JPH09299676A - ミシンの交換糸引出し装置 - Google Patents

ミシンの交換糸引出し装置

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JPH09299676A
JPH09299676A JP11937596A JP11937596A JPH09299676A JP H09299676 A JPH09299676 A JP H09299676A JP 11937596 A JP11937596 A JP 11937596A JP 11937596 A JP11937596 A JP 11937596A JP H09299676 A JPH09299676 A JP H09299676A
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JP
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thread
yarn
needle hole
replacement
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JP11937596A
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English (en)
Inventor
Nobuo Yano
延男 矢野
Toru Hiramatsu
徹 平松
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Juki Corp
Original Assignee
Juki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 元糸と交換糸との接続後に、元糸を針穴から
引き出すことで交換糸を糸巻側から引出して針穴に通
し、もって、上糸の交換を行うミシンの交換糸引出し装
置において、元糸と交換糸との接続に失敗した場合で
も、その後の復旧作業が容易で、もって縫製作業効率の
高い、ミシンの交換糸引出し装置を提供する。 【解決手段】 駆動歯車9及び従動歯車11は、糸巻と
針穴301との間の糸経路で切断された元糸T1の切断
端部側T11と糸引出し端部側T21で接続されている
交換糸T2を、元糸T1を針穴301から引き出すこと
で糸巻側から引出して針穴301に通す。結び目検出器
15は、前記引出し作業中に両糸T1、T2の接続がな
されなかったことを検出する。この接続がされなかった
ことが検出されたとき、CPU22は、駆動歯車9及び
従動歯車11による元糸T1の引出し及びその後の縫製
作業を中止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、糸巻と針穴との
間の糸経路で切断後の元糸の切断端部側と、交換糸の糸
引出し端部側とを所定の上糸交換装置を用いて接続した
後、この接続後の元糸を針穴から引き出して交換糸を糸
巻側から引出して針穴に通し、もって、上糸の交換を行
うためのミシンの交換糸引出し装置に関する。
【0002】
【従来の技術】糸巻と針穴との間の糸経路で上糸を切断
し、この切断後の元糸の切断端部側と交換糸の糸引出し
端部側とを接続する上糸交換装置については、特公平3
−5834号公報などに開示されている。
【0003】また、元糸と被交換糸との接続後に、元糸
を針穴から引き出すことで交換糸を糸巻側から引出して
針穴に通し、この引き出された元糸部分を切断して、上
糸を交換する交換糸引出し装置については、特開平5−
179560号公報などに開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の技
術では以下のような問題があった。
【0005】すなわち、切断後の元糸の切断端部側と被
交換糸の糸引出し端部側との接続工程で両糸の接続に失
敗した場合、それに引き続いて元糸を針穴から引き出す
ことで交換糸を糸巻側から引出して針穴に通そうとする
と、元糸だけが針穴から引き出されてしまい、交換糸を
糸巻から引出して、糸調子、天秤などの設けられている
所定の糸経路中を針穴まで糸通しする作業を手作業によ
り行わねばならず、また、かかる作業を行う前に、その
後の交換糸による縫製が開始されてしまうと、縫目が形
成されぬまま針落ちがなされてしまい、元の位置まで針
落ち位置を戻して交換糸の糸通しなどの煩雑な復旧作業
を行わねばならず、縫製作業効率を低下させてしまう。
【0006】そこで、この発明の目的は、元糸と交換糸
との接続後に、元糸を針穴から引き出すことで交換糸を
糸巻側から引出して針穴に通し、もって、上糸の交換を
行うミシンの交換糸引出し装置において、元糸と交換糸
との接続に失敗した場合でも、その後の復旧作業が容易
で、もって縫製作業効率の高い、ミシンの交換糸引出し
装置を提供することにある。
【0007】また、別の課題として、元糸と交換糸との
接続後、元糸を針穴から引き出して交換糸を針穴に通す
にあたっては、糸の針穴からの引き出し量が少なくては
交換糸が針穴まで達せずに、糸交換後に交換糸での縫製
が行えなくなる。逆に、引き出しすぎては交換糸が針穴
から過剰に引き出されて無駄に消費されてしまう。
【0008】そこで、この発明の別の目的は、元糸と交
換糸との接続後に、元糸を針穴から引き出すことで交換
糸を糸巻側から引出して針穴に通し、もって、上糸の交
換を行うミシンの交換糸引出し装置において、交換糸へ
の確実な交換と交換糸の無駄な消費を防止することがで
きる、ミシンの交換糸引出し装置を提供することにあ
る。
【0009】別の課題として、針穴までの糸経路で元糸
と交換糸とを接続して、元糸を針穴から引き出して交換
糸を針穴に通すにあたっては、前記両糸の結び目が糸経
路中の何れかの位置で引っ掛かってしまったり、糸経路
を通過する際の大きな摩擦となってしまう恐れがある。
特に針穴においては、その危険性が高い。これを放置し
たのでは、交換糸が針穴まで達しなかったり、糸切れを
生じる恐れがある。
【0010】そこで、この発明の別の目的は、元糸と交
換糸との結び目が糸経路中で引っ掛かったり、大きな摩
擦となって、交換糸が針穴まで達しなかったり、糸切れ
を生じるなどの事態を防止することができる、ミシンの
交換糸引出し装置を提供することにある。
【0011】別の課題として、針穴まで交換糸を引出し
て元糸部分を切断するにあたり、針穴通過済みの針穴か
ら先の交換糸長さを縫製目的などに応じて所望に調節し
たい場合がある。
【0012】そこで、この発明の別の目的は、元糸を針
穴から引き出すことで交換糸を糸巻側から引出して針穴
に通し、引き出された元糸部分を切断する、ミシンの交
換糸引出し装置において、針穴通過済みの針穴から先の
交換糸長さを所望に調節できる、ミシンの交換糸引出し
装置を提供することにある。
【0013】さらに、この発明の別の目的は、針穴通過
済みの針穴から先の交換糸長さを所望に調節しても、元
糸が針穴の先に残ってしまうことなどがない、ミシンの
交換糸引出し装置を提供することにある。
【0014】この発明の別の目的は、元糸を針穴から引
き出すことで交換糸を糸巻側から引出して針穴に通し、
引き出された元糸部分を切断する、ミシンの交換糸引出
し装置において、切断後の元糸のかたずけが容易であ
る、ミシンの交換糸引出し装置を提供することにある。
【0015】この発明の別の目的は、元糸を針穴から引
き出すことで交換糸を糸巻側から引出して針穴に通す、
ミシンの交換糸引出し装置において、元糸を針穴から引
き出すための元糸の捕捉を確実とする、ミシンの交換糸
引出し装置を提供することにある。
【0016】この発明の別の目的は、元糸を針穴から引
き出すことで交換糸を糸巻側から引出して針穴に通し、
引き出された元糸部分を切断する、ミシンの交換糸引出
し装置において、元糸部分の切断を確実とする、ミシン
の交換糸引出し装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの手段を、後述する発明の実施の形態における対応す
る部材や符号も付記して説明する。
【0018】請求項1に記載の発明は、糸巻と針穴(3
01)との間の糸経路で切断された元糸(T1)の切断
端部側(T11)と糸引出し端部側(T21)で接続さ
れている交換糸(T2)を、前記元糸を前記針穴から引
き出すことで糸巻側から引出して針穴に通す糸通し部
(駆動歯車9及び従動歯車11/ナックル31)と、前
記両糸の接続作業後、この接続がなされなかったことを
検出する検出部(結び目検出器15、CPU22)と、
この接続がされなかったことが検出されたときは、前記
糸通し部による前記元糸の引出し及びその後の縫製作業
を中止する制御部(CPU22)とを備えている、ミシ
ンの交換糸引出し装置である。
【0019】請求項1に記載のミシンの交換糸引出し装
置によれば、元糸と交換糸とが接続されなかったことを
検出し、元糸の針穴からの引出しや、その後の縫製作業
を中止するから、元糸だけが針穴から引き出されてしま
ったり、針穴に上糸が糸通しされていない事態が防止さ
れる。
【0020】従って、請求項1に記載のミシンの交換糸
引出し装置によれば、元糸と交換糸との接続に失敗した
場合でも、その後の復旧作業が容易で、もって縫製作業
効率の高い、ミシンの交換糸引出し装置を提供すること
ができる。
【0021】請求項2に記載の発明は、糸巻と針穴(3
01)との間の糸経路で切断された元糸(T1)の切断
端部側(T11)と糸引出し端部側(T21)で接続さ
れている交換糸(T2)を、前記元糸を前記針穴から引
き出すことで糸巻側から引出して針穴に通す糸通し部
(駆動歯車9及び従動歯車11/ナックル31)と、前
記両糸の接続後、この接続がされたことを検出する検出
部(結び目検出器15、CPU22)とを備え、前記糸
通し部は、前記接続が検出された後に、前記針穴から前
記元糸の針穴通過済部分を牽引して、予め設定された所
定糸長さを前記針穴から引出すことにより、前記交換糸
を前記針穴に通すものである、ミシンの交換糸引出し装
置である。
【0022】請求項2に記載のミシンの交換糸引出し装
置によれば、元糸と交換糸との接続を検出し、この検出
後、予め設定された所定糸長さを針穴から引出すことに
より、交換糸を針穴に通すから、所定糸長さの調節によ
り、元糸が確実に針穴から引き出され、且つ、針穴より
引き出される交換糸の長さが過剰とならないようにする
ことができる。
【0023】従って、請求項2に記載のミシンの交換糸
引出し装置によれば、交換糸への確実な交換と交換糸の
無駄な消費を防止することができる、ミシンの交換糸引
出し装置を提供することができる。
【0024】請求項3に記載の発明は、糸巻と針穴(3
01)との間の糸経路で切断された元糸(T1)の切断
端部側(T11)と糸引出し端部側(T21)で接続さ
れている交換糸(T2)を、前記針穴から前記元糸を引
き出すことで糸巻側から引出して針穴に通す糸通し部
(駆動歯車9及び従動歯車11/ナックル31)と、前
記元糸の針穴通過済部分を捕捉する捕捉部(駆動歯車9
及び従動歯車11/ナックル31)とを備え、前記糸通
し部は、前記両糸の接続後、前記捕捉状態にある前記捕
捉部を駆動することで前記元糸を前記針穴から引出すも
のであり、前記元糸引出し作業中に、前記捕捉部が前記
元糸から受ける張力の変動を検出する検出部(回転セン
サ903、糸糸取りばね41、結び検出器42´、CP
U22)と、この張力変動が所定の状態となったとき
は、前記糸通し部による前記元糸の引出し及びその後の
縫製作業を中止する制御部(CPU22)とを備えてい
る、ミシンの交換糸引出し装置である。
【0025】請求項3に記載のミシンの交換糸引出し装
置によれば、元糸の針穴通過済部分を捕捉部で捕捉し、
この捕捉部を駆動することで元糸を針穴から引出すもの
であり、捕捉部が元糸から受ける張力の変動が所定の状
態となったときは針穴からの元糸の引出しを中止するの
で、元糸と交換糸との結び目が糸経路中で引っ掛かった
り、大きな摩擦となったりした場合を異常な張力変動と
して検出して針穴からの元糸の引出しやその後の縫製作
業を中止することができる。
【0026】従って、請求項3に記載のミシンの交換糸
引出し装置によれば、元糸と交換糸との結び目が糸経路
中で引っ掛かったり、大きな摩擦となって、交換糸が針
穴まで達しなかったり、糸切れを生じるなどの事態を防
止することができる、ミシンの交換糸引出し装置を提供
することができる。
【0027】請求項4に記載の発明は、糸巻と針穴(3
01)との間の糸経路で切断された元糸(T1)の切断
端部側(T11)と糸引出し端部側(T21)で接続さ
れている交換糸(T2)を、前記針穴から前記元糸を引
き出すことで糸巻側から引出して針穴に通す糸通し部
(駆動歯車9及び従動歯車11)と、この糸通し後、前
記針穴通過済の糸を前記針穴から所定長さを残して切断
する糸切断部(メス12)と、この残される所定糸長さ
を調節する糸長さ調節部(ボリューム161、メス1
2、止めねじ122など)とを備えている、ミシンの交
換糸引出し装置である。
【0028】請求項4に記載のミシンの交換糸引出し装
置によれば、糸長さ調節部により、針穴通過済みの針穴
から先の交換糸長さを所望に調節できる、ミシンの交換
糸引出し装置を提供することができる。
【0029】この場合に、前記糸通し部による交換糸の
引出し長さを調節する糸長さ調節部(ボリューム16
1)を設ければ(請求項5)、針穴から先の交換糸長さ
を所望に調節しても元糸が針穴の先に残ってしまった
り、交換糸を過剰に無駄にしてしまうことなどがない。
【0030】請求項6に記載の発明は、糸巻と針穴(3
01)との間の糸経路で切断された元糸(T1)の切断
端部側(T11)と糸引出し端部側(T21)で接続さ
れている交換糸(T2)を、前記針穴から前記元糸を引
き出すことで糸巻側から引出して針穴に通す糸通し部
(駆動歯車9及び従動歯車11)と、この糸通し後、前
記針穴通過後の糸を前記針穴から所定長さを残して切断
する糸切断部(メス12)と、この切断後の切り落とさ
れた糸を吸引して回収する切落し糸回収部(バルブ14
4、真空発生器149)とを備えている、ミシンの交換
糸引出し装置である。
【0031】請求項6に記載のミシンの交換糸引出し装
置によれば、切断後の切り落とされた糸を吸引して回収
するから、切断後の残り糸のかたずけが容易である、ミ
シンの交換糸引出し装置を提供することができる。
【0032】請求項7に記載の発明は、糸巻と針穴との
間の糸経路で切断された元糸の切断端部側と糸引出し端
部側で接続されている交換糸を、前記針穴から前記元糸
を引き出すことで糸巻側から引出して針穴に通す糸通し
部(駆動歯車9及び従動歯車11)を備え、この糸通し
部は、前記接続後の元糸の針穴通過済部分を捕捉部(駆
動歯車9及び従動歯車11)で捕捉して、この捕捉部を
駆動して前記元糸を前記針穴から引き出すものであり、
前記元糸の針穴側端部を捕捉して前記捕捉部による元糸
捕捉の位置決めを行う位置決め部(糸クランプ14)と
を備えている、ミシンの交換糸引出し装置である。
【0033】請求項7に記載のミシンの交換糸引出し装
置によれば、元糸の針穴側端部を捕捉して捕捉部による
元糸捕捉のための位置決めを行うから、元糸を針穴から
引き出すための元糸の捕捉を確実とする、ミシンの交換
糸引出し装置を提供することができる。
【0034】請求項8に記載の発明は、糸巻と針穴(3
01)との間の糸経路で切断された元糸(T1)の切断
端部側(T11)と糸引出し端部側(T21)で接続さ
れている交換糸(T2)を、前記針穴から前記元糸引き
出すことで糸巻側から引出して針穴に通す糸通し部(駆
動歯車9及び従動歯車11)と、この糸通し後、前記針
穴通過済の糸を前記針穴から所定長さを残して切断する
糸切断部(メス12)と、前記元糸の針穴側端部(T1
2)を捕捉して前記針穴通過済の糸に流れ方向を一定と
して所定の張力を与え、前記切断作業のための位置決め
をする位置決め部(糸クランプ14)とを備えている、
ミシンの交換糸引出し装置である。
【0035】請求項8に記載のミシンの交換糸引出し装
置によれば、元糸の針穴側端部を捕捉して針穴通過済の
糸に流れ方向を一定として所定の張力を与え、元糸側の
切断作業のための位置決めをすることができるから、元
糸部分の切断を確実とする、ミシンの交換糸引出し装置
を提供することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
〔発明の実施の形態1〕まず、構成について説明する。
【0037】図1は、この発明の実施の形態1である交
換糸引出し装置1の斜視図である。
【0038】符号2は自動縫いミシンであり、このミシ
ンの頭部に交換糸引出し装置1が設けられている。
【0039】詳細な説明は省略するが、自動縫いミシン
2には所定の上糸交換装置(図示省略)が設けられ、こ
の上糸交換装置は糸巻(図示省略)と針3の針穴301
との間の糸経路で上糸を切断し、この切断後の元糸T1
の切断端部側T11と交換糸T2の糸引出し端部側T2
1とを接続する。上糸交換装置2としては例えば特公平
3−5834号公報などに開示されているものを用いる
ことができる。符号T0は両糸T1、T2の結び目であ
る。
【0040】元糸T1は所定の糸経路を通って針穴30
1に通されている。この糸経路には、糸調子4、糸案内
501、502、503及び504並びに天秤6が設け
られている。符号7は針棒であり、符号8は針落ちと連
動して所定の駆動機構により上下往復動する中押えであ
る。
【0041】駆動歯車9は軸901に固定され、駆動モ
ータ902により回転する。駆動モータ902には、こ
のモータの回転軸の回転角を検出する回転センサ903
(図1において図示省略)が設けられている。従動歯車
11は駆動腕111の一端側に軸112により回動自在
に取り付けられている。駆動腕111の他端側には軸受
113に回動自在に軸支されている軸114の一端側が
取り付けられている。軸114の他端側にはレバー11
5の一端側が取り付けられ、他端側はナックル116を
介してエアシリンダ117のシリンダロッドと連結され
ている。駆動腕111は、シリンダ117の駆動により
矢示a方向に回動して、従動歯車11を、駆動歯車9と
噛み合わせたり、駆動歯車9側から退避させたりする。
【0042】糸切りメス12はエアシリンダ121のシ
リンダロッドに取り付けられて、このエアシリンダの駆
動により矢示b方向に昇降する。また、止めねじ122
のねじ止め位置を調節することにより、メス12の先端
部位置を矢示c方向に調節することができる。
【0043】符号13は上糸をワイプするワイパであ
る。このワイパの基端側は回動自在にミシンフレームに
軸支されている軸131の一端側に取付けられ、他端側
にはレバー132の一端側が固定されている。レバー1
32の他端側にはワイパー腕133の一端側が軸134
で回動自在に取り付けられ、ワイパー腕133の他端側
には駆動レバー135の一端側に軸136で回動自在に
取り付けられている。駆動レバー135は軸137でワ
イパソレノイド138と連結されている。ワイパソレノ
イド138の駆動によりワイパ13は矢示d方向に移動
する。
【0044】符号14は糸クランプであり、この糸クラ
ンプ内にはエアシリンダ141で駆動されるクランプ部
142とボール143が設けられ、糸端をクランプ部1
42とボール143でクランプする。また、糸クランプ
14にはバルブ144が接続され、このバルブ144か
らのエアの吸引により糸端を吸引する。糸クランプ14
は駆動腕145の一端側に取り付けられている。駆動腕
145の中間位置は軸146でミシンフレームに回動自
在に取り付けられている。駆動腕145の他端側はナッ
クル147を介してエアシリンダ148のシリンダロッ
ドと連結されている。エアシリンダ148の駆動によ
り、駆動腕145は矢示e方向に回動する。
【0045】符号15は上糸の糸経路の糸調子4より糸
引出し側に設けられている糸結び目検出器(光センサ)
であり、結び目T0を検出する。符号16は電装ボック
スであり、電装ボックス16にはモータ902への通電
時間をマニュアル操作で調節するためのタイマ調節ボリ
ューム161が設けられている。
【0046】符号17はミシンベッド上に設けられてい
る送り台である。この送り台には押え171が設けられ
ていて、この押えは被縫物18を保持する。送り台17
は所定の可動テーブル上をX−Y方向に移動し針板17
2上で被縫物18をX−Y方向に送る。この送り動作は
所定の縫いデータに含まれているX−Y座標データに従
って行われ、このように送られる被縫物18上に針落ち
することで、所定の形状縫いが行われる。これらは周知
技術であるため、これ以上の詳細な説明は省略する。
【0047】次に、交換糸引出し装置1の制御系の構成
について説明する。
【0048】図2は、交換糸引出し装置1の制御系の構
成を示すブロック図である。
【0049】同図に示すように、電装ボックス16内に
はミシン制御装置19を備えている。このミシン制御装
置は、所定のフロッピーディスクドライブを備え、フロ
ッピーディスク21に格納されている所定の縫いデータ
に基づき所定の形状縫いを施すためにミシン2の各部を
制御する。すなわち、フロッピーディスク21に格納さ
れている所定の縫いデータに基づき、送り台17、ミシ
ンモータによるミシン2の上下軸(図示省略)などの駆
動を制御して、送り台17をX−Y方向に駆動しつつ針
落ちすることで、所望の形状縫いを施すものである。ミ
シン制御装置19は糸引出開始信号を糸引出制御部22
に出力する。
【0050】糸引出制御部(CPU)22にはROM2
3、RAM24が接続されている。ROM23には上糸
交換のため各部の制御を行うための所定の制御プログラ
ムなどが格納されている。
【0051】糸引出制御部22はミシン停止信号や糸引
出終了信号をミシン制御装置19に出力する。また、糸
引出制御部22は電磁弁SV1〜SV5に制御信号を送
って制御する。この電磁弁SV1〜SV4は、各々、前
記エアシリンダ117、148、141及び121への
エアの供給を操作するものである。また、電磁弁SV5
は、前記糸クランプ14内のエアを吸引する真空発生器
149とを接続している前記バルブ144に設けられ
て、バルブ144を開閉するものである。真空発生器1
49は前記電装ボックス16内に設けられている。糸引
出制御部22は前記ソレノイド138を駆動するソレノ
イドドライバ139に制御信号を送ってソレノイド13
8を制御する。また、糸引出制御部22は前記駆動モー
タ902を駆動するモータドライバ904に制御信号を
送ってモータ902を制御する。さらに、糸引出制御部
22には前記糸結び検出器15や、モータ902に設け
られている前記回転センサ903からの検出信号が入力
される。
【0052】次に、作用について説明する。
【0053】以下では、図3、図4のフローチャート
と、図5〜図7、図9、図13及び図14はの斜視図、
図8及び図10の断面図を参照して説明する。
【0054】図5は被縫物18を送り172でX−Y方
向に送りつつ針落ちして縫目T3を形成し、所定の糸切
りを行った状態を示している。縫目T3の形成に使用し
た上糸は元糸T2と同一の糸巻から引き出された同一の
糸である。糸切り後の縫目T3の糸端T31は針板17
2の下側で切断された状態となっている。このとき、駆
動歯車9と従動歯車11とは噛み合った状態にある。図
5には示されていないが、この段階で、針穴301と糸
巻(図示省略)との間の糸経路の糸調子4より糸巻側の
所定位置で元糸T1は切断され、その切断端部側T11
と、他の交換糸T2の糸引出し端部側T21とは(図1
参照)、前記の上糸交換装置で糸結びされている。
【0055】ミシン制御装置19は、前記上糸交換装置
で前記糸結びの動作がなされると、CPU22に糸引出
開始信号を出力する。
【0056】図3に示すように、CPU22が糸引出開
始信号を受けると(ステップS1)、電磁弁SV1に制
御信号を出力して、シリンダ117を駆動し、図6に示
すように、そのシリンダロッドを矢示f方向に移動し
て、従動歯車11の駆動歯車9との噛み合いを解放して
矢示g方向に退避する(ステップS2)。
【0057】次に、電磁弁SV2に制御信号を送信し
て、図7に示すように、シリンダ148のシリンダロッ
ドを矢示h方向に移動し、駆動腕145を矢示i方向に
回転して、糸クランプ14を針穴301の近傍に移動す
る(ステップS3)。このときの糸クランプ14内部で
は、図8に示すようにクランプ部142はシリンダ14
1側に退避した状態にあり、ボール143は糸クランプ
141内でフリーである。
【0058】この後、ソレノイドドライバ139に制御
信号を送り、図9に示すように、ソレノイト138で駆
動レバー135を矢示j方向に回転し、ワイパ13を矢
示k方向に回転して、針穴301の先の元糸T12を糸
クランプ14側にたぐりよせる(ステップS4)。この
状態で、電磁弁SV5に制御信号を出力し、図10に示
すように、バルブ144から矢示l方向にエアを吸引し
て、糸端T12を糸クランプ14内に吸引し、続いて、
電磁弁SV3に制御信号を出力してシリンダ141を駆
動し、クランプ部142の先端を矢示m方向に移動して
ボール143を押圧し、ボール143と糸クランプ14
の内壁との間に糸端T12をクランプし、電磁弁SV3
に制御信号を出力して前記エアの吸引は停止する(ステ
ップS5)。
【0059】次に、電磁弁SV2に制御信号を送り、図
11に示すように、シリンダ148を駆動して駆動腕1
45を矢示n方向に回動し、糸クランプ14により元糸
T1を矢示p方向に牽引する。そして、電磁弁SV1に
制御信号を出力してシリンダ117を駆動し、駆動腕1
11を矢示o方向に回動して、駆動歯車9と従動歯車1
1とを再び噛み合わせて元糸T1を挟持する。また、ソ
レノイドドライバ139に制御信号を出力してソレノイ
ド138を駆動し、ワイパ13を矢示q方向に回転して
元の位置に戻す(ステップS6)。
【0060】そして、電磁弁SV3に制御信号を出力し
て、クランプ部142をシリンダ141側に戻してボー
ル143をフリーにし、また、電磁弁SV5に制御信号
を出力して、バルブ144からのエアの吸引をおこなう
(ステップS7)。ボール143をフリーにしてもエア
の吸引があるので、元糸端部T12は糸クランプ14か
ら抜け落ちない。
【0061】このまま、モータドライバ904に制御信
号を出力して駆動モータ902を駆動し、図12に示す
ように、駆動歯車9を矢示r方向に回転し、これに伴っ
て従動歯車11が矢示s方向に回転する。この歯車対偶
により元糸T1が針穴301から引き出される(ステッ
プS8)。引き出される元糸T1はバルブ144内に吸
引されていく。
【0062】モータ902駆動開始後、所定時間経過す
ると、モータ902を停止する(ステップS8〔後述す
る〕)。その後、電磁弁SV4に制御信号を出力し、図
13に示すように、シリンダ121を駆動してメス12
を矢示u方向に下降して、引き出した上糸を切断し、糸
切りを行う(ステップS9)。なお、モータ902を駆
動する前記の所定時間(後述)は、この糸切りのときに
切断後に針穴301から引き出されている上糸に元糸T
1は残っておらず、かつ、切断後の残り糸中の交換糸T
2の長さが無駄に長くならない程度に前記糸の引出しが
行える程度とする(のが望ましい)。切断後の残り糸は
バルブ144に吸引されて排出され、また、シリンダ1
21の駆動によりメス12は元の位置に戻す。なお、止
めねじ122の締付け位置を調節することで、メス12
の位置を調節して、糸切り後の針穴301から先の交換
糸T2の長さを調節することができる。
【0063】この糸切り後、CPU22は糸引出終了信
号をミシン制御装置19に出力して(ステップS1
0)、交換糸の引き出し作業は終了し、糸引出終了信号
を受けたミシン制御装置19の制御によりミシン2は交
換糸T2による所定の縫製を再開する。
【0064】前記元糸の引き出し工程(ステップS8)
について説明する。
【0065】この工程では前記のとおり、モータ902
を前記所定時間経過するまで駆動して、所定長さの上糸
を針穴301から引き出す。そして、モータ902を駆
動する所定時間内に結び目T0の検出、元糸T2の以上
張力の検出が行われ、これらに基づいて所定の操作が行
われる。
【0066】図4に示すように、元糸T1の引出しが開
始されると(ステップS11)、回転センサ903の検
出信号から駆動歯車9が元糸T1から受ける張力の変動
が所定の状態となったとき、例えば予め設定されている
張力値を越えた場合は、モータ902を停止する(ステ
ップS12、ステップS13)。この場合、操作者は所
定の点検、処置を施した後、所定の運転再開スイッチを
操作してモータ902の駆動を再開し(ステップS1
4)、モータ902の駆動時間をマニュアル操作して所
望の長さの上糸を引き出して(ステップS15)、終了
する。
【0067】ステップS12で異常張力を検出しないと
きは、前記元糸T1の引き出し開始(ステップS11)
後、予め設定されている所定の短時間が経過したか否か
を判断し(ステップS16)、経過していないときはス
テップS12に戻り、経過しているときはステップS1
7に進む。
【0068】ステップS17では前記の短時間内で、元
糸T1が引き出されて元糸T1と交換糸T2との結び目
T0が糸結び目検出器15により検出されたか否か、す
なわち、前記上糸交換装置で元糸T1と交換糸T2が接
続されたか否かを判断する。結び目T0が形成されてい
なかったときは、直ちにモータ902を停止する(ステ
ップS18)。前記の短時間やモータ902停止のタイ
ミングは元糸T1の端部T11が糸調子4を通過する直
前で元糸T1の引出しが停止するようにする(のが望ま
しい)。これにより、糸調子4の手前で停止している糸
端部T11と交換糸端部T21とを手作業により接続
し、所定の再開スイッチを操作してモータ902の駆動
を再開し(ステップS19)、モータ902の駆動時間
をマニュアル操作して所望の長さの上糸を引き出して
(ステップS20)、終了する。
【0069】ステップS17で結び目T0が検出された
ときは、ステップS21に進む。ステップS21では、
前記ステップS12同様、回転センサ903の検出信号
から駆動歯車9が元糸T1から受ける張力の変動が所定
の状態となったときは、モータ902を停止する(ステ
ップS21、ステップS22)。前記同様、操作者は所
定の点検、処置を施した後、所定の運転再開スイッチを
操作し(ステップS23)、モータ902の駆動時間を
マニュアル操作して所望の長さの上糸を引き出して(ス
テップS24)、終了する。
【0070】ステップS21で元糸T1の異常張力が検
出されなかったときは、モータ902の駆動を維持し、
モータ902駆動開始後(ステップS11)から予め設
定された所定時間(ステップS9の説明で前記)が経過
したときは(ステップS25)、モータ902を停止し
て元糸T1の引出しを停止する(ステップS26)。
【0071】また、前記の予め設定された所定時間(ス
テップS25)は、ボリューム161(図1参照)でマ
ニュアル調節できる。
【0072】なお、糸結び目検出器(光センサ)15
は、通常の糸1本分の幅を結び目T0と誤検出しないよ
うに、予め受光ボリューム、オペレーショナルアンプリ
ファ(何れも図示せず)を調整しておく。
【0073】以上説明した、交換糸引出し装置1によれ
ば、元糸T1と交換糸T2とが接続されなかったことを
検出器15で検出し、元糸T1の針穴301からの引出
しを停止するから、元糸T1だけが針穴から引き出され
てしまい、針穴301まで所定の糸経路に手作業で交換
糸T2を糸通しする事態が防止される(上記の例では交
換糸端部T21が糸調子4の手前にあるため、手作業に
よる両糸T1、T2の接続も容易である)。また、所定
の再開スイッチを操作しない限り、その後の縫製作業も
行われないから、交換糸T2がないまま縫製がなされる
事態も防止される。従って、元糸T1と交換糸T2との
接続に失敗した場合でも、その後の復旧作業が容易で、
もって縫製作業効率の高い、交換糸引出し装置を提供す
ることができる。
【0074】また、モータ902の駆動を予め設定され
ている所定時間内として上糸の引出しを所定長さとする
から(ステップS25、ステップS26)、モータ90
2の駆動停止時の結び目T0を適切な位置(メス12降
下位置を少し越えた位置など)となるように調節すれ
ば、糸切り(ステップS9)後の上糸に元糸T1が残ら
ず、また、交換糸T2を過剰に無駄にしてしまうことも
ない。
【0075】さらに、元糸T1を針穴301から引き出
すときに、元糸T1からの異常な張力変動を検出したと
きは、モータ902の駆動を停止するから(ステップS
12、ステップS13、ステップS21、ステップS2
2)、元糸T1と交換糸T2との結び目T0が糸経路中
で引っ掛かったり、大きな摩擦となったりした場合を異
常な張力変動として検出して針穴からの元糸の引出しを
中止することができる。従って、これらの事由により交
換糸T2が針穴301まで達しなかったり、糸切れを生
じるなどの事態を防止することができる。また、再開ス
イッチ(図示せず)を操作しない限り、その後の縫製作
業も行われないようにすれば、上糸なしで針落ちするこ
ともない。
【0076】メス12による糸切り位置は止めねじ12
2で調節でき、また、前記の予め設定された所定時間
(ステップS25)は、ボリューム161(図1参照)
でマニュアル調節できるから、これらの調節により、針
穴301通過済みの針穴301から先の交換糸T2の長
さを所望に調節できる。また、これらの調節により、糸
切り後に、針穴301から先の交換糸T2に元糸T1が
残ったり、交換糸T2を過剰に無駄にしたりすることが
ない。
【0077】糸切り後の残り糸はバルブ144に吸引さ
れて回収されるから、残り糸のかたずけが容易である。
【0078】駆動歯車9、従動歯車11による元糸T1
の挟持は、糸クランプ14で元糸端部T12をクランプ
し位置決めして行うから、元糸T1を針穴301から引
き出すための元糸T1の捕捉を確実とすることができ
る。
【0079】メス12による上糸切りは、糸クランプ1
4で元糸端部T12をクランプし駆動腕145を一定量
退避させることで、針穴301通過済の上糸の流れ方向
を一定として所定の張力を与え、切断作業のための位置
決めをすることができるから、降下するメス12による
元糸T1部分を含む上糸の切断を確実とすることができ
る。
【0080】なお、上記交換糸引出し装置1は、言うま
でもなく、この発明を限定するものではない。例えば、
図13における駆動歯車9及び従動歯車11と、駆動糸
クランプ14との間の糸経路の中間位置(矢示v)にも
糸結び目検出器(光センサ)を設けて、当該位置で結び
目T0を検出してからシリンダ121を駆動してメス1
2による糸切りを行うようにしてもよい。
【0081】また、上記の例では接続された元糸T1と
交換糸T2とを糸引出し作業中に、その接続の有無を検
出する手段として、結び目検出器15を用いている。
【0082】これに代えて図18に示すように、周知の
糸調子4´と、この糸調子4´に掛け渡された糸に係合
するとともに、糸の引き出し作業に伴い揺動する糸取り
ばね41´と、所定の糸結び検出器(マイクロスイッチ
など)42´とを用いて元糸T1と交換糸T2との接続
の有無を検出するようにしてもよい。なお、符号43´
は糸が係合する糸係合部材である。
【0083】この場合に、糸取りばね41´が糸から受
ける力は必ずしも一定ではないので、糸結びがなされて
いても一時的に糸結び検出器42´による糸結びの検出
がなされないことも考えられる。
【0084】そこで、糸結び位置から結び目T0が糸調
子4´の直前まで達するのにモータ902が例えば8回
転するとすれば、回転センサ903でモータ902の回
転を検知し、1回転する毎のスイッチの0N(糸結びあ
り)、OFF(糸結びなし)を所定のカウンタでカウン
トして、例えば、8回中5回以上はOFFなら糸結びが
なされている、4回以下なら糸結びがなされていないと
判断するようにすればよい。
【0085】〔発明の実施の形態2〕図14は、この発
明の実施の形態2である交換糸引出し装置1´の斜視図
である。
【0086】符号2は自動縫いミシンであり、このミシ
ンの頭部に交換糸引出し装置1´が設けられている。図
1〜図13と同一符号の部材は、前記交換糸引出し装置
1と同様の部材であり、詳細な説明は省略する。
【0087】まず、構成について説明する。
【0088】交換糸引出し装置1´が交換糸引出し装置
1と相違する点は、まず、ミシン2の頭部にエアシリン
ダ311を設け、このエアシリンダのシリンダロッドに
ナックル312を介して駆動腕313の一端部を取付
け、他端部にはモータ314を固定している。さらに、
支点軸315を介して駆動腕313は長手方向の中間位
置でミシン頭部に対し回動自在に取り付けられている。
モータ55のモータ軸には、先端部に溝316、316
の形成されているナックル31が設けられている。
【0089】このナックル31は発明の実施の形態1に
おける駆動歯車9、従動歯車11に代えるもので、糸ク
ランプ14、ワイパ13及び既に説明したこれらの駆動
機構も設けられていない。符号32は上糸切りを行うメ
スであり、符号321は、このメスを駆動するエアシリ
ンダである。
【0090】次に、作用について説明する。
【0091】まず、ミシン2が糸切り動作に入る1〜数
針前の状態で前記上糸の交換装置により元糸T1と交換
糸T2とが糸結びされ、これによりミシン2は糸切り動
作に入り、元糸T1を縫目T3より切断する。
【0092】このときの状態が図14である。次に、図
15に示すように、シリンダ311の駆動により駆動腕
313を矢示w方向に回動する。これにより、ナックル
31は針3の針先に移動して、その溝316に元糸の端
部T12が係合する。そして、モータ314でナックル
31を矢示x方向に回転すると、上糸がナックル31の
周部分に巻取られ、図16に示すように、駆動腕313
を回動してナックル31を元の位置に戻すことにより、
元糸T1を針穴301から引き出すことができる。この
後、上糸を前記発明の実施の形態1と同様に、メス12
で切断することにより交換糸T2の引き出し作業を行う
ことができる。
【0093】以上説明した、交換糸引出し装置1´によ
れば、交換糸引出し装置1のように、糸クランプ14に
より元糸端部T12をクランプして元糸T1の引出しや
糸切りの位置決めをしたり、ワイパ13で糸クランプ1
4による糸クランプを容易にしたりする必要がなく、元
糸T1の引出しや糸切りの位置決めはナックル31を動
作することで行うことができるから、交換糸引出し装置
1より、少ない部品点数で、製造コストの低い、交換糸
引出し装置を提供することができる。
【0094】また、交換糸引出し装置1と同様に、検出
器15で結び目を検出し、元糸T1と交換糸T2との接
続ができなくても、その後の復旧作業を容易として、も
って縫製作業効率を高めるようにしてもよい。
【0095】モータ314の駆動を予め設定されている
所定時間内とすれば、交換糸引出し装置1と同様に、上
糸の引出しを所定長さとして、モータ314の駆動停止
時の結び目T0を適切な位置(メス12降下位置を少し
越えた位置など)となるように調節すれば、糸切り後の
上糸に元糸T1が残らず、また、交換糸T2を過剰に無
駄にしてしまうこともない。
【0096】前記回転センサ903でモータ314の回
転を検出するようにすれば、元糸T1からの異常な張力
変動を検出したときに、モータ314の駆動を停止し、
元糸T1と交換糸T2との結び目T0が糸経路中で引っ
掛かったり、大きな摩擦となったりした場合を異常な張
力変動として検出して針穴からの元糸の引出しを中止す
ることができ、交換糸T2が針穴301まで達しなかっ
たり、糸切れを生じるなどの事態を防止することもでき
る。また、この場合に、再開スイッチを操作しない限り
モータ314の駆動の再開もないようにすれば、その後
の縫製作業も行われず、上糸なしで針落ちがされること
もない。
【0097】メス32を前記メス12同様、昇降位置を
変更可能に構成し、モータ314の駆動時間をボリュー
ム161(図1参照)でマニュアル調節できるようにす
れば、針穴301通過済みの針穴301から先の交換糸
T2の長さを所望に調節できる。また、これらの調節に
より、糸切り後に、針穴301から先の交換糸T2に元
糸T1が残ったり、交換糸T2を過剰に無駄にしたりす
ることがない。
【0098】糸切り後、ナックル31には残り糸が巻き
付けられたままになっているが、次の糸交換時に手作業
により除去してもよいし、何度かの糸交換後にまとめて
除去するようにしてもよい。
【0099】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、元糸と
交換糸との接続に失敗した場合でも、その後の復旧作業
が容易で、もって縫製作業効率の高い、ミシンの交換糸
引出し装置を提供することができる。
【0100】請求項2に記載の発明によれば、交換糸へ
の確実な交換と交換糸の無駄な消費を防止することがで
きる、ミシンの交換糸引出し装置を提供することができ
る。
【0101】請求項3に記載の発明によれば、元糸と交
換糸との結び目が糸経路中で引っ掛かったり、大きな摩
擦となって、交換糸が針穴まで達しなかったり、糸切れ
を生じるなどの事態を防止することができる、ミシンの
交換糸引出し装置を提供することができる。
【0102】請求項4に記載の発明によれば、糸長さ調
節部により、針穴通過済みの針穴から先の交換糸長さを
所望に調節できる、ミシンの交換糸引出し装置を提供す
ることができる。
【0103】請求項5に記載の発明によれば、請求項4
に記載の発明と同様の効果を奏するほか、針穴通過済み
の針穴から先の交換糸長さを所望に調節しても、交換糸
への確実な交換と交換糸の無駄な消費を防止することが
できる、ミシンの交換糸引出し装置を提供することがで
きる。
【0104】請求項6に記載の発明によれば、切断後の
残り糸のかたずけが容易である、ミシンの交換糸引出し
装置を提供することができる。
【0105】請求項7に記載の発明によれば、元糸を針
穴から引き出すための元糸の捕捉を確実とする、ミシン
の交換糸引出し装置を提供することができる。
【0106】請求項8に記載の発明によれば、元糸部分
の切断を確実とする、ミシンの交換糸引出し装置を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1である交換糸引き出し
装置の斜視図。
【図2】この発明の実施の形態1である交換糸引き出し
装置の制御系の構成を示すブロック図。
【図3】この発明の実施の形態1である交換糸引き出し
装置の作用を説明するフローチャート。
【図4】この発明の実施の形態1である交換糸引き出し
装置の作用を説明するフローチャート。
【図5】この発明の実施の形態1である交換糸引き出し
装置の作用を説明する斜視図。
【図6】この発明の実施の形態1である交換糸引き出し
装置の作用を説明する斜視図。
【図7】この発明の実施の形態1である交換糸引き出し
装置の作用を説明する斜視図。
【図8】この発明の実施の形態1である交換糸引き出し
装置の糸クランプの断面図。
【図9】この発明の実施の形態1である交換糸引き出し
装置の作用を説明する斜視図。
【図10】この発明の実施の形態1である交換糸引き出
し装置の糸クランプの断面図。
【図11】この発明の実施の形態1である交換糸引き出
し装置の作用を説明する斜視図。
【図12】この発明の実施の形態1である交換糸引き出
し装置の作用を説明する斜視図。
【図13】この発明の実施の形態1である交換糸引き出
し装置の作用を説明する斜視図。
【図14】この発明の実施の形態2である交換糸引き出
し装置の斜視図。
【図15】この発明の実施の形態2である交換糸引き出
し装置の作用を説明する斜視図。
【図16】この発明の実施の形態2である交換糸引き出
し装置の作用を説明する斜視図。
【図17】この発明の実施の形態2である交換糸引き出
し装置の作用を説明する斜視図。
【図18】この発明の実施の形態1である交換糸引き出
し装置の変形例を説明する斜視図。
【符号の説明】
1 交換糸引出し装置 301 針穴 9 駆動歯車 12 メス 122 止めねじ 14 糸クランプ 144 バルブ 149 真空発生器 161 ボリューム 903 回転センサ 11 従動歯車 15 結び目検出器 22 CPU 41´ 糸取りばね 42´ 糸結び検出器 1´ 交換糸引出し装置 31 ナックル T1 元糸 T11 元糸端部(糸巻側) T12 元糸端部(針側) T2 交換糸 T21 交換糸端部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】糸巻と針穴との間の糸経路で切断された元
    糸の切断端部側と糸引出し端部側で接続されている交換
    糸を、前記元糸を前記針穴から引き出すことで糸巻側か
    ら引出して針穴に通す糸通し部と、 前記両糸の接続作業後、この接続がなされなかったこと
    を検出する検出部と、 この接続がされなかったことが検出されたときは、前記
    糸通し部による前記元糸の引出し及びその後の縫製作業
    を中止する制御部とを備えている、ミシンの交換糸引出
    し装置。
  2. 【請求項2】糸巻と針穴との間の糸経路で切断された元
    糸の切断端部側と糸引出し端部側で接続されている交換
    糸を、前記元糸を前記針穴から引き出すことで糸巻側か
    ら引出して針穴に通す糸通し部と、 前記両糸の接続後、この接続がされたことを検出する検
    出部とを備え、 前記糸通し部は、 前記接続が検出された後に、前記針穴から前記元糸の針
    穴通過済部分を牽引して、予め設定された所定糸長さを
    前記針穴から引出すことにより、前記交換糸を前記針穴
    に通すものである、ミシンの交換糸引出し装置。
  3. 【請求項3】糸巻と針穴との間の糸経路で切断された元
    糸の切断端部側と糸引出し端部側で接続されている交換
    糸を、前記元糸を前記針穴から引き出すことで糸巻側か
    ら引出して針穴に通す糸通し部と、 前記元糸の針穴通過済部分を捕捉する捕捉部とを備え、 前記糸通し部は、 前記両糸の接続後、前記捕捉状態にある前記捕捉部を駆
    動することで前記元糸を前記針穴から引出すものであ
    り、 前記元糸引出し作業中に、前記捕捉部が前記元糸から受
    ける張力の変動を検出する検出部と、 この張力変動が所定の状態となったときは、前記糸通し
    部による前記元糸の引出し及びその後の縫製作業を中止
    する制御部とを備えている、ミシンの交換糸引出し装
    置。
  4. 【請求項4】糸巻と針穴との間の糸経路で切断された元
    糸の切断端部側と糸引出し端部側で接続されている交換
    糸を、前記元糸を前記針穴から引き出すことで糸巻側か
    ら引出して針穴に通す糸通し部と、 この糸通し後、前記針穴通過済の糸を前記針穴から所定
    長さを残して切断する糸切断部と、 この残される所定糸長さを調節する糸長さ調節部とを備
    えている、ミシンの交換糸引出し装置。
  5. 【請求項5】前記糸通し部は、 前記所定糸長さを調節する糸長さ調節部を備えている、
    請求項4に記載のミシンの交換糸引出し装置。
  6. 【請求項6】糸巻と針穴との間の糸経路で切断された元
    糸の切断端部側と糸引出し端部側で接続されている交換
    糸を、前記元糸を前記針穴から引き出すことで糸巻側か
    ら引出して針穴に通す糸通し部と、 この糸通し後、前記針穴通過後の糸を前記針穴から所定
    長さを残して切断する糸切断部と、 この切断後の切り落とされた糸を吸引して回収する切落
    し糸回収部とを備えている、ミシンの交換糸引出し装
    置。
  7. 【請求項7】糸巻と針穴との間の糸経路で切断された元
    糸の切断端部側と糸引出し端部側で接続されている交換
    糸を、前記元糸を前記針穴から引き出すことで糸巻側か
    ら引出して針穴に通す糸通し部を備え、 この糸通し部は、 前記接続後の元糸の針穴通過済部分を捕捉部で捕捉し
    て、この捕捉部を駆動して前記元糸を前記針穴から引き
    出すものであり、 前記元糸の針穴側端部を捕捉して前記捕捉部による元糸
    捕捉の位置決めを行う位置決め部とを備えている、ミシ
    ンの交換糸引出し装置。
  8. 【請求項8】糸巻と針穴との間の糸経路で切断された元
    糸の切断端部側と糸引出し端部側で接続されている交換
    糸を、前記元糸を前記針穴から引き出すことで糸巻側か
    ら引出して針穴に通す糸通し部と、 この糸通し後、前記針穴通過済の糸を前記針穴から所定
    長さを残して切断する糸切断部と、 前記元糸の針穴側端部を捕捉して前記針穴通過済の糸に
    流れ方向を一定として所定の張力を与え、前記切断作業
    のための位置決めをする位置決め部とを備えている、ミ
    シンの交換糸引出し装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6907834B2 (en) 2003-01-22 2005-06-21 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Sewing machine
US6941881B2 (en) 2003-01-22 2005-09-13 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Sewing machine
EP1967629A1 (en) * 2007-03-06 2008-09-10 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Sewing machine with upper thread cutting and holding mechanisms

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