JPH08277288A - テトラゾール化合物の製造法 - Google Patents

テトラゾール化合物の製造法

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JPH08277288A
JPH08277288A JP8114895A JP8114895A JPH08277288A JP H08277288 A JPH08277288 A JP H08277288A JP 8114895 A JP8114895 A JP 8114895A JP 8114895 A JP8114895 A JP 8114895A JP H08277288 A JPH08277288 A JP H08277288A
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water
organic solvent
tetrazole compound
general formula
stirring
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JP8114895A
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English (en)
Inventor
Hideki Ushio
英樹 牛尾
Katsuichi Yasunaga
勝一 安永
Hiroshi Sogabe
博 曽我部
Takahiro Kodera
隆博 小寺
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】テトラゾ−ル化合物の工業的有利な製造法を提
供すること。 【構成】アミド類(3)(式中、R1 は水素原子、ハロ
ゲン原子、ニトロ基、水酸基、炭素数1から20のアル
キル基、炭素数1から20のアルコキシ基またはR2
ONHを示す。ここでR2 は、R3 で置換されていても
よいフェニル基を示し、R3 は、フェニル基で置換され
ていてもよい炭素数1から20のアルキル基またはフェ
ニル基で置換されていてもよい炭素数1から20のアル
コキシ基を示す。)と脱水剤とを有機溶媒の存在下、反
応させ得られたニトリル類(2)を単離することなくア
ジド類と反応させるテトラゾール化合物(1)またはそ
の塩の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2−(テトラゾール−
5−イル)−4−オキソ−4H−ベンゾピラン誘導体の
工業的に有利な製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】2−(テトラゾール−5−イル)−4−
オキソ−4H−ベンゾピラン誘導体の製造法としては、
2−カルバモイル−4−オキソ−4H−ベンゾピランに
ベンゼンスルホニルクロリドをピリジンの存在下に反応
させ、次いで得られた2−シアノ−4−オキソ−4H−
ベンゾピランにナトリウムアジドを反応させる方法が知
られている(Journal of Medicina
l Chemistry, 1972, Vol.1
5, No.8,p865−867)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記二
工程の通算収率は、工業的製造法としては必ずしも充分
なものとは言い難いものであり、また、最終生成物のテ
トラゾール化合物を晶析により単離する際、撹拌による
剪断力により結晶が粉砕され微細な結晶となってしばし
ば濾過性が悪くなることから、工業的製造法としては必
ずしも充分なものとは言い難いものであった。本発明の
課題は、反応収率に優れ、濾過性のよいテトラゾール化
合物の工業的有利な製造法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、2−(テ
トラゾール−5−イル)−4−オキソ−4H−ベンゾピ
ラン類の濾過性の良い結晶の製造法を開発すると同時に
2−カルバモイル−4−オキソ−4H−ベンゾピラン類
より2−(テトラゾール−5−イル)−4−オキソ−4
H−ベンゾピラン類を工業的に有利に製造する方法の開
発について鋭意検討を重ねた結果、本発明に至った。即
ち、本発明は、 一般式(1) (式中、R1 は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、水
酸基、炭素数1から20のアルキル基、炭素数1から2
0のアルコキシ基またはR2 CONHを示す。ここでR
2 は、R3 で置換されていてもよいフェニル基を示し、
3 は、フェニル基で置換されていてもよい炭素数1か
ら20のアルキル基またはフェニル基で置換されていて
もよい炭素数1から20のアルコキシ基を示す。)で示
されるテトラゾール化合物を水に非混和性の有機溶媒に
溶解または懸濁させ、得られた液を撹拌下に水中に注ぎ
撹拌を続けながら有機溶媒を留去し、テトラゾール化合
物の結晶を水中に析出させることを特徴とするテトラゾ
ール化合物の製造法または、上記一般式(1)で示され
るテトラゾール化合物またはその塩を、水と混和性の有
機溶媒またはそれと水との混合溶媒に溶解または懸濁さ
せ、得られた液を水に非混和性の有機溶媒と共に、撹拌
下に水中に注ぎ撹拌を続けながら有機溶媒を留去し、テ
トラゾール化合物の結晶を水中に析出させることを特徴
とするテトラゾール化合物の製造法を提供するものであ
る。
【0005】以下、本発明について詳細に説明する。ま
ず、テトラゾール化合物(1)の結晶化について説明す
る。本発明に用いられるテトラゾール化合物(1)とし
ては、例えば、2−(テトラゾール−5−イル)−4−
オキソ−4H−ベンゾピラン、8−ニトロ−2−(テト
ラゾール−5−イル)−4−オキソ−4H−ベンゾピラ
ン、6−クロロ−2−(テトラゾール−5−イル)−4
−オキソ−4H−ベンゾピラン、5−ヒドロキシ−2−
(テトラゾール−5−イル)−4−オキソ−4H−ベン
ゾピラン、5−メトキシ−2−(テトラゾール−5−イ
ル)−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、8−[4−
(4−フェニルブトキシ)ベンゾイル]アミノ−2−
(テトラゾール−5−イル)−4−オキソ−4H−ベン
ゾピラン、7−メトキシ−2−(テトラゾール−5−イ
ル)−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、7−ヒドロキ
シ−2−(テトラゾール−5−イル)−4−オキソ−4
H−ベンゾピラン等の4−オキソ−4H−ベンゾピラニ
ル基を有するテトラゾール化合物が挙げられる。
【0006】水と非混和性の有機溶媒としては特には限
定されないが、水との混和性を有しないものであり、水
と混合し静置したとき、水と分液された状態になる有機
溶媒であれば使用できる。かかる有機溶媒としては、例
えば、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、ニト
リル、非水溶性ケトン、非水溶性エステルなどが挙げら
れ、具体的には、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トル
エン、キシレン、クロルベンゼン、ジクロルエタン、t
−ブチルメチルエーテル、メチルイソブチルケトン、酢
酸エチル、酢酸イソプロピルなどであり、留去の容易性
からかかる有機溶媒は、炭素数1〜10程度のものが好
ましい。
【0007】テトラゾール化合物(1)を溶解または懸
濁する際の温度は特に限定されないが、例えば、室温〜
沸点の範囲で適宜選択することができる。また、溶液ま
たは懸濁液のテトラゾール化合物(1)の濃度は、特に
限定されないが、例えば、0.1%(W/W)〜90%(W/
W)の範囲から適宜選択することができる。懸濁液として
は、流動性を有することが好ましい。かくして得られた
溶液または懸濁液を、撹拌の施されている水中に酸性を
保ちながら注入していき、注入された溶液または懸濁液
が水中で分散した状態、好ましくは液滴となって分散し
た状態を維持するよう撹拌を続けながら、有機溶媒を蒸
発させ留去する。
【0008】この際攪拌に用いられる撹拌翼としては通
常用いられている、パドル翼、タービン翼、後退翼、ブ
ルマージン翼等が挙げられる。反応条件等により、テト
ラゾール化合物(1)が共役塩基または塩類となる可能
性がある場合には、水中の液性を酸性に保つために酸性
物質を用いることが望ましく、このような酸性物質とし
ては例えば、塩酸、硫酸、りん酸、メタンスルホン酸、
トリフルオロメタンスルホン酸、酢酸等が挙げられる
が、特に好ましくはりん酸、酢酸が挙げられる。酸性物
質の使用量は、有機溶媒の留去時および終了した時点
で、水層のpHを4以下に保つ量であればよい。水の量
は特に限定されないが、用いる有機溶媒が水と共沸混合
物を形成する場合には、有機溶媒の留去が終了したとき
に、攪拌が保てる程度の水が系中に残存しているように
適宜選択すればよい。
【0009】有機溶媒の留去の際の温度は、通常、有機
溶媒が蒸発により留去され得る温度以上であればよく、
例えば、有機溶媒の沸点以上もしくは有機溶媒が水との
共沸混合物を形成する場合にはその共沸点以上である。
また、有機溶媒の留去は、加圧下でも減圧下でも行うこ
とができるので、それに対応して有機溶媒の留去温度も
適宜変更すればよい。なお、使用するテトラゾール化合
物(1)が熱的に不安定な場合には減圧下で実施するの
が好ましい。また溶液または懸濁液が水中で分散した状
態を維持するために分散剤を適宜用いることができる。
有機溶媒の留去後、結晶化して成長した粒子は有機溶媒
が留去されて残った水中に析出する。析出した粒子は、
例えばろ過により容易に単離することができる。
【0010】本発明において、テトラゾール化合物
(1)は、その塩としても取り扱うことができ、かかる
テトラゾール化合物の塩としては、例えば、テトラゾー
ル化合物(1)として上述した4−オキソ−4H−ベン
ゾピラニル基を有するテトラゾール化合物のアンモニウ
ム塩または金属塩が挙げられる。アンモニウム塩として
は、アンモニア、トリエチルアミン、ピリジン、2−メ
チル−5−エチルピリジン等その共役酸が水溶性である
アミン類が例示できる。金属塩としてはリチウム塩、ナ
トリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等のアルカリ金
属またはアルカリ土類金属の塩が例示できる。 重金属
は一般にそのテトラゾール塩が爆発性を有することが知
られており適当ではない。
【0011】テトラゾール化合物の塩を用いる場合に
は、まず該塩を水に混和性の有機溶媒に溶解または懸濁
させて用いる。かかる有機溶媒としてはメタノール、エ
タノール、t−ブタノールなどの低級アルコール類、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド等のアミド類、アセトニトリル等のニトリル類
の単独または水との混合物が挙げられる。 その使用量
は、特に制限されるものではないが、その液が流動性を
保つことができる量が好ましい。
【0012】このようにして得られたテトラゾール化合
物の塩の溶液または懸濁液を、水に非混和性の有機溶媒
と共に水中に注ぐ以外は、テトラゾール化合物(1)の
場合と同様に行うことによりテトラゾール化合物(1)
の塩の結晶を水中に析出させることができる。この場合
の水に非混和性の有機溶媒としては、テトラゾール化合
物(1)に用いるものと同様の溶媒が挙げられる。その
使用量は、特に限定されないが、用いた水に混和性の有
機溶媒の留去が終了したときに、非混和性の有機溶媒が
系中に残存しているように適宜選択することができる。
テトラゾール化合物(1)を酸の状態で単離する場合に
は、系中を酸性に保つことによりテトラゾール化合物
(1)の結晶を析出させることができる。
【0013】つぎに、テトラゾール化合物(1)の製造
法について説明する。本発明に用いられるテトラゾール
化合物(1)は、例えば、Journalof Med
icinal Chemistry, 1972, V
ol.15, No.8,p865に記載の方法により
製造することができるが、以下の方法によって、より工
業的に有利に製造することができる。
【0014】一般式(3) (式中、R1 は前記と同じ意味を表わす。)で示される
アミド類と脱水剤とを有機溶媒の存在下、反応させ得ら
れた一般式(2) で示されるニトリル類を単離することなくアジド類と反
応させることにより一般式(1)で示されるテトラゾー
ル化合物またはその塩が得られる。
【0015】アミド類(3)と脱水剤とを有機溶媒の存
在下、反応させニトリル類(2)を得る反応に於いて、
用いられるアミド類(3)としては、2−カルバモイル
−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、8−ニトロ−2−
カルバモイル−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、6−
クロロ−2−カルバモイル−4−オキソ−4H−ベンゾ
ピラン、5−ヒドロキシ−2−カルバモイル−4−オキ
ソ−4H−ベンゾピラン、5−メトキシ−2−カルバモ
イル−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、8−[4−
(4−フェニルブトキシ)ベンゾイル]アミノ−2−カ
ルバモイル−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、7−メ
トキシ−2−カルバモイル−4−オキソ−4H−ベンゾ
ピラン、7−ヒドロキシ−2−カルバモイル−4−オキ
ソ−4H−ベンゾピラン、等の4−オキソ−4H−ベン
ゾピラニル基を有するアミド類が挙げられる。
【0016】本反応で用いられる溶媒としては、脱水剤
とアジド類の両方に不活性な溶媒であればよいが、好ま
しくはN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、一
般式(4) (式中、R4 は、同一または相異なり、低級アルキル基
を示し、nは1または2である。)で示されるアルキル
ピリジン類であり、具体的には、ピコリン、5−エチル
−2−メチル−ピリジン等のアルキルピリジン類であ
る。より好ましくは、不純物の生成が少ない点、またア
ルカリ性で水と分液でき回収が容易である点、更には次
工程にてアジド試薬を加えた場合に生じる有毒爆発性の
アジ化水素と塩を形成し気体状のアジ化水素を発生せず
安全上および作業環境上有利である点から、5−エチル
−2−メチル−ピリジン等のジアルキルピリジン類であ
る。
【0017】また、これらの溶媒は、該反応に不活性な
他の溶媒との混合物として用いることもできる。単独で
用いる場合には、アミド類(3)に対して一般的には、
0.5〜50倍重量であるが、他溶媒との混合物で用い
る場合には、その混合溶媒の比率として1から99重量
%の範囲で用いられ、使用量についても特に制限はな
い。 他溶媒としては、炭化水素、ハロゲン化炭化水
素、エーテル、などの溶媒が挙げられ、具体的には、ヘ
キサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ク
ロルベンゼン、ジクロルエタン、ジエチルエーテル、t
−ブチルメチルエーテル、などが挙げられる。
【0018】脱水剤としては、例えば、塩化チオニル、
五酸化リン、五塩化リン、無水酢酸、クロルギ酸エステ
ル、オキシ塩化リンまたはホスゲン等が用いられるが、
その使用量は、アミド類(3)1当量に対して、通常、
1から50当量、より好ましくは1.5から10当量で
ある。溶媒、脱水剤とアミド類(3)の仕込順序につい
ては、特に制限はなく、時間的な制限もない。 反応温
度は、特に制限されるものではないが、基質により変化
し、概ね−50℃から200℃、より好ましくは、−2
0℃から150℃である。 反応時間は、特に制限され
るものではないが、液体クロマトグラフィー等の手段に
よる原料消失の確認時点を反応終点とすることができ
る。反応終了後、生成したニトリル類(2)は反応混合
物に水またはアルカリ水溶液を加えることにより単離で
きるが、単離せずにそのままテトラゾール化することが
できる。
【0019】このようにして得られたニトリル類(2)
を含む反応混合物にアジド類を加え反応させることによ
りテトラゾール化することができるが、アジド類の使用
量を削減するためにアジド類を加える前に、反応混合物
に水を加えることが望ましい。水の使用量は、前工程に
て使用した脱水剤の過剰分に対し、1当量倍以上あれば
よく、好ましくは1から100当量倍程度である。アジ
ド類としては、ナトリウムアジド、トリアルキル錫アジ
ド、トリメチルシリルアジド等が例示される。また本反
応は、塩化アンモニウム、ジブチル錫オキシド、トリメ
チルアルミニウム、塩化アルミニウム等の触媒を用いて
実施することもできる。アジド類の使用量は、ニトリル
類(2)に対し、通常、1〜10モル倍程度である。
【0020】反応温度は、特に制限されるものではない
が、基質により変化し、概ね−50℃から200℃、よ
り好ましくは、−20℃から150℃である。 反応時
間は、特に制限されるものではないが、液体クロマトグ
ラフィー等の手段による原料消失の確認時点を反応終点
とすることができる。
【0021】また、単離したニトリル類(2)を用いる
場合には、ニトリル類(2)を有機溶媒存在下にアジド
類と反応させる。 この場合、用いられるニトリル類
(2)としては例えば、2−シアノ−4−オキソ−4H
−ベンゾピラン、8−ニトロ−2−シアノ−4−オキソ
−4H−ベンゾピラン、6−クロロ−2−シアノ−4−
オキソ−4H−ベンゾピラン、5−ヒドロキシ−2−シ
アノ−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、5−メトキシ
−2−シアノ−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、8−
[4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾイル]アミノ−
2−シアノ−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、7−メ
トキシ−2−シアノ−4−オキソ−4H−ベンゾピラ
ン、7−ヒドロキシ−2−シアノ−4−オキソ−4H−
ベンゾピラン、等の4−オキソ−4H−ベンゾピラニル
基を有するニトリル類である。用いられる有機溶媒とし
ては、アジド類に不活性な溶媒が用いられ、前述の溶媒
に加えてアルコール類が挙げられ、具体的には、n−ブ
タノール、t−ブタノール、エタノール、メタノール等
が挙げられる。アジド類、反応温度等その他の条件は、
前述した場合と同様である。
【0022】反応終了確認後、反応混合物を酸性に保っ
た水中に注ぎ溶媒を留去することにより反応混合物より
テトラゾール化合物(1)を単離することができる。こ
のようにしてニトリル類(2)またはアミド類(3)よ
りテトラゾール化合物(1)を得ることができるが、過
剰のアジド類によるアジ化水素の発生を防ぐために、反
応混合物に予め亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム等の
亜硝酸塩を添加することが望ましい。亜硝酸塩の使用量
は、過剰のアジド類に対し1モル倍〜100モル倍程度
である。
【0023】反応混合物から結晶の単離については、前
述のテトラゾール化合物(1)の結晶化と同様の条件で
行うことにより、ろ過性のよい結晶を得ることができ
る。反応溶媒にアルキルピリジン類(4)を用いた場合
は、酸とピリジニウム塩を形成し水層に溶解し結晶から
取り除くことができる。 反応溶媒に水と混和性の溶媒
を用いた場合には、前述のテトラゾール化合物の塩の結
晶化の場合と同様の条件で行うことにより、ろ過性のよ
い結晶を得ることができる。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、テトラゾール化合物を
効率よく製造でき、また粒径の大きな結晶を効率よく析
出させることができることから、工業的製造法として有
利である。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 (実施例1)3枚後退翼のついた撹拌器を装着した0.
5lセパラブルフラスコに水300mlを仕込み、りん
酸でpH2に調整した。55℃に保温し、1200rp
mで撹拌しながら、8−[4−(4−フェニル−1−ブ
トキシ)ベンゾイル]アミノ−2−(テトラゾール−5
−イル)−4−オキソ−4H−ベンゾピラン10gをト
ルエン150mlに懸濁させたものを約60分かけてフ
ラスコ内に注いだ。同時に減圧下(200mmHg)に
トルエン−水の共沸混合物を蒸発留出させた。この時系
内の温度を52〜56℃に保持した。注下終了後まもな
くトルエンの留出は終了し、結晶が水中に析出した。セ
パラブルフラスコを冷却し、40mmφの桐山ロートを
用い水流減圧で濾過した。濾過時間は約40秒であっ
た。得られた結晶を乾燥させ、平均粒子径1.5mmの
結晶が得られた。
【0026】(実施例2)3枚後退翼のついた撹拌器を
装着した0.5lセパラブルフラスコに水300mlを
仕込み、りん酸でpH2に調整し、55℃、1200r
pmで撹拌した。8−[4−(4−フェニル−1−ブト
キシ)ベンゾイル]アミノ−2−(テトラゾール−5−
イル)−4−オキソ−4H−ベンゾピラン10gをエタ
ノール−2%炭酸水素ナトリウム水(1:2)150m
lに熱時溶解させ、得られた溶液(70℃に保温して使
用)をトルエン200mlと共にフラスコ内に約1時間
かけて滴下した。同時に減圧下(200mmHg)にト
ルエン−エタノール−水の共沸混合物を蒸発留去させ
た。セパラブルフラスコを冷却し、40mmφの桐山ロ
ートを用い水流減圧で濾過した。濾過時間は約40秒で
あった。得られた結晶を乾燥させた。 平均粒子径1.
2mmの結晶が得られた。
【0027】(実施例3)8−[4−(4−フェニル−
1−ブトキシ)ベンゾイル]アミノ−2−シアノ−4−
オキソ−4H−ベンゾピラン10gを70mlのN,N
−ジメチルホルムアミドに溶解させ、1.2gのNH4
Clと1.5gのNaN3 を50℃で加えた。75℃で
2時間保温し反応終了を確認後、40℃でNaNO
2 1.9gを加えた。別のフラスコ(3枚後退翼のつい
た撹拌器を装着した0.5lセパラブルフラスコ)に水
300mlを仕込み、りん酸でpH2に調製しておき、
上記反応混合物と200mlのモノクロロベンゼンを5
5℃で、800rpmで撹拌しながら併注した。フラス
コ内を100mmHgに減圧し、併注と同時にモノクロ
ロベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミドおよび水を
蒸発留去した。 併注終了後まもなく留出が終了し、水
中に析出した結晶を室温で、40mmφの桐山ロートを
用い水流減圧で濾過した。濾過時間は約30秒であっ
た。得られた8−[4−(4−フェニル−1−ブトキ
シ)ベンゾイル]アミノ−2−(テトラゾール−5−イ
ル)−4−オキソ−4H−ベンゾピランの結晶を乾燥さ
せた。(10.6g、収率98%)平均粒子径3mmの
結晶が得られた。
【0028】(実施例4)8−[4−(4−フェニル−
1−ブトキシ)ベンゾイル]アミノ−2−シアノ−4−
オキソ−4H−ベンゾピラン10gを300mlのトル
エンに溶解させ、8.0gのトリメチルシリルアジドと
0.6gのジブチル錫オキシドを加え、95℃で72時
間保温した。反応終了後、反応混合物を100mmHg
で一部濃縮し過剰のトリメチルシリルアジドを回収し
た。 濃縮後、メタノール100mlと水50mlを加
え、50℃で炭酸水素ナトリウム3.8gを加え、熱時
濾過をした。 別のフラスコ(3枚後退翼のついた撹拌
器を装着した0.5lセパラブルフラスコ)に水300
mlを入れりん酸2.0gを仕込み、次いで上記で得ら
れた濾液とトルエン200mlを80℃、1200rp
mで撹拌しながら約1時間で注いだ。 同時に100m
mHgの減圧下トルエン/水/メタノールを留去した。
このとき内温を60℃に保った。 注下終了し、トルエ
ンの留出が終了後、水中に析出した結晶を室温で40m
mφの桐山ロートを用い水流減圧で濾過した。濾過時間
は約40秒であった。得られた8−[4−(4−フェニ
ル−1−ブトキシ)ベンゾイル]アミノ−2−(テトラ
ゾール−5−イル)−4−オキソ−4H−ベンゾピラン
の結晶を乾燥させた。(10.6g、収率98%)。平
均粒子径1.5mmの結晶が得られた。
【0029】(実施例5)8−[4−(4−フェニル−
1−ブトキシ)ベンゾイル]アミノ−2−カルバモイル
−4−オキソ−4H−ベンゾピラン5.78gを30m
lの2−メチル−5−エチル−ピリジンにオキシ塩化リ
ン3.46gを加え65℃で2時間保温した。 次いで
8−[4−(4−フェニル−1−ブトキシ)ベンゾイ
ル]アミノ−2−カルバモイル−4−オキソ−4H−ベ
ンゾピラン5.78gを30℃で加え、35℃で5時間
保温した。 反応終了確認後、2.44gの水を加え、
引き続き70℃で0.42gのアジ化ナトリウムを加え
3時間保温した。室温まで冷却後、亜硝酸ナトリウム
1.57gを加えた。 別のフラスコ(3枚後退翼のつ
いた撹拌器を装着した0.5lセパラブルフラスコ)に
水300mlとりん酸23.3gを加え55℃、120
0rpmで撹拌した。 上記反応混合物とトルエン10
0mlを1200rpmで撹拌しながら約2時間で注い
だ。 同時に減圧下(100mmHg)にトルエン−水
を留去した。このとき内温を55℃に保った。 注下終
了後まもなくトルエンの留出が終了し、水中に析出した
結晶を室温で40mmφの桐山ロートを用い水流減圧で
濾過した。濾過時間は約30秒であった。次いで、結晶
を水、メタノールで洗浄後、乾燥し8−[4−(4−フ
ェニル−1−ブトキシ)ベンゾイル]アミノ−2−(テ
トラゾール−5−イル)−4−オキソ−4H−ベンゾピ
ランの結晶を得た。得られた結晶を乾燥させた(5.7
5g、収率95%)。 平均粒子径1.5mmの結晶が
得られた。
【0030】(比較例1)実施例3において、反応終了
後10%塩酸50mlを1時間かけて滴下し、析出した
結晶を40mmφの桐山ロートを用い水流減圧で濾過し
た。濾過時間は5分以上であった。得られた結晶を乾燥
させた(10.4g、収率96%)。得られた結晶の平
均粒子径は0.1mm以下であった。
【0031】(比較例2)3枚後退翼のついた撹拌器を
装着した0.5lセパラブルフラスコに8−[4−(4
−フェニル−1−ブトキシ)ベンゾイル]アミノ−2−
(テトラゾール−5−イル)−4−オキソ−4H−ベン
ゾピラン10gをエタノール/2%炭酸水素ナトリウム
水(1:2)150mlに熱時溶解させ、800rpm
で攪拌させながら、得られた溶液に70℃で10%塩酸
20mlを約30分で滴下し、結晶を析出させ、40m
mφの桐山ロートを用い水流減圧で濾過した。濾過時間
は5分以上であった。得られた結晶の平均粒子径は0.
1mm以下であった。
【0032】(比較例3)実施例5において、2−メチ
ル−5−エチル−ピリジンに換えてピリジン30mlを
用いる以外は実施例5と同様に行ったが、反応混合物が
黒色にタール状となり目的物を取り出すことができなか
った。
【0033】(比較例4)8−[4−(4−フェニル−
1−ブトキシ)ベンゾイル]アミノ−2−カルバモイル
−4−オキソ−4H−ベンゾピラン20gを150ml
のアセトニトリル中に懸濁させ、2〜3℃で12.1g
のオキシ塩化リンを滴下したが、全く反応が進行しなか
った。
【0034】(比較例5)8−[4−(4−フェニル−
1−ブトキシ)ベンゾイル]アミノ−2−カルバモイル
−4−オキソ−4H−ベンゾピラン20gを150ml
のN,N−ジメチルホルムアミド中に溶解させ、2〜3
℃で12.1gのオキシ塩化リンを滴下し、1時間同温
度で攪拌した。反応混合物を水中に注いだ後、濾過し8
−[4−(4−フェニル−1−ブトキシ)ベンゾイル]
アミノ−2−シアノ−4−オキソ−4H−ベンゾピラン
18.7g(収率91%)を得た。上記で得られた化合
物5.33gを35mlのN,N−ジメチルホルムアミ
ド中に溶解させ、0.6gの塩化アンモニウムと0.8
gのアジ化ナトリウムを50℃で加えた。70℃で2時
間保温し、反応終了を確認後、20mlの10%塩酸を
滴下し、40℃で亜硝酸ナトリウム1.0gを加えた。
析出した結晶を室温で40mmφの桐山ロートを用い水
流減圧で濾過した。濾過時間は5分以上であった。得ら
れた8−[4−(4−フェニル−1−ブトキシ)ベンゾ
イル]アミノ−2−(テトラゾール−5−イル)−4−
オキソ−4H−ベンゾピランを5.0g(収率88%)
得た。得られた結晶の平均粒子径は0.1mm以下であ
った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小寺 隆博 大阪府大阪市此花区春日出中3丁目1番98 号 住友化学工業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) (式中、R1 は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、水
    酸基、炭素数1から20のアルキル基、炭素数1から2
    0のアルコキシ基またはR2 CONHを示す。ここでR
    2 は、R3 で置換されていてもよいフェニル基を示し、
    3 は、フェニル基で置換されていてもよい炭素数1か
    ら20のアルキル基またはフェニル基で置換されていて
    もよい炭素数1から20のアルコキシ基を示す。)で示
    されるテトラゾール化合物を水に非混和性の有機溶媒に
    溶解または懸濁させ、得られた液を撹拌下に水中に注ぎ
    撹拌を続けながら有機溶媒を留去し、テトラゾール化合
    物の結晶を水中に析出させることを特徴とするテトラゾ
    ール化合物の製造法。
  2. 【請求項2】前記一般式(1)で示されるテトラゾール
    化合物またはその塩を、水と混和性の有機溶媒またはそ
    れと水との混合溶媒に溶解または懸濁させ、得られた液
    を水に非混和性の有機溶媒と共に、撹拌下に水中に注ぎ
    撹拌を続けながら有機溶媒を留去し、テトラゾール化合
    物の結晶を水中に析出させることを特徴とするテトラゾ
    ール化合物またはその塩の製造法。
  3. 【請求項3】一般式(2) (式中、R1 は前記と同じ意味を表わす。)で示される
    ニトリル類とアジド類とを有機溶媒存在下に反応させ、
    得られた前記一般式(1)で示されるテトラゾール化合
    物またはその塩を含有する反応混合物を水に非混和性の
    有機溶媒と共に、撹拌下に水中に注ぎ撹拌を続けながら
    有機溶媒を留去し、テトラゾール化合物の結晶を水中に
    析出させることを特徴とするテトラゾール化合物の製造
    法。
  4. 【請求項4】一般式(3) (式中、R1 は前記と同じ意味を表わす。)で示される
    アミド類と脱水剤とを有機溶媒の存在下、反応させ得ら
    れた一般式(2)で示されるニトリル類を単離すること
    なくアジド類と反応させ、得られた前記一般式(1)で
    示されるテトラゾール化合物またはその塩を含有する反
    応混合物を水に非混和性の有機溶媒と共に、撹拌下に水
    中に注ぎ撹拌を続けながら有機溶媒を留去し、テトラゾ
    ール化合物の結晶を水中に析出させることを特徴とする
    テトラゾール化合物の製造法。
  5. 【請求項5】反応溶媒が、N,N−ジメチルホルムアミ
    ドまたは一般式(4) (式中、R4 は、同一または相異なり、低級アルキル基
    を示し、nは1または2である。)で示されるアルキル
    ピリジン類である請求項3または4記載のテトラゾール
    化合物の製造法。
  6. 【請求項6】反応溶媒が、前記一般式(4)で示される
    アルキルピリジン類である請求項3または4記載のテト
    ラゾール化合物の製造法。
  7. 【請求項7】前記一般式(3)で示されるアミド類と脱
    水剤とを前記一般式(4)で示されるアルキルピリジン
    類の存在下に反応させ、得られた一般式(2)で示され
    るニトリル類を単離することなくアジド類と反応させる
    ことを特徴とするテトラゾール化合物の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002085880A1 (fr) * 2001-04-19 2002-10-31 Ono Pharmaceutical Co., Ltd. Procede de fabrication d'un compose de nitrile

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