JPH08276293A - レール溶接用複合ワイヤ - Google Patents

レール溶接用複合ワイヤ

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JPH08276293A
JPH08276293A JP10163495A JP10163495A JPH08276293A JP H08276293 A JPH08276293 A JP H08276293A JP 10163495 A JP10163495 A JP 10163495A JP 10163495 A JP10163495 A JP 10163495A JP H08276293 A JPH08276293 A JP H08276293A
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JP
Japan
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welding
rail
composite wire
weld metal
steel
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JP10163495A
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English (en)
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Kazuo Nagatomo
和男 長友
Makoto Okumura
誠 奥村
Kenichi Karimine
健一 狩峰
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱処理レールや合金鋼レールのような高強度
レールの溶接においても溶接欠陥がなく、良好な継手性
能を得ることができる溶接用複合ワイヤを提供する。 【構成】 スラグ形成剤を除いた溶接用複合ワイヤの重
量に対し、C:1.1〜1.5%,Si:0.05〜
1.1%,Mn:0.3〜1.6%を含有し、さらに必
要に応じてCr:0.05〜1.3%,Ni:0.05
〜2.0%、Mo:0.01〜0.3%,V:0.01
〜0.3%、Nb:0.01〜0.1%、Cu:0.0
5〜0.3%の1種または2種以上を含有するレール溶
接用複合ワイヤ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鉄道用またはクレーン用
レールを突き合わせ溶接または肉盛溶接するさいに用い
られる自動溶接用複合ワイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図1はレールの断面を示し、1は足部、
2は腹部、3は頭部、4は頭表面である。従来からレー
ルをアーク溶接法により突き合わせ溶接するには、接合
レール端面を開先加工して逐次多層溶接する方法、ある
いはI型開先で突き合わせた後レール足部1を多層溶接
し、その後腹部2と頭部3をエンクローズ当金材で取り
囲み、連続的に溶接するエンクローズドアーク溶接法が
用いられている。また、レールの肉盛溶接には突き合わ
せ溶接部のレール頭表面4を硬化肉盛したり、レールの
局部的な表面きずまたは摩耗部分を肉盛補修する方法が
ある。
【0003】しかしながら、これらの溶接技術は被覆ア
ーク溶接棒を使用する手溶接法であり、溶接用複合ワイ
ヤを用いる自動溶接法は未だ実用に供されたものがな
い。従って上記の既存溶接技術では、作業に熟練を要
する。予熱温度が高いため作業環境が悪い。作業能
率が劣る等の問題があり、熟練を必要としない自動溶接
法およびそれに適用する溶接材料の開発が要望されてい
る。
【0004】レールはその使用目的から頭表面では車輪
とのころがり接触に対する耐摩耗性と疲労亀裂に対する
抵抗力すなわち耐疲労損傷性の大きい性質が要求されて
いる。一方、足部と腹部では車輪通過時の衝撃あるいは
曲げ荷重に耐え得るだけの静的強度と疲労強度が必要と
されており、さらに溶接割れ等の溶接欠陥についても皆
無または実用的に差し支えない程度以下に極力少なくな
っていなければならない。
【0005】現在世界の鉄道用普通レールの化学成分は
表1に示すように重量%でC:0.40〜0.82%,
Si:0.05〜0.35%,Mn:0.60〜1.2
5%を含有しており、その金属組織はパーライトで、引
張り強さは680N/mm2以上である。最近、レール
使用性能に関する研究は多く、耐摩耗性と疲労損傷性は
パーライト組織が最も優れ、マルテンサイト組織は有害
で、同じパーライト組織であれば硬さが大きくC含有量
の多い方が優れていることが明らかにされている。
【0006】
【表1】
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これらの性能をさらに
高めるため前記の普通レールの頭表部または全体を熱処
理した硬頭レールがある。また特開昭55−2768号
にあるように、C:0.6〜0.82%、Si:0.1
〜1.0%,Mn:0.4〜0.6%の普通レールの成
分に、必要に応じてCr:0.2〜1.0%,V:0.
02〜0.1%のうちの1種または2種を添加した合金
鋼レールおよび両方を併用した合金鋼熱処理レールが実
用化されている。しかし、それら成分系のレールを溶接
し、同等の成分および良好な性能が得られるレール溶接
用複合ワイヤは実用化されていない。
【0008】従来、それらのレールを突き合わせ溶接ま
たは肉盛溶接するさいに用いられる被覆アーク溶接棒は
表2に示すようにJIS Z3213低合金高張力鋼用
被覆アーク溶接棒である。これらの溶接棒は通常厚鋼板
等に使用されるため、JISZ3503被覆アーク溶接
棒心線用線材またはJIS G3505軟鋼線材で定め
られるC:0.25%以下、Mn:0.65%以下の線
材に、Ni,CrおよびMoの1種または2種以上の合
金成分剤を含有するフラックスを被覆したものである。
【0009】従って、このような溶接棒をレールに適用
した場合に形成される溶接金属はC:0.3%以下で、
Si,Mnの他に、Ni,Cr,Moの1種または2種
以上を0.1%以上含有する。このためレール母材の溶
融境界部近傍に高温割れが発生する。この高温割れはレ
ール鋼の溶融点が約1470℃であるのに対し、溶接金
属はそれより高く約1530℃であるために理論的に避
けられない。さらにこの溶融境界部近傍には溶接のまま
で多量のマルテンサイト組織を生成し、疲労強度が著し
く低下するので、通常溶接後710℃以下の温度で焼き
戻しまたは焼きなましをしなければならない。その結
果、溶接金属の組織は耐摩耗性の低い焼き戻しマルテン
サイトを生成するため、前記の溶接棒を用いたレールの
溶接部はたとえ硬さが母材レールと同じでも溶接金属層
が局部的に早期に摩耗する。このような高温割れおよび
局部摩耗は母材レールが高Cで合金鋼化すなわち高強度
化すればするほど顕著になり、高強度レールにおいては
実際に溶接不能の状態になっていた。
【0010】またレールの肉盛溶接法には表2で示すよ
うなJIS Z3251硬化肉盛用被覆アーク溶接棒の
DF2AまたはDF2Bに該当する溶接棒が用いられて
いる。DF2Aに該当する溶接棒は前記低合金高張力鋼
用溶接棒とほとんど変わらないので、前記の問題がその
まま当てはまる。DF2Bで形成される溶接金属は溶接
のままではマルテンサイト組織を生成するので、溶接後
焼き戻し処理を施さざるを得ない。このため、溶接金属
は焼き戻しマルテンサイト組織となってパーライト組織
が得られないだけでなく、熱処理レールではこのような
後熱処理をすると、この熱影響を受ける母材レール頭表
部が軟化し、かえって摩耗が著しくなるという事態が発
生していた。
【0011】
【表2】
【0012】本発明は前記の従来技術における問題点を
本質的に解決すると共に熱処理または合金鋼レールのよ
うな高強度レールにも良好な継手性能を安定して確保す
ることができ、さらに自動化により、特に熟練技術を必
要とせずに作業能率の増大を図ることができ、かつ溶接
欠陥発生を皆無にすることのできる鉄道用レールまたは
クレーンレールに用いる溶接用複合ワイヤを提供するも
のである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するものであって、合金成分剤、または合金成分剤とス
ラグ形成剤のフラックスを充填してなるレール溶接用複
合ワイヤにおいて、スラグ形成剤を除いた溶接用複合ワ
イヤの重量に対し重量%で、C:1.1〜1.5%,S
i:0.05〜1.1%,Mn:0.3〜1.6%を含
有し、さらに必要に応じてCr:0.05〜1.3%,
Ni:0.05〜2.0%、Mo:0.01〜0.3
%,V:0.01〜0.3%、Nb:0.01〜0.1
%、Cu:0.05〜0.3%の1種または2種以上を
含有し、残部はFeおよび不可避不純物からなることを
特徴とするレール溶接用複合ワイヤである。
【0014】
【作用】本発明者らは広範囲な研究を行った結果、表2
に示したような従来の被覆アーク溶接棒によって形成さ
れた溶接金属は母材レールと著しく異なった成分となる
ため前記のような問題が発生することを知見し、従来溶
接には不適当とされてきた母材レールと類似の高C型パ
ーライト組織の溶接金属となる全く新しいレール溶接用
複合ワイヤを発明した。
【0015】本発明による溶接用複合ワイヤで得られる
溶接金属はC:0.6〜0.95%,Si:0.1〜
1.0%,Mn:0.25〜1.5%あるいは、さらに
Cr,Ni,Mo,V,Nb,Cuのうち1種または2
種以上でCr:1.3%以下、Ni:2.0%以下、M
o,V:0.3%以下、Nb:0.1%以下、Cu:
0.3%以下、残部がFeおよび不可避不純物となるた
めに、その成分は母材レールと類似の高炭素成分で母材
レールの溶融境界層に高温割れの発生がなく、適切な後
熱処理を施すことにより、母材レールと類似のパーライ
ト組織、硬さ、引張り強さおよび耐食性等の継手性能が
得られる。以下に本発明のレール溶接用複合ワイヤにお
ける各合金成分の添加理由とその限定値について詳細に
説明する。
【0016】Cは溶接金属にレール鋼と類似のパーライ
ト組織を生成させるための必須成分であると同時に、溶
接金属を高炭素成分系すなわちC:0.6〜0.95%
に調整して、この凝固温度をレール鋼とほぼ同等にする
ことによって、従来技術で発生していた母材レールの溶
融境界層における高温液化割れを防止するもので本発明
の最大の特徴をなすものである。さらに溶接金属のC含
有量が増加するに従い継手引張り強さおよび硬さが増加
するため溶接金属の耐摩耗性および耐疲労損傷性を向上
させることができる。溶接用複合ワイヤのC含有量が
1.1%未満では溶接金属のC量も0.6%未満となる
場合が生じ、母材レールの溶融境界層に高温割れが発生
すると共に溶接金属のパーライト組織が少なくなり継手
引張り強さの680N/mm2 以上が得られない。一
方、溶接用複合ワイヤのC含有量が1.5%超では溶接
金属のC量が0.95%超となり、溶接金属に初析セメ
ンタイトが多く析出し、溶接金属が著しく脆化する。
【0017】Siは通常溶接金属の脱酸剤として含有さ
れるものであるが、サブマージアーク溶接またはエレク
トロスラグ溶接の場合フラックスから添加される場合も
あり、必要に応じてその量をコントロールし溶接金属中
のSi含有量を0.1〜1.0%の範囲に入れるように
する。レール鋼のSi含有量は通常0.1%以上であ
り、Siはパーライト組織においてフェライトを強化し
て強度を上昇させると同時に耐疲労損傷性を向上させ、
さらにパーライト変態の開始時間、温度に及ぼす影響が
小さいため溶接金属のSi量がレール鋼より多く含有し
ても1.0%以下であれば有害にはならない。従って母
材希釈およびフラックスが含有するSi源を考慮して溶
接用複合ワイヤのSi含有量は0.05〜1.1%の範
囲に入れるようにする必要がある。
【0018】MnはSi同様溶接金属の脱酸剤として添
加される。レール鋼のMn含有量は0.6%以上であ
り、Mnはパーライト変態を遅滞させる元素であって添
加量によりパーライト変態の開始が変化し強度も変化す
るので、溶接金属のMn含有量はレール鋼とほぼ対応し
たものでなければならない。溶接用複合ワイヤ中のMn
量が0.3%未満では溶接金属のMn量が低くなり、溶
接金属の引張り強さまたは伸びすなわち延性が低下す
る。一方、溶接用複合ワイヤ中のMn量が1.6%超で
は溶接金属のMn量が増加し、溶接金属中に形成された
マルテンサイトをパーライトに変態させる後熱処理が著
しく困難となる。
【0019】母材レールが前記C,Si,Mnの他にC
r,Mo,V,Nb,Cuのうち1種または2種以上含
有する場合には、溶接金属にもこれらの合金成分を母材
レールと同等もしくはそれ以下の量だけ含有しなければ
ならない場合がある。すなわちCr,Mo,VはMnと
同様パーライト変態を遅滞させる元素であって、添加量
によりパーライト変態の開始が変化し強度も変化するの
で、母材レールがこれらの合金成分を含有する合金鋼で
ある場合には、少なくともレール頭頂面に用いる溶接用
複合ワイヤにもこれらの合金成分を含有していないと、
溶接のまま、または溶接後の熱処理によって母材レール
と類似の金属組織、硬さおよび継手引張り強さが得られ
ない。従って溶接用複合ワイヤのCr,Mo,V含有量
はCr:0.05〜1.3%,Mo,Vそれぞれ0.0
1〜0.3%にする。
【0020】Nbはパーライト変態の終了時間を大幅に
短縮させる元素であるため、溶接後の冷却中に生成する
有害なマルテンサイトを防止する効果がある。しかし溶
接金属のNb含有量が0.1%を超えると巨大な炭・窒
化物を生じ、靱性・疲労強度を低下させるので、溶接用
複合ワイヤのNb含有量は0.01〜0.1%とする。
【0021】Cuはレール鋼の耐食性を向上するのに効
果のある合金成分であり、耐食性レールには0.3%以
下含有される。従って、耐食性レールの溶接には溶接金
属にも0.3%以下のCuを含有しないと母材レールと
同様の耐食性が得られない。しかし溶接金属のCu含有
量が0.3%超では、熱間脆性を起こし表面きずが発生
するので、溶接用複合ワイヤのCu含有量は0.05〜
0.3%とする。
【0022】Niはレール鋼の延性または靱性を向上す
る合金成分であるが、レール鋼はもともと延性または靱
性が低くても使用可能な鋼材であるため、レールに添加
する場合は少ない。しかし溶接金属に2.0%以下含有
すると溶接部の延性または靱性が向上するので、溶接金
属にNiを添加する必要のある場合がある。この場合溶
接金属がNiを2.0%超含有すると、溶接金属に高温
凝固割れが発生しやすくなるので、溶接用複合ワイヤの
Ni含有量は0.05〜2.0%とする。
【0023】またCr,Mo,V,Nb,Cuの各々の
下限値は各成分における下限値未満の値では各成分によ
る有効な作用を得ることができないことにより設定され
ている。
【0024】また、スラグ形成剤は通常の溶接用複合ワ
イヤにおいては、ビード形成のためのスラグ粘性調整
剤、アーク安定剤として含有されているものであるが、
本発明の複合ワイヤの使用においてはガスシールド溶接
ばかりでなく潜弧溶接法およびエレクトロスラグ溶接法
にも適用されることから外部からのスラグ形成剤供給が
あるため必ずしも含有する必要はない。
【0025】また、スラグ形成剤を含有する場合には、
それが多量に含有されるとスラグ量が増え過ぎ溶接作業
性を損なうので、溶接用複合ワイヤ中に含有されるスラ
グ形成剤としては溶接用複合ワイヤの全重量に対して1
0%以下が望ましく、成分としては通常溶接に使用され
るCaF2 ,NaFその他のフッ化物、SiO2 ,Mn
O,TiO2 、その他の酸化物、CaCO3 ,BaCO
3 、その他の炭酸塩等の1種または2種以上の混合物を
溶接法に応じて適宜配合し含有するものである。また各
合金成分は、フラックスとしてワイヤ中に含有させるこ
とができるが、鋼製外皮に成分の一部または全部を含有
させても構わず、ワイヤ全体として各成分値は規制され
るものである。
【0026】また本発明の溶接用複合ワイヤの断面の例
を図2(a),(b),(c),(d)に示す。5は鋼
製外皮、6は合金成分剤またはスラグ形成剤等のフラッ
クスである。どの断面においても10〜30%のフラッ
クス含有は可能であり、従って断面形状において複合ワ
イヤが規制されるものではない。
【0027】以上詳述したように、本発明溶接用複合ワ
イヤを用い、自動溶融溶接(サブマージアーク溶接、エ
レクトロスラグ溶接およびCO2 ガスシールドアーク溶
接等)を通常の溶接条件のもとで、レール鋼に対して行
っても、高温割れ等の溶接欠陥が発生することなく施工
でき、溶接後適切な後熱処理を組み合わせることにより
有害組織がなく、母材レールと同等の硬さとパーライト
組織を有する溶接継手を得ることができる。以下に実施
例によって本発明の効果をさらに具体的に説明する。
【0028】
【実施例】使用したレール鋼の成分と機械的性質を表3
に示す。足部の溶接は潜弧溶接法(サブマージアーク溶
接)もしくは水平エレクトロスラグ溶接法および両者の
併用またはCO2 ガスシールドアーク溶接法で行い、次
いで銅当金で溶接部周囲を囲った後、腹部・頭頂部の溶
接を立向上進エレクトロスラグ溶接法またはCO2ガス
シールドアーク溶接法で溶接した。溶接条件を表4に示
す。
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】なお、いずれの場合も溶接施工開始時点で
レール足部の開先面を400から500℃に予熱し、溶
接完了後レール断面全周を均等に加熱する多孔ノズルバ
ーナーを用いて800から1000℃に加熱し放冷し
た。
【0032】表5および表6に使用したワイヤを示す。
なおスラグ形成剤としてCaF2 :30%,TiO2
30%,SiO2 :20%,NaF:10%,CaCO
3 :10%を配合したものをワイヤ全重量に対し1.5
%含有させている。ワイヤSRF−1からSF−21は
本発明の溶接用複合ワイヤ、SFR−22からSFR−
27は比較例の溶接用複合ワイヤである。
【0033】
【表5】
【0034】
【表6】
【0035】表7ないし表10に試験結果を示す。割れ
発生の有無は溶接中央部の縦断面マクロ試験片を採取
し、研磨後カラーチェック(染色探傷法)、検鏡により
確認した。本発明例として示した溶接用複合ワイヤSF
R−1からSFR−21は、溶接割れが発生せず金属組
織も母材レールと同様微細パーライトとなり、十分実用
に耐えうることが分かる。一方、比較例として示したS
FR−22,SFR−23,SFR−25,SFR−2
7はC含有量が低いためHAZに高温液化割れが生じ、
またC含有量が多いSFR−26およびCr,Ni,M
o,Nb,Cu,Vが本発明の範囲より多く含有されて
いるSFR−24においては溶接金属の延性が低下し、
しかも溶接金属凝固割れが発生し、とても実用に供しう
るものではない。
【0036】
【表7】
【0037】
【表8】
【0038】
【表9】
【0039】
【表10】
【0040】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の溶接用複合
ワイヤにより割れ発生のない健全なレールの溶接がで
き、溶接継手の信頼性を大幅に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レールの断面図
【図2】(a)ないし(d)はそれぞれワイヤ断面形状
の例を示す図

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合金成分剤、または合金成分剤とスラグ
    形成剤のフラックスを充填してなるレール溶接用複合ワ
    イヤにおいて、スラグ形成剤を除いた溶接用複合ワイヤ
    の重量に対し重量%で、C:1.1〜1.5%,Si:
    0.05〜1.1%,Mn:0.3〜1.6%を含有
    し、残部はFeおよび不可避不純物からなることを特徴
    とするレール溶接用複合ワイヤ。
  2. 【請求項2】 さらに、Cr:0.05〜1.3%,N
    i:0.05〜2.0%、Mo:0.01〜0.3%,
    V:0.01〜0.3%、Nb:0.01〜0.1%、
    Cu:0.05〜0.3%の1種または2種以上を含有
    することを特徴とする請求項1に記載のレール溶接用複
    合ワイヤ。
JP10163495A 1995-04-04 1995-04-04 レール溶接用複合ワイヤ Pending JPH08276293A (ja)

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