JPH08270691A - 二系統式車両用ディスクブレーキ - Google Patents

二系統式車両用ディスクブレーキ

Info

Publication number
JPH08270691A
JPH08270691A JP7073056A JP7305695A JPH08270691A JP H08270691 A JPH08270691 A JP H08270691A JP 7073056 A JP7073056 A JP 7073056A JP 7305695 A JP7305695 A JP 7305695A JP H08270691 A JPH08270691 A JP H08270691A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diameter
piston
small
diameter piston
hydraulic chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7073056A
Other languages
English (en)
Inventor
Genichi Hatagoshi
弦一 波多腰
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissin Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Nissin Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissin Kogyo Co Ltd filed Critical Nissin Kogyo Co Ltd
Priority to JP7073056A priority Critical patent/JPH08270691A/ja
Publication of JPH08270691A publication Critical patent/JPH08270691A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Braking Arrangements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】大径ピストンと小径ピストンのそれぞれを単独
に作動させる。作動液の液圧損失を極力なくして、作動
液の液圧を摩擦パッドに推力として有効に作用させる。
小径ピストンの推力を摩擦パッド全体に極力均等に作用
させる。 【構成】大径ピストン28にピストン挿通孔38を軸方
向に貫通形成する。小径ピストン29を大径ピストン2
8側へ延長して、該小径ピストン29をピストン挿通孔
38に挿通し、小径ピストン29の先端面を摩擦パッド
24の背面に臨ませる。ピストン挿通孔38と小径ピス
トン29との間を、小径角シール35と同一内径のシー
ル材40にて液密にシールする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車や自動二輪車等
の走行車両に用いられるディスクブレーキであって、詳
しくは、キャリパボディの作用部に大小2個のピストン
を同軸上に備え、それぞれのピストンを異なる液圧系統
で作動するようにした二系統式の車両用ディスクブレー
キに関する。
【0002】
【従来の技術】二系統式の車両用ディスクブレーキとし
て、例えば特開平2−216353号公報に開示される
ものがある。図5は上記従来例の要部拡大図を示し、デ
ィスクロータ1の側部に摩擦パッド2を挟んで配設され
るキャリパボディ3の作用部3aに、大径シリンダ孔4
と小径シリンダ孔5とが同一軸線上に連設されており、
大径シリンダ孔4には有底筒状の大径ピストン6が角シ
ール7を介して液密且つ移動可能に内挿され、大径ピス
トン6の底壁6aと大径シリンダ孔4の底壁3bとの間
に大径液圧室8が画成されると共に、小径シリンダ孔5
に小径ピストン9が角シール10を介して液密且つ移動
可能に内挿され、小径ピストン9と小径シリンダ孔5の
底壁3cとの間に小径液圧室11が画成されている。
【0003】液圧室8,11には作用部3aの外面に開
口するユニオン孔12,13が連通して設けられ、該ユ
ニオン孔12,13に、それぞれ図示しない異なる液圧
系統が接続されるようになっており、各液圧系統から昇
圧した作動液を液圧室8,11へ供給して、大径ピスト
ン6と小径ピストン9をそれぞれ個別にディスク方向へ
押動できるようにしている。大径ピストン6の底壁6a
には凹部6bが設けられ、該凹部6bに小径ピストン9
の頭部フランジ9aを突設してサークリップ14にて係
着しており、更に凹部6bとサークリップ14との間隔
W1と頭部フランジ9aの厚さT1との間に間隙C1
(図示しない)を設定し、この間隙C1によってそれぞ
れのピストン6,9の作動に余裕を持たせるようにして
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような構成から制
動作用が行なわれると、大径液圧室8へ供給される作動
液の液圧P1は、大径ピストン6の底壁6aを押圧し
て、該大径ピストン6をディスクロータ方向へ前進させ
る推力として作用するほか、一部は大径ピストン6の凹
部6bと小径ピストン9の頭部フランジ9aとの間に入
り、小径ピストン9をディスクロータと反対方向へ押動
する逆推力として作用するため、液圧P1の損失とな
り、更に小径ピストン9をディスクロータ方向へ作動す
るためには、小径液圧室11へ供給される作動液の液圧
P2を逆推力P1に打ち勝つまで高める必要があるた
め、液圧P2の損失ともなり、摩擦パッド2に対する液
圧P1,P2の合計推力が低下することとなる。
【0005】また、作動液の供給が小径液圧室11にの
み行なわれた場合には、小径ピストン9がディスクロー
タ方向へ移動して大径ピストン6を押動するが、大径液
圧室8へ作動液が供給されずに大径ピストン6がディス
クロータ方向へ移動すると大径液圧室8内が負圧とな
り、大径液圧室8の拡大に連れて負圧が高まるため、大
径ピストン6が小径ピストン9の作動抵抗となって、液
圧P2を損失することとなる。
【0006】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、大径ピストンと小
径ピストンのそれぞれを単独に作動させながら、作動液
の液圧損失を極力なくして、作動液の液圧を摩擦パッド
へ推力として有効に作用させ、また小径ピストンの推力
を摩擦パッド全体に極力均等に作用させることのできる
二系統式車両用ディスクブレーキを提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的に従い、第1
発明では、ディスクロータの側部に摩擦パッドを挟んで
配設されるキャリパボディの作用部に、ディスクロータ
側へ開口する大径シリンダ孔と、該大径シリンダ孔の底
壁に開口する小径シリンダ孔とを同一軸線上に連設し、
前記大径シリンダ孔には大径角シールを介して大径ピス
トンを液密且つ移動可能に内挿し、該大径ピストンと前
記大径シリンダ孔の底壁との間に大径液圧室を画成する
と共に、前記小径シリンダ孔には小径角シールを介して
小径ピストンを液密且つ移動可能に内挿し、該小径ピス
トンと小径シリンダ孔の底壁との間に小径液圧室を画成
して、該小径液圧室と前記大径液圧室に、それぞれ異な
る液圧系統を接続し、各液圧系統から大径液圧室または
小径液圧室へ供給される昇圧した作動液にて、前記大径
ピストンと小径ピストンをそれぞれ個別にディスク方向
へ押動して制動作用を行なう二系統式車両用ディスクブ
レーキにおいて、前記大径ピストンにピストン挿通孔を
軸方向に貫通形成し、前記小径ピストンを前記大径ピス
トン側へ延長して、該小径ピストンを前記大径ピストン
のピストン挿通孔に挿通し、該小径ピストンの先端面を
摩擦パッドの背面に臨ませると共に、前記大径ピストン
のピストン挿通孔と該ピストン挿通孔内の小径ピストン
との間を前記小径角シールと同一内径のシール材にて液
密にシールする。
【0008】また第2発明では、上述の第1発明におい
て、大径ピストンを有底円筒状に形成し、該大径ピスト
ンを大径液圧室側へ底壁を向けて大径シリンダ孔に内挿
し、小径ピストンの先端側を前記大径ピストンの内部で
拡径して拡径先端部とし、該拡径先端部の段部と大径ピ
ストンの底壁との間に、制動クリアランスよりも長い間
隙を設定すると共に、該間隙を小径ピストンの拡径先端
部と大径ピストンとの間を通して大気に連通させる。
【0009】第2発明の制動クリアランスBCの成分と
して、大径ピストン先端と摩擦パッド背面間のクリアラ
ンスC2と、摩擦パッドとディスクロータ間のクリアラ
ンスC3とがあり、キャリパボディがピンスライド型の
場合には、作用部側の摩擦パッドを押動するピストンに
よってキャリパボディが作用部方向へスライドして、反
作用部側の摩擦パッドも押動されるため、第2発明の制
動クリアランスBC=キャリパボディの作用部と反作用
部のクリアランス=2×(C2+C3)となり、またキ
ャリパボディがピストン対向型の場合には、各作用部の
ピストンがそれぞれの摩擦パッドのみを押動するため、
第2発明の制動クリアランスBC=キャリパボディの一
方の作用部のクリアランス=C2+C3となる。
【0010】
【作用】大径ピストンのピストン挿通孔と小径ピストン
との間を、小径角シールと同一内径のシール材を用いて
シールしたことにより、大径液圧室へ供給される液圧
は、小径角シールとシール材間の小径ピストンに軸回り
へ作用するだけで、小径ピストンの軸方向へは作用しな
くなる。従って、大径液圧室と小径液圧室の液圧は、大
径ピストンまたは小径ピストンを、それぞれ単独でディ
スクロータ方向へ作動する推力としてのみ作用する。
【0011】第2発明で、小径ピストンの先端側にピス
トン径を拡開した拡径先端部を形成することにより、摩
擦パッドに対する小径ピストンのパッド押圧面積が拡が
って、単位面積当たりのパッド押圧力即ち面圧が小さく
なり、摩擦パッド押圧力を摩擦パッドの広い面積に分散
するので、小径ピストンからの推力を摩擦パッドに極力
均等に作用させることができるようになる。
【0012】また第2発明で、拡径先端部の段部と大径
ピストンの底壁との間に、制動クリアランスよりも長い
間隙を設定することにより、双方のピストンが独自に作
動した場合に他方と干渉することはなく、またこの間隙
を大気に連通させることにより、ピストンの作動で間隙
が拡張または縮小しても、間隔内圧力に増減を生じない
ないのでピストンの作動を妨げない。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1及び図2に基
づいて説明する。尚、実施例の説明中、理解を助けるた
めに図示しない名称にも符号を付すが、図中の符号と区
別するために、図示しない名称の符号を{ }で括って
表示する。
【0014】ディスクブレーキ20に用いるキャリパボ
ディ21は、ディスクロータ22の一側部で車体に固設
されるキャリパブラケット23に、図示しないスライド
ピンを用いて、ディスク軸方向へスライド可能に支持さ
れるピンスライド型で、キャリパボディ21の作用部2
1aと反作用部21bとの間には、一対の摩擦パッド2
4,25がディスクロータ22を挟んで対向配置されて
いる。
【0015】上記キャリパボディ21は、ディスクロー
タ22と摩擦パッド24,25を挟んで対向する上述の
作用部21a及び反作用部21bと、これらをディスク
ロータ22の外周を跨いでつなぐブリッジ部21cとか
らなっている。作用部21aには大小2個のシリンダ孔
26,27が連設され、反作用部21bには反力爪21
dが摩擦パッド25の裏板25aの背面へ延設されてい
る。
【0016】大径シリンダ孔26は、作用部側摩擦パッ
ド24の裏板24aの背面へ開口して設けられ、また小
径シリンダ孔27は、大径シリンダ孔26と同一軸線上
に大径シリンダ孔26の底壁21eへ開口して設けられ
ている。大径シリンダ孔26と小径シリンダ孔27に
は、有底円筒状の大径ピストン28と小径ピストン29
が、それぞれの底壁28a,29aをシリンダ孔26,
27の底壁21e,21fへ向けて内挿され、大径ピス
トン28と大径シリンダ孔26の底壁21eとの間に大
径液圧室30が画成されると共に、小径ピストン29と
小径シリンダ孔27の底壁21fとの間に小径液圧室3
1が画成される。
【0017】大径シリンダ孔26と小径シリンダ孔27
に周設されたシール溝32,33には、大径角シール3
4と小径角シール35とが嵌合され、該角シール34,
35にて大径液圧室30と小径液圧室31とがそれぞれ
液密にシールされており、大径ピストン28が大径角シ
ール34にて大径シリンダ孔26を移動可能に弾持さ
れ、小径ピストン29が小径角シール35にて小径シリ
ンダ孔27を移動可能に弾持されている。また、制動時
のピストン28,29は、それぞれの角シール34,3
5を弾性変形しながらシリンダ孔26,27をディスク
ロータ方向へ移動し、制動操作解除後には、角シール3
4,35の復元力によって、ピストン28,29がシリ
ンダ孔26,27の所定の後退限位置へ引き戻される。
【0018】液圧室30,31には、作用部21aの外
面に開口するユニオン孔36,37が連通して設けら
れ、ユニオン孔36,37に、それぞれ図示しない異な
る液圧系統が接続されるようになっていて、各液圧系統
から昇圧した作動液を液圧室30,31へ供給し、大径
ピストン28と小径ピストン29とをそれぞれディスク
方向へ個別或いは一体に移動できるようにしている。
【0019】大径ピストン28の底壁28aには、小径
ピストン29と同径のピストン挿通孔38が貫通形成さ
れ、該ピストン挿通孔38内にシール溝39が周設され
ており、シール溝39には、小径角シール35と同一内
径のシール材40が嵌挿され、ピストン挿通孔38に
は、小径ピストン29がシール材40を介して液密に挿
通されている。シール材40には、小径ピストン29に
小径角シール35による復元力が設定されているため、
単にシール機能のみを担うOリング等を用いればよい
が、シール材40にも角シールを適用して、小径ピスト
ン29に対する復元力を分担させてもよい。
【0020】上記小径ピストン29は、小径シリンダ孔
27から、大径液圧室30と大径ピストン28のピスト
ン挿通孔38とを貫いて、大径ピストン28の内部へ突
出し、更に先端の開口面を、大径ピストン28の開口面
内側から作用部側摩擦パッド24の裏板24aの背面へ
臨ませて配設されると共に、底壁29aの端面から先端
の開口面に亙る全長を同一径で形成されている。
【0021】本実施例は、以上のように構成されてお
り、作用部21a側では、小径ピストン29を大径ピス
トン28のピストン挿通孔38に挿通して、先端の開口
面を作用部側の摩擦パッド24の裏板24aの背面へ臨
ませたことにより、ピストン28,29は、ユニオン孔
36,37を通してそれぞれの液圧系統から液圧室3
0,31へ供給される作動液によって、ディスク方向へ
個別に或いは同時に作動することができるようになる。
これにより、制動時には、作用部21a側で大径ピスト
ン28と小径ピストン29が、摩擦パッド24を個別ま
たは同時に押動して、摩擦パッド24のライニング24
bをディスクロータ22の一側面へ押圧し、また反作用
部21b側では、制動反力で作用部方向へスライドする
キャリパボディ21の反力爪21dが、反作用部側の摩
擦パッド25を押動し、摩擦パッド25のライニング2
5bをディスクロータ22の他側面へ押圧して、制動作
用が行なわれる。
【0022】また小径ピストン29は、大径液圧室30
との間を、小径シリンダ孔27の小径角シール35と大
径ピストン28の底壁28aのシール材40によって液
密にシールされると共に、小径角シール35とシール材
40とを同一の内径としたことにより、小径角シール3
5とシール材40間の小径ピストン29の外周が、段差
のない同一径となるので、大径液圧室30へ供給される
作動液の液圧は、小径ピストン29の小径角シール35
とシール材40間に半径方向には作用するが、小径ピス
トン29にディスクロータ方向の推力或いは反ディスク
ロータ方向の逆推力として作用しない。従って、それぞ
れの液圧系統を個別に作動した場合に、大径液圧室30
内の液圧は大径ピストン28を、また小径液圧室31内
の液圧は小径ピストン29を、それぞれディスクロータ
方向へ前進させる推力としてのみ有効に作用し、他方の
ピストンに逆推力を作用させたり、同じく他方の液圧室
を負圧にすることがないので、液圧の損失は殆どなくな
り、それぞれの液圧系統に設定された制動力を有効に発
揮させることができる。
【0023】尚、大径液圧室30内の小径ピストン29
の外周面に、エンボス等の凹凸やフランジを突設してお
くことにより、キャリパボディ21へ装着する前の双方
のピストン28,29を予め仮組みしておき、シリンダ
孔26,27へ一体に装着することもできる。この場合
に、エンボス等の凹凸やフランジは大径液圧室30内で
液圧を受けることとなるが、小径ピストン29を異なる
軸径の段付き軸とした場合の片側のみの段差と異なり、
凹凸やフランジにはディスクロータ側面と反ディスクロ
ータ側面とが形成され、両側面にかかる液圧は相殺され
ることとなるので、大径液圧室30の液圧は、小径ピス
トン29にディスク軸の推力或いは逆推力として作用し
ない。
【0024】図3及び図4は、本発明の他の実施例を示
し、小径ピストン29は、底壁29aの端面から、大径
ピストン28のピストン挿通孔38とを貫いて、大径ピ
ストン28の内部へ突出する部分までが同軸で形成さ
れ、その先端側を大径ピストン28の内径と同径に拡径
して、この拡径部分を拡径先端部29bとなすと共に、
拡径先端部29bの先端開口面を、大径ピストン28の
内側から作用部側摩擦パッド24の裏板24aの背面へ
臨ませている。
【0025】拡径先端部29bの外周面には、フラット
な面取りが複数箇所にあって、拡径先端部29bを大径
ピストン28へ内挿した際に、大径ピストン28の内周
と拡径先端部29bの面取りとの間に大気連通孔41が
画成される。また、拡径先端部29bの段部と大径ピス
トン28の底壁28aとの間には、後述する制動クリア
ランス{BC}よりも長い間隙C4が設定され、該間隙
C4は上述の大気連通孔41を通してキャリパボディ2
1の外部と連通している。
【0026】制動クリアランス{BC}の成分として
は、大径ピストン先端と摩擦パッド背面間のクリアラン
ス{C2}と、摩擦パッドとディスクロータ間のクリア
ランス{C3}とがあるが、本実施例の如きキャリパボ
ディ21がピンスライド型の場合には、作用部21a側
の摩擦パッド24を押動するピストン28,29の作動
によってキャリパボディ21がスライドし、反力爪21
dが反作用部21b側の摩擦パッド25を押動するた
め、本実施例の制動クリアランス{BC}=キャリパボ
ディ21の作用部21a側と反作用部21b側の双方の
クリアランス={2×(C2+C3)}となる。
【0027】本実施例は、小径ピストン29の先端側に
ピストン径を拡開した拡径先端部29bを形成したこと
により、作用部側の摩擦パッド24に対する小径ピスト
ン29のパッド押圧面積が拡がって、単位面積当たりの
パッド押圧力即ち面圧が小さくなり、摩擦パッド押圧力
を摩擦パッド24の広い面積に分散するので、小径ピス
トン29からの推力を摩擦パッド24に極力均等に作用
させることができるようになる。また、拡径先端部29
bの段部と大径ピストン28の底壁28aとの間に、制
動クリアランス{BC}よりも長い間隙C4を設定した
ことにより、双方のピストン28,29が独自に作動し
た場合に他方と干渉することはなく、またこの間隙C4
を大気連通孔41を介してキャリパボディ21の外部と
連通させたことにより、ピストン28,29が個々に作
動した場合に他方のピストンと干渉することがなく、更
にピストン28,29の作動で間隙C4が拡張または縮
小しても、間隔C4内圧力に増減を生じないのでピスト
ン28,29の作動を妨げることがない。
【0028】尚第1発明では、大径ピストンと小径シリ
ンダ孔が、有底円筒状とムクの円柱体のいずれの形状で
あってもよく、少なくとも第2発明の大径ピストンを有
底円筒状に形成すればよい。また本発明は、キャリパボ
ディがピストン対向型のディスクブレーキにも適用が可
能である。
【0029】
【発明の効果】本発明は、大径液圧室側へ向けて大径シ
リンダ孔に内挿された大径ピストンの底壁にピストン挿
通孔を貫通形成し、小径シリンダ孔に内挿される小径ピ
ストンを大径ピストン側へ延長して、小径ピストンを大
径ピストンのピストン挿通孔から大径ピストンの内部に
突出配置し、大径ピストンのピストン挿通孔と該ピスト
ン挿通孔内の小径ピストンとの間を、小径シリンダ孔と
小径ピストン間の小径角シールと同一内径のシール材に
て液密にシールしたことにより、大径ピストンと小径ピ
ストンを他方に拘りなく個々に作動して、制動作用を行
なうことができるようになる。更に、大径液圧室へ供給
される作動液の液圧は、小径ピストンにディスクロータ
方向の推力或いは反ディスクロータ方向の逆推力として
作用することはなく、大径液圧室内の液圧は大径ピスト
ンを、また小径液圧室内の液圧は小径ピストンを、それ
ぞれディスクロータ方向へ前進させる推力としてのみ有
効に作用し、他方のピストンに逆推力を作用させたり、
同じく他方の液圧室を負圧にすることがないので、液圧
の損失は殆どなくなり、それぞれの液圧系統に設定され
た制動力を有効に発揮させることができるようになる。
【0030】また、上述の小径ピストンの先端側を大径
ピストンの内部で拡径して拡径先端部とし、該拡径先端
部の段部と大径ピストンの底壁との間に、制動クリアラ
ンスよりも長い間隙を設定すると共に、該間隙を小径ピ
ストンの拡径先端部と大径ピストンとの間を通して大気
と連通することにより、摩擦パッドに対する小径ピスト
ンのパッド押圧面積が拡がって、単位面積当たりのパッ
ド押圧力即ち面圧が小さくなり、摩擦パッド押圧力を摩
擦パッドの広い面積に分散するので、小径ピストンから
の推力を摩擦パッドに極力均等に作用させることができ
るようになる。また、大径ピストンと小径ピストンが、
それぞれ独自に作動しても互いに干渉し合うことはな
く、更にこれらピストンの作動によって、拡径先端部の
段部と大径ピストンの底壁間の間隙が拡張または縮小し
ても、間隔内の空気を吸排できるのでピストンの作動を
妨げることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すディスクブレーキの断
面正面図
【図2】本発明の一実施例を示すディスクブレーキの大
径ピストンと小径ピストンとシール材の分解斜視図
【図3】本発明の他の実施例を示すディスクブレーキの
断面正面図
【図4】本発明の他の実施例を示すディスクブレーキの
大径ピストンと小径ピストンとシール材の分解斜視図
【図5】従来例のディスクブレーキの要部拡大図
【符号の説明】
20…ディスクブレーキ 21…ピンスライド型のキャリパボディ 22…ディスクロータ 24…作用部21a側の摩擦パッド 25…反作用部21b側の摩擦パッド 21a…キャリパボディ21の作用部 21b…キャリパボディ21の反作用部 21c…キャリパボディ21のブリッジ部 21e…大径シリンダ孔26の底壁 21f…小径シリンダ孔27の底壁 26…大径シリンダ孔 27…小径シリンダ孔 28…大径ピストン 28a…大径ピストン28の底壁 29…小径ピストン 29a…小径ピストン29の底壁 29b…拡径先端部 30…大径液圧室 31…小径液圧室 32,33…シール溝 34…大径角シール 35…小径角シール 36,37…ユニオン孔 38…ピストン挿通孔 39…シール溝 40…Oリング等のシール材 41…大気連通孔 C4…拡径先端部29bの段部と大径ピストン28の底
壁28a間の間隙

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスクロータの側部に摩擦パッドを挟
    んで配設されるキャリパボディの作用部に、ディスクロ
    ータ側へ開口する大径シリンダ孔と、該大径シリンダ孔
    の底壁に開口する小径シリンダ孔とを同一軸線上に連設
    し、前記大径シリンダ孔には大径角シールを介して大径
    ピストンを液密且つ移動可能に内挿し、該大径ピストン
    と前記大径シリンダ孔の底壁との間に大径液圧室を画成
    すると共に、前記小径シリンダ孔には小径角シールを介
    して小径ピストンを液密且つ移動可能に内挿し、該小径
    ピストンと小径シリンダ孔の底壁との間に小径液圧室を
    画成して、該小径液圧室と前記大径液圧室に、それぞれ
    異なる液圧系統を接続し、各液圧系統から大径液圧室ま
    たは小径液圧室へ供給される昇圧した作動液にて、前記
    大径ピストンと小径ピストンをそれぞれ個別にディスク
    方向へ押動して制動作用を行なう二系統式車両用ディス
    クブレーキにおいて、前記大径ピストンにピストン挿通
    孔を軸方向に貫通形成し、前記小径ピストンを前記大径
    ピストン側へ延長して、該小径ピストンを前記大径ピス
    トンのピストン挿通孔に挿通し、該小径ピストンの先端
    面を摩擦パッドの背面に臨ませると共に、前記大径ピス
    トンのピストン挿通孔と該ピストン挿通孔内の小径ピス
    トンとの間を前記小径角シールと同一内径のシール材に
    て液密にシールしたことを特徴とする二系統式車両用デ
    ィスクブレーキ。
  2. 【請求項2】 前記大径ピストンを有底円筒状に形成
    し、該大径ピストンを前記大径液圧室側へ底壁を向けて
    大径シリンダ孔に内挿し、前記小径ピストンの先端側を
    前記大径ピストンの内部で拡径して拡径先端部とし、該
    拡径先端部の段部と大径ピストンの底壁との間に、制動
    クリアランスよりも長い間隙を設定すると共に、該間隙
    を小径ピストンの拡径先端部と大径ピストンとの間を通
    して大気に連通せしめたことを特徴とする請求項1記載
    の二系統式車両用ディスクブレーキ。
JP7073056A 1995-03-30 1995-03-30 二系統式車両用ディスクブレーキ Pending JPH08270691A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7073056A JPH08270691A (ja) 1995-03-30 1995-03-30 二系統式車両用ディスクブレーキ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7073056A JPH08270691A (ja) 1995-03-30 1995-03-30 二系統式車両用ディスクブレーキ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08270691A true JPH08270691A (ja) 1996-10-15

Family

ID=13507329

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7073056A Pending JPH08270691A (ja) 1995-03-30 1995-03-30 二系統式車両用ディスクブレーキ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08270691A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10200967A1 (de) * 2002-01-12 2003-07-31 Kurt Fuechtler Scheibenbremse für eine Kraftfahrzeugbremsanlage
WO2008091025A1 (ja) * 2007-01-26 2008-07-31 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha ディスクブレーキ装置
CN106838047A (zh) * 2017-03-14 2017-06-13 杭州前进齿轮箱集团股份有限公司 一种双油缸离合器结构

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10200967A1 (de) * 2002-01-12 2003-07-31 Kurt Fuechtler Scheibenbremse für eine Kraftfahrzeugbremsanlage
WO2008091025A1 (ja) * 2007-01-26 2008-07-31 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha ディスクブレーキ装置
JP2008185064A (ja) * 2007-01-26 2008-08-14 Toyota Motor Corp ディスクブレーキ装置
JP4650434B2 (ja) * 2007-01-26 2011-03-16 トヨタ自動車株式会社 ディスクブレーキ装置
US8205724B2 (en) 2007-01-26 2012-06-26 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Disc brake device
CN106838047A (zh) * 2017-03-14 2017-06-13 杭州前进齿轮箱集团股份有限公司 一种双油缸离合器结构
CN106838047B (zh) * 2017-03-14 2021-04-13 杭州前进齿轮箱集团股份有限公司 一种双油缸离合器结构

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0212289B2 (ja)
JPH0379213B2 (ja)
US3486591A (en) Dual automotive brake system
JPS62210160A (ja) マスタ−シリンダ
US4627332A (en) Sealing members for master cylinders
JPH1030660A (ja) 液圧式車両用ディスクブレーキのピストン対向型キャリパボディ
JPH08270691A (ja) 二系統式車両用ディスクブレーキ
JP3901787B2 (ja) 液圧制御弁
JP2627906B2 (ja) サーボモータ用ダイヤフラム
US7168536B2 (en) Brake master cylinder comprising plunger pistons and radial grooves inserted into the housing in order to receive sealing joints
JP4767402B2 (ja) マスタシリンダ
JPS59117906A (ja) 油圧作動装置
JPH064112Y2 (ja) デイスクブレーキのピストンシール構造
US6386648B1 (en) Master cylinder and brake booster for a brake system
JP2002515101A (ja) ポンプ
US3973473A (en) Shoe-drum brakes for vehicles
JP2515631Y2 (ja) マスタシリンダ
GB2116270A (en) Vacuum boosters
JP7253404B2 (ja) 車両用ディスクブレーキ
JPS633547Y2 (ja)
JP3905044B2 (ja) センタバルブ型車両用液圧マスタシリンダ
JPH01269657A (ja) マスタシリンダ
JP2853313B2 (ja) 倍力装置
JP4295890B2 (ja) 車両用ディスクブレーキのキャリパボディ
JPS631636Y2 (ja)