JP2942450B2 - 溶接変形の少ないガスシールドアーク溶接方法 - Google Patents
溶接変形の少ないガスシールドアーク溶接方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は建築、土木、海洋構造
物、造船等で用いられる鋼板の溶接方法に関し、さらに
詳しくは、溶接作業時に発生する変形量が少ないことか
ら歪取り作業を軽減若しくは省略することが可能なガス
シールドアーク溶接方法に関するものである。
物、造船等で用いられる鋼板の溶接方法に関し、さらに
詳しくは、溶接作業時に発生する変形量が少ないことか
ら歪取り作業を軽減若しくは省略することが可能なガス
シールドアーク溶接方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種鋼構造物において、鋼材の溶接時に
は、溶融金属の凝固収縮及び、その後の冷却と相変態に
よる収縮、膨張によって、例えばすみ肉溶接の継手形状
の場合には角変形と呼ばれる面外変形が発生する。この
ような残留変形は例えば圧縮荷重が負荷される場合には
座屈強度の低下を生じるといった構造強度の低下の原因
となる。また、この変形を拘束治具によって強制的に防
止しようとすると、過大な残留応力が発生することにな
る。さらに寸法精度が不十分となり製作上の不都合を生
じ、美観をも損ねることとなる。そこで、例えば溶接学
会誌1983年第52巻第4〜9号に掲載されている
「溶接変形の発生とその防止」に見られるように、溶接
時に発生した残留変形を局所的な加熱により矯正する手
段が経験的に多数提案されている。しかし溶接部の再加
熱によって材質が劣化することが避けられないことに加
えて、矯正作業に要する時間と費用は事実上重大な障害
であり、これを軽減若しくは省略することが可能な溶接
方法が望まれていた。
は、溶融金属の凝固収縮及び、その後の冷却と相変態に
よる収縮、膨張によって、例えばすみ肉溶接の継手形状
の場合には角変形と呼ばれる面外変形が発生する。この
ような残留変形は例えば圧縮荷重が負荷される場合には
座屈強度の低下を生じるといった構造強度の低下の原因
となる。また、この変形を拘束治具によって強制的に防
止しようとすると、過大な残留応力が発生することにな
る。さらに寸法精度が不十分となり製作上の不都合を生
じ、美観をも損ねることとなる。そこで、例えば溶接学
会誌1983年第52巻第4〜9号に掲載されている
「溶接変形の発生とその防止」に見られるように、溶接
時に発生した残留変形を局所的な加熱により矯正する手
段が経験的に多数提案されている。しかし溶接部の再加
熱によって材質が劣化することが避けられないことに加
えて、矯正作業に要する時間と費用は事実上重大な障害
であり、これを軽減若しくは省略することが可能な溶接
方法が望まれていた。
【0003】溶接部における残留応力や変形の発生機構
に関しては佐藤による「溶接構造要覧」1988(黒木
出版)やK.Masubuchiの「Analysis
of Welded Structures」198
0 PERGAMON PRESSに詳しい。しかし溶
接変形は主として溶接時の入熱に対する部材の幾何学的
形状によって決定されるというように使用される溶接材
料の詳細な特性に注目したものではない。鋼構造物溶接
部の相変態温度が残留応力や変形に影響を与える因子で
あることは上記の書にも明記されてはいるが、鋼構造物
を対象とした溶接材料で具体的な影響度の定量化や成分
に関する検討はなされていない。
に関しては佐藤による「溶接構造要覧」1988(黒木
出版)やK.Masubuchiの「Analysis
of Welded Structures」198
0 PERGAMON PRESSに詳しい。しかし溶
接変形は主として溶接時の入熱に対する部材の幾何学的
形状によって決定されるというように使用される溶接材
料の詳細な特性に注目したものではない。鋼構造物溶接
部の相変態温度が残留応力や変形に影響を与える因子で
あることは上記の書にも明記されてはいるが、鋼構造物
を対象とした溶接材料で具体的な影響度の定量化や成分
に関する検討はなされていない。
【0004】佐藤は溶接学会誌1976年第45巻7号
において、板厚をH、溶接入熱をQとしたときにQ/H
2 が等しい場合でも鋼材が異なれば溶接変形を低減でき
ることを示しているが、これは引張り強度が800MP
aクラスの鋼であったり、9%Ni鋼についての知見で
あり、汎用低合金鋼に適用できる知見ではない。
において、板厚をH、溶接入熱をQとしたときにQ/H
2 が等しい場合でも鋼材が異なれば溶接変形を低減でき
ることを示しているが、これは引張り強度が800MP
aクラスの鋼であったり、9%Ni鋼についての知見で
あり、汎用低合金鋼に適用できる知見ではない。
【0005】また、相変態の超塑性現象に着目して残留
応力の緩和や変形軽減を検討した報告もある(溶接学会
全国大会講演概要、第39集、p.338〜339,
p.340〜341)。これらはいずれも低合金鋼及び
ステンレス鋼のマルテンサイト変態に着目したものであ
り、普通鋼材の成分及び組織に対してそのまま適用でき
る知見ではない。さらにこのように高い値のNiを含有
している場合には溶接材料費が高くなり、歪取り作業が
省略可能であっても経済的見地から実用的でない。さら
に、これを造船及び海洋構造物の普通鋼及び低合金鋼に
適用する場合には溶接金属部分が電気的に過度な貴にな
り溶接熱影響部における選択的な腐食現象が発生して不
都合が生じる。
応力の緩和や変形軽減を検討した報告もある(溶接学会
全国大会講演概要、第39集、p.338〜339,
p.340〜341)。これらはいずれも低合金鋼及び
ステンレス鋼のマルテンサイト変態に着目したものであ
り、普通鋼材の成分及び組織に対してそのまま適用でき
る知見ではない。さらにこのように高い値のNiを含有
している場合には溶接材料費が高くなり、歪取り作業が
省略可能であっても経済的見地から実用的でない。さら
に、これを造船及び海洋構造物の普通鋼及び低合金鋼に
適用する場合には溶接金属部分が電気的に過度な貴にな
り溶接熱影響部における選択的な腐食現象が発生して不
都合が生じる。
【0006】溶接変形に及ぼす最大の影響因子は鋼材板
厚に対する溶接入熱量であり、続いて溶接金属の相変態
温度がある。これらに加えて変形が発生する温度におい
て、その変形に抗するように材料の強度を上げることが
できる。相変態温度は大略400〜700℃の範囲であ
り、この温度域における強度をCr、Mo、V、Nb等
の元素添加によって増大させることによって変形量を低
減させ得ることが、例えばCr−Mo鋼の高温強度の知
見から推測できる。しかし溶接金属部の変態点温度にお
ける高温強度を確保する検討は従来なされておらず、さ
らにこれらの添加元素は上述した変態点温度を上昇して
溶接変形を増大させる傾向のものであるために、適正添
加量は容易に決定できるものではなかった。
厚に対する溶接入熱量であり、続いて溶接金属の相変態
温度がある。これらに加えて変形が発生する温度におい
て、その変形に抗するように材料の強度を上げることが
できる。相変態温度は大略400〜700℃の範囲であ
り、この温度域における強度をCr、Mo、V、Nb等
の元素添加によって増大させることによって変形量を低
減させ得ることが、例えばCr−Mo鋼の高温強度の知
見から推測できる。しかし溶接金属部の変態点温度にお
ける高温強度を確保する検討は従来なされておらず、さ
らにこれらの添加元素は上述した変態点温度を上昇して
溶接変形を増大させる傾向のものであるために、適正添
加量は容易に決定できるものではなかった。
【0007】本発明者らはすでに特開平4−22596
号及び特開平4−22597号公報としてガスシールド
アーク溶接方法を提案しているが、同公報は、溶接材料
として鋼ワイヤが用いられ、鋼材も従来からあるもので
400〜700℃の降伏強度を上昇させたものではな
い。一般に鋼ワイヤで溶接した場合には溶接時のとけ込
みが深いため、溶接変形を減少することに必ずしも満足
がいくものではなかった。
号及び特開平4−22597号公報としてガスシールド
アーク溶接方法を提案しているが、同公報は、溶接材料
として鋼ワイヤが用いられ、鋼材も従来からあるもので
400〜700℃の降伏強度を上昇させたものではな
い。一般に鋼ワイヤで溶接した場合には溶接時のとけ込
みが深いため、溶接変形を減少することに必ずしも満足
がいくものではなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、溶接部材
・形状や溶接入熱量が与えられたものとして、鋼材につ
いては400〜700℃の降伏強度を上昇させ、溶接材
料については相変態点温度が溶接時に発生する変形量に
及ぼす影響を定量化して、溶接材料成分の設計指針を与
えることが有効であると考えられる。本発明は低合金鋼
のガスシールドアーク溶接方法に関し、溶接変形を低減
することを目的としている。
・形状や溶接入熱量が与えられたものとして、鋼材につ
いては400〜700℃の降伏強度を上昇させ、溶接材
料については相変態点温度が溶接時に発生する変形量に
及ぼす影響を定量化して、溶接材料成分の設計指針を与
えることが有効であると考えられる。本発明は低合金鋼
のガスシールドアーク溶接方法に関し、溶接変形を低減
することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題を解
決するため、鋼板の成分を限定することにより700
〜400℃の降伏強度を上昇させ、ソリッドワイヤ、
フラックスコアードワイヤ、メタルコアードワイヤその
れぞれについても成分を限定することにより、溶接金属
の700〜400℃の降伏強度を上昇させるか、若しく
は溶接材料のAr3 変態温度を下げて変形膨張を大きく
し、溶接条件に関しては、Q/H2 を13×103
(J/cm3 )以下にする、の三点からなる相互作用で
溶接変形を低減することを特徴とする。即ち本発明の要
旨とするところは以下の通りである。 (1)重量%で、C :0.02〜0.25%、Si:
0.01〜2.0%、Mn:0.3〜1.5%、Al:
0.003〜0.10%、Nb:0.005〜0.02
5%、Mo:0.05〜0.25%、残部がFe及び不
可避不純物からなる鋼板をガスシールドアーク溶接する
際に、ワイヤ全重量に対して、C :0.03〜0.1
5%、Si:0.2〜1.0%、Mn:0.3〜3.0
%、を含有し、さらに、Cu:0.1〜1.5%、C
r:0.1〜3.0%、Mo:0.1〜2.0%、V
:0.1〜0.7%Nb:0.01〜0.50%、の
うちのいずれか1種または2種以上を含有し、残部がF
e及び不可避不純物からなり、かつワイヤ中に占める各
元素の重量%により(1)式で定まるパラメータTが6
20未満であるワイヤを用い、さらに、板厚をH(c
m)、溶接入熱をQ(J/cm)としたときにQ/H2
が13×103 (J/cm3 )以下であることを特徴と
する溶接変形の少ないガスシールドアーク溶接方法。 T=630−476.5C+56Si−19.7Mn−16.3Cu −26.6Ni−4.9Cr+38.1Mo+124.8V +136.3Ti−19.1Nb+198.4Al+3315B ・・・(1)
決するため、鋼板の成分を限定することにより700
〜400℃の降伏強度を上昇させ、ソリッドワイヤ、
フラックスコアードワイヤ、メタルコアードワイヤその
れぞれについても成分を限定することにより、溶接金属
の700〜400℃の降伏強度を上昇させるか、若しく
は溶接材料のAr3 変態温度を下げて変形膨張を大きく
し、溶接条件に関しては、Q/H2 を13×103
(J/cm3 )以下にする、の三点からなる相互作用で
溶接変形を低減することを特徴とする。即ち本発明の要
旨とするところは以下の通りである。 (1)重量%で、C :0.02〜0.25%、Si:
0.01〜2.0%、Mn:0.3〜1.5%、Al:
0.003〜0.10%、Nb:0.005〜0.02
5%、Mo:0.05〜0.25%、残部がFe及び不
可避不純物からなる鋼板をガスシールドアーク溶接する
際に、ワイヤ全重量に対して、C :0.03〜0.1
5%、Si:0.2〜1.0%、Mn:0.3〜3.0
%、を含有し、さらに、Cu:0.1〜1.5%、C
r:0.1〜3.0%、Mo:0.1〜2.0%、V
:0.1〜0.7%Nb:0.01〜0.50%、の
うちのいずれか1種または2種以上を含有し、残部がF
e及び不可避不純物からなり、かつワイヤ中に占める各
元素の重量%により(1)式で定まるパラメータTが6
20未満であるワイヤを用い、さらに、板厚をH(c
m)、溶接入熱をQ(J/cm)としたときにQ/H2
が13×103 (J/cm3 )以下であることを特徴と
する溶接変形の少ないガスシールドアーク溶接方法。 T=630−476.5C+56Si−19.7Mn−16.3Cu −26.6Ni−4.9Cr+38.1Mo+124.8V +136.3Ti−19.1Nb+198.4Al+3315B ・・・(1)
【0010】(2)前記の鋼板をガスシールドアーク溶
接する際に、鋼製外皮にワイヤ全重量に対して、 TiO2 :2.5〜6.5% TiO2 以外の酸化物:0.3〜2.5% を含有するチタニヤ系フラックスを充填したマグ溶接フ
ラックス入りワイヤであって、ワイヤ全重量に対して、
C :0.03〜0.15%、Si:0.2〜1.0
%、Mn:0.3〜3.0%、を含有し、さらに、C
u:0.1〜1.5%、Cr:0.1〜3.0%、M
o:0.1〜2.0%、V :0.1〜0.7%、N
b:0.01〜0.50%、のうちのいずれか1種また
は2種以上を含有し、かつワイヤ中に占める各元素の重
量%に(1)式で定まるパラメータTが620未満であ
るワイヤを用いかつ、板厚をH(cm)、溶接入熱をQ
(J/cm)としたときにQ/H2 が13×103 (J
/cm3 )以下であることを特徴とする溶接変形の少な
いガスシールドアーク溶接方法。
接する際に、鋼製外皮にワイヤ全重量に対して、 TiO2 :2.5〜6.5% TiO2 以外の酸化物:0.3〜2.5% を含有するチタニヤ系フラックスを充填したマグ溶接フ
ラックス入りワイヤであって、ワイヤ全重量に対して、
C :0.03〜0.15%、Si:0.2〜1.0
%、Mn:0.3〜3.0%、を含有し、さらに、C
u:0.1〜1.5%、Cr:0.1〜3.0%、M
o:0.1〜2.0%、V :0.1〜0.7%、N
b:0.01〜0.50%、のうちのいずれか1種また
は2種以上を含有し、かつワイヤ中に占める各元素の重
量%に(1)式で定まるパラメータTが620未満であ
るワイヤを用いかつ、板厚をH(cm)、溶接入熱をQ
(J/cm)としたときにQ/H2 が13×103 (J
/cm3 )以下であることを特徴とする溶接変形の少な
いガスシールドアーク溶接方法。
【0011】(3)前記の鋼板をガスシールドアーク溶
接する際に、鋼製外皮にワイヤ全重量に対して、鉄 粉
:4.0〜12.0%、アー
ク安定剤 :0.05〜1.1%、ア
ーク安定剤以外のスラグ形成剤:0.3〜3.5%、を
含有する金属粉系フラックスを充填してなるマグ溶接フ
ラックス入りワイヤであって、鋼製外皮と充填フラック
スの一方又は両方においてワイヤ全重量に対して、C
:0.03〜0.15%、Si:0.2〜1.0%、
Mn:0.3〜3.0%、を含有し、さらに、Cu:
0.1〜1.5%、Cr:0.1〜3.0%、Mo:
0.1〜2.0%、V :0.1〜0.7%、Nb:
0.01〜0.50%、のうちのいずれか1種または2
種以上を含有し、かつワイヤ中に占める各元素の重量%
により(1)式で定まるパラメータTが620未満であ
るワイヤを用いかつ、板厚をH(cm)、溶接入熱をQ
(J/cm)としたときにQ/H2 が13×103 (J
/cm3 )以下であることを特徴とする溶接変形の少な
いガスシールドアーク溶接方法である。また、必要に応
じてワイヤにNi:0.2〜9%を含有し、さらに鋼板
に、Ti :0.001〜0.1%、Cu :0.05
〜1.5%、Ni :0.05〜1.5%、Cr :
0.05〜1.5%、Co :0.05〜0.5%、W
:0.05〜0.5%、V :0.002〜0.
10%、B :0.0002〜0.0025%、Re
m:0.002〜0.10%、Ca :0.0003〜
0.0040%、の1種または2種以上を添加すること
を特徴とする。
接する際に、鋼製外皮にワイヤ全重量に対して、鉄 粉
:4.0〜12.0%、アー
ク安定剤 :0.05〜1.1%、ア
ーク安定剤以外のスラグ形成剤:0.3〜3.5%、を
含有する金属粉系フラックスを充填してなるマグ溶接フ
ラックス入りワイヤであって、鋼製外皮と充填フラック
スの一方又は両方においてワイヤ全重量に対して、C
:0.03〜0.15%、Si:0.2〜1.0%、
Mn:0.3〜3.0%、を含有し、さらに、Cu:
0.1〜1.5%、Cr:0.1〜3.0%、Mo:
0.1〜2.0%、V :0.1〜0.7%、Nb:
0.01〜0.50%、のうちのいずれか1種または2
種以上を含有し、かつワイヤ中に占める各元素の重量%
により(1)式で定まるパラメータTが620未満であ
るワイヤを用いかつ、板厚をH(cm)、溶接入熱をQ
(J/cm)としたときにQ/H2 が13×103 (J
/cm3 )以下であることを特徴とする溶接変形の少な
いガスシールドアーク溶接方法である。また、必要に応
じてワイヤにNi:0.2〜9%を含有し、さらに鋼板
に、Ti :0.001〜0.1%、Cu :0.05
〜1.5%、Ni :0.05〜1.5%、Cr :
0.05〜1.5%、Co :0.05〜0.5%、W
:0.05〜0.5%、V :0.002〜0.
10%、B :0.0002〜0.0025%、Re
m:0.002〜0.10%、Ca :0.0003〜
0.0040%、の1種または2種以上を添加すること
を特徴とする。
【0012】
【作用】以下本発明について詳細に説明する。まず本発
明鋼の鋼材成分限定理由について説明する。Cは鋼材を
強化するために不可欠の元素であって、0.02%未満
では所要の高強度が得られにくく、また0.25%を越
えると溶接部の靱性が損なわれるため0.02%以上
0.25%以下に限定した。
明鋼の鋼材成分限定理由について説明する。Cは鋼材を
強化するために不可欠の元素であって、0.02%未満
では所要の高強度が得られにくく、また0.25%を越
えると溶接部の靱性が損なわれるため0.02%以上
0.25%以下に限定した。
【0013】Siは脱酸を促進しかつ強度を上げること
で効果的な元素であるので0.01%以上添加するが、
添加しすぎると溶接性を劣化させるため2.0%以下に
とどめる。Mnは低温靱性を向上させる元素として有効
であるので0.3%以上添加するが、1.5%超添加す
ると溶接割れを促進させ、さらに室温での降伏応力が過
大になるおそれがあるので、1.5%以下にとどめる。
で効果的な元素であるので0.01%以上添加するが、
添加しすぎると溶接性を劣化させるため2.0%以下に
とどめる。Mnは低温靱性を向上させる元素として有効
であるので0.3%以上添加するが、1.5%超添加す
ると溶接割れを促進させ、さらに室温での降伏応力が過
大になるおそれがあるので、1.5%以下にとどめる。
【0014】Alは脱酸剤として有効であるので0.0
03%以上添加しても良いが、過量のAlは材質にとっ
て有害な介在物を生成するため上限を0.1%とした。
Nbは溶接熱履歴中の析出により降伏応力を高め、溶接
角変形の抑制に大きな効果をもたらす。添加量が少ない
と析出強化量が不足するため0.005%以上添加する
が、過度の添加は室温における降伏応力が高くなりすぎ
溶接角変形の抑制には逆に不利となるため、0.025
%以下にとどめる。
03%以上添加しても良いが、過量のAlは材質にとっ
て有害な介在物を生成するため上限を0.1%とした。
Nbは溶接熱履歴中の析出により降伏応力を高め、溶接
角変形の抑制に大きな効果をもたらす。添加量が少ない
と析出強化量が不足するため0.005%以上添加する
が、過度の添加は室温における降伏応力が高くなりすぎ
溶接角変形の抑制には逆に不利となるため、0.025
%以下にとどめる。
【0015】MoはNbと同様に溶接熱履歴中の析出に
より降伏応力を高め、溶接角変形の抑制に大きな効果を
もたらす。特にNbとの複合添加による相乗効果が溶接
角変形の抑制に有効である。溶接熱履歴の初期には比較
的析出の早いNbが有効に作用し、後期には比較的析出
の遅いMoが有効に作用する。Moの添加量が少ないと
析出強化量が不足するため0.05%以上添加するが、
過度の添加は室温における降伏応力が高くなりすぎ溶接
角変形の抑制には逆に不利となるため、0.25%以下
にとどめる。
より降伏応力を高め、溶接角変形の抑制に大きな効果を
もたらす。特にNbとの複合添加による相乗効果が溶接
角変形の抑制に有効である。溶接熱履歴の初期には比較
的析出の早いNbが有効に作用し、後期には比較的析出
の遅いMoが有効に作用する。Moの添加量が少ないと
析出強化量が不足するため0.05%以上添加するが、
過度の添加は室温における降伏応力が高くなりすぎ溶接
角変形の抑制には逆に不利となるため、0.25%以下
にとどめる。
【0016】Tiは微量の添加で結晶粒の微細化に有効
であるので0.001%以上添加するが、多量に添加す
ると溶接部靱性を劣化させるので添加量の上限は0.1
0%とする。
であるので0.001%以上添加するが、多量に添加す
ると溶接部靱性を劣化させるので添加量の上限は0.1
0%とする。
【0017】Cu、Ni、Cr、Co、Wはいずれも本
発明鋼に添加した場合、固溶強化により鋼の強度を上昇
させることができるので0.05%以上添加するが、過
度の添加は溶接性を損ない、さらに室温での降伏応力が
過大になるため、添加量の上限をCu、Ni、Crにつ
いては1.5%、Co、Wについては0.5%とする。
発明鋼に添加した場合、固溶強化により鋼の強度を上昇
させることができるので0.05%以上添加するが、過
度の添加は溶接性を損ない、さらに室温での降伏応力が
過大になるため、添加量の上限をCu、Ni、Crにつ
いては1.5%、Co、Wについては0.5%とする。
【0018】Vは析出効果により強度の上昇に有効であ
り、溶接歪み抑制効果を高める働きをするため0.00
2%以上添加するが、過度の添加は靱性を損なうことに
なるため、上限を0.10%とした。
り、溶接歪み抑制効果を高める働きをするため0.00
2%以上添加するが、過度の添加は靱性を損なうことに
なるため、上限を0.10%とした。
【0019】Bは焼入れ性を向上させる元素として知ら
れており、本発明に添加した場合、鋼の強度を上昇させ
ることができ0.0002%以上添加するが、過度の添
加はBの析出物を増加させて靱性を損なうことになるた
め、上限を0.0025%とした。
れており、本発明に添加した場合、鋼の強度を上昇させ
ることができ0.0002%以上添加するが、過度の添
加はBの析出物を増加させて靱性を損なうことになるた
め、上限を0.0025%とした。
【0020】RemとCaはSの無害化に有効であり、
Remは0.002%以上、Caは0.0003%以上
添加するが、過度の添加は靱性を損なうことになるた
め、上限をそれぞれ0.10%、0.0040%とし
た。
Remは0.002%以上、Caは0.0003%以上
添加するが、過度の添加は靱性を損なうことになるた
め、上限をそれぞれ0.10%、0.0040%とし
た。
【0021】次に本発明鋼の根幹をなす技術思想につい
て述べる。鋼板の溶接変形を防止するためには溶接熱履
歴に伴う角変形と溶接残留応力形成後の座屈変形を防止
する必要がある。そのために溶接前に引張り応力を付与
するなどの改善は従来からも行われてきた。しかし、鋼
材面から溶接歪みを低減する試みは成功していない。一
般的に、溶接時は溶接ビードに近い位置は高温にさらさ
れるため熱応力が鋼板の降伏応力をただちに越えて塑性
変形が進む。一般にこの部分は収縮変形する。一方で溶
接ビードから離れた位置では鋼板温度があまり上昇しな
いため溶接ビードに近い位置よりかなり遅れて熱応力が
降伏応力を越える。ここで溶接ビードから離れた位置が
溶接熱履歴中に十分に遅く降伏すれば、溶接ビードに近
い位置が収縮して角変形を起こそうとしてもその変形の
大きな抵抗となる。よって溶接熱履歴に伴う温度の上昇
に応じて、降伏応力の低下がNb、Moの複合添加によ
る析出強化で抑制されれば溶接角変形を抑制することが
可能である。
て述べる。鋼板の溶接変形を防止するためには溶接熱履
歴に伴う角変形と溶接残留応力形成後の座屈変形を防止
する必要がある。そのために溶接前に引張り応力を付与
するなどの改善は従来からも行われてきた。しかし、鋼
材面から溶接歪みを低減する試みは成功していない。一
般的に、溶接時は溶接ビードに近い位置は高温にさらさ
れるため熱応力が鋼板の降伏応力をただちに越えて塑性
変形が進む。一般にこの部分は収縮変形する。一方で溶
接ビードから離れた位置では鋼板温度があまり上昇しな
いため溶接ビードに近い位置よりかなり遅れて熱応力が
降伏応力を越える。ここで溶接ビードから離れた位置が
溶接熱履歴中に十分に遅く降伏すれば、溶接ビードに近
い位置が収縮して角変形を起こそうとしてもその変形の
大きな抵抗となる。よって溶接熱履歴に伴う温度の上昇
に応じて、降伏応力の低下がNb、Moの複合添加によ
る析出強化で抑制されれば溶接角変形を抑制することが
可能である。
【0022】一方で溶接終了後温度が室温まで低下した
時点での溶接残留応力は室温での降伏応力となっている
ため、室温での降伏応力があまり大きいと残留応力によ
り熱座屈を生じて溶接角変形とは別の溶接変形が生じて
しまう。よって最終的な溶接変形を抑制するためには室
温での降伏応力が過大になることを避けることと、溶接
熱履歴中の高温域での降伏応力の低下量を減少させるこ
とをうまくバランスさせる必要がある。室温での降伏応
力の上限は高温域での降伏応力とのバランスで決まるた
め一律に規定できないが、目安として36kgf/mm
2 以下が好ましい。金属組織はフェライトでベイナイ
ト、マルテンサイト等の低温変態組織は面積率で30%
未満に抑える必要がある。
時点での溶接残留応力は室温での降伏応力となっている
ため、室温での降伏応力があまり大きいと残留応力によ
り熱座屈を生じて溶接角変形とは別の溶接変形が生じて
しまう。よって最終的な溶接変形を抑制するためには室
温での降伏応力が過大になることを避けることと、溶接
熱履歴中の高温域での降伏応力の低下量を減少させるこ
とをうまくバランスさせる必要がある。室温での降伏応
力の上限は高温域での降伏応力とのバランスで決まるた
め一律に規定できないが、目安として36kgf/mm
2 以下が好ましい。金属組織はフェライトでベイナイ
ト、マルテンサイト等の低温変態組織は面積率で30%
未満に抑える必要がある。
【0023】次に溶接材料の成分規定理由を述べる。通
常のアーク溶接法の冷却速度の範囲においてAr3 変態
点温度Tは大略前記の(1)式によって予測可能であ
る。この式から明確なようにγフォーマであるNi、M
n、Cu、Nb、Cを所定量添加してAr3 変態点を低
下させることが可能である。一般に変態点温度が低いほ
ど変態膨張量が大きくなり、冷却時の収縮によって発生
する溶接残留変形を緩和することになることから、変態
膨張量の増大が溶接変形の低減に寄与することが考えら
れる。しかし過冷オーステナイトの変態はベイナイト組
織の出現等から単純に変態膨張量と明確な対応を示さ
ず、従ってここではAr3 変態点温度に着目した。
常のアーク溶接法の冷却速度の範囲においてAr3 変態
点温度Tは大略前記の(1)式によって予測可能であ
る。この式から明確なようにγフォーマであるNi、M
n、Cu、Nb、Cを所定量添加してAr3 変態点を低
下させることが可能である。一般に変態点温度が低いほ
ど変態膨張量が大きくなり、冷却時の収縮によって発生
する溶接残留変形を緩和することになることから、変態
膨張量の増大が溶接変形の低減に寄与することが考えら
れる。しかし過冷オーステナイトの変態はベイナイト組
織の出現等から単純に変態膨張量と明確な対応を示さ
ず、従ってここではAr3 変態点温度に着目した。
【0024】一方、T形すみ肉溶接継手部に発生する角
変形量は図1に示すように、溶接材料のAr3 変態点温
度と明瞭な関係があり、変態点温度が低い値であるほど
発生する角変形量が小さな値であることを見いだした。
この事実は変態点温度が低くなることにより、変態膨張
量が大きくなり、凝固に伴う収縮をある程度解消するた
めであると思われる。さらにγフォーマであるNi、M
n、Cu、Cの成分系に加えてCr、Mo、Nb、Vの
元素を含有する場合には(1)式によって与えられる相
変態温度Tの値が後者を含まない場合と比較して若干高
い値であっても、発生する角変形量が小さいことを見い
だした。この事実はCr、Mo、Nb、Vの元素がいず
れも変態が生じる温度で機械的強度を増加することによ
り、変形を拘束するためのものであると考えられる。溶
接変形によって例えば圧縮荷重に対する座屈強度が低下
することや、継手製作上の寸法精度等の検討から、上述
した変形矯正作業を必要としない角変形量の限界値を与
える変態点温度をCr、Mo、Nb、Vの元素添加の影
響を考慮した結果得られた関係式が(2)式で表され
る。 T<620 ・・・(2)
変形量は図1に示すように、溶接材料のAr3 変態点温
度と明瞭な関係があり、変態点温度が低い値であるほど
発生する角変形量が小さな値であることを見いだした。
この事実は変態点温度が低くなることにより、変態膨張
量が大きくなり、凝固に伴う収縮をある程度解消するた
めであると思われる。さらにγフォーマであるNi、M
n、Cu、Cの成分系に加えてCr、Mo、Nb、Vの
元素を含有する場合には(1)式によって与えられる相
変態温度Tの値が後者を含まない場合と比較して若干高
い値であっても、発生する角変形量が小さいことを見い
だした。この事実はCr、Mo、Nb、Vの元素がいず
れも変態が生じる温度で機械的強度を増加することによ
り、変形を拘束するためのものであると考えられる。溶
接変形によって例えば圧縮荷重に対する座屈強度が低下
することや、継手製作上の寸法精度等の検討から、上述
した変形矯正作業を必要としない角変形量の限界値を与
える変態点温度をCr、Mo、Nb、Vの元素添加の影
響を考慮した結果得られた関係式が(2)式で表され
る。 T<620 ・・・(2)
【0025】以下に本発明における溶接ワイヤの成分元
素の特定値とその添加量について説明する(元素添加量
の値はワイヤ全重量に対する重量%である)。Cは変態
点低下の効果があり、強度の点からも0.03%以上が
必要である。しかし、過度の添加は溶接金属部の高温割
れ感受性の増大と靱性低下につながるために、上限を
0.15%とし、好ましくは0.09%以下とする。S
iは溶接金属中の酸素量を低減するとともに、ビード形
状を改善する効果があり少なくとも0.2%以上必要で
ある。しかし過度の添加は溶接金属の靱性を低下させる
ので上限を1.0%とする。
素の特定値とその添加量について説明する(元素添加量
の値はワイヤ全重量に対する重量%である)。Cは変態
点低下の効果があり、強度の点からも0.03%以上が
必要である。しかし、過度の添加は溶接金属部の高温割
れ感受性の増大と靱性低下につながるために、上限を
0.15%とし、好ましくは0.09%以下とする。S
iは溶接金属中の酸素量を低減するとともに、ビード形
状を改善する効果があり少なくとも0.2%以上必要で
ある。しかし過度の添加は溶接金属の靱性を低下させる
ので上限を1.0%とする。
【0026】Mnは変態点低下の効果が大きく、Niの
補助として少なくとも0.3%以上、好ましくは0.8
%以上添加する必要がある。過度な添加は溶接金属の高
温割れ感受性の増大と靱性低下につながるために、上限
を3.0%とする必要がある。Niは代表的なγフォー
マであり、変態点低下の効果が大きい。少なくとも0.
2%以上添加する必要がある。添加量が多すぎる場合に
はコスト上昇となることにより、上限は9.0%とする
が、例えば海洋構造物において、電気的に溶接金属部が
貴になりすぎ、局部電池を形成して溶接熱影響部が選択
的に腐食されることになるので好ましくは上限を5.0
%とするのが良い。
補助として少なくとも0.3%以上、好ましくは0.8
%以上添加する必要がある。過度な添加は溶接金属の高
温割れ感受性の増大と靱性低下につながるために、上限
を3.0%とする必要がある。Niは代表的なγフォー
マであり、変態点低下の効果が大きい。少なくとも0.
2%以上添加する必要がある。添加量が多すぎる場合に
はコスト上昇となることにより、上限は9.0%とする
が、例えば海洋構造物において、電気的に溶接金属部が
貴になりすぎ、局部電池を形成して溶接熱影響部が選択
的に腐食されることになるので好ましくは上限を5.0
%とするのが良い。
【0027】以上の元素は変態点を低下させることに効
果がある元素であり、これに加えて変態が生じる温度域
での強度を増加するものとして以下の元素を含むもので
ある。Cuについても変態点低下の効果があるために
0.1%以上添加する必要がある。過度な添加は溶接金
属の靱性低下につながるために、上限を1.5%とす
る。Crによる強度増加の効果が生じるために0.1%
以上の添加が必要である。添加量が多すぎる場合には常
温強度及び硬度が増加して靱性が劣化し、さらに溶接性
も低下するので、上限を3.0%とする。
果がある元素であり、これに加えて変態が生じる温度域
での強度を増加するものとして以下の元素を含むもので
ある。Cuについても変態点低下の効果があるために
0.1%以上添加する必要がある。過度な添加は溶接金
属の靱性低下につながるために、上限を1.5%とす
る。Crによる強度増加の効果が生じるために0.1%
以上の添加が必要である。添加量が多すぎる場合には常
温強度及び硬度が増加して靱性が劣化し、さらに溶接性
も低下するので、上限を3.0%とする。
【0028】Moについては強度の点から0.1%以上
の添加が必要である。変態温度を上昇させる効果が大き
いことから、上限を2.0%とする。Vについても0.
1%以上の添加で強度上昇の効果がある。過大な添加は
常温での強度・硬度の上昇によって靱性が劣化し、変態
温度を上昇させることになるので、上限を0.7%とす
る。Nbについても0.01%以上の添加で強度上昇の
効果がある。過大な添加は常温強度及び硬度の上昇をも
たらすので、上限を0.5%とするが、さらに靱性劣化
を防止するためには0.05%以下とすることが望まし
い。
の添加が必要である。変態温度を上昇させる効果が大き
いことから、上限を2.0%とする。Vについても0.
1%以上の添加で強度上昇の効果がある。過大な添加は
常温での強度・硬度の上昇によって靱性が劣化し、変態
温度を上昇させることになるので、上限を0.7%とす
る。Nbについても0.01%以上の添加で強度上昇の
効果がある。過大な添加は常温強度及び硬度の上昇をも
たらすので、上限を0.5%とするが、さらに靱性劣化
を防止するためには0.05%以下とすることが望まし
い。
【0029】以上が溶接時に発生する角変形量を低減さ
せる手段であるが、本発明者らはさらに溶接後の仕上が
りビード形状を改善すること(利用分野の拡大)を考
え、スラグ剤成分についても検討した。その結果、スラ
グ生成剤の利用は溶接後のビード形状を改善できるとと
もに、溶接時に発生するスパッター量を大幅に減少でき
ることが可能となった。
せる手段であるが、本発明者らはさらに溶接後の仕上が
りビード形状を改善すること(利用分野の拡大)を考
え、スラグ剤成分についても検討した。その結果、スラ
グ生成剤の利用は溶接後のビード形状を改善できるとと
もに、溶接時に発生するスパッター量を大幅に減少でき
ることが可能となった。
【0030】本発明では上記特性を踏まえ、各成分の含
有率を下記のように定めた。 TiO2 :2.5〜6.5% TiO2 はアークの安定性及びスラグ被包性を高めるう
えでも不可欠の成分であり、2.5%未満ではその効果
が得られない。しかし6.5%を超えるとスラグの粘性
が高くなりすぎてビード形状が悪化し、さらには溶接金
属中に過剰の還元チタンが歩留って機械的性質(特に靱
性)が低下する。
有率を下記のように定めた。 TiO2 :2.5〜6.5% TiO2 はアークの安定性及びスラグ被包性を高めるう
えでも不可欠の成分であり、2.5%未満ではその効果
が得られない。しかし6.5%を超えるとスラグの粘性
が高くなりすぎてビード形状が悪化し、さらには溶接金
属中に過剰の還元チタンが歩留って機械的性質(特に靱
性)が低下する。
【0031】TiO2 以外の酸化物:0.3〜2.5% TiO2 以外の酸化物としては、SiO2 、Al2 O
3 、ZrO2 、MnO、MgO、FeO、Fe2 O3 等
が挙げられるがこれらは、スラグの粘性を調整するとと
もにビード外観、形状を良くするほか、全姿勢溶接性を
良好にする。0.3%未満ではこれらの効果を有効に発
揮することができない反面多すぎると溶融スラグの粘性
が著しく低下して溶接作業性が極端に悪化するので2.
5%以下にとどめるべきである。さらに本発明者らはビ
ード形状の改善のみにとどまらず、さらなる高能率化を
考え、溶着速度の向上についても検討した。その結果、
鉄粉の利用は溶接後のビード形状を改善し、溶接時に発
生するスパッター量を減少できるとともに溶着速度を大
幅に向上することが可能となった。
3 、ZrO2 、MnO、MgO、FeO、Fe2 O3 等
が挙げられるがこれらは、スラグの粘性を調整するとと
もにビード外観、形状を良くするほか、全姿勢溶接性を
良好にする。0.3%未満ではこれらの効果を有効に発
揮することができない反面多すぎると溶融スラグの粘性
が著しく低下して溶接作業性が極端に悪化するので2.
5%以下にとどめるべきである。さらに本発明者らはビ
ード形状の改善のみにとどまらず、さらなる高能率化を
考え、溶着速度の向上についても検討した。その結果、
鉄粉の利用は溶接後のビード形状を改善し、溶接時に発
生するスパッター量を減少できるとともに溶着速度を大
幅に向上することが可能となった。
【0032】本発明では上記特性を踏まえ、各成分の含
有率を下記のように定めた。 鉄粉:4.0〜12.0% 金属粉系フラックス入りワイヤの特徴である溶接能率向
上効果を十分達成させるためには鉄粉は4.0%以上添
加する必要がある。4.0%未満ではワイヤの溶着速度
が遅くなり、溶接能率が低下する。一方12.0%を超
えるとフラックス中の他の成分、例えばスラグ形成剤、
脱酸剤、合金剤などの絶対量が不足してビード形状が劣
化したり、所定の強度が得られない。従って鉄粉は、
4.0〜12.0%の範囲とする。
有率を下記のように定めた。 鉄粉:4.0〜12.0% 金属粉系フラックス入りワイヤの特徴である溶接能率向
上効果を十分達成させるためには鉄粉は4.0%以上添
加する必要がある。4.0%未満ではワイヤの溶着速度
が遅くなり、溶接能率が低下する。一方12.0%を超
えるとフラックス中の他の成分、例えばスラグ形成剤、
脱酸剤、合金剤などの絶対量が不足してビード形状が劣
化したり、所定の強度が得られない。従って鉄粉は、
4.0〜12.0%の範囲とする。
【0033】アーク安定剤:0.05〜1.1% 鉄粉を主体とする本発明ワイヤにおいては、アークを安
定化してスパッタ発生量を低減させるために添加が必須
である。アーク安定剤が0.05%未満では、アーク安
定剤としての効果が得られない。一方1.1%を超える
と逆にアーク長が極端に長くなり溶滴移行性を妨げるた
めスパッタが多発する。従ってアーク安定剤は0.05
〜1.1%の範囲とする。なおここでいうアーク安定剤
とはLi、Na、K等のアルカリ金属及びその化合物が
挙げられる。
定化してスパッタ発生量を低減させるために添加が必須
である。アーク安定剤が0.05%未満では、アーク安
定剤としての効果が得られない。一方1.1%を超える
と逆にアーク長が極端に長くなり溶滴移行性を妨げるた
めスパッタが多発する。従ってアーク安定剤は0.05
〜1.1%の範囲とする。なおここでいうアーク安定剤
とはLi、Na、K等のアルカリ金属及びその化合物が
挙げられる。
【0034】スラグ形成剤:0.3〜3.5% スラグ形成剤は、ビード形状を改善するために溶着速度
の低下をきたさない範囲で添加する必要がある。0.3
%未満では、ビード形状改善効果は認められず、3.5
%を超えるとスラグ量が増大してスラグ巻込み等の欠陥
を生じたり溶接能率が低下する。従って、アーク安定剤
を除くスラグ形成剤は、0.3〜3.5%とする。なお
スラグ形成剤としては、TiO2 、SiO2 、ZrO
2 、Al2O3 、MnO、MgO等の酸化物、CaF
2 、BaF2 、MgF2 、LiF等の弗化物及びCaC
O3 、BaCO3 等の炭酸塩が使用できる。
の低下をきたさない範囲で添加する必要がある。0.3
%未満では、ビード形状改善効果は認められず、3.5
%を超えるとスラグ量が増大してスラグ巻込み等の欠陥
を生じたり溶接能率が低下する。従って、アーク安定剤
を除くスラグ形成剤は、0.3〜3.5%とする。なお
スラグ形成剤としては、TiO2 、SiO2 、ZrO
2 、Al2O3 、MnO、MgO等の酸化物、CaF
2 、BaF2 、MgF2 、LiF等の弗化物及びCaC
O3 、BaCO3 等の炭酸塩が使用できる。
【0035】これに加えて、本発明に係るワイヤのフラ
ックス充填率は鉄粉を用いるか否かに拘わらず、4〜2
0%とすることが望ましい。その理由は、充填率が20
%を超えると伸線時に断線トラブルが多発し生産性が悪
くなるからであり、また4%より少なくなるとアークの
安定性が損なわれるからである。
ックス充填率は鉄粉を用いるか否かに拘わらず、4〜2
0%とすることが望ましい。その理由は、充填率が20
%を超えると伸線時に断線トラブルが多発し生産性が悪
くなるからであり、また4%より少なくなるとアークの
安定性が損なわれるからである。
【0036】ワイヤの断面形状には何等の制限もなく2
mm以下の細径の場合は比較的単純な円筒状のものが一
般的である。また、シームレスワイヤにおいては表面に
Cu等のメッキ処理を施すことも有効である。以上に述
べた鋼材と溶接材料を用いても、板厚をH(cm)、溶
接入熱をQ/(J/cm)としたときにQ/H2 が13
×103 (J/cm3 )を超えると変形量低減効果が発
揮されないのでQ/H2 は13×103 (J/cm3 )
以下とする必要がある。
mm以下の細径の場合は比較的単純な円筒状のものが一
般的である。また、シームレスワイヤにおいては表面に
Cu等のメッキ処理を施すことも有効である。以上に述
べた鋼材と溶接材料を用いても、板厚をH(cm)、溶
接入熱をQ/(J/cm)としたときにQ/H2 が13
×103 (J/cm3 )を超えると変形量低減効果が発
揮されないのでQ/H2 は13×103 (J/cm3 )
以下とする必要がある。
【0037】
【実施例】表1に実験に使用した本発明の鋼板成分と比
較鋼の成分を示し、表2に実験に使用した本発明のワイ
ヤと比較ワイヤの成分を示す。鋼材には6mmの板厚を
使用し、溶接ワイヤ径はいずれも1.2mmを使用し
た。これらの鋼板と溶接ワイヤを用い、図2に示すT形
すみ肉溶接試験体を製作するために、表3に示す溶接条
件で両側1パス溶接した。なお図中1,2はすみ肉溶接
される母材を、3(2個所)は拘束部分を、4(4個
所)は仮付溶接部分を示す。
較鋼の成分を示し、表2に実験に使用した本発明のワイ
ヤと比較ワイヤの成分を示す。鋼材には6mmの板厚を
使用し、溶接ワイヤ径はいずれも1.2mmを使用し
た。これらの鋼板と溶接ワイヤを用い、図2に示すT形
すみ肉溶接試験体を製作するために、表3に示す溶接条
件で両側1パス溶接した。なお図中1,2はすみ肉溶接
される母材を、3(2個所)は拘束部分を、4(4個
所)は仮付溶接部分を示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】溶接終了後、角変形量δを測定したのち、
溶接金属の縦断面を観察し溶接金属の割れの有無および
ビード形状を判定した。総合評価として、角変形量δの
大きさとして図3に示されるwとdの値を用いて(3)
式で計算されるδの値が1.2×10-2ラジアン未満で
かつ割れの発生が見られないこと、およびビード形状、
外観の優れているものは合格、それ以外は不合格とし
た。 δ=0.5sin-1(2d/w)・・・・(3)
溶接金属の縦断面を観察し溶接金属の割れの有無および
ビード形状を判定した。総合評価として、角変形量δの
大きさとして図3に示されるwとdの値を用いて(3)
式で計算されるδの値が1.2×10-2ラジアン未満で
かつ割れの発生が見られないこと、およびビード形状、
外観の優れているものは合格、それ以外は不合格とし
た。 δ=0.5sin-1(2d/w)・・・・(3)
【0042】表4に試験結果を示す。表4で明らかなよ
うに本発明の条件で溶接した継手は、すべて角変形量が
少なく、割れ発生も無くかつビード形状、外観も良好で
あるのに対して、本発明の条件からはずれたものは何ら
かの不都合が生じている。さらに、シールドガス組成に
ついては、Ar−CO2 混合ガスに変更して使用しても
本発明の特性は、なんら影響を受けることはなく、角変
形量は良好な性能が得られる。
うに本発明の条件で溶接した継手は、すべて角変形量が
少なく、割れ発生も無くかつビード形状、外観も良好で
あるのに対して、本発明の条件からはずれたものは何ら
かの不都合が生じている。さらに、シールドガス組成に
ついては、Ar−CO2 混合ガスに変更して使用しても
本発明の特性は、なんら影響を受けることはなく、角変
形量は良好な性能が得られる。
【0043】
【表4】
【0044】
【発明の効果】鋼構造物の製作において溶接継手は必須
の技術要素であるが、溶接変形の防止とその矯正技術は
経験的に得られるものであることが多い。昨今、鋼構造
物の設計の合理化や美観等の観点から溶接変形低減技術
が求められていると同時に、熟練溶接工の不足や溶接工
程の自動化の点からも発生する変形が少ない溶接材料を
供給することが望まれていた。本発明は継手部の諸特性
を損なうことなく、自動及び半自動の溶接工程において
溶接変形が少ない溶接方法を提供することであり、上述
した技術的要求の背景から意義の大きな発明である。経
済的に問題ない範囲で変形矯正のための作業が省略可能
となるうえに上述した付加価値を実現することが可能で
あるという顕著な効果がある。
の技術要素であるが、溶接変形の防止とその矯正技術は
経験的に得られるものであることが多い。昨今、鋼構造
物の設計の合理化や美観等の観点から溶接変形低減技術
が求められていると同時に、熟練溶接工の不足や溶接工
程の自動化の点からも発生する変形が少ない溶接材料を
供給することが望まれていた。本発明は継手部の諸特性
を損なうことなく、自動及び半自動の溶接工程において
溶接変形が少ない溶接方法を提供することであり、上述
した技術的要求の背景から意義の大きな発明である。経
済的に問題ない範囲で変形矯正のための作業が省略可能
となるうえに上述した付加価値を実現することが可能で
あるという顕著な効果がある。
【図1】変態点温度と角変形量の関係を示すグラフ
【図2】T字すみ肉溶接継手の概略を示す図
【図3】角変形量δの定義を説明する図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22C 38/00 301 C22C 38/00 301B 38/12 38/12 (72)発明者 糟谷 正 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株 式会社 技術開発本部内 (56)参考文献 特開 平4−22596(JP,A) 特開 平4−22597(JP,A) 特開 平4−358019(JP,A) 特開 平4−300092(JP,A) 特開 昭63−161119(JP,A) 特開 昭54−120221(JP,A) 特開 昭52−9619(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23K 9/173 B23K 35/30 320 B23K 35/362 B23K 35/365 B23K 35/368 C22C 38/00 301 C22C 38/12
Claims (9)
- 【請求項1】 重量%で、 C :0.02〜0.25%、 Si:0.01〜2.0%、 Mn:0.3〜1.5%、 Al:0.003〜0.10%、 Nb:0.005〜0.025%、 Mo:0.05〜0.25%、 残部がFe及び不可避不純物からなる鋼板をガスシール
ドアーク溶接する際に、ワイヤ全重量に対して、 C :0.03〜0.15%、 Si:0.2〜1.0%、 Mn:0.3〜3.0%、 を含有し、さらに、 Cu:0.1〜1.5%、 Cr:0.1〜3.0%、 Mo:0.1〜2.0%、 V :0.1〜0.7% Nb:0.01〜0.50%、 のうちのいずれか1種または2種以上を含有し、残部が
Fe及び不可避不純物からなり、かつワイヤ中に占める
各元素の重量%により(1)式で定まるパラメータTが
620未満であるワイヤを用い、さらに、板厚をH(c
m)、溶接入熱をQ(J/cm)としたときにQ/H2
が13×103 (J/cm3 )以下であることを特徴と
する溶接変形の少ないガスシールドアーク溶接方法。 T=630−476.5C+56Si−19.7Mn−16.3Cu −26.6Ni−4.9Cr+38.1Mo+124.8V +136.3Ti−19.1Nb+198.4Al+3315B ・・・(1) - 【請求項2】 重量%で、 C :0.02〜0.25%、 Si:0.01〜2.0%、 Mn:0.3〜1.5%、 Al:0.003〜0.10%、 Nb:0.005〜0.025%、 Mo:0.05〜0.25%、 残部がFe及び不可避不純物からなる鋼板をガスシール
ドアーク溶接する際に、鋼製外皮にワイヤ全重量に対し
て、 TiO2 :2.5〜6.5%、 TiO2 以外の酸化物:0.3〜2.5%、 を含有するチタニヤ系フラックスを充填したマグ溶接フ
ラックス入りワイヤであって、ワイヤ全重量に対して、 C :0.03〜0.15%、 Si:0.2〜1.0%、 Mn:0.3〜3.0%、 を含有し、さらに、 Cu:0.1〜1.5%、 Cr:0.1〜3.0%、 Mo:0.1〜2.0%、 V :0.1〜0.7%、 Nb:0.01〜0.50%、 のうちのいずれか1種または2種以上を含有し、かつワ
イヤ中に占める各元素の重量%により、(1)式で定ま
るパラメータTが620未満であるワイヤを用いかつ、
板厚をH(cm)、溶接入熱をQ(J/cm)としたと
きにQ/H2 が13×103 (J/cm3 )以下である
ことを特徴とする溶接変形の少ないガスシールドアーク
溶接方法。 T=630−476.5C+56Si−19.7Mn−16.3Cu −26.6Ni−4.9Cr+38.1Mo+124.8V +136.3Ti−19.1Nb+198.4Al+3315B ・・・(1) - 【請求項3】 重量%で、 C :0.02〜0.25%、 Si:0.01〜2.0%、 Mn:0.3〜1.5%、 Al:0.003〜0.10%、 Nb:0.005〜0.025%、 Mo:0.05〜0.25%、 残部がFe及び不可避不純物からなる鋼板をガスシール
ドアーク溶接する際に、鋼製外皮にワイヤ全重量に対し
て、 鉄 粉 :4.0〜12.0
%、 アーク安定剤 :0.05〜1.1
%、 アーク安定剤以外のスラグ形成剤:0.3〜3.5%、 を含有する金属粉系フラックスを充填してなるマグ溶接
フラックス入りワイヤであって、鋼製外皮と充填フラッ
クスの一方又は両方においてワイヤ全重量に対して、 C :0.03〜0.15%、 Si:0.2〜1.0%、 Mn:0.3〜3.0%、 を含有し、さらに、 Cu:0.1〜1.5%、 Cr:0.1〜3.0%、 Mo:0.1〜2.0%、 V :0.1〜0.7%、 Nb:0.01〜0.50%、 のうちのいずれか1種または2種以上を含有し、かつワ
イヤ中に占める各元素の重量%により、(1)式で定ま
るパラメータTが620未満であるワイヤを用いかつ、
板厚をH(cm)、溶接入熱をQ(J/cm)としたと
きにQ/H2 が13×103 (J/cm3 )以下である
ことを特徴とする溶接変形の少ないガスシールドアーク
溶接方法。 T=630−476.5C+56Si−19.7Mn−16.3Cu −26.6Ni−4.9Cr+38.1Mo+124.8V +136.3Ti−19.1Nb+198.4Al+3315B ・・・(1) - 【請求項4】 ワイヤ全重量に対してさらにNiを0.
2%〜9%含有することを特徴とする請求項1〜3のい
ずれか1項に記載の溶接変形の少ないガスシールドアー
ク溶接方法。 - 【請求項5】 鋼板に重量%でさらにTiを0.001
%〜0.1%含有することを特徴とする請求項1〜4の
いずれか1項に記載の溶接変形の少ないガスシールドア
ーク溶接方法。 - 【請求項6】 鋼板に重量%でさらに、 Cu:0.05〜1.5%、 Ni:0.05〜1.5%、 Cr:0.05〜1.5%、 Co:0.05〜0.5%、 W :0.05〜0.5%、 の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求
項1〜5のいずれか1項に記載の溶接変形の少ないガス
シールドアーク溶接方法。 - 【請求項7】 鋼板に重量%でさらに、 V:0.002〜0.10%、 を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1
項に記載の溶接変形の少ないガスシールドアーク溶接方
法。 - 【請求項8】鋼板に重量%でさらに、 B:0.0002〜0.0025%、 を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1
項に記載の溶接変形の少ないガスシールドアーク溶接方
法。 - 【請求項9】鋼板に重量%でさらに、 Rem:0.002〜0.10%、 Ca :0.0003〜0.0040%、 の1種または2種を含有することを特徴とする請求項1
〜8のいずれか1項に記載の溶接変形の少ないガスシー
ルドアーク溶接方法。
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US08/604,971 US5718776A (en) | 1993-09-20 | 1994-09-20 | Steel plate less susceptible to welding distortion and highly bendable by lineal heating, process for producing said steel plate, welding material, and welding method using said welding material |
DE69424573T DE69424573T2 (de) | 1993-09-20 | 1994-09-20 | Stahlplatte mit niedriger schweissspannung und guter biegbarkeit bei linearer aufheizung, herstellungsverfahren, schweissmaterial und dessen herstellungsverfahren |
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