JP3601430B2 - 紡機の保全支援方法及び保全支援装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は多数の錘を装備したリング精紡機、リング撚糸機等の紡機の保全支援方法及び保全支援装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
リング精紡機、リング撚糸機等の紡機においては1台の機台に数百錘〜千錘装備されている。そして、紡績工場においては機台の運転を円滑に行うため、所定周期(例えば一ヵ月)で機台の定期保全が行われている。保全作業の項目には、機台の清掃、スピンドルの芯出し、給油、消耗品(例えばエプロン)の交換がある。
【0003】
また、この種の紡機においては各錘に糸切れ検出手段を設け、糸切れ錘をモニタできるようにした紡機のモニタシステムも提案されている(例えば、特開平7−48738号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
保全作業は機台停止時間をなるべく短くして機台の稼働率を高めるため、複数の人員で作業を行っている。前記保全作業の項目のうち、機台の清掃、給油、消耗品の交換は全錘に付いて行うことが必要であるが、スピンドルの芯出し作業は必ずしも全錘について必要なものではない。スピンドルの芯出しが必要なのは、スピンドルの芯ずれが発生している錘であって、芯ずれが発生していない錘に対しては芯出し作業は不要であるが、従来は芯ずれが発生しているか否かの判断を作業者が的確に行うのが難しいため、全錘に対して芯出し作業を行っていた。そのため、作業者の負担が増すばかりでなく、保全作業に時間がかかり、機台停止時間が長くなって機台の稼働率が低下するという問題があった。
【0005】
本発明は前記の問題点に鑑みてなされたものであって、その第1の目的はリング精紡機のように多数の錘を装備した紡機において、定期保全作業時に不必要な保全作業を割愛できて保全作業時間を短縮できるとともに、保全作業者に特定の保全作業が不要な錘を確実に報知できる紡機における保全支援方法を提供することにあり、第2の目的はその保全支援方法を実施するのに好適な保全支援装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記第1の目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、多数の錘を装備するとともに各錘のスピンドルを各錘に設けられたモータにより独立して駆動させる紡機において、各錘に設けられた報知装置と、前記各モータにそれぞれ電流を供給するモータ制御装置と、該各モータ制御装置から前記各モータに供給される電流量を検出する電流検出手段とを備え、前記電流検出手段によって検出される電流量の変化に基づいて糸切れ及び異常負荷の有無を判断し、その判断に従ってスピンドル芯出し作業が必要な錘を特定し、定期保全のための機台停止時に前記スピンドル芯出し作業が必要な錘の前記報知装置を駆動する。
【0007】
この発明では、定期保全作業時に、過去の運転時における各錘の履歴から特定の保全作業が必要な錘の報知装置が駆動される。保全作業者は報知装置が駆動されている錘を確認し、当該錘に対してのみ特定の保全作業を行う。従って、従来と異なり不要な保全作業を行わないため、定期保全による機台停止時間を短縮できて機台の稼働率が向上する。また、保全作業者の負担を少なくできる。
【0010】
この発明では、各錘の履歴が、各錘に設けられたモータに供給される電流量によって得られる。従って、特定の保全が必要な錘を適正に選択できる。
【0012】
この発明では、各錘のモータに供給される電流値に基づいて不調錘の判断がなされる。電流値の変化に基づき糸切れの有無及び異常負荷の有無を判断できる。従って、特定の保全が必要な錘をより適正に選択できる。
【0013】
第2の目的を達成するため、請求項2に記載の発明では、多数の錘を装備するとともに各錘のスピンドルを各錘に設けられたモータにより独立して駆動する紡機において、前記各モータに設けられたモータ制御装置と、前記各錘に設けられた報知装置と、前記各モータに供給される電流量を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段による各モータに供給される電流量の計測データに基づいて求められる、所定期間内の糸切れ回数が予め設定された所定回数を超えた錘と、定期保全までの通算糸切れ回数が所定回数より多い錘と、負荷状態が正常でなかった錘とをスピンドル芯出し作業が必要な不調錘として判断する判断手段と、機台の保全停止の際、前記判断手段が不調錘と判断した錘の前記報知装置に駆動指令を出力する保全錘指令手段とを備えた。
【0014】
この発明では、各錘のスピンドルが各錘毎に設けられたモータによって駆動され、各モータには各錘毎に設けられたモータ制御装置からそれぞれ電流が供給される。各モータに供給される電流量が電流検出手段により検出され、その検出信号に基づいて判断手段により、各錘が不調錘か否かが判断される。そして、不調錘と判断された錘の報知装置が、機台の保全停止の際に、保全錘指令手段により駆動される。従って、特定の保全が必要な錘をより適正に選択できる。
【0015】
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の発明において、前記報知装置は機台の紡出運転時に糸切れ報知装置として機能する。従って、この発明では、糸切れ報知手段が錘に装備されている単錘駆動式の紡機においては、僅かな改造で実施が可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を各錘にスピンドル駆動モータが設けられた単錘駆動式のリング精紡機に具体化した一実施の形態を図1〜図3に従って説明する。
【0017】
図2(a)に示すように、紡機の各スピンドル1にはそれぞれスピンドル駆動用モータ(以下、スピンドルモータという)2が設けられている。スピンドルモータ2としては同期モータが使用されている。各スピンドルモータ2はハウジング3内にそれぞれモータ制御装置としてのスピンドル制御装置4(図2(b)及び図3に図示)を備えている。スピンドル制御装置4には商用電源をAC/DCコンバータ(いずれも図示せず)で変換した直流が供給される。
【0018】
図2(b)に示すように、スピンドル制御装置4はインバータ5及び制御部6を備えている。制御部6はCPU7及びメモリ8を備えている。インバータ5とスピンドルモータ2とを接続する3本の給電線の任意の1本には各スピンドルモータ2に供給される電流量を検出する電流検出手段としての電流センサ9が設けられている。CPU7は電流センサ9の出力をA/D変換器及びインタフェース(いずれも図示せず)を介して入力する。CPU7は糸切れ時には当該錘のスピンドルモータ2への電力供給を停止するようになっている。CPU7は糸切れを、後記する機台制御装置からの信号で確認(検知)する。
【0019】
ハウジング3には報知装置としての表示部10が設けられている。表示部10にはLED(発光ダイオード)が使用され、図2(a)に示すように、表示部10はハウジング3の前面に設けられている。また、ハウジング3にはスピンドルモータ2の起動、停止を指令するスイッチ11が装備されている。
【0020】
紡機機台の全錘は複数のグループに分割され、図3に示すように、各制御部6は複数錘(例えば、48錘)を1グループとして、それぞれセクション制御ユニット12に通信ライン13を介して接続されている。各セクション制御ユニット12は全錘を統括する機台制御装置14に通信ライン13を介して接続されている。通信ライン13にはシリアル・インタフェースを使用したマルチドロップ接続が採用されている。シリアル・インタフェースとして例えばRS−485が使用されている。各セクション制御ユニット12は当該セクション制御ユニット12に接続されたグループの制御部6と、機台制御装置14との間の信号の授受を中継する。各錘毎に設けられた電流センサ9の出力が機台制御装置14からの指令に基づいて、各制御部6に所定時期に入力され、その計測データが各セクション制御ユニット12を介して、ディジタルの電流値データとして機台制御装置14に送信される。
【0021】
機台制御装置14は保全錘指令手段を構成するとともに判断手段としてのCPU15、ROM16、RAM17、入力装置18、入出力インタフェース19及びディスプレイ20を備えている。CPU15は入出力インタフェース19を介して巻量検出手段21に接続されている。巻量検出手段21にはフロントローラ(図示せず)の回転数を積算するカウンタが使用され、CPU15はそのカウント値からその時の巻量を演算する。
【0022】
各機台制御装置14(図3では1台のみ図示)はローカルエリアネットワーク(LAN)22を介してホストコンピュータ23と接続されている。ホストコンピュータ23は保全錘指令手段及び判断手段を構成するCPU24、ROM25、RAM26を備えている。ホストコンピュータ23には入出力インタフェース(図示せず)を介して入力装置27及びカラーディスプレイ28が接続されている。
【0023】
機台制御装置14のROM16にはプログラムデータと、その実行に必要な各種データとが記憶されている。プログラムデータには種々の繊維原料、紡出糸番手及び撚り数等の紡出条件と、定常運転時のスピンドル回転速度、ドラフト駆動系及びリフティング駆動系のモータの回転速度との対応データや、種々の巻量における回転数と供給電流量との関係を示すマップ等がある。このマップは紡出条件によって異なり、予め紡出試験を行って又は理論的に求められる。RAM17は入力装置18により入力されたデータやCPU15における演算処理結果等を一時記憶する。
【0024】
CPU15は各錘の電流センサ9の計測データを各制御部6及び各セクション制御ユニット12を介して入力し、特開平11−181636号公報に開示された糸切れ検出装置と同様な方法で、所定時間毎に各錘の糸切れの有無を判断するようになっている。そして、CPU15は糸切れと判断した錘には、セクション制御ユニット12を介して糸切れ報知信号を出力する。
【0025】
また、CPU15は機台の運転開始から玉揚げ停止までの間(1ドッフ間)の各錘の糸切れ回数を各錘毎に計測する。RAM17には糸切れ回数を記憶する記憶領域が各錘に対応して設けられ、CPU15は糸切れが発生した錘について、対応する領域に糸切れ回数を積算記憶させる。CPU15は所定期間内(この実施の形態では1ドッフ内)の糸切れ回数が予め設定された所定回数Nαを超えたとき、当該錘を不調錘と判断する。CPU15は1ドッフ毎に前記積算値をホストコンピュータ23に出力した後、ゼロにリセットする。
【0026】
ホストコンピュータ23には各機台制御装置14から各錘の糸切れ情報等が入力される。糸切れ情報には糸切れの有無、各錘毎の糸切れ積算回数が含まれる。CPU24は各機台制御装置14から入力した各機台毎の糸切れ積算回数をRAM26に設けた各記憶領域に記憶させる。CPU24は定期保全完了後、機台の再起動前に前記糸切れ積算回数をゼロにリセットする。CPU24は定期保全のための機台停止時に、通算糸切れ回数が所定数より多い錘を不調錘と判断する。また、CPU24は各機台制御装置14から各錘の電流計測データを入力し、そのデータから各錘の負荷状態が正常か否かを判断する。
【0027】
次に前記のように構成された装置の作用を説明する。精紡機の運転に先立って繊維原料、紡出糸番手、撚り数等の紡出条件が入力装置18により機台制御装置14に入力される。そして、精紡機の運転が開始されると、各錘の制御部6は機台制御装置14からの指令に基づき、紡出条件に対応してインバータ5を介してスピンドルモータ2を所定の回転速度となるように制御する。
【0028】
機台制御装置14のCPU15は所定時間毎に、各錘の電流センサ9の計測電流値データを制御部6及びセクション制御ユニット12を介して入力し、その値に基づいて各錘の糸切れの有無を判断する。そして、糸切れと判断した錘には糸切れ信号を出力するとともに、糸切れ回数積算領域のカウント値に1加算する。各制御部6は糸切れ信号を入力すると、表示部10を点灯させるとともに、スピンドルモータ2を停止させる。CPU15は各錘の糸切れ積算回数Nを所定回数Nαと比較し、糸切れ積算回数Nが所定回数Nαを超えると、当該錘を不調錘と判断する。
【0029】
作業者は糸切れ錘に対して糸継ぎ作業を行う。スイッチは11は、糸継ぎ作業完了後に作業者が当該錘を再起動させる際に使用される。
紡出が継続されて満管になると、機台の運転が停止される。そして、玉揚げ装置(図示せず)による玉揚げ作業が開始される。玉揚げ作業の開始信号により、前記RAM17に記憶されている各錘の糸切れ回数の積算値がゼロにリセットされる。CPU15は満管停止後、1ドッフ間の糸切れ積算回数のカウント値のデータをゼロにリセットする前に、それらのデータをホストコンピュータ23に出力する。
【0030】
ホストコンピュータ23は所定周期で機台制御装置14から各錘の糸切れ情報等を入力する。定期保全のため機台が停止されると、ホストコンピュータ23のCPU24は図1のフローチャートに従って作動する。CPU24は先ずステップS1で各機台制御装置14に定期保全モードの指令を出力する。CPU24は次にステップS2で定期保全までの過去の運転時における各錘の履歴から特定の保全作業が必要な錘の判定を行う。詳述すれば、CPU24は機台制御装置14のCPU15が不調錘と判断した錘と、定期保全までの通算糸切れ回数が所定数より多い錘とを不調錘と判断する。また、CPU24は運転中に各機台制御装置14から入力した各錘の電流計測データから判断した結果、負荷状態が正常でなかった錘を不調錘と判断する。そして、前記各不調錘を特定の保全作業(芯出し作業)が必要な錘と判定する。次にCPU24はステップS3で前記不調錘の表示部10の駆動指令を各機台制御装置14のCPU15に出力する。
【0031】
各機台制御装置14のCPU15は定期保全モードの指令を入力すると、スイッチ11をスピンドルモータ2の起動スイッチではなく、表示部10の駆動停止指令スイッチとして機能する状態にする指令を各錘のCPU7に出力する。また、CPU15は不調錘の表示部10の駆動指令を入力すると、ディスプレイ20に当該錘の位置を表示するとともに、当該錘のCPU7に駆動指令信号を出力する。そして、CPU7はCPU15から表示部10の駆動指令信号を入力すると、表示部10を駆動(点灯)させる。
【0032】
定期保全作業時、各作業者は機台の清掃、給油、消耗品の交換の各作業は全錘に対して行うが、スピンドルの芯出し作業に関しては表示部10が点灯している錘に対してのみ行う。そして、芯出し作業を完了した錘に対しては、スイッチ11を操作して表示部10の駆動を停止させる。
【0033】
定期保全作業が完了すると、その旨が管理者に報告され、管理者はホストコンピュータ23の入力装置27を操作して、定期保全モード解除指令を各機台制御装置14に出力させる。CPU15は定期保全モード解除指令信号を入力すると、各錘のCPU7にスイッチ11を起動スイッチとして機能する状態に復帰させる指令を出力する。その結果、各錘は紡出運転可能な状態となる。
【0034】
この実施の形態では以下の効果を有する。
(1) 各錘毎に表示部10(報知装置)を設け、定期保全までの過去の運転時における各錘の履歴から特定の保全作業(芯出し作業)が必要な錘を特定し、定期保全のための機台停止時に前記保全作業が必要な錘の表示部10を駆動する。従って、保全作業者は表示部10が駆動されている錘を確認し、当該錘に対してのみ特定の保全作業を行う。従って、従来と異なり不要な保全作業を行わないため、定期保全による機台停止時間を短縮できて機台の稼働率が向上する。また、保全作業者の負担を少なくできる。
【0035】
(2) 各錘には糸切れ検出手段が設けられ、前記特定の保全作業が必要な錘の特定が各錘の糸切れ回数に基づいて行われる。従って、糸切れ検出モニタを備えた紡機では、モニタ装置を不調錘の判断に利用できる。
【0036】
(3) 各錘毎に設けられた1個の表示部10を糸切れ表示用と、特定の保全作業必要錘の表示用とに共用している。従って、専用の表示部を設ける場合に比較して、コストを低減できるとともに、構造が簡単になる。
【0037】
(4) 各錘毎にスピンドルモータ2に供給される電流値を検出する電流センサ9が設けられ、電流値の変化に基づき糸切れの有無及び異常負荷の有無、即ち不調錘を判断できる。従って、糸切れだけで不調錘を判断する場合に比較して、特定の保全が必要な錘をより適正に選択できる。
【0038】
(5) 糸切れ時、糸継ぎ作業完了後に作業者がスピンドルモータ2を起動するためのスイッチ11を、定期保全作業時に表示部10の駆動停止(消灯)スイッチに使用可能に構成されている。従って、複数の人員で保全作業を行う際、特定の保全作業が完了した時にスイッチ11を操作して表示部10を消灯することにより、他の人がダブって特定の保全作業を行うことを簡単に防止できる。
【0039】
(6) 糸切れに基づく不調錘の判断を、1ドッフ間の糸切れ回数だけでなく、定期保全周期のように比較的長い期間の糸切れ回数によっても判断するため、特定の保全が必要な錘をより適正に選択できる。
【0040】
(7) 機台制御装置14がホストコンピュータ23にLAN22を介して接続され、定期保全のための機台停止時に特定の保全作業(芯出し作業)の必要な錘がホストコンピュータ23から自動的に指令される。従って、各機台制御装置14が個々に行うより、簡単に所定錘の表示部10が点灯される。
【0041】
(8) 各錘の制御部6がセクション制御ユニット12を介して機台制御装置14に接続されている。従って、CPU15がポーリング方式で電流検出データ等を入手する際、CPU15はセクション制御ユニット12の数だけポーリングを行うことで、全錘のデータを入力でき、データの収集時間を短縮できる。
【0042】
(9) 作業者は特定保全作業(芯出し作業)が必要な錘の位置をモニタ用のディスプレイ20で確認することにより、当該錘の位置に素早く行くことができ、作業能率が向上する。
【0043】
実施の形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ セクション制御ユニット12を設けずに、図4に示すように、各スピンドル制御装置4の制御部6と、機台制御装置14とをLAN29を介して互いに接続してもよい。LAN29にはイーサネットが使用される。この構成では、機台制御装置14からポーリングを行って制御部6との間でデータの授受を行わずに、各制御部6側から機台制御装置14に対してデータの出力が可能となる。その結果、機台制御装置14が全錘に対する糸切れに関するデータ等を入手するのに必要な時間をより短縮できる。
【0044】
○ 定期保全までの過去の運転時における各錘の履歴から特定の保全作業が必要な錘を特定する方法として、各錘の糸切れ回数のみで判断してもよい。また、糸切れ回数の積算期間を短期間(数ドッフ間)だけにしたり、長期間(定期保全)だけにしてもよい。
【0045】
○ 各錘の履歴から各錘が不調か否かの判断を行うためのデータとして、モータに供給される電流値に代えて、各錘のモータ駆動の制御に使われる制御信号、例えば、電圧、回転数、コンピュータ内の内部演算値等を使用してもよい。これらのデータによっても、不調錘か否かの判断を適切に行うことができる。
【0046】
○ 不調錘か否かの判断を行う糸切れ回数の積算期間を、1ドッフ単位ではなく、交替勤務の作業者の勤務時間単位あるいは日単位としてもよい。
○ 定期保全の際、ホストコンピュータ23から各機台制御装置14に特定保全作業錘の指令を自動的行う構成に代えて、管理者が定期保全までの過去の運転時における各錘の履歴に基づいて入力装置27で特定保全作業錘を指定する構成としてもよい。あるいは、自動的に行う指令と、管理者が入力装置27で特定保全作業錘を指定する方法との組合せとしてもよい。この場合、糸切れ回数や負荷異常以外の理由で芯出しが必要と考えられる錘に対しても、表示部10の点灯を指令できる。
【0047】
○ 前記短期間の糸切れ回数が多い不調錘数が少ない場合、予防保全のために前記長期間の糸切れ回数が多い順に所定数の錘を、特定保全作業必要錘として指定するようにしてもよい。この場合、保全作業時間は多少延びるが、結果として長期間に渡って機台の運転を円滑に行うのに有利になる。
【0048】
○ 糸切れ表示用の表示部と別に特定保全作業必要錘用の表示部を設け、スイッチ11と別に表示部の消灯スイッチを設けてもよい。この場合、定期保全時に、保全モードであることを各スピンドル制御装置に指令したり、スイッチ11の機能を切り替える処理や構成が不要になる。
【0049】
○ 駆動(点灯)状態の特定保全作業必要錘用の表示部を作業者が停止(消灯)させるためのスイッチを設けずに、保全作業完了後、機台制御装置14からの指令で停止させる構成としてもよい。
【0050】
○ ホストコンピュータ23が不調錘か否かの判断を全て行うようにしてもよい。
○ ホストコンピュータ23を設けずに、機台制御装置14が不調錘か否かの判断を全て行うようにしてもよい。
【0051】
○ 各錘の糸切れ判断を機台制御装置14が行う構成に代えて、各スピンドル制御装置4で行うようにしてもよい。また、各錘の糸切れ検出はスピンドルモータ2への供給電流を電流センサ9で検出する方式に限らず、他の方式の糸切れ検出センサを使用してもよい。
【0052】
○ 各錘毎にインバータ5を設ける代わりに、全錘のスピンドルモータ2を1個のインバータを介して駆動制御する構成や、スピンドルモータ2を複数のグループに分けてグループ毎に1個のインバータを設ける構成としてよい。この場合、インバータの数が少なくなり、製造コストが安くなる。
【0053】
○ 各錘毎にスピンドルモータ2が装備された単錘駆動式のリング精紡機に限らず、複数のスピンドルが1本のベルトで駆動されるベルト駆動方式のリング精紡機に具体化してもよい。この場合は、不調錘か否かの判断は主に糸切れ回数により行われる。
【0054】
○ リング精紡機に限らず、単錘駆動方式のリング撚糸機等に適用してもよい。
前記各実施の形態から把握できる請求項記載以外の技術的思想(発明)について以下に記載する。
【0055】
(1) 請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記各錘毎に設けられたモータ制御装置にはモータの起動及び停止用のスイッチが設けられ、該スイッチは保全停止時に前記保全錘指令手段により駆動された報知装置の駆動停止スイッチとして機能可能に構成されている。
【0056】
(2) 請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記判断手段及び保全錘指令手段は、各紡機機台に設けられた機台制御装置と通信手段を介して接続されたホストコンピュータに設けられている。
【0057】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1〜請求項3に記載の発明によれば、リング精紡機のように多数の錘を装備した紡機において、定期保全作業時に不必要な保全作業を割愛できて保全作業時間を短縮できるとともに、保全作業者に特定の保全作業が不要な錘を確実に報知できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】特定保全作業必要錘の表示手順を示すフローチャート
【図2】(a)は一実施の形態の錘を示す概略正面図、(b)スピンドル制御装置のブロック図。
【図3】電気的構成を示すブロック回路図。
【図4】別の実施の形態の電気的構成を示すブロック回路図。
【符号の説明】
1…スピンドル、2…スピンドルモータ、4…モータ制御装置、9…糸切れ検出手段を構成するとともに電流検出手段としての電流センサ、10…報知装置としての表示部、15…糸切れ検出手段を構成するとともに、判断手段及び保全錘指令手段としてのCPU、24…判断手段及び保全錘指令手段としてのCPU。
Claims (3)
- 多数の錘を装備するとともに各錘のスピンドルを各錘に設けられたモータにより独立して駆動させる紡機において、
各錘に設けられた報知装置と、前記各モータにそれぞれ電流を供給するモータ制御装置と、該各モータ制御装置から前記各モータに供給される電流量を検出する電流検出手段とを備え、前記電流検出手段によって検出される電流量の変化に基づいて糸切れ及び異常負荷の有無を判断し、その判断に従ってスピンドル芯出し作業が必要な錘を特定し、定期保全のための機台停止時に前記スピンドル芯出し作業が必要な錘の前記報知装置を駆動する紡機の保全支援方法。 - 多数の錘を装備するとともに各錘のスピンドルを各錘に設けられたモータにより独立して駆動する紡機において、
前記各モータに設けられたモータ制御装置と、
前記各錘に設けられた報知装置と、
前記各モータに供給される電流量を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段による各モータに供給される電流量の計測データに基づいて求められる、所定期間内の糸切れ回数が予め設定された所定回数を超えた錘と、定期保全までの通算糸切れ回数が所定回数より多い錘と、負荷状態が正常でなかった錘とをスピンドル芯出し作業が必要な不調錘として判断する判断手段と、
機台の保全停止の際、前記判断手段が不調錘と判断した錘の前記報知装置に駆動指令を出力する保全錘指令手段と
を備えた紡機の保全支援装置。 - 前記報知装置は機台の紡出運転時に糸切れ報知装置として機能する請求項2に記載の紡機の保全支援装置。
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JP2002105779A (ja) | 2002-04-10 |
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