JP3251351B2 - 肉盛溶接方法 - Google Patents

肉盛溶接方法

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JP3251351B2 JP28503592A JP28503592A JP3251351B2 JP 3251351 B2 JP3251351 B2 JP 3251351B2 JP 28503592 A JP28503592 A JP 28503592A JP 28503592 A JP28503592 A JP 28503592A JP 3251351 B2 JP3251351 B2 JP 3251351B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は肉盛溶接方法に係わり、
特に高温下で使用され、良好な耐食性、耐ヒートクラッ
ク性及び耐摩耗性が求められるロールの肉盛溶接に適し
た肉盛溶接方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】連続鋳
造ロールや熱間圧延ラインの移送ロールのように、高温
の金属片と繰り返し接触し、金属片からの伝熱による加
熱や水や水蒸気による冷却を受けるロールには、使用環
境に耐え得る耐ヒートクラック性、耐食性及び耐摩耗性
が必要となる。
【0003】従来、これらの特性を付与する肉盛溶接材
料として、13Crに1〜6%程度のNiを含む基本成分
系からなるマルテンサイト系ステンレス鋼が広く使用さ
れていた。しかしながら、これらのロールにおいては、
繰り返しの加熱・冷却によって生じる熱応力によってロ
ール表面にクラックが使用早期に発生し、ロールの寿命
が著しく低下する問題があった。また、連続鋳造機で使
用されるピンチロールや分割型ロールのように、鋳片と
の接触による摩耗がロール交換の要因になり易いロール
では、肉盛金属の耐摩耗性を向上させることによるロー
ルの長寿命化への期待は大きいものであった。
【0004】本発明者等は、このような問題を解決する
ために、耐ヒートクラック性、耐摩耗性及び耐食性に優
れた肉盛溶接材料を先に提案した(特開平3−498
号)。しかしながら、その後、この肉盛溶接材料を各種
形状のロールへ適用するに当たり、径の小さいロールや
ロールジャーナル部に対して、サブマージアーク溶接を
行うと、肉盛部分の温度が高くなり、スラグの剥離が著
しく劣化すると共にスラグの焼付も顕著になり、スパイ
ラル盛のような連続的な溶接施工が困難であることが明
らかになった。そこで、良好な作業性を有すると共に耐
摩耗性、耐ヒートクラック性及び耐食性に優れたサブマ
ージアーク溶接用フラックスが望まれていた。
【0005】本発明は、かかる要請に応えるべくなされ
たものであり、優れた耐ヒートクラック性、耐摩耗性及
び耐食性を備えた溶接金属が得られると共に良好な作業
性を有する肉盛溶接方法を提供することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】小径ロールを連続的に溶
接する際にロール温度がある程度上昇することは避けら
れない。したがって、比較的高いパス間温度でも良好な
作業性を有するフラックスが必要となる。
【0007】このような点を鑑み、本発明者等は鋭意検
討を行った結果、13Cr又は17Cr系鋼のワイヤと
の組み合わせによって使用する肉盛溶接方法において特
定成分を規定することで、性能だけでなく作業性の良好
肉盛溶接方法を提供できることを見い出し、ここに本
発明をなすに至ったものである。
【0008】すなわち、本発明は、重量%(以下、同
じ)で、 CO:2.5〜8.0%、 CaO:5〜15%、 SiO:15〜30%、 ZrO:10〜30%、 金属フッ化物:2〜10%、 MgO:10〜30%、 を含み、 Al≦5%、 で、かつ、次式 10%≦4×Al(%)+MgO(%)≦40% を満足する組成を有する肉盛溶接用フラックスを、13
Cr系又は17Cr系フラックス入りワイヤ又はソリッ
ドワイヤと組み合わせて使用して肉盛溶接し、得られた
溶着金属は、下記(1)式で示される溶着金属の合金成
分(算出値)において、 [C]D:0.1〜0.4% [Ni]D:0.5〜3.5% [Mo]D:0.5〜2.5% の範囲を満足し、下記(1)式から求められる[V]
D、[Nb]D及び[W]D、次式 0.01%≦(1/4)×[V]D+(1/8)×[Nb]D+(1/15) ×[W]D≦0.6% を満足することを特徴とする肉盛溶接方法を要旨として
いる。 [M]D=af×[M]f+aw×[M]W ・・・(1) ここで、[M]D:溶着金属中の合金成分Mの含有量
(%) [M]f:フラックス中の合金成分Mの含有量(%) [M]W:ワイヤ中の合金成分Mの含有量(%) af:合金成分Mのフラックスから溶着金属への歩留ま
り係数 aw:合金成分Mのワイヤから溶着金属への歩留まり係
【0009】
【作用】
【0010】まず、本発明における各成分の規定理由に
ついて説明する。
【0011】CO2:2.5〜8.0% CO2は大気に対するシールド性を維持する効果があ
り、このためには2.5%以上必要であるが、8.0%を
超えると溶融池の乱れが生じ易くなり、スラグ巻き込み
やビードのなじみの劣化などの弊害が生じ易くなる。な
お、CO2は加熱によりCO2を発生する材料であればよ
く、例えば、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸スト
ロンチウム及び炭酸マンガンなどが挙げられる。
【0012】CaO:5〜15% CaOはフラックスの粘性を高める作用があるが、この
効果を有効に得るには5%以上を含有させなければなら
ない。しかし、15%を超えるとポックマークの多発を
招くことがある。
【0013】SiO2:15〜30% SiO2はスラグの剥離性を改善すると共にビード形状を
滑らかにし、なじみを良好にするが、15%未満ではそ
の効果が有効に発揮されない。一方、30%を超えると
高温割れの危険性が増大すると共に、スラグの融点が低
下し、ロール肉盛時のビード形状を劣化させる。
【0014】ZrO2:10〜30% ZrO2はアーク安定性に寄与すると共にビード形状の改
善に効果を発揮するが、10%未満ではその効果が十分
に得られず、一方、30%を超えるとスラグの剥離性が
劣化すると共にビード形状が不良となる。
【0015】金属フッ化物:2〜10% 金属フッ化物はアーク安定性を良好にすると共にビード
形状を平滑にするのに有効であるが、2%未満では十分
な効果が得られず、また10%を超えるとアンダーカッ
トが生じ易くなる。なお、金属フッ化物としては種々の
ものが可能であるが、螢石や氷晶石が代表的なものであ
り、フッ化バリウムなども対象となる。
【0016】MgO:10〜30%、Al23≦5% 後述するように、本発明のフラックスは、先に特開平3
−498号に開示したフラックスと同様、合金成分範囲
を調整することによって非常に優れた耐ヒートクラック
性や耐摩耗性などを付与できることが大きな特徴であ
る。したがって、このような特性を損なうことなく、ス
ラグの剥離性を改善できる方法について検討を行った。
【0017】検討に当たっては、まず、スラグ生成剤と
焼付の発生傾向について調査を行った。その結果、特定
成分を規定することでスラグ剥離性が飛躍的に改善でき
ることを見い出した。具体的には、先に特開平3−49
8号に開示したフラックスにおいて、Al23を一定量
以下に規制することが、スラグ焼付の防止につながるの
である。Al23はスラグの融点を高める作用があり、
この量を規制することはスラグの融点を低下させること
につながり、このこともスラグ剥離性の改善に寄与して
いるものと推察される。
【0018】しかしながら、小径ロールにおけるスパイ
ラル盛のような施工において、融点が低くスラグが凝固
しにくいフラックスを使用すると、溶融金属の凝固に先
立ちスラグが流れる現象が発生し、溶接作業に重大な支
障を来たすと共にビード形状が不揃いになるなどの弊害
も生じる。したがって、このようなAl23量の規制に
伴う悪影響を防止するための手段も必要となる。そし
て、スラグの凝固を促進し、小径ロールにおけるスパイ
ラル溶接を行ってもスラグの流れを防止できる成分で、
しかも、スラグ剥離性を損なわない成分として見い出し
たのがMgOである。
【0019】MgOは、スラグ剥離性を損なうことなく
その融点を高めてスラグ凝固を促進し、良好な形状のビ
ードの形成と共にアーク安定性に寄与するが、このよう
な効果は10%以上で発揮される。しかし、30%を超
えるとかえってスラグの融点が高くなり、スラグの焼付
が生じ易くなると共にビード止端部の直線性が保てなく
なったり、ポックマークが発生するなどの弊害が生じ
る。MgOの効果をより有効に発揮させるには、15〜
25%とするのが好ましい。
【0020】Al23はスラグの融点を高めスラグ焼付
を生じさせる最大の原因であり、これを避けるためには
5%以下に抑制しなければならない。そして、好ましく
は3%以下にすることでスラグ剥離性は一段と改善され
る。
【0021】10%≦4×Al23(%)+MgO(%)≦40(%) 本発明においては、更に、MgOとAl23量を適正に規
定することでスラグの剥離性を維持することが可能とな
るが、両成分共にスラグの融点を高める作用があること
から、全体に占めるこれらの割合も一定範囲に保持しな
ければ、成分規定の効果が有効に発揮できない。
【0022】すなわち、両成分は共にスラグの凝固を促
進するが、上記関係式において、40%を超える量にな
るとスラグの凝固が過度に早まり、著しいスラグ焼付が
発生するようになると共にビード形状が凸になり融合不
良が生じる危険性が増す。一方、10%未満では、スラ
グの融点が低下し、溶融金属が流れたりビード形状が不
揃いになるなどの弊害が生じる。なお、好ましくは上記
関係式の値を15〜30%とすることでスラグ剥離や焼
付を防止し、良好なビード形状になるなど、これらの成
分規定の効果が一段と有効に発揮できる。
【0023】更に、本発明においては、C、Ni及びMo
と、V、Nb及びWの1種又は2種以上と、必要に応じ
て更にCuとを、次の(1)式で示される溶着金属の合金
成分量(算出値)[M]Dにて所定の範囲を満足するように
添加するものである。
【0024】 [M]D=af×[M]f+aw×[M]w …(1) ここで、[M]D:溶着金属中の合金成分Mの含有量(%) [M]f:フラックス中の合金成分Mの含有量(%) [M]w:ワイヤ中の合金成分Mの含有量(%) af:合金成分Mのフラックスから溶着金属への歩留ま
り係数 aw:合金成分Mのワイヤから溶着金属への歩留まり係
【0025】[C]D:0.1〜0.4% Cは溶接金属の組織において、耐ヒートクラック性や耐
摩耗性の点で有害なフェライトの生成を防止し、マルテ
ンサイト組織にすると共にVやMoなどと炭化物を形成
して高温強度を高める効果がある。このためには、[C]
D量にて0.1%以上の含有が必要となるが、0.4%を
超えると高温割れや低温割れが生じ易くなると共に残留
オーステナイトが増大する。
【0026】[Ni]D:0.5〜3.5% Niはオーステナイト形成元素であり、マルテンサイト
組織化や溶接金属の靭性向上に寄与する。このような効
果は、[Ni]D量にて0.5%以上の添加により得られる
が、3.5%を超えると線膨張係数が高くなり耐ヒート
クラック性が劣化する。
【0027】[Mo]D:0.5〜2.5% Moは高温強度や焼き戻し軟化抵抗の増加に効果がある
が、このためには[Mo]D量にて0.5%以上含有する必
要がある。しかし、2.5%を超えるとフェライト形成
元素であることから、フェライトの生成を防止しがたく
なり、かえって耐ヒートクラック性を阻害する。
【0028】[V]D、[Nb]D、[W]D: V、Nb、WはいずれもCとの結びつきにより炭化物を
形成し、高温強度を増加させ、その結果、耐ヒートクラ
ック性及び耐摩耗性の向上に大きく貢献する。また、焼
き戻し軟化抵抗の改善にも寄与する。このような効果
は、これらの成分のうち1種を添加することで得られる
が、複合添加により更にその効果は増大する。
【0029】但し、このような効果を有効に発揮させる
には、[V]D、[Nb]D、[W]Dにて次式を満足するよう
に、少なくとも1種以上を0.01%以上添加する必要
がある。一方、0.6%を超えてこれらの成分を1種又
は2種以上添加すると、フェライトの生成による耐ヒー
トクラック性の劣化や顕著なスラグ焼付が生じる。な
お、[V]D、[Nb]D、[W]Dはそれぞれ、0.06〜2.2
%、0.02〜3.0%、0.08〜5.0の範囲とするの
が望ましい。
【0030】0.01%≦(1/4)×[V]D+(1/8)×[Nb]D
+(1/15)×[W]D≦0.6%
【0031】[Cu]D:0.2〜2% Cuは水や水蒸気に対する耐食性の維持に効果がある
が、[Cu]Dにて0.2%未満ではその効果が十分に発揮
されず、また2%を超えると高温割れが発生する危険性
が増大する。
【0032】以上の成分が本発明における必須成分であ
り、フラックス及びワイヤからの合金成分の添加の度合
いは上記範囲を満足するものであれば、何ら制約を受け
るものではない。
【0033】なお、各合金成分についての歩留まり係数
(af、aw)は、フラックスの構成成分、塩基度や消費
率、更には合金成分の種類によっても異なるため、一義
的には決められないが、Ni、Mo、Nb及びWの場合は
af:0.3〜1.2、aw:0.5〜1.0となる場合が多
く、また、C、V及びCuの場合はaf:0.1〜0.9、
aw:0.2〜0.8となる場合が多い。
【0034】なお、必要に応じて他の成分を適宜添加し
てもよい。代表的な成分としては、Si及びMnなどの脱
酸剤が挙げられ、更にはCrなどの添加も可能である。
【0035】次に実施例を示す。
【0036】
【実施例1】
【0037】表1に示す成分のフラックスと表2に示す
ワイヤを使用し、以下に示す条件にて肉盛溶接を行い、
作業性を評価した。ワイヤはW1が13Cr系のソリッ
ドワイヤで、W2は鋼系外皮に粉末を充填したフラック
ス入りワイヤである。ソリッドワイヤ又はフラックス入
りワイヤにおける前記(1)式で示される成分算出値を表
3に示す。
【0038】溶接施工条件 母材 :S25C丸棒(200φ×1000
L) 溶接方法 :サブマージアーク溶接 極性 :DCEP 溶接条件 :330A−23V−30cm/min 予熱・パス間温度:200〜350℃ 積層法 :3層盛 溶接長 :約100mm
【0039】作業性は、スラグ剥離性、スラグ焼付、ス
ラグの流れ、ビード形状、溶接割れ、及びアンダーカッ
トについて評価を行い、すべて良好なものを○、1項目
でも不良なものは×とした。
【0040】次に、性能面での評価を行うために、SM
490A母材上に上記溶接条件及びパス間温度にて3又
は7層盛した溶接金属を製作し、600℃×2hrの熱処
理を行った後、試験片を採取した。3層盛溶接金属から
は分析用切粉及びヒートクラック試験片、7層盛溶接金
属からは高温引張試験片を採取し、それぞれ耐ヒートク
ラック性及び高温強度を評価した。
【0041】ヒートクラック試験は、高周波コイルによ
り試験片表面(3層目溶接金属)を急速加熱し、次に表面
から直接水冷し、これを800回繰り返す方式であり、
試験片表面の温度は150℃と700℃との間で加熱・
冷却を行った。試験終了後、試験片を切断し、試験片断
面における最大割れ深さを測定して、耐ヒートクラック
性を評価した。図1に試験片と加熱コイルの状況、図2
に試験片表面における熱サイクルパターン、図3に試験
片形状をそれぞれ示す。
【0042】高温強度は、JIS G 0567に準拠し
た形状の試験片を用いて500℃で測定した。
【0043】各性能の評価基準については、耐ヒートク
ラック性及び高温強度共に従来の肉盛溶接材料に比べ、
非常に優れていることを前提とした。すなわち、耐ヒー
トクラック性は、最大割れ深さが0.6mm以下であるこ
と、また、500℃における強度は70kgf/mm2以上で
あるものを合格とした。
【0044】表4に評価結果をまとめて示すが、本発明
例はすべて良好な作業性と優れた性能であった。
【0045】一方、比較例においては、作業性の点でC
2量が不足していた比較例No.9では溶接金属にブロ
ーホールやピットが発生し、逆にCO2量が過剰でZrO
2量も不足している比較例No.10ではビードのなじみ
が著しく劣化した。
【0046】また、Al23量が5%を超える比較例N
o.10や、(4×Al23+MgO)量が40%を超える比
較例No.11ではスラグ剥離性が極めて悪く、しかも著
しいスラグの焼付も発生した。更に、Cu量が高い比較
例No.11や、[C]D量の高い比較例No.13では高温
割れが発生した。
【0047】比較例No.12はZrO2量が高いために、
ビードの曲がりが激しく、スパイラル施工に耐え得るも
のではなかった。
【0048】SiO2量が高い比較例No.13や金属フッ
化物が過剰で、しかもMgO量が不足している比較例N
o.14では、スラグの流れが発生し、その結果ビード形
状の不揃いが生じた。
【0049】一方、性能においては、A式値が過小な比
較例No.8では耐ヒートクラック性や高温強度が十分で
はなかった。
【0050】[Ni]d量が過小で[Mo]D量が過大な比較例
10や、[C]D量が低く、A式値が高い比較例No.14
では、フェライトの析出により、耐ヒートクラック性が
劣化した。なお、比較例No.14では、高温強度も満足
なものではなかった。
【0051】[Ni]D量が過剰な比較例No.9では、残留
オーステナイトの生成により、耐ヒートクラック性が劣
化した。[C]D量や[Cu]D量の過剰な比較例No.13及
びNo.11では高温割れが発生した。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
【実施例2】
【0057】実施例1における本発明例No.1、No.2
及びNo.5について、高温水蒸気による酸化試験を行っ
た。試験片は4層盛溶接金属から、2t×25w×35L
のサイズで採取した。試験条件は、700℃中で8hrと
し、試験後の酸化増量を測定した。表5に試験結果を示
す。
【0058】Cuを適量添加したNo.2とNo.5は、Cu
を添加しなかったNo.1に比べ、酸化増量が小さく、良
好な耐高温酸化性を示すことが確認できた。
【0059】
【表5】
【0060】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
小径ロールのように高いパス間温度での溶接施工を余儀
なくされる場合にも良好な作業性のもとに溶接を行うこ
とが可能となると共に、耐ヒートクラック性、耐摩耗性
及び耐食性に優れた肉盛溶接金属が形成されることか
ら、熱間ロール等の寿命延長も実現できる等の優れた効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒートクラック試験における加熱コイル及び試
験片の状況を示す図である。
【図2】熱サイクルパターンを示す図である。
【図3】(a)、(b)は試験片形状をそれぞれ示す図であ
る。
【符号の説明】
1 試験片 2 加熱コイル 3 熱電対挿入孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−166196(JP,A) 特開 平3−13296(JP,A) 特公 昭52−19813(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 35/362 B23K 35/30

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%(以下、同じ)で、 CO:2.5〜8.0%、 CaO:5〜15%、 SiO:15〜30%、 ZrO:10〜30%、 金属フッ化物:2〜10%、 MgO:10〜30%、 を含み、 Al≦5%、 で、かつ、次式 10%≦4×Al(%)+MgO(%)≦40% を満足する組成を有する肉盛溶接用フラックスを、13
    Cr系又は17Cr系フラックス入りワイヤ又はソリッ
    ドワイヤと組み合わせて使用して肉盛溶接し、得られた
    溶着金属は、 記(1)式で示される溶着金属の合金成分(算出値)
    において、 [C]D:0.1〜0.4% [Ni]D:0.5〜3.5% [Mo]D:0.5〜2.5% の範囲を満足し、下記(1)式から求められる[V]
    D、[Nb]D及び[W]D、次式 0.01%≦(1/4)×[V]D+(1/8)×[Nb]D+(1/15) ×[W]D≦0.6% を満足することを特徴とする肉盛溶接方法[M]D=af×[M]f+aw×[M]W ・・・(1) ここで、[M]D:溶着金属中の合金成分Mの含有量
    (%) [M]f:フラックス中の合金成分Mの含有量(%) [M]W:ワイヤ中の合金成分Mの含有量(%) af:合金成分Mのフラックスから溶着金属への歩留ま
    り係数 aw:合金成分Mのワイヤから溶着金属への歩留まり係
  2. 【請求項2】 更に、前記(1)式から求められる[C
    u]D、[Cu]D:0.2〜2%を満足することを特
    徴とする請求項1に記載の肉盛溶接方法
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