JP3254032B2 - レールエンクローズアーク溶接用被覆アーク溶接棒 - Google Patents
レールエンクローズアーク溶接用被覆アーク溶接棒Info
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Description
ンレールのエンクローズアーク溶接に用いる被覆アーク
溶接棒に関するものである。
2は腹部、3は頭部、4は頭表面である。従来からレー
ルの突き合わせ溶接又は肉盛溶接では接合レール端面を
開先加工して逐次多層溶接する方法、あるいはI開先で
突き合わせた後、レール足部を多層溶接し、その後、腹
部2、頭部3をエンクローズ当金材で取り囲み、連続的
に溶接するエンクローズアーク溶接法が多用されてい
る。又、レールの頭表面4の硬化肉盛溶接、レールの局
部的なキズ、摩耗部分を肉盛補修する方法などがある。
輪ところがり接触に対する耐摩耗性と、疲労亀裂に対す
る耐疲労損傷性の大きいことが要求される。一方、足部
と腹部では車輪通過時の衝撃と曲げ荷重に耐え得るだけ
の静的強度と疲労強度が要求される。更に溶接割れなど
の溶接欠陥についても極力少なくする必要がある。
は、C:0.40〜0.82%、Si:0.05〜0.
35%、Mn:0.60〜1.25%を含有しており、
パーライト組織となっている。更に最近レールに関する
研究が活発になされ、耐摩耗性、疲労損傷性の改善には
パーライト組織の金属が最も優れ、かつ高硬度で、炭素
含有量が多いほど優れた性能を示すことが明らかとなっ
た。
見を基にレール母材と同一の化学成分を有する溶着金属
が得られ、溶着金属組織もパーライト組織となり、かつ
溶着金属の耐割れ性、溶接欠陥発生が少なく溶接作業性
の良好なレールエンクローズアーク溶接棒の研究を進め
た。その結果、特開昭63−160799号公報、特開
平1−266990号公報、特開平2−229693号
公報及び特開平2−258193号公報で明らかの通
り、高炭素系レールエンクローズアーク溶接棒の技術を
確立した。現在、本発明により製造されたレールエンク
ローズアーク溶接棒は、好評の内に使用されレール継手
部の追跡調査において溶着金属の耐摩耗性、耐割れ性な
ど満足する結果が得られている。
はないが実施工数が増加するにつれ多様な条件で施工さ
れるようになった。そのなかでレール敷設作業に伴うレ
ール溶接作業において、高架上のレール溶接作業、片側
運転中の溶接作業がある。これらの環境では、高架及び
列車通過時の強風発生など苛酷な条件での溶接作業とな
る。しかもレール敷設作業では、軌道上には付帯設備、
例えば防風設備などの設置は困難であり、溶接箇所に適
切な防風処置はとれないのが現状である。その結果、特
にレール足部の多層溶接部にブローホールが発生する。
一方腹部、頭部の溶接ではブローホール発生は認められ
ない。足部多層溶接は、なんら防風処置はできないが腹
部、頭部の溶接では、銅当金で溶接部分を囲って溶接す
ることから強風下においても防風処置は十分であり、溶
接部のシールドも正常な状態を保ち得るのでブローホー
ルの発生はない。これらのことからブローホール発生原
因はシールド不足によるものである。
下においても耐ブローホール性の優れた溶接棒を提供す
る。即ち、合金剤、スラグ生成剤及び被覆剤中の炭素量
の検討を行った結果、適正な炭酸塩、金属フッ化物及び
グラファイト量を調整することにより耐ブローホール性
の優れたレールエンクローズアーク溶接用被覆アーク溶
接棒を提供することを目的とする。
に本発明は、重量%でC:0.03〜1.5%、P+
S:0.015%以下を含有する鋼心線の外周に、炭酸
塩:52〜65%、金属フッ化物:17〜27%、ルチ
ール:0.5〜6.5%、グラファイト:0.3〜7.
0%、その他として塗装剤、アーク安定剤を含有し、か
つ、被覆剤中のCaO/CaF2 の比が1.4〜2.0
の範囲にある被覆剤が溶接棒全重量に対して15〜35
%被覆され、溶接棒全重量でC:0.35〜1.5%、
Si:0.2〜2.2%、Mn:0.6〜2.5%含有
することを必須とし、更に必要に応じて、Cr:1.3
%以下、Mo:0.3%以下、V:0.3%以下、N
b:0.1%以下、Ni:2.0%以下、Cu:0.3
%以下でこれらの1種又は2種以上を含有することを特
徴とするレールのエンクローズアーク溶接用被覆アーク
溶接棒である。
用被覆アーク溶接棒の限定理由について詳細に説明す
る。まず、鋼心線の炭素量については0.03%未満で
は、アークの吹き付けが弱くなり溶融スラグが溶接棒先
端にからみ安定した溶接ができない。又、その結果スパ
ッタが増加するなど好ましくない。しかし、1.5%超
では、溶着金属の炭素量が高くなり溶着金属に割れが発
生する。又、心線に1.5%の炭素量があれば本発明の
目的とする溶着金属炭素量には十分であることから心線
の炭素量は0.03〜1.5%の範囲に規定した。
に溶接金属中の炭素量が高いと凝固割れ感受性が高くな
ることはよく知られている。高炭素系溶着金属中に発生
した微小な凝固(高温)割れについてその割れ先端部分
と、健全部の溶着金属との主要成分をX線マイクロアナ
ライザーで比較検討した結果、割れ先端部分では、健全
部の成分と比較してCで2倍、Pで3倍及びS約10倍
の局部偏析が認められた。凝固割れについては、この富
化された部分の濃度レベルを低くし、割れ発生の危険性
を軽減するには、C,P及びSの全体の平均濃度を軽減
することが大切である。しかし、本発明の主旨から炭素
量は、レール母材と同程度のレベルが不可避であり、
P,Sの低減に主眼をおいて検討を進めた。図2に0.
7C−0.7Si−0.9Mn−0.25Cr系の溶着
金属をベースにP,Sの異なる溶接棒を用いU溝スリッ
ト1パス割れ試験を行いP,S量と凝固割れの関係を調
査、整理した結果を示す。この図から明らかのように、
溶着金属中のP,S量と凝固割れ発生率を見ると、溶着
金属中のP+S量が0.015%を境に増加すると凝固
割れが急激に増加する。本発明はこのような知見に基づ
いてなしたものである。即ち、不純物である溶着金属中
のP+S量は、溶接材料及び溶接母材から富化される
が、特に溶接材料、ここでは溶接棒のP+S量に支配さ
れる。
及び鋼心線で構成されているが、溶着金属に及ぼす被覆
剤からのP+S量の増加は微量であり、鋼心線からのP
+S量を十分規制することが溶着金属中のP+S量の軽
減に効果的である。溶着金属中のP+S量を0.015
%以下に規制するには、溶接棒、特に心線中のP+S量
を0.015%以下の心線を用いれば被覆剤及び心線か
らのP+S量はスラグなどに一部取り込まれることを考
慮して溶着金属中のP+S量は0.015%以下にする
ことが可能となり、溶着金属の割れも少なくなるので心
線中のP+S量を0.015%以下と規定した。
述べる。炭酸塩(本発明で言う炭酸塩とは主に炭酸カル
シウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウムであり、本発
明ではその1種又は2種以上を組合せて用いる。)は、
溶接時に炭酸ガスを発生し、溶融プールを大気より遮断
するためピット、ブローホールの発生防止に著しい効果
がある。しかも炭酸カルシウムを例にとると、配合量の
半分が溶接中に分解して炭酸ガスを発生し、溶融プール
を大気から遮断し、ブローホール、ピット発生を防止す
る。又、エンクローズアーク溶接では、安定したアーク
を持続できる程度に極力スラグ量を少なくする必要があ
り、炭酸塩から発生するスラグ量は溶接中にCO2 分解
することにより配合量の半分程度がスラグになる程度で
スラグ量の発生を少なくすることができる。又、アーク
安定性及びスラグ剥離性の改善に効果があり、スラグの
粘性調整にも著しく効果は大きいことから溶接棒の主要
な原材料として使用されている。しかし、炭酸塩52%
未満では、前述した強風下での溶接作業ではシールドが
不十分であり、ブローホールが発生する。又、65%超
では、スラグ量が多くスラグ粘性も高くなり、安定した
溶接ができない。銅当金で溶接部を囲いその中を連続的
に溶接するエンクローズアーク溶接では、アーク安定性
を損なわない程度のより少量のスラグと、アーク直下の
スラグがスムースに溶接後方に排除することが重要であ
るがスラグ量及びスラグ粘性過多となり安定した溶接が
できないことから、被覆剤中の炭酸塩量を52〜65%
の範囲に規定した。
とは、主としてフッ化カルシウム、フッ化ナトリウム、
フッ化マグネシウムであり、本発明ではその1種又は2
種以上を組合せて用いる。)は、スラグの粘性、流動性
調整に効果があり、金属フッ化物を適正に調整すること
で溶接ビードの広がりが大きくなる。しかし、金属フッ
化物の1種又は2種以上が17%未満では、スラグ流動
性が悪く溶接棒先端にスラグがからみ安定した溶接がで
きない。27%超では、スラグ量が過多となること及び
粘性が低くなり、スラグ流動性が大きくなることから、
溶接前方に必要以上にスラグが流失し安定した溶接がで
きないので被覆剤中の金属フッ化物量の範囲を17〜2
7%に規定した。
ク安定性に効果がある。しかし、0.5%未満では、そ
の効果も十分でなくスパッタの発生など問題が多い。
6.5%超では、スラグ粘性が大となり、安定した溶接
ができない。又スラグの軟化点を測定すれば他の材料に
比べ、ルチールのスラグ軟化点に及ぼす影響が大きく支
配的であり、被覆剤中のルチール量の範囲を0.5〜
6.5%に規定した。
一般的に使用される。本発明では、このグラファイトは
安定して炭素を調整する加炭剤として又、溶接雰囲気中
の酸素と反応し、炭酸ガスを多量に発生させてシールド
効果を向上させる効果に、着目した。しかし、0.3%
未満では、シールド効果も十分でなくブローホールの発
生が見られた。7.0%超では、グラファイトは比重が
他の原料に比べ軽く容量が多量となるため混合しても偏
析を起こし均一な混合ができないことから加炭剤として
溶着金属の炭素量が安定しない、又、心線への被覆の固
着が悪くなるので被覆剤中のグラファイト量の範囲を
0.3〜7.0%に規定した。
定した理由について述べる。本発明者らは、既に特開平
1−266990号公報、特開平2−229693号公
報及び特開平2−258193号公報で開示した如くル
チール量及びCaO/CaF2 の比とスラグ軟化点に明
瞭な関係があることを見いだし、ルチール量及びCaO
/CaF2 の比を限定することでレールエンクローズア
ーク溶接用として優れた溶接作業性を有する被覆アーク
溶接棒を開発、提供した。しかし、本発明者らは更に被
覆アーク溶接棒の開発を進めた結果、ルチール量が0.
5〜6.5%の範囲に限定することで、図3で明らかの
ようにCaO/CaF2 の比によるスラグ軟化点が変化
し、更に溶接作業性、特にスラグ流動性が良好となるこ
とを見いだした。即ち、CaO/CaF2 の比が1.4
未満ではスラグの軟化点が高くなりスラグ流動性に欠
け、溶接プール近傍からスムースにスラグが排除されず
棒先端にからむなど安定した溶接ができない。一方2.
0超では、溶接スラグの軟化点が再び高くなり、スラグ
流動性に欠けることから安定した溶接ができないのでC
aO/CaF2 の比を1.4〜2.0の範囲に限定し
た。尚、ここで言うスラグの軟化点とは、粉砕した溶接
スラグを2mm×2mm×3mmの形状にプレスし、固めた試
料を大気中で加熱、溶融させた試料がもとの高さの1/
2になった温度を、その試料の軟化点と規定した。
〜35%塗布する理由について述べる。被覆率は下記
(1)式で求める。
も弱く溶接中に被覆の欠落が発生し、シールドが十分で
きないことからスパッタが多量に発生する。又、35%
超では、スラグ量が増加し溶融プールから溶融スラグの
スムースな排除ができず安定した溶接ができないので
(1)式で求められる被覆率を15〜35%の範囲に規
定した。
由について述べる。Cは、溶着金属にレール母材と類似
のパーライト組織を生成させるための必須成分である。
又、溶着金属を高炭素系C:0.3〜1.0%に調整
し、その凝固温度をレール母材とほぼ同レベルに調整す
ることで溶融境界層における高温液化割れを防止するも
のである。しかし、溶接棒全重量で0.35%未満で
は、溶着金属の炭素量が0.3%以下になることがあ
り、レール母材との溶融境界部に高温液化割れが発生す
ること。又、溶着金属組織に、ベーナイト組織などが析
出し、目的とするパーライト組織にならない。又、1.
5%超では、溶着金属の炭素量が1.0%を超えること
があり、溶着金属に初析セメンタイトが析出して溶着金
属が脆化し、耐割れ性が問題となるので溶接棒全重量に
対するC量を0.35〜1.5%の範囲に規定した。
組織におけるフェライトを強化して強度を上昇させ耐疲
労損傷性を向上させる。しかし、溶接棒全重量のSiが
0.2%未満では、脱酸効果も十分でなくブローホー
ル、ピットの原因となる。又2.2%超では、溶着金属
のSi量が1.0%を超え継手性能の劣化と、溶接作業
性の面でスラグ粘性が高くなりすぎ、安定した溶接がで
きなくなることから溶接棒全重量のSi量を0.2〜
2.2%の範囲に規定した。
Mnはパーライト変態を遅滞させる元素であって、添加
量によりパーライト変態の開始が変化し、強度も変化す
るので溶着金属のMn量は、レール母材のMn量とほぼ
同量に調整する必要がある。溶接棒全重量のMn量が
0.6%未満では溶着金属のMn量が低くなり溶着金属
の強度低下、延性の劣化となる。又、2.5%超では、
溶着金属中のMn量が過多になり溶着金属中に析出した
マルテンサイトをパーライトに変態する後熱処理が著し
く困難になるので溶接棒全重量のMn量を0.6〜2.
5%の範囲に規定した。
要に応じてCr,Mo,V,Nb,Ni及びCuなどの
内1種又は2種以上含有する場合は、溶着金属中にも同
レベルもしくはそれ以下の量を添加する必要がある。即
ち、Cr,Mo,Vの場合はMnと同様にパーライト変
態を遅滞させる元素であり、添加量によりパーライト変
態の開始が変化し強度も変化する。又、溶接のまま、溶
接後の熱処理によってレール母材と類似の金属組織、硬
さ及び継手引張強さが得られない。従って溶接棒全重量
のCr,Mo,V量は、Cr:1.3%以下、Mo:
0.3%以下、V:0.3%以下の範囲に規定した。
に短縮させる元素であるため溶接後の冷却中に生成され
る有害なマルテンサイト析出を防止する効果がある。し
かし、溶着金属のNb量が0.1%を超えると巨大な炭
化物、窒化物が生じ靭性、疲労強度を劣化させるので溶
接棒全重量のNb量を0.1%以下の範囲に規定した。
ル母材の耐食性の改善を目的に添加されることもあり、
通常0.3%以下のCuの添加をする。溶着金属におい
てもレール母材と同量の添加が必要であるが0.3%超
では、熱間脆性を起こし表面疵が発生するので溶接棒全
重量でCu量を0.3%以下の範囲に規定した。
の改善に効果があるが、レール母材の場合、延性、靭性
が低くても使用可能であり、レール母材に添加されるこ
とは少ない。しかし、溶着金属には、上記改善効果を目
的に添加できるが溶接棒全重量のNiが2.0%を超え
ると溶着金属に凝固割れが発生しやすくなるので溶接棒
全重量のNi量を2.0%以下の範囲に規定した。
クローズアーク溶接棒は高架上及び列車通過時の強風下
においてもブローホールの発生が少なく溶接欠陥の少な
い溶接が可能となり、溶接後適切な後熱処理を施すこと
によりレール母材と同等の強度と金属組織が得られレー
ル溶接の問題点を解決したレールエンクローズアーク溶
接棒である。以下に実施例により、本発明の効果を更に
具体的に説明する。
溶接棒の成分組成(溶接棒の化学成分は、特定成分のみ
記載)を示す。棒寸法は全て5.0×450mmとした。
表2に使用した鋼心線の成分組成(特定成分のみ記
載)、表3に試験に供したレール母材を示す。溶接棒の
評価方法は、I開先に加工したレールを400〜500
℃の予熱を行い溶接電流220A(電源特性:DCE
P)で足部溶接、その後、銅当金で囲いエンクローズ溶
接を腹部及び頭表面に実施した。溶接完了後、多孔バー
ナで800〜1000℃に加熱し放冷した。その後、レ
ール継手部の断面マクロを研磨後、PT試験及び光学顕
微鏡で観察し、割れの有無を確認した。割れが認められ
ないものは○印、認められるものは×印とした。溶接棒
のブローホール試験は、レール母材上に300℃予熱
後、大型送風機で溶接アークに強烈な風を直接当てた状
態で、ビード長さ200mmの1層5パス溶接を行いX線
によるブローホール観察を行い、ブローホールの発生が
ないものは○印、ブローホールの発生が認められたもの
は×印とした。
R−10は、溶接作業性も、特に高架上及び列車通過時
に発生する強風下での溶接作業においても溶着金属にブ
ローホールの発生もなく良好であり、かつ、溶接金属、
熱影響部にも割れが発生せず健全なレール溶接継手性能
が得られた。
から被覆率が上限を超えスラグ量が過多に発生し、スラ
グの溶接プールからのスムースな排除ができない。又、
溶接棒のSi,Mn量が低く、溶着金属にブローホール
が発生するなど溶接作業性に問題があった。溶接棒記号
ER−12は、被覆率、ルチールの量が本発明の上限を
超え、又、CaO/CaF2 比及び溶接棒中のSi,M
n量が本発明範囲の下限を割っている。被覆率は上記E
R−12と同様にスラグ量が過多になり、ルチール量が
多くCaO/CaF2 比が低いことから溶接スラグの軟
化点が高くスラグ流動性に欠け溶接作業性が悪い。又、
Si,Mn量が少ないことから溶着金属にブローホール
が認められた。溶接棒記号ER−13は、被覆率、溶接
棒中のSi量が低いことから、スラグ量が少なく保護筒
も生成されずスパッタが多くなるなど安定した溶接がで
きない。しかもCaO/CaF2 比が低いので溶接スラ
グの軟化点が高くスラグ流動性に欠け溶接作業性が悪
い。又、使用心線は、表2の心線記号Eであり、P+S
量が本発明の上限を超えていることから溶着金属に凝固
割れが認められた。
割って溶接棒中のMn,V及びCu量が多いこと又、使
用心線のP+S量が本発明の上限を超えている。これら
のことからブローホールの発生が認められ、心線中のP
+S量及びV,Cu量が多いため溶着金属に割れが認め
られた。溶接棒ER−15は、金属フッ化物が上限を超
えCaO/CaF2 比が下限を割っている。又、溶接棒
中のNb,Cuが上限を超えているのでCaO/CaF
2 比による溶接スラグの軟化点が高く、スラグ流動性が
悪くなりしかも金属フッ化物が多いため、そのスラグ量
が多くなるためブローホールなどの発生、溶接棒先端に
スラグがからむなど安定した溶接ができない。又、溶接
棒中のNb,Cuが多く溶着金属にNb炭化物の析出が
認められると同時に微小な割れも認められた。溶接棒E
R−16は、金属フッ化物が下限を割ってCaO/Ca
F2 比及び溶接棒中のSiが上限を超えていることから
溶接スラグの軟化点が高くスラグの粘性が大きくなりス
ラグ流動性に欠け安定した溶接ができない。又、溶接棒
中のMn量が上限を超え使用心線のP+S量が多いこと
から溶着金属に割れが認められると同時に残留オーステ
ナイトが認められ目標とするパーライト組織にならなか
った。
限を割っており、Cr,Nb量が上限を超えていること
から溶着金属のC量が本発明の下限である0.3%を割
ったため凝固割れが認められた。又、Cr量が多く金属
組織にマルテンサイトが析出し、目的とするパーライト
組織にならなかった。溶接棒ER−18は、溶接棒中の
Mo,Ni量が上限を超えていることから溶着金属の引
張強さが大きくなり過ぎることと微小な凝固割れが認め
られた。溶接棒ER−19は、溶接棒中のC量が低く使
用心線のP+S量も多いことから溶着金属に凝固割れが
認められた。
ンクローズアーク被覆アーク溶接棒は、苛酷な溶接環境
においても良好な溶接作業性を示し、レール継手性能も
良好であり、レール溶接の信頼性を大幅に向上し得るこ
とが可能となりその工業的価値は極めて大きい。
係を示した図である。
スラグ軟化点との関係を示した図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%でC:0.03〜1.5%、P+
S:0.015%以下を含有する鋼心線の外周に、炭酸
塩:52〜65%、金属フッ化物:17〜27%、ルチ
ール:0.5〜6.5%、グラファイト:0.3〜7.
0%、その他として塗装剤、アーク安定剤を含有し、か
つ、被覆剤中のCaO/CaF2 の比が1.4〜2.0
の範囲にある被覆剤が溶接棒全重量に対して15〜35
%被覆され、溶接棒全重量でC:0.35〜1.5%、
Si:0.2〜2.2%、Mn:0.6〜2.5%を含
有することを特徴とするレールのエンクローズアーク溶
接用被覆アーク溶接棒。 - 【請求項2】 重量%でC:0.03〜1.5%、P+
S:0.015%以下を含有する鋼心線の外周に、炭酸
塩:52〜65%、金属フッ化物:17〜27%、ルチ
ール:0.5〜6.5%、グラファイト:0.3〜7.
0%、その他として塗装剤、アーク安定剤を含有し、か
つ、被覆剤中のCaO/CaF2 の比が1.4〜2.0
の範囲にある被覆剤が溶接棒全重量に対して15〜35
%被覆され、溶接棒全重量でC:0.35〜1.5%、
Si:0.2〜2.2%、Mn:0.6〜2.5%を含
有し、更にCr:1.3%以下、Mo:0.3%以下、
V:0.3%以下、Nb:0.1%以下、Ni:2.0
%以下、Cu:0.3%以下であって、これらの1種又
は2種以上を含有することを特徴とするレールのエンク
ローズアーク溶接用被覆アーク溶接棒。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP05261293A JP3254032B2 (ja) | 1993-03-12 | 1993-03-12 | レールエンクローズアーク溶接用被覆アーク溶接棒 |
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JP05261293A JP3254032B2 (ja) | 1993-03-12 | 1993-03-12 | レールエンクローズアーク溶接用被覆アーク溶接棒 |
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