JP2006176538A - テトラゾール化合物の製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】テトラゾール化合物の工業的有利な製法を提供すること。
【解決手段】アミド類(3)と脱水剤を有機溶媒の存在下に反応させて得たニトリル類(2)を単離することなくアジド類と反応させてテトラゾール化合物(1)を得る方法であって、上記化合物を含む反応混合物を水と非混和性の有機溶媒と共に、攪拌下に水中に注ぎ攪拌を続けながら上記有機溶媒を留去し、テトラゾール化合物を得る。
Figure 2006176538

Figure 2006176538

Figure 2006176538

(式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、水酸基、アルキル等を;R2はR3で置換されていてもよいフェニル;R3はフェニルで置換されてもよい炭素数1〜20のアルキル基またはフェニル基で置換されてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、2−(テトラゾール−5−イル)−4−オキソ−4H−ベンゾピラン誘導体(以下、テトラゾール化合物ということもある)の工業的に有利な製造法に関する。
2−(テトラゾール−5−イル)−4−オキソ−4H−ベンゾピラン誘導体の製造法としては、2−カルバモイル−4−オキソ−4H−ベンゾピランにベンゼンスルホニルクロリドをピリジンの存在下に反応させ、次いで得られた2−シアノ−4−オキソ−4H−ベンゾピランにナトリウムアジドを反応させる方法が知られている(Journal of Medicinal Chemistry, 1972, Vol.15, No.8,p865−867)。
しかしながら、上記二工程の通算収率は、工業的製造法としては、必ずしも十分なものとは言い難いものである。また、最終生成物のテトラゾール化合物を晶析により単離すると、晶析により生成した結晶が撹拌による剪断力によって破砕される結果、微細な結晶となってしばしば濾過性が悪くなる。したがって、従来の技術は、工業的製造法としては必ずしも充分なものではない。
本発明の課題は、反応収率に優れ、濾過性の良いテトラゾール化合物を、工業的にも有利に製造する方法を提供することである。
本発明者らは、2−(テトラゾール−5−イル)−4−オキソ−4H−ベンゾピラン類の濾過性の良い結晶の製造法を開発すると同時に、2−カルバモイル−4−オキソ−4H−ベンゾピラン類より2−(テトラゾール−5−イル)−4−オキソ−4H−ベンゾピラン類を工業的にも有利に製造する方法の開発について鋭意検討を重ねた結果、本発明に至った。
即ち、本発明は、一般式(3)で示されるアミド類と脱水剤とを、有機溶媒の存在下に反応させて得た一般式(2)で示されるニトリル類を単離することなく、アジド類と反応させ、得られた前記一般式(1)で示されるテトラゾール化合物またはその塩を得る方法であって、上記反応により得られたテトラゾール化合物またはその塩を含有する反応混合物を水に非混和性の有機溶媒に溶解または懸濁させ得られた液を、攪拌下に水中に注ぎ攪拌を続けながら上記有機溶媒を留去し、テトラゾール化合物またはその塩を得ることを特徴とするテトラゾール化合物の製造法を提供するものである。
Figure 2006176538
(式中、R1 は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸基、炭素数1から20のアルキル基、炭素数1から20のアルコキシ基またはR2CONHを示す。ここでR2は、R3で置換されていてもよいフェニル基を示し、R3 はフェニル基で置換されていてもよい炭素数1から20のアルキル基またはフェニル基で置換されていてもよい炭素数1から20のアルコキシ基を示す。)
Figure 2006176538

Figure 2006176538
本発明によれば、テトラゾール化合物を効率よく製造でき、また粒径の大きな結晶を効率よく析出させることができることから、工業的製造法として有利である。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、テトラゾール化合物(1)の結晶化について説明する。
本発明に用いられるテトラゾール化合物(1)としては、例えば、2−(テトラゾール−5−イル)−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、8−ニトロ−2−(テトラゾール−5−イル)−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、6−クロロ−2−(テトラゾール−5−イル)−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、5−ヒドロキシ−2−(テトラゾール−5−イル)−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、5−メトキシ−2−(テトラゾール−5−イル)−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、8−[4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾイル]アミノ−2−(テトラゾール−5−イル)−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、7−メトキシ−2−(テトラゾール−5−イル)−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、7−ヒドロキシ−2−(テトラゾール−5−イル)−4−オキソ−4H−ベンゾピラン等の4−オキソ−4H−ベンゾピラニル基を有するテトラゾール化合物が挙げられる。
水と非混和性の有機溶媒としては特には限定されないが、水との混和性を有しないものであり、水と混合し静置したとき、水と分液された状態になる有機溶媒であれば使用できる。かかる有機溶媒としては、例えば、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、ニトリル、非水溶性ケトン、非水溶性エステルなどが挙げられ、具体的には、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン、ジクロルエタン、t−ブチルメチルエーテル、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピルなどであり、留去の容易性からかかる有機溶媒は、炭素数1〜10程度のものが好ましい。
テトラゾール化合物(1)を溶解または懸濁する際の温度は特に限定されないが、例えば、室温〜沸点の範囲で適宜選択することができる。
また、溶液または懸濁液のテトラゾール化合物(1)の濃度は、特に限定されないが、例えば、0.1%(W/W)〜90%(W/W)の範囲から適宜選択することができる。懸濁液としては、流動性を有することが好ましい。
かくして得られた溶液または懸濁液を、撹拌の施されている水中に酸性を保ちながら注入していき、注入された溶液または懸濁液が水中で分散した状態、好ましくは液滴となって分散した状態を維持するよう撹拌を続けながら、有機溶媒を蒸発させ留去する。
この際攪拌に用いられる撹拌翼としては通常用いられている、パドル翼、タービン翼、後退翼、ブルマージン翼等が挙げられる。
反応条件等により、テトラゾール化合物(1)が共役塩基または塩類となる可能性がある場合には、水中の液性を酸性に保つために酸性物質を用いることが望ましく、このような酸性物質としては例えば、塩酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、酢酸等が挙げられるが、特に好ましくはリン酸、酢酸が挙げられる。
酸性物質の使用量は、有機溶媒の留去時および終了した時点で、水層のpHを4以下に保つ量であればよい。
水の量は特に限定されないが、用いる有機溶媒が水と共沸混合物を形成する場合には、有機溶媒の留去が終了したときに、攪拌が保てる程度の水が系中に残存しているように適宜選択すればよい。
有機溶媒の留去の際の温度は、通常、有機溶媒が蒸発により留去され得る温度以上であればよく、例えば、有機溶媒の沸点以上もしくは有機溶媒が水との共沸混合物を形成する場合にはその共沸点以上である。また、有機溶媒の留去は、加圧下でも減圧下でも行うことができるので、それに対応して有機溶媒の留去温度も適宜変更すればよい。
なお、使用するテトラゾール化合物(1)が熱的に不安定な場合には減圧下で実施するのが好ましい。また溶液または懸濁液が水中で分散した状態を維持するために分散剤を適宜用いることができる。
有機溶媒の留去後、結晶化して成長した粒子は有機溶媒が留去されて残った水中に析出する。析出した粒子は、例えばろ過により容易に単離することができる。
本発明において、テトラゾール化合物(1)は、その塩としても取り扱うことができ、かかるテトラゾール化合物の塩としては、例えば、テトラゾール化合物(1)として上述した4−オキソ−4H−ベンゾピラニル基を有するテトラゾール化合物のアンモニウム塩または金属塩が挙げられる。
アンモニウム塩としては、アンモニア、トリエチルアミン、ピリジン、2−メチル−5−エチルピリジン等その共役酸が水溶性であるアミン類が例示できる。
金属塩としてはリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩が例示できる。重金属は一般にそのテトラゾール塩が爆発性を有することが知られており適当ではない。
テトラゾール化合物の塩を用いる場合には、まず該塩を水に混和性の有機溶媒に溶解または懸濁させて用いる。
かかる有機溶媒としてはメタノール、エタノール、t−ブタノールなどの低級アルコール類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトニトリル等のニトリル類の単独または水との混合物が挙げられる。その使用量は、特に制限されるものではないが、その液が流動性を保つことができる量が好ましい。
このようにして得られたテトラゾール化合物の塩の溶液または懸濁液を、水に非混和性の有機溶媒と共に水中に注ぐ以外は、テトラゾール化合物(1)の場合と同様に行うことによりテトラゾール化合物(1)の塩の結晶を水中に析出させることができる。
この場合の水に非混和性の有機溶媒としては、テトラゾール化合物(1)に用いるものと同様の溶媒が挙げられる。その使用量は、特に限定されないが、用いた水に混和性の有機溶媒の留去が終了したときに、非混和性の有機溶媒が系中に残存しているように適宜選択することができる。
テトラゾール化合物(1)を酸の状態で単離する場合には、系中を酸性に保つことによりテトラゾール化合物(1)の結晶を析出させることができる。
つぎに、テトラゾール化合物(1)の製造法について説明する。
本発明に用いられるテトラゾール化合物(1)は、例えば、Journalof Medicinal Chemistry, 1972, Vol.15, No.8,p865に記載の方法により製造することができるが、以下の方法によって、より工業的に有利に製造することができる。
一般式(3)
Figure 2006176538
(式中、R1 は前記と同じ意味を表わす。)
で示されるアミド類と脱水剤とを有機溶媒の存在下、反応させ得られた一般式(2)で示されるニトリル類を単離することなくアジド類と反応させることにより、一般式(1)で示されるテトラゾール化合物またはその塩が得られる。
アミド類(3)と脱水剤とを有機溶媒の存在下、反応させニトリル類(2)を得る反応に於いて、用いられるアミド類(3)としては、2−カルバモイル−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、8−ニトロ−2−カルバモイル−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、6−クロロ−2−カルバモイル−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、5−ヒドロキシ−2−カルバモイル−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、5−メトキシ−2−カルバモイル−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、8−[4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾイル]アミノ−2−カルバモイル−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、7−メトキシ−2−カルバモイル−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、7−ヒドロキシ−2−カルバモイル−4−オキソ−4H−ベンゾピラン等の4−オキソ−4H−ベンゾピラニル基を有するアミド類が挙げられる。
本反応で用いられる溶媒としては、脱水剤とアジド類の両方に不活性な溶媒であればよいが、好ましくはN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、一般式(4)
Figure 2006176538
(式中、R4 は、同一または相異なり、低級アルキル基を示し、nは1または2である。)
で示されるアルキルピリジン類であり、具体的には、ピコリン、5−エチル−2−メチル−ピリジン等のアルキルピリジン類である。より好ましくは、不純物の生成が少ない点、またアルカリ性で水と分液でき回収が容易である点、更には次工程にてアジド試薬を加えた場合に生じる有毒爆発性のアジ化水素と塩を形成し気体状のアジ化水素を発生せず安全上および作業環境上有利である点から、5−エチル−2−メチル−ピリジン等のジアルキルピリジン類である。
また、これらの溶媒は、該反応に不活性な他の溶媒との混合物として用いることもできる。単独で用いる場合には、アミド類(3)に対して一般的には、0.5〜50倍重量であるが、他溶媒との混合物で用いる場合には、その混合溶媒の比率として1から99重量%の範囲で用いられ、使用量についても特に制限はない。他溶媒としては、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテルなどの溶媒が挙げられ、具体的には、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン、ジクロルエタン、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテルなどが挙げられる。
脱水剤としては、例えば、塩化チオニル、五酸化リン、五塩化リン、無水酢酸、クロルギ酸エステル、オキシ塩化リンまたはホスゲン等が用いられるが、その使用量はアミド類(3)1当量に対して、通常、1から50当量、より好ましくは1.5から10当量である。
溶媒、脱水剤とアミド類(3)の仕込順序については、特に制限はなく、時間的な制限もない。反応温度は、特に制限されるものではないが、基質により変化し、概ね−50℃から200℃、より好ましくは−20℃から150℃である。
反応時間は、特に制限されるものではないが、液体クロマトグラフィー等の手段による原料消失の確認時点を反応終点とすることができる。
反応終了後、生成したニトリル類(2)は反応混合物に水またはアルカリ水溶液を加えることにより単離できるが、単離せずにそのままテトラゾール化することができる。
このようにして得られたニトリル類(2)を含む反応混合物にアジド類を加え反応させることによりテトラゾール化することができるが、アジド類の使用量を削減するためにアジド類を加える前に、反応混合物に水を加えることが望ましい。
水の使用量は、前工程にて使用した脱水剤の過剰分に対し、1当量倍以上あればよく、好ましくは1から100当量倍程度である。
アジド類としては、ナトリウムアジド、トリアルキル錫アジド、トリメチルシリルアジド等が例示される。
また本反応は、塩化アンモニウム、ジブチル錫オキシド、トリメチルアルミニウム、塩化アルミニウム等の触媒を用いて実施することもできる。
アジド類の使用量は、ニトリル類(2)に対し、通常、1〜10モル倍程度である。
反応温度は、特に制限されるものではないが、基質により変化し、概ね−50℃から200℃、より好ましくは、−20℃から150℃である。反応時間は、特に制限されるものではないが、液体クロマトグラフィー等の手段による原料消失の確認時点を反応終点とすることができる。
また、単離したニトリル類(2)を用いる場合には、ニトリル類(2)を有機溶媒存在下にアジド類と反応させる。この場合、用いられるニトリル類(2)としては例えば、2−シアノ−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、8−ニトロ−2−シアノ−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、6−クロロ−2−シアノ−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、5−ヒドロキシ−2−シアノ−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、5−メトキシ−2−シアノ−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、8−[4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾイル]アミノ−2−シアノ−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、7−メトキシ−2−シアノ−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、7−ヒドロキシ−2−シアノ−4−オキソ−4H−ベンゾピラン等の4−オキソ−4H−ベンゾピラニル基を有するニトリル類である。
用いられる有機溶媒としては、アジド類に不活性な溶媒が用いられ、前述の溶媒に加えてアルコール類が挙げられ、具体的には、n−ブタノール、t−ブタノール、エタノール、メタノール等が挙げられる。
アジド類、反応温度等その他の条件は、前述した場合と同様である。
反応終了確認後、反応混合物を酸性に保った水中に注ぎ溶媒を留去することにより反応混合物よりテトラゾール化合物(1)を単離することができる。
このようにしてニトリル類(2)またはアミド類(3)よりテトラゾール化合物(1)を得ることができるが、過剰のアジド類によるアジ化水素の発生を防ぐために、反応混合物に予め亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム等の亜硝酸塩を添加することが望ましい。
亜硝酸塩の使用量は、過剰のアジド類に対し1モル倍〜100モル倍程度である。
反応混合物から結晶の単離については、前述のテトラゾール化合物(1)の結晶化と同様の条件で行うことにより、ろ過性のよい結晶を得ることができる。反応溶媒にアルキルピリジン類(4)を用いた場合は、酸とピリジニウム塩を形成し水層に溶解し結晶から取り除くことができる。反応溶媒に水と混和性の溶媒を用いた場合には、前述のテトラゾール化合物の塩の結晶化の場合と同様の条件で行うことにより、ろ過性のよい結晶を得ることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
3枚後退翼のついた撹拌器を装着した0.5lセパラブルフラスコに水300mlを仕込み、リン酸でpH2に調整した。55℃に保温し、1200rpmで撹拌しながら、8−[4−(4−フェニル−1−ブトキシ)ベンゾイル]アミノ−2−(テトラゾール−5−イル)−4−オキソ−4H−ベンゾピラン10gをトルエン150mlに懸濁させたものを約60分かけてフラスコ内に注いだ。同時に減圧下(200mmHg)にトルエン−水の共沸混合物を蒸発留出させた。この時系内の温度を52〜56℃に保持した。注下終了後まもなくトルエンの留出は終了し、結晶が水中に析出した。セパラブルフラスコを冷却し、40mmφの桐山ロートを用い水流減圧で濾過した。濾過時間は約40秒であった。得られた結晶を乾燥後、平均粒子径1.5mmの結晶が得られた。
(実施例2)
3枚後退翼のついた撹拌器を装着した0.5lセパラブルフラスコに水300mlを仕込み、リン酸でpH2に調整し、55℃、1200rpmで撹拌した。
8−[4−(4−フェニル−1−ブトキシ)ベンゾイル]アミノ−2−(テトラゾール−5−イル)−4−オキソ−4H−ベンゾピラン10gをエタノール−2%炭酸水素ナトリウム水(1:2)150mlに熱時溶解させ、得られた溶液(70℃に保温して使用)をトルエン200mlと共にフラスコ内に約1時間かけて滴下した。同時に減圧下(200mmHg)で、共沸混合物(トルエン−エタノール−水)を蒸発留去させた。セパラブルフラスコを冷却し、40mmφの桐山ロートを用い水流減圧で濾過した。濾過時間は約40秒であった。得られた結晶を乾燥後、平均粒子径1.2mmの結晶が得られた。
(実施例3)
8−[4−(4−フェニル−1−ブトキシ)ベンゾイル]アミノ−2−シアノ−4−オキソ−4H−ベンゾピラン10gを70mlのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解させ、1.2gのNH4Clと1.5gのNaN3を50℃で加えた。75℃で2時間保温し反応終了を確認後、40℃でNaNO2 1.9gを加えた。
別のフラスコ(3枚後退翼のついた撹拌器を装着した0.5lセパラブルフラスコ)に水300mlを仕込み、リン酸でpH2に調整しておき、上記反応混合物と200mlのモノクロロベンゼンを55℃で、800rpmで撹拌しながら併注した。フラスコ内を100mmHgに減圧し、併注と同時にモノクロロベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミドおよび水を蒸発留去した。併注終了後まもなく留出が終了し、水中に析出した結晶を室温で、40mmφの桐山ロートを用い水流減圧で濾過した。濾過時間は約30秒であった。乾燥後、8−[4−(4−フェニル−1−ブトキシ)ベンゾイル]アミノ−2−(テトラゾール−5−イル)−4−オキソ−4H−ベンゾピランの結晶を10.6g得た(収率98%)。結晶の平均粒子径は、3mmであった。
(実施例4)
8−[4−(4−フェニル−1−ブトキシ)ベンゾイル]アミノ−2−シアノ−4−オキソ−4H−ベンゾピラン10gを300mlのトルエンに溶解させ、8.0gのトリメチルシリルアジドと0.6gのジブチル錫オキシドを加え、95℃で72時間保温した。反応終了後、反応混合物を100mmHgで一部濃縮し過剰のトリメチルシリルアジドを回収した。濃縮終了後、メタノール100mlと水50mlを加え、50℃で炭酸水素ナトリウム3.8gを加え、熱時濾過をした。
別のフラスコ(3枚後退翼のついた撹拌器を装着した0.5lセパラブルフラスコ)に水300mlを入れ、リン酸2.0gを仕込み、次いで上記で得られた濾液とトルエン200mlを、1200rpmで撹拌しながら、80℃で約1時間かけて注いだ。同時に100mmHgの減圧下でトルエン/水/メタノールを留去した。留去時の内温は60℃に保った。
注下終了後、トルエンの留出が終了し、水中に析出した結晶を室温で40mmφの桐山ロートを用いて、水流減圧下で濾過した。濾過時間は約40秒であった。乾燥後、8−[4−(4−フェニル−1−ブトキシ)ベンゾイル]アミノ−2−(テトラゾール−5−イル)−4−オキソ−4H−ベンゾピランの結晶を10.6g得た(収率98%)。結晶の平均粒子径は、1.5mmであった。
(実施例5)
8−[4−(4−フェニル−1−ブトキシ)ベンゾイル]アミノ−2−カルバモイル−4−オキソ−4H−ベンゾピラン5.78gを30mlの2−メチル−5−エチル−ピリジンにオキシ塩化リン3.46gを加え65℃で2時間保温した。
次いで8−[4−(4−フェニル−1−ブトキシ)ベンゾイル]アミノ−2−カルバモイル−4−オキソ−4H−ベンゾピラン5.78gを30℃で加え、35℃で5時間保温した。反応終了確認後、2.44gの水を加え、引き続き70℃で0.42gのアジ化ナトリウムを加え3時間保温した。室温まで冷却後、亜硝酸ナトリウム1.57gを加えた。
別のフラスコ(3枚後退翼のついた撹拌器を装着した0.5lセパラブルフラスコ)に水300mlとリン酸23.3gを加え、55℃、1200rpmで撹拌した。このフラスコに、上記の反応混合物とトルエン100mlを、1200rpmで撹拌しながら約2時間で注いだ。同時に減圧下(100mmHg)で、トルエン−水を留去した。留去時の内温は、55℃に保った。
注下終了後、トルエンの留出が終了した。水中に析出した結晶を、室温で40mmφの桐山ロートを用い水流減圧下で濾過した。濾過時間は約30秒であった。次いで、結晶を水、メタノールで洗浄した。乾燥後、5.75gの8−[4−(4−フェニル−1−ブトキシ)ベンゾイル]アミノ−2−(テトラゾール−5−イル)−4−オキソ−4H−ベンゾピランの結晶を、収率95%で得た。結晶の平均粒子径は、1.5mmであった。
(比較例1)
実施例3において、反応終了後10%塩酸50mlを1時間かけて滴下し、析出した結晶を40mmφの桐山ロートを用い水流減圧で濾過した。濾過時間は5分以上であった。得られた結晶を乾燥させた(10.4g、収率96%)。得られた結晶の平均粒子径は0.1mm以下であった。
(比較例2)
3枚後退翼のついた撹拌器を装着した0.5lセパラブルフラスコに8−[4−(4−フェニル−1−ブトキシ)ベンゾイル]アミノ−2−(テトラゾール−5−イル)−4−オキソ−4H−ベンゾピラン10gをエタノール/2%炭酸水素ナトリウム水(1:2)150mlに熱時溶解させ、800rpmで攪拌させながら、得られた溶液に70℃で10%塩酸20mlを約30分で滴下し、結晶を析出させ、40mmφの桐山ロートを用い水流減圧で濾過した。濾過時間は5分以上であった。得られた結晶の平均粒子径は0.1mm以下であった。
(比較例3)
実施例5において、2−メチル−5−エチル−ピリジンに換えてピリジン30mlを用いる以外は実施例5と同様に行ったが、反応混合物が黒色タール状となり、目的物を取り出すことができなかった。
(比較例4)
8−[4−(4−フェニル−1−ブトキシ)ベンゾイル]アミノ−2−カルバモイル−4−オキソ−4H−ベンゾピラン20gを150mlのアセトニトリル中に懸濁させ、2〜3℃で12.1gのオキシ塩化リンを滴下したが、全く反応が進行しなかった。
(比較例5)
8−[4−(4−フェニル−1−ブトキシ)ベンゾイル]アミノ−2−カルバモイル−4−オキソ−4H−ベンゾピラン20gを150mlのN,N−ジメチルホルムアミド中に溶解させ、2〜3℃で12.1gのオキシ塩化リンを滴下し、1時間同温度で攪拌した。反応混合物を水中に注いだ後、濾過し8−[4−(4−フェニル−1−ブトキシ)ベンゾイル]アミノ−2−シアノ−4−オキソ−4H−ベンゾピラン18.7g(収率91%)を得た。
上記で得られた化合物5.33gを35mlのN,N−ジメチルホルムアミド中に溶解させ、0.6gの塩化アンモニウムと0.8gのアジ化ナトリウムを50℃で加えた。70℃で2時間保温し、反応終了を確認後、20mlの10%塩酸を滴下し、40℃で亜硝酸ナトリウム1.0gを加えた。析出した結晶を室温で40mmφの桐山ロートを用い水流減圧で濾過した。濾過時間は5分以上であった。得られた8−[4−(4−フェニル−1−ブトキシ)ベンゾイル]アミノ−2−(テトラゾール−5−イル)−4−オキソ−4H−ベンゾピランを5.0g(収率88%)得た。得られた結晶の平均粒子径は0.1mm以下であった。

Claims (2)

  1. 一般式(3)
    Figure 2006176538
    (式中、R1 は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸基、炭素数1から20のアルキル基、炭素数1から20のアルコキシ基またはR2CONHを示す。ここでR2は、R3で置換されていてもよいフェニル基を示し、R3 はフェニル基で置換されていてもよい炭素数1から20のアルキル基またはフェニル基で置換されていてもよい炭素数1から20のアルコキシ基を示す。)
    で示されるアミド類と脱水剤とを、有機溶媒の存在下に反応させて得た一般式(2)
    Figure 2006176538
    (式中、R1 は上記と同じ意味を表す。)
    で示されるニトリル類を単離することなく、アジド類と反応させ、得られた前記一般式(1)
    Figure 2006176538
    (式中、R1 は上記と同じ意味を表す。)
    で示されるテトラゾール化合物またはその塩を得る方法であって、上記反応により得られたテトラゾール化合物またはその塩を含有する反応混合物を水に非混和性の有機溶媒に溶解または懸濁させ得られた液を、攪拌下に水中に注ぎ攪拌を続けながら上記有機溶媒を留去し、テトラゾール化合物またはその塩を得ることを特徴とするテトラゾール化合物の製造法。
  2. 反応溶媒が、N,N−ジメチルホルムアミドまたは一般式(4)
    Figure 2006176538
    (式中、R4 は、同一または相異なり、低級アルキル基を示し、nは1または2である。)
    で示されるアルキルピリジン類である請求項1に記載の方法。
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