JPH02258193A - レールエンクローズアーク溶接用被覆アーク溶接棒 - Google Patents

レールエンクローズアーク溶接用被覆アーク溶接棒

Info

Publication number
JPH02258193A
JPH02258193A JP7934389A JP7934389A JPH02258193A JP H02258193 A JPH02258193 A JP H02258193A JP 7934389 A JP7934389 A JP 7934389A JP 7934389 A JP7934389 A JP 7934389A JP H02258193 A JPH02258193 A JP H02258193A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
welding
rail
welding rod
slag
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7934389A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Koike
弘之 小池
Hitoshi Nishimura
西村 均
Nobutaka Yurioka
百合岡 信孝
Makoto Okumura
誠 奥村
Kenichi Karimine
健一 狩峰
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP7934389A priority Critical patent/JPH02258193A/ja
Publication of JPH02258193A publication Critical patent/JPH02258193A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K35/00Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting
    • B23K35/22Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting characterised by the composition or nature of the material
    • B23K35/36Selection of non-metallic compositions, e.g. coatings, fluxes; Selection of soldering or welding materials, conjoint with selection of non-metallic compositions, both selections being of interest
    • B23K35/365Selection of non-metallic compositions of coating materials either alone or conjoint with selection of soldering or welding materials

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Nonmetallic Welding Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、鉄道レールまたはクレーンレールを突き合わ
せ溶接、又は肉盛溶接する際に用いる被覆アーク溶接棒
に関するものである。
[従来の技術] 第1図はレールの断面を示し、1は足部、2は腹部、3
は頭部、4は頭表面である。従来からレールを突合せ溶
接または肉盛溶接するには、接合レール端面な開先加工
して逐次多層溶接する方法、あるいは工型開先で突き合
わせた後レール足部lを多層溶接し、その後腹部2と頭
部3をエンクロースト当今材で取り囲み、連続的に溶接
するエンクローズドアーり溶接法が用いられている。
また、レールの肉盛溶接には突合せ溶接部のレル頭表面
4を硬化肉盛したり、レールの局部的な表面きずまたは
摩耗部分を肉盛補修する方法がある。
レールはその使用目的から、頭表面ては車輪とのころが
り接触に対する耐摩耗性と疲労亀裂に対する抵抗力、す
なわち耐疲労損傷性の大きい性質が要求されている。一
方、足部と腹部では、車輪通過時の衝撃あるいは曲げ荷
重に耐え得るだけの静的強度と疲労強度が必要とされて
おり、さらしこ溶接割れ等の溶接欠陥についても、皆無
または実用的にさしつかえない程度以下に極力少なくな
っていなければならない。
現在世界の鉄道用普通レールの化学成分は、第1表に示
すように、重量%でC; 0.40〜0.82%、Si
 : 0.05〜0.35% Mn : 0.06〜1
.25%を含有しており、その金属組織はパーライトで
、引張り強さは70kg/mm2以上である。
最近、レール使用性能に関する研究は多く、耐摩耗性と
疲労損傷性はパーライト組織が最も優れ、マルテンサイ
ト組織は有害で、同しパーライト組織であれば、硬さが
大きくC含有量の多い方が優れていることが明らかにさ
ねている。
[発明が解決しようとする課題] これらの性能をさらに高めるため、前記の普通レールの
頭表部または全体を熱処理した硬頭しル、または前記普
通レールの成分にSi:  1.(1%以下、Mn; 
 1.5%以下まで高め、さらにCr、 Ni。
Mo、 V、 Nb、 Cuのうち一種または二種以上
でCr1.3%以下、 Moまたは■: 03%以下、
Nb、  0.1%以下、Cu;  0.3%以下添加
した合金鋼レール、および両方を併用した合金鋼熱処理
レールが実用化されている。
従来、レールを突合せ溶接または肉盛溶接する際に用い
られる被覆アーク溶接棒は、第2表に示すようにJIS
Z3213低合金高張力鋼用被覆アーク溶接棒である。
これらの溶接棒は通常厚鋼板等に使用されるため、JI
SZ3503被覆アーク溶接棒心線用線材、またはJI
SG3505軟鋼線材で定められるC : 0.25%
以下、Mn;0.65%以下の線材にNi、 Crおよ
びMoの一種または二種以上の合金成分剤を含有するフ
ラックスを被覆したものである。従って、このような溶
接棒をレールに適用した場合に形成される溶接金属は、
C; 03%以下で、Si、 Mnの他に、Ni。
Cr  Moの一種または二種以上を01%以上含有す
る。このためレール母材の溶融境界部近傍に高温割れが
発生する。この高温割れはレール鋼の溶融点が約147
0 ℃であるのに対し、溶接金属はそれより高く約15
30℃であるために理論的に避けられない。さらにこの
溶融境界部近傍には、溶接のままで多量のマルテンサイ
ト組織を生成し、疲労強度が著しく低下するので、通常
溶接後710°C以下の温度で焼き戻しまたは焼きなま
しをしなければならない。その結果、溶接金属の組織は
耐摩耗性の低い焼き戻しマルテンサイトを生成するため
、前記の溶接棒を用いたレールの溶接部はたとえ硬さが
母材レールと同しでも、溶接金属層が局部的に早期に摩
耗する。このような高温割れおよび局部摩耗は、母材レ
ールが高Cで合金鋼化すなわち高強度化すればするほど
顕著になり、高強度レールにおいては実際に溶接不能の
状態になっていた。
またレールの頭頂面近傍のみ肉盛溶接によって行う方法
があるが、これには第2表て示すようなJISZ325
1硬化肉盛用被覆アーク溶接棒の叶2AまたはDF2B
に該当する溶接棒が用いられている。DF2Aに該当す
る溶接棒は、前記低合金高張力鋼用溶接棒とほとんど変
わらないので、前記の問題がそのまま当てはまる。DF
2Bで形成される溶接金属は、溶接のままではマルテン
サイト組織を生成するので、ン容接後焼き戻し処理を施
さざるを得ない。このため、溶接金属は焼き戻しマルテ
ンサイト組織となって、パーライト組織が得られないだ
けでなく、熱処理レールではこのような後熱処理をする
と、この熱影響を受ける母材レール頭表部が軟化し、か
えって摩耗が著しくなるという事態が発生していた。
本発明者らは広範囲な研究を行った結果、第2表に示す
ような従来の被覆アーク溶接棒によって形成された溶着
金属は、母材レールと著しく異なった成分となるため前
記のような問題が発生することを知見し、溶着金属が従
来溶接には不適当とされてきた母材レールと類似の高C
型パーライト組織となる高炭素含有被覆アーク溶接棒組
成を見いだし、特開昭63−160799号公報に開示
の発明をなしえたものである。しかし一方溶接作業性の
面からみると、高炭素含有被覆アーク溶接棒は、スラグ
流動性、耐ブローホール性が劣化することは良く知られ
ている。特にレール腹部をエンクローズド当余材で取り
囲み連続的に溶接するエンクローズアーク溶接では、安
定したスラグ流動性、適正なスラグ発生量、およびアー
ク安定性が健全な溶接継手を得る上で重要となる。
本発明は上記問題点に鑑みなされたもので、良好な溶接
作業性、継手性能が得らえるレールのエンクローズアー
ク溶接用被覆アーク溶接棒を提供する。
[課題を解決するだめの手段] 本発明の要旨は、重量%でC003〜O1%。
酸素 0.0060〜0075%を含有する心線の外周
に、炭酸塩の1種又は2種以上を42〜55%、金属フ
ッ化物の1種又は2種以上を13〜23%、ルチル、0
.5〜95%、加炭剤としてC・ 20〜60%、被覆
剤中のCaO/CaF2の比が1゜2〜1.8の範囲に
ある被覆剤が溶接棒全重量に対して15〜32%被覆さ
れ、かつ溶接棒全重量%でC050〜150%、 Si
:  0.2〜2.2% Mn:  0.6〜2.5%
含有し、更に上記の他にCr:  1.3%以下、Mo
:0.3%以下 ■  03%以下、Nb:0.1%以
下、N120%以下、 Cu:  0.3%以下の1種
又は2種以上を含有することを特徴とするレールのエン
クロスアーク溶接用被覆アーク溶接棒にある。
[作 用] 以下、本発明のレールエンクローズアーク溶接用被覆ア
ーク溶接棒の、限定理由について詳細に説明する。
溶接作業性特にスラグ流動性の改善には、スラグ組成の
検討と同時に心線の化学組成、特に炭素、酸素含有量に
よるアーク力の違いに着目し検討を行った。その結果第
2図の知見を得た。即ち溶着金属の炭素量が同一組成に
なるように調整された溶接棒において、心線中の炭素、
酸素量により棒先端のスラグのからみ度合が異なること
を見いだした。
第2図は、レーザ背光シュリレーン観察装置を用いて、
溶接時の棒先端にスラグがからむ時間と、溶接時間との
割合を架橋率として求め、溶着金属の炭素量との関係で
整理したものである。この試験結果より同一炭素量の溶
着金属を得るには、心線中の炭素、酸素含有量が高いこ
とが架橋率(スラグのからみ)が少ないことがわかった
即ち第2図に示すように、心線中の炭素量が003%未
満の黒丸で示した心線では、溶着金属中の炭素量を06
%以上に調整することにより架橋率も30%を超え、ア
ーク切れ、スラグ巻込みなどの欠陥も発生することから
も好ましくない。又心線中の酸素量においても、 60
ppm未満の心線では、心線中の炭素量が本発明の請求
範囲を満足していても、架橋率でみると炭素量と同様に
架橋率が25〜45%程度になり、アーク切れスラグ巻
込みなどの問題が発生する。
よって心線中の炭素、酸素量は、C003%を超え、か
つO: 60 ppmを超えた心線を用いることで心線
の炭素、酸素含有量による架橋率(スラグからみ)が軽
減され、実用上問題とならないことが判明した。又C・
 01%超えた心線では、酸素量は逆に減少する傾向と
なり、溶接作業性特に架橋率の改善に必要な酸素量60
ppmを下回るものがあり、炭素量の増加と共にこの傾
向は著しく、品質の安定化には好ましくない。一方、心
線中の酸素量が過剰になると、粗大介在物を生成し易く
なるため0・ 0075%以下が望ましい。そこで心線
中のCI 0.03%〜O1%、かつ酸素量0.006
0〜0075%の範囲と規定した。
次に被覆剤の限定理由について述べる。先ず炭酸塩(こ
こでいう炭酸塩とは、炭酸石灰、炭酸バリウム、炭酸マ
グネシウムをいう)は、溶接時にCO□ガスを発生し、
溶融プールを大気より保護し、ピット、ブローホールの
発生防止、アーク安定性およびスラグ剥離性の改善に効
果がある。
又又ラグ粘性調整などにも効果は著しく、溶接材料の設
計には重要な原材料として使用されている。しかし、炭
酸塩1種又は2種以上が42%未満では、溶接棒先端の
保護筒が適正に生成されず、シールド効果の劣化を招き
、アーク安定性スパッタの発生が多くなり好ましくない
。又55%超えでは過大にCO2ガスが発生し、スパッ
タ量が増加し、スラグ量が多く、又スラグ粘性が過大と
なる。
特にスラグ量およびスラグ粘性が増加することは、エン
クローズアーク溶接用の溶接棒としては溶接作業性の面
で大きな障害となる。レール腹部を当金材で取り囲み連
続的に溶接するエンクローズアーク溶接では、溶接スラ
グの挙動が健全な溶接金属を得るために重要な因子とな
る。即ち、アーク安定性を損わない程度のスラグ量とシ
ールド効果を維持し、かつ、スラグの粘性を低く抑え、
アーク直下よりスムースに溶接スラグを溶接プール後方
に排除することが必要であり、溶接棒先端にスラグがが
らむ状態になるとアークが遮断されアーク切れを起し、
健全な溶接および溶接金属は得られない。これらの理由
により、炭酸塩の1種又は2種以上を42〜55%と規
定した。
次に金属フッ化物(ここでいう金属フッ化物とは、フッ
化カルシウム、フッ化ソーダ、フッ化マグネシウムをい
う)については、スラグの粘性流動性の調整、および保
護筒の生成に効果がある。
しかし金属フッ化物の1種又は2種以上が13%未満ま
ではスラグ粘性が過大となり、溶接棒先端にスラグがか
らみ、安定した溶接が出来ない。又23%超では、スラ
グ量が増加すると同時にスラグ粘性が極度に低下し、溶
接プール前方にスラブが回り込み、安定した溶接が得ら
れない。これらの理由により金属フッ化物の1種又は2
種以上を13〜23%と規定した。
ルチールについては、スラグの粘性を良好に保ち、アー
クの安定性の改善に効果は大きい。しかし0.5%未満
ではその効果はなく、スパックの発生が多く好ましくな
い。又9.5%超ではスラグの粘性過大となり、溶接棒
先端にスラグがからむなど安定した溶接が出来ないこと
から、ルチールを05〜95%と規定した。
次に加炭剤について、通常の軟鋼線材を用いる場合、高
炭素含有溶接棒を得るには高炭素含有合金剤、例えばF
e−Cr、  Fe−Mnなどの合金剤を用いるのが一
般的ではあるが、本発明ではレール母材と同成分の溶着
金属を得ることが重要であり、高炭素Fe−Cr、  
Fe−Mn高炭素金属クロムなどの炭素以外の合金を含
む材料は使用できない。そこで加炭剤として黒鉛、鋳鉄
粉を用いた。被覆剤中のClが2.0%未満では十分な
溶着金属中の炭素量が確保されない。又60%超では溶
着金属中の炭素量が目標とする炭素量の上限を超え、溶
着金属に割れが発生するなど性能上問題となる。従って
被覆剤中の炭素量を2.0〜6.0%と駅定した。
次に被覆剤中のCaO/CaF2の比を1.2〜18の
範囲に限定した理由について、本発明者らはレールのエ
ンクローズアーク溶接において、被覆剤中の主成分であ
る炭酸石灰、フッ化カルシウム、ルチールと溶接作業性
との関係を調査した。その結果第3図に示す知見を得た
。被覆剤中のCaOとCaF2の比とルチールとの関係
において、被覆剤の軟化点が大きく影響されることがわ
かる。又その結果において、エンクローズアーク溶接に
おける溶接作業性の優劣も支配されることが判明した。
即ち被覆剤中のCaO/CaF2の比が12未満ではス
ラグの粘性が高く、溶接プール近傍からスムースにスラ
グが排除されず、溶接棒先端に溶接スラグがからむなど
溶接作業性は好ましくない。又Can/CaF2の比が
1.8超では、溶接スラグの粘性が再び高くなると同時
にスラグ発生量が多くなり、健全な溶接が出来ない。こ
れらの理由により被覆剤中のCaO/CaF2の比を1
.2〜1.8と規定した。
尚ここでいう被覆剤の軟化点とは、粉砕した溶接スラグ
を2mm中×3mmtの形状にプレスし、かためた試料
を大気炉中で加熱し、その試料が溶融しもどの試料の高
さの1/2になった時の温度をその被覆剤の軟化点と規
定した。
次に被覆剤を溶接棒全重量に対して15〜32%塗布す
る理由について述べる。下記(11式で示す計算式によ
りもとめた値すなわち被覆率は、15%未満においては
安定したシールド効果、またアークを発生するために必
要な溶接棒先端の保護筒の強度が低(なり、溶接途中で
欠は落ち、安定した溶接が出来ない、又溶接棒製造時に
被覆の厚さが薄いためにスムースな塗布ができない。一
方被覆率が32%超では、スラグ量が増加し溶接スラグ
が溶融プール上にとどまり、安定した溶接が出来ないこ
とから、溶接棒全重量に対する被覆剤の量を15〜32
%と規定した。
Fw:被覆剤重量 Rw、心線重量 次に溶接棒全重量に対する合金成分を規定した理由につ
いて述べる。
Cは溶着金属にレール鋼と類似のパーライト組織を生成
させるための必須成分であると同時に、溶着金属を高炭
素成分系すなわち0104〜10%に調整して、この凝
固温度をレール鋼とほぼ同等にすることによって、従来
技術で発生していた母材レールの溶融境界層における高
温液化割れを防止するもので、本発明の最大の特徴をな
すものである。更に、溶着金属のC含有量が増加するに
従い、継手引張り強さおよび硬さが増加するため溶接金
属の耐摩耗性および耐疲労損傷性を向上させることがで
きる。溶接棒全重量のC・含有量が0.5%未満では溶
接金属のClが04%未満となる場合が生じ、母材レー
ルの溶融境界層に高温割れが発生すると共に溶接金属の
パーライト組織が少なくなり、継手引張り強さの70k
g/mm2以上が得られない。一方被覆アーク溶接棒の
C含有量が15%超では溶着金属のClが10%超とな
り、溶接金属に初析セメンタイトが析出し、溶接金属が
著しく脆化する。又溶接作業性の面においてもスラグの
粘性が低下し、溶接プールの前方(溶接方向)に回り込
み溶接棒先端にからみスムースな溶接が出来ないことか
ら、溶接棒全重量に対するCを0.5〜1.5%と規定
した。
Slは通常溶着金属の脱酸剤として含有されるものであ
るが、必要に応じてその量をコントロールし、溶着金属
中のSi含有量をO1%〜1.0%の範囲に入れるよう
にする。レール鋼のSi含有量は通常01%以上であり
、Siはパーライト組織においてフェライトを強化して
強度を上昇させると同時に耐疲労損傷性を向上させ、さ
らにパーライト変態の開始時間、温度におよぼす影響が
小さいため、溶着金属のSi量がレール鋼より多く含有
しても10%以下であれば有害にはならない。これらの
理由により、溶接棒全重量に対して02%未満ではレー
ル鋼のSi含有量を下廻り、脱酸効果も十分でなく、ブ
ロホール、ピットなど発生する。又2.2%超えでは溶
接金属のSi含有量が1.0%超え、継手性能が劣化す
ると同時に溶接作業性においてもスラグ粘性過多となり
、安定した溶接が出来なくなることから、溶接棒全重量
に対するSlを062〜2.2%と規定した。
MnはS1同様溶着金属の脱酸剤として添加される。レ
ール鋼のMn含有量は0.6%以上であり、Mnはパー
ライト変態を遅滞させる元素であって、添加量によりパ
ーライト変態の開始が変化し強度も変化するので、溶着
金属のMn含有量はレール鋼とほぼ対応したものでなけ
ればならない。溶接棒全重量に対するMn量が0.6%
未満では溶着金属のMn量が低くなり、溶着金属の引張
り強さまたは伸びすなわち延性が低下する。溶接棒全重
量に対するMn量が25%超では溶着金属のMn量が増
加し、溶接金属中に形成されたマルテンサイトをパーラ
イトに変態させる後熱処理が著しく困難となることから
、溶接棒全重量に対するMnを06〜2.5%と規定し
た。
母材レールが前記C,Si、 Mn、の他にCr、 M
o:V、 Nb、 Ni、 Cuのうち一種または二種
以上含有する場合には、溶着金属にもこれらの合金成分
を母材レールと同等、もしくはそれ以下の量だけ含有し
なければならない場合がある。すなわちCr。
Mo、 VはMnと同様パーライト変態を遅滞させる元
素であって、添加量によりパーライト変態の開始が変化
し強度も変化するので、母材レールがこれらの合金成分
を含有する合金鋼である場合には、すくなくともレール
頭頂面に用いる被覆アーク溶接棒にもこれらの合金成分
を含有していないと、溶接のまま、または溶接後の熱処
理によって母材レールと類似の金属組織、硬さおよび継
手引張り強さが得られない。従って被覆アーク溶接棒の
Cr、 Mo、 V含有量はCr;  1.3%以下、
Mo、 VO13%以下にする。
Nbはパーライト変態の終了時間を大幅に短縮させる元
素であるため、溶接後の冷却中に生成する有害なマルテ
ンサイトを防止する効果がある。しかし溶着金属のNb
含有量が01%を超えると巨大な炭・窒化物を生じ、靭
性、疲労強度を低下させるので、被覆アーク溶接棒のN
b含有量は0.1%以下とする。
Cuはレール鋼の耐食性を向上するのに効果のある合金
成分であり、耐食性レールには03%以下含有される。
従って、耐食性レールの溶接には溶着金属にも0.3%
以下のCuを含有しないと、母材レールと同様の耐食性
が得られない。しかし溶着金属のCu含有量が0,3%
超では、熱間脆性を起こし表面きずが発生するので、被
覆アーク溶接棒のCu含有量は0.3%以下とする。
N1はレール鋼の延性または靭性を向上する合金成分で
あるが、レール鋼はもともと延性または靭・姓が低くて
も使用可能な鋼材であるため、レールに添加する場合は
少ない。しかし溶着金属に20%以下含有すると溶接部
の延性または靭性が向上するので、溶接金属にNiを添
加する必要のある場合がある。しかし溶着金属がNiを
20%超含有すると溶接金属に高温凝固割れが発生しや
すくなるので、被覆アーク溶接棒のN1含有量は20%
以下とする。
以上詳述したように、本発明の被覆アーク溶接棒を用い
、通常の溶接条件のもとてレール鋼に対して溶接を行っ
ても、高温割れ等の溶接欠陥が発生することなく施工で
き、溶接後適切な後熱処理を組み合わせることにより、
有害組織がなく母材レールと同等の硬さとパーライト組
織を有する溶接継手を得ることができる。
以下に実施例によって本発明の効果をさらに具体的に説
明する。
〔実施例1 以下本発明の実施例を示す。
第3表に示した心線を用い、第4表に示す溶接棒を製造
した。棒寸法は全て5.OX 450mmとした。
第5表に使用したレール母材を示す。又溶接条件は直流
逆極性溶接電流220Aで溶接した。溶接に際して、溶
接施工開始時点でレール足部の開先面を400から50
0°Cに予熱し、溶接完了後レール断面全周を均等に加
熱する多孔ノズルバーナを用いて800〜lO圓℃に加
熱し放冷した。
第6表に試験結果を示す。溶接作業性はスラグ発生量の
多少、棒先端へのスラグのからみ、又スパッタ発生量の
多少を観察し、実用上あまり問題とならないものには○
、実用上問題となるものについては×評価とした。溶着
金属の割れについては、溶接中央部の縦断面マクロ試験
片を採取し研磨後カラーチエツク、検鏡により割れの有
無の確認をした。
本発明例で示した棒記号ME−1−ME−13について
は、溶接作業性も十分実用可能であり、かつ溶着金属お
よび母材熱影響部にも割れが認められず、実用可能な溶
接継手性能が得られた。
方比較例で示した溶接棒記号ME−14は、被覆率が高
くスラグ発生量が多くなる。又SIMが低いことからス
パッタが多く発生する。使用心線も本発明範囲外の心線
を使用していることから、架橋率を見ても本発明例では
20%以下であるのに対して489%と大きく、溶接作
業性の面で問題があった。
溶接棒記号ME−15については、ルチール、シリコン
および被覆率がいずれも本発明の範囲を超えていること
から、溶接作業性、特にスラグ軟化点が高く、スラグ発
生量も多くなるなど問題があった。又モリブデンが本発
明の範囲の上限を超えていることから、溶着金属に割れ
が認められ、継手性能の面からも問題があった。
溶接棒記号ME−16については、心線は本発明範囲外
の心線を使用し、炭酸塩、 CaO/CaF2比および
炭素量が本発明範囲の上限を超えている。又シリコン、
マンガンが下限を切っていることから、溶接作業性が悪
く、溶着金属に割れが認められるなど、継手性能にも問
題があった。
溶接棒記号ME−17については、心線が本発明範囲外
の心線を使用し、マンガンが本発明範囲の上限を超えて
いることから、架橋率が502%と大きく溶接作業性の
面で問題であった。又マンガン量が高く、溶着金属に割
れが認められた。
溶接棒記号ME−18については本発明範囲外の心線を
使用し、金属フッ化物、マンガンが本発明の範囲の下限
を切っていること、又(:BO/CaF2比が255と
大きく、スラグ流動性の面から問題もあり、架橋率も7
27%と悪い。また溶着金属に割れが認められ、継手性
能の面からも問題が大きい。
溶接棒記号ME−19については、ルチール、炭酸塩が
本発明範囲の下限を切ると同時に、金属フッ化物および
ニッケルが上限を超えている。又Cab/CaF 2比
が09と低く、スラグ流動性およびスパッタ発生量が多
く、溶接作業性の面で問題であった。
溶接棒記号ME−20については、心線は本発明範囲外
の心線を使用し、炭酸塩が本発明範囲の下限を切ってお
り、CaO/CaF2も1.12と低いことから、スラ
グ流動性および架橋率36.9%と悪い。又バナジウム
、ニオブ、銅などいずれも本発明範囲の上限を超えてい
ることから、溶着金属に割れが認められた。
溶接棒記号ME−21については、心線は本発明範囲外
の心線を使用したため、架橋率が42.6%と本発明例
の溶接棒に比べて悪く、溶接作業性の面でや\問題があ
った。
溶接棒記号肝−22については、炭酸塩、および炭素量
が本発明範囲の上限を超えており、スラグ流動性が悪く
スパッタも多い。使用した心線も本発明範囲外であるた
め、架橋率も806%と非常に悪い結果となった。又炭
素、クローム量が上限を超えていることから、溶着金属
の炭素量およびクローム量が多くなり、溶着金属に割れ
が認められ第 表 ■ 〔発明の効果1 以上述べたように、本発明によるレールエンクローズア
ーク溶接用被覆アーク溶接棒は、良好な溶接作業性と継
手性能が得られ、レール溶接の信頼性を大幅に向上しう
ることが可能となり、その工業的価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図はレール鋼の断面図、第2図は湾着金属の炭素量
と架橋率の関係を示した図、第3図は被覆剤のCaO/
CaF2比とスラグ軟化点の関係を示した図である。 l・・・レール足部、2・・・レール腹部、3・・・レ
ール頭部、4・・レール頭表面。 代理人 弁理士 秋 沢 政 光 他1名 7i1図

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)重量%でC:0.03〜0.1%、酸素:0.0
    060〜0.075%を含有する心線の外周に、炭酸塩
    の1種又は2種以上を42〜55%、金属フッ化物の1
    種又は2種以上を13〜23%、ルチール:0.5〜9
    .5%、加炭剤としてC:2.0〜6.0%、被覆剤中
    のCaO/CaF_2の比が1.2〜1.8の範囲にあ
    る被覆剤が溶接棒全重量に対して15〜32%被覆され
    、かつ溶接棒全重量でC:0.50〜1.5%、Si:
    0.2〜2.2%、Mn:0.6〜2.5%含有するこ
    とを特徴とするレールエンクローズアーク溶接用被覆ア
    ーク溶接棒。
  2. (2)重量%でC:0.03〜0.1%、酸素:0.0
    060〜0.075%を含有する心線の外周に、炭酸塩
    の1種又は2種以上を42〜55%、金属フッ化物の1
    種又は2種以上を13〜23%、ルチール:0.5〜9
    .5%、加炭剤としてC:2.0〜6.0%、被覆剤中
    のCaO/CaF_2の比が1.2〜1.8の範囲にあ
    る被覆剤が溶接棒全重量に対して15〜32%被覆され
    、かつ溶接棒全重量でC:0.50〜1.5%、Si:
    0.2〜2.2%、Mn:0.6〜2.5%更にCr:
    1.3%以下、Mo:0.3%以下、V:0.3%以下
    、Nb:0.1%以下、Ni:2.0%以下、Cu:0
    .3%以下の1種又は2種以上を含有することを特徴と
    するレールのエンクローズアーク溶接用被覆アーク溶接
    棒。
JP7934389A 1989-03-30 1989-03-30 レールエンクローズアーク溶接用被覆アーク溶接棒 Pending JPH02258193A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7934389A JPH02258193A (ja) 1989-03-30 1989-03-30 レールエンクローズアーク溶接用被覆アーク溶接棒

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7934389A JPH02258193A (ja) 1989-03-30 1989-03-30 レールエンクローズアーク溶接用被覆アーク溶接棒

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH02258193A true JPH02258193A (ja) 1990-10-18

Family

ID=13687258

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7934389A Pending JPH02258193A (ja) 1989-03-30 1989-03-30 レールエンクローズアーク溶接用被覆アーク溶接棒

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH02258193A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102814604A (zh) * 2012-06-28 2012-12-12 北京工业大学 一种用于锤锻模具修复的堆焊药芯焊丝及制备方法
WO2016167098A1 (ja) * 2015-04-13 2016-10-20 株式会社神戸製鋼所 被覆剤及び被覆アーク溶接棒

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102814604A (zh) * 2012-06-28 2012-12-12 北京工业大学 一种用于锤锻模具修复的堆焊药芯焊丝及制备方法
WO2016167098A1 (ja) * 2015-04-13 2016-10-20 株式会社神戸製鋼所 被覆剤及び被覆アーク溶接棒
JP2016198807A (ja) * 2015-04-13 2016-12-01 株式会社神戸製鋼所 被覆剤及び被覆アーク溶接棒
CN107530837A (zh) * 2015-04-13 2018-01-02 株式会社神户制钢所 涂药和涂药焊条

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5019781B2 (ja) ガスシールドアーク溶接フラックス入りワイヤを使用するmigアーク溶接方法
JP4857015B2 (ja) ガスシールドアーク溶接フラックス入りワイヤ及び溶接方法
JP2002511023A (ja) ガスフローシールド溶接用のフラックスコアワイヤ
CA2644892C (en) Steel plate for submerged arc welding
JP4427416B2 (ja) 溶接金属の靱性に優れた大入熱サブマージアーク溶接方法。
JP3354460B2 (ja) 高張力鋼材の被覆アーク溶接方法
JPH02258192A (ja) レールのエンクローズアーク溶接用被覆アーク溶接棒
JP4948710B2 (ja) 高張力厚板の溶接方法
JPH1133778A (ja) 熱間加工用治具の溶接用フラックス入りワイヤ
JP2711071B2 (ja) サブマージアーク溶接用ボンドフラックス
JPH02258193A (ja) レールエンクローズアーク溶接用被覆アーク溶接棒
JP3722044B2 (ja) 溶接継手
JP3272845B2 (ja) Cr−Mo系レール用被覆アーク溶接棒
JPH0455793B2 (ja)
JP4424484B2 (ja) 耐低温割れ性にすぐれた溶接継手および溶接材料用鋼材
Mon et al. A review on tests of austempered ductile iron welding
JP2687008B2 (ja) レールのエンクローズアーク溶接用被覆アーク溶接棒
JP3881944B2 (ja) 溶接材料、溶接方法および溶接継手
JP3254032B2 (ja) レールエンクローズアーク溶接用被覆アーク溶接棒
JPH0454557B2 (ja)
JPH01162596A (ja) レール溶接用複合ワイヤ
JPH08276293A (ja) レール溶接用複合ワイヤ
JP3644369B2 (ja) 高エネルギービーム溶接用鋼材
JPH01176016A (ja) 溶接継手部のじん性に優れた鋼材の製造方法
JP2942450B2 (ja) 溶接変形の少ないガスシールドアーク溶接方法