JPH0827635A - 紡機の玉揚げ管理システム - Google Patents

紡機の玉揚げ管理システム

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JPH0827635A
JPH0827635A JP15881794A JP15881794A JPH0827635A JP H0827635 A JPH0827635 A JP H0827635A JP 15881794 A JP15881794 A JP 15881794A JP 15881794 A JP15881794 A JP 15881794A JP H0827635 A JPH0827635 A JP H0827635A
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Yutaka Shinozaki
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数の紡機機台がほぼ同時期に玉揚げ停止し
て先の機台の玉揚げ作業が終了するまで他の機台が停台
したまま放置されることを回避する。 【構成】 信号線で接続された複数の精紡機のうち1台
のマスタ機が各機台の玉揚げ時刻を管理する。マスタ機
MのCPUは各機台からの信号により収集した各機台の
満管までの所要時間及び最低リフト長に達するまでの所
要時間を満管時刻の遅い方から順に並べ、それぞれTF
i ,TH i (i=1,2,…N)とし、同図のフローチャートに
従って各機台の玉揚げ時刻の設定を行う。玉揚げ時刻t
D i+1 は最低リフト長が確保される範囲で、各玉揚げ時
刻間に玉揚げ作業に要する5分がほぼ確保されるように
設定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多数並設されたリング精
紡機やリング撚糸機等の紡機の玉揚げ時刻を管理する紡
機の玉揚げ管理システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、精紡機では管糸が満管となると
満ボビンをスピンドルから外すとともに空ボビンをスピ
ンドルに挿着する玉揚げ作業が行われる。工場内の多数
の機台に対する玉揚げ作業は、通常複数人の作業者から
編成されたチーム毎に分担して行われ、自動玉揚げ機が
配備された工場では複数の機台を満管毎に巡回する自動
玉揚げ機により自動で行われる。また、機台毎に一斉式
の自動管替装置を装備するものもある。
【0003】通常、紡績工場では特に玉揚げ時期を管理
せず満管となった機台から順次に玉揚げを行っていくい
わゆるランダム玉揚げが採用されている。紡績工場のフ
ロアには数十台あるいは百数十台の精紡機が設置されて
おり、ランダム玉揚げを採用する工場では複数の機台が
ほぼ同時期に満管となる場合がある。玉揚げ作業を作業
者や自動玉揚げ機が担当する場合、担当機台がほぼ同時
期に満管となると、先に玉揚げ作業に就いた機台の玉揚
げ作業が終了するまで、他の機台は待ち状態となり、そ
の間の待ち時間が機台の稼動率の低下をもたらし、工場
全体としての生産性が低下する。また、一斉式の自動管
替装置の場合でも、ほぼ同時期に玉揚げ停台すると玉揚
げ作業後の運転始動もほぼ同時期となり、始動糸切れが
重なって発生した場合にはその修復が遅れる。
【0004】この問題を解消するため、工場によっては
紡機機台間で満管時刻が重ならないように予め設定した
開始時刻から各機台の運転を開始させるとともに、所定
時刻に玉揚げするいわゆる時間玉揚げが採用される場合
がある(例えば特開平4−34026号公報)。この時
間玉揚げによれば満管時刻が重ならないので満管後に停
台したまま放置されることが回避されて生産性の向上に
寄与する。
【0005】また、特開昭62−141133号公報に
は、作業者の照会によりモニタ装置が満管となった状態
にある精紡機を予め設定された判断基準に基づき玉揚げ
作業の必要性のあるものから順に教え、その優先順に従
って作業者が玉揚げ作業に就いていく方法が開示されて
いる。この方法によれば、各機台はモニタ装置が効率良
いと判断した優先順に従って玉揚げされるので、例えば
玉揚げ停台が重なった場合にモニタ装置の指示で各機台
に別々の作業者が玉揚げ作業に就けた場合には、玉揚げ
停止した機台が停台したまま放置されることが回避され
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、時間玉揚げ
を採用した場合、各機台の満管までの稼動時間は糸番手
等の生産条件により決まり、生産条件が変更されて機台
の稼動時間が変更される度にスケジュールを組み直すた
め膨大な演算処理を行う必要が生じるため、大規模な専
用装置が必要となる。
【0007】また、特開昭62−141133号公報に
開示の方法では、玉揚げ停台が重なったときにたまたま
複数の作業者(又はチーム)が手の開いていた場合にの
み、玉揚げ停台した各機台に直ちに作業者が就けるだけ
である。そのため、玉揚げ停台の放置時間を機台毎の担
当作業者が決められている場合に比較して少しは低減で
きるものの、多くの場合はどちらかの機台が作業待ちの
ため停台したまま放置されることになる。また、手の開
いた作業者から順にモニタ装置が教える機台の玉揚げ作
業に就いていく関係上、作業者(又はチーム)当たりの
担当機台数が多くなるので、作業者の行動範囲がかなり
広くなって作業者の負担が増大する。
【0008】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は複数の紡機機台がほぼ同
時期に玉揚げ停止して先の機台の玉揚げ作業が終了する
まで他の機台が停台したまま放置されることを回避し、
工場全体としての稼働率を向上させることができる紡機
の玉揚げ管理システムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、請求項1に記載の発明では、複数の紡機機台と信号
線で接続され、該信号線を介して各機台から受信した信
号により各機台の満管時刻のデータを収集するデータ収
集手段と、前記データ収集手段により収集された前記満
管時刻のデータに基づき各機台間で満管時刻が所定時間
範囲内で重なるか否かを判断する判断手段と、前記判断
手段により各機台間で満管時刻が所定時間範囲内で重な
らないと判断された場合には玉揚げ時刻を満管時刻に設
定し、前記判断手段により各機台間で満管時刻が所定時
間範囲内で重なると判断された場合には、機台によって
玉揚げ時刻を満管時刻より所定時間だけ早期に設定する
ことにより各機台間で玉揚げ時刻が前記所定時間範囲内
で重ならないか、重なったとしてもその重なりが小さく
なるように調整する玉揚げ時刻設定手段と、前記玉揚げ
時刻設定手段により設定された玉揚げ時刻に各機台の運
転を玉揚げ停止させる指令信号を前記信号線を介して各
機台に送信する停止指令手段とを備えた。
【0010】請求項2に記載の発明では、信号線を介し
て接続された複数の紡機機台を、1台のマスタ機と複数
のスレーブ機より構成し、前記マスタ機にはデータ収集
手段、判断手段、玉揚げ時刻設定手段及び停止指令手段
を設け、前記データ収集手段は各紡機機台からの信号に
より各機台の満管時刻のデータを収集する機能を有し、
前記判断手段は前記データ収集手段により収集された前
記満管時刻のデータに基づき各機台間で満管時刻が所定
時間範囲内で重なるか否かを判断する機能を有し、前記
玉揚げ時刻設定手段は前記判断手段により各機台間の満
管時刻が所定時間範囲内で重ならないと判断された場合
に玉揚げ時刻を満管時刻に設定し、前記判断手段により
各機台間の満管時刻が所定時間範囲内で重なると判断さ
れた場合に、機台によって玉揚げ時刻を満管時刻より所
定時間だけ早期に設定することにより各機台間の玉揚げ
時刻が前記所定時間範囲内で重ならないか、重なったと
してもその重なりが小さくなるように設定する機能を有
し、前記停止指令手段は前記玉揚げ時刻設定手段により
設定された玉揚げ時刻に各機台の運転を玉揚げ停止させ
る指令信号を前記信号線を介して各機台に送信する機能
を有するようにした。
【0011】請求項3に記載の発明では、請求項2に記
載の玉揚げ管理システムにおいて、前記データ収集手
段、前記判断手段、前記玉揚げ時刻設定手段及び前記停
止指令手段をマイクロコンピュータにより構成し、該マ
イクロコンピュータと同じ処理能力を有するマイクロコ
ンピュータを前記各紡機機台に設けるとともに、各マイ
クロコンピュータを分岐手段を介して信号線とマルチド
ロップ接続した。
【0012】請求項4に記載の発明では、前記判断手段
に、各満管時刻が所定時間範囲内で重なると判断された
場合に、一部の紡機機台に対しては管糸に所定リフト長
が確保される範囲内で満管時刻より所定時間だけ早期に
玉揚げ時刻を設定させるようにした。
【0013】
【作用】上記構成により請求項1に記載の発明によれ
ば、各紡機機台から信号線を介して受信される信号に基
づき各機台の満管時刻のデータがデータ収集手段により
収集される。この満管時刻のデータに基づき各機台間の
満管時刻が所定時間範囲内で重なるか否かが判断手段に
より判断される。各機台間の満管時刻が所定時間範囲内
で重ならないと判断手段により判断された場合には、玉
揚げ時刻設定手段により玉揚げ時刻が満管時刻に設定さ
れる。また、各機台間の満管時刻が所定時間範囲内で重
なると判断手段により判断された場合には、玉揚げ時刻
設定手段により機台によって玉揚げ時刻が満管時刻より
所定時間だけ早期に設定されて各機台間の玉揚げ時刻が
所定時間範囲内でほぼ重ならないように調整される。そ
して、停止指令手段から各紡機機台に対して信号線を介
して指令信号が送信され、各紡機機台は受信した指令信
号に基づき玉揚げ時刻設定手段により設定された玉揚げ
時刻にて玉揚げのため運転を停止させる。従って、玉揚
げ停止が複数の機台間でほぼ同時期に重なって、先に運
転停止した機台に対する玉揚げ作業が終了するまで他の
機台が玉揚げ停台したまま放置されることが回避される
ので、工場全体としての機台の稼働率を向上させること
ができる。
【0014】請求項2に記載の発明によれば、複数の紡
機機台のうちの1台のマスタ機にはデータ収集手段、判
断手段、玉揚げ時刻設定手段及び停止指令手段が備えら
れており、データ収集手段は各紡機機台から受信した信
号により各機台の満管時刻のデータを収集する。データ
収集手段により収集された満管時刻のデータに基づき判
断手段が各機台間の満管時刻が所定時間範囲内で重なる
か否かを判断する。各機台間の満管時刻が所定時間範囲
内で重ならないと判断された場合には、玉揚げ時刻設定
手段により玉揚げ時刻が満管時刻に設定される。また、
各機台間の満管時刻が所定時間範囲内で重なると判断さ
れた場合には、玉揚げ時刻設定手段により機台によって
玉揚げ時刻を満管時刻より所定時間だけ早期に設定され
て各機台間の玉揚げ時刻が所定時間範囲内でほぼ重なら
ないように調整される。停止指令手段は各紡機機台に対
して指令信号を送信し、各紡機機台は指令信号に基づき
玉揚げ時刻設定手段により設定された玉揚げ時刻にて玉
揚げのため運転を停止させる。従って、玉揚げ停止が複
数の機台間でほぼ同時期に重なって、先に運転停止した
機台に対する玉揚げ作業が終了するまで他の機台が玉揚
げ停台したまま放置されることが回避されるので、工場
全体としての機台の稼働率を向上させることができる。
【0015】請求項3に記載の発明によれば、各紡機機
台は同じ処理能力を有するマイクロコンピュータを備え
るとともに、各マイクロコンピュータは分岐手段を介し
て信号線とマルチドロップ接続されているので、各紡機
機台はマスタ機になる互換性を有する。そのため、マス
タ機が保全に入った場合には、スレーブ機のうちの1台
がマスタ機とされる。
【0016】請求項4に記載の発明によれば、各満管時
刻が所定時間範囲内で重なると判断された場合にも、一
部の紡機機台に対しては玉揚げ時刻が管糸に所定リフト
長が確保される範囲内で満管時刻より所定時間だけ早期
に設定されるので、玉揚げが満管前に早期に行われて
も、生産される管糸には所定リフト長が確保される。例
えば所定リフト長をワインダ工程で口出しし易いリフト
長に設定すれば、生産された管糸にはそのリフト長が確
保されるので、ワインダ工程での管糸の口出しはトラブ
ル無く円滑に行われる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図1〜
図3に基づいて説明する。紡績工場のフロアには数十台
から百数十台の精紡機が設置されている。工場内の精紡
機に対する玉揚げ作業は、複数人の作業者から編成され
たチーム毎に分担して行われる。1チームが担当する精
紡機のグループを管理グループと呼ぶと、本実施例では
工場内の全精紡機の玉揚げ時刻が1台のマスタ機により
それ以外の機台(以下スレーブ機という)からの信号情
報に基づいて管理グループ毎に管理される。
【0018】図3に示すように、工場内の精紡機は1台
のマスタ機Mとそれ以外の多数のスレーブ機Sとから構
成される。各機台M,Sには運転制御用の制御装置Cが
備えられている。マスタ機Mとスレーブ機Sは構造上同
じ精紡機であり、制御装置Cの処理動作のみが異なって
いる。各機台M,Sの制御装置Cは信号線1を介して接
続され、信号線1には32台の機台M,Sを接続する毎
に一つのリピータ2が接続されている。
【0019】図2に示すように、制御装置Cはマイクロ
コンピュータMCを内蔵している。マイクロコンピュー
タMCはデータ収集手段を構成するとともに判断手段、
玉揚げ時刻設定手段及び停止指令手段としての中央処理
装置(以下CPUという)3と、プログラムメモリ4
と、作業用メモリ5とを備えている。プログラムメモリ
4は制御プログラムを記憶した読出し専用メモリ(RO
M)からなり、作業用メモリ5は入力装置6により入力
された入力データ及びCPU3における演算処理結果等
を一時記憶する読出し及び書替え可能なメモリ(RA
M)からなっている。CPU3はプログラムメモリ4に
記憶されたプログラムデータに基づいて動作するように
なっている。作業用メモリ5にはバックアップ電源を備
えた不揮発性メモリが使用されている。
【0020】CPU3には入力装置6及びタイマ7が接
続されている。入力装置6により糸重量W、トータルリ
フト長Lt、糸番手Ne、チェイス長C、ボビン裸径D
E等の生産条件データ及び満管前の途中玉揚げを許容す
る最低限確保する必要があるリフト長LH のデータが制
御装置Cに入力される。入力装置6により入力された各
種データは作業用メモリ5に記憶されるようになってい
る。また、作業用メモリ5にはスピンドル(図示せず)
の始動から停止までの駆動中の速度(回転数)軌跡が設
定された変速パターンが予め記憶されている。この変速
パターンには運転中の速度軌跡の他、途中停台したとき
の減速及び加速パターンが設定され、途中停台された際
の再起動後の速度軌跡もこの変速パターンにより認知さ
れるようになっている。
【0021】CPU3は入出力インタフェース8を介し
てサーボアンプ9と接続され、さらにサーボアンプ9に
は正逆転可能なリフティングモータ10が接続されてい
る。リフティングモータ10はその回転軸の回転を検出
して2相信号を出力するエンコーダ11を備えている。
リフティングモータ10はサーボアンプ9を介してスピ
ンドルに同期した所定回転数で駆動され、エンコーダ1
1からサーボアンプ9に出力される信号に基づきフィー
ドバック制御される。
【0022】また、エンコーダ11からの信号はサーボ
アンプ9を介して入出力インタフェース8に入力され
る。入出力インタフェース8は24ビットのアップダウ
ンカウンタ(図示せず)を内蔵し、エンコーダ11から
の2相信号はアップダウンカウンタによりカウントされ
る。アップダウンカウンタは機台運転開始時にリセット
され、入力した2相信号の2相のうちどちらの相が進相
しているか否かでリフティングモータ10の回転方向を
判別しながらカウントし、チェイス回数を考慮したリン
グレール(図示せず)の位置(mm)と対応するカウント
値を計数する。従って、アップダウンカウンタのカウン
ト値から機台運転開始後のリフティングモータ10の回
転量に対応したその時々のリングレールの位置が把握さ
れる。
【0023】また、CPU3は入出力インタフェース8
を介してインバータ12と接続され、さらにインバータ
12にはスピンドルモータ13が接続されている。スピ
ンドルモータ13はインバータ12を介してスピンドル
が作業用メモリ5に記憶された変速パターンに基づく速
度軌跡を描くように回転数制御される。また、ドラフト
パートもスピンドル回転数に連動してスピンドルモータ
13により駆動されるようになっている。
【0024】フロントローラ14の端部と対応する位置
にはフロントローラ14の回転数を検出するセンサ15
が配設され、CPU3は入出力インタフェース8を介し
てセンサ15と接続されている。CPU3は機台運転中
にセンサ15から入力される信号のパルス数をカウンタ
(図示せず)にて計数してフロントローラ14からの紡
出糸長を認知し、その紡出糸長が生産条件データの糸重
量Wから算出される生産糸長に達したときに満管となっ
たと判断して機台の運転を停止させるようになってい
る。
【0025】CPU3にはUART(調歩同期式シリア
ル通信用IC)16が接続され、さらにUART16に
RS485規格のインタフェース17が接続されてい
る。このインタフェース17に各機台M,Sの制御装置
C間を結ぶ信号線1が接続されている。信号線1はRS
485規格の2本の通信ラインと、リピータ2のバス制
御専用配線とから構成されている。インタフェース17
は送信用差動ドライバと、受信用差動レシーバと、リピ
ータ2の伝送路方向を指定する制御信号用の差動ドライ
バとを備えている。各ドライバは3ステート制御され、
信号線1を構成する2本の通信ラインは送受信で共通に
使用される。CPU3はUART16及びインタフェー
ス17を介して、他台のCPU3との間でシリアル通信
が可能となっている。
【0026】プログラムメモリ4には管糸形成演算プロ
グラムが記憶され、CPU3は機台運転開始に先立ち管
糸形成演算プログラムに基づき入力装置6により入力さ
れた生産条件データを用いて管糸形成シミュレーション
を行う。管糸形成シミュレーションとは、生産条件デー
タに適合した管糸を形成するための機台運転条件を求め
るシミュレーションである。CPU3は管糸を形成する
シミュレーションを繰り返し行い、糸重量Wから算出し
た生産糸長を巻き取った際の管糸のリフト長がトータル
リフト長Lt と一致する運転条件を求める。例えば運転
条件としてリングレールの1昇降動毎の上昇量(シェー
パステップ量)等が算出される。
【0027】また、プログラムメモリ4にはこの管糸形
成演算プログラムの他、玉揚げ管理プログラムが記憶さ
れている。マスタ機M及びスレーブ機Sの設定は、予め
入力装置6による入力設定により各機台毎に行われてお
り、マスタ機MのCPU3によりこの玉揚げ管理プログ
ラムが所定時間間隔で割り込みで実行されるようになっ
ている。玉揚げ管理プログラムが実行されると、マスタ
機MのCPU3は各スレーブ機SのCPU3に対して信
号線1を介して情報要求信号を順次に送信する。スレー
ブ機SのCPU3は情報要求信号を受信すると、その情
報要求信号がそのスレーブ機Sの起動後最初に受信した
情報要求信号である場合に限り、その情報要求信号に応
答してマスタ機MのCPU3に満管情報信号を送信する
ようになっている。
【0028】すなわち、スレーブ機SのCPU3は起動
後最初の情報要求信号を受信すると、そのときのアップ
ダウンカウンタのカウント値からリングレールの位置を
求め、リングレールの位置と作業用メモリ5中のスピン
ドルの変速パターンとに基づき満管までの所要時間TF
と、リフト長LH に達するまでの所要時間TF とを算出
する。そして、算出した各所要時間TF ,TF のデータ
を満管情報信号としてマスタ機MのCPU3に送信する
ようになっている。なお、マスタ機Mは停台中も玉揚げ
管理プログラムを実行する。
【0029】マスタ機Mの作業用メモリ5には各管理グ
ループ毎の機台号機番号と、1回の玉揚げ作業のため確
保したい玉揚げ作業時間TD とが予め入力装置6により
入力されて記憶されている。マスタ機MのCPU3はス
レーブ機Sから受信した満管情報信号に基づく各所要時
間TF ,TF のデータとその受信時の時刻とから満管時
刻tF 及びリフト長LH に達する時刻tH を求め、これ
らの時刻データtF ,tH と機台号機番号とを対応させ
たタイムテーブルを管理グループ毎に作成する。マスタ
機MのCPU3は満管情報信号を同じ号機から再度受信
した場合、その満管情報信号に基づきその号機番号の時
刻データtF ,tH を変更し、更新したタイムテーブル
中の時刻データtF ,tH に基づき図1にフローチャー
トで示す玉揚げ時刻設定ルーチンを管理グループ毎に実
行するようになっている。
【0030】マスタ機MのCPU3は玉揚げ時刻設定ル
ーチンの実行結果に基づき号機番号と玉揚げ時刻tD と
を対応させたタイムテーブルを管理グループ毎に作成し
て作業用メモリ5に記憶する。マスタ機MのCPU3は
タイマ7により認知した時刻がタイムテーブル中の玉揚
げ時刻tD に達すると、その号機の玉揚げ時刻tD が満
管時刻tF でない場合に限り、その号機番号の機台M,
Sに対して玉揚げ停止信号を送信するようになってい
る。各機台M,Sは玉揚げ停止信号に基づき玉揚げ作業
可能な状態に機台の運転を停止する。また、マスタ機M
のCPU3は玉揚げ時刻tD が満管時刻tF である場合
には玉揚げ停止信号を送信しない。この場合、各機台
M,SのCPU3は満管に達した時点でその運転を停止
するようになっている。
【0031】次に、上記のように構成された精紡機の玉
揚げ管理システムの作用について説明する。各機台の運
転開始に先立ち糸重量W、トータルリフト長Lt 、番手
Ne、チェイス長C、ボビン裸径DE等の生産条件デー
タ及び途中玉揚げを許容するリフト長LH が入力装置6
により制御装置Cに入力され、入力された各種データは
作業用メモリ5に記憶される。リフト長LH は例えばワ
インダで口出しし易い値に設定される。CPU3はこれ
らの各種入力データを用いてプログラムメモリ4に記憶
された管糸形成演算プログラムに基づき管糸形成シミュ
レーションを実行し、糸重量Wから算出された生産糸長
を巻き上げた際のリフト長がトータルリフト長Ltと一
致する運転条件を求める。そして、機台M,SはCPU
3が管糸形成シミュレーションにより求めた運転条件に
基づき運転を開始する。すなわち、CPU3はサーボア
ンプ9を介してリフティングモータ10をリングレール
が運転条件に基づく反転タイミングで昇降動するように
正逆転制御し、インバータ12を介してスピンドルモー
タ13をスピンドルが作業用メモリ5に記憶された変速
パターン通りの速度軌跡を描くように回転数制御する。
本実施例の紡績工場ではランダム玉揚げが採用されてい
るため、各機台M,Sは運転準備が完了した任意な時刻
に運転開始される。また、マスタ機Mの制御装置Cには
生産条件データ及びリフト長LH のデータの他に、最低
確保したい玉揚げ作業時間TD のデータ及び管理グルー
プ毎の各機台M,Sの号機番号が入力装置6により入力
されて予め作業用メモリ5に記憶されている。
【0032】マスタ機MのCPU3はマスタ機Mの運転
中に限らず停台中にも所定時間間隔で玉揚げ管理プログ
ラムを割り込みで実行し、各スレーブ機Sに対して信号
線1を介して順次に情報要求信号を送信する。情報要求
信号を受信したスレーブ機SのCPU3はその情報要求
信号が現在の運転が起動された後最初の情報要求信号で
ある場合に限り、満管までの所要時間TF 及びリフト長
LH に達するまでの所要時間TH を演算し、その演算結
果のデータTF ,TH を満管情報信号としてマスタ機M
のCPU3に信号線1を介して送信する。ここで、デー
タTF ,TH は、リングレールの昇降速度がスピンドル
回転数に比例することから、情報要求信号の受信時のア
ップダウンカウンタのカウント値からリングレールの位
置(mm)を求め、その位置からのリングレールの満管ま
での昇降軌跡経路とスピンドルの変速パターンから求め
たリングレールの昇降速度とから算出される。
【0033】一方、受信した情報要求信号が現在の運転
が起動された後2回目以降の情報要求信号であるときに
は、スレーブ機SのCPU3は満管情報信号で応答しな
い。つまり、その運転が開始された起動時刻が同じであ
れば満管時刻は同じなので、その運転の起動後最初の情
報要求信号に対してのみ満管情報信号で応答し、その運
転の起動後2回目以降の情報要求信号に対しては満管時
刻に変更がないので応答しない。
【0034】マスタ機MのCPU3は満管情報信号を受
信すると、その受信時にタイマ7から認知した時刻と、
所要時間TF ,TH のデータとから送信元の号機番号の
満管時刻tF 及びリフト長LH に達する時刻tH すなわ
ち途中玉揚げ許容時刻tH を算出する。マスタ機MのC
PU3は各スレーブ機Sからの満管情報信号に基づき算
出した時刻データtF ,tH によりマスタ機Mの時刻デ
ータtF ,tH を含めたタイムテーブルを管理グループ
毎に作成する。タイムテーブルにはその管理グループに
属する機台M,Sの満管時刻tF 及び途中玉揚げ許容時
刻tH が号機番号に対応させて収められている。
【0035】マスタ機MのCPU3は初めて満管情報信
号を受信した号機番号に対してはその号機番号に関する
時刻データtF ,tH をタイムテーブル中に書き加え、
満管情報信号を同じ号機番号から再受信した場合には、
タイムテーブル中のその号機番号に関する時刻データt
F ,tH を書き直す。また、機台M,Sが玉揚げ停止し
た場合には、その号機番号に関する時刻データtF ,t
H をタイムテーブルから抹消する。
【0036】マスタ機MのCPU3は、満管情報信号を
受信してタイムテーブル中の時刻データtF ,tH を更
新した場合にのみそのタイムテーブル中の時刻データt
F ,tH に対して図1のフローチャートで示す玉揚げ時
刻設定ルーチンを実行する。図1のフローチャートに入
る前に、CPU3はまずタイムテーブル中の時刻tF,
tH を所定の基準時刻t0 からの所要時間のデータに変
換し、各所要時間のデータを満管時刻の遅い号機番号の
ものから順に並べ、それぞれ所要時間TF i ,TH
i (i=1,2,3,…) とする。但し、各データTF i ,T
H i は号機番号との対応関係が分かるように並べられ
る。そして、CPU3はその管理グループ中で最も満管
時刻の遅い号機番号に対して基準時刻t0 からTF
1(分)経過後のその号機番号の満管時刻(t0 +T
F1)に玉揚げ時刻tD1を設定する。その後、CPU3は
図1のフローチャートを実行する。
【0037】以下、図1のフローチャートに従ってCP
U3の処理動作を説明する。なお、管理グループに属す
る精紡機の台数をNとする。ステップ1(以下、ステッ
プをSと記す)において、まず初期値i=1が設定され
る。S2において、基準時間t0 から満管時刻tF まで
の所要時間TF i (i=1,2,3,…) のデータの中から所
要時間TF i の長い方の2つのデータTF1,TF2を選
び、その差(TF1−TF2)が玉揚げ作業時間TD 以上で
あるか否かを判断する。例えば玉揚げ作業時間TD とし
て5分が設定されていた場合には、最も満管時刻の遅い
号機と、2番目に満管時刻の遅い号機との満管時刻を比
較し、その2つの満管時刻間に少なくとも5分の玉揚げ
作業時間が確保されているか否かを、TF1−TF2≧5が
成立するか否かで判断する。2つの満管時刻間に少なく
とも5分が確保されており、TF1−TF2≧5が成立すれ
ば、S6に移行して2番目に満管時刻の遅い号機番号の
玉揚げ時刻tD2をその号機の満管時刻(t0 +TF2)に
設定する。
【0038】S2において、2つの満管時刻間に少なく
とも5分が確保されておらず、TF1−TF2≧5が不成立
であればS3に移行する。S3ではTF1−5≧TH2が成
立するか否かが判断される。すなわち、最も満管時刻の
遅い号機番号の玉揚げ時刻tD1から玉揚げ作業時間TD
の5分を確保した時刻(t0 +TF1−5)に2番目に満
管時刻の遅い号機番号の玉揚げ時刻tD2を設定した場合
に、管糸にリフト長LH より多くの糸が巻き取られるか
否かを判断する。TF1−5≧TH2が成立すれば、リフト
長LH の確保が保証されるので、S4でTF2の値を(T
F1−5)に置き換え、S6で玉揚げ時刻tD2として時刻
(t0 +TF2)すなわち時刻(t0 +TF1−5)を設定
する。
【0039】一方、S3において、TF1−5≧TH2が不
成立で、玉揚げ時刻tD2を時刻(t 0 +TF1−5)に設
定すると管糸にリフト長LH より多くの糸が巻き取られ
なくなるようであればS5に移行し、S5でTF2の値を
TH2に置き換え、S6で玉揚げ時刻tD2として時刻(t
0 +TH2)を設定する。すなわち、リフト長LH の確保
を優先して玉揚げ時刻tD2に時刻(t0 +TH2)が設定
される。この場合、2つの玉揚げ時刻tD1,tD2間に玉
揚げ作業時間TD の5分が確保されなくなるが、玉揚げ
時刻tD1,tD2間に可能な限りの最長の時間間隔(<5
分)が確保される。なお、S2及びS3により判断処理
が行われ、S4〜S6により玉揚げ時刻設定処理が行わ
れる。さらにS3はリフト長確保判断処理を兼ねる。
【0040】こうしてS6で2番目に満管時刻の遅い号
機番号の玉揚げ時刻tD2が設定されると、S7でiを
「1+1」に置き換えてi=2を設定し、S8へ移行す
る。S8でi=Nであるか否かを判断し、i=2(≠
N)であるので、この管理グループの全ての号機番号に
ついての玉揚げ時刻tD i の設定が完了していないとし
てS2へ移行する。以下同様にS2〜S8までの処理を
S8でi=Nが成立するまで繰り返し行うことにより、
この管理グループに属する全ての号機番号についての玉
揚げ時刻tD i (i=3,4,…,N) を満管時刻の遅い号機
番号から順に設定していく。
【0041】すなわち、満管時刻の遅い号機番号から順
にすでに確定済みのデータTF i と未確定のデータTF
i+1 とを選択し、その差(TF i −TF i+1 )が玉揚げ
作業時間TD の5分以上であれば、玉揚げ時刻tD i+1
をその号機の満管時刻(t0+TF i+1 )に設定する。
また、その差(TF i −TF i+1 )が5分未満であれ
ば、玉揚げ時刻tD i ,tD i+1 間に5分が確保される
ように、玉揚げ時刻tD i+1 として時刻(t0 +TF i
−5)を設定する。但し、玉揚げ時刻tD i+1 を時刻
(t0 +TF i −5)に設定した場合に、管糸にリフト
長LH より多くの糸が巻き取られなくなるようであれ
ば、リフト長LH の確保を優先して玉揚げ時刻tD i+1
として時刻(t0 +TH i+1 )を設定する。こうして管
理グループに属する全ての号機に対して玉揚げ時刻tD
i の設定が完了すると、CPU3は各号機番号と玉揚げ
時刻tD i とを対応させたタイムテーブルを作成する。
この玉揚げ時刻tD i のタイムテーブルは管理グループ
毎に作成され、満管情報信号を受信する度にCPU3に
より玉揚げ時刻設定ルーチンが実行されて更新される。
【0042】マスタ機MのCPU3はタイマ7により現
在時刻を認知し、その時刻がタイムテーブル中の玉揚げ
時刻tD i に達すると、その号機番号に対する玉揚げ時
刻tD i と満管時刻tF とを比較する。そして、玉揚げ
時刻tD i が満管時刻より早期に設定されて途中玉揚げ
する場合に限り、その号機番号の機台M,Sに対して玉
揚げ停止信号を送信する。玉揚げ停止信号を受信した機
台M,SのCPU3は、その玉揚げ停止信号に基づき玉
揚げ可能な状態に機台M,Sの運転を停止させる。一
方、玉揚げ時刻tD i と満管時刻tF とが一致する場合
には、マスタ機MのCPU3はその号機番号の機台M,
Sに対して玉揚げ停止信号を送信しない。この場合、そ
の号機番号の機台M,Sは玉揚げ停止信号を受信しなく
とも、センサ15からの信号をカウントするカウンタの
カウント値に基づきフロントローラ14からの紡出糸長
が糸重量Wから算出された生産糸長に達して満管となる
と、そのCPU3により玉揚げ停止される。
【0043】機台M,Sの玉揚げ停止は、回転灯等の公
知の報知手段により作業者に認知される。作業者は担当
する管理グループに属する機台M,Sが玉揚げ停止する
と、その機台M,Sに対して玉揚げ作業を行う。管理グ
ループに属する機台M,Sは、マスタ機MのCPU3が
作成したタイムテーブル中の玉揚げ時刻tD i 通りに玉
揚げ停止するので、各機台M,Sの玉揚げ停止時刻間に
玉揚げ作業時間TD がほぼ確実に確保される。そのた
め、作業者が玉揚げ停台中の機台に対して玉揚げ作業を
行っている最中に他の機台が玉揚げ停止し、玉揚げ作業
が終了するまでその機台が停台したまま放置されるとい
う状況がほとんど発生しなくなる。なお、精紡機により
形成された管糸はその後チーズに巻き取られるので、満
管より早期に玉揚げしても問題はない。
【0044】以上詳述したように本実施例の玉揚げ管理
システムによれば、同じ管理グループに属する機台間で
満管時刻が接近した場合に、玉揚げ時刻を満管より早期
に設定し、玉揚げ停台が重ならないか、重なってもその
重なり時間が最小となるように調整することができる。
そのため、ランダム玉揚げを実施する工場において、玉
揚げ停台の重なりがほぼ解消され、玉揚げ停台の重なり
により一方の機台が他方の玉揚げ作業の終了を待って停
台したまま放置されることがほぼ解消されるので、工場
全体としての精紡機の稼動率を向上させることができ
る。その結果、工場全体の生産性が向上される。
【0045】また、玉揚げ作業時間TD を確保するため
必要最小限の時間だけ満管より早期に玉揚げされるだけ
なので、満管まで巻かれていないとはいえ、多くの糸量
を確保することができる。さらに途中玉揚げする場合に
は最低確保したいリフト長LH が確保されるようにした
ので、例えばリフト長LH としてワインダ工程で口出し
し易いリフト長を設定すれば、その後のワインダ工程で
の口出しトラブルの発生がほぼ無くなり、円滑なワイン
ダ作業を実現することができる。
【0046】また、工場内の玉揚げ作業は玉揚げ停止の
重なりによる玉揚げ停台の放置をほとんど伴うことなく
効率良く行われるので、従来のような停台放置の防止を
考慮して設定された作業者数の場合には、管理グループ
当たりの機台数を増やすことが可能となり、ひいては玉
揚げ作業の担当作業者数の削減を図ることができる。ま
た、玉揚げ作業を機台間を巡回する自動玉揚げ機により
行う工場の場合には、自動玉揚げ機の削減を図ることも
期待できる。
【0047】さらに、マスタ機MのCPU3は玉揚げ時
刻の調整のみを行うのみでCPU3の処理量が比較的に
少ないので、精紡機に設けられた運転制御用のマイクロ
コンピュータMCを利用して実施することができる。そ
のため、時間玉揚げのように大規模な専用装置を必要と
しない。また、各機台M,SのマイクロコンピュータM
Cはマスタ機Mとなるだけの処理能力を有し、入力装置
6による入力設定によりどの精紡機もマスタ機Mに設定
することが可能であるので、マスタ機Mが保全に入って
も、他の機台をマスタ機Mに設定することにより、玉揚
げ時刻の調整作業に支障をきたさない。
【0048】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で例えば次のよ
うに構成することもできる。 (1)精紡機機台を信号線を介してホストコンピュータ
と接続し、各機台の玉揚げ時刻管理をホストコンピュー
タにより行ってもよい。この場合、各機台からは満管時
刻や途中玉揚げ可能時刻を算出するために必要となるリ
ングレールの位置データ等の情報のみを送信させ、ホス
トコンピュータがその情報に基づき満管時刻や途中玉揚
げ可能時刻の算出及び玉揚げ時刻tD の設定を行う構成
としてもよい。こうすれば精紡機のマイクロコンピュー
タにさほどの処理能力が要求されない。 (2)各機台M,SのCPU3に生産条件データ等を用
いて運転開始前に予め満管までの所要時間TF を求めさ
せておき、タイマにより計時した稼動時間をその所要時
間TF から差し引くことにより満管までの所要時間TF
や満管時刻tF等を算出して満管情報信号としてもよ
い。この場合、途中停台の際の減速過程による時間の遅
れを計算に入れるとよい。
【0049】(3)センサ15からの信号を計数するこ
とによりフロントローラからの紡出糸長を機台運転開始
時から計測するカウンタのカウント値から所要時間TF
,TH 又は時刻データtF ,tH を算出して満管情報
信号としてもよい。
【0050】(4)満管時刻tF 等に変更があったとき
に、スレーブ機SのCPU3の方から積極的にマスタ機
MのCPU3に対して満管情報信号を送信するアクセス
方式としてもよい。例えばスレーブ機Sの起動時に満管
情報信号を送信する構成とすればよい。この構成によれ
ば、マスタ機MのCPU3は所定時間間隔で玉揚げ管理
プログラムを実行してスレーブ機Sに対してポールする
必要がなくなり、満管情報信号を受信したときのみ玉揚
げ管理プログラムの処理動作を行えばよいので、マスタ
機MのCPU3の負担を軽減することができる。
【0051】なお、適宜なアクセス方式に変更でき、ポ
ーリング方式の他、トークンパッシング方式、コンテン
ション方式、CSMA方式としてもよい。CSMA方式
としては即時型CSMA、待時型CSMA、CSMA/
CDのどれも使用できる。
【0052】(5)マスタ機Mから各機台M,Sに対し
て予め何分後に玉揚げするように指令しておいてもよ
い。この場合、玉揚げ時刻に変更がある度に更新した玉
揚げ時刻をその号機に対して指令すればよい。
【0053】(6)マスタ機Mの台数は、工場の規模や
機能面を考慮して適宜に設定することができる。例えば
管理グループ毎に1台のマスタ機Mを設定してもよい。 (7)マスタ機MのマイクロコンピュータMCをスレー
ブ機Sのそれよりも処理能力や記憶容量の高いものとし
てもよい。この場合、マスタ機Mとスレーブ機Sとの互
換性は無くなるが、マスタ機Mのマイクロコンピュータ
MCに多くの処理をさせることができる。
【0054】(8)玉揚げ作業時間TD を機台M,S毎
に設定可能としてもよい。玉揚げ作業時間は玉揚げ後の
段取り内容により異なり、機台M,Sに応じた適正な玉
揚げ作業時間を確保することができ、玉揚げ停台の重な
りや早期玉揚げを一層回避することができる。
【0055】(9)スレーブ機SのCPU3に満管時刻
tF や途中玉揚げ時刻tH の時刻データを満管情報信号
として送信させてもよい。マスタ機MのCPU3が所要
時間TF ,TH を時刻データに変換する必要がなくな
り、処理負担が軽減される。
【0056】(10)玉揚げ時刻設定ルーチンを時刻デ
ータtF ,tH を用いて行ってもよい。時刻データtF
,tH を所要時間TF i ,TH i のデータに変換する
必要がなくなり、マスタ機MのCPU3の負担が軽減さ
れる。
【0057】(11)玉揚げ作業を自動玉揚げ機に行わ
せてもよい。この場合、マスタ機Mやホストコンピュー
タに信号線や無線を介して自動玉揚げ機を運転制御さ
せ、マスタ機Mやホストコンピュータが設定した玉揚げ
時刻tD のデータに基づき機台の玉揚げ停止とともに自
動玉揚げ機の運転指令を行えばよい。
【0058】(12)マスタ機MのCPU3が作成した
玉揚げ時刻tD のタイムテーブルを例えば精紡機機台に
設けたモニタ装置に表示させてもよい。この構成によれ
ば、作業者は玉揚げ時刻を予め知ることができ、時間配
分を考えながら担当作業を効率よく行うことができる。
また、玉揚げ作業すべき機台号機番号をモニタ装置の画
面を介して作業者に報知させてもよい。
【0059】(13)本発明をリング撚糸機に適用して
もよい。管糸はチーズに巻き直されるので、満管より早
期に玉揚げ可能であり、本発明の適用が可能である。前
記実施例から把握され、特許請求の範囲に記載されてい
ない発明を、その効果とともに以下に記載する。
【0060】(1)請求項2又は請求項3において、各
紡機機台から各機台の起動後1回のみ満管時刻のデータ
のための信号をデータ収集手段に送信するようにした。
この構成によれば、途中停台されなければ各機台の満管
時刻のデータに変更はないので、起動後1回のみ満管時
刻のデータのための信号がデータ収集手段に送信されれ
ばよく、判断手段、玉揚げ時刻設定手段及び停止指令手
段による処理回数を必要最小限に済ませることができ
る。
【0061】(2)請求項2又は請求項3において、複
数の紡機機台間を巡回して各機台に対する玉揚げ作業を
行う自動玉揚げ機を配備し、前記停止指令手段に各機台
の玉揚げ停止とともに自動玉揚げ機を玉揚げ停止させる
機台へ向かわせる指令信号を自動玉揚げ機に送信させる
ようにした。この構成によれば、玉揚げ停止された機台
に対する玉揚げ作業は自動玉揚げ機により機台運転停止
後直ちに行われる。
【0062】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1及び請求項
2に記載の発明によれば、各紡機機台の玉揚げ時刻は所
定時間範囲内で重ならないか、重なってもその重なりが
満管時刻の重なりより小さくなるように調整されるの
で、複数の機台がほぼ同時期に玉揚げ停止されることに
より一方の機台が玉揚げ停台したまま放置されることが
ほぼ防止され、工場全体としての機台の稼働率を向上さ
せることができる。
【0063】また、請求項3に記載の発明によれば、マ
スタ機が保全に入ってもスレーブ機のうちの1台がマス
タ機とされるので玉揚げ時刻の設定に支障をきたさな
い。さらに請求項4に記載の発明によれば、生産された
管糸に最低確保したい糸量を確保することができるとい
う優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施例におけるフローチ
ャートである。
【図2】精紡機の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】信号線で接続された複数の精紡機の平面図であ
る。
【符号の説明】
1…信号線、3…データ収集手段、判断手段、玉揚げ時
刻設定手段及び停止指令手段としての中央処理装置(C
PU)、16…分岐手段としてのUART、17…分岐
手段としてのインタフェース、M…紡機機台としてのマ
スタ機、S…紡機機台としてのスレーブ機、MC…マイ
クロコンピュータ、tD …満管時刻、LH …リフト長。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の紡機機台と信号線で接続され、該
    信号線を介して各機台から受信した信号により各機台の
    満管時刻のデータを収集するデータ収集手段と、 前記データ収集手段により収集された前記満管時刻のデ
    ータに基づき各機台間で満管時刻が所定時間範囲内で重
    なるか否かを判断する判断手段と、 前記判断手段により各機台間で満管時刻が所定時間範囲
    内で重ならないと判断された場合には玉揚げ時刻を満管
    時刻に設定し、前記判断手段により各機台間で満管時刻
    が所定時間範囲内で重なると判断された場合には、機台
    によって玉揚げ時刻を満管時刻より所定時間だけ早期に
    設定することにより各機台間で玉揚げ時刻が前記所定時
    間範囲内で重ならないか、重なったとしてもその重なり
    が小さくなるように調整する玉揚げ時刻設定手段と、 前記玉揚げ時刻設定手段により設定された玉揚げ時刻に
    各機台の運転を玉揚げ停止させる指令信号を前記信号線
    を介して各機台に送信する停止指令手段とを備えた紡機
    の玉揚げ管理システム。
  2. 【請求項2】 信号線を介して接続された複数の紡機機
    台を、1台のマスタ機と複数のスレーブ機より構成し、
    前記マスタ機にはデータ収集手段、判断手段、玉揚げ時
    刻設定手段及び停止指令手段を設け、前記データ収集手
    段は各紡機機台からの信号により各機台の満管時刻のデ
    ータを収集する機能を有し、前記判断手段は前記データ
    収集手段により収集された前記満管時刻のデータに基づ
    き各機台間で満管時刻が所定時間範囲内で重なるか否か
    を判断する機能を有し、前記玉揚げ時刻設定手段は前記
    判断手段により各機台間の満管時刻が所定時間範囲内で
    重ならないと判断された場合に玉揚げ時刻を満管時刻に
    設定し、前記判断手段により各機台間の満管時刻が所定
    時間範囲内で重なると判断された場合に、機台によって
    玉揚げ時刻を満管時刻より所定時間だけ早期に設定する
    ことにより各機台間の玉揚げ時刻が前記所定時間範囲内
    で重ならないか、重なったとしてもその重なりが小さく
    なるように設定する機能を有し、前記停止指令手段は前
    記玉揚げ時刻設定手段により設定された玉揚げ時刻に各
    機台の運転を玉揚げ停止させる指令信号を前記信号線を
    介して各機台に送信する機能を有する紡機の玉揚げ管理
    システム。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の玉揚げ管理システムに
    おいて、前記データ収集手段、前記判断手段、前記玉揚
    げ時刻設定手段及び前記停止指令手段をマイクロコンピ
    ュータにより構成し、該マイクロコンピュータと同じ処
    理能力を有するマイクロコンピュータを前記各紡機機台
    に設けるとともに、各マイクロコンピュータを分岐手段
    を介して信号線とマルチドロップ接続した紡機の玉揚げ
    管理システム。
  4. 【請求項4】 前記判断手段に、各満管時刻が所定時間
    範囲内で重なると判断された場合に、一部の紡機機台に
    対しては管糸に所定リフト長が確保される範囲内で満管
    時刻より所定時間だけ早期に玉揚げ時刻を設定させるよ
    うにした請求項1又は請求項2に記載のいずれかに記載
    の紡機の玉揚げ管理システム。
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CN109881316A (zh) * 2019-04-10 2019-06-14 经纬智能纺织机械有限公司 一种细纱机满纱时刻实时显示的方法
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