JP5473303B2 - 2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルの製造方法 - Google Patents

2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、原薬の中間体として有用な2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルの新規な製造方法に関するものである。
5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}チアゾリジン−2,4−ジオン塩酸塩などのインスリンの作用不足に起因する2型糖尿病に対して優れた効果を示す治療剤は、従来、下記式(2)で示される2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルを経由する方法により製造されている。
Figure 0005473303

この2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルは、4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]アニリンからMeerwein arylation反応により製造されている。(例えば、非特許文献1および特許文献1参照)。この反応は、臭化水素の存在下、亜硝酸塩と4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]アニリンとを反応させて4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]アニリン由来のジアゾニウム塩を製造した後、銅触媒存在下、該ジアゾニウム塩とアクリル酸メチルとを反応させるものである。このような反応を行った後、2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルは、溶媒を留去した後、アンモニア水で中和し、酢酸エチルで抽出、水洗し、酢酸エチルを留去することにより得ることができる。
ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー35巻、14号、2617−2626(1992) 特公平5−66956号公報
上記の通り、非特許文献1や特許文献1に記載の方法に従えば、2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルを製造することができる。
しかしながら、Meerwein arylation反応は、様々な副反応が同時に進行するため、得られる2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルの収率や純度の点で改善が望まれていた。
したがって、本発明の目的は、高純度の2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルを効率よく製造できる方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するため、鋭意研究を行った。その結果、Meerwein arylation反応を使用した2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルの製造方法において、得られた2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルを臭化水素酸により洗浄することにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、臭化水素の存在下、下記式(1)
Figure 0005473303

で示される4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]アニリンと亜硝酸塩とを反応させてジアゾニウム塩を合成した後、銅触媒の存在下、得られたジアゾニウム塩とアクリル酸メチルとを反応させて下記式(2)
Figure 0005473303

で示される2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルを合成する工程、および
前記工程で得られた2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチル、臭化水素酸、および非水溶性有機溶媒を混合し、2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルを該非水溶性有機溶媒中に抽出する工程
とを含むことを特徴とする2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルの製造方法である。
また、本発明は、上記記載の方法によって上記式(2)で示される2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルを製造した後、アルカリ存在下、得られた2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルとチオ尿素とを反応させることを特徴とする下記式(3)
Figure 0005473303

で示される5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}−2−イミノ−4−チアゾリジノンの製造方法である。
さらに、本発明は、上記方法によって前記式(3)で示される5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}−2−イミノ−4−チアゾリジノンを製造した後、得られた5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}−2−イミノ−4−チアゾリジノンと塩化水素とを反応させることを特徴とする下記式(4)
Figure 0005473303

で示される5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}チアゾリジン−2,4−ジオン塩酸塩の製造方法である。
本発明によれば、高純度の5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}チアゾリジン−2,4−ジオン塩酸塩の原料として有用な2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルを効率よく、製造することができる。
その結果、本発明によって製造された2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルを、アルカリ存在下、チオ尿素と反応させることにより、高収率で5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}−2−イミノ−4−チアゾリジノンを得ることができる。
そして、さらに、前記方法により得られた5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}−2−イミノ−4−チアゾリジノンを塩化水素とを反応させることにより、高収率で5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}チアゾリジン−2,4−ジオン塩酸塩を得ることができる。
本発明は、臭化水素酸の存在下、前記式(1)で示される4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]アニリンと亜硝酸塩とを反応させてジアゾニウム塩を合成した後、銅触媒の存在下、得られたジアゾニウム塩とアクリル酸メチルとを反応させて前記式(2)で示される2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルを合成する工程(以下、単に「ブロモ体合成工程」とする場合もある)、および前記工程で得られた2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチル、臭化水素酸、および非水溶性有機溶媒を混合し、2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルを該非水溶性有機溶媒中に抽出する工程(以下、単に「洗浄工程」とする場合もある)とを含む2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルの製造方法である。
以下、各工程について説明する。
(ブロモ体合成工程)
本発明において、ブロモ体合成工程とは、臭化水素酸の存在下、前記式(1)で示される4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]アニリンと亜硝酸塩とを反応させてジアゾニウム塩を合成した後、銅触媒の存在下、得られたジアゾニウム塩とアクリル酸メチルとを反応させて前記式(2)で示される2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルを合成する工程である。以下、ブロモ体合成工程で使用する原料、反応条件について説明する。
(4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]アニリン)
本発明で使用する前記式(1)で示される4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]アニリンは、公知の方法に基づいて製造することができる。具体的には、特許文献1に記載された方法を用いて製造できる。この方法に従えば、2−(5−エチル−2−ピリジル)エタノールと4−フルオロニトロベンゼンをN,N’−ジメチルホルムアミド中、水素化ナトリウムでエーテル化し、4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ニトロベンゼンを得、4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ニトロベンゼンをメタノール中、パラジウム炭素存在下、室温、1気圧で接触還元を行うことにより、4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]アニリンを得ることができる。
(ジアゾニウム塩の合成)
次に、本発明においては、上記4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]アニリンを、臭化水素酸の存在下、亜硝酸塩と反応させ、4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]アニリンに由来するジアゾニウム塩を合成する。
(反応で使用する臭化水素酸)
このジアゾニウム塩を合成する反応において、臭化水素酸は、試薬或いは工業原料が何ら制限無く使用できる。使用する臭化水素酸の濃度は、高いほど反応速度の向上、不純物の抑制の観点から、臭化水素の量が47質量%程度の汎用的な臭化水素酸を使用することが好ましい。また、この臭化水素酸の使用量は、含まれる臭化水素の量が、理論量では4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]アニリンの2倍モルであるが、ピリジル基と塩を形成する分を考慮することが好ましく、具体的には、4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]アニリン1モルに対して、臭化水素が3〜5モルとなる範囲の臭化水素酸を使用することが好ましい。
(亜硝酸塩)
本発明において、上記亜硝酸塩は、試薬或いは工業原料が何ら制限無く使用できる。これら亜硝酸塩を具体的に例示すると、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム等が挙げられる。亜硝酸塩の使用量は、ジアゾニウム塩の収率を高くするという観点から、4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]アニリン1モルに対して、好ましくは1〜2モル、より好ましくは1〜1.5モル使用する。この亜硝酸塩は、直接、反応液中に添加することもできるが、水に溶解させて反応液中に滴下することが好ましい。そのとき使用する水の量は、亜硝酸塩の溶解性と経済性を考慮すると、使用する亜硝酸塩1gに対して、好ましくは1〜3ml、より好ましくは1.2〜2.5mlである。
(溶媒)
本発明において、上記ジアゾニウム塩を合成する反応には、反応速度、反応温度の調整、副反応物の低減等を考慮すると、有機溶媒を使用することが好ましい。この有機溶媒は、水と混合可能なもの(水溶性有機溶媒)が好ましく、具体的には、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、メタノール、エタノールなどのアルコール類、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトニトリルなどのニトリル類が挙げられる。これらの有機溶媒は、試薬或いは工業原料が何ら制限無く使用でき、単独で使用することもできるし、2種類以上を混合して使用することもできる。中でも、反応速度、原料および得られるジアゾニウム塩の溶解度、ジアゾニウム塩を形成する選択率の観点から、ケトン類、アルコール類を使用することが好ましく、これらの混合溶媒を使用することが好ましい。これら有機溶媒の使用量は、経済性、副反応物を低減するという観点から、使用する4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]アニリン1gに対して、好ましくは5〜25ml、より好ましくは7〜20mlである。
(反応方法)
本発明において、臭化水素酸の存在下、前記式(1)で示される4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]アニリンと亜硝酸塩とを反応させる際、これらの混合方法、添加順序は、特に制限されるものではない。例えば、臭化水素酸、4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]アニリン、および亜硝酸塩とを同時に反応容器内に滴下し、混合する方法、または、予め2成分を混合し、その混合溶液に他の成分を添加して混合する方法などが挙げられる。中でも、副反応を制限するためには、以下の方法で4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]アニリン由来のジアゾニウム塩を合成することが好ましい。即ち、必要に応じて有機溶媒に分散させた4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]アニリンと臭化水素酸とを混合した溶液中に、亜硝酸塩を添加することが好ましい。また、この添加する亜硝酸塩は水に溶解させたものであることが好ましい。
上記ジアゾニウム塩を合成する反応において、反応温度は、副反応を抑制するという観点から、好ましくは0〜15℃、より好ましくは0〜10℃である。また、反応時間は、特に制限されるものではなく、撹拌下、0.01〜10時間、より好ましくは0.1〜5時間である。
本発明においては、上記の通りに反応を行い、4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]アニリン由来のジアゾニウム塩を含む溶液を製造することができる。なお、当然のことながら、有機溶媒を使用した際には、該溶液は、有機溶媒を含むものとなる。この溶液からジアゾニウム塩を取り出し、精製して次の反応に使用することもできるが、このジアゾニウム塩は不安定なため、精製を行わず、上記溶液のまま、次の反応に使用することが好ましい。
(2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルの合成)
以下、上記ジアゾニウム塩を含む溶液とアクリル酸メチルとの反応について説明する。この反応は、銅触媒の存在下、得られたジアゾニウム塩とアクリル酸メチルとを反応させるものである。
(アクリル酸メチル)
本発明において、上記アクリル酸メチルは、試薬或いは工業原料が何ら制限無く使用できる。アクリル酸メチルの使用量は、通常、4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]アニリン由来のジアゾニウムの使用量(使用モル数)以上であることが好ましく、該ジアゾニウム塩1モルに対して、好ましくは1モル以上、より好ましくは2モル以上である。なお、アクリル酸メチルの使用量の上限値は、特に制限されるものではないが、後処理の操作性、経済性等を考慮すると、4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]アニリン由来のジアゾニウム塩1モルに対して、好ましくは50モル、より好ましくは40モルである。
(銅触媒)
本発明において、上記銅触媒は、試薬或いは工業原料が何ら制限無く使用できる。これらを具体的に例示すると、酸化銅(I)、酸化銅(II)、臭化銅(I)、臭化銅(II)などが挙げられる。銅触媒の使用量は、通常の触媒量と同じであり、具体的には、4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]アニリン由来のジアゾニウム塩1モルに対して、好ましくは0.01〜0.2モル、より好ましくは0.02〜0.1モルである。
(反応方法)
本発明においては、銅触媒存在下、上記4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]アニリン由来のジアゾニウム塩を含む溶液とアクリル酸メチルとを混合することにより、両者を反応させる。ジアゾニウム塩とアクリル酸メチルとの混合方法は特に制限はなく、特許文献1のようにジアゾニウム塩にアクリル酸メチルを混合した後、銅触媒により反応させてもよいが、ジアゾニウム塩を含む溶液を、アクリル酸メチルと銅触媒の混合液に滴下することが好ましい。さらに、アクリル酸メチルと銅触媒の混合液にピリジンなどの複素環式化合物を加えると反応の選択率が向上するため好ましい。本発明において、このような複素環式化合物を使用した場合には、複素環式化合物を使用することの効果、および下記に詳述する臭化水素酸を使用することの効果により、より高純度の2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルをより高収率で得ることができる。なお、複素環式化合物の使用量は、特に制限されるものではないが、ジアゾニウム塩1モルに対して、0.05モル以上10モル以下となる範囲が好ましい。
ジアゾニウム塩を含む溶液を、アクリル酸メチルと銅触媒の混合液(必要に応じてピリジンのような複素環式化合物を含む混合液)に滴下する場合、上記ジアゾニウム塩を含む溶液を滴下する際のアクリル酸メチルと銅触媒の混合液の温度は、あまり高すぎると副反応を助長し、あまり低すぎても反応速度が低下するため、好ましくは10〜60℃、より好ましくは15〜50℃の範囲とする。特許文献1のようにジアゾニウム塩にアクリル酸メチルを混合した後、銅触媒により反応させる場合の反応温度も、あまり高すぎると副反応を助長し、あまり低すぎても反応速度が低下するため、好ましくは10〜60℃、より好ましくは15〜50℃の範囲とする。
いずれの混合方法についても、反応時間は、特に制限されるものではなく、上記ジアゾニウム塩を含む溶液とアクリル酸メチルおよび銅触媒を混合後、反応の進行状況を確認しながら、上記温度範囲を維持したまま、撹拌しながら、好ましくは0.1〜10時間、より好ましくは0.5〜5時間反応させればよい。
上記方法により、2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルを合成することができる。本発明においては、この2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルを臭化水素酸で洗浄することを特徴とする。次に、この洗浄工程について説明する。
(洗浄工程)
本発明において、洗浄工程とは、前記工程で得られた2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチル、臭化水素酸、および非水溶性有機溶媒を混合し、2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルを該非水溶性有機溶媒中に抽出する工程である。
なお、本発明においては、混合を行った後、臭化水素酸と非水溶性有機溶媒とが相分離し、非水溶性有機溶媒層に2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルが抽出される。
(洗浄に使用する臭化水素酸)
本発明において、洗浄に使用する臭化水素酸は、試薬或いは工業原料が何ら制限無く使用できる。使用する臭化水素酸の濃度は、あまり高いと、2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルが溶解し、抽出されにくくなり、あまり低いと不純物が除去できないため、臭化水素の量が0.1質量%〜47質量%程度の汎用的な臭化水素酸を使用することが好ましい。特に、操作性を考慮すると、臭化水素の量が1質量%〜20質量%の臭化水素酸を使用することが好ましい。また、この臭化水素酸の使用量は、含まれる臭化水素の量が、2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチル1モルに対して、臭化水素が0.1〜5モルとなる範囲の臭化水素酸を使用することが好ましい。
本発明においては、臭化水素酸を使用することにより、高純度の2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルを得ることができる。この効果は、他の酸水溶液を用いた場合よりも明らかに高い。この理由は、明らかではないが、2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルの臭化水素酸への溶解性、および臭化水素酸の不純物除去性(洗浄性)に起因しているものと推定される。すなわち、2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルは、塩酸、硫酸のような強酸よりも臭化水素酸には溶解しにくいため、非水溶性有機溶媒層へ抽出されやすくなり、収率が高くなるものと考えられる。一方、臭化水素酸は、酢酸などの弱酸と比較して、不純物を除去する効果(洗浄効果)が高いため、非水溶性有機溶媒層に抽出された2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルの純度を高めることができるものと推定される。
(非水溶性有機溶媒)
本発明で使用する非水溶性有機溶媒は、試薬あるいは工業原料が何ら制限なく使用できる。これらを具体的に例示すると酢酸エチル、酢酸プロピルなどのエステル類;塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタンなどの飽和炭化水素類などが挙げられる。これらの中でも、2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルの溶解性や分配性などを考慮すると、エステル類、ハロゲン化炭化水素類が好ましい。非水溶性有機溶媒の使用量は、使用する非水溶性有機溶媒の種類、2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルの量、臭化水素酸の濃度、使用量等に応じて、適宜決定してやればよく、臭化水素酸と相分離する量の範囲であればよい。
(混合、および抽出)
前記ブロモ体合成工程において、2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルは、反応に使用した溶媒、水、未反応のアクリル酸メチル等を含んだ反応液中に生成される。反応に使用した溶媒の種類、量によっては、反応液を濃縮することなく、この反応液と臭化水素酸、および非水溶性有機溶媒とを混合することもできる。ただし、ブロモ体合成工程において、水溶性有機溶媒を使用した場合には、2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルの収率、操作性を考慮すると、この水溶性有機溶媒を留去することが好ましい。また、前処理として、これら反応液、または濃縮した反応液(残留物)をアンモニア水等のアルカリ水溶液で中和処理を行うことも可能である。
このような反応液、または濃縮した反応液(残留物)、臭化水素酸、および非水溶性有機溶媒を混合することにより、該非水溶性有機溶媒中に2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルを抽出することができる。反応液、または濃縮した反応液(残留物)、臭化水素酸、および非水溶性有機溶媒を混合する方法は、特に制限されるものではなく、これら3成分を公知の方法で混合してやればよい。例えば、反応液、または濃縮した反応液(残留物)に臭化水素酸、および非水溶性有機溶媒を加えるか、臭化水素酸、および非水溶性有機溶媒に反応液、または濃縮した反応液(残留物)を加え、振とう、撹拌等の公知の手段により混合してやればよい。また、反応液、または濃縮した反応液(残留物)に臭化水素酸、および非水溶性有機溶媒を加える場合、臭化水素酸、および非水溶性有機溶媒を加える順も、特に制限されるものではなく、両者を同時に加えることもできるし、いずれか一方を先に加えることもできる。
上記方法により、2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチル、上記臭化水素酸、および上記非水溶性有機溶媒を混合した後、臭化水素酸の層と非水溶性有機溶媒層(以下、単に「有機層」とする場合もある)とに相分離される。この際、2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルは、有機層に抽出される。この後、相分離した臭化水素酸の層と有機層から臭化水素酸の層を分離する。臭化水素酸の層を分離した後、必要に応じて、再度、臭化水素酸を加え、有機層と接触(混合)させて有機層を洗浄(2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルを洗浄)することもできる。この有機層の洗浄は、数回実施することもできる。
このような方法により、有機層中に2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルを抽出することにより、純度の高い2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルを高収率で得ることができる。
(後処理工程)
上記方法により有機層中に抽出した2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルは、特に制限されるものではないが、以下の方法で精製することが好ましい。つまり、前記有機層をアンモニア水などで中和し、次いで、水洗する。さらに、有機層を硫酸マグネシウム等のような乾燥剤により乾燥した後、溶媒を留去することにより、2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルを得ることができる。このようにして得られる2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルは、不純物の含有量が少なく、高純度であるため、次工程に好適に使用することができる。
上記後処理工程においては、より高純度の2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルを得ようとした場合には、公知の方法により、さらに2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルを精製することもできる。ただし、本発明によれば、臭化水素酸で洗浄することにより、2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルの純度を高めることができるため、上記精製方法で精製するだけで、次の工程に使用できる2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルを得ることができる。
(5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}−2−イミノ−4−チアゾリジノンの製造)
次に、上記にように製造された2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルを使用して、上記式(3)で示される5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}−2−イミノ−4−チアゾリジノンを製造する方法について説明する。
この5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}−2−イミノ−4−チアゾリジノンは、公知の方法により製造することができる。具体的には、特許文献1に記載された方法で製造することができる。具体的は、反応溶媒としてエタノールのような有機溶媒を使用し、アルカリ(具体的には、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、tert−ブトキシカリウム、水素化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)の存在下、チオ尿素と反応させることにより、5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}−2−イミノ−4−チアゾリジノンを効率よく得ることができる。なお、使用するアルカリは、2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチル1モルに対して、1〜3モルであり、チオ尿素は、2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチル1モルに対して、1〜3モルである。また、反応温度は25〜120℃、反応時間は、1〜50時間である。また、アルカリ、およびチオ尿素の添加方法も特に制限されるものではなく、全成分を混合し、上記反応温度で上記時間反応させればよい。
上記のような条件下で反応を行った後、5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}−2−イミノ−4−チアゾリジノンを含む溶液を冷却することにより、5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}−2−イミノ−4−チアゾリジノンの結晶を得ることができる。
(5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}チアゾリジン−2,4−ジオン塩酸塩の製造)
前記式(4)で示される塩酸塩を製造する方法を例示すると、得られた5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}−2−イミノ−4−チアゾリジノンを、3〜20倍の塩化水素を含む水溶液に溶解させ、還流温度下で加水分解を行い、次いで、得られた水溶液を冷却することにより、上記式(4)で示される5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}チアゾリジン−2,4−ジオン塩酸塩を結晶として取り出すことができる。この結晶は、公知の方法で精製することができる。
本発明の方法によれば、高純度の2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルを高収率で得ることができるため、これを原料として得られる5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}チアゾリジン−2,4−ジオン塩酸塩も高収率で得ることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何等制限されることはない。
実施例1
(ブロモ体の合成工程:ジアゾニウム塩の合成)
4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]アニリン30.64g(0.126mol)を、温度計を備えた3つ口フラスコに仕込み、メタノール90g、アセトン112.5gを加え、氷冷した。次いで、上記4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]アニリンを含む溶液を撹拌しながら、47質量%臭化水素酸67.48g(臭化水素 0.392mmol)を添加し、2℃まで冷却した。さらに、撹拌中の上記臭化水素酸を加えた溶液に、17.3gの水に亜硝酸ナトリウム8.85g(0.128mmol)を溶解させた溶液を溶液の温度が5℃を超えないように滴下した。滴下後、4℃で20分間攪拌し、ジアゾニウム塩を合成した(ジアゾニウム塩を含む溶液を製造した。)。HPLC(高性能 液クロマトグラフ)により純度を確認したところ、99.0質量%で、ほぼ定量的にジアゾニウム塩が得られた。
(ジアゾニウム塩とアクリル酸メチルとの反応)
温度計を備えた別の3つ口フラスコにアクリル酸メチル132g(1.53mol)、ピリジン30.0g(0.379mol)を加え、46℃まで昇温し、撹拌中のアクリル酸メチルに臭化銅(I)2.29g(15.9mmol)を添加した。次に、上記4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]アニリン由来のジアゾニウム塩を含む溶液を、撹拌中の上記臭化銅(I)、ピリジンを含むアクリル酸メチルに滴下した。滴下後、得られた溶液(反応液)を47℃で1時間攪拌した。
(洗浄工程)
47℃で1時間撹拌した反応液を濃縮して、溶媒を留去した。得られた残留物に、10質量%臭化水素酸を41g、非水溶性有機溶媒として酢酸エチルを115g加え、混合し、有機層に2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチル抽出した。次いで、臭化水素酸の層を分離した後、5質量%アンモニア水48gを加えて中和した後、有機層を水洗した。その後、有機層を乾燥し、さらに、溶媒を留去して2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルを含む油状物41.1gを得た。HPLC(高性能 液クロマトグラフ)により純度を確認したところ、純度は85.2質量%、純度を考慮した2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルの収率は70.8%であった。
実施例2(5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}−2−イミノ−4−チアゾリジノンの製造)
実施例1で得られた2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチル12.5g(純度85.2質量%)をジムロート還流管と温度計を備えた3つ口フラスコに仕込み、エタノール76ml、チオ尿素3.87gを加え溶解させ、撹拌下、酢酸ナトリウム4.17gを加えて4時間還流した。還流後、冷却することにより析出した結晶をろ過、水洗、乾燥を行い、5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}−2−イミノ−4−チアゾリジノンを含む微黄色結晶8.79g(収率91.1%)を得た。HPLCにより純度を確認したところ、純度は98.87質量%であった。
実施例3(5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}チアゾリジン−2,4−ジオン塩酸塩の製造)
実施例2で得られた5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}−2−イミノ−4−チアゾリジノン8.79gをジムロート還流管と温度計を備えた3つ口フラスコに仕込み、1.0mol/L塩酸水溶液を74mL加え、室温で溶解させた。溶媒を還流させながら4時間攪拌を行い、加水分解を行った。反応後、系内(得られた反応液)を1.5時間で5℃まで冷却し、結晶化させた。得られた結晶をろ過し、真空で12時間乾燥させ、(5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}チアゾリジン−2,4−ジオン塩酸塩を含む白色結晶8.74g(収率90.0%)を得た。HPLCにより純度を確認したところ、純度は99.1質量%であった。
比較例1
実施例1において、ブロモ体の合成工程(ジアゾニウム塩の合成、およびジアゾニウム塩とアクリル酸メチルとの反応)は、実施例1と同様の操作を行った。
(洗浄工程)
実施例1と同様の方法で得られた反応液から、溶媒を留去し、酢酸エチル115gを加え、次いで、5質量%アンモニア水48gを加えて中和処理した。その後、有機層を実施例1と同様に、水洗し、乾燥した後、溶媒を留去して2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルを含む油状物を46.39g得た。HPLCにより純度を確認したところ、純度は71.9質量%と低い値であった。純度を考慮した2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルの収率は、67.4%であった。
比較例2
実施例1における10質量%臭化水素酸に代えて、10質量%塩酸にした以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルを含む油状物9.36gを得た。HPLCにより純度を確認したところ、純度は82.3質量%であったが、純度を考慮した2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルの収率は15.6%と低収率であった。
比較例3
実施例1の洗浄工程において、10質量%臭化水素酸に代えて、10質量%酢酸にした以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルを含む油状物44.47gを得た。HPLCにより純度を確認したところ、純度は72.6質量%と低い値であった。純度を考慮した2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルの収率は65.3%であった。
比較例4
実施例1の洗浄工程において、10質量%臭化水素酸に代えて、10質量%硫酸にした以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルを含む油状物12.44gを得た。HPLCにより純度を確認したところ、純度は84.1質量%であったが、純度を考慮した2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルの収率は21.2%と低収率であった。
実施例4
実施例1のジアゾニウム塩とアクリル酸メチルとの反応において、ピリジンを使用しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行った。
その結果、2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルを含む油状物40.5gを得た。HPLC(高性能 液クロマトグラフ)により純度を確認したところ、純度は68.8質量%、純度を考慮した2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルの収率は56.4%であった。
比較例5
実施例4の洗浄工程において、10質量%臭化水素酸を使用しなかった以外は、実施例4と同様の操作を行った。
その結果、2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルを含む油状物40.8gを得た。HPLC(高性能 液クロマトグラフ)により純度を確認したところ、純度は59.7質量%、純度を考慮した2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルの収率は49.3%であった。

Claims (3)

  1. 臭化水素の存在下、下記式(1)
    Figure 0005473303
    で示される4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]アニリンと亜硝酸塩とを反応させてジアゾニウム塩を合成した後、銅触媒の存在下、得られたジアゾニウム塩とアクリル酸メチルとを反応させて下記式(2)
    Figure 0005473303
    で示される2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルを合成する工程、および
    前記工程で得られた2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチル、臭化水素酸、および非水溶性有機溶媒を加えて混合し、2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルを該非水溶性有機溶媒中に抽出する工程
    とを含むことを特徴とする2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルの製造方法。
  2. 請求項1に記載の方法によって2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルを製造した後、アルカリ存在下、得られた2−ブロモ−3−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチルとチオ尿素とを反応させることを特徴とする下記式(3)で示される
    Figure 0005473303
    5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}−2−イミノ−4−チアゾリジノンの製造方法。
  3. 請求項2に記載の方法によって5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}−2−イミノ−4−チアゾリジノンを製造した後、得られた5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}−2−イミノ−4−チアゾリジノンと塩化水素とを反応させることを特徴とする下記式(4)で示される
    Figure 0005473303
    5−{4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル}チアゾリジン−2,4−ジオン塩酸塩の製造方法。
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