JPH0455793B2 - - Google Patents

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JPH0455793B2
JPH0455793B2 JP9635388A JP9635388A JPH0455793B2 JP H0455793 B2 JPH0455793 B2 JP H0455793B2 JP 9635388 A JP9635388 A JP 9635388A JP 9635388 A JP9635388 A JP 9635388A JP H0455793 B2 JPH0455793 B2 JP H0455793B2
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JP
Japan
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welding
rail
slag
less
welding rod
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JP9635388A
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JPH01266990A (ja
Inventor
Hiroyuki Koike
Hitoshi Nishimura
Makoto Okumura
Kenichi Karimine
Koichi Uchino
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Publication of JPH0455793B2 publication Critical patent/JPH0455793B2/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K35/00Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting
    • B23K35/22Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting characterised by the composition or nature of the material
    • B23K35/36Selection of non-metallic compositions, e.g. coatings, fluxes; Selection of soldering or welding materials, conjoint with selection of non-metallic compositions, both selections being of interest
    • B23K35/3601Selection of non-metallic compositions, e.g. coatings, fluxes; Selection of soldering or welding materials, conjoint with selection of non-metallic compositions, both selections being of interest with inorganic compounds as principal constituents
    • B23K35/3602Carbonates, basic oxides or hydroxides

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Nonmetallic Welding Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は鉄道レールまたはクレーンレールを突
き合わせ溶接又は肉盛溶接する際に用いる被覆ア
ーク溶接棒に関するものである。 [従来の技術] 第1図はレールの断面を示し、1は足部、2に
は腹部、3は頭部、4は頭表面である。従来から
レールを突合せ溶接または肉盛溶接するには、接
合レール端面を開先加工して逐次多層溶接する方
法、あるいはI型開先で突き合わせた後レール足
部1を多層溶接し、その後腹部2と頭部3をエン
クローズド当金材で取り囲み、連続的に溶接する
エンクローズドアーク溶接法が用いられている。
また、レールの肉盛溶接には突合せ溶接部のレー
ル頭表面4を硬化肉盛したり、レールの局部的な
表面きずまたは摩耗部分を肉盛補修する方法があ
る。 レールはその使用目的から頭表面では車輪との
ころがり接触に対する耐摩耗性と疲労亀裂に対す
る抵抗力すなわち耐疲労損傷性の大きい性質が要
求されている。一方、足部と腹部では車輪通過時
の衝撃あるいは曲げ荷重に耐え得るだけの静的強
度と疲労強度が必要とされており、さらに溶接割
れ等の溶接欠陥についても皆無または実用的にさ
しつかえない程度以下に極力少なくなつていなけ
ればならない。 現在世界の鉄道用普通レールの化学成分は第1
表に示すように重量%でC;0.40〜0.82%、Si;
0.05〜0.35%、Mn;0.60〜1.25%を含有してお
り、その金属組織はバーライトで、引張り強さは
70Kg/mm2以上である。
【表】 最近、レール使用性能に関する研究は多く、耐
摩耗性と疲労損傷性はパーライト組織が最も優
れ、マルテンサイト組織ば有害で、同じパーライ
ト組織であれば硬さが大きくC含有量の多い方が
優れていることが明らかにされている。 [発明が解決しようとする課題] これらの性能をさらに高めるため前記の普通レ
ールの頭表面または全体を熱処理した硬頭レール
または前記普通レールの成分にSi;1.0%以下、
Mn;1.5%以下まで高めさらにCr、Ni、Mo、
V、Nb、Cuのうち一種または二種以上でCr;
1.3%以下、MoまたはV;0.3%以下、Nb;0.1%
以下、Cu;0.3%以下添加した合金鋼レールおよ
び両方を併用した合金鋼熱処理レールが実用化さ
れている。 従来、レールを突合せ溶接または肉盛溶接する
際に用いられる被覆アーク溶接棒は第2表に示す
ようにJISZ3213低合金高張力鋼用被覆アーク溶
接棒である。
【表】 これらの溶接棒は通常圧鋼板等に使用されるた
め、JISZ3503被覆アーク溶接棒心線用線材また
はJISG3505軟鋼線材で定められるC;0.25%以
下、Mn;0.65%以下の線材にNi、CrおよびMo
の一種または二種以上の合金成分剤を含有するフ
ラツクスを被覆したもである。従つて、このよう
な溶接棒をレールに適用した場合に形成される溶
接金属はC;0.3%以下で、Si、Mnの他に、Ni、
Cr、Moの一種または二種以上を0.1%以上含有す
る。このためレール母材の溶接境界部近傍に高温
割れが発生する。この高温割れはレール鋼の溶融
点が約1470℃であるのに対し、溶接金属はそれよ
り高く約1530℃であるために理論的に避けられな
い。さらにこの溶融境界部近傍には溶接のままで
多量のマルテンサイト組織を生成し、疲労強度が
著しく低下するので、通常溶接後710℃以下の温
度で焼き戻しまたは焼きなましをしなければなら
ない。その結果、溶接金属の組織は耐摩耗性の低
い焼き戻しマルテンサイトを生成するため、前記
の溶接棒を用いたレールの溶接部はたとえ硬さが
母材レールと同じでも溶接金属層が局部的に早期
に摩耗する。このような高温割れおよび局部摩耗
は母材レールが高Cで合金鋼化すなわち高強度す
ればするほど顕著になり、高強度レールにおいて
は実際に溶接不能の状態になつていた。 またレールの肉鞠溶接法には第2表で示すよう
なJISZ3251硬化肉盛用被覆アーク溶接棒のDF2A
またはDF2Bに該当する溶接棒が用いられてい
る。DF2Aに該当する溶接棒は前記低合金高張力
鋼用溶接棒とほとんど変わらないので、前記の問
題がそのまま当てはまる。DF2Bで形成される溶
接金属は溶接のままではマルテンサイト組織を生
成するので、溶接後焼き戻し処理を施さざるを得
ない。このため、溶接金属は焼き戻しマルテンサ
イト組織となつてパーライト組織が得られないだ
けでなく、熱処理レールではこのような後熱処理
とすると、この熱影響を受ける母材レール頭表部
が軟化し、かえつて摩耗が著しくなるという事態
が発生していた。 本発明者らは広範囲な研究を行つた結果、第2
表に示すような従来の被覆アーク溶接棒によつて
形成された溶着金属は母材レールと著しく異なつ
た成分となるため前記のような問題が発生するこ
とを知見し、溶着金属が従来溶接には不適当とさ
れてきた母材レールと類似の高C型パーライト組
織なる高炭素含有被覆アーク溶接棒組成を見いだ
した。又一方溶接作業性の面からみると、高炭素
含有被覆アーク溶接棒はスラグ流動性、耐ブロー
ホール性が劣化することは良く知られている。特
に本発明に見られるように、レール腹部をエンク
ローズド当金材で取り囲み連続的に溶接するエン
クローズアーク溶接では、安定したスラグ流動
性、適正なスラグ発生量およびアーク安定性が健
全な溶接継手を得る上で重要となる。本発明者ら
は、被覆アーク溶接棒の合金組成およびスラグ生
成剤の検討を行ない、本発明をなしえたものであ
る。 [課題を解決するための手段] 本発明の様子は、重量%でC:0.39〜0.86%、
を含有する硬鋼心線の外周に炭酸塩の1種又は2
種以上を42〜55%金属フツ化物の1種又は2種以
上を13〜23%、ルチール:0.5〜9.5%、被覆剤中
のCaO/CaF2の比が1.2〜1.8の範囲にある被膜剤
が溶接棒全重量に対して15〜32%被覆され、かつ
溶接棒全重量%でC:0.4〜1.5%、Si:0.2〜2.2
%、Mn:0.6〜2.5%または上記の他にCr:1.3%
以下、Mo:0.3%以下、V:0.3%以下、Nb:0.1
以下、Ni:2.0%以下、Cu:0.3%以下の1種また
は2種以上を含有することを特徴とするレールの
エンクローズアーク溶接用被覆アーク溶接棒にあ
る。 [作用] 以下に本発明のレールのエンクローズアークの
溶接用被覆アーク溶接棒の限定理由について詳細
に説明する。高炭素含有被覆アーク溶接棒を設計
するにあたり、硬鋼心線を用いた理由として 高炭素溶着金属が安定して得られる。 溶接作業性特に溶接スラグの流動性が安定す
る。 など軟鋼心線に比べ硬鋼心線が優れている理由
による。高炭素溶着金属を得るには、被覆より炭
素を添加する方法が簡便かつ低コストな方法とし
て一般的である。しかしこの方法は溶接条件や施
工条件により炭素の溶着金属に対する歩留が変化
したり、又、被覆の欠け落ちなどにより炭素量は
変化することもあり、安定した炭素量を得ること
は難かしい。しかも被覆剤中の炭素添加量が増加
すればする程この傾向は顕著となる。 一方、高炭素含有心線を用い心線より添加する
方法は歩留も良く、溶着金属の炭素量は安定する
ことはよく知られている一方溶接作業性の改善に
おいても本発明者らは、スラグ流動性の改善をス
ラグ落性の検討と同時に心線の化学組成によるア
ーク力の違いに着目し検討を行つた。その結果第
2図の知見を得た。即ち、溶着金属の炭素量が同
一組成になるように調整された溶接棒において心
線中の炭素、酸素量により棒先端のスラグのから
み度合が異なることを見いだした。第2図はレー
ザ背光シユリレーン観察装置を用いて溶接時の棒
先端にクラグがからむ時間と溶接時間との割合を
架橋率としてもとめ、溶着金属のC量との関係で
整理したものであるこの試験結果により、同一炭
素量の溶着金属を得るには、高炭素含有心線の方
が架橋率(スラグのからみ)が少ないことがわか
り、溶接作業性の面からも高炭素含有心線の使用
が有利であることがわかつた。しかしながら心線
中の炭素含有量が0.39%未満では被覆剤からの炭
素添加量が増えると同時に、レーザ背光シユリレ
ーン観察装置を用い故郷率を測定した結果も悪く
棒先端にスラグがからむなど溶接作業性が劣化す
るので好ましくない。一方心線中の炭素含有量が
0.86%超では、心線加工中において伸線性に欠け
線材の硬化が激しく焼鈍回数が増加するなど生産
性の面で問題がある。よつて溶接差行性、線材の
加工性を考慮し心線中の炭素量を0.39%〜0.86%
と規定した。 次に被覆剤の限定理由について述べる。先ず炭
酸塩(ここでいう炭酸塩とは、炭酸石灰、炭酸バ
リウム、炭酸マグネシウムをいう)は、溶接時に
はCO2ガスを発生し、溶融プールを大気より保護
し、ピツト、ブローホールの発生防止、アーク安
定性およびスラグ剥離性の改善に効果がある。 又スラグ粘性調整などにも効果は著しく溶接材
料の設計には重要な原材料として使用されてい
る。しかし、炭酸塩1種又は2種以上が42%未満
では、溶接棒先端の保護筒が適正に生成されずシ
ールド効果の劣化を招きアーク安定性スパツタの
発生が多くなり好ましくない。又55%超えでは過
大にCO2ガスが発生しスパツタ量が増加し、スラ
グ量が多く又スラグ粘性が過大となる。 特にスラグ量およびスラグ粘性が増加すること
はエンクローズアーク溶接用の溶接棒としては、
溶接作業性の面で大きな障害となる。ノール腹部
を当金材で取り囲み連続的に溶接するエンクロー
ズアーク溶接では、溶接スラグの挙動が健全な溶
接金属を得るために重要な因子となる。即ち、ア
ーク安定性を損わない程度のスラグ量とシールド
効果を維持し、かつ、スラグの粘性を低く抑えア
ーク直下よりスムースに溶接スラグを溶接プール
後方に排除することが必要であり、溶接棒先端に
スラグがからむ状態になるとアークが遮断されア
ーク切れを起し健全な溶接および溶接金属は得ら
れない。これらの理由により炭酸塩の1種又は2
種以上を42〜55%と規定した。 次に金属フツ化物(ここでいう金属フツ化物と
は、フツ化カルシウム、フツ化ソーダ、フツ化マ
グネシウムをいう)については、スラグの粘性流
動性の調整、および保護筒の生成に効果がある。
しかも金属フツ化物の1種又は2種以上が13%未
満ではスラグ粘性が過大となり、溶接棒先端にク
ラグがからみ安定した溶接が出来ない。又23%超
えでは、スラグ量が増加すると同時にスラグ粘性
が極度に低下し、溶接プール前方にスラグが回り
込み、安定した溶接が得られない。これらの理由
により金属フツ化物の1種又は2種以上を13〜23
%と規定した。 ルーチンについてはスラグの粘性を良好に保
ち、アークの安定性の改善に効果は大きい。しか
し0.5%未満では、その効果はなく、スパツタの
発生が多く好ましくない。又9.5%超えでは、ス
ラグの粘性過大となり溶接棒先端にスラグがから
むなど安定した溶接が出来ないことからルチール
を0.5〜9.5%と規定した。 次に被覆剤中のCaO/CaF2の比を1.2〜1.8の範
囲に限定した理由について述べる。 本発明者らは、レールのエンクローズアーク溶
接において、被覆剤中の主成分である炭酸石灰、
フツ化カルシウム、ルチールと溶接作業性との関
係を調査した。その結果第3図に示す知見を得
た。被覆剤中のCaOとCaF2の比と、ルチールと
の関係において被覆剤の軟化点が大きく影響され
ることがわかる。又その結果においてエンクロー
ズアーク溶接における溶接作業性の優劣も支配さ
れることが判明した。即ち、被覆剤中のCaO/
CaF2の比が1.2未満では、スラグの粘性が高く、
溶接プール近傍からスムースにスラグが排除され
ず溶接棒先端に溶接スラグがからむなど溶接作業
性は好ましくない。又CaO/CaF2の比が1.8超で
は、溶接スラグの粘性が高くなると同時にスラグ
発生量が多くなり、健全な溶接が出来ない。これ
らの理由により被覆剤中のCaO/CaF2の比を1.2
〜1.8%と規定した。 尚ここでいう被覆剤の軟化点とは、粉砕した被
覆剤を2mm中 ×3mmtの形状にプレスしたかため
た試料を大気炉中で加熱し、その試料が溶融しも
との試料の高さの1/2になつた時の温度をその被
覆剤の軟化点と規定した。 次に被覆剤を溶接棒全重量に対して15〜32%塗
布する理由について述べる。(1)式で示す計算式に
よりもとめた地すなわち被覆率は15%未満におい
ては、安定したシールド効果、またアークを発生
するために必要な溶接棒先端の保護筒の強度が低
くなり、溶接途中で欠け落ち、安定した溶接が出
来ない。又溶接棒製造時に被覆の圧さが薄いため
にスムースな塗布ができない。一方被覆率が32%
超では、スラグ量が増加し溶接スラグが溶融プー
ル上にとどまり安定した溶接が出来ないことから
溶接棒全重量に対する被覆剤の量を15〜42%と規
定した。 被覆率Fw/Rw+Fw×100 ……(1)式 Fw:被覆剤重量 Rw:心線重量 次に溶接棒全重量に対する合金成分を規定した
理由について述べる。 Cは融着金属にレール鋼と類荷のパーライト組
織を生成させるための必須成分であると同時に、
溶着金属を高炭素成分系すなわちC;0.4〜0.9%
に調整して、この凝固温度をレール鋼とほぼ同等
にすることによつて、従来技術で発生していた母
材レールの溶融境界層における高温液化割れを防
止するもので本発明の最大の特徴をなすものであ
る。更に、溶着金属のC含有量が増加するに従い
継手引張り強さおよび硬さが増加するため溶融金
属の対摩耗性および耐疲労損傷性を向上させるこ
とができる。溶接棒全重量のC含有量が0.4%未
満では溶接金属のC量が0.4%未満となる場合が
生じ母材レールの溶融境界層に高温割れが発生す
ると共に溶接金属のパーライト組織が少なくなり
継手引張り強さの70Kg/mm2以上が得られない。一
方被覆アーク溶接棒のC含有量が1.5%超では溶
着金属のC量が0.9%超となり、溶接金属に初析
セメンタイトが析出し、溶接金属が著しく脆化す
る。又溶接作業性の面においてもスラグの粘性が
低下し、溶接プールの前方(溶接方向)に回り込
み溶接棒先端にからみスムースな溶接が出来ない
ことから、溶接棒全重量に対するCを0.4〜1.5%
と規定した。 Siは通常溶着金属の脱酸剤として含有されるも
のであるが、必要に応じてその量をコントロール
し溶着金属中のSi含有量を0.1%〜1.0%の範囲に
入れるようにする。レール鋼のSi含有量は通常
0.1%以上であり、Siはパーライト組織において
フエライトを強化して強度を上昇させると同時に
耐疲労損傷性を向上させ、さらにパーライト変態
の開始時間、温度におよぼす影響が小さいため溶
着金属のSi量がレール鋼より多く含有しても1.0
%以下であれば有害にはならない。これらの理由
により溶接棒全重量に対して0.2%未満ではレー
ル鋼のSi含有量を下廻り、脱酸効果も十分でな
く、ブロホール、ピツトなど発生する。又2.2%
超えでは溶接金属のSi含有量が1.0%超え、継手
性能が劣化すると同時に溶接作業性においてもス
ラグ粘性過多となり安定した溶接が出来なくなる
ことから溶接棒全重量に対するSiを0.2〜2.2%と
規定した。 MnはSi同様溶着金属の脱酸剤として添加され
る。レール鋼のMn含有量は0.6%以上であり、
Mnはパーライト変態を遅滞させる元素であつて
添加量によりパーライト変態の開始が変化し強度
も変化するので、溶着金属のMn含有量はレール
鋼とほぼ対応したものでなければならない。溶接
棒全重量に対するのMn量が0.6%未満では溶着金
沿のMn量が低くなり、溶着金属の引張り強さま
たは伸びすなわち延性が低下する。溶接棒全重量
に対するMn量が2.5%超では溶着金属のMn量が
増加し、溶接金属中に形成されたマルテンサイト
をパーライトに変態させる後熱処理が著しく困難
となることから溶接棒全重量に対するMnを0.6〜
2.5%と規定した。 母材レールが前記C、Si、Mnの他にCr、Mo、
V、Nb、Cuのうち一種または二種以上含有する
場合には、溶着金属にもこれらの合金成分を母材
レールと同等もしくはそれ以下の量だけ含有しな
ければならない場合がある。すなわちCr、Mo、
VはMnと同様パーライト変態を遅滞させる元素
であつて、添加量によりパーライト変態の開始が
変化し強度も変化するので、母材レールがこれら
の合金成分を含有する合金鋼である場合には、す
くなくともレール当頂面に用いる被覆アーク溶接
棒にもこれらの合金成分を含有していないと、溶
接のまま、または溶接後の熱処理によつて母材レ
ールと類似の金属組織、硬さおよび継手引張り強
さが得られない。従つて被覆アーク溶接棒のCr、
Mo、V含有量はCr;1.3%以下、Mo、V;0.3%
以下とする。 Nbはパーライト変態の終了時間を大幅に短縮
させる元素であるため、溶接後の冷却中に生成す
る有害なマルテンサイトを防止する効果がある。
しかし溶着金属のNb含有量が0.1%を超えると巨
大な炭・窒化物を生じ、靭性、疲労強度を低下さ
せるので、被覆アーク溶接棒のNb含有量は1.1%
以下とする。 Cuはレール鋼の耐食性を向上するのに効果の
ある合金成分であり、耐食性レールには0.3%以
下含有される。従つて、耐食性レールの溶接には
溶着金属にも0.3%以下のCuを含有しないと母材
レールと同様の耐食性が得られない。しかし溶着
金属のCu含有量が0.3%超では、熱間脆性を起こ
し表面きずが発生するので、被覆アーク溶接棒の
Cu含有量は0.3%以下とする。 Niはレール鋼の延性または靭性を向上する合
金成分であるが、レール鋼はもともと延性または
靭性が低くても使用可能な鋼材であるため、レー
ルに添加する場合は少ない。しかし溶着金属に
2.0%以下含有すると溶接部の延性または靭性が
向上するので、溶接金属にNiを添加する必要の
ある場合がある。しかし溶着金属がNiを2.0%超
含有すると、溶接金属に高温凝固割れが発生しや
すくなるので、被覆アーク溶接棒のNi含有量は
2.0%以下とする。 以上詳述したように、本発明、被覆アーク溶接
棒を用い、通常の溶接条件のもとで、レール鋼に
対して行つても、高温割れ等の溶接欠陥が発生す
ることなく施工でき、溶接後適切な後熱処理を組
み合わせることにより有害組織がなく母材レール
と同等の硬さとパーライト組織を有する溶接継手
を得ることができる。 以下に実施例によつて本発明の効果をさらに具
体的に説明する。 [実施例] 以下本発明の実施例を示す。 第3表にエンクローズアーク溶接用被覆アーク
溶接棒を示す。棒寸法は全て5.0φ×450mmとした。 第4表に使用したレール母材を示す。又溶接条
件は直流逆極性溶接電220Aで溶接した。溶接に
際して、溶接施工開始時点でレール足部の開先面
を400から500℃に予熱し、溶接完了後レール断面
全周を均等に加熱する多孔ノズルバーナを用いて
800〜1000℃に加熱し放冷した。 第5表に試験結果を示す。溶接作業性はスラグ
発生量の多少、棒先端へのスラグのからみ、又ス
パツタ発生量の多少を観察し、実用上あまり問題
とならないものには○、実用上問題となるものに
ついては×評価とした。溶着金属の割れについて
は溶接中央部の縦断面アクロ試験片を採取し、研
磨後カラーチエツク、検鏡により割れの有無の確
認をした。 本発明例で示した棒記号R−1からR−14につ
いては溶接作業性も十分実用可能であり、かつ溶
接金属、および熱影響部にも割れが認められず実
用可能な継手性能が得られた。 一方比較例で示したR−15、R−22はいずれも
CaO/CaF2比が低く溶接作業性特にスラグの棒
先端へからみ、安定した溶接が出来なかつた。又
R−22については溶接棒全重量%においてNbが
0.32と上限を超えており、靭性が劣化し、溶着金
属に割れが発生した。比較例で示したR−16、R
−17はCaO/CaF2比が高く、又炭酸塩の量が本
発明上限を超えており又R−17は被覆率が上限を
超えておりスラグ発生量が多く安定した溶接が出
来なかつた。又R−16については炭素が低く熱影
響部に割れが認められた。R−17は逆に炭素量が
高く溶着金沿に割れが認められた。 比較例で示したR−18は被覆率が高くスラグ発
生量が多く安定した溶接が出来なかつた。又溶接
棒重量%においてCr、Mo、Niが上限を超えてお
い溶着金属の硬さが高くなり靭性が低下し割れ発
生となつた。 比較例で示したR−19は溶接棒全重量%におい
てC、Mnの量上限を超えておりR−18同様に溶
着金属に割れが発生した。 比較例R−20は、Siが溶接棒全重量%において
上限を超えており、溶着金属のSi量が1%を超え
溶着金属に割れが発生した。又溶接作業性におい
てもスラグ粘度が上昇し、安定した溶接ができな
かつた。比較例で示したR−21は、溶接作業性は
良好であつたが溶接棒全重量%においてV、Nb
の添加量が上限を超えており、溶着金属に割れが
発生した。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 [発明の効果] 以上述べたように本発明によるレールエンクロ
ーズアーク溶接棒被覆アーク溶接棒は、良好な溶
接作業性と継手性能が得られレール溶接の信頼性
を大幅に向上しうることが可能となりその工業的
価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図はレール鋼の断面図、第2図は溶着金属
の炭素量と架橋率の関係を示した図、第3図は被
覆材のCaO/CaF2比と軟化点の関係を示した図
である。 1……レール足部、2……レール腹部、3……
レール頭部、4……レール頭表面。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 重量%でC:0.39〜0.86%、を含有する硬鋼
    心線の外周に炭酸塩の1種又は2種以上を42〜55
    %、金属フツ化物の1種又は2種以上を13〜23
    %、ルチール:0.5〜9.5%、被覆剤中のCaO/
    CaF2の比が1.2〜1.8の範囲にある被膜剤が溶接棒
    全重量に対して15〜32%被覆され、かつ溶接棒全
    重量%でC:0.4〜1.5%、Si:0.2〜2.2%、Mn:
    0.6〜2.5%含有することを特徴とするレールのエ
    ンクローズアーク溶接用被覆アーク溶接棒。 2 重量%でC:0.39〜0.86%、を含有する硬鋼
    心線の外周に炭酸塩の1種又は2種以上を42〜55
    %、金属フツ化物の1種又は2種以上を13〜23
    %、ルチール:0.5〜9.5%、被覆剤中のCaO/
    CaF2の比が1.2〜1.8の範囲にある被膜剤が溶接棒
    全重量に対して15〜32%被覆され、かつ溶接棒全
    重量%でC:0.4〜1.5%、Si:0.2〜2.2%、Mn:
    0.6〜2.5%更にCr:1.3%以下、Mo:0.3%以下、
    V:0.3%以下、Nb:0.1以下、Ni:2.0%以下、
    Cu:0.3%以下の1種または2種以上含有すると
    を特徴とするレールのエンクローズアーク溶接用
    被覆アーク溶接棒。
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