦抵抗によって、糸選択
装置Aに向かう糸20にテンションが与えられ、引戻装置
11と糸選択装置Aとの間での糸の弛みを防止する。
【0029】又上記ドラム64の周面に対する糸20の摺動
は、図14に示すように、ボビン21からその軸線方向に
糸20を引き出すことによってその糸20にループ状の捩れ
が20dが生じた場合、それを除去する作用を行う。以下
それを説明する。図15の(A)のように上記捩れ20d
が引戻装置11の透孔68を通ってドラム64の周面に到来す
る。ドラム64の周面を摺動する糸20には、縫製用の針に
よって引かれる力が矢印275のように加わると共に、ド
ラム周面での摩擦抵抗による力が矢印276のように加わ
る。このような力276が加わった状態で糸20が縫製の進
行に伴い順次引かれて行くと、上記捩れ20dは上記した
力276によって次第に解かれながら図15の(B)のよ
うに移動していく。上記捩れ20dの移動に伴い、透孔68
と捩れ20dとの間の糸が次第に長くなると、その糸とド
ラム周面との摺動による摩擦抵抗が増大し、上記矢印27
6の力が増大する。すると上記捩れ20dの解消が更に進
行し、やがて図15の(C)のように捩れが完全に解消
される。このようにして捩れ20dの解消が行われる結
果、捩れの存在による糸切れを防止して、縫製を円滑に
継続することができる。
【0030】上記ドラム64の周面に対する糸20の巻付け
は、引戻装置11よりも後段側(糸選択装置Aの側)にお
いて糸切れが生じた場合に、ボビン21の周囲の糸20がボ
ビン21からほつれて下に落ちることを防止する。即ち、
糸20は上記ボビン21からその軸線方向に引き出される
為、撚の強い糸の場合、上記ボビン21と引戻装置11との
間の糸20は自身の撚によって捻れようとする力を有し、
それがボビン21と引戻装置11との間において縮まろうと
する力として作用する。この場合、ドラム64に糸20が巻
かれてないと、上記の側で糸切れが生じたときに、上記
縮まろうとする力によって糸は引戻装置11をすり抜けて
ボビン21の側に戻り、ボビン21の周囲の糸がボビン21か
らほつれて落下してしまう。このような落下は、糸20を
再び引戻装置11等に通す為に、落下した糸20の先を引き
上げた際に、落下した糸の中間部がボビン21の下側に引
っ掛かり、それを解く為の難儀な作業を強いる問題をも
たらす。しかし、上記のようにドラム64の周面に糸20が
巻き付いていると、そこには上記の如き摩擦抵抗が生ず
る為、上記の側で糸切れが生じても、糸が引戻装置11を
すり抜けてボビン21の側に戻ることが防止される。その
結果、上記の如きほつれを防ぎ、上記難儀な作業の発生
を回避する。
【0031】次に上記選択機構Bにおいて、各保持部35
にある糸の内選択された一つの糸を保持部35から導出口
34に送りそこから抽出場所208送り出す抽出操作の他の
例を図16に基づいて説明する。前記選択された糸の抽
出の指令に基づき、先ずT1の時点に示すように第2駆動
手段38に主駆動量のエアーを供給する。次にその直後、
T2の時点において第1駆動手段37に所定量のエアーを供
給する。尚上記主駆動量のエアー量は、該量のエアーを
吐出口60から導出口34に向けて吹出すことにより、第1
駆動手段37から案内路36に送り出されるエアーを案内路
36から導出口34に導くと共に、更に案内路36の下部の吐
出口60の近傍位置に負圧を形成して、その位置まで到来
した糸を更に案内筒202内に向けて駆動するに適する量
であって、例えば第1駆動手段37からのエアーの量の倍
量である。
【0032】上記のようなエアーの供給により、保持部
35に位置していた糸の先端は案内路36に向け進行する。
上記第1駆動手段37へのエアーの供給はT3の時点で終了
する。上記のような第1駆動手段37へのエアーの供給に
より、糸の先端は案内路36の中間地点例えば第2駆動手
段38における吐出口60の近傍であるその側方位置にまで
到達する。尚上記T2の時点からT3の時点までの時間t1
は、保持部35の糸が上記吐出口60の近傍位置にまで到達
するのに要する時間に予め設定しておく。例えば実験的
に求めて設定しておくと良い。上記T3の時点で第1駆動
手段37へのエアー供給を停止したならば、その直後のT4
の時点で第2駆動手段38へのエアーの供給量を低減させ
る。例えば中間量にする。上記のような第2駆動手段38
への中間量のエアーの供給により、上記吐出口60の側方
位置にまで到達した糸20は、案内路36から案内筒202を
通って導出口34に向かう緩やかなエアーの流れに乗っ
て、スムーズに導出口34に至りそこから送り出される。
上記のように糸20が導出口34から送り出されたならば、
上記中間量のエアーの供給をT5の時点で終了する。
【0033】上記第2駆動手段38のエアーの供給量の低
減は、第1駆動手段37から案内路36へのエアーの流出が
停止した後も第2駆動手段38の吐出口60からのエアーの
吹出し量が多いままにしておくと、案内路36内に例えば
エアーの旋回流が発生して糸が第1案内部材26の周囲に
巻き付く恐れが生ずるからである。尚上記中間量はその
ような巻き付きの発生を防止できる程度の量例えば主駆
動量の半量に定めると良い。又上記主駆動量から中間量
への切り替えは、第2駆動手段38のエアーの量を主駆動
量から中間量に切り替えても、その第2駆動手段38の中
間量のエアーにより糸20に駆動力を及ぼして、その糸20
を導出口34に向けて移動させることが可能となったとき
に行うと良い。例えば糸20の先端部が吐出口60の近傍の
位置に到来したときに行うと良い。具体的な位置の一例
は、上記のように糸の先端部が吐出口60の側方の位置に
到来したときである。そのような制御は例えば第1駆動
手段37の作動開始の時点T2から上記切り替えを行う時点
T4までの時間の制御により行うと良い。上記時間は例え
ば実験的に求めると良い。尚上記のような第2駆動手段
38へのエアーの供給量の制御は、その制御を行うバルブ
133Aとして例えば比例制御弁を用いることによって行う
と良い。又上記のような第2駆動手段38へのエアーの供
給量の変更は上記の如き2段階のみでなくより多段階に
行っても良い。
【0034】上記時点T1から時点T5までの時間は、上記
のように糸が導出口34から送り出される状態となるまで
の時間に予め設定しておく。例えば実験的に求めておく
と良い。一例として0.2秒である。
【0035】次に、上記第2駆動手段38へのエアーの供
給量を中間量に減じた状態で糸20を導出口34から送り出
すことは、次の点においても有効である。即ち吐出口60
から吹出され更に案内筒202を経て導出口34から吹出さ
れたエアーの流れが下方に向かうに従って広がりそのエ
アーが遮蔽部材267に当たると、エアーは横方向に流れ
るようになる。しかし上記のように第2駆動手段38への
エアーの供給量が少なくて導出口34から吹出すエアーの
流れが緩やかであると、そのエアーが遮蔽部材267に当
たっても、横方向へのエアーの流れを小さく押えること
ができる。横方向へのエアーの流れが小さいと、その横
方向の流れによって糸20が横振れする可能性を低く押え
ることができる。その結果、糸20を遮蔽部材267の内側
を通して吸引口226の前方にもたらすことを確実化でき
る。
【0036】次に、上記第2駆動手段38へのエアーの中
間量での供給は、選択機構B内で第1案内部材26への糸
の巻き付きが生じたと思われる場合、例えば選択機構B
の第1駆動手段37及び第2駆動手段38へのエアーの供給
にも拘わらず導出口34から糸の送り出しが行われなかっ
た場合にも行うことが出来る。この場合、上記のように
中間量のエアーの供給を行うと案内路36から導出口34へ
向かう滑らかな空気流が出来、その空気流によって糸を
導出口34から送り出すことが出来る。尚上記第1案内部
材26に糸が巻き付いたか否かを直接目で見ることによっ
て容易に確認できるようにする為に、上記第2案内部材
27を透明材で形成してもよい。
【0037】次に図17は上記第2駆動手段38へのエア
ーの供給量の制御手段の異なる例を示すものである。バ
ルブ133のエアーの流通可能な量が少ない(例えば本例
では、バルブの有効断面積が1.3mm2で、エアー圧力
が6Kgf/cm2Gのとき、流量が1.63Nl/秒であ
る)場合、図示の如く第2駆動手段38へのエアーの供給
の為に二つのバルブ133A,133Bを並列的に備えさせ、そ
れらの両方を開放することにより前記主駆動量のエアー
の供給を行い、一方のみを開放することにより前記中間
量の供給を行うとよい。尚上記第2駆動手段38へのエア
ーの供給の制御をより多段階に行う為に、上記バルブは
より多数を並列的に備えさせても良い。
【0038】次に糸の引き下ろし装置Fを説明する。該
装置Fは、元部が枢支されて上下動を自在にしているア
ームF1と、そのアームF1を上下に駆動する為の駆動機構
F2と、アームF1の自由端部に備えさせた糸の捕捉の為の
捕捉装置F3とを備えている。以下各々について説明す
る。
【0039】上記アームF1を図1、図2、図18、図1
9、図22に基づき説明する。該アームF1は軽快な動き
をさせるために例えばアルミニウムなどの軽量材でもっ
て形成する。長さは、一端をヘッドフレーム4に枢着し
た状態において該アームF1を傾動させることにより、他
端が抽出場所208の側方位置及び針6の側方位置に到来
する長さに構成している。301はアームF1の一端に備え
た枢着用の透孔で、枢着部材として例示するピン302に
よってヘッドフレーム4に枢着している。303は駆動機
構F2による駆動を受ける為の被駆動部で、長孔を例示す
る。図22に示す304〜306は捕捉装置F3の取付のための
構成部材を示し、304はモータを装着する為の凹部、305
はモータ軸を挿通する為の透孔、306は取付軸を回動自
在に支える為の軸受孔である。又図2に示す307はミシ
ンの主軸308との干渉防止の為の凹部である。
【0040】上記駆動機構F2としては、流体シリンダを
駆動源として用いるもの、電気モータを駆動源として用
いるものなど種々のものがある内から、符号310〜319で
示す部材で構成されたものを例示する。310は該機構F2
の各部材を支承する為のベースで、基枠1に取付けてい
る。311は上記ベース310上に備えさせた直線進退機構
で、312はベース310に取付けた一対の支持体、313は支
持体312に取付けた一対の案内杆、314は送り杆で、ねじ
棒をもって構成し、支持体312に回動自在に装着してい
る。315は上記アームF1を駆動する為の駆動子として例
示する進退ブロックである。315aは上記案内杆313を挿
通させる為の透孔、315bは上記送り杆314を螺合させる
為のねじ孔を示し、そこに螺合させる送り杆314の回動
により、透孔315aに挿通させる案内杆313にガイドされ
て直線運動を行うようになっている。316は進退ブロッ
ク315に具備させた連繋片で、長孔303内に位置させてい
る。317は駆動用のモータで、ベース310に取付けてい
る。318はモータ317の回動軸に取付けたピニオン、319
は上記送り杆314に取付けたギヤで、上記ピニオン318と
噛み合わせている。このような駆動機構F2においては、
上記モータ317が作動するとピニオン318及びギヤ319を
介して送り杆314が回動し、進退ブロック315が直線運動
を行い、連繋片316が図18の矢印316a方向に移動して
アームF1を矢印F1a方向に傾動させる。
【0041】上記捕捉装置F3を示す図20〜図23につ
いて説明する。該装置F3は、糸を摘んで捕捉する為の捕
捉機構F31と、その捕捉機構F31の向きを、糸の摘み作
業、糸の通過場所からの退避、及び、針の糸通し孔への
糸の差し通し作業の為に変向させるようにした変向機構
F32とから構成している。先ず捕捉機構F31を説明す
る。該機構F31は糸を機械的に摘んで保持するように構
成したものを示し、アームF1の自由端部に備えさせて、
アームF1の上下動により選択装置Aにおける糸の抽出場
所208と針6における糸通し孔6aと対向する位置との間
での移動を可能としてある。又鉛直面内での変向を可能
にしてある。その構成を以下に説明する。該捕捉機構F
31はベース321とそのベース321に備えさせた摘み機構F3
11と、摘み機構F311を作動させる為の駆動装置F312とで
構成している。先ずベース321について説明する。該ベ
ース321は該機構F31における各種部材を支えるための
もので、ベース本体322と取付部材323,324から構成して
いる。325は両取付部材323,324の一体化用の止めねじを
示す。326は部材324を取付軸327に取付ける為の取付
孔、327は上記ベース321をアームF1の自由端部に枢着す
る為の取付軸である。これらは、取付軸327を軸受孔306
に回動自在に挿通し、その先端部を取付孔326に差し込
むと共にそれを止めねじ328でもって固定することによ
り、アームF1に対して上記ベース321が回動自在に取り
付くようにしている。
【0042】次にF311はベース321に備えさせた摘み機
構を示し、符号331〜343で示す部材と機構345とから構
成している。以下各々の部材について説明する。331は
一対の支持体で、夫々一対のガイド孔332を備えてお
り、上記ベース本体322に取付けている。333,334は一対
の進退部材を支える為の一対の進退杆で、上記ガイド孔
332に対して進退自在に挿通させている。進退杆333は次
に述べる駆動装置からの駆動を受ける被駆動部材でもあ
り、図20の右端に示す335は上記駆動力を受ける為の
被駆動部を示す。336は離脱防止片で、駆動装置の駆動
部との横ずれによる離脱を防止するためのものである。
337,338は一対の進退部材で、進退杆挿通用の透孔339を
備える。340は進退杆に対して進退部材を止付るための
止め部材で、止めねじを例示する。これらは、各進退部
材337,338の透孔339に上記進退杆333,334を挿通し、進
退部材337は進退杆333に、進退部材338は進退杆334に夫
々止付ている。341は各進退部材337,338に備えさせた摘
み片で、先端部に図34に示す如く糸通し機構G1のガイ
ド孔410内に入るよう湾曲した先細りのピンセット形状
の摘み部342を備えている。これらの摘み片341は両者の
接近により摘み部342がぴったりと重なるよう各進退部
材337,338における対向する側の縁部337a,338aから図示
の如く突設させている。343は上記一対の摘み片341相互
を離反させる為のばねで、圧縮コイルばねを用い進退部
材337,338間に介在させている。
【0043】345は上記一対の進退部材337,338を対称作
動させる為の連動機構で、上記一対の進退杆333,334を
連動させるようにしている。即ち、346は連動レバー
で、進退杆333,334の丁度中間位置を、枢着片として例
示するピン347でもってベース本体322に枢着しており、
両端部には嵌合用の凹部348を備えると共に、そこには
各進退杆333,334に固着した連動片349を嵌合させてい
る。
【0044】上記のような構成の摘み機構F311は、一方
の進退杆333を進退させることにより他方の進退杆334が
対称的に進退し、その結果一対の進退部材337,338が対
称的に遠近作動する。その結果、一対の摘み片341は両
者の丁度中間位置350において重合する。尚この中間位
置350は、前記糸端処理機構Cの位置決装置Dによる糸
の位置決位置と一致させている。
【0045】次にF312は上記摘み機構F311を駆動する駆
動装置で、通電の入切により駆動片352が進退作動する
ようにしたソレノイドを例示する。353は該駆動装置F31
2において摘み機構F311の被駆動部335を操作するための
駆動部で、上記駆動片352の先端部をもって構成し上記
被駆動部335を押し駆動する例を示す。354は上記摘み機
構F311の被駆動部335との横ずれ防止部で、前記横ずれ
防止片336を嵌合させるようにした凹部を例示する。
【0046】次に変向機構F32は符号357〜362で示す部
材から構成している。各々について説明する。357は駆
動用のモータで、例えば回動角度の制御性に優れる点か
らパルスモータを用いている。358はその回動軸、359,3
60はモータの回動軸358と捕捉機構F31の取付軸327との
連繋部材として例示する一対の歯車、361はアームF1に
取付けたストッパ、362は歯車359に取付けた当片で、歯
車359が所定位置まで回動した状態において上記ストッ
パ361に当接し歯車359の回動が停止されるようにする為
のものである。尚その停止の位置は後述する。該変向機
構F32は上記モータ357の回動により歯車359,360を介し
て捕捉機構F31の取付軸327を回動させ、摘み片341の向
きを図24の(A)或いは(B)に示すように変化させ
る。
【0047】次に針糸通し装置Gを説明する。該装置G
は、上記針6に糸20を通す操作を行う為の糸通し機構G1
と、それを退避位置G1Aと糸通し位置G1Bとの間で往復
動自在に支える為の支持機構G2と、上記糸通し機構G1を
上記の2位置の間で移動させる為の駆動機構G3とを備え
る。
【0048】先ず上記支持機構G2を示す図2、図25に
ついて説明する。該機構G2は符号364〜371で示す部材か
ら構成しており、364はベースで、図示の如きくの字の
アーム状に形成され、ヘッドフレーム4に取付けてい
る。365は上記ベース364に備えさせた直線支持機構で、
糸通し機構G1を上記2位置の間で直線移動可能に支える
為のものであり、前記直線進退機構311と同様の構成で
ある。即ち366は一対の支持体、367は一対の案内杆、36
8は送り杆、369は進退ブロック、370は透孔、371はねじ
孔である。
【0049】次に駆動機構G3は上記送り杆368を回動さ
せるように構成したものであり、符号375〜377で示す部
材から構成している。375はブラケット374を介してベー
ス364に取付けた駆動用のモータ、376はモータ375の回
動軸に取付けたピニオン、377は送り杆368に取付けたギ
ヤで、上記ピニオン376と噛み合わせている。
【0050】次に糸通し機構G1を図25〜図29に基づ
き説明する。該機構G1は、以下の各手段及び機構を支え
る為の基枠G11と、エアーの吸引力によって糸を針6の
糸通し孔に引き通す為の引き通し手段G12と、針6の糸
通し孔に挿通された糸をその挿通状態で保持する為の保
持機構G13と、糸を針6の糸通し孔に通す際にその糸を
糸通し孔に向けてガイドする為に針6の前面に沿わせて
位置させるようにしたガイド手段G14とから成る。
【0051】先ず基枠G11を説明する。該基枠G11は例
えば金属材料で形成され、符号380〜388で示す構造を備
えさせている。380は該基枠G11を上記進退ブロック369
に取付ける為の取付部を示す。尚381a,381bは取付用の
ブラケットを示す。383は引き通し手段G12の装着部と
して例示する透孔である。384は保持機構G13の装着部
を示す。385は該機構G13における挟持用アームの元部
を保持する為の部分で、凹部として構成し上下にアーム
支持用の張出部386を備えさせている。387は枢支用の透
孔である。388は上記機構G13における付勢用ばねの取
付のためのねじ孔である。
【0052】次に引き通し手段G12は符号391〜395で示
す構成を備えており、各々を説明する。391は上記透孔3
83に装着した吸引用のパイプ、392は吸引ノズルで、針
6への気密的な密着の為に柔軟性及び弾力性を有する材
料例えばゴム材で形成しており、上記パイプ391の一端
に気密的な取付けの為に接着している。393は針6に対
する当接部で、気密的な密着性の向上の為に弾力的な変
形が容易となるよう図示の如く細径に形成している。39
4は吸引孔で、上記当接部393に開口する一端が吸引口39
5となっている。尚上記パイプ391の他端は図示外の吸引
装置に接続される。
【0053】次に挟持機構G13は符号397〜406で示す構
成を備えており、各々を説明する。397は一対の挟持用
アームで、硬質材料製(例えば金属製)である。398は
アーム397の元部に備えた枢着用の透孔であり、該透孔3
98及び上記透孔387に貫通させたピン399でもって、上記
基枠G11に対しアーム397の元部を、上記吸引口395の軸
線395aから側方に離間した位置において枢着している。
尚アーム397の元部と前記パイプ391との間には、アーム
397を図31の(B)及び図30の(B)に示すように
開閉可能にする為の僅かな隙間を持たせてある。400は
該アーム397における張出部を示し、図示の如く一対の
アーム397において相互に対向する側へ張り出させてい
る。401は糸の挟持の為の挟持面で、各張出部400の対向
面をもって構成している。両アーム397の位置関係は、
それらの挟持面401が上記吸引口395の軸線395a上におい
てぴったりと重合する位置関係としている。402は挟持
面401の前縁を示し、針6を挟持面401に導入する為の案
内面となっており、案内の為の斜面の一例として僅かな
R例えば1mmの円弧面としている。403は針6のホール
ド部で、張出部400において上記ノズル部材392の側を向
く平坦面をもって構成している。404は針6への当接を
避ける為の欠如部で、上記ホールド部403において後述
の送出部412の周囲の部分を確実に針6に当接させる
(当接面積を挿通口周囲の狭い面積に限定する)為に設
けたものであり、その表面は小半径の円弧面としてい
る。405は上記アーム397を挟持面401どうしが圧接する
ように付勢する為の付勢部材として例示する板ばねで、
上記ねじ孔388に螺合させるビス406でもって上記基枠G
11に取付けている。
【0054】次にガイド手段G14を説明する。該ガイド
手段G14は左右に分離可能な一対の部材でもって構成し
てそれら一対の部材相互間を通しての針6の通過を可能
にしている。例えば上記一対の部材と上記一対の挟持用
アーム397における張出部400の一部を利用してそこに構
成したものを例示し、符号410〜413で示す構成を備え
る。各々を説明する。410は糸のガイド孔で、図27に
示すように前方が斜め上向きとなるように傾斜させてあ
る。即ちその軸線410aが水平面に対して角度θ1で傾斜
する状態に構成している。該軸線410aの方向は、前記引
き下ろし装置Fによって引き下ろされる糸の進行方向に
一致させている。例えば上記角度θ1が45゜である。
尚上記引き下ろし装置FはアームF1の回動によって上記
引き下ろしを行っているので、上記糸の進行方向は、針
6の近傍の場所におけるアームF1の自由端部の円弧状の
移動軌跡の接線方向である。411は上記ガイド孔410にお
けるガイド部で、糸20の先端部20a及びエアーの流れを
上記軸線410aに近づけるようにガイドする為の部分で、
図示の如く前方がラッパ状に開いた形状に形成してあ
り、円錐状の内周面413は滑らかな面に形成してある。4
12は上記ガイド孔410において上記軸線410aに近付いた
先端部20a及びエアーの流れを軸線410aに沿って送り出
す為の送出部で、糸通し孔6aに重合させるための部分で
ある。該送出部412と前記吸引口395とは相互に対向する
位置関係に定めている。上記のようなガイド手段G14は
図33の如く針6の前面側の位置と図39の如く針6の
後方側の高位置との間での進退が自在となっている。例
えば前記支持機構G2による糸通し機構G1の剛腹同時材の
支持によって可能としてある。
【0055】次に上記引き下ろし装置F及び針糸通し装
置Gによる針6に対する糸通しの動作を説明する。該糸
通しは、糸選択装置Aによって選択され抽出された糸を
捕捉する第1ステップと、捕捉した糸を針6の近傍まで
引き下ろす第2ステップと、引き下ろした糸を針6の糸
通し孔に挿通する第3ステップとで行われる。
【0056】上記第1ステップを説明する。先ず、図2
4の(A)の如くアームF1が上昇位置にあり摘み片341
が準備位置にある。アームF1の上昇位置は、図示外の位
置決機構によって一定の位置に定められている。位置決
機構としては、駆動機構F2の進退ブロック315の所定位
置までの上昇を検出してモータ317の作動を停止させる
ようにしたものを用いているが、アームF1の位置を直接
に検出してモータ317の作動を停止させたり、或いは、
駆動機構F2として例えばエアーシリンダを用いる場合に
は、アームF1を機械的なストッパによって停止させるよ
うにしたものであっても良い。上記の状態において、糸
選択装置Aの導出口34から糸20が抽出場所208に送り出
され、その糸20は糸端処理機構Cにおける位置決機構D
によって、2点鎖線で示すように所定の位置決位置に位
置決される。尚上記の場合、摘み片341の準備位置は、
例えば変向機構F32における当片362がストッパ361に当
接することによって達成されている。次に変向機構F32
により捕捉機構F31が回動され、摘み片341が図24の
(B)の如く矢印421方向に動いて抽出場所208に入る。
この操作は、例えば駆動モータ357に所定数のパルスを
送ることにより回動軸358を所定角度だけ回動させるこ
とによって行う。次に駆動装置F312により摘み機構F311
が駆動され、摘み片341が図23の(A)の如く閉じて
上記位置決された糸20を摘む。次に糸端処理機構Cの切
断装置Eが作動して上記摘まれた糸20の先の不要部分を
切断する。該切断により、摘み部342により摘まれた糸
の先は摘み部342から例えば5〜6mm程度だけ突出した
状態となる。次に変向機構F32により捕捉機構F31が上
記とは反対方向に回動され、摘み片341が図24の
(C)の如く矢印422方向に動いて挿通位置に至る。こ
の挿通位置は、糸20の先端を後述の如く針の糸通し孔に
挿通する作業の為の位置で、本例では上記準備位置と同
位置にした例を示す。この位置は、本例では上記準備位
置と同様に当片362のストッパ361への当接により達成す
る。
【0057】上記第2ステップを説明する。該ステップ
は、駆動機構F2によりアームF1を図24の(C)の状態
から矢印423の如く下向きに回動させて、(D)の如く
下降位置にもたらすことにより行う。このアームF1の回
動により、摘み片341によって機械的に摘まれている糸2
0の先端部は、糸選択装置Aから引き下ろされ糸通し機
構G1に至る。尚下降位置でのアームF1の位置決は、上記
上昇位置の場合と同様に行うようにしている。
【0058】上記第3ステップを説明する。該第3ステ
ップは、糸の挿通の為に糸通し機構G1を針6に対して装
填する準備工程と、糸の先端部を針6の糸通し孔に差し
通す挿通第1工程と、先端部が糸通し孔に差し通された
糸を更に深く引き通す挿通第2工程と、挿通完了後針糸
通し装置Gを針6から離脱させる解除工程とで行われ
る。
【0059】準備工程を説明する。該工程は駆動機構G3
により糸通し機構G1を図2に示す如く退避位置G1Aから
糸通し位置G1Bまで移動させることで行う。以下その過
程を説明する。尚上記糸通し機構G1の上記退避位置G1A
と糸通し位置G1Bでの位置決は、進退ブロック369が夫
々の位置G1A,B1Bに対応する所定位置まで移動したこ
とを検出してモータ375の作動を停止させるようにして
いるが、糸通し機構G1の基枠G11の位置を直接に検出し
て上記モータ375の作動を停止させるようにしても良
い。先ず、駆動機構G3により糸通し機構G1を矢印425方
向に移動させる。該移動により糸通し機構G1は図30に
矢印425で示す如く針6に向けて前進する。そして案内
面402が針6に当接すると、案内面402によるガイドによ
り一対のアーム397は矢印426方向に押し開かれ、上記矢
印425方向の移動に伴い図31の如く針6は相対的に一
対の挟持面401の間に進入する。上記矢印425方向の進行
が更に行われることにより針6が挟持面401の間を通り
過ぎると、図26〜図29に示されるばね405の付勢力
により、図32の如く挟持面401の間が閉じ、ホールド
部403が針6の表側の面6bに当接する。又吸引ノズル392
の当接部393が針6の裏側の面6cへの当接により弾力的
に変形してそこに密着し、吸引口395が針6の糸通し孔6
aと連通する。この場合、針6の表側の面6bに当接する
ホールド部403は針6を抱えてその裏側の面6cに対する
当接部393の密着状態を保持する。尚上記工程の間例え
ば糸通し機構G1が前進を開始して案内面402が針6に当
接する前までの間において吸引装置の作動が開始され、
吸引口395からのエアーの吸い込みが開始される。上記
のような準備工程は、前記第2ステップと並行的に行わ
れ、糸20が針6の近くまで引き下ろされる前までに完了
する。尚、該準備工程は前記第1ステップと並行的に行
っても良い。
【0060】挿通第1工程を説明する。上記のようにア
ームF1が下降位置まで到来すると、図33に示す如く摘
み片341に摘まれている糸20の先端部20aは、ガイド孔4
10が前述の如き向きに形成してあるので、その軸線410a
に沿って導入孔411内にほぼ真っ直ぐに進入し、図34
に示す如く、送出部412を通って針6の糸通し孔6aに至
り、更にそこを通って吸引ノズル392の吸引孔394内にま
で差し通される。この工程では引き下ろし装置Fは糸通
し孔6aに対する糸の差し通し装置として機能する。尚こ
の工程において、糸20の先端部20aが曲がっていたりし
ても、その先端部20aは案内面413により機械的に案内
されて送出部412に至る。
【0061】挿通第2工程を説明する。上記のように糸
20の先端部20aが吸引孔394にまで至ると、駆動装置F31
2の作動により一対の摘み片341が相互に離反されて上記
摘まれていた糸20が解放される。すると糸20は上記エア
ーの流れによって図35の如く糸通し孔6aに深く引き通
され、吸引パイプ391の内部にまで深く引き込まれる。
その結果、糸選択装置Aから糸通し装置Gまでの間の糸
20はぴんと引き張った状態となる。
【0062】尚上記駆動装置F312の作動による摘み片34
1からの糸20の解放の場合、次のような理由で摘み片341
の破損や案内面413の傷付きを防止できる。上記挿通第
1工程が終了した時点では、摘み片341の摘み部342は図
34の如くガイド孔410の案内部411における奥部の細径
の場所まで入り込んでいる。ここで駆動装置F312を作動
させ一対の摘み片341を開かせると、図23の(D)に
示すように摘み部342の先端342aは案内面413に当接す
る。しかし、上記駆動装置F312の作動は駆動杆352の後
退であり、又一対の摘み片341はばね343によって開かせ
るようにしているので、上記のように摘み部342の先端3
42aが案内面413に当接すると、図23の(B)に示すよ
うに駆動部353は被動部335から離れ、摘み片341の離反
は停止する。従って摘み片341の破損や案内面413の傷付
きが防止される。尚上記当接により停止した一対の摘み
片341の開放は、次の解除工程において摘み片341が導入
口410から離れたときに上記ばね343の付勢力によって行
われる。又上記摘み部342の先端342aが案内面413に当接
したとき、対向する一対の挟持面401の重合状態は、ば
ね405によって維持される。
【0063】解除工程を説明する。該工程はアームF1を
上昇位置まで戻すと共に、駆動機構G3により糸通し機構
G1を図2の糸通し位置G1Bから退避位置G1Aまで後退さ
せることで行う。以下その過程を説明する。アームF1の
上昇はその駆動機構F2によって行う。この場合、摘み片
341は導入口410から離れ図20に示す初期の状態に復帰
する。一方、駆動機構G3により糸通し機構G1を前記矢印
425とは反対の矢印428方向に移動させる。該移動の開始
のとき、図36に示す如く一対の挟持用アーム397にお
けるホールド部403には針6から矢印429方向の力が加わ
る。各挟持用アーム397は、ホールド部403に加わる上記
矢印429方向の力の作用線(前記軸線395aの位置とな
る)よりも側方に距離L1だけ離れた位置を枢着されてい
るので、上記矢印429の力により矢印430で示す開き方向
の力が加わる。この力430により各挟持用アーム397が押
し開かれ、糸通し機構G1の上記矢印428方向への移動に
伴い、相対的に針6は図37に示す如く挟持面401の間
に進む。尚この間もエアーによる吸引パイプ391内への
糸の吸引は継続して行われる。
【0064】上記矢印428方向への糸通し機構G1の移動
の継続に伴い、図38の如く針6が挟持面401の間から
相対的に抜け出ると、その直後に挟持面401は再び閉
じ、糸通し孔6aと吸引口395との間の糸20を挟持する。
その後も矢印428方向への糸通し機構G1の移動が継続さ
れる。この場合、挟持面401が糸20を挟む力は比較的弱
く設定している(ばね405が弱い)ので、糸通し機構G1
の移動に伴い糸20は引き張った状態が保たれたまま挟持
面401の間を滑っていく(糸選択装置Aの側から更に糸
が引き出されることはない)。そして図39に示す如く
糸通し機構G1が退避位置G1Aに至った状態においても、
糸20の先端部20aは上記挟持面401に挟持された状態に
保たれる。尚このような状態が達成されるよう、上記第
1及び第2ステップと、第3ステップにおける挿通第1
工程及び第2工程における糸供給源側からの糸の繰り出
し寸法が設定される。
【0065】上記のように糸20の引き下ろし及び糸通し
孔6aへの挿通が完了した後、ミシンの針6、布押え7、
釜などの各機構の作動が開始され、縫製が開始される。
この縫製開始の場合、上記のように糸20の先端部20aが
保持されているので、上記の糸(上糸)20と釜から繰り
出される糸(下糸)との絡みの開始が確実化され、縫製
の開始を円滑に行うことが出来る。尚縫製開始後、縫製
の進行に伴い、上記保持された糸20の先端部20aは挟持
面401からすり抜け、通常の縫製状態となる。
【0066】上記挿通第1工程は次のように行なっても
良い。即ち、上記引き通し手段G12によるエアーの吸引
により、ガイド孔410から糸通し孔6aを通って吸引孔394
に至るエアーの流れが形成されている。ガイド孔410の
ガイド部411におけるエアーの流れは、大きい直径の入
口部411aから小さい直径の送出部412に向かう流れであ
り、しかもガイド部411内においては、軸線410aの近く
に比べて、案内面413の近くにおいて送出部412に向かう
流れの強さが強い。このような状態のガイド孔410内に
上記摘み片341により摘まれた糸20の先端部20aが送出
部412近くまで持ち込まれると、その糸は自身の機械的
な腰の強さによって上記軸線410aに沿った状態を維持す
るのみでなく、上記エアーの流れによっても軸線410aに
沿った状態が維持される。そして摘み片341の進行に伴
い、先端部20aは送出部412から糸通し孔6aを通り吸引
孔394に至る。従って該第1工程は確実に遂行される。
【0067】又ガイド孔410内においては上記のような
エアーの流れが形成されているので、摘み片341により
摘まれた糸20の腰が弱かったり、或いは摘み片341から
突出する長さが長くてその先端部20aが垂れ下がった状
態となっていても、その糸の先端20a’が導入孔410内
に入ると、先ずその先端20a’は案内面413に沿ったエ
アーの流れによって送出部412に導かれ、更にその送出
部412を通るエアーの流れによって糸通し孔6aに導か
れ、そこを通って吸引孔394に至る。
【0068】又上記のようなエアーの流れが形成されて
いるので、摘み片341は、糸20の先端20a’がガイド部4
11の奥部において送出部412の近くの位置にまで到達し
たならばそこで糸20の保持を解いても良い。このように
しても糸20は上記エアーの流れによって送出部412、糸
通し孔6aを通って吸引孔394に至る。
【0069】次に図40は挟持面401の後縁にも挟持面
相互間への針6の侵入を案内する為の斜面を設けた例を
示すもので、前記ホールド部403を、糸通し機構G1の進
行方向に対する斜面の一例として円弧面に形成した例を
示すものである。この例の構成は、針6からの糸通し機
構G1の解除工程をより円滑化する。即ち図示の状態から
糸通し機構G1が針6に対して矢印428方向に移動された
場合、前述のように距離L1の存在によって挟持用アーム
397に矢印430方向の力が加わる。それのみならず、その
力に加えて、上記斜面のホールド部403によるガイドに
よっても一対の挟持用アーム397は上記矢印430方向の開
き力を受ける。その結果、一対の挟持用アーム397は容
易に開いて針6は挟持面400の間に侵入することが出
来、針6を誤って折損したりすることなく、針6からの
糸通し機構G1の解除を容易に行うことが出来る。
【0070】次に天秤装置Hは針に対して縫製用の糸を
繰り出したり引き上げたりする為の天秤機構H1と該天秤
機構H1に対して糸を装填する為の装填機構H2とから成
る。先ず天秤機構H1における一対の糸ガイドH11,H12
は、夫々糸を一定の位置を通して進行させる為のもので
あり、相互には糸が一方の糸ガイドH11を通った後他方
の糸ガイドH12を通るように配置している。H13は天秤
機構H1における糸の引出体で、上記糸の引上のために両
糸ガイドH11,H12の間の糸を側方に引き出したり繰り
出しのためにその引き出した糸を戻したりする為もので
ある。H14は天秤機構H1における駆動機構で、上記引出
体H13を駆動する為のものである。
【0071】上記糸ガイドH11は、糸をその長手方向に
対して側方となる方向に移動させることによってその糸
の装填を行い得るようにする為に、図45、図46に示
すように、ヘッドフレーム4に取付けた固定要素501と
それに対して横動自在の可動要素502とから構成し、可
動要素502の横動によって各々に備えさせた糸通し孔要
素503,504が図47、図49の如く開閉し、図49の閉
じた状態において一つの糸通し孔505を構成するように
してある。506は糸を後述する受入空間526に導くための
案内片で、糸の導入部507と導入された糸を受止める為
の受部508とを備える。図41、43、44の510は上記
可動要素502を横動自在に支持する為の支持機構を示
し、符号511〜517で示される部材でもって構成してあ
る。即ち、511はヘッドフレーム4に取付けた支持ベー
ス、513は上記ベース511に穿設した透孔512に進退自在
に挿通した支持杆、514は支持杆513に取付けた取付ブラ
ケットで、該ブラケット513に上記可動要素502を取付け
てある。515〜518は上記支持杆513の回動を防止する為
の部材で、支持杆513に取付けた案内子515を、ベース51
1に取付けたガイド部材516の長溝517に嵌合させてそれ
に沿って移動させるようにすることにより、上記支持杆
513の回動を防止するようにしている。尚518は、可動要
素502を上記装填機構H2における連動駆動機構によって
横動させるようにする為に、上記支持杆513に取付けた
被動子を示す。次に糸ガイドH12は上記糸ガイドH11と
同様の構成であり、又上記支持機構510を兼用してい
る。尚該糸ガイドH12において糸ガイドH11と同一構成
の部材には同一の符号を付して重複する説明を省略す
る。
【0072】次に符号520〜525で示す部材で構成されて
いる糸の引出体H13を図41、44、48に基づいて説
明する。520は糸の引き出しの為の横動を行う横動部材
として例示する回動体で、ヘッドフレーム4に回動自在
に装着してあり、周縁部分には糸掛け部材522が装着し
てあって、図49の(A)の如く糸掛け部材522に掛け
られた糸20を回動体520の回動に伴い図50の(A)、
(B)の如く引き出し、更に回動が進んで糸掛け部材52
2が糸ガイドH11,H12に近づくことにより上記引き出
した糸を緩めるようにしている。尚521は糸の装填の際
に図41及び図48の(A)の如く上記可動部材502の
進入を許す為に回動体520に形成した溝を示す。又糸掛
け部材522において図44に示される523は糸の外れ防止
の為の太径部、524は糸を掛ける為の頸部を示す。525は
駆動機構H14による駆動を受ける為に回動体520に取付
けた歯車を示す。次に前記可動要素502の可動範囲と上
記糸掛け部材522の位置との関係に関して。可動要素502
の可動範囲は、孔要素504と糸掛け部材522との間に図4
8の(A)の如く糸の受入空間526を形成できるように
する為に、図48の(A)に示す準備位置にある糸掛け
部材522に対して、孔要素504がその直上位置或いは直下
位置を通ってその左右に跨って移動するように定めてい
る。又上記受入空間526はミシンの前方からの糸の受入
を可能にする為に、図44に示すようにミシンの前方に
向け開放した空間となっており、526aは糸の受入のため
の開口部を示す。尚上記のような引出体H13は上記の回
動に代えて直線の往復動によって上記のような糸の引き
出し及び緩めを行うようにしたものであっても良い。
【0073】次に図41、図44に示す駆動機構H14は
上記引出体H13を制御された速度で繰り返し回動させる
為のものであり、回動速度或いは回動角度の制御が可能
なモータとして例示するパルスモータ527と、ヘッドフ
レーム4に取付けた軸受528によって支えられている回
動伝達軸529と、その回動を回動体520に伝える為の伝動
用の歯車530、531とから構成しており、モータ527の制御
された速度及び角度での回動により回動体520を制御さ
れた速度及び角度で回動させるようにしている。
【0074】次に図41、図45に示す装填機構H2は装
填すべき糸を糸ガイドH11,H12に向けて案内する為の
上下一対の案内部材H21と、上記糸を上記糸ガイドH1
1,H12に寄せる為の糸寄せ機構H22と、上記糸寄せ機
構H22及び前記糸ガイドH11,H12における可動要素50
2を連動駆動する為の連動駆動機構H23とから成る。案
内部材H21はヘッドフレーム4に取付けた板体をもって
構成し、糸を所定位置まで導くために前方の導入部533c
の幅が広く奥窄まりとなっている案内部533a,533bを有
している。案内部533a,533bの最奥部は縫製中において
糸の横振れを抑える為のガイド534となっている。535は
次に述べる糸寄片の作動を所定位置で停止させる為のス
トッパである。
【0075】次に上記糸寄せ機構H22は符号536〜542で
示される部材から成る。536,537は前記受入空間526の前
方に位置させられた糸を受入空間526にまでもたらす為
の糸寄片で、前記支持ベース511に枢着してある。538,5
39は糸寄片536,537によって糸を受入空間526に引き寄せ
る際の糸寄片536,537からの糸の逃げを防止する為の突
片である。540は上記連動駆動機構H23との連繋部を示
す。541は上下の糸寄片536,537を相互に連動させる為の
連動軸で、前記支持ベース511に回動自在に装着してあ
り、該連動軸541に各糸寄片536,537の元部を止着してい
る。542は糸寄片536をガイド534の側に向けて付勢する
為のばねで、一端を糸寄片536に他端を支持ベース511に
夫々止付ている。
【0076】次に上記連動駆動機構H23は前記糸ガイド
H11,H12における可動要素502の為の駆動部545と糸寄
片536,537の為の駆動部546とから成る。先ず可動要素駆
動部545は符号547〜559で示される部材から成る。547は
ヘッドフレーム4に取付けた基枠で、符号548,549,557
で示される部材を支える為のものである。548は上記基
枠547に固着した案内杆、549は基枠547に回動自在に装
着したドライブシャフトで、ねじ杆をもって構成してい
る。550は前記被動子518を駆動する為の駆動体で、該駆
動体550に備えさせた透孔551に案内杆548を嵌挿させ、
ねじ孔552にドライブシャフト549を螺合させることによ
って、ドライブシャフト549の回動により案内杆548に沿
って上下動するようになっており、又前面に設けた駆動
用の溝553に被動子518を遊嵌させてそれを駆動するよう
にしてある。溝553は図41、図45に示すように糸ガ
イドH11,H12を開放状態に保つ為の開放部554と、閉
鎖状態に保つための閉鎖部555と、開放状態と閉鎖状態
との間での作動を行わせる為の作動部556とを備える。5
57は上記ドライブシャフト549を駆動する為のモータ
で、回動数及び回動角度を精度高く制御する為にパルス
モータを用いており、モータ軸を連動用の歯車558,559
でドライブシャフト549に連繋させてある。
【0077】次に糸寄片駆動部546は符号561〜564で示
される部材から構成している。561〜563はドライブシャ
フト549の回動を減速して取り出す為の減速用の歯車
で、相互に噛み合わせている。564は糸寄片536,537をば
ね542の付勢力に抗して図47の(B)に示す待機位置
に戻すための戻し片で、上記歯車563に取付けている。
該戻し片564と前記糸寄片537における連繋部540との連
繋関係は、前記被動子518が溝553の開放部554にある状
態において戻し片564と連繋部540とが図47の(B)及
び図48の(B)の如く係合し、被動子518が作動部556
や閉鎖部555にある状態では戻し片564が図49の(B)
の如く連繋部540から離反する関係にしている。
【0078】次に上記天秤装置Hの作動を説明する。先
ず天秤機構H1に対する糸の装填を説明する。ミシンの停
止状態において天秤機構H1における回動体520は図41
に示される糸装填用の準備位置にある。又駆動機構H23
の駆動体550は最下降位置にあって糸ガイドH11,H12
の被動子518は溝553の開放部554に位置し、糸ガイドH1
1,H12は開放状態となっている。即ち、図48の
(A)の如く孔要素504が糸掛部材522に対して孔要素50
3とは反対の側に位置し、孔要素504と糸掛け部材522と
の間に糸の受入空間526ができている。このとき可動要
素502は回動体520の溝521に侵入している。又糸寄片53
6,537は戻し片564と連繋部540との係合により図47の
(B)に示される待機位置に位置している。
【0079】上記状態において、図47の(A)の如
く、ミシンにおける糸の選択装置Aから送り出された糸
20が、その先端を糸の引き下ろし装置(後述する)にお
ける摘み片341によって摘まれて引き下ろされると、糸2
0は図47の(B)の如く案内部材H21における案内部5
33aと案内片506における導入部507の間に位置する。尚
上記糸20の引き下ろしは作業者が自らの手で糸の先端を
摘んで行っても良い。次に連動駆動機構H23におけるモ
ータ557の作動によりドライブシャフト549が回動し、歯
車561〜563が回動して戻し片564が矢印564a方向に回動
する。その結果糸寄片536,537はばね542の付勢力により
図48の(B)の如くストッパ535によって受止められ
る位置まで移動し、糸20を導入部507に沿って受部508ま
でもたらす。これにより糸20はその長手方向に対し側方
となる向きに移動して、受入空間526にその開口部526a
から入り込む。尚上記の過程においては、上記ドライブ
シャフト549の回動により駆動体550が上方へ移動する
が、被動子518は未だ開放部554内にあるので、糸ガイド
H11,H12における可動要素502は図48の(A)の開
放位置に留まっている。
【0080】上記ドライブシャフト549の回動の継続に
より駆動体550が更に上昇して被動子518が溝553におけ
る作動部556にさしかかると、支持杆513が図44の右方
に移動して可動要素502も同方向に移動する。この移動
により受入空間526にある糸20は孔要素504に入り込み、
更に可動要素502の移動によりそれと同方向に移動す
る。その結果、糸20は上下の糸ガイドにおける可動要素
502の中間部分が糸掛け部材522の頸部524に掛かる。こ
のときそれまで存在していた受入空間526は消滅する。
そして被動子518が溝553における閉鎖部555にまで至る
と、孔要素503と孔要素504とが図49の如く重合して糸
20を取り囲む閉塞した糸通し孔505を形成し、上記糸20
はそこの中に捕捉された状態となる。この状態となると
モータ557の回動が停止し、天秤機構H1に対する糸20の
装填が完了する。
【0081】上記天秤機構H1の作動は次の通りである。
上記のように糸20が装填された状態において、駆動機構
H14のモータ527の作動により回動板520が図50の
(A)、(B)の矢印520a方向に回動する。この回動に
より、図49の(A)の状態から図50の(A)の状態
を経て図50の(B)の状態の最大引上量位置即ち最大
締め位置に至る過程では糸掛部材522は上下の糸ガイド
H11,H12の間の糸20を図のように引き出す。この場
合、図の上方から糸ガイドH11にもたらされる糸20に引
出に対する抗力が加えられていると、上記糸掛部材522
は下側の糸ガイドH12からその下方の縫製用の針に至る
糸を引き上げることとなる。この引上は、縫製中におい
て布に対する糸の締めに寄与する。
【0082】上記回動板520が更に回動することによっ
て図50の(B)から再び図49の(A)の状態の最大
繰出量位置即ち最大たるませ位置に至る過程では、糸掛
部材522は上記のように引き出した糸を緩める。このと
き下側の糸ガイドH12から針に至る糸に針の側へ向けて
の引き力が加わっていると、糸は容易にその方向に移動
する。この容易な移動は、縫製中において針の下降と共
に糸を繰り出す作用、及び釜の剣先に掛かった糸が釜を
くぐる作用の適正遂行のために寄与する。上記のような
天秤装置Hの作動中において、糸20はガイド534を通る
為、糸の横方向へのばたつきが抑えられ、作動中の糸掛
け部材522に糸が誤って引掛かることが防止される。
【0083】次に上記テンション付与装置Jを示す図5
1〜図53について説明する。161は受円盤で、鉄製で
硬質クロームメッキされており、基枠1に回動自在に取
付けてある。例えば本例では、基枠1にブラケット164
を用いて取付けたモータ162の回転軸163に取付けられ
て、モータ162の制御によって正逆回動及び速度調節可
能となっている。165は円盤161の周囲を保護の為に包囲
する包囲部材である。次に上記受円盤161に対する糸の
押付の為の機構について説明する。166は受円盤161に対
する糸の押付具167を円盤161に向け遠近自在に支える為
の支持体で、押付具167が取付具168によって取付けてあ
る。169は押付具167を円盤161に押し付ける為に付勢す
る付勢機構、170は押し付けを解除する為の解除機構を
示す。上記支持体166は、基枠1に取付けた支承軸172に
枢着した本体171とそれに取付けたアーム173から成る。
押付具167は基板174に夫々耐摩耗性の高いアルミナ製の
上下二つの押付部材177をゴム製の弾力的保持部材178を
介して取付けて構成してある。175は回り止の為の嵌合
部材で、回り止めストッパとの嵌合用の溝176を備え
る。取付具168は、支持体166に対して押付具167を矢印
の如く上下に首振り自在に取付ける為のもので、アーム
173に取付けたロッドエンドケース180によって、ハウジ
ング182及びボール183から成る周知のロッドエンド181
を保持した構成であり、ボール183に止付ねじ184を用い
て前記基板174を取付けてある。185はケース180に取付
けた回り止ストッパで、上記溝176と嵌合して押付具167
の回動を阻止する。付勢機構169は上記押付具167を受円
盤161に向けて付勢する為の引張りばね186と押付力調節
の為の機構187とを備える。調節機構187は、基枠1に取
付けたホルダ188に調節操作の為の摘み189を回動自在に
装着し、回動が規制され進退が自在となったねじ杆190
をその摘み189に備えたねじ孔に螺合させて構成してあ
る。解除機構170は基枠1に取付けた解除用のソレノイ
ド191をもって構成され、その進退自在の可動部192を連
結片193でもって支持体166の本体171に連結してある。
【0084】このような構成のテンション付与装置2に
おいては、図53の如く、糸20が受円盤161に沿って挿
通された状態においてソレノイド191が非作動となる
と、ばね186の付勢力によって押付部材177が受円盤161
に押し付けられ(押付力は例えば300〜500g)、
糸20は円盤161と部材177との間に挟まれて、矢印20a方
向の進行に対してテンションが加わった状態となる。こ
の場合、受円盤161が回動される(回転数は例えば30
rpm)ことにより、押付部材177によって押付けられ
た箇所では糸20は図52の(A)に符号196,197で示す
如く横ずれさせられながら進行する。上記の場合押付具
167は上下に首振り自在である為、円盤161に対する上下
の押付部材177,177の押付力は略等しく、従って上記矢
印196,197方向の糸のずれは相互に略同量である。上記
テンションの大きさは、円盤161の回動速度を変えるこ
とにより変更できる。その他に、摘み189の操作により
ねじ杆190を矢印方向に進退させるとばね186の付勢力が
変わり、それによって円盤161に対する押付部材177の押
付力が変わることによっても変更させることができる。
ソレノイド191を作動させて可動部192を引込むと、図5
1の如く押付部材177は円盤161から離反し、上記テンシ
ョンの付与は消滅する。
【0085】次に上記糸保持機構Kは符号570〜573で示
す部材で構成されている。570はヘッドフレーム4に取
付けた受片、571は同じくソレノイドで、その進退杆572
に取付けた押え片573を上記受片570と対向させ、ソレノ
イド571の作動により上記受片570と押え片573とでもっ
て糸を拘束するようにしてある。
【0086】次に上記ミシンにおける各装置及び機構の
関連動作を図54〜図57に基づき説明する。先ずミシ
ンの作動開始時における針までの糸の挿通を図54に基
づき説明する。準備完了状態において複数の糸の全てが
引戻装置11のドラム64に所定長さ例えば696mm巻き付
けられ、更にそれらの糸の先端は選択装置Aの保持部35
に位置している。
【0087】上記状態において糸通しの準備工程P1を行
う。該工程P1では符号601で示すようにテンション付与
装置Jにおける円盤161と押付部材177との間を開く。次
に縫製に用いる糸の抽出と位置決の工程P2を行う。該工
程P2では符号602の如く摘み片341が図24の(A)の状
態から(B)のように摘み位置に偏向され、図11の
(D)のように縫製に用いる所定の糸が抽出され位置決
される。この過程で符号603で示す如くドラム64に巻か
れている糸は例えば136mm繰り出される。
【0088】次に上記抽出され位置決された糸の摘み工
程P3を行う。該工程P3では先ず符号604の時点において
摘み片341により糸を摘み、次に符号605の時点において
図11の(E)の如く糸を切断し、符号607の時点にお
いて図24の(C)の如く摘み片341が挿通位置に偏向
する。この場合、上記摘み片341が偏向してもそれによ
って既に摘まれている糸が摘み片341から抜けぬよう、
符号606で示す如くドラム64の糸が例えば34mm繰り出
される。
【0089】次に上記摘んだ糸の、テンション付与装置
J、天秤装置H及び針6への挿通工程P4を行う。該工程
P4では、符号608で示すように糸通し機構G1を準備し、
次に符号609で示すように天秤装置Hの糸ガイドH11,
H12を開いて糸の装填の準備を行い、次に符号610で示
すように糸の引き下げを行う。その結果、図48の
(B)のように糸が糸ガイドH11,H12にもたらされ、
図33〜図36の如く糸が針6に挿通される。この場
合、符号611の如くドラム64の糸は例えば333mm繰り
出される。そして符号612の如く糸通し機構G1を退避さ
せ、符号613の如く糸ガイドH11,H12を閉じて天秤装
置Hに対する糸の装填を完了し、符号614の如く引き下
ろし装置Fを上昇位置に復帰させ、符号615の如くテン
ション付与装置Jの円盤161と押付部材177の間を閉じて
テンションを付与する状態にする。以上で糸通しが完了
する。
【0090】上記糸通しが完了すると続いて図55に示
す如く縫製を行う。該縫製は周知のミシンと同様に、天
秤装置Hによる糸の引上と繰り出し、針6の上下動、布
押え7の上下動を図示の如きタイミングで繰り返して行
う。尚この場合、針6からの糸の抜けを防止する為に、
縫製の開始時点における針6の1針乃至2針の作動の間
において糸保持機構Kを符号617の如く作動させるとよ
い。このように糸保持機構Kを作動させると糸が移動が
拘束されるので、天秤装置Hが作動しても、針6に通さ
れている糸即ち未だ布に対する止着がなされていなくて
抜け易くなっている糸に天秤装置Hによる引き力が加わ
ることはなく、従って針6からの糸の抜けが防止され
る。
【0091】次にミシンの作動途中において縫製に用い
る糸をそれまで使用してきた糸から他の糸に変更する操
作を図56に基づき説明する。このときには先ずミシン
の作動を停止する。このとき天秤装置Hにおける引出体
H13は最大繰出量位置において停止させる。次にそれま
で使用してきた糸に係わる引戻装置11において符号619
で示すように糸をドラム64に巻き取る。これによりその
糸の先端は選択装置Aにおける保持部35まで戻る。その
後は図示の如くそれから使用しようとする糸に係わる引
戻装置11(図56に示される他の一つの糸用の引戻装置
11)とその他ミシンに備わっている各装置及び機構にお
いて、前記針までの糸の挿通の操作と全く同様の操作を
行い、該新しい糸を針6まで挿通する。挿通後その糸を
用いて前記と同様に縫製を開始する。
【0092】次にミシンの作動途中において糸切れが生
じた場合の動作を図57及び図58に基づき説明する。
先ず図57に示す糸の除去工程P5を行う。即ち、図58
の(A)に示すように糸切れ620が生じたならば、針6
の上下動及びそれと連動している釜の作動を停止させ
る。次に図57に符号621で示す如くクランプ装置D1の
吸引を開始して図58の(B)の如く糸を選択機構Bの
側から引き出す。この場合、引戻装置11のドラム64には
糸20は略一巻き程度しか巻き付いていないので糸はドラ
ム64の周面を滑って引き出されてくる。次に図57の符
号622の如く引寄片241を作動させて図58の(C)の如
く糸20を位置決し、図57の符号623,624の如く摘み片3
41を作動させて図58の(C)の如く位置決された糸20
を摘む。これによりそれ以上の糸の引出は停止する。次
にその状態において図57に符号625で示すと共に図5
8の(D)に示すように糸20を切断する。すると図58
の(E)の如く針側に残る糸20fの上端部20f'はクラン
プ装置D1内に引き込まれる。次に図57に符号626で示
すと共に図58の(F)に示すようにテンション付与装
置Jを開くと、上記の糸20fはその全長にわたりクラン
プ装置D1内に引き込まれて針6等から引き抜かれ、図示
外の集積場所に持ち去られる。その後図57に符号627,
628,629で示す如くクランプ装置D1、引寄片241、摘み片
341を作動させることにより除去工程P5が完了する。尚
上記工程P5において糸20が例えば金糸や銀糸など外側に
ラメが巻いてあったりして他物に引っ掛かり易い糸の場
合、その糸が吸引口226の周囲に引っ掛かって図58の
(A)の状態から(B)の状態になりに難い場合があ
る。このような場合には、図57に符号630で示すよう
に選択機構Bにおける第2駆動手段38からエアーを吹き
出して糸20に振動を与え上記引っかかりを除去させると
良い。尚上記第2駆動手段38からのエアーの吹き出し
は、糸20に対して過度でなく適度の振動を与える為に図
16の中間量で行うと良い。
【0093】上記除去工程P5が済んだならば糸の再挿通
工程P6を行う。該工程P6は図から明らかなように引戻装
置11のドラム64を除いて前記挿通工程P4と全く同様に行
う。この場合、引戻装置11のドラム64には糸20は略一巻
き程度しか巻き付いていないので、引き下ろし装置Fの
アームF1の作動により糸はドラム64の周面を滑って引き
出されてくる。そして、糸の再挿通が完了したならば前
記図55に基づく説明と同様にして縫製を再開する。
【0094】上記実施例の内、一部の実施態様は次のよ
うに理解しても良い。 態様1:ミシンは、ベッド16と、その下方に配設した釜
と、ベッド16の上方に配設した縫製用の針6と、複数の
糸供給源9と、それらの糸供給源9から夫々供給される
糸のうち任意の一つを選択し抽出する為の糸選択装置A
と、抽出された糸を針まで引き下ろして針の糸通し孔6a
に差し通すための引き下ろし装置Fとを備える。上記引
き下ろし装置Fは糸の先端部を摘むようにした捕捉機構
F31を備え、その捕捉機構F31は選択装置Aにおける糸
の抽出場所208と針6における糸通し孔6aと対向する位
置との間での移動を可能としたもの。上記態様の実施例
により、前記した図1〜図58の実施例の目的の内の第
1、10、11の目的を達成できる。即ち、選択装置A
でもって任意の糸を選択し、その選択された糸を引き下
ろし装置Fでもって針6の糸通し孔6aに差し通すことが
出来る。しかも糸を抽出場所208から針6の糸通し孔6a
までもたらす操作は、糸を機械的に摘んで行うので、確
実に糸を糸通し孔6aにもたらすことが出来る。
【0095】態様2:上記態様1のミシンにおいて、上
記引き下ろし装置Fは、元部を枢支された上下動自在の
アームF1を備え、そのアームF1の自由端部に上記捕捉機
構F31を備えさせて、該アームF1の上下動により捕捉機
構F31が上記移動を行うようにしたもの。上記態様の実
施例により、前記した図1〜図58の実施例の目的の内
の第1、10、11の目的に加えて第12の目的も達成
できる。即ち、捕捉機構F31は元部を枢支された上下動
自在のアームF1の自由端部に備えているので、その枢支
点を図2のピン302の位置のように針6よりも上方の位
置に定めることにより、アームF1が下方に向け傾いて捕
捉機構F31が針6に近付いた状態では捕捉機構F31の水
平方向(ミシンの前後方向)の移動成分を大きくするこ
とができる。従ってその水平方向の移動成分によって、
ミシンの正面側に開口して水平方向向き(ミシンの前後
方向向き)になっている糸通し孔6aへの糸の差し通しを
行うことが出来る。このことは引き下ろし装置Fの機構
の簡素化を可能にする。
【0096】態様3:上記態様2のミシンにおいて、上
記捕捉機構F31は鉛直面内での変向が自在となっている
もの。上記態様の実施例により、前記した図1〜図58
の実施例の目的の内の第1、10、11、12の目的に
加えて第13の目的も達成できる。即ち、抽出場所208
において糸の先端部を捕捉機構F31で摘んだままの状態
では、糸の先端部の向きとアームF1の回動による糸の進
行方向とが合っていなくても、糸を針6の糸通し孔6aに
差し通す際には上記捕捉機構F31の変向操作によって糸
の先端部をその進行方向に真っ直ぐに向けることが出
来、その結果糸通し孔6aに対して糸の先端部を確実に差
し通すことが出来る。
【0097】態様4:上記態様2のミシンにおいて、先
端部が針6の糸通し孔6aに差し通された糸を、針6の糸
通し孔6aを間にして上記捕捉機構F31とは反対の側から
エアーによって引く為の引き通し手段G12を備えるも
の。上記態様の実施例により、前記した図1〜図58の
実施例の目的の内の第1、10、11、12の目的に加
えて第14の目的も達成できる。即ち、上記引き下ろし
装置Fでは針6の糸通し孔6aに対して糸の先端部しか差
し通せなくても、その差し通された糸の先端部を引き通
し手段G12により引くことによって、長い寸法の糸を糸
通し孔6aに通させることが出来る。このことは、その差
し通した糸による縫製を開始する場合、針6の上下動の
開始に伴って糸が糸通し孔6aから抜けてしまう事故を未
然に防止できることであり、縫製をスムーズに開始でき
る効果がある。又上記引き通し手段G12を備えると次の
効果もある。即ち、糸の先端部20aは引き下ろし装置F
により針6の糸通し孔6aに対して斜め下向きに差し通さ
れる。一方糸通し機構G1はミシンのベッドとの干渉を防
止する為に水平向きに配置してある。このような条件で
は、糸通し孔6aを通り抜けた糸20の先端20a'が引き通し
手段G12における吸引孔394の側壁に当接する可能性が
ある。しかし上記糸通し孔6aを通り抜けた糸20は、上記
糸通し孔6aから吸引孔394を通って更に奥部に向かうエ
アーの流れによって導かれる。その結果、上記長い寸法
にわたる糸20の引き通しを確実に行うことが出来る。
【0098】態様5:夫々糸を導入する為の複数の導入
口33と、選択された糸を抽出場所208に向けて送り出す
為の導出口34とを備えていて、上記各導入口33に導入さ
れている複数の糸の内から任意の糸を、エアーの流れに
よって選択的に上記導出口34から抽出場所208に向けて
送り出すようにしている選択機構Bと、上記抽出場所20
8に送り出された糸の上記エアーの流れによる横振れを
抑えてその糸を位置決する為の位置決機構Dとを備える
糸選択装置A。上記態様の実施例により、前記した図1
〜図58の実施例の目的の内の第2、3、4の目的を達
成できる。即ち、複数の糸の内から一つを選択し抽出す
る場合、エアーの流れによって糸を移動させるので、糸
を浮遊状態で抽出することが出来、選択及び抽出過程で
の糸の傷みを防止できる。しかもそのようにエアーによ
る送り出しであるが故に抽出された糸には左右へのふら
つきがあっても、抽出された糸は位置決装置Dによって
定位置に位置させることが出来る。このことは、抽出さ
れた糸の次段での取り扱いを例えば自動化する場合、次
段での糸の受入を円滑に行うことが出来て自動化を容易
化できる効果がある。
【0099】態様6:態様5の糸選択装置Aにおいて、
抽出場所に抽出された糸の先部を所定の上下位置で切断
する為の切断装置Eを有するもの。上記態様の実施例に
より、前記した図1〜図58の実施例の目的の内の第2
〜4の目的に加えて第5の目的も達成できる。即ち、上
記のようにして抽出場所208で糸を位置決しておいて、
その位置決された糸の先部を切断できるので、抽出場所
208に残る糸はその長さが常に一定する。このことは上
記のような次段での糸の取り扱いの自動化をより一層容
易化する。例えば糸20を摘み片341によって捕捉する際
に、糸の先端部20aと摘み片341との位置関係を一定化
して、糸20の先端部20aを摘み片341から少しだけ突出
する状態に摘むことが出来るようにし、その結果、糸の
先端部20aをそれ自体の腰の強さでぴんとした状態を保
たせて、針6の糸通し孔6aへの差し通しを適正に行うこ
とを可能にすることが出来る。
【0100】態様7:態様5の糸選択装置Aにおいて、
位置決装置Dは、抽出場所208に抽出された糸の先端を
エアーによる吸引によって所定位置で保持する為のクラ
ンプ装置D1を有するもの。上記態様の実施例により、前
記した図1〜図58の実施例の目的の内の第2〜5の目
的に加えて第6、7の目的も達成できる。即ち、上記の
ように糸の先端部を切断する場合、糸をぴんと引っ張っ
た状態にして切断できるので、切断を確実に行うことが
出来る。又切断により切り離された糸の先端はそのまま
エアーの吸引によって持ち去られるので、切れた糸の先
端が下方の布上に落下することはなく、誤って縫い込ま
れる事故の発生を未然防止できる。
【0101】態様8:態様5の糸選択装置Aにおいて、
上記切断装置Eは、上記抽出場所208における糸の位置
決場所202bにおいて夫々の刃が出会う一つの切断部材26
1,262を備えるもの。上記態様の実施例により、前記し
た図1〜図58の実施例の目的の内の第2〜5の目的に
加えて第8の目的も達成できる。即ち、糸20を位置決装
置Dにより位置決場所202bに位置決しておいて、切断装
置Eにおける一対の切断部材261,262の切断刃261a,26
2aはその位置決場所202bで出会ってその糸を切断するこ
とが出来る。この為、糸20はそれを切断部材261,262に
よって横方向へ動かしたりすることなく切断できる。こ
のことは、切断されて位置決場所202bに残る糸の先端部
の直線性を保持できることであり、例えばその糸を次工
程において針6の糸通し孔6aに差し通すときその差し通
しをスムーズに行うことを可能にする。
【0102】態様9:夫々糸を導入する為の複数の導入
口33と、各個別の導入口33から導入された糸を夫々個別
に保持する為に夫々上記導入口に個別に連通している複
数の保持部35と、糸の導出を行う為の一つの導出口34
と、一端が上記導出口34に連なり他端が上記複数の保持
部35に共通に連なる一つの案内路36と、上記各保持部35
にある糸をエアーの流れによって個別に駆動して案内路
36に送り出す為の複数の第1駆動手段37と、案内路36に
送り出された糸を上記導出口34に向けてエアーの流れに
よって駆動する為の第2駆動手段38とを備える選択機構
Bにおいて、上記保持部35にある複数の糸の内、選択さ
れた任意の糸を導出口34から導出するに当たっては、上
記選択された糸に対応する第1駆動手段37と上記の第2
駆動手段38とを作動させて上記保持部35の糸を案内路36
に送り出し、該糸が案内路36の中間地点にまで至った後
は上記第2駆動手段38のエアー量を低減させる糸抽出方
法。上記態様の実施例により、前記した図1〜図58の
実施例の目的の内の第2、3、9の目的を達成できる。
即ち、複数の糸の内から一つを選択し抽出する場合、第
1及び第2駆動手段37,38によるエアーの流れによって
糸を移動させるので、糸を浮遊状態で抽出することが出
来、糸の傷みを防止できる。しかもその場合、第1及び
第2駆動手段37,38によって充分なエアーを流すことに
より保持部35から案内路36への糸の移動を確実に行わせ
ることが出来、更にそのように糸の移動が行われて第2
駆動手段によるエアーの流れに糸が乗るようになった後
は、第2駆動手段38によるエアーの量を減少させること
により、案内路36での糸の絡まりを防止することが出来
て、糸を導出口34からスムーズに送り出すことが出来
る。
【0103】態様10:針6の前面に沿わせて位置させ
る為のガイド手段G14を備えている糸通し機構G1。上記
ガイド手段G14は前方がラッパ状に開き後方が針の糸通
し孔6aに重合させる為の送出部412となっているガイド
孔410を有し、該ガイド孔410の軸線410aの方向は、ガイ
ド孔410の前方が斜め上向きとなるように傾斜させてあ
るもの。上記態様の実施例により、前記した図1〜図5
8の実施例の目的の内の第15、16の目的を達成でき
る。即ち、針6の糸通し孔6aに差し通す為に糸通し孔6a
に向けて前進させてきた糸の先端部がたとえ糸通し孔6a
から横方向にずれても、ガイド孔410によってその糸を
案内して糸通し孔6aに到達させることが出来、糸通し孔
6aに対する糸の差し通しを確実化させられる。更に上記
ガイド孔410の軸線を上記のように傾斜させてあると、
ミシンのベッド上において手作業により糸通し孔6aに対
する糸の差し通しを行う場合、ベッドに近い位置にある
針の糸通し孔6aに対して糸を斜め下向きに進行させなが
ら上記のようなガイドを受けて容易に差し通しを行うこ
とが出来る。
【0104】態様11:態様10の糸通し機構G1におい
て、上記ガイド手段G14は左右に分離可能な一対の部材
400でもって構成してそれら一対の部材400相互間を通し
ての針の通過を可能にし、しかもそれら一対の部材400
における相互の重合面は糸を挟んで保持する為の挟持面
401にすると共に、それら一対の部材400は相互の挟持面
401が圧接する状態に付勢する。更に上記ガイド手段G1
4はミシンにおける針6の前面側の位置と後方側の位置
との間での進退を自在にしたもの。上記態様の実施例に
より、前記した図1〜図58の実施例の目的の内の第1
5、16の目的に加えて第17の目的も達成できる。即
ち、針6の前面側にガイド手段G14を位置させて糸の差
し通しを行った後は、ガイド手段G14を針6の後方側に
退避させると、ガイド手段G14が針6からその後ろに離
れたときに上記挟持面401によって糸通し孔6aに差し通
された糸の先端部を挟んで保持でき、糸通し孔6aからの
糸の抜けを防止できる。またこのように糸の保持を行う
と、その糸を用いての縫製を開始するとき糸が布の上に
垂れてそれを誤って縫いつけてしまう事故を防止でき
る。
【0105】態様12:態様11の糸通し機構G1におい
て、上記針6の後方側の位置は針6に比べて高位置であ
るもの。上記態様の実施例により、前記した図1〜図5
8の実施例の目的の内の第15〜17の目的に加えて第
18の目的も達成できる。即ち、糸通し孔6aに対する糸
の差し通しの場合には針6の前面側にガイド手段G14を
位置させていても、糸の差し通しを終えて縫製を行う場
合には、それを針の後方の高位置に退避させることが出
来て、ベッドと該ガイド手段G14との間に高い作業空間
を確保出来る。そのような高い作業空間があると、例え
ば刺繍枠に対して大きな布をクリップでもって上記刺繍
枠の周囲に止めても、そのクリップと上記ガイド手段G
14との干渉を生ずることはなく、上記大きな布に対する
刺繍作業を支障無く行うことが出来る。
【0106】態様13:態様12の糸通し機構G1におい
て、上記一対の部材400における相互の挟持面401の前縁
と後縁を、両部材400の挟持面401相互の間への針6の侵
入を案内する為の斜面402,403にしたもの。上記態様の
実施例により、前記した図1〜図58の実施例の目的の
内の第16〜18の目的に加えて第19の目的も達成で
きる。即ち、一対の部材400の間を通して針6の前面側
と後方側とにガイド手段G14を位置替えさせるものであ
っても、その位置替えに当たりガイド手段G14の移動に
伴って針6を一対の部材400の挟持面401相互の間に侵入
させる場合、上記斜面402或いは斜面403による案内によ
って一対の部材400をそれに加わっている付勢力に抗し
て開かせて挟持面401の間に針6を導入することが出
来、針6に無理な横向きの力を加えてそれを折損させて
しまうことを防止できる。
【0107】態様14:ミシンは、ベッド16と、その下
方に配設した釜と、ベッド16の上方に配設した縫製用の
針6と、複数の糸供給源9と、それらの糸供給源9から
夫々供給される糸のうち任意の一つを選択し抽出する為
の糸選択装置Aと、糸選択装置Aと針6との間の位置に
配設した天秤装置Hと、上記糸選択装置Aにおいて抽出
された糸を針6まで引き下ろして針の糸通し孔6aに差し
通すための引き下ろし装置Fとを備える。上記天秤装置
Hは、相互に離間させて配置した二つの糸ガイドH11,
H12と、両糸ガイドH11,H12の間の糸を横方向に引き
出したり戻したりする為の横動自在の糸掛部材522とを
備える。上記両糸ガイドH11,H12は、糸をその長手方
向に対して側方となる方向に移動させることによってそ
の糸を糸ガイド内に導入可能としている。上記引き下ろ
し装置Fは糸の先端部を摘むようにした捕捉機構F31を
備え、その捕捉機構F31は選択装置Aにおける糸の抽出
場所208と針6における糸通し孔6aと対向する位置との
間で、上記天秤装置Hの前方を通って移動可能としたも
の。上記態様の実施例により、前記した図1〜図58の
実施例の目的の内の第1、10、11の目的に加えて第
20の目的も達成できる。即ち、天秤装置Hにおける糸
ガイドH11,H12は糸を側方から導入可能であり、又糸
掛部材522は両糸ガイドH11,H12の間の糸を横方向に
引き出したり戻したりするものである為、該天秤装置H
に対しては糸をその長手方向に対して側方となる方向に
向けて移動させることによって装填することが可能とな
る。このような方法での糸の装填ができると、上記引き
下ろし装置Fにより糸の先端部を摘んだまま糸を引き下
ろす操作でもって糸の装填を行うことが出来、糸の選択
から天秤装置Hへの糸の装填及び針の糸通し孔への糸の
差し通しまでの一連の操作を信頼性高く行うことが可能
となる。
【0108】
【発明の効果】以上のように本願発明にあっては、天秤
装置Hや針6に対して確実に糸20を装填できる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ミシンの正面図。
【図2】ミシンの右側面図。
【図3】糸選択装置の正面図。
【図4】糸選択装置の側面図。
【図5】位置決装置の平面図(図3におけるV−V線位
置の断面図)。
【図6】(A)、(B)は夫々位置決装置の動作説明用
平面図。
【図7】糸選択装置の縦断面図。
【図8】位置決装置の図7におけるVIII−VIII線断面
図。
【図9】(A)はクランプ装置の水平断面図(図3にお
けるIX−IX線断面図)、(B)は(A)におけるB−B
線断面図。
【図10】切断装置の底面図。
【図11】(A)〜(E)は糸の位置決動作説明用の断
面図。
【図12】糸選択装置の動作説明用タイムチャート。
【図13】(A)は準備状態における引戻装置の糸の巻
き付き状態を示す側面図、(B)は縫製時における引戻
装置の糸の巻き付き状態を示す側面図。
【図14】ボビンから引き出された糸に捩れが生じた状
態を示す側面図。
【図15】(A)〜(C)は図14の糸の捩れが解消さ
れていく状態を示す断面図。
【図16】選択機構の動作の異なる例を示すタイムチャ
ート。
【図17】第2駆動手段へのエアーの供給量を変更する
手段の異なる例を示す略示図。
【図18】アーム元部の拡大図。
【図19】アーム元部と駆動機構との関係を示す図18
におけるXIX−XIX線位置の断面図。
【図20】捕捉装置を図2の矢印XX方向から見た状態で
示す図。
【図21】摘み機構を示す断面図。
【図22】捕捉装置の分解斜視図。
【図23】(A)、(B)は摘み機構の動作説明図、
(C)、(D)は夫々(A)、(B)の状態におけるガ
イド手段と摘み部との関係を、ガイド孔の軸線位置にお
いて切断した状態で示す断面図。
【図24】(A)〜(D)は糸の引き下ろしを説明する
図。
【図25】針糸通し装置を図2の矢印XXV方向から見た
状態で示す一部破断図。
【図26】糸通し機構の平面図。
【図27】糸通し機構の側面図。
【図28】糸通し機構の正面図。
【図29】図27におけるXXIX−XXIX線断面図。
【図30】(A)は針に対する糸通し機構の装填を説明
する為の図で、針に対し糸通し機構が接近した状態を示
す縦断面図、(B)は(A)におけるB−B位置の水平
断面図。
【図31】(A)は針に対する糸通し機構の装填を説明
する為の図で、針が挟持面の間に進入した状態を示す縦
断面図、(B)は図30の(B)と同様の位置の水平断
面図。
【図32】針に糸通し機構が装填された状態における要
部の水平断面図。
【図33】引き下ろされた糸の先端部が糸通し機構のガ
イド孔内にもたらされた状態を示す縦断面図。
【図34】糸の先端部が糸通し孔内に差し通された状態
を示す縦断面図。
【図35】充分な長さの糸が糸通し孔に引き通された状
態を示す縦断面図。
【図36】針から糸通し機構を離脱させる場合における
力の加わり方を説明する為の水平断面図。
【図37】(A)は針から糸通し機構を離脱させる過程
を説明する為の図で、針が挟持面の間に移動した状態を
示す縦断面図、(B)は(A)の状態における水平断面
図。
【図38】(A)は針から糸通し機構を離脱させる過程
を説明する為の図で、針が挟持面の間から抜け出た状態
を示す縦断面図、(B)は(A)の状態における水平断
面図。
【図39】針から離脱した糸通し機構が退避位置に移動
した状態を示す縦断面図。
【図40】(A)は糸通し機構におけるホールド部の形
状の異なる例を示す縦断面図、(B)は水平拡大断面
図。
【図41】天秤装置の正面図。
【図42】図41におけるXXXXII−XXXXII線断面図。
【図43】天秤装置の一部破断右側面図。
【図44】図41におけるXXXXIV−XXXXIV線断面図。
【図45】装填機構の斜視図。
【図46】糸ガイドの斜視図。
【図47】(A)は糸の引き下ろし状態を示す側面図、
(B)は糸を引き下ろした状態における糸と糸ガイド及
び装填機構との関係を示す平面図。
【図48】(A)は糸を糸ガイドに引き寄せた状態を示
す一部破断正面図、(B)はその状態における図47の
(B)と同様の図。
【図49】(A)は糸ガイドの糸通し孔を閉鎖した状態
を示す一部破断正面図、(B)はその状態における図4
7の(B)と同様の図。
【図50】(A)は天秤機構の引出体が糸を中間程度ま
で引き出した状態を示す正面図、(B)は糸を最大引上
量位置まで引き出した状態を示す正面図。
【図51】テンション付与装置の一部破断正面図。
【図52】(A)は図51における52A−52A線断面図、
(B)は52B−52B線断面図。
【図53】テンション付与装置の作動状態を示す一部破
断正面図。
【図54】ミシンにおける糸通し時の動作を示すタイム
チャート。
【図55】縫製開始時における糸保持機構と天秤装置と
針と布押えとの動作関係を示すタイムチャート。
【図56】糸替え時における引戻装置の動作を示すタイ
ムチャート。
【図57】糸切れ時におけるミシンの各部の動作関係を
示すタイムチャート。
【図58】(A)〜(F)は糸切れ時における切れた糸
の除去過程を示す図。
【図59】多色ミシンの正面図。
【図60】同側面図。
【図61】選択装置の一部破断拡大図。
【図62】(A)は図61における4A−4A線断面
図、(B)は4B−4B線断面図。
【図63】駆動手段とバルブとエアー源との関係を示す
図。
【図64】引戻装置の縦断面図。
【符号の説明】
A 糸選択装置 F 引き下ろし装置 H 天秤装置 6 針 16 ベッド

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベッドと、ベッドの下方に配設された釜
    と、ベッドの上方に配設された縫製用の針と備え、更
    に、夫々縫製用の糸の供給をする為の複数の糸供給源
    と、上記複数の糸供給源から夫々供給される糸の内から
    の任意の糸を選択して抽出する糸選択装置と、上記針に
    至る糸の引き緩めを行う為の天秤装置と、上記糸選択装
    置において抽出された糸の先端部を機械的に保持した状
    態でその糸を上記天秤装置を通して上記針まで引き下ろ
    すための引き下ろし装置を備えるミシン。
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JP (1) JPH08280965A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7654210B2 (en) 2006-10-26 2010-02-02 Juki Corporation Threading device of sewing machine

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US7654210B2 (en) 2006-10-26 2010-02-02 Juki Corporation Threading device of sewing machine

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